JP2910210B2 - 電子楽器のタツチセンシテイブ装置 - Google Patents

電子楽器のタツチセンシテイブ装置

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JP2910210B2 JP2270691A JP27069190A JP2910210B2 JP 2910210 B2 JP2910210 B2 JP 2910210B2 JP 2270691 A JP2270691 A JP 2270691A JP 27069190 A JP27069190 A JP 27069190A JP 2910210 B2 JP2910210 B2 JP 2910210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子オルガン,電子ピアノを始めとする
各種電子楽器のタツチセンシテイブ装置に関し、特に電
子楽器の表現力を向上させるための技術に関する。
〔従来の技術〕
従来から、鍵盤電子楽器において発生する楽音に音楽
的な表現力を付加する方法として、鍵を押える速度を検
出して楽音を制御するイニシヤルタツチ・コントロール
や、鍵が沈んでから更に加えられる圧力を検出して楽音
を制御するアフタタツチ・コントロール等がなされてい
た。
例えば、特公昭53−5545号公報に見られる電子楽器の
押鍵速度検出回路も、上述のようなタツチレスポンス効
果を付与するための回路であり、押鍵に連動して切換ス
イツチを切換動作させ、その可動接点が常閉の固定接点
から常開の固定接点切り換わる間クロツクパルスを計数
して、押鍵速度に応じた計数出力を得るようにし、その
計数出力に応じて切り換え後発生する楽音の振幅,周波
数,音色,位相等の各種パラメータを決定するようにし
たものである。
これは、切換スイツチを接点時間差スイツチとして利
用した電子楽器のタツチセンシテイブ装置であるといえ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の電子楽器のタツチセ
ンシテイブ装置では、切換スイツチ(接点時間差スイツ
チ)の切り換わりに要する時間すなわちタイムインタバ
ル値のみによつて楽音を制御しており、押鍵の仕方によ
る切り換わりの態用(可動接点が常閉接点から離れる時
の速度や常開接点に接触する時の速度など)には無関係
であつたので、楽音の微妙な表現は不可能であつた。
例えば、鍵盤電子楽器奏者による実際の演奏において
は、キーオン前及びキーオフ後の指の動きが自然にアタ
ツク(音楽の立ち上がり)やリリース(余韻)を表現し
ている場合が多く、このような指の動きを音楽に反映さ
せれば表情豊かな音楽を生成することができる。
ところが、従来の鍵盤電子楽器では、押鍵・離鍵(キ
ーのオン・オフ),押鍵時のイニシヤル強度,押鍵中の
アフタータツチ等を検出して楽音に反映することはでき
るが、キーオン直前やキーオフ直後の指と鍵盤との接触
状態を検出することはできなかつた。
また、ピアノ(アコーステイツクピアノ)において、
鍵を叩いたときの音色は単に打鍵強度や打鍵速度のみで
決定されるものではなく、その叩き方や鍵からの指の離
し方によつて微妙に変化する。
たとえば、指を鍵の上に置いた状態から打鍵する演奏
(すなわち鍵は初速=0から急に加速される)と、鍵の
上方から指を落として打鍵する演奏(すなわち鍵はスタ
ートから打鍵まで略一定の速い速度で移動する)とで
は、同じ打鍵強度でも音色が異なる。
また、押していた鍵を静かに離すのと撥ね上げるよう
に離すのとでは音色余韻が異なる。
この理由は弦の振動をおさえるダンパーの効果で、例
えば鍵を徐々に戻していくとダンパーが振動している弦
に接触しはじめ、それとともに音色が変化していく。完
全に手を離すと弦の振動は完全に抑えられて消音する。
したがつて、離鍵方法によつて消音に至るまでの音色
余韻が変化することになる。
しかしながら、前記のような従来の電子タツチセンシ
テイブ装置を用いた電子鍵盤楽器では、押鍵時の打鍵方
法がいか様なものであれ、最終的打鍵速度で音色や音量
が一義的に決められ、鍵の走行履歴に関係がなく、また
離鍵についても、いつ鍵を離したかによつて単純な減衰
に移行し、離鍵のスピードや離鍵時の走行履歴(急に手
を離したのか、はじくように離したのか、徐々に離鍵し
たのか等)に無関係に消音される。
したがつて、アコーステイツクピアノのような奏法並
びに表現力を得ることは不可能であつた。
この発明は、従来の電子楽器における上述のような問
題を解決して、演奏者の意思を忠実に反映した表現力豊
かな演奏、例えばアコーステイツクピアノによる演奏に
も劣らない各種電子楽器による演奏を可能にすることを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は上記の目的を達成するため、接点時間差ス
イツチと、そのスイツチ操作のタイムインタバルを微視
的にセンスするストロークセンサと、上記タイムインタ
バル間の少くとも時間的な2点の変化率を上記ストロー
クセンサの出力変化から求め、その変化率を加味してタ
ツチセンシテイビテイの出力データを算出する演算手段
とを備えた電子楽器のタツチセンシテイブ装置を提供す
る。
〔作 用〕
このように構成したこの発明による電子楽器のタツチ
センシテイブ装置は、接点時間差スイツチによるスイツ
チ操作のタイムインタバル値のみでなく、そのタイムイ
ンタバル間の少なくとも時間的な2点の変化率、すなわ
ち押鍵あるいは離鍵の仕方による変化具合をストローク
センサの出力変化から求めて、その変化率を加味してタ
ツチセンシテイビテイの出力データを算出するので、こ
のデータを使用すれば演奏者の意思を忠実に反映した楽
音制御が可能になる。
なお、この発明によるタツチセンシテイブ装置は、通
常の鍵盤電子楽器に限らず、押釦式の鍵(キースイツ
チ)を使用する電子楽器、さらには電子管楽器や電子打
楽器等にも適用可能である。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面によつて具体的に
説明する。
鍵盤装置 第1図はこの発明の一実施例である電子楽器の入力装
置としての鍵盤装置の白鍵部の縦断面図、第2図はその
黒鍵のみの縦断面図、第3図は第1図の鍵盤装置の低音
部側を鍵を取り外した状態で示す(一部の鍵を仮想線で
示す))平面図である。
この鍵盤装置においては、1は鉄板等の金属板によつ
て折り曲げ成形された鍵盤フレームで、その上部に多数
の白鍵2及び黒鍵3をそれぞれ回動自在に列設支持して
いる。
鍵盤フレーム1には、その水平部1aの後部に各鍵2,3
に対応して鍵嵌入孔1bを形成し、中間部に鍵長手方向に
隣接して各鍵毎のストロークセンサ用アクチユエータ挿
入孔1cと、第3図に示すように複数鍵分連続したタツチ
レスポンス・スイツチ用アクチユエータ挿入孔1dと、各
鍵用の鍵復帰バネ4の前端をそれぞれ係止させるための
プレスによるバネ受け用押し込み部1eとを形成し、さら
に、黒鍵3に対応してゴム又は樹脂による黒鍵用鍵ガイ
ド5を装着する立上り片1fを、白鍵2に対応して前端部
にゴム又は樹脂による白鍵用鍵ガイド6を装着する立上
り片1gを、鍵2,3の配列方向に沿うチヤンネル状の凹陥
部1hを挟んでそれぞれ形成している。
一方、白鍵2及び黒鍵3はそれぞれ合成樹脂によつて
一体成形されている。
そして、白鍵2は第1図に示すように、後端部に半円
筒状凹部2aを形成した嵌入突部2bを、その前方に鍵復帰
バネ4の後端を係止するバネ受け部2cとバネ脱落防止部
2dを、中間部にその内面から鍵長手方向に隣接して下方
に垂下するストロークセンサ用アクチユエータ2e及びタ
ツチレスポンス・スイツチ用アクチユエータ2fと、その
前方にアフタセンサ用アクチユエータ2gと重り保持部2h
を、前端部に下方に垂下して後方へ折曲した上限ストツ
パ片2iをそれぞれ設けている。
その重り保持部2hには、慣性モーメントを大きくする
ための重り9を、緩衝用ゴム10aを介してピン11によつ
て保持している。10bも緩衝用ゴムである。
また、黒鍵3も第2図に示すように、後端部に半円筒
状凹部3aを形成した嵌入突部3bを、その前方に鍵復帰バ
ネ4の後端を係止するバネ受け部3cとバネ脱落防止部3d
を、中間部にその内面から鍵長手方向に隣接して下方に
垂下するストロークセンサ用アクチユエータ3e及びタツ
チレスポンス・スイツチ用アクチユエータ3fとを形成
し、その前方に下方に垂下して前方へ折曲した上限スト
ツパ片3iを設けている。
そして、上記タツチレスポンス・スイツチ用アクチユ
エータ3fと上限ストツパ片3iの上部を重り保持部に兼用
し、その間に重り12を緩衝用ゴム10a,10bを介してピン1
1によつて保持している。
この黒鍵3の前端下面がアフタセンサ用アクチユエー
タ3gである。
このように形成した白鍵2と黒鍵3を所定の配列で、
それぞれ嵌入突部2b,3bを鍵盤フレーム1の鍵嵌入孔1b
に嵌入させ、その半円筒状凹部2a,3aに、鍵盤フレーム
1の鍵嵌入孔1bの後縁部に係合する鍵支持具7の半円筒
状部7aを嵌合させて、その鍵支持具7に各鍵共通の鍵脱
落防止板8を嵌入させて、それを鍵盤フレーム1の後端
立ち下がり面1iにねじ止めすることにより、鍵盤フレー
ム1に各鍵2,3が回動自在で脱落不能に支持される。
したがつて、この鍵盤フレーム1と鍵支持具7及び鍵
脱落防止板8が、鍵支持部材の役目を果たしている。
そして、鍵盤フレーム1の各バネ受け用押し込み部1e
と白鍵2及び黒鍵3の各バネ受け部2c,3cとの間にそれ
ぞれ鍵復帰バネ(板バネ)4を係着して、白鍵2及び黒
鍵3を常に上方に回動付勢しており、常時は(非押鍵
時)は、各白鍵2及び黒鍵3はその前端部の上限ストツ
パ片2i,3iが、鍵盤フレーム1の下面に貼着されている
上限ストツパとしてのフエルト部材13,14にそれぞれ当
接して、第1図に仮想線で示す上限位置に係止されてい
る。実線は白鍵2及び黒鍵3が押鍵ストロークの下限位
置にある状態を示している。
なお、白鍵2は鍵ガイド6によつて、黒鍵3は鍵ガイ
ド5によつて、それぞれ押鍵時の左右方向への振れが規
制される。
また、鍵盤フレーム1の水平部1aの中間部上面には、
第3図に明示されるように各バネ受け用押し込み部1eに
対応して、前端中央部が開放された矩形のバネ受け孔15
aを形成した15鍵分一体のサブフレーム15をネジ16によ
つて固着して、鍵復帰バネ4の前端がバネ受け用押し込
み部1eから外れないように、その係止を確実にしてい
る。
ところで、この鍵盤装置の各白鍵2及び黒鍵3は、い
ずれもその表面を金属(例えばNiCr)メツキして接触セ
ンサを兼ねるようにしており、そのメツキ面の後端部に
リード線17の一端をネジ18で接続して、そのリード線17
によつて接触センサとしての信号を取り出すようにして
いる。
この接触センサ付鍵の他の例としては、鍵全体を導電
性樹脂で形成してもよいし、導電性樹脂と非導電性樹脂
とを二色成形法にて成形してもよい。
次に、この鍵盤装置に設けられている他の各種センサ
及びスイツチについて説明する。
鍵盤フレーム1の裏面側には、プリント基板19上に、
各鍵2,3に対応してストロークセンサ20と接点時間差ス
イツチである2メイクのタツチレスポンス・スイツチ30
とを設け、その各膨出形の可動部21,31を一体に成形し
たラバーユニツト41を絶縁材のスペーサ42によつて位置
決めして、その上面に鉄板又は樹脂等によるセンサカバ
ー43を被せたセンサユニツト40を下側から複数本のネジ
44,45によつて、鍵盤フレーム1にネジ止めして取り付
けている。
ラバーユニツト41は、適度の弾性と可撓性を有する合
成ゴムによつて、第3図に示すように最低音部側の1個
だけは3鍵分、それ以外は12鍵(1オクターブ)分のス
トロークセンサ20の可動部1とタツチレスポンス・スイ
ツチ30の可動部31を1体に形成している。
スペーサ42には、ラバーユニツト41の各可動部21,31
を収容する深穴42a,42bが設けられ、センサカバー43に
は、鍵盤フレーム1のアクチユエータ挿入孔1cからサブ
フレーム15のバネ受け孔15aの下側に亘る窓孔43aと、タ
ツチレスポンス・スイツチ30の可動部31に対応する円形
孔43bとが形成されている。
このセンサユニツト40に設けられた、ストロークセン
サ20とタツチレスポンス・スイツチ30が各鍵2,3の押鍵
途中で作動するイニシヤルセンサであり、第1図では白
鍵2が下限位置まで押されて、そのアクチユエータ2e,2
fによつて、各可動部21,31が押し込まれた作動後の状態
を示している。
ところで、アクチユエータ2e,2f,3e,3fと、ストロー
クセンサ20及びタツチレスポンス・スイツチ30と、スペ
ーサ42とセンサカバー43とプリント基板19との実装処理
の他のの例として、スペーサをなくしてその厚み分だけ
アクチユエータを短かくし、可動部21,31を上に突出さ
せるように形成してもよい。
このようにすれば、センサカバーが省略できるととも
に、ストロークセンサ20及びタツチレスポンス・スイツ
チ30の位置決めも、鍵盤フレーム1にあけられた孔1cの
みで対処できる。
なお、このストロークセンサ20とタツチレスポンス・
スイツチ30の詳細は後述する。
また、鍵盤フレーム1の水平部1aの前端縁に沿つて、
鍵2,3の配列方向に全鍵に亘る長尺状のアフタセンサユ
ニツト50が配設されており、その上部はシリコンゴムパ
ツド51で構成され、アフタセンサ用アクチユエータ2g,3
gが当接することによつて各鍵2,3の下限位置を規制する
下限ストツパ用緩衝材を兼ねている。
シリコンゴムパツド51には、各鍵2,3に対するセンサ
部に長円形を2分する形の溝51aを切つて、センシング
感度を上げるようにしてあり、各鍵2,3の押鍵終了位置
の近傍で、そのアフタセンサ用アクチユエータ2g,3gが
このセンサ部に当接して押圧することによつて、後述す
る対のアナログセンサからそれぞれ独立したアナログ出
力を発生する。このアフタセンサユニツト50の構造につ
いても後で詳述する。
ストロークセンサとタツチレスポンス・スイツチ 第4図は1組(1鍵分)のストロークセンサ20とタツ
チレスポンス・スイツチ30の非押鍵状態での側面図であ
り、第5図はその鍵の長手方向に沿う縦断面図である。
このストロークセンサ20とタツチレスポンス・スイツ
チ30は、それぞれ一体のプリント基板19とラバーユニツ
ト41によつて構成されており、ラバーユニツト41は合成
ゴム等の弾性材による共通の平板部41aから上方に膨出
するように、ストロークセンサ20の可動部21とタツチレ
スポンス・スイツチ30の可動部31とが隣接して一体に形
成されている。
そのストロークセンサ20の可動部21は、薄肉でドーム
状の可撓部21aの上に幾分厚肉で円筒状の操作部21bが一
体に形成されており、第5図に示すように、操作部21b
内の隔壁21cの下面が光反射率の高い色(例えば白色)
の平滑面(鏡面)21dとなつている。
一方、プリント基板19上には、この平滑面21dと対向
する位置に発光ダイオードとホトトランジスタからなる
反射型ホトセンサであるホトインタラプタ22を配設して
いる。
そして、押鍵時に白鍵2又は黒鍵3のストロークセン
サ用アクチユエータ2e又は3e(第4図)によつて操作部
21bが押圧されると、 それが可撓部21aを径方向に膨らむように変形させて
下降し、それに伴なつて平滑面21dも下降する。
それによつて、ホトインタラプタ22の発光ダイオード
から射出した光が平滑面21dによつて反射されてホトト
ランジスタに入射するようになり、押鍵深さに応じたア
ナログ電気信号に変換されて出力される。
タツチレスポンス・スイツチ30の可動部31は、ラバー
ユニツト41の平板部41aから環状に膨出した薄肉の第1
可撓部31c及びそれから上方に延びるドーム状の第2可
撓部31aと、その上部に形成された幾分厚肉で円筒状の
操作部31bと、第5図に示すように第2可撓部31aの上端
から内部下方に垂下した逆円錐台状の第2可動接点保持
部31dとが一体に形成されている。
そして、第2可撓部31aの下縁の幾分厚肉になつた環
状部の下面に一対の円弧状の第1可動接点32,33を、薄
い導電ゴム片を貼着して設け、第2可動接点保持部31d
の下面に円形の第2可動接点34を同じく薄い導電ゴム片
を貼着して設けている。
一方、プリント基板19上には、それぞれ対の導電パタ
ーンからなる2組の第1固定接点35,36が第1可動接点3
2,33と対向する位置に、1組の第2固定接点37がその間
の第2可動接点34と対向する位置に各々形成されてい
る。なお、その詳細は後述する。
そして、押鍵時に白鍵2又は黒鍵3のタツチレスポン
ス・スイツチ用アクチユエータ2f又は3f(第4図)によ
つて操作部31bが押圧されると、その操作部31bがまず第
1可撓部31cを変形させて第2可撓部31aと共に下降し、
それによつて各第1可動接点32,33がそれぞれ第1固定
接点35,36に接触して各々その対の接点パターン間を導
通させる(後述する第1メークスイツチS1a,S1bがオン
になる。) その後、さらに操作部31bが押下されると、第2可撓
部31aを径方向に膨出するように変形させて、操作部31b
と共に第2可動接点保持部31dが下降し、やがてその下
面に設けられている第2可動接点34が第2固定接点37に
接触してその対の接点パターン間を導通させる(後述す
る第2メークスイツチS2がオンになる。) 次に、プリント基板19及びタツチレスポンス・スイツ
チ30の固定接点側の詳細を第6図乃至第8図によつて説
明する。
第6図は1組のタツチレスポンス・スイツチのプリン
ト基板上の接続図、第7図はプリント基板の右端部分
(最高音部側の部分)の上面図、第8図は同じ部分を左
右を反転して裏返しにして見た裏面図である。
第7図において、絶縁基板19aの上面(表面)の手前
側(図では下側)寄りに、鍵の配列方向に沿つて各鍵に
対応するタツチレスポンス・スイツチ30の固定接点群が
形成されている。
その各固定接点群は、前述した第1固定接点35を構成
する対の接点パターン35a,35b、もう一つの第1固定接
点36を構成する対の接点パターン36a,36b、及び第2固
定接点37を構成する対の接点パターン37a,37bからな
り、接点パターン35a,36a,37bはU字状に、接点パター
ン35b,36b,37aはE字状にそれぞれ対の接点パターンが
互いに僅かな間隔を置いて入り込み合うように形成され
ている。
これらの各接点パターンは、他の導電パターン部と同
じ銅箔上にカーボンを被覆して、各ランド部を除いた面
にレジストされた絶縁層から露出させている。
そして、第1固定接点35の接点パターン35a,35b間が
第5図に示した第1の可動接点32によつて、他の第1固
定接点36の接点パターン36a,36b間が第1可動接点33に
よつて、さらに第2固定接点37の接点パターン37a,37b
間が第2可動接点34によつてそれぞれ接触されると導通
する。
すなわち、これらの各接点によつて第6図に示す第1
メークスイツチS1a,S1bと第2メークスイツチS2を構成
している。
また、接点パターン35aと36aは導電パターン38aによ
つて接続されて、導電パターン61によつて絶縁基板19a
の幅方向に沿つてその中間上部に形成されたランド部61
aへ導かれる。
接点パターン37aは、導電パターン61と平行に形成さ
れた導電パターン62によつて、そのランド部62aへ導か
れる。
接点パターン35bと36b及び37bは、導電パターン38a,3
8b,38cによつて接続され、共通の導電パターン63によつ
て、絶縁基板19aの側端近傍に形成されたコモン端子と
なるランド部63aへ導かれる。
この導電パターン63は、絶縁基板19a長手方向に沿つ
て7本形成されているが、それぞれ6個(6鍵分)ずつ
のタツチレスポンス・スイツチ20の共通接続した接点パ
ターンを接続している。
第7図に表われた3個の固定接点パターン35,36,37に
並ぶ図示されない3個の固定接点パターンの計6個が、
上から数えて3個目のランド部63aと共通接続され、そ
の次の6個分が上から数えて2個目のランド部63aに対
応するというように、この絶縁基板19aでは6×7=42
鍵分のタツチレスポンス・スイツチ30の接点パターンが
形成される。
そして、鍵数の多い電子楽器では、このような基板が
複数枚用意される。端数分は別基板か端数分を含む他の
基板が用意される。
第7図で絶縁基板19aの幅方向の中間部より上方に長
手方向に沿つて、多数(図示の例では6本ずつ)の導電
パターン64,65が形成され、その基板19a側端部近傍に第
1メークスイツチ端子となるランド部64aと第2メーク
スイツチ端子となるランド部65aがそれぞれ形成されて
いる。
そして、各ランド部61aとそれに対応する各導電パタ
ーン64の幅広部にそれぞれ形成された小孔に、絶縁基板
19aの裏面側からダイオード66の両端のリード線が挿入
されて半田付けされ、両者がそのダイオード66を介して
接続される。
また、各ランド部62aとそれに対応する各導電パター
ン65の幅広部にそれぞれ形成された小孔にも、絶縁基板
19aの裏面側からダイオード67の両端のリード線が挿入
されて半田付けされ、両者がそのダイオード67を介して
接続される。
このようにして、各導電パターン64,65のそれぞれに
は、6鍵分のタツチレスポンス・スイツチ30のグループ
ごとに1鍵分ずつの固定接点群が、所定の順序でダイオ
ード66,67を介して接続される。
そして、1鍵分のタツチレスポンス・スイツチ30は、
このプリント基板19上で第6図に示すように接続されて
おり、後述するマイクロコンピユータによつてスキヤン
ニングされて、第1メークスイツチS1a又はS1bのオンタ
イミングと、第2メークスイツチS2のオンタイミングと
の時間差によつて押鍵速度が検出される。
なお、第1メークスイツチとして2つのスイツチS1a
とS2aを鍵の長手方向に若干間隔を置いて並置し、それ
を並列に接続しているので、押鍵時にいずれか一方のス
イツチがオンになった時点で第1メークスイツチのオン
が判断され、押鍵時の可動部31の傾き具合などに係わら
ず、押鍵初期に確実に第1メークスイツチのオンを検出
できる。
この絶縁基板19a及び各導電パターン上は、接点パタ
ーン35a,35b,36a,36b,37a,37bの部分と、ランド部61a,6
2a,63a,64a,65aの部分と、導電パターン64,65の幅広部
の小孔の周囲を除いて、全面にレジストがかかつてい
る。
22は各鍵に対応するストロークセンサ20のホトインタ
ラプタであり、発光ダイオード(LED)22aとホトトラン
ジスタ22bを備え、それぞれ4本のピンを絶縁基板19aに
形成された4個の小孔に挿入し、後述する裏面側の導電
パターンに半田付けして固定されている。
23は各ホトインタラプタ22のLED22aへの給電回路に介
挿される抵抗であり、それぞれ絶縁基板19aに形成され
た2個の小孔にリード線を挿入して後述する裏面側の導
電パターンに半田付けされている。
68,69は、それぞれ両端が絶縁基板19aの小孔に挿入さ
れて裏面側の導電パターンに半田付けされ、離れた導電
パターン間を接続するジヤンパ線である。
次に、第8図によつてこのプリント基板19の裏面側に
ついて説明する。
絶縁基板19aの裏面には、手前側(図では下側)に多
数(この例では7本)の電源供給用の導電パターン71が
それぞれ側端部に電源供給端子となるランド部71aを設
けて長手方向に沿つて平行に形成される。
この導電パターン71の裏側、つまり表面側にホトイン
タラプタ22の手前側(図では下側)でこれと対応して、
タツチレスポンス・スイツチ30が配設されている。
さらに、後方(図では上方)にも多数(この例では6
本ずつ)のホトトランジスタ(PT)スキヤン用の導電パ
ターン72とLEDスキヤン用の導電パターン73が、それぞ
れ側端部にPTスキヤン端子となるランド部72a,LEDスキ
ヤン端子となるランド部73aを設けて長手方向に沿つて
平行に形成されている。
さらに、上記導電パターン71と73の間に、絶縁基板19
aの幅方向に沿つてホトインタラプタ22用の導電パター
ン74〜78が略平行に、長手方向に所定の間隔を置いて形
成されている。
導電パターン74,75は電源供給用の導電パターン71か
ら分岐しており、各導電パターン74,76,77,78の各一端
部に形成されたランド部の小孔に、表面側から差し込ま
れたホトインタラプタ22の各ピンが突出して半田付けさ
れ、導電パターン75の先端のランド部と導電パターン76
の他端のランド部にそれぞれ設けられた小孔に、表面側
から差し込まれた抵抗23のリード線の先端部が突出して
半田付けされている。
したがつて、電源供給用の導電パターン71から、各ホ
トインタラプタ22のホトトランジスタ22b(第7図)に
は導電パターン74を通して直接、LED22a(第7図)には
導電パターン75,76との間の抵抗23を介して、それぞれ
電源が供給される。
また、各ホトインタラプタ22のLED22aの陰極側は、導
電パターン77及び前述した表面側のジヤンパ線69を介し
て対応するPTスキヤン用の導電パターン72に、ホトトラ
ンジスタ22bのエミツタ側は、導電パターン78及び前述
した表面側のジヤンパ線68を介して対応するLEDスキヤ
ン用の導電パターン73にそれぞれ接続される。
このように、電源供給用の各導電パターン71には、そ
れぞれ1本につき6鍵分ずつ6個の各ホトインタラプタ
22に電源を供給するための導電パターン74,75が分岐し
ており、各スキヤン用の導電パターン72,73には、それ
ぞれ1本に対して6鍵分ずつ6個のホトセンサ22のグル
ープごとに1個ずつのホトセンサ22用の導電パターン7
7,78がジヤンパ線69,68によつて接続される。
66,67は前述したタツチレスポンス・スイツチ30用の
ダイオードである。
この絶縁基板19aの裏面も、各導電パターン71〜78の
ランド部(小孔が形成されている部分の周囲)を除い
て、全面にレジストがかかつている。
このプリント基板19の側端部の表裏面にはタツチレス
ポンス・スイツチ30用の各端子となる多数のランド部63
a〜65aとストロークセンサ20用の各端子となる多数のラ
ンド部71a〜73aとが、互いに重複しない位置に配列され
ており、ここに図示しいなコネクタを装着することによ
り、その各接点端子及び接続ケーブルを介して、上面側
の各ランド部63a〜65aは後述するマイクロコンピユータ
のバスラインに、裏面側の各ランド部71a〜73aは後述す
るストロークセンサ用スキヤン回路にそれぞれ接続され
る。
なお、このプリント基板19の上面側の各導電パターン
と裏面側の各導電パターンとは完全に独立しており、ス
ルーホールによつて接続されるようなことは全くないよ
うに構成されている。
このように、タツチレスポンス・スイツチ用のプリン
ト回路とストロークセンサ用のプリント回路とをプリン
ト基板の表裏面にそれぞれ独立して形成し、共通のコネ
クタによつて外部の回路と接続するようにすれば、配線
処理が簡単になると共に、組立や保守点検等も容易にな
る。
そして、この実施例では、絶縁基板19aの上面と裏面
にそれぞれ上述した各種のパターンが形成されたプリン
ト基板19を高音部側の42鍵分用(右側基板;第7図,第
8図に示されたもの)と低音部側の42鍵分用(左側基
板)の2枚使用し、別に最低音部側の4鍵分用のプリン
ト基板1枚を組み合わせて88鍵分用のプリント基板を構
成している。
左右2枚のプリント基板19はそのプリントパターンを
全く左右対称に形成しており、プリントパターンのレイ
アウト作成が半分ですみ、フオトエツチング用のレチク
ルも共通のものを反転して使用することができる。
なお、鍵盤の鍵数及び設計によつては、左右対称な一
対のプリント基板のみによつて全鍵に対するストローク
センサ20及びタツチレスポンス・スイツチ30用の回路パ
ターンを形成することも可能である。
アフタセンサユニツト 次に、前述したアフタセンサユニツトの詳細を第9図
乃至第12図によつて説明する。
第9図は、第1図及び第3図に示したアフタセンサユ
ニツト50の2個の白鍵2に対応する部分の拡大平面図、
第10図はそのA−A線に沿う断面図、第11図は第9図の
B−B線に沿う断面を拡大し、センサ部を上下に分離し
て示す断面図、第12図は第11図のC−C線より上部を矢
示方向から見た下面図である。
このアフタセンサユニツト50は、88鍵の全鍵に対応し
て一連の長尺状に形成されているが、第10図に示すよう
に、絶縁板からなるベース52と前述のシリコンゴムパツ
ド51との間にセンサ部53をサンドイツチ状に挾持した構
造になつており、シリコンゴムパツド51の上面には、第
9図に明示されるような長円形を2分する形状の溝51a
が切つてある。
そして、そのセンサ部53は、第11図に明示されるよう
に、絶縁性のフイルム基板54,55がシリコンゴムパツド5
1の下面とベース52の上面にそれぞれ貼着され、そのフ
イルム基板54の下面の各溝51aで囲まれた内側に対応す
る位置に、第12図に明示されるような対称的な半長円形
の対をなす感圧インク接点56a,56bがプリント形成さ
れ、他方のフイルム基板55の上面には、各感圧インク接
点56a,56bと対向する位置に、方形の対をなすカーボン
接点57a,57bがプリント形成されている。
なお、フイルム基板54,55の各感圧インク接点56a,56b
及びカーボン接点57a,57bを形成する部分の面には導電
膜を形成しておくとよい。
この各対の感圧インク接点56a,56bとそれに対向する
カーボン接点57a,57bとが互いに接触するように挾持さ
れて、1個の鍵に対応する左右1対のアナログセンサで
あるアフタセンサSL,SRを構成しており、押鍵終期及び
押鍵後に、例えば白鍵2の第11図に仮想線で示すアクチ
ユエータ2gによつてシリコンゴムパツト51が押圧される
と、その圧力に応じて感圧インク接点56a,56bが導電性
を帯びてその抵抗値が低下する。
各感圧インク接点56a,56bは、その両側のフイルム基
板54上に第12図に示すように長手方向に沿つて5本ずつ
平行に形成された導電線パターン58,59のいずれかにそ
れぞれ接続され、各カーボン接点57a,57bもその両側の
フイルム基板55上に長手方向に平行に形成された図示し
ない18本の導電線パターンのいずれかに共通接続されて
いる。
したがつて、この導電線パターン57a,57b及びフイル
ム基板55上の図示しない導電パターンを、このアフタセ
ンサユニツトの両端部に装着されるコネクタを介して後
述するスキヤン回路に接続することにより、押鍵終期お
よび押鍵後のアフタタツチによるアクチユエータ2gの押
圧力に応じた対のアフタセンサSL,SRの抵抗値の変化を
それぞれアナログ信号として検出することができる。
なお、黒鍵3用のセンサ部分も、白鍵用のセンサ部分
より若干後方に位置をずらして(第3図参照)、黒鍵3
の前端部のアクチユエータ3gによつて確実に押圧できる
ように配置している以外は、上述の白鍵用のセンサ部分
と全く同じ構成である。
また、各鍵に対応するアフタセンサとして、左右に一
対(2個)のアナログセンサを配設して、例えば鍵を押
しながら左右方向に指を揺らした場合などに顕著に現わ
れる左右の押圧力の相違を検出できるようにしたが、各
鍵に対して3個以上のアナログセンサを配設して、鍵の
前後方向や斜め方向等の押圧力の相違も検出できるよう
にすれば、さらに忠実に演奏者の意思に沿つた複雑な楽
音制御も可能になる。
ところで、前述したアフタセンサユニツト50の対のア
フタセンサSL,SRは、抵抗値が連続的に変化するアナロ
グセンサであつたが、複数ビツトに“0"又は“1"を出力
するデジタルタイプの多段階データを出力するセンサ
(デジタルセンサ)であつてもよい。
すなわち、押圧力に対する電極の接触数に応じて直接
複数ビツトのデジタル値を出力するデジタルスイツチタ
イプのデジタルセンサや、押圧力に対する電極の接触数
値を変換器を介して複数ビツトのデジタル値に変換して
出力するデジタルセンサであつてもよい。
第12a図は後者のデジタルセンサの一例を示すもので
ある。
このデジタルセンサは、前述のシリコンパツド51のよ
うな押圧部材側のフイルム基板の裏面に、一様な電極57
a′を1鍵につき2個ずつ複数鍵分配設し、この各電極5
7a′に電圧+V(又は−V)をかけておく。
一方、この電極57a′と対向する例えば前述のベース5
2側のフイルム基板の上面に、多数の微細な電極S1〜Sn
(この例では64個)を設けたセンシングパターン56a′
を1鍵につき2個ずつ複数鍵分形成する。
そして、この電極57a′を図示の状態から裏返しにし
てセンシングパターン56a′上に重ね合わせて密着させ
る。
センシングパターン56a′の微細電極S1〜Snは導体(C
u)の上に感圧インクを施したもので、例えば特開昭56
−108279号公報や特開昭62−116230号公報等に開示され
ている手法によつて形成され、非加圧時には高抵抗、加
圧時には低抵抗となるようにして、なるべく中間帯を少
なくし、スイツチング特性を有するようにしたものであ
る。
その微細電極S1〜Snから各出力ラインをそれぞれ抵抗
Rnを介して接地し、その各抵抗端の電圧レベルがローレ
ベル“0"又はハイレベル“1"となることによつて発生す
る64ビツトの出力を、変換器DECによつてバイナリ6ビ
ツトに変換してセンサ出力とし、そのデジタル値を利用
回路又はマイクロコンピユータに入力する。
実施例のシステム構成 第13図によつて、この実施例の鍵盤電子楽器全体のシ
ステム構成について説明する。
この電子楽器の鍵盤25には、前述したように、表面に
金属メツキが施された各鍵2,3(この実施例では88鍵と
する)による接触センサ群24(各群のメツキ部分に対
応)、各鍵に対応してそれぞれ配設された88個のストロ
ークセンサ20からなるストロークセンサ群20G、同じく8
8個の2メークのタツチレスポンス・スイツチ30(接点
時間差スイツチ)からなるタツチレスポンス・スイツチ
30G、及び各鍵に対して左右一対ずつのアフタセンサSL,
SRを形成したアフタセンサユニツト50を備えている。
これらの他に、図示しない操作パネル上にも音色選択
用,リズム選択用,効果選択用,音量調整用等の多数の
スイツチ群91が設けられている。
一方、この電子楽器全体を制御するのはマイクロコン
ピユータ(以下「マイコン」と略称する)80であり、周
知のごとく中央処理装置であるCPU81と、プログラムメ
モリであるROM82とワーキングメモリであるRAM83と、こ
れらを相互に接続すると共に図示を省略した入出力ポー
トとも接続するアドレスバス,データバス,及びコント
ロールバスからなるバス85とによつて構成されるが、こ
の実施例ではさらに、3種類の割込み信号T1,T2,T3を発
生してCPU81に割込みをかけるためのタイマ回路84も内
蔵している。
さらに、このマイコン80の入力側には接触検出回路86
を介して接触センサ群24が、スキヤン回路87と出力回路
88を介してストロークセンサ群20Gが、直接タツチレス
ポンス・スイツチ群30Gが、スキヤン回路89と演算増幅
回路90を介してアフタセンサユニツト50が、スキヤン回
路92を介して操作パネルのスイツチ群91がそれぞれ接続
され、出力側には音源回路93が接続され、その音源回路
93にサウンドユニツト94が接続されている。
接触検出回路86は、接触センサ群24の各センサである
各鍵を監視し、その演奏者の指による接触(タツチ)を
検出して、その信号をマイコン80へ送出する。
スキヤン回路87は、ストロークセンサ群20Gの各スト
ロークセンサ20をマトリクス回路によつて順次スキヤン
して、押鍵時の各鍵の変位量をアナログ的に検出し、そ
の信号を出力回路88を介してマイコン80へ送出する。
タツチレスポンス・スイツチ群30Gは、マイコン80に
よつて直接スキヤンされて、各タツチレスポンス・スイ
ツチ30の第1メークスイツチ及び第2メークスイツチの
オン/オフ状態が常時マイコン80によつて監視される。
スキヤン回路89は、アフタセンサユニツト50の各鍵に
対応する左右のアフタセンサSL,SRをマトリクス回路に
よつて順次スキヤンし、その各抵抗値に応じたアナログ
信号を検出して、演算増幅回路90によつて、左右のアフ
タセンサからの出力信号の増幅及び差分値や和分値を演
算してマイコン80へ送出する。
スキヤン回路92は、操作パネルのスイツチ群91の各ス
イツチを順次スキヤンして、その各状態に応じた検出信
号をマイコン80へ送出する。
音源回路は、音源発振器と分周回路による楽音信号発
生回路あるいはデジタル式楽音信号発生回路と、開閉回
路,各種変調回路,音色フイルタ回路,エンベロープ形
成回路,各種効果回路等を有し、接触検出回路86からの
検出信号によつて判別される押鍵された鍵のキーコード
に応じた音高の楽音信号を発生し(複数音同時に発生可
能)、それを各スイツチ及びセンサからの検出信号に応
じて変調,音色形成,エンベロープ形成,効果付加等の
各種制御を行なつてサウンドシステム94に出力する。
サウンドシステム94は、アンプ及びスピーカ群等から
なり、音源回路9から入力する楽音信号を増幅し、スピ
ーカによつて電気−音響変換して放音する。
接触検出回路 上述した接触検出回路86の具体例を第14図及び第15図
によつて説明する。
第14図に示す接触検出回路は、各接触センサ群を構成
する各鍵2,3からのリード線17(第1図及び第2図参
照)をそれぞれ入力端子Kに接続するゲート回路101を8
8鍵分設けており、その各ゲート回路101のもう一方の入
力端子Sに、発振回路(OSC)102から常時出力される一
定周期のパルス信号を入力させている。
その各ゲート回路101は、第15図に示すように、排他
的論理和回路EXORと、その入力抵抗Ra,Rb,Rc及びコンデ
ンサCgによつて構成されている。
したがつて、常時(鍵がタツチされていない時)は入
力端子Kがフローテイング状態なので、EXORの両入力は
入力端子Sからのパルス信号によつて、常に同時に“0"
又は“1"になるから、その出力は常に“0"である。
鍵がタツチされると、その表面の金属メツキが演奏者
の体にアースされるため入力端子Kがローレベル“0"に
なるから、他方の入力がパルス信号によつて“1"になつ
た時にEXORの出力が“1"になる。したがつて、ゲート回
路101は入力パルス信号と同じ波形のパルス信号を出力
することになる。
この各ゲート回路101からの出力信号を、それぞれダ
イオードDとコンデンサCによつて整流及び平滑して、
これに対応して設けられた各アナログバツフア103を通
してそれぞれ出力し、それを第13図のマイコン80がスキ
ヤンニングして取り込む。
すなわち、マイコン80からの11本のスキヤンラインSC
Gの各々が、8鍵分ずつのアナログバツフア103のグルー
プの各ゲート端子に共通接続され、その各グループ内の
各アナログバツフア103の出力端子が、マイコン80から
の8本のスキヤンラインSCOにそれぞれ接続されてい
る。
そして、マイコン80が11本のスキヤンラインSCGを順
次一定期間Tgずつ“1"にして、アナログバツフア103を
各8個のグループ毎に順次イネーブルにし、その一定期
間内で8本のスキヤンラインSCOを順次一定期間Toずつ
有効にして、アナログバツフア103からパルスが出力さ
れていればそれを順次取り込む。
ここで、To≦Tg/8である。したがつて、各アナログバ
ツフア103の出力信号は、特定のタイムスロツトで順次
マイコン80に取り込まれるので、同時に複数の出力信号
が取り込まれることはない。
ストロークセンサ群の信号検出 第13図におけるストロークセンサ群20Gとそのスキヤ
ン回路87及び出力回路88の具体例を第16図乃至第19図に
よつて説明する。
第16図はこれらの回路構成を示し、ストロークセンサ
群20Gは、その各ストロークセンサ20を構成するホトイ
ンタラプタ22及び抵抗23(第7図参照)を、第17図に示
すようにLED22aと抵抗23の直列回路をマトリクス状に接
続したLED群26と、ホトトランジスタ22bをマトリクス状
に接続したPT群27とに分け、その各群のマトリクスの15
本の横のライン(電源供給ライン)を共通にしている。
そして、その共通の横のラインをスキヤン回路87のデ
マルチプレクサ105の各出力端子に接続し、LED群26の6
本の縦ラインをそれぞれダイオードDsを介してスキヤン
回路87のデマルチプレクサ106の各出力端子に接続して
いる。
さらに、PT群27の6本の縦のラインをそれぞ出力回路
の出力抵抗R1,R2,…R6を介して接地すると共に、マルチ
プレクサ107の各入力端子に接続している。
これらのデマルチプレクサ105,106及びマルチプレク
サ107は、それぞれマイコン80からの各ビツトが時間的
にカウントアツプするスキヤン制御信号SC1,SC2,SC3に
よつて制御され、デマルチプレクサ105は、第18図
(a)に示すような所定のパルス幅のハイレベルの電圧
をそのパルス幅だけタイミングをずらして15本の共通の
横のラインに順次印加していく。
一方、デマルチプレクサ106は、同図(b)に示すよ
うなパルス幅の短かい(上記パルス幅の1/6以下)ロー
レベルのパルス信号を、そのパルス幅だけタイミングを
ずらしてLED群26の6本の縦のラインに順次印加し、ア
ノード側が抵抗23を介して共通の横のラインに接続され
た6個のLED22aのカソード側を順次ローレベルにして点
灯させる。
マルチプレクサ107は、デマルチプレクサ106と同じタ
イミングで、PT群27の6本の縦のライン中のデマルチプ
レクサ106によつてローレベルにされるラインに対応す
るラインの出力信号を選択して出力し、抵抗R7を介して
マイコン80にストローク検出信号Svとして取り込ませ
る。
従つて、スキヤン回路87によつてあるストロークセン
サ20の第17図に示すホトインタラプタ22を構成するLED2
2aが点灯されると、その射出光が第5図に示した可動部
21の平滑面21dによつて反射され、それをホトダイオー
ド22bが受光すると、その光量に応じた光電流が出力回
路の対応するラインの抵抗(R1〜R6のいずれか、抵抗値
は全く同じ)に流れ、この抵抗によつて電圧が発生す
る。
この電圧は、押鍵の深さに応じたアナログ信号であ
り、この電圧信号をマルチプレクサ107によつてセンス
して順次出力するのである。
例えば、演奏者がある時に左手の小指でC3,中指でE3,
親指でG3の各鍵を、右手の人差し指でC5の鍵をそれぞれ
押鍵していたとすると、マイコン80には、第19図に示す
ようなタイミングで各鍵の押鍵深さに応じた異なるレベ
ルV1,V2,V3,V4のストローク検出信号が取り込まれるこ
とになる。
タツチレスポンス・スイツチ群の信号検出 第13図におけるタツチレスポンス・スイツチ群30Gの
マイコン80によるスキヤン用マトリクス回路を第20図に
示す。
タツチレスポンス・スイツチ群30Gを構成する88鍵の
各鍵2,3に対応して設けられた前述の各タツチレスポン
ス・スイツチ30を第1メークスイツチS1a,S1bの並列回
路とダイオード66の直列回路からなる第1メークスイツ
チ群と、第2メークスイツチS2とダイオード67の直列回
路からなる第2メークスイツチ群とに分けて(第20図の
円形内の拡大図及び第6図乃至第8図参照)、マトリク
ス回路を構成する。
すなわち、15本の共通の縦のスキヤンラインB0〜B14
と、各群6本ずつの横のスキヤンラインN00〜N05とN10
〜N15によつて構成されるマトリクス回路の各交点に円
内に拡大して示すように各タツチレスポンス・スイツチ
30の第1メークスイツチS1a,S1b又は第2メークスイツ
チS2をそれぞれダイオード66又は67と直列に接続する。
そして、このマトリクス回路をマイコン80によつて直
接スキヤンニングするため、マイコン80から縦のスキヤ
ンラインB0〜B14に、第18図(a)に示したのと同様な
一定パルス幅の信号を順次そのパルス幅だけタイミング
をずらして印加し、横のスキヤンラインN00〜N05を、同
図(b)に示したのと同様な短かいパルス幅(上記パル
ス幅の1/6以下)で順次タイミングをずらしてチエツク
して、そのレベルをマイコン80に取り込む。
この時、第1メークスイツチS1a又はS1bが閉じていれ
ばハイレベルの信号が検出される。
その後、縦のスキヤンラインB0〜B14に、再度上述の
一定パルス幅の信号を順次そのパルス幅だけタイミング
をずらして印加し、横のスキヤンラインN10〜N15を、同
様に短かいパルス幅で順次タイミングをずらしてチエツ
クして、そのレベルをマイコン80に取り込む。
この時、第2メークスイツチS2が閉じていればハイレ
ベルの信号が検出される。
このように、マイコン80による1スキヤンを2回に分
けて、1回目に第1メークスイツチ群をスキヤンし、2
階目に第2メークスイツチ群をスキヤンする。
アフタセンサユニツトの信号検出 第13図におけるアフタセンサユニト50の各鍵に対応す
る左右のアフタセンサSL,SRの信号検出するためのスキ
ヤン回路と演算増幅回路について、第21図及び第22図に
よつて説明する。
第21図に示すように、アフタセンサユニツト50の各鍵
に対応する88組の左右対のアフタセンサSL,SRを、左側
のアフタセンサ群50Lと、右側のアフタセンサ群50Rとに
分けて、共通の18本の縦のスキヤンラインと各群5本ず
つの横のスキヤンラインによつてマトリクス回路を構成
し、その各交点(2点を除く)にそれぞれ円内に拡大し
て示すように、左側のアフタセンサSL又は右側のアフタ
センサSRを接続する。
スキヤン回路89は、3個のデマルチプレクサ110,111,
112と、2個のマルチプレクサ113,114によつて構成れて
いおり、マイコン80からのスキヤン制御信号SCaとSCbに
よつて作動する。
デマルチプレクサ111と112及びマルチプレクサ113,11
4は、スキヤン制御信号SCbによつて同時に作動し、デマ
ルチプレクサ111は、電源電圧Vccを抵抗R10,R11で分圧
した電圧Vaを比較的長い所定パルス幅の信号にして、左
側のアフタセンサ群50Lの5本の横のスキヤンライン
に、そのパルス幅分ずつタイミングをずらして順次供給
する。
デマルチプレクサ112も、電源電圧Vccを抵抗R12,R13
で分圧した同じ電圧Vaをデマルチプレクサ111による出
力パルスと同じパルス幅の信号にして、右側のアフタセ
ンサ群50Rの5本の横のスキヤンラインに、デマルチプ
レクサ111と同じ順序及びタイミングで順次供給する。
マルチプレクサ113及び114も、デマルチプレクサ111
及び112と同じタイミングで同じ横のスキヤンラインを
同じ順序で期間ずつ各出力端子に選択的に接続する。
一方、デマルチプレクサ110は、デマルチプレクサ111
と112が横のスキヤンラインに電圧Vaを1回印加する期
間内に、18本の縦のスキヤンラインを順次タイミングを
ずらして、ダイオードDaを介してローレベルにする。
したがつて、アフタセンサSL,SRが押圧されていない
場合はその抵抗値が非常に高い(略絶縁状態)ので、横
のスキヤンラインに印加された電圧Vaがそのままマルチ
プレクサ113,114に入力して、センサ出力VL及びVRとな
るが、押鍵終期あるいは押鍵後のアフタタツチによつて
アフタセンサSL,SRが押圧されていると、その抵抗値が
低下するため、その抵抗値の低下にに応じて横のスキヤ
ンラインの電圧が低下し、マルチプレクサ113,114から
のセンサ出力VL及びVRも低くなる。
このようにして、左側と右側のアフタセンサ群50L,50
Rから順次一対ずつの左右のアフタセンサSLとSRのセン
サ出力VLとVRが同時に検出される。
このセンサ出力VLとVRは、左右のアフタセンサSLとSR
への圧力のかかり具合によつて、略同じになることもあ
れば異なることもある。
この左側センサ出力VLと右側センサ出力VRを演算増幅
回路90に入力させ、左側センサ出力VLをアンプ115で増
幅した後、差分値演算回路116によつて右側センサ出力V
Rとの差をとつて差分値出力とする。
一方、和分値演算回路17によつて、センサ出力VLとVR
の和をとつて和分値出力とする。
なお、アンプ115は、オペアンプOP1と抵抗R14,R15と
によつて非反転増幅器を構成している。差分値演算回路
116はオペアンプOP2と抵抗R16,R17によつて構成され、
和分値演算回路17は加算用の抵抗R18,R19とオペアンプO
P3及び抵抗R20,R21によつて構成されている。
第22図は演算増幅回路の他の例を示す。
この演算増幅回路90′は、差分値演算回路116と3個
のアンプ115,118,119からなり、左側センサ出力VLはア
ンプ115及び118によつて増幅して左側値出力とし、アン
プ115によつて増幅した左側センサ出力と右側センサ出
力とを差分値演算回路に入力してその差を演算し、その
差をアンプ119によつて増幅して差分値出力とする。
なお、この例では左側センサ出力を増幅して左側値出
力としたが、右側センサ出力を増幅して右側値出力とし
てもよい。
これらの、差分値出力と左側値出力あるいは右側値出
力又は和分値出力等を、それぞれ第13図のマイコン80に
取り込んで、差分値出力に応じてその鍵に対して音源回
路が発生する楽音信号に変調をかけてタツチビブラート
等の効果を得ることができ、左側値出力あるいは右側値
出力又は和分値出力に応じて楽音の音量あるいは音色を
制御してアフタタツチコントロールを行なつたり、差分
値出力と和分値出力に応じて楽音信号のそれぞれ異なる
パラメータを制御したりすることができる。すなわち、
各鍵独立にアフタタツチ及びタツチビブラート等の効果
を付与することができる。
マイクロコンピユータによる処理 次に、第13図のマイクロコンピユータ80のCPU81によ
る処理について第23図乃至第30図のフローチヤート及び
第31図以降の説明図によつて説明する。
<メインルーチン> 第23図はメインルーチであり、スタートするとまず後
述する各種レジスタを初期化する。
そして、接触センサ群24のいずれかがオフからオンに
なるオンイベントがあつたか否かを判断し、あれば接触
センサオンイベント処理(第24図)を実行する。
次いで、接触センサ群24のいずれかがオンからオフに
なるオフイベントがあつたか否かを判断し、あれば接触
センサオフイベント処理(第25図)を実行する。
そして、タツチレスポンス・スイツチ群30Gのいずれ
かがオフからオンになるオンイベントがあつたか否かを
判断し、あればキーオンイベント処理(第26図)を実行
する。
さらに、タツチレスポンス・スイツチ群30Gのいずれ
かがオンからオフになるオフイベントがあつたか否かを
判断し、あればキーオフイベント処理(第27図)を実行
した後、その他の処理を実行して、接触センサ群オンイ
ベントの判断へ戻る。
なお、その他の処理とは、音色スイツチの設定又は変
更、リズムスイツチの設定又は変更、各種効果のオン・
オフのための設定又は変更に係る処理等の複数処理であ
るが、この発明に密接に関係しないので1つのブロツク
にまとめた。
以下、上記各処理のサブルーチンについて順次説明す
るが、それに先立つてこれらの各処理に使用する各種レ
ジスタ等について説明しておく。
各種レジスタ等の説明 C1BUF:キーオンイベント用バツフア タツチされた鍵のキーコードを一時的にストアするイ
ベントバツフアで、1スキヤン時間中に同時に起つたオ
ンイベントをi+1個(例えばi=7)までを受け付け
る。
CTACT:接触センサレジスタ C1BUF(i)を有限のチヤンネル(例えば16ch)に割
当てて鍵表面に触れている間中、ずつと各鍵のキーコー
ドをストアしておくレジスタ。
n0:チヤンネルナンバ C1BUF(i)をCTACT(n0)に割当てるときのチヤンネ
ルを表わすもので、例えば最大16。
C0BUF:キーオフイベンド用バツフア 鍵から指が離れた時の鍵のキーコードを一時的にスト
アするイベントバツフアレジスタ。
KCR:キーチヤンネルレジスタ 音源の発音に関係するキーチヤンネルのレジスタであ
つて、データとしてはキーコードが入る。KCR(n)
は、音源のnチヤンネルにKCR(n)で表わされるキー
コードをさす。
OP:ストロークセンサ出力 ストロークセンサ20による検出出力てあり、実施例で
はアナログ電圧。
Z:ストロークセンサ出力レジスタ ストロークセンサ出力を接触センサレジスタCTACT(n
0)のキコード表わすキーが占領するチヤンネルn0に対
応したZ(n0)に格納するレジスタ。
OLD:フラグレジスタ 速度(変位の変化率)を求めるのに時刻の2ポイント
が必要であるが、1ポイント目はデータをラツチするだ
けなので、それを識別するためのフラグを立てるレジス
タ。
ZP:前回ストロークセンサ出力レジスタ 1つ前のストロークセンサ出力を格納するレジスタ。
V:変化率レジスタ Z−ZPによつて求められるストロークセンサ出力の変
化率(速度)を表わすデータを格納するレジスタ。
CAL:計算中フラグ 接点時間差及びVcを計算するときの「計算中」である
ことを示すフラグ。
t1:タイマ変数 時間を計測するための変化であり、いずれかの有効チ
ヤンネルで計算中の場合、タイマ1割込みでt1←t1+1
にする。
KONBUF:スイツチオンイベント用バツフア MSBが1メイク目/2メイク目を表わし、その他はキー
コードを表わす。最低音鍵から最高音鍵までタツチレス
ポンス・スイツチ群30Gのスキヤン(1メイク目を全鍵
スキヤンして、その後2メイク目を全鍵スキヤン)中に
同時に生じたスイツチオンイベンド(1鍵イベントのの
こともあり、その確立の方が高い)のキーコードを取り
込むレジスタ。
KOR:キーオンフラグレジスタ 各チヤンネル分あり、データは「1/0」である。
T1:時刻レジスタ T1という時刻をストアするレジスタ。
V1:速度データ T1時点の各チヤンネル毎の速度データ。
T2:時刻レジスタ T2という時刻をストアするレジスタ。
V2:速度データ T2時点の各チヤンネル毎の速度データ。
Δt:時間差レジスタ T2−T1の時間差をストアするレジスタ。
TOUCH:変換結果レジスタ Δtを変換テーブルTBLによつて速度に対応するデー
タに変換した結果をストアする。
TBL:変換テーブル。
時間差Δtを速度に対応するデータに変換するための
テーブル。
Vc:Vの補正値 所定の演算後のVの補正値。
VEL:変化速度値レジスタ 音源の変化速度値をストアする。
KOFBUF:スイツチオフイベントバツフア 全鍵のタツチレスポンス・スイツチ群30Gの1スキヤ
ン中に同時に発生したスイツチオフイベントのキーコー
ドを取り込むレジスタ。
AFT:アフタタツチフラグ いずれかのアフタセンサ出力があつてから所定時間後
に“1"になるフラグ。
A:アフタセンサ出力レジスタ アフタセンサの出力をCTACT(n0)のキーコードが表
わすキーが占有するチヤンネルに対応したA(n0)に格
納するレジスタ。
AP:前回アフタセンサ出力レジスタ 1つ前のアフタセンサ出力を格納するレジスタ。
OLDA:フラグレジスタ アフタセンサ出力の変化率を求めるのに時刻の2ポイ
ントが必要であるが、1ポイント目はデータをラツチす
るだけなので、それを識別するためのフラグを立てるレ
ジスタ。
VA:アフタ変化率レジスタ A−APによつて求められるアフタセンサ出力の変化率
を表わすデータを格納する。
AFV:音源側のアフタタツチレジスタ アフタタツチによつて音源を制御するためのデータを
格納するレジスタ。
n0,n1,n 接触センサがONしているチヤンネルを表わすのがn0,
ストロークセンサが作動している時のチヤンネルを表わ
すのがn1,タツチレスポンス・スイツチがオンしている
時のチヤンネルを表わすのがnである。
<接触センサオンイベント処理> 接触センサオンイベント処理を第24図のフローチヤー
トにしたがつて説明する。
まずiを0にするが、このiは第31図に示すようなキ
ーオンイベント用バツフアC1BUFのアドレスであり、例
えば0〜7の8個のキーコード格納エリアを示す。第31
図におけるKC12,KC15等はストアされているキーコード
を示し、“0"はキーコードがストアされていないことを
示す。
そして、1回のセンサスキヤン中に生じた接触センサ
オンイベントのキーコード(新たにタツチされて接触セ
ンサがオフからオンになつた鍵のキーコード)を、第31
図に示すようにC1BUF(i)に順次取り込む。それが済
むと再びiを0に戻す。
次いで、第32図に示すような接触センサレジスタCTAC
Tの空チヤンネル(ch)のチヤンネルナンバn0をサーチ
する。なお、CTACTが16チヤンネル用であれば、n0は1
〜16である。
そして、CTACT(n0)のいずれかが“0"(空き)でな
ければそのままメインルーチンへリターンし、“0"であ
ればC1BUF(i)(初めはi=0)にストアされている
キーコードをCTACT(n0)すなわち、CTACTの空きチヤン
ネルにストアして、C1BUF(i)をクリアして“0"にす
る。
その後、C1BUFに残りのデータ(キーコード)がある
か、すなわちC1BUF(i+1)は“0"か否かを判断し、
“0"であればメインルーチンへリターンするが、“0"で
なければ未だデータが残つているので、iをi+1にイ
ンクリメントして再びCTACTの空チヤンネルのサーチか
らの処理を繰返す。
そして、C1BUF内の全てのキーコードをCTACTに移し終
えるか、あるいはCTACTの空チヤンネルがなくなると、
処理を終了してメインルーチンへリターンする。空きチ
ヤンネルがない時にさらに新鍵に触れたとしても無視す
る。
<接触センサオフイベント処理> 接触センサオフイベント処理を第25図のフローチヤー
トにしたがつて説明する。
まずiを0にするが、このiも第31図に示すようなキ
ーオフイベント用バツフアCOBUFのアドレスである。そ
して、1回のセンサスキヤン中に接触センサオフイベン
トのキーコード(新たに離鍵されて接触センサがオンか
らオフになつた鍵のキーコード)を、COBUF(i)に順
次取り込む。それが済むと再びiを0にする。
次いで、音源の発音に関係するキーチヤンネルレジス
タKCRをサーチし、COBUF(i)にストアされているキー
コードと同一のキーコードを検索する。
そして、同のキーコードがあるKCR(n)に対応する
前述の接触センサレジスタCTACT(n0)をクリアする。
その後、COBUFに残りのデータ(キーコード)がある
か否かを、COBUFに(i+1)が“0"か否かによつて判
断し、なければメインルーチンへリターンするが、あれ
ばiをi+1にして、KCRのサーチからの処理を繰返
す。
<キーオンイベント処理> キーオンイベント処理を第26図のフローチヤートにし
たがつて説明する。
まず、iを0にするが、このiは第33図に示すような
スイツチオンイベント用バツフアKONBUFのアドレスであ
る。
そして、1回のキースキヤン中に生じたタツチレスポ
ンス・スイツチのオンイベントのキーコード(第1メー
クスイツチS1又は第2メークスイツチS2がオフからオン
になつた鍵のキーコード)をKONBUF(i)に第33図に示
すように識別マーク(第1メーク:0,第2メーク:1)と
共に順次取り込む。それが済むと再びiを0にする。
次いで、空チヤンネルのn(タツチレスポンス・スイ
ツチがオンしている時のチヤンネルを表わす),n1(ス
トロークセンサが作動している時のチヤンネルを表わ
す)をサーチする。
そして、キーオンフラグレジスタKOR(n)のいずれ
かに“0"があるか否かを判断し、なければ全チヤンネル
がふさがつているのでそのままメインルーチンへリータ
ンする。
“0"があれば空チヤンネルがあるので、次に識別マー
クによつてKONBUF(i)は第2メーク(識別マーク:1)
か否かを判断し、NOであれば第1メークであるから、次
に接触センサレジスタCTACTのいずれかにKONBUF(i)
のキーコードがあるか否かを判断する。
なければそのまま、あればCTACTのチヤンネルナンバn
0をn1に入れてから次の処理に移る。
そして、計算中フラグCAL(n1)を“1"にし、時刻レ
ジスタT1(n1)にタイマ変数t1(その時点の時間を示す
値)をストアし、速度データV1をV(n1)のデータにす
る。
V(n1)はn1チヤンネルの後述するZ−Zpによつて求
められるストロークセンサ出力の変化率(速度)を表わ
すデータをストアするレジスタである。
その後、KONBUF(i+1)は“0"か否か、すなわちKO
NBUFに残りのキーコードがあるか否かを判断して、なけ
ればメインルーチンへリターンし、あればiをi+1に
して、KOR(i)のいずれかに“0"があるか否かの判断
に戻る。
一方、KONBUF(i)は第2メークか否かの判断で第2
メークであつた場合は、n1をnにして計算中フラグCAL
(n1)を0にし、時刻レジスタT2(n)にその時点のタ
イマ変数t1をストアする。さらにT2(n)とT1(n)の
時間差をとつて時間差レジスタΔt(n)にストアす
る。
そして、この時間差Δt(n)を第34図に示すような
変換テーブルTBLによつて押鍵速度に対応するデータに
変換して、その結果を変換結果レジスタTOUCH(n)に
ストアする。
また、変化率レジスタV(n)のその時点でのストロ
ークセンサ出力の変化率(速度)を表わすデータをT2時
点での速度データV2とする。
これらのデータを用いて次の計算を行なつて、V
(n)の補正値Vc(n)とする。
このVc(n)を音源側の変化速度値レジスタVEL
(n)に出力し、楽音の音量その他任意のパラメータを
制御させる。
その後、“0"のキーオンフラグレジスタKORに対応し
たキーチヤンネルレジスタKCR(n)にスイツチオンイ
ベント用バツフアKONBUF(i)のキーコードをセツト
し、そのキーコードセツトに係るKCR(n)に対応したK
OR(n)に“1"をセツトする。そして、T1(n),T1
(n),V1(n),V2(n),TOUCH(n),Δtをクリア
する。
そして、前述したKONBUF(i+1)は“0"か否か、す
なわちKONBUFに残りのキーコードがあるか否かの判断に
進む。
ここで、上記の計算によつてV(n)のデータを補正
することの意味を第35図を用いて補足説明する。
押鍵時に、鍵が第35図(イ)に示すように変位した場
合と同図(ロ)に示すように変位した場合を比較する
と、タツチレスポンス・スイツチ30の第1メーク(1M)
スイツチがオンした時点T1と第2メーク(2M)スイツチ
がオンした時点T2の時間差Δtはいずれも同じである
が、(イ)の場合は時点T1とT2での変位速度v1が同じで
あり、(ロ)の場合はυ>υのように変位速度が変
化している。
これをストロークセンサによつて検知して、上述の例
では に比例した音量に設定するようにしている。
(イ)の場合 υ=υ=υとすると、V=υとなる。
(ロ)の場合 υ=1.5υ,υ=0.5υとすると、 となる。
υ2=0のときは、V=0となる。
<キーオフイベント処理> キーオフイベント処理を第27図のフローチヤートにし
たがつて説明する。
まず、第33図に示したようなスイツチオフイベント用
バツフアKOFBUFのアドレスiを0にする。
そして、1回のキースキヤン中に生じたタツチレスポ
ンス・スイツチのオフイベントのキーコード(第1メー
クスイツチS1又は第2メークスイツチS2がオンからオフ
になつた鍵のキーコード)をKOFBUF(i)に識別マーク
(第1リメーク:0,第2リメーク:1)と共に順次取り込
む。それが済むと再びiを0にする。
次に、識別マークによつてKOFBUF(i)は第2リメー
クか否かを判断し、NOであれば第1リメークであるか
ら、KOFBUF(i+1)は“0"か、すなわちKOFBUFの次の
アドレスにオフされたキーコードがないか否か判断し
て、あれば(NO)iをi+1にしてKOFBUF(i)は第2
リメークか否かの判断に戻る。
KOFBUF(i+1)が“0"であれば(YES)キーチヤン
ネルレジスタKCRをサーチし、キーコードデータがあれ
ばそのままメインルーチンへリターンし、なければイベ
ント処理を終了するため、タイマ変数t1をクリアしてメ
インルーチンへリターンする。
KOFBUF(i)が第2メークであつた場合には、キーチ
ヤンネルレジスタKCRをサーチし、KOFBUF(i)と同一
のキーコードを検索する。そして、同一のキーコードが
あるKCR(n)に対応したキーオンフラグレジスタKOR
(n)をクリアした後、同一のキーコードがあるKCR
(n)もクリアする。
その後、KOFBUF(i+1)は“0"か否かを判断して
“0"であればイベント処理を終了してメインルーチンへ
リターンし、“0"でなければKOFBUFにまだオフイベント
のキーコードが残つているので、iをi+1にインクリ
メントしてKOFBUF(i)は第2メークか否かの判断に戻
る。
<タイマ割り込み> タイマ割込みには、第13図のタイマ回路84から所定の
短かいタイムインタバルで出力される割込み信号T1,T2,
T3によつて、それぞれメインルーチンから周期的にコー
ルされるタイマ1割込み,タイマ2割込み,及びタイマ
3割込みの3種類の割込みルーチンがある。
ここで、T1,T2,T3の関係はT1<T2<T3である。なお、
このT1,T2は前述の時刻レジスタT1,T2とは無関係であ
る。
まず、タイマ1割込みの処理を第28図のフローチヤー
トにしたがつて説明する。
このタイマ1割込みルーチンでは、計算中フラグCAL
(n1)のいずれかが“1"(前述したキーオンイベント処
理の第1メークで“1"になる)か否かを判断し、“0"で
あればそのままメインルーチンへリターンするが、“1"
であればt1をインクリメントして(時間計測のため)か
らメインルーチンへリターンする。
次に、タイマ2割込みの処理を第29図のフローチヤー
トにしたがつて説明する。
このタイマ2割込みルーチンは、接触センサレジスタ
CTACTのチヤンネルナンバn0を0にした後、n0>16か否
かを判断し、YESであれば後述するアフタタツチフラグA
FTを0にしてメインルーチンへリターンするが、初めは
NOであるから、次にCTACT(n0)が“0"(キーコードが
ない)か否かを判断し、キーコードがなければn0をイン
クリメントしてn0<16か否かの判断に戻る。
キーコードがある場合は以下の処理を行なつてからn0
をインクリメントしてn0>16の判断に戻る。これらの処
理を16回繰返すと16チヤンネル分の処理を終了し、次に
n0>16になるので、AFTを0にしてメインルーチンへリ
ターンする。
CATCT(n0)にキーコードがある場合の処理は、その
キーコードが指す鍵のストロークセンサ出力をストロー
クセンサ出力レジスタZ(n)に取り込む。
そして、アフタタツチフラグAFTが“1"か否かをチエ
ツクして、AFT=0の場合はストロークセンサ出力に対
する処理のみを、AFT=1の場合はアフタセンサ出力に
対する処理を行なつてからストロークセンサ出力に対す
る処理を行なう。
すなわち、AFT=0の場合は、フラグレジスタOLD
(n0)が“0"か否かを判断し、“0"であればOLD(n0
を“1"にし、“1"であれば今回と前回のストロークセン
サ出力の差Z(n0)−ZP(n0)を変化率レジスタV
(n0)にストアする。
このV(n0)のデータすなわちストロークセンサ出力
の短時間内の変化率データを音源側の各種レジスタに出
力してストアさせ、適宜必要な楽音パラメータの制御に
用いることもできる。その例については後述する。
次に、現在のZ(n0)のデータをZP(n0)に移し、V
(n0)が所定値以下(V<V0:所定値)か否かを判断し
て、NOであれば直ちにn0>16か否かの判断に戻り、YES
であればフラグレジスタOLD(n0)をクリアしてからn0
>16か否かの判断に戻る。
ところで、上述したV(n0)の変化率データは、例え
ばメインルーチンのその他の処理の中で、各種フラグを
たてる(Ft=1)ことにより、各種制御に利用すること
ができる。
例えば、Ft=1とすると、タツチレスポンス・スイツ
チの第2メークスイツチがオンの時に発音されるべき音
色を発音前に設定することもできる。
すなわち、プリンセス方式の音色制御にも利用でき
る。これは、とりもなおさずプリンセス加速度情報によ
る音色変化制御にほかならない。
もちろん、全センシング方式にして、発音中ずつと音
色をリアルタイムで制御することも可能である。
なお、V(n0)のデータは一度送るとあとは使わない
ようにするとすると、送つたあとで接触センサがオフに
なるまで音源側のレジスタの入力を禁止するようにす
る。
一方、AFT=1の場合は、接触センサレジスタCTACT
(n0)のキーコードが指す鍵のアフタセンサの差分値出
力(例えば、第21図の演算増幅回路90又は第22図の演算
増幅回路90′の差分値出力)をアフタセンサ出力レジス
タA(n0)に取り込む。
そして、フラグレジスタOLDA(n0)が“0"か否かを判
断し、“0"であればOLDA(n0)を“1"にし、“1"であれ
ば今回と前回のアフタセンサの差分値出力の差A(n0
−AP(n0)をアフタ変化率レジスタVA(n0)にストアす
る。
このVA(n0)のデータすなわちアフタセンサの差分値
出力の短時間内の変化率データを、音源側アフタタツチ
レジスタAFV(n)に出力してストアさせ、適宜必要な
楽音パラメータの制御に用いる。
その後、現在のA(n0)のデータをAP(n0)に移し、
VA(n0)が所定値以下(VA<VA0)か否かを判断して、N
Oであれば直ちに、YESであればOLDA(n0)をクリアして
からOLD(n0)=0か否かの判断に戻り、前述したスト
ロークセンサ出力に対する処理を行なう。
なお、上記AFV(n)に出力してストアされたアフタ
センサの差分値出力の短時間内の変化率データによる楽
音パラメータの制御例としては、楽音信号に変調をかけ
てその音高,音量,音色等を制御したり、それによるビ
ブラートの深さ及び速さ,トレモロの深さ及び速さ,コ
ーラスの深さ及び速さ,パルセイトの深さ及び速さ,ス
テレオ音像の振りの大きさ及び速さ,リバーブの深さ等
を任意に変化させて、演奏者の意志を微妙に反映させる
ことができる。
また、AFT=1の場合にアフタセンサ出力レジスタA
(n0)に取り込むアフタセンサ出力を、左右のアフタセ
ンサの出力の和分値(例えば、第21図の演算増幅回路90
の和分値出力)にしたり、あるいは左右いずれか一方の
アフタセンサ出力(例えば第22図の演算増幅回路90′の
左側値出力)として、それらの変化率データを求め、そ
れを音源側アフタタツチレジスタAFV(n)に出力して
ストアさせ、適宜必要な楽音パラメータの制御に用いる
こともできる。
これらの各種のアフタセンサ出力の変化率データを同
時に求めて、それらによつて楽音信号のそれぞれ異なる
パラメータを制御するようにしてもよい。
<タイマ3割込み> 最後に、タイマ3割込みの処理を第30図のフローチヤ
ートにしたがつて説明する。
このタイマ3割込みでは、いずれかのアフタセンサ出
力(差分値ではなく、片側あるいは和分値)があると、
t3=T10(T2の10〜50倍位長く設定しても差し支えな
い)か否かを判断して、NOであればt3をインクリメント
した後リターンし、YESであればアフタタツチフラグAFT
を“1"にした後、t3をクリアしてメインルーチンへリタ
ーンする。
このアフタタツチフラグAFTが“1"になると、タイマ
2割込みのルーチンでのアフタセンサ出力の変化率を求
める処理が可能になる。
第29図及び第30図から判るように、アフタセンサ出力
があれば、ほぼT3のタイムインタバル毎に発音される楽
音がアフタセンサ出力で変更制御可能になつている。
実施例の効果 上述した実施例によれば、各鍵ごとに設けられたタツ
チレスポンス・スイツチ30による押鍵時の第1メークス
イツチのオンから第2メークスイツチのオンまでの接点
時間差値のみでなく、そのタイムインタバルを微視的に
センスするストロークセンサ20の出力によつて、上記タ
イムインタバル間の2点の変化率を求めて、その変化率
を加味して上記接点時間差のデータを補正するようにし
たので、接点時間差が同じでも、押鍵の仕方による鍵の
走行履歴によつて異なるタツチセンシテイビテイの出力
が得られる。
したがつて、このタツチセンシテイビテイの出力によ
つて楽音を制御するようにすれば、演奏者の意志に忠実
な、表現力豊かな演奏を行なうことができる。
離鍵時にも同様にして、離鍵の仕方や鍵の走行履歴に
応じたタツチセンシテイビテイの出力を得て、楽音が消
音するまでの音色余韻を制御することが可能である。
さらに、各鍵に対応する対のアナログセンサからの両
出力の一方あるいはその和分値によつて発生する楽音の
音量や音色を制御(アフタコントロール)したり、両出
力の差分値を利用して楽音信号に変調をかけてタツチビ
ブラート効果を付与したりすることも、演奏者の意志を
微妙に反映させて行なうことができる。
したがつて、これらの各種制御を組み合わせることに
よつて、電子楽器の表現力を一層高めることができる。
その他の適用例について 上述の実施例は、電子オルガンや電子ピアノ等のよう
に、鍵支持部材である鍵盤フレームに多数の鍵を回動自
在に装着した鍵盤を用いた電子楽器にこの発明を適用し
た例を説明したが、この発明はこれに限るものではな
く、例えば実開昭61−196297号公報に見られるような押
釦式の鍵(キースイツチ)を用いた電子楽器、さらには
電子吹奏楽器や電子打楽器等にもこの発明を適用するこ
とができる。
すなわち、鍵盤楽器あるいは複音楽器だけでなく、ト
ランペツト,フルート,リコーダ,クラリネツト等の口
あるいは息流で制御する管楽器(一般に単音楽器)を模
した電子管楽器も製品化されている。
上記のような自然楽器の管楽器は、息流と弁と運指と
のマツチングによつて他人に感動を与えるよい演奏が可
能になるが、従来の電子管楽器では、キーの微妙なタツ
チの仕方まで考慮して楽音を発生させてはおらず、単に
キーのオン・オフによる制御のみであつた。
そこで、この発明をこのような電子管楽器に適用すれ
ば、演奏者の感情を表現した微妙な楽音制御を行なうこ
とができる。
例えば、リコーダを例にとると、息流とキータツチの
両方の制御によつて、はじめて人に感動を与える微妙な
演奏ができる。つまり、親指用の孔を半開にして且つ微
妙に制御しながら息流を制御することにより、微妙な表
情がつけられる。
そこで、この発明を適用した電子リコーダでは、運指
キースイツチをタツチレスポンス・スイツチすなわち接
点時間差スイツチとし、息流センサあるいは息圧センサ
をストロークセンサに対応させればよい。
この発明の特徴は、1つのセンサの情報を他のセンサ
の情報で管理することにもある。
また、前述した押釦式の鍵(キースイツチ)を用いた
電子楽器(掌中電子楽器)にこの発明を適用する場合に
は、例えば、右手の中指,薬指,及び小指で操作するキ
ーには、接点時間差スイツチを対応させ、人差し指で操
作するキーのみにストロークセンサを対向させるように
すればよい。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、接点時
間差スイツチを備えた各種電子楽器において、接点時間
差のみでなく、その間のタイムインタバルの変化具合を
も加味して楽音を制御できるので、演奏者の意思を忠実
に反映した微妙なタツチレスポンス制御を行なつて、変
化に富んだ表現力豊かな演奏が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例である鍵盤電子楽器におけ
る鍵盤装置の白鍵部の縦断面図、 第2図は同じくその黒鍵の縦断面図、 第3図は第1図に示した鍵盤装置の低音部側を鍵を取り
出した状態で示す平面図、 第4図は第1図に示した1組のストロークセンサとタツ
チレスポンス・スイツチの非押鍵状態での側面図、 第5図は同じくその鍵の長手方向に沿う断面図、 第6図は1組のタツチレスポンス・スイツチのプリント
基板上の接続図、 第7図はプリント基板の右端部の上面図、 第8図は同じくその左右を反映して裏返しにして見た裏
面図、 第9図はアフタセンサユニツトの2個の白鍵に対応する
部分の拡大平面図、 第10図は第9図のA−A線に沿う断面図、 第11図は第9図のB−B線に沿う断面を拡大し、センサ
部を上下に分離して示す断面図、 第12図は第11図のC−C線より上部を矢示方向から見た
下面図、 第12a図はデジタルアフタセンサの一例を分解して示す
拡大平面図、 第13図はこの実施例の鍵盤電子楽器全体のシステム構成
図、 第14図は第13図における接触検出回路の具体例を示すブ
ロツク回路図、 第15図は第14図におけるゲート回路101の一例を示す回
路図、 第16図は第13図におけるストロークセンサ群20Gとその
スキヤン回路87及び出力回路88の具体例を示すブロツク
回路図、 第17図はそのストロークセンサのマトリクス回路への接
続状態を示すの説明図, 第18図は2種類のスキヤン信号の波形図、 第19図はある時点でのストロークセンサ出力の例を示す
説明図、 第20図は第13図におけるタツチレスポンス・スイツチ群
30Gのマイコン80によるスキヤン用マトリクス回路図、 第21図は第13図におけるアフタセンサユニツト50の各ア
フタセンサによるマトリクス回路とそのスキヤン回路89
及び演算増幅回路90の一例を示すブロツク回路図、 第22図はその演算増幅回路の他の例を示すブロツク図、 第23図乃至第30図は第13図のマイクロコンピユータ80の
CPU81による処理を示すフローチヤートである。 第31図乃至第33図はそれぞれこの実施例で使用するレジ
スタの説明図、 第34図は時間差のデータを速度に対応するデータに変換
するためのテーブルの説明図、 第35図はこの実施例によるタツチレスポンス・スイツチ
の接点時間差のデータをストロークセンサ出力による速
度変化を加味して補正する点の説明図、 第36図(a)〜(g)は音色制御のそれぞれ異なる特性
例を示す説明図である。 1……鍵盤フレーム、2……白鍵、3……黒鍵 4……鍵復帰バネ、7……鍵支持具 15……サブフレーム、17……リード線 19……プリント基板、20……ストロークセンサ 20G……ストロークセンサ群 21……可動部、22……ホトインタラプタ 24……接触センサ群、25……鍵盤 30……タツチレスポンス・スイツチ S1a,S1b……第1メークスイツチ S2……第2メークスイツチ 30G……タツチレスポンス・スイツチ群 31……可動部、32,33……第1可動接点 34……第2可動接点、35,36……第1固定接点 37……第2固定接点、40……センサブロツク 41……ラバーユニツト、42……スペーサ 43……センサカバー 50……アフタセンサユニツト SL……左側のアフタセンサ SR……右側のアフタセンサ 51……シリコンゴムパツト、52……ベース 53……センサ部、54,55……フイルム基板 56a,56b……感圧インク接点 57a,57b……カーボン接点 80……マイクロコンプユータ(マイコン) 84……タイマ回路、86……接触検出回路 87……スキヤン回路(ストロークセンサ用) 88……出力回路(マルチプレクサを含む) 89……スキヤン回路(アフタセンサ用) 90,90′……演算増幅回路 93……音源回路、94……サウンドシステム 116……差分値演算回路 117……和分値演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敏 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接点時間差スイツチを備えた電子楽器のタ
    ツチセンシテイブ装置において、 前記スイツチ操作のタイムインタバルを微視的にセンス
    するストロークセンサと、 前記タイムインタバル間の少なくとも時間的な2点の変
    化率を前記ストロークセンサの出力変化から求め、その
    変化率を加味してタツチセンシテイビテイの出力データ
    を算出する演算手段とを備えたことを特徴とする電子楽
    器のタツチセシテイブ装置。
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