まず、この発明に係る鍵盤装置の構造から説明しよう。図1は、複数の白黒鍵からなる鍵盤装置を黒鍵短手方向中央にて切断した側断面図であって、鍵支点部分を省略し、前半分(演奏者側)のみを表わした図である。そしてこの図は、白黒鍵が、共に押下されたところを示している。
この鍵盤装置は、図示しない鍵支点部を介して、鍵フレーム3に回動自在に設けられた鍵(白鍵;W,黒鍵;B)の下方に押離鍵動作を検出する鍵動作検出センサ11と鍵への指等の接近を検出する構えセンサ12、13とが設けられている。これらのセンサは、シリコンゴム等で形成され、各鍵に対応したセンサのベース部B1又はB2を共通に一体的に形成し、このベース部から突設させた複数の可動部PW,PB,PSを有する。これらの可動部は、鍵毎に構成され、1鍵毎にPWもしくはPBとPSとを備える。この可動部は、スカート部Pとリード部(後述)とから成る。スイッチ用可動部のリード部は、実質的にスイッチの被駆動部(頂部)に対応する。
スカート部Pの内下面に複数の可動接点C1,C2が設けられた可動部PS(吹き出し図参照)は、可動接点C1と対向する固定接点C11と可動接点C2と対向する固定接点c22が各々設けられたフレキシブル基板10の上に積重され、C1とC11からなる第1スイッチと、C2とC22からなる第2スイッチとで接点時間差形成のタッチレスポンススイッチを構成する。
これらのスイッチは、可動部頂部111を鍵Bの下面に設けたアクチュエータACの押下により閉成される。
上記基板10は、フレーム3の上にベース部B1下面から突設した保持突起101、102、103により、それがフレーム3の孔に係止されることで、ベース部B1とフレームとの間に狭持される。ベース部B1には、黒鍵動作検出用(黒鍵動作準備信号検出用)の構えセンサ13の可動部PBも連設されており、センサ11と13との間のベース部B1には、黒鍵用下限ストッパ部5が、その厚みを増すことで形成されている。黒鍵用構えセンサ13の可動部PBは、スカート部Pの上方に光ファイバ(後で詳述する)のリード部L1を有する。該リード部L1の上部は上方を細く形成され、その上部を鍵下面から突設した円筒保持部8で保持される。該保持部8の上端と鍵表面との厚さは、極薄に形成される。
白鍵用構えセンサ12も、センサ13とほぼ同様に形成される。異なっている点は、リード部L2の上部が短く形成されているのと、ベース部B2が構えセンサ専用に形成されており、ベース部B2の白鍵左右側面の下端面対向部が下限ストッパに対応している点である。104、105は、101と同様な保持突起である。
なお、白鍵W及び黒鍵Bは、フレーム3の下面に設けたストッパフェルトSUに水平部WS,BSが当接することで、その上限が規制される。
[構えセンサの要部の説明]
次に構えセンサの詳細について説明する。図2は、構えセンサ13(12)を裏面側から見た斜視図である。構えセンサ13(12)は、ベース部B1(B2)と可動部PB(PW)とからなり、該可動部PB(PW)は、円錐台状のリード部L1(L2)と、このリード部L1(L2)を支えるスカート状をなしたスカート部Pとからなる。リード部L1(L2)の先端tpを含む上部131とその下部とは、スロープで連設され、全体として図示のようにテーパー状に形成される。さらに該スカート部Pの裾から放射状に、ベース部B1が設けられ、該ベース部B1は、他の可動部(並設する鍵の可動部)のスカート部に連設される。
図2に示すように、スカート部Pの内側は中空になっており、その天面P35は基板10と平行に構成され、天面P35の中央にドーム型凹部P351(図2c)が設けられ、この凹部P351に、チップ状に形成したフォトセンサP12が固着された小基板P50が嵌め込まれ、導電性接着剤にて天面P35へ固着される。該センサ12は、図2(b)に示すようにチップの中央に赤外線(単に光と略す)を発光するLEDからなる発光体diが埋め込まれ、その周囲に複数(例えば4個)のフォトトランジスタからなる受光体acが埋め込まれてなるもので、LEDから出た光をその上に翳した反射体を介して受光体(フォトトランジスタ)で受けた場合に、その光の変化をセンスするものである。
上記小基板P50は、回路パターンP1,P2,P3,P4を施したポリエチレン等の樹脂のフレキシブルフィルムからなり、あらかじめ上記チップ(P12)を導電性接着剤にて一体的に形成しておく。
上記小基板P50の天面P35への固着は、天面P35を下にして、例えば、自動挿入機によって、図2(b)の点線部P52,P53,P54,P55に対応する基板凹部P352の所定ポイントに導電性接着剤を点下し、小基板P50をアーム先端でチャックし、マーク突起P51に対応する基板凹部P352の凹部P353をセンサで確認しつつ、小基板P50を凹部P352に載置すればよい。この小基板P50の天面P35への取り付けは、勿論手作業によってもよいが、この場合も、マーク突起P51を設けていることで、その作業効率が上がる。
可動部のスカート部Pの側面は、薄肉部P37を含む側壁P36で構成され、主にこの側壁P36が弾性を有している。そして、このスカート部Pが有する弾性を利用して、押鍵時の鍵とフレームもしくは基板との距離差を吸収させている。さらに、上記弾性にて鍵復帰力を与えてもよいし、図示しない鍵復帰手段によって鍵復帰力を与えるようにしてもよい。図1の鍵盤装置では、バネ等を使用せずにスカート部Pの弾性のみで、鍵復帰力を発生させている。
スカート部内面には、ベース部B1(B2)下面から内側面361を介して天面P35まで、フォトセンサP12への配線路である回路パターンP5,P6,P7,P8が2ペア状に施されており、このパターンの存在しないベース部の2点に基板10への鉤部付き保持用突起101、104、105が設けられている。天面P35の周囲部には、基板10方向に突設した突起P356、P358が設けられているが、これは、図2(a)のようなスイッチを有しないセンサ構造では不可抗力的な可動部沈み変位に対してチップP12及び小基板P50を保護するためのストッパとなる。
基板10には、図3に示すようにフォトセンサP12への配線路としての回路パターンが、2ペア分、スカート部Pの下面に沿って円形状もしくは、円弧状あるいは馬蹄形に設けられている。フォトセンサP12には、高感度のものを使用したいので、それに伴って電流容量を大とするため、該パターンは、銅、銀等の金属パターンPT1,PT2,PT3,PT4の上にカーボンパターンPC1,PC2,PC3,PC4を施すようにしてなる。パターンPC1,PC3及びPC2,PC4の各端部間には、上記保持用突起101が圧入嵌合される透孔14、14が設けられている。そして、この透孔14を介して、突起101は、フレーム透孔30を貫通してセンサ13、11及び基板10を共に固着している。なお、PCuは一般的な金属箔回路パターンである。センサ(タッチレスポンスス
イッチ)11においては、突起P356,358の部分が、可動接点C1,C1を構成する。
[構えセンサの作用]
フォトセンサP12へは、基板10からパターン「PCu,PC1,PM1,P5,P1,フォトダイオードのアノード,該カソード,P4,P8,PC4,PM4,PCu」のルートを介して電源が供給されると、LEDが発光する。この光は、同芯円状もしくは単に多数本束ねたグラスファイバ(樹脂ファイバでもよい)Fの中央部f1から鍵の外側に出て、手(指)をかざす事で、その反射光を外側のファイバf2(多数本又は単線)を介してフォトトランジスタに入射させるようにする。フォトトランジスタへの配線路は、「PCu,PC2,PM2,P6,P2,フォトトランジスタのコレクタ,該エミッタ,P3,P7,PC3,PM3,PCu」となり、フォトダイオードとフォトトランジスタ(NPNで上例示)からなるフォトセンサへの光変化を電圧(電流)変化に変換し、所定の閾値以下(以上)になることを検知すれば、構えセンサとなる。
なお、ファイバの入出力端は、凸面にした方が高感度かつ高忠実にセンス可能である。この場合、ファイバ端を凸面にしてもよいし、スカート部天面を凸面にしてもよい。また、受光体への導光ファイバとして透明なリード部L1(L2)それ自身を利用してもよい。従って、この場合には、チップP12と鍵表面との間の導光ファイバは、原理的には中央に配設する単線のみでよい。また、鍵外側の常在光をセンスしないよう、フォトセンサのセンスする光は変調がかけられている。つまり、赤外線センサ且つ変調センシングにて2重の誤動作防止システムを構築する。
[この発明の鍵盤装置で演奏機能を向上させた実施例]
〈1〉楽音パラメータをプリタッチで変更制御する実施例
図4は、この発明に係る自動演奏機能付き電子楽器のシステム全体を表わしたブロック図である。ここで言う自動演奏とは、自動リズム、自動伴奏を含む。該システムは、マイクロコンピュータ(mコンと略す)で制御されるもので、センサを含む操作子群(入力デバイス)と、mコン部と、音源部と、自動演奏用メモリと、サウンドシステムとからなる。入力デバイスとしては、図1で示した鍵盤装置(ここでは鍵盤KB)と分離して表わした構えセンサ群20、鍵スイッチ群21、音色/効果/音量を含む楽音パラメータ設定及び各種設定スイッチ群22とからなる。mコン部は、自動ものを含む楽音発生制御/消滅制御/持続時の制御等の各種楽音制御をする指示プログラムが格納されたリードオンリメモリROM23と、プログラム実行時に使用される一時待避用レジスタを含むランダムアク
セスメモリRAM24と、プログラム実行時のクロック/タイマインタラプトクロック/自動演奏に使用される音符用タイマクロック等を発生するタイマ26で指令される中央処理器CPU25と、からなる。音源部27は、mコン部で制御される複数種類の各複数楽音パラメータを受信してその楽音パラメータ等に基づく楽音信号を形成するものであって、波形メモリ方式、FM方式等からなる回路構成を有し、DACを含む。自動演奏用メモリ31は、自動リズムパターンメモリ31aと自動伴奏パターンメモリ31bと自動演奏(旋律)メモリ31cとからなり、自動演奏に必要な情報が格納されている。サウンドシステム部SSは、DACからのアナログ信号をアンプ28で増幅制御され、スピーカ29で放音するシステムである。上記20〜27及び31は、バスラインBUSで接続され、各種情報を各部にこのラインBUSを介して一方向または双方向に伝達される。
図5は、自動演奏処理を含む楽音制御に関するメインルーチンプログラムであって、この実施例のシステム全体としては、図6,9,12,13,14,及び図16のサブルーチンを含むメインルーチンと、鍵盤処理時のタイマインタラプト処理(図8、10)と、自動演奏時のタイマインタラプト処理(テンポクロック割り込み処理;図15)とからなる。
図4で示した装置の電源を投入すると、メインルーチンがスタートする。ステップS1でスタートすると、ステップS2(以下「ステップ」は略する)において、mコンに使用されるRAM内の一時レジスタ、各種フラグが初期セットされ、S3に移る。S3(図6に詳細開示)では、プリタッチ処理が行われ、次のS4(図9に詳細開示)では、鍵イベント処理が行われる。S3では、構えセンサ12、13(図1参照)の出力取り込み処理をキーコードとセットにして行われ、S4では、キースイッチからなる鍵動作検出センサ11(図1)の出力取込処理をキーコードとセットにして行われる。
次にS5では、自動伴奏モードか否かが判定され、YESなら自動伴奏に必要な処理S6、S7、S8が行われ、NOならS5からジャンプしてS9の処理に移る。S6(図12に詳細開示)では電子楽器パネルにあるスタイル選択スイッチ(スタイル選択スイッチ群22d(SS1〜SSn)のうちの1つ)にてオートベース等の自動伴奏及び自動リズムがセットで奏出制御されるスタイル選定処理が行われ、次のS7(図13に詳細開示)では、スタート/ストップスイッチSST/STP(図4の22cに内在)操作処理が行われ、さらに次のS8(図14に詳細開示)では、シンクロスタート/エンド制御処理が行われ、次のステップS9に移る。S9では、その前半にて、初期化ルーチンS2で自動セットされる各種レジスタ以外で、楽音制御パラメータを決定する手動タイプの操作子(22a、22b等)の操作処理が行われる。S9の後半では、請求項5に関連した処理が行われる。S9が終わると、S2に戻り、上記処理S2〜S9がエンドレスで行われる。
次に図6に基づき、プリタッチ処理を詳述する。まず、プリタッチとは、鍵盤に指が触れる前(鍵が動き始める前)の動作をさし、プリタッチ処理とは、このプリタッチ状態がいかなる態様であったかをセンスする処理の事である。図6において、S10にて、この処理がスタートすると、S11にて、「いずれかの構えセンサが所定値Aを越えているか否か」が判定される。この実施態様では、各種機能を可能にするため、全鍵につき、構えセンサを有する事としており、S11では鍵盤のどこかに指等が接近すると、YESと判断され、さらに接近し続けていると、その都度(図5S3〜S9〜S3の大ループ毎)YESと判断される。すると、S12において、「所定の鍵域中における後着キーに対応した構えセンサの値をFRMに取り込む」と言う処理をする。上記所定鍵域とは、例えば左鍵域であり、前記後着キーは、最左キーにしてもよい。また、上記後着キーに変えて先着キーにしてもよい。このS11及びS12の処理は、請求項5の発明に必要な処理であって、構えセンサの時々刻々変化する値を取り込んで、図16における楽音制御を遂行する為になされる(後詳述)。
次にS13において、「いずれかの構えセンサが所定値Aを越えたか否か」が判定される。この判定は、イベント処理であり、Aを越えた時にのみYESと判定される。越えてしまった状態または越えていない状態ではノーと判定される。NOならS15に進み、YESならS14に進む。S14では、図示のとおりの処理をする。即ち、「構えセンサ1スキャン中に同時に発生した構えセンサのキーコードをKC(n)に、構えセンサのオン識別データ"1"をKST(n)に取り込み、該キーコードに対応したタイマTF(n)をリセット(リトリガしてタイマカウントを開始)する」処理を行う。換言すれば、キーバッファレジスタKEYBUF1(図7参照;後述)にA値を越えたキーコードと共にチャンネルデータとセットにして各レジスタn、KC(n)、KST(n)、TF(n)値(例えば図7(c)〈1〉の各値)を取り込む。
ここで、キーバッファレジスタKEYBUF1のデータフォーマットを図7によって説明する。まず、図7(a)は、構えセンサにて指の接近を検知し、キースイッチにてキーの揺動を検出する場合の各種イベント発生態様をキーの上下位置と対応させて示したものである。まず、指が鍵に接近すると、構えセンサの取り込み値FRM(n)をウォッチしながら、所定値A(閾値)を越える(a)と、鍵移動態様レジスタKST(n)が0から1に変化し、キースイッチの第1接点(C1とC11)がオンする(c)と、KST(n)=2となり、第2接点(C2とC22)がオンする(d)と、KST(n)=3となり、第2接点がオンする(e)と、KST(n)=4となり、第1接点がオフする(f)と、KST(n)=5となり、構えセンサが閾値B以下になる(b)と、KST(n)=0となる。従って、図7(a)のa〜fは、各押鍵位置を表わし、c=f、d=e,a>bとして書かれている。
また、図7(b)には、KEYBUF1に取り込まれるべきデータが例示されている。KEYBUF1は、図示のようにチャンネルレジスタn、キーコードレジスタKC(n)、キーセンサレジスタKST(n)、構えセンサオン経過レジスタ(タイマ)TF(n)、キースイッチ接点時間差カウントレジスタ(タイマ)TK(n)、のレジスタ群からなる。なお、FRMレジスタは、n個分はなく、1個であり、この値によっても、楽音が従来にない新規な制御がなされる。
図7(C)は、構えセンサデータを含むキー情報の発生から消滅までを図示したもので、図示〈1〉の場合、同時刻に指がC3、E3に接近して、所定値A(スレッショルドレベル)を越えた(例えば、鍵表面から2cm以下)ところをS13の処理にて構えセンサでセンスされ、S14で該レジスタKEYBUF1の各レジスタに取り込まれたところを示している。チャンネルデータは、発音チャンネルであって、先着優先でチャンネルナンバーnが決まる。同時ならキースキャン方向に従う。nは例えば1〜32(最大32)とするが、図7(C)〈1〉の場合は、n=2である。
そして、次の処理S15にて、いずれかの構えセンサ出力が所定値B(閾値)以下になったか判定されるが、押鍵方向に指が動いている場合は、S15にてNOと判定され、S18にジャンプしてこの処理が終わり、図9の鍵イベント処理に移行する。この鍵イベント処理でも何もイベントが無かった場合は、S20、S21、S22、S23、S36でスルーされ、S5(図5)の判定にて自動伴奏モードでない事を条件にスルーされ、S9(図5)にジャンプされ、S9の処理でもS92(図16)にてKST(n)=3ではないと判断される(図7(C)〈1〉を議論中)ので、スルーされ、再びS3に戻る。
KST(n)は、前述のように0〜5までその値をとることができ、この数値にて、指の移動状態がどこにあるかを表わしている。従って、前記例示の場合、鍵が、指から2cm以上離れておれば、KST(n)=0、2cm以下から第1スイッチオンまでをKST(n)=1、第1スイッチオン後から第2スイッチオンまでをKST(n)=2、第2スイッチオンイベント時から第2スイッチオフイベントまでをKST(n)=3、第2スイッチオフイベントから第1スイッチオフイベントまでをKST(n)=4、第1スイッチオフイベントから構えセンサ検出範囲外へ出た事を示すイベントがある直前までをKST(n)=5とし、演奏の構え状態にないときをKST(n)=0としている。KST(n)=1になった直後からKST(n)=2になる直前までは、基本的には前記メインルーチンを廻り続ける(下記注1)。例外的には、右手(指)が接近中に左手で、音色スイッチ(音色スイッチ群22a内の1つ)や、制御ホイール(22b)などを操作した場合は、図16S9のS91にて、その設定処理が行われる事がある。この処理は、通常非演奏時に行われる。
上記注1のルーチン中に、時間が経過するが、そのタイマ処理が、図8のタイマ処理1及び図10のタイマ処理2で行われる。そこで、まず、図8を先に説明する。図8の処理は、構えセンサが閾値以上である事をセンスしてからどのくらい時間が経過したかをカウントするタイマカウント用インタラプト処理であって、S80でその処理がスタートする。S81にて「KEYBUF1(n)の中の最大nは、0か?」が判断され、YESであればS88にリターンされ、この処理を終わるので、何もしない。n=1以上であれば、S82に移行し、このステップで、KEYBUF1に入っている最大のn(nmaxのこと)をmにセットし、さらに、n=1にセットして、次のS83にて、KST(n)=1か否かが判断される。YESの場合、s84にて、TF(n)レジスタデータがプラス1され、S85にて「n=m+1か?」が判定される。即ちnは、KEYBUF1(n)の最大nまでTF(n)のプラス1を実行したかどうかが判定される。図7(c)〈1〉の場合、最大nは2であるのでn=1ならノーと判定され、次のS86にて、nがプラス1され、S83に戻る。n=2になるまで、S83、S84、S85、S86を繰り返してS85のYES判断にて、S87に移り、nmaxにmを代入してS88にリターンされる。このようにして、所定時間(例えば5ms)毎にインタラプト処理が行われる。
また、上記の他にタイマインタラプト処理がもう1つ設けられている。それは、タイマTK(n)のカウント処理であるが、これについては後述する。
次に、図9に基づいて、鍵イベント処理を説明する。S20でこの処理がスタートし、第1キーオンイベントがあると、S24に移行し、第1キーオフイベントがあると、S25に移行する。図9では、全鍵の全イベントにつき、有/無が問われ、全鍵の処理につき、イベントあり時に、所定の仕事(S24またはS25)が行われる事を略式で示されている。図9の処理時に各種レジスタを使用するので、それらのデータフォーマットを図7(C)〈2〉、〈3〉に基づいて説明する。
図9のイベント発生時に、S24にて図示のとおりの処理を行うが、「キーオンイベントあり」と言うことは、少なくとも、キースキャン中のキーイベント(図7(C)では、C3とE3)の第1キーオンイベントがあった事によって、S24の処理を行う。少なくともそのキーイベントのキーコードは、構えセンサ出力ありの時に、KEYBUF1に存在しているので、KEYBUF1をサーチして同一キーコードありのエリアに第1キーがオンになって、その時しばらくオン中であることを示すKST(n)=2と、タイマデータTF(n)とをKEYBUF1に取り込む。図7(C)〈2〉、〈3〉の場合、TF(2)=27(135)、TF(1)=28(140)であることからして、演奏者が、ほぼ同時に押鍵したものであると言えるが、両者が1カウントずれているため、S23、S26、S40、S32、S33、S34、S35の処理(処理K)を構えセンサオンイベントから27カウント目と28カウント目との両時において実行した時の各レジスタの取り込み値を表わしている。上記括弧内の数値は、ms(ミリセカンド)単位に換算した値である。そしてそのキーコードに対応したタイマの値TK(n)をリセットする。換言すれば、図9では、各種鍵イベント発生時にS24、S25、S32のところでKEYBUF1の各レジスタを書き換えることをしている。
ここで、前記図7(C)をまとめて説明する。〈1〉でKEYBUF1(1)及びKEYBUF1(2)に各値が書き込まれたことを示しており、メインルーチン、詳しくは図6のS14で各種データが各レジスタに書き込まれたことを示している。この時、構えセンサのオンイベント(所定値A越え)が、C3とE3とで同時に起こったことを示している。その後押鍵が進み、第1キーオン時にわずかに前記C3とE3のオンイベントがずれたため、〈2〉と〈3〉とが、メインルーチンの別周回時になされたことを示している。〈4〉では、先程、C3とE3のオンイベントがずれたが、ここでは、第2キーオンイベントが、C3とE3とで同時に起こったことを示しており、そのタイミングは、C3が61、E3が54、即ち接点時間差が各々61ms、54msであったことを示している。
ところが、C3が195−135=60、E3が195−140=55と、TF計算と、TK計算とでずれているのは、TFがインタラプトのタイムインタバルが大きいための誤差である。〈5〉では、E3がKST=4即ち第2キーオフとなり、〈6〉にて第1キーオフになったことを表わしている。〈2〉〈3〉〈5〉〈6〉では、夫々他方のキーについて書かれていないが、あえて書くとすれば、1つ前の同一チャンネルの状態を維持している。例えば、〈6〉時点でのC3は、〈5〉でもイベントがないので、〈4〉のn=1の各レジスタと同じ状態を保っている。つまり、構えセンサオンイベントのあったキーの情報は、構えセンサオフイベントがあるまで、n個分(最大32)有し続けている。
タイマTK(n)は、鍵の第1スイッチと第2スイッチとのオンイベント時間差を計測するためのタイマであって、S24にてTK(n)をリセットするのは、第1スイッチオン時に0にしてその直後から時間をカウントするためである。即ち、このタイミングでTK(n)がリセットされると、その直後から、図10において、タイマインタラプト処理2にて、発音の準備のためのnチャンネル図7(C)では、n=1と2のチャンネルにおけるタイマをKST(n)=2の条件の時に限ってカウントアップする。図9でキーイベントのあったチャンネルのみ、次のキーイベントがあるまで、図10で同一キー(同一チャンネル)のキーイベントがあったもののみ、タイマカウントする。
ここで、図10を詳述する。S100にてこのタイマインタラプト処理がスタートするが、常に例えば1msのタイムインタバルにてインタラプト処理が行われ、S101にて、KEYBUF1の中の最大nは”0”かが判定された後、YESであれば、S106にスルーされ何もしない。つまりこの場合は、KEYBUF1に何もデータがないことを示している。そしてデータありの時、つまりn>0の時、S102でnを1とし、S103でKST(n)=2すなわち押鍵中の鍵が第1キーオンと第2キーオンとの間にあるかが問われ、該nになければ、S107でnをプラス1し、S103に戻り、もし押鍵中の鍵が、KST(n)=2を満たす位置にある場合は、S104にてTK(n)をプラス1にタイマカウントアップする。S105にてKEYBUF1を全nにつき、S103、S104を処理するかが問われて、最大nまで処理するとS106にてこのタイマカウントの処理が終わる。
そして、再び図9に戻り、例えば、C3キーが第1キーオンイベントありの状態から、同一キーの第2キーオンイベントありをS23にて検出判定されると、S26において、自動伴奏モードか否かが判定される。この判定をする基になるフローは、図16のS91におけるパネルスイッチ設定のところにてモードスイッチ(22c内の1つ;AP)をオンにすることで行われる。その後、演奏時に、S26で、該オンフラグ(モードスイッチがオンとなっている時に"1"となるフラグ)を見て、判定される。自動伴奏モードでない場合は、RUN=0であるのでS32にジャンプし、「第2キースイッチのスキャン中に同時に発生したキーイベントのキーコードをKEYBUF1の中から、オン中キーコード即ちKST(n)=2あるいは3であるキーコードをサーチし、同一キーコードを格納しているKC(n)と、第2キーがオン中になった事を示すデータ(KST(n)=3)あるいは第2キーがオフになった事を示すデータ(KST(n)=4)と、この時点のタイマデータTK(n)、TF(n)とをKEYBUF1の各レジスタにつき、書き換える」ことをする。つまり、書き換えるのは、図7(C)の場合、〈4〉ではKST(n)、TF(n)、TK(n)であって、nは1と2であるから、計6個となる。KC(n)は同一キーコードを重ね書きするので変化しない。S32の処理は、第2キーのオン/オフイベントの処理をいっしょに記述したので分かりにくいが、オン処理は、KST(n)=2を3に、オフ処理は、3を4に書き換えることを意味している。
次に、S33に移行し、ここでは、TK(n)、TF(n)に基づき、テーブルTBL(図11)を参照して、全nにつきLxy(n)を得る。Lxy(n)の値とはTK(n)の値Lxを横軸に、TF(n)の値lyを縦軸に並べ、その交点の値Lxyを導出し、これを全nについて求めたものが、Lxy(n)である。ちなみに、TK(n)は、その値が大になるほど左側に、TF(n)は、その値が大になるほど上側に位置する。速度データとして言い換えれば、それぞれ右側、下側になるほど、その値が大として表わされていることに等しい。Lxyは、La〜Lgの実質3ビットで表わされる7種のデータであって、TKとTFとが求まると自動的に前記7種のいずれかのLxyを得る。
次のS34では、KEYBUF1のn、KC(n)、KST(n)、Lxy(n)を全nにつき音源ユニットに送出する。即ち、前記レジスタのデータを音源ユニットに送出すると、指定されたチャンネルnにて受信されたキーコードを発生するが、その状態データKST(n)で、エンベロープジェネレータEGなどのタイミングがコントロールされ、Lxyを音源ユニットの音色コントロール端子に入力することで、音源から送出されるKCで決まる音高の音色のカットオフ周波数をいずれにするかが指定されるようになっている。このような音色制御の変形例として、アタックピッチを正規音高から何セントずらすとか、様々な変形例が考えられる。つまり、S34では、音源側のチャンネル指定をnで、そのチャンネルのキーコードをKC(n)にて音高指定を行い、キーオン(KST(n)=3)、キーオフ(KST(n)=4)をKSTで指定し、発生すべき楽音の音色をLxy(n)で指定する。この時これらのデータを音源側で受けた瞬間に各種指定値に基づいた楽音をサウンドシステムから発生する。その後、S35で全nにつきTK(n)をリセットする。
S26〜S31及びS40〜S44までは、自動伴奏モード時の制御処理であって、図16のS91のパネルスイッチ設定状態で設定されたモードが、S26で自動伴奏モードであると判定されると、シンクロスタートモードであることを条件に(S27)、左鍵域の初オンであれば(S28)、Tが所定値以上(例えばT=1〜3)であること(S29)を条件にフラグFIを1にして(S30)RUNを1に、SYSTを0に、自動用タイマカウンタTを0に(リセット)する(S31)。そして、S26、S27、S28のいずれかがNOと判断されれば、RUN=1でないことを条件(S40)に、図9で示したようにS32にジャンプする。S40にてRUN=1であれば、鍵イベント時に、その鍵が、左鍵域のキーオンであり(S41)、該鍵イベントがChord音として成立していれば(S42)、S43にて「Chordに対応したベース音を抽出し、スタイルに対応する自動伴奏パターンの発音を可とするフラグACを1とする」処理を行い、S41、S42のいずれか一方でも、判定が「no」であれば、S44にてフラグACをリセットして、S32に移行する。
このように、図9において鍵イベント処理では、自動伴奏モードであれば、少しの追加処理(S26からS31及びS40〜S44)をして、楽音の発音制御を行っているが、この実施例では、第2キーオン/キーオフ時にまとめて、キーイベントバッファの各種データを音源側に送出するようにしている(S32〜S34)。これをオン時は、第2キーオン時、オフ時は第1キーオフ時にしてもよい。
上記S29のyes,no判定において、後述で明らかになるが、左鍵域の初キーオンが、離し弾き/押し弾きと言う演奏形態(奏法)で異なれば、その時のTの値が異なることに注意したい。つまり、ある奏法で、該当する鍵の構えセンサがスレッショルド値Aを越えてから該当する鍵の第2キーオンがあるまでの時間をテンポカウンタのクロック数で判定し、それが、例えば、3以上であれば、S29でyesと判定される。テンポクロックの最小分解能を1小節192とし、4分音符=60とすると、4分音符の長さが、ちょうど1秒になる。1テンポクロック長は、20.8ミリセカンドとなるので、62msを境にしてこれより遅い押鍵(鍵への接近)の押し弾きの場合、フラグFIを1にして、図15にてフィルインパターンから演奏開始するようにし、鍵への接近が速い離し弾きでは、noと判定されるので、通常パターンから演奏開始することをこの部分で開示している。
そして、自動伴奏モードでない場合は、図5において、S3、S4、S5、S9の繰り返しとなり、実質的に、S3、S4がメインの仕事となる。図7(a)のKST(n)=4で第2キーオフが発生した後(S23、S26、S32、S33、S34、S35)、第1キーオフがKST(n)=5として検出され、S25の処理をする。KST(n)=5から0に変化した時、図6の後半処理が行われる。即ち、S15にて、いずれかの構えセンサ出力が、閾値B(所定値)以下になれば、S16の処理をする。S16では、構えセンサをスキャンして、同時に発生した構えイベントありのキーコードと同一のキーコードありのKEYBUF1のエリアのセットデータを全てクリアする。そして、その次のS17では全nにつきFRM(n)をリセットする。
なお、図6のS11とS12とS17の処理は、請求項6に対応した実施例で使用される(後述)。
ここまでの、説明で、通常のタッチレスポンススイッチ使用の電子鍵盤楽器では出来ない木目細かな楽音のコントロールが可能であることが理解できる。即ち鍵盤に向かって演奏する時の構え情報を加味して、音色をコントロールすることが理解できる。つまり、従来技術では、タッチデータ(キーオン時の接点時間差データ)に基づき、音色を制御するものは存在したが、構え情報検出センサがなかったので、構えの状態が如何なるものであっても、タッチデータが同じなら、同じになってしまう。ところが、この実施例では、従来で言うタッチデータが同じであっても、構えの状態が異なれば、音色等の楽音パラメータを木目細かに変更制御することが出来るようになっている。
このことを図11に基づき、今までの研究成果から好ましい例を述べてみる。グランドピアノについて述べると、奏法として、押し込み演奏と、そうでない離し演奏とがあり、前者は、指に鍵が触れている状態か、わずかに離れている状態から鍵盤を押さえるように弾く奏法であり、後者は、鍵盤から10cm以上指を離して弾く奏法である。フォルテfやフォルテシモffで規定される指(手)から鍵盤への力が同じとして、上記の異なる奏法で、弾いた場合、押し込み奏法の方がより強力に奏でることが知られており、fffで演奏したい場合は、押し込み演奏を使用することが多いと聞く。そして押し込み演奏の場合、アタック時に高調波が多く含まれるように聞こえる。このことから、音色情報La〜LgにつきLgに向かうほど高調波を多く含む音色(明るい音色)に規定し、押し込み演奏で且つffまたはfffの領域では、Lg(高調波を多く含む音色)を採用している。なお、TBLの右端領域は、いわばffffである極めて強いタッチ(鉄球1kgを鍵盤に上から落としたような非現実的とも言える強タッチ)に相当し、通常演奏では使用されない領域である。
この事を踏まえた上で、図11を注視すると、通常演奏時は、普通の音色(Lc、Ld)とし、弱音時は、暗い音色(La、Lb)とし、強音時は、明るい音色(Le、Lf)とし、更なる強音時は更なる明るい音色(Lg)になるように規定した。
ここで、図9のS33を「全チャンネルにつき、TK(n),TF(n)に基づきテーブルTBL(図示せず)を参照して音量データVxy(n)を得る」に、S34を「KEYBUF1のn,KC(n),KST(n)及び音量データVxy(n)を全nにつき、音源ユニットに送出し、発音/消音を行う」に変更し、上記テーブルを横に寝たS字カーブ(TK,TF共に小の時は、そのテーブル値が極めて小で、TK,TF共に大の時〔TK,TFはいずれもべロシティー対応;真のTK,TF値の逆数が小か大かの意〕は、該値がさらに大となるようなテーブル)を示すようなものを用意すれば、よりダイナミックレンジの大きい音量制御も可能となる。つまり、いわゆる従来のタッチデータが同一であっても、奏法によってその音量に更なる変化を与えることができる。
次に、自動リズム、自動伴奏を含む自動演奏機能付電子鍵盤楽器にこの発明を応用した例について、図12〜図15を参照しながら説明する。図12〜図15は、図5のサブルーチンS6〜S8に対応している。まず、スタイル処理(図12)の説明をする。
スタイル処理S6において、S6にて、このルーチンがスタートすると、S61でスタイル選択スイッチ群22dのいずれか(SS1〜SSnの1つ)のオンイベントを判定し、該オンイベントがなければ、リターンされ、メインルーチンに復帰し、22dのいずれかのオンイベントがあれば、ステップS62でオンイベントのあったスタイル選択スイッチに対応するスタイルをレジスタSTに書き込み、メインルーチンに復帰する。
上記スタイル処理のスタイルとは、自動リズム、自動伴奏を含む自動演奏のスタイルをさすもので、例えば、スタイルをサンバとすると、サンバのリズムで複数のリズム音源が同時にあるいは時系列的に鳴り、、かつ伴奏音がベースラインで発生し、かつ、Chord音も自動的にもしくは半自動的に発生する演奏形態のことである。従って、所定のスタイルが選択されると、該スタイルに対応した自動伴奏用パターンで、データが決定されるので、それが、自動演奏用メモリ31から読み出される。上記スタイル処理が終わると、図13(図5も参照)のスタート/ストップ処理が行われる。
スタート/ストップ処理S7において、ステップS71で図4のスイッチ群22c内のスタート/ストップスイッチSST/STPSWのオンイベントがなければ、リターンされメインルーチンに復帰し、オンイベントがあればステップS72でSYST=1であるか否かを判定する。SYST=1であれば、ステップ73でRUNを”1”にセットするとともに、SYSTを”0”リセットし、さらに、テンポクロック発生回路26−3にタイマカウンタリセット信号(T←0)を出力してメインルーチンに復帰する。
また、ステップ72でSYST=1でなければ、ステップ74でRUNを反転してステップ75でRUN=1であるか否かを判定し、RUN=1でなければ、メインルーチンに復帰し、RUN=1であればステップ76でテンポクロック発生回路26−3にタイマカウンタリセット信号を出力してメインルーチンに復帰する。
以上の処理により、スタート/ストップスイッチSST/STPはモーメンタリースイッチとして機能し、図に示したように、シンクロスタート解除状態(SYST=0)では自動演奏(伴奏)のスタートとストップの切り替えが行われ、シンクロスタート待機状態(SYST=1)では自動演奏(伴奏)が開始される。但し、この発明では、シンクロスタート待機状態中に、このスイッチで、自動演奏開始するのは、特殊な場合であって、一般的には、次に示す図14のルーチン(システム)により行われる。
図14は、シンクロスタート/エンド処理であって、この処理がS140にてスタートすると、S141にて自動演奏(伴奏)モードか否かが判定され、自動演奏モードでなければ、リターンされメインルーチンに復帰する。自動演奏モードであれば、S142にて鍵盤の左半分のいずれかの構えセンサ出力が所定値Aを越えたか否かが判定され、センサ出力が所定値Aを越えた時(越えた瞬間のイベント時)のみ、yesと判定され、次のS143にて、RUN=1か否かが判定され、自動演奏中ではyesと判定されて、リターンされる。つまり、自動演奏中では構えセンサオンイベントは、無視されて何もしない。RUN=0の時(自動演奏停止時)には、S144にて、フラグレジスタSYSTを”1”に、かつテンポカウンタレジスタTをリセットしてリターンされる。S142のオンイベント以外の時には、S145にて、鍵盤の左半分のいずれかの構えセンサ出力が所定値B以下になったか否かが判定され、このオンイベント以外の時には、リターンされ何もしない。オンイベント時には、S146にて、SYST=1か否かが判定され、シンクロ待機の場合には、S147にて、このフラグSYSTをリセットしてリターンされる。こういう場合の具体例は、構えセンサに指を近づけて、その後キーオンされずにその指を鍵盤から大きく離した場合に当たる。S146にて、SYST=0であれば、S148にて、RUN=1か否かが判定され、noなら何もせず、リターンされ、yesならS149にて、RUNをリセット(0)にする。このS148の判定が、後述するシンクロエンド/ノンシンクロエンドを可能にしている。
次に図15にて、自動演奏におけるテンポクロック割り込み処理を説明する。S50にて、この割り込み処理がスタートすると、S51にて、SYST=1か否かが判定され、構えセンサの鍵盤への接近によって、シンクロスタート待機状態にされている場合には、センサ接近時のオンイベント直後のテンポクロック割り込み処理にて、S51でyesと判定され、S52にジャンプする。S52では、テンポカウンタレジスタTは、拍タイミングか否かが判定され、拍タイミングでなければ、何もせず、リターンされる。拍タイミングであれば、LEDランプ点灯表示され(S53)、Tをプラス1して(S54)、リターンされる。S51にて、シンクロ待機状態でない場合に、S55にて、RUN=1か否かが判定され、自動演奏状態でない場合には、何もせずリターンされる。S55にて、自動演奏中であれば、S56にて、フィルインパターンフラグレジスタFIが”1”であれば、S561において、自動演奏スタイルSTに対応するFIパターンについて、自動伴奏パターンの付加/削除をACフラグで判断しつつ、Tに対応する自動リズム及び自動伴奏データを読み出して、パターンレジスタPTNに取り込む。その次に、S562にて、Tは4小節タイミングか否かが判定され、そのタイミングでなければ、S57にて、PTNのデータを音源に出力するが、そのタイミングであれば、S563にてFIと、Tとがリセット(T=0)され、その後、S57にて、PTNのデータを音源に出力する。
一方、S56にてフィルインパターンフラグレジスタFIが”0”であれば、S564にて、自動演奏スタイルSTに対応する通常パターンについて、自動伴奏パターンの付加/削除をACフラグで判断しつつ、Tに対応する自動リズム及び自動伴奏データを読み出して、パターンレジスタPTNに取り込む。この場合、このPTNレジスタには、テンポクロック割り込みが来たタイミングにおいて、今、発音すべき各種音源(バスドラム、ハイハットシンバル等の自動リズム音源、オートベース用のベース音等の音源用識別)データが取り込まれるものである。自動演奏用パートの旋律音等の音源についても、同様に考えることができ、テンポクロック割り込みタイミングにつき、少なくとも音源種類データと音高データとを指定するようPTNに合わせて送出すればよい。S561についても同
様であり、そのパターンが異なるだけである。
さて、その次に、S565にて、Tは4小節タイミングか否かが判定され、そのタイミングでなければ、S57にてPTNのデータを音源に出力するが、そのタイミングであれば、S566にてTがリセット(T=0)され、その後、S57にて、PTNのデータを音源に出力する。そして、上記したS52〜S54の処理をしてリターンされる。
以上の説明で、自動演奏時のフローを一通り説明したので、つぎに自動演奏機能付電子鍵盤楽器に構えセンサからの情報を如何に作用させて、電子楽器の付加機能を向上させられるかについて説明する。
具体例を挙げた方が分かりやすいので、「構えセンサにて、シンクロスタートさせ、その後、鍵操作で、自動演奏をスタートさせると同時にマニュアル演奏を開始し、シンクロエンドまたはノンシンクロエンドにて演奏を終了する場合」について、作用的に説明する。
(1)自動演奏モードに設定;図4の操作子群22cの1つAP/MPを操作すると、後述する図16の前半のフローにて、自動演奏モードに設定された状態になる。
(2)シンクロスタート状態に設定;自動演奏モードでは、図14のS141でYESと判定され、全鍵中の構えセンサのうち、左鍵域(伴奏鍵域のことであって、自動演奏モードにされた状態では、所定鍵より音高が低い鍵域と、そうでない鍵域とにスプリットされ、このスプリット鍵より左側の鍵域/もしくは、多段鍵盤楽器では、下鍵盤)の鍵に対応したいずれかの構えセンサが、鍵表面に接近すると、該センサ出力が所定値Aを越え(S142)、この時、まだ自動演奏されていないので、S143、S144にて、SYST=1、T=0とされる。
(3)シンクロスタート待機中の状態;SYST=1になった直後から図15のテンポクロック割り込み処理が有効となり、S50,S51,S52,S53,54、リターンもしくはS50,S51,S52,リターンのルートで、拍カウント及びテンポLED表示される。この時、シンクロスタート状態設定時における鍵操作が、離し弾き入力された場合には、図9のS29の判定で、Tが所定値より小さいはずである。即ち、Tの最小分解能は、たとえば1小節192であって、上記所定値とは、1〜3程度に設定される。つまり、SYST=1になってからごく短い時間内にKEYswのオンイベントがあれば、S29でnoと判定される。これにより、FIフラグが"0"のままになり、図15のS56でnoと判定され、S564において、通常パターンが選択されることになる。つまり、離し弾きでは、通常パターンから自動演奏がスタートする。
これに対し、押し弾きにて、左鍵域の鍵を押鍵操作すると、指の鍵への接近時に、指が、鍵接触状態で、一時停止することになり、その後、おもむろに押鍵され、KEYswオンとなるので、Tが図9のS29の判定で、所定値より大と判定される。これにより、S30でFI=1となり、図15のS56でyesと判定され、S561において、フィルインパターンが選択されることとなる。即ち、押し弾き状態から演奏を開始すると、自動演奏部分では、任意のシンクロスタート待機タイミング(例えば、3拍目)で、キーオンすると、それまでの拍にて、拍間をLEDにて、視覚認識しながら(S52〜S54)、フィルインパターンから自動演奏がスタートする。
(4)RUN=1中(自動演奏中)の状態;スタイルに対応した自動演奏パターンで演奏が継続され、自動演奏継続中は、スタートから4小節までフィルインパターンが演奏され(S561〜S563)、5小節以降は、S564〜S566によって、通常パターンで演奏される。拍表示は、自動演奏中ずっとなされる(S52〜S54)。
(5)自動演奏停止の前後;自動演奏をスタート/ストップさせる場合には、構えセンサを使用する場合と、図13のスタート/ストップスイッチを使用する場合がある。ここでは構えセンサで自動演奏を停止させる場合を述べる。図14で分かるように、S145の判定、即ち、構えセンサ出力が所定値B(Aより鍵から離れた時の値)以下になれば、S148、S149にて、自動演奏を停止する。換言すれば、自動演奏中は、ずっと鍵から指を大きく離すことがないようにして、鍵から指を大きく離せば、S145にてyesと判定され、S146、S148、S149にて、自動演奏を停止させる。このような制御形態を取るので、自動演奏を停止させようとする時、所定の拍タイミングで指を大きく鍵盤から離せば、ほとんどタイムラグ無しに停止させることが出来る。しかしながら、ほんの少しはタイムラグがあるので、この遅れによって、例えば、ちょうど、小節線タイミングで、離鍵したとしても、1泊目のパターンデータが読み出されることがある。ところが、1泊目のリズムパターンデータ等は、シンバル等のリズム音源を置くことが多く、また、一般的生演奏の観点から、1泊目のシンバルを打ってから演奏を終了することが多いことに鑑み、自動演奏終了が、小節線タイミングからわずかに後にずれたとしても、音楽的にほとんど悪影響がない。のみならず、好都合でもある。但し、この場合は、自動演奏が、自動リズム演奏に限り、効果的と言える。このようなほとんどタイムラグ無しのマニュアル演奏と同期したシンクロエンド態様に対し、ノンシンクロエンドにて、自動演奏を停止させる場合は次のようにする。
図9のS41にて左鍵域のオンがなければ、Chord検出が行われない。従って、自動演奏停止直前に、指を鍵に触れたままで、左鍵域のKEYonを止めれば、オートコードとオートベース(合わせてオートベースコードABCと言う)とが停止し、この時、従来なら、オートリズムも停止する(停止しないモードの場合のリズムストップはストップスイッチをオンする)が、この発明では、オートリズムは停止しない。オートリズムが停止する時は、該鍵に触れている指を離し、全ての指が左鍵域から大きく離れた時(S145、S146、S148、S149)である。このように、ノンシンクロエンドの場合、上記ABCとオートリズムとを時系列的に分けて演奏終了することが出来る。例えば全ての演奏終了前の1小節前にて、ABCとマニュアル演奏を停止させ、その後、1小節を自動リズムだけ、演奏し、その後、全ての指を離して、全ての演奏を終了させると言うようなノンシンクロエンドができるようになった。
また、シンクロエンドのようなノンシンクロエンドも、この発明では可能である。伴奏鍵の構えセンサの検出範囲外に指を離すタイミングを、わずかに遅らす(ジャストタイミングより50〜300ms)ようにし、このタイムラグ内に、複数音源からなる1つのリズム楽器の各音源を鳴らすようプログラム(または設計)しておけば、離鍵態様によって1音源を鳴らしてエンド、複数音源を鳴らしてエンドと言うようなことも可能である。この場合、複数音源からなる1つのリズム楽器に限らず、1音源からなる複数複数リズム楽器の各音源を上記に当てはめてもよいことはもちろんである。
換言すれば、この実施例では、演奏態様によって、シンクロエンドと、ノンシンクロエンドの使い分けが出来ると言うことである。
上記(3)において、押し弾きで自動演奏パートをスタートさせる場合、図9のS29の判定をテンポクロックカウンタレジスタTによって判定した。この場合、S562、S565のジャッジを「Tは1小節タイミングか?」に変更すると、4/4拍子を持つ曲演奏の場合、シンクロスタート始めから数えて、4拍目にぴったり合わせて演奏すると、T=0となり、[T>所定値」の条件から外れ、通常パターンから演奏を開始してしまう。つまり、押し弾きであっても、通常パターン/フィルインパターンの2つの演奏開始形態をとることができる。このような演奏開始態様を演奏時に採用するかしないかは、好みの問題であるが、このような演奏開始形態は、アンサンブル時のタイミング合わせを一人で練習する場合に有効な手法であると言える。
即ち、シンクロスタート時のテンポ表示器を見ながら、演奏開始する場合、LK(左鍵域の鍵)オンで演奏スタート時、小節線ぴったりに演奏開始されたか否かが通常/FIパターンにて表現分けされることになるから、ぴったり演奏か否かを演奏直後に聴覚的に認識できる。この事により、アンサンブルスタートを、言わば、運動会の競争スターティングを練習する感覚で練習できる。
また、もし離し弾き演奏スタートと、押し弾き演奏スタートとにて、確実に自動演奏パターンを使い分けたい場合には、S29のジャッジをTの判定に変えて、TFのカウンタレジスタを使用すればよい。即ち、S29を[TF>所定値以上か?」のジャッジにすればよい。そうすれば、TFが、例え、小節線に対応したデータになったとしても、リセットされることがなく、押し弾き演奏スタート時はいつも、上記ジャッジがyesと判定され、上記2種の演奏態様により、自動演奏パターンの発生スタイルを使い分けすることができる。
次に、図16によって、音色・その他処理を説明する。このフローは、その機能が、前半と後半とによって、大きく分かれている。前半処理では、音色設定を含む各種機能設定処理が行われるところであり、後半処理では、構えセンサデータによって、楽音に特定の変化を与えるようにしたフローである。
まず、この処理が、S9にてスタートすると、S91にて、「各種機能スイッチ群中のいずれかの操作子オンイベント有り?」か否かが問われ、yesと判定された場合は、S92にて、特定の処理のオンイベントありの操作子に対応した機能が付与されるように各種レジスタを設定する。該イベントがなければ、S91の処理をスルーする。ここで、この処理の一例を挙げると、自動演奏モードか否かを設定することが、ここで行われる。このモードスイッチAP/MPは、モーメンタリーになっていて、一方を押せば、自動モード、他方を押せばマニュアルモードが設定される。
次の処理S93では、音色設定操作子中のいずれかの操作子オンイベントがあるか否かが問われ、有りであれば、S94にて、オンイベント有りの操作子音色に対応した音色パラメータをプリセットする。オンイベントが無ければ、S94をスルーする。次の処理S95では、モードスイッチの1つであるエフェクト/ノンエフェクトスイッチE/NE(図4参照)がオン中か否かが判定され、オン中でなければ(オフ中であれば)、次に述べる効果制御をせずにそのままリターンされ、オン中であれば、S96に移行する。
次の処理S96では、KEYBUF1にKST=3であって、且つキーコードが右鍵域であるキーコードデータが有るかが問われ、該データ有りなら、S97にて、構えセンサデータFRMにて楽音制御を行ない、該データ無しなら、この処理をスルーしてリターンされる。S97の処理の具体例として、S971、S972、S973の処理を示す。
S971では、構えセンサデータFRMを吹き出し図に示したようにテーブルにて正規化したPAN(FRM)を音源ユニットに送出する。音源側では、このデータによって、楽音がコントロールされるようになっている。つまり、キーの状態がKST=3(第2キーのオン中状態)である鍵が右鍵域のものであり、そのキーデータが、KEYBUF1中にあれば、構えセンサデータでサウンドシステム内のスピーカから発生する楽音の音像(定位)を移動させるようにしている。さらに詳しくは、FRM値とは、図6のS12により、後着キーのものであるので、所定の鍵域を全鍵域とすると、第2キーオン以降に楽音が発生することから考えると、1つの鍵のみ押されている状態の楽音発生時には、構えセンサの値が飽和していると考えるのが相当であり、その場合には、通常の演奏と変わらず音像定位が中央になるようテーブル変換される。そこで、今押鍵中の鍵とは別の鍵(例えば隣の鍵)に指を接近させると、FRMのデータは、後着である隣鍵のFRMにシフトし、このデータにて、楽音が制御可能となり、この隣鍵への指の接離にて、各種制御が可能となる。PAN制御であれば、後着隣鍵とそれへの接近指との距離(例えば2cm以内)で音像定位を左(右でも可)端と中央との間を移動するように制御される。例えば、構えセンサが指を捕らえる最大距離の指位置を音像定位の端部に設定する。さらに、後着鍵への指の接近が楽音発生中に発生すれば、その鍵のFRM値にシフトして楽音制御が続行される。
ここで、図6のS12の所定の鍵域を左鍵域(伴奏鍵域)と読み替えれば、例えば、右鍵域の鍵でメロディー演奏している間は、S95でスイッチE/NEがオン中であっても、構えセンサFRM値による楽音制御は、行われず、左鍵域のいずれかの鍵がメロディー鍵に加わった場合、左鍵域の鍵の押鍵/非押鍵を問わず、少なくとも、左鍵域の鍵のいずれかが、非押鍵であって且つ左鍵域の鍵への接近体(指)があれば、この指の接離にて、楽音制御が可能となる。この楽音制御は、右鍵域楽音のみに制御されてもよいし、発生中の全楽音に制御されるようにしてもよい。
なお、上記PAN制御において、指と鍵とが離間状態では、音像定位が、左(右)端に、指と鍵とが接近状態では、右(左)端に定位するようにさせてもよい。
次に、S97の別の具体例として、S972では、構えセンサデータFRMをテーブルにて正規化したV(FRM)を音源ユニットに送出する。S971の吹き出し図から容易に想像することができるのでそのテーブル図は省略する。S96、S972の処理では、キーの状態がKST=3(第2キーのオン中状態)である鍵が右鍵域のものであり、そのキーデータが、KEYBUF1中にあれば、構えセンサデータでサウンドシステム内のスピーカから発生する楽音の音量を制御するようにしている。さらに詳しくは、FRM値とは、図6のS12により、後着キーのものであるので、所定の鍵域を全鍵域とすると、第2キーオン以降に楽音が発生することから考えると、1つの鍵のみ押されている状態の楽音発生時には、構えセンサの値が飽和していると考えるのが相当であり、その場合には、通常の演奏と変わらず一定の音量(但し、タッチレスポンススイッチは機能しているのでこれによる音量変化はある)で制御される。
そこで、今押鍵中の鍵とは別の鍵(例えば隣の鍵)に指を接近させると、FRMのデータは、後着である隣鍵のFRMにシフトし、このデータにて、楽音が制御可能となり、この隣鍵への指の接離にて、各種制御が可能となる。音量制御であれば、後着隣鍵とそれへの接近指との距離(例えば2cm以内)で音量が制御される。さらに、後着鍵への指の接近が楽音発生中に発生すれば、その鍵のFRM値にシフトして楽音の音量制御が続行される。
具体例で説明すると次のようになる。G3鍵をある指で押鍵し、この押鍵のタッチ強度を反映した音量でG3の楽音が鳴っている状態で、その隣鍵(隣鍵でなく正確には後着押鍵)のA3鍵上方に別指を翳すと、この指の鍵への接近情報が、いわゆる従来のエクスプレッションペダルを踏んだ場合の踏み量に相当するような制御が可能となり、この場合G3の音量がA3の鍵接近情報で制御される。この場合、指の制御であるので、その変化を速くすることもできる。例えば、中指でG3を押鍵している状態で、その中指を上下又は左右に震わせると、自然に薬指又は人差し指が多少上下に振れることを利用し、トレモロ演奏が可能となる。つまり、従来のトレモロ演奏とあまり変わらない演奏方法でトレモロ演奏が可能となる。しかも従来はこれに必要なアフタコントロールセンサが必要であったが、この発明(実施例)では、これがなくても可能になった。
前記S972の処理において、Vが音量でなく、音色に対応するテーブルとした場合には、上記と同様に音色が押鍵中の鍵とは異なる鍵に対応した構えセンサにて、音色制御(例えば音色フィルタのカットオフ周波数を変更制御)も可能になる。この場合には、上記と同様なシチュエージョンおいて、アフタコントロールセンサなしに自然なビブラート奏法で昔なつかしい回転スピーカ効果のような効果が付加される。本物の回転スピーカ効果に近づけるには、S972の処理において、音色と同時に音量も変化させるようにすればよい。もちろん回転スピードに対応する回転周波数は、指を震わせる変化周波数になるので、演奏者の意思を忠実に反映できる。
次に、S97の別の具体例として、S973では、構えセンサデータFRMをテーブルにて正規化したPT(FRM)を音源ユニットに送出(テーブル図は省略)する。つまり、キーの状態がKST=3(第2キーのオン中状態)である鍵が右鍵域のものであり、そのキーデータが、KEYBUF1中にあれば、構えセンサデータでサウンドシステム内のスピーカから発生する楽音の伴奏パターンを制御するようにしている。従って、図示していないが、この制御をする場合、S95のジャッジを図4のスイッチ22cのE/NEではなく、「AP/MPのスイッチのオン中か否か」に換えるものとする。
ここで、FRM値とは、図6のS12により、後着キーのものであり、所定の鍵域を左鍵域とし、第2キーオン以降に楽音が発生することを考えると、次の仕様が考えられる。
右鍵域の鍵で、メロディー演奏中(メロディー演奏がなくてもよいが、その場合は、左鍵域の押鍵が3鍵のChordであり、さらに、第4鍵目の指が、鍵に接近中であること)に、左鍵域の鍵を、フィンガードコード(3鍵押え)で押鍵し、この押鍵中の鍵とは別の鍵に指を接近させる(例えば隣の鍵に小指を接近させる)と、FRMのデータは、後着である隣鍵のFRMにシフトし、このデータにて、楽音が制御可能となり、この隣鍵への指の接離にて、今、発生中のスタイルパターンを変更制御するようなことが可能となる。また、この変更制御において、小指を離しかげんでは特定リズム音源(例えば、ハンドベル)を特定パターンの特定タイミング時において鳴らすよう制御し、接近加減では、鳴らさないようにするような制御が可能となる。
W,B,KB……鍵、 11,21……鍵スイッチ(鍵動作検出センサ)、 12,13,20……構えセンサ、 3……支持部材、 10…設置盤(基板)、 P……スカート部、 12,13……可動側センシング部材、 P12……構えセンサのセンシング部(フォトセンサ)、 P35……スカート部上方部下面(天面)、 23,S12等……鍵接近情報検出手段(mコン部)、 27……音源部(音源ユニット)、 SS……サウンドシステム、27,SS……楽音発生手段、 S13〜S17……鍵接近有無情報検出手段(mコン部)、 S13〜S17,KEYBUF1,S80,S32,S33等……発音準備手段(mコン部)、 S97,S14,S56〜S566,S26〜S34及びS40〜S44……付加機能向上手段(mコン部)、 S97,S29〜S34,S145〜S149……楽音表情付加手段、 31,27,SS……自動演奏信号発生部、 S145,S146,S148,S149,S40〜S44,S55〜S57……シンクロ/ノンシンクロエンド制御部