JP3704850B2 - 電子弦楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ギター,バイオリン,チェロ,胡弓,一弦琴等の各種弦楽器を模した電子楽器、すなわち少なくとも一本の弦を有し、その弦を指で押え、且つ弓による擦弦あるいは指や爪,撥等による撥弦などに相当する弦操作を行なったときに、弦を指で押えた位置に応じた音高の楽音を発生する電子弦楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレキギターや電気バイオリンのような電気弦楽器は、弦を指で押えつつ、別の指または弓で弦を振動させ、その振動をピックアップで検出し、その検出信号を増幅して楽音を発生する。ビブラート等の効果をかける場合は、指で押えた弦を揺らし、弦長および張力変化を発生させることによりそれを行なうことができる。このような有弦振動楽器では、演奏操作は自然楽器に近いものの、音色及び記録制御等演奏データの加工に限界がある。
【0003】
そこで、実際に振動する弦を使用せずに、例えば導線(または帯状導体)と帯状抵抗体を用いて、押された位置に応じた電圧の音高信号を発生し、あるいはタッチパネルのように押された位置をデジタル的に検知して音高信号を発生し、それらによって電子音を発生する電子楽器が考えられ、千差万別の音色加工ができるようになった反面、これらの電子楽器では、発生する楽音に直接的にビブラートのような効果を付与しにくいものとなっている。すなわち、さお上の押えた指の接触位置を大きく動かさないと深いビブラートがかからなかった。従って弦とは別の部所に効果付与のためのスイッチやボリュームまたはレバーを設け、それによって効果制御することも考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般にビブラート操作は、自然弦楽器では、さおの部分の所定位置を弦の上から指で押さえて、基本的にはその指のさおに対する位置を動かさずに指を動かすことで、弦の張力を変化させることによってなされる。そして、さおの押圧指位置をさおに対し積極的に動かす奏法はグライド奏法と呼ばれ、五線譜上の別の音高を有する音符に移行するものである。
しかるに、上述のような従来の電子弦楽器では、ビブラート操作をするのに上記グライド奏法に近い操作をしなければならず、操作が不自然になり、自然できれいなビブラート等をかけることができなかった。
【0005】
また、弦とは別の操作子(例えばホイール)の操作でビブラートをかけるやり方では、自然弦楽器の速い指の動きに代わる操作ができないし、またビブラート周期固定のプリセット操作では、機械的すぎて自然な感じが出せず、演奏表現力が落ちる。
そこで、音色加工が容易に行なえる電子弦楽器において、演奏操作が自然で、きれいなビブラート等の効果制御ができる電子弦楽器が望まれていた。
【0006】
この発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、上述のような自然弦楽器を模した電子弦楽器において、演奏操作が自然で、きれいなビブラート,トレモロ,リバーブ等の効果制御ができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による電子弦楽器は、上記の目的を達成するため、楽器本体と、この楽器本体に両端が固定されて張設された弦と、上記楽器本体に設けられ、被検出部材が接近または接触する動作を検出する検出部と、上記楽器本体の弦が指で押下される位置に設けられ、該弦が押下された時にその長手方向の押下位置に応じて音高設定する音高設定手段と、この音高設定手段の出力と上記検出部の出力とによって発音指示され、上記音高設定手段で設定された音高に相当する楽音信号を発生する音源手段と、上記楽器本体に支持された回転軸によって回動可能に軸支され、一端部で弦の上記両端間の中間部を係止し、上記回転軸に対して上記一端部と反対側に延びる延設部を有し、上記一端部の弦の張設方向への回動変位を上記延設部で拡大する可動駒と、その可動駒の延設部の基本位置からの変位を検出し、その変位量に応じた変調信号によって上記音源手段から発生される楽音信号を変調制御する楽音変調制御手段とを設けたものである。
【0008】
なお、ここでいう「弦」とは、実際に振動して音源となるものではなく、指で押さえる目安となると共に、発生する楽音にビブラート等の効果を付与するためのものであり、糸あるいは線状のものに限らず、板バネのような板や、リボン,短い棒がチェン状に連結されたものなども含む。
【0009】
【0010】
【0011】
この電子弦楽器には演奏者の指で弦を押さえ付けた状態でその指を小さく動かすことによる可動駒の基本位置からの変位データをもとにして音源手段から発する楽音を変調するものを含んでいる。すなわち、この発明では、張設されたに当接する駒の僅かな回動を効果制御(変調制御)に反映しているので、演奏者の入力操作が、電子弦楽器としてのマシンに忠実に入力として取込まれ、マンマシンインタフェース上きわめて効率のよい電子弦楽器を形成することができる。
そして、上記可動駒の基本位置からの変位によって、演奏楽音にビブラート等の効果が付与される。したがって、演奏中に、その演奏音の音高を設定した指で容易且つ確実にビブラート,トレモロ,リバーブ等の効果を付与することができる。
【0012】
上記楽音変調制御手段としては、可動駒(6)の基本位置からの変位をフォトセンサ(32)によって光学的に検出し、その検出信号によって変調信号を形成する手段を用いることができる。また、上記可動駒(6)が、弦(3)の小さな動きによる変位を拡大する変位拡大手段を有するようにするとよい。
その可動駒(6)は、中間部に回転軸(9)を有し、この回転軸に対して弦(3)の両端間の中間部を係止する端部と反対側に延びる延設部(6a)を有し、上記端部の弦(3)の張設方向への回動変位を延設部(6a)で拡大する。
楽音変調制御手段(30)は、その可動駒(6)の延設部(6a)の基本位置からの拡大された変位量を検出し、その検出信号によって上記変調信号を形成することができる。
また、音高設定手段(20E〜20G)は、導電性の各弦(3)の下方に帯状抵抗体(7)を配設したものでもよい。
【0013】
この発明による電子弦楽器はまた、上記検出部に代えて、上前記楽器本体に上部を突出させ中間部を軸支されて回動可能に設けられた可動弓当部と、該可動弓当部の下部を両側から挟むように配設した一対のスイッチとからなり、上記可動弓当部の上部に弦楽器の弓を模した手動部材が押し当てられて押し引き操作されたときに、その可動弓当部が回動して上記一対のスイッチの一方をオンにし、それによって上記手動部材による弦操作の検知とその操作方向の判別をする弦対応操作検出手段を設けてもよい。
そして、上記楽音変調制御手段に代えて、楽器本体に両端が固定されて張設された弦に力が加えられることにより、その力に応じた弦の変形を検出して信号を出力する変形出力発生手段と、その出力信号に応じた変調信号によって音源手段から発生される楽音信号を変調制御する楽音変調制御手段とを設けるようにしてもよい。
さらに、これらの電子弦楽器において、上記弦と音高設定手段とを電気的に独立させるようにするとよい。
【0014】
これらの電子弦楽器において、上記弦が複数本設けられ、そのいずれかの弦の中間部が押下されるか、あるいは上記弦対応部操作検出手段が複数設けられ、そのいずれかが選択かつ操作されること、のいずれかもしくはその両方が実行されることにより弦種を選定して上記音源手段によって発生される楽音信号の音域を制御する弦種選定手段を設けるとよい。
【0015】
なお、弦対応部操作検出手段が複数設けられ、そのいずれかが選択かつ操作されたときに弦種を選定する場合には、実際に設けられている弦は一本だけであっても、各々異なる音域の音高を設定するための仮想的な複数の弦を想定して、
例えば、被検出部である弓部材などで複数の弦対応部操作検出手段を選択的に操作する(弾く)ことなどにより、そのいずれかを選定することができる。
【0016】
さらに、楽器本体(1)上に感圧センサ(132)を配設し、その感圧センサ(132)上に上記被検出部材をなす弦楽器の弓を模した形状の手動部材(23)に摺接されるローラ(130)を設け、そのローラ(130)を介して感圧センサ(132)よって手動部材(23)による押圧力を検出し、その検出信号に応じて音源手段(40)によって発生される楽音信号の音量又は音色等のパラメータを制御するように構成することもできる。
【0017】
このようにすれば、演奏者が一方の手の指で音高を設定し、その演奏音にビブラート等の効果を付与しながら、他方の手で手動部材を操作することにより、感圧センサがその手動部材による弦操作を検出し、発音の開始と停止を制御すると共に、その手動部材の押し付け力によって音量又は音色等を変化させることができる。
【0018】
音高決定手段は、複数のスイッチあるいは接点で構成することもできる。
弦対応部操作検出手段あるいは弦種選定手段の検出部を、複数のスイッチ(56a,56b)で構成することができる。
弦対応部操作検出手段は、被検出部材が弦楽器の弓を模した形状の手動部材(23)であり、弦操作の検出部が該手動部材(23)の移動量もしくは移動速度を複数の弦(3)に対応する異なる位置でそれぞれ検出する手段を有し、該手段が上記移動量もしくは移動速度を検出したときに弦種選定信号も出力する手段にすれば、上記移動量もしくは移動速度の検出信号を音源手段(40)が発生する楽音信号の制御に用いるようにすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明による電子弦楽器の一実施形態を示すブロック構成図、図2はその外観例を示す斜視図、図3はその側面図である。
この電子弦楽器は、バイオリンのような運弓擦弦楽器を模したものであるが、その構成は通常の運弓擦弦楽器とは全く異なっている。
【0020】
まず、図2及び図3を参照してこの発明による電子弦楽器の一例を説明する。楽器本体1に細長い竿状部1aを有し、その上面に長手方向に沿って上面が先端にいくにつれて傾斜した指板2を固設している。そして、導電性のワイヤによる4本の弦3を、それぞれ両端をピン4,5によって固定して張設し、そのピン4と5の間の中間部3aを可動駒6に係止させている。16はピン5に近接した位置に設けた固定駒であり、各弦3と指板2の上面との間隔が全長に亘ってほぼ一定だが、わずかに先端にいくにつれて狭くなるようにしている(図3参照)。
その指板2の上面には、各弦3に対応してそれぞれ細長い帯状抵抗体7を配設している。
【0021】
各弦3の中間部3aを上端部で係止する可動駒6は、両端を一対の支持片8,8によって支持された軸9にそれぞれ図3の矢示E方向(弦3の張設方向)に回動可能に軸支され、下部に楽器本体1内に長く延設する延設部6aを有している。そして、上端部の矢示E方向の回動変位が下端部では拡大されて破線矢示Fで示すように大きく回動変位する。
【0022】
4本の弦3の弦種は、例えばバイオリンの各弦に対応させて、図2において右側から1弦(E弦),2弦(A弦),3弦(D弦),4弦(G弦)として、その設定音域を異ならせるが、実際に各弦の材質や太さを異ならせなくてもよい。しかし、感触重視のために異ならせてもよい。
【0023】
10は弦対応部操作検出手段を兼ねた弦種選定手段の構造部であり、弦3の張設方向に並行な軸線を有する半円筒状のドラム部11と、その両端に設けた一対のフランジ部12a,12bと、その外側を覆う球面状のカバー13a,13bとを備え、ドラム部11の周面に4本の弦に対応する弦対応部である4本の細い半円柱状の弓当て14を、軸線方向に沿い、周方向に一定の間隔を置いて配設している。
【0024】
この弦種選定手段は、ドラム部11の軸線を弦3の張設方向に並行にして配設しているが、初心者が後述の手動部材(弓に相当する)を操作し易いように、図4に示すように弦種選定手段10のドラム部11の軸線を弦3の張設方向に非並行にして配置してもよい。
なお、図4に示す楽器は右きき用であり、左きき用では、前記軸線を図4とは反対側に傾むけて弦種選定手段10のドラム部11が配設される。
【0025】
この弦種選定手段10は、一方のフランジ部12aの各弓当て14に対して幾分上の位置に投光窓17(図3)を、他方のフランジ部12bのその各投光窓17と対向する位置に受光窓18を、それぞれ設けている。
その各投光窓17には、それぞれ図示しない発光ダイオード(LED)等の光源からの光を光ファイバによって集光して導き、対向する受光窓18に向けて光を照射する。各受光窓18にも図示しない光ファイバの一端を挿着しており、受光した光をフォトダイオード等の受光素子に導いている。
【0026】
その投光用光ファイバの先端及び受光用光ファイバの先端には、それぞれ平行光線作成用のレンズ及び集光レンズが設けられている。これらによって楽器本体側の検出部を構成している。なお、スペースがあれば、各投光窓17に光源を、各受光窓18に受光素子をそれぞれ直接設けるようにしてもよい。
【0027】
次に、図1によってこの電子弦楽器の構成を説明する。20E,20A,20D,20Gは、前述した1弦〜4弦(E弦〜G弦)の各弦ごとに設けられた音高設定手段であり、それぞれ前述した弦3及び帯状抵抗体7と、それによって出力される電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換器21とからなる。これらの各音高設定手段によって設定できる音域は弦種に応じて異なっている。
【0028】
今、図3に示す導電性のワイヤからなる弦3が指で矢示Pで示すように押下され、B点で帯状抵抗体7に接触した場合を考える。この帯状抵抗体7の両端間に+Vの電圧を印加しておくと、その長手方向の弦3の押下位置すなわちB点の位置に応じた電圧Vbが弦3のピン4によって係止されたA点から出力される。この電圧Vbが各弦3ごとの音高を設定する信号であり、これをA/D変換器21によってデジタル信号に変換して出力する。
【0029】
各弦3ごとの音高設定手段20E,20A,20D,20Gから出力されるデジタル信号(音高設定信号)は、それぞれアンド回路22E,22A,22D,22Gによって、弦種選定手段10からの弦種選定信号Se,Sa,Sd,Sgとアンドがとられ、選定された弦の音高決定手段からの音高設定信号のみが、後述する楽音変調制御手段30を経て音源手段40へ送られる。
なお、弦を抵抗体の線条とし、その各弦に対向する指板上に帯状導電パターンを形成するようにしても、同様に指で弦を押える位置に応じた音高設定信号を発生させることができる。
【0030】
弦種選定手段10は弦対応部操作検出手段を兼ねており、楽器本体1に設けられた前述した検出部、後述する被検出部が接近または接触する動作を検出して信号を出力する。この実施形態においては、それと同時に複数(この例では4本)の弦3のうちのどの弦に対応する弓当て14が操作されたかも判別して、弦種を選定する弦種選定信号をアンド回路22E,22A,22D,22Gのいずれかに出力する。
【0031】
したがって、音高設定手段20E等から音高を設定するデジタル信号が出力されても、この弦対応部操作検出手段を兼ねた弦種選定手段10が弦操作を検出するまでは、いずれの弦種選定信号も出力されない(“0”になっている)ので、全てのAND回路22E,22A,22D,22Gが閉じていて、そのデジタル信号が音源手段40に入力されないため、楽音信号は発生されない。
図5はこの弦種選定手段の一例を示す説明図であり、図2及び図3に示した弦種選定手段10に、運弓擦弦楽器の弓を模した手動部材23を被検出部材として使用した状態の説明図である。
【0032】
この手動部材23は細長い形状をなし、その長手方向に沿って多数のスリット状の透孔24が所定のピッチで形成されている。この手動部材23を図5に示すように、楽器本体1に設けたドラム部11上の4本の弓当て14のいずれかに当接させて矢示K方向に摺動すると、フランジ部12bに設けられた4個の受光窓18のうちの手動部材23が当接された弓当て14(図5ではD弦に対応する弓当て)の上部にある受光窓18のみが、透孔24及びその間隔部に対向するようになる。
【0033】
そして、図3に示した投光窓17から照射される光が、手動部材23の矢示K方向の移動によって断続的にその受光窓18に受光され、図示しない受光素子によってそれを検出してパルス状の信号を出力する。
どの受光窓18からの受光を検知する受光素子によってこのパルス状の信号が出力されるかにより、どの弦が選択されたかを決定する弦種選定信号Se,Sa,Sd,Sg(図1)のいずれかを出力する。
【0034】
なお、受光素子によって検出されるパルス状の信号のパルス数をカウントすることにより手動部材23の変位量を検知することができ、そのパルスの周期あるいは単位時間内に検出されるパルス数によって、変位速度を検知することもできる。
【0035】
そして、図1に示す音源手段40は、音高設定手段20E,20A,20D,20Gのいずれかから音高設定信号であるデジタル信号が出力され、弦種選定手段10からそれに対応する弦種選定信号が出力された時、すなわち弦対応部操作検出手段によって手動部材23による操作(弦操作と称す)が検出された時、アンド回路22E,22A,22D,22Gのいずれかの出力が、楽音変調制御手段30の乗算器31E,31A,31D,31Gのいずれかを介して入力されることにより発音指示され、選定された弦種に相当する音域で設定された音高の楽音信号を発生する。
【0036】
この音源手段40はデジタル音源装置であり、入力するデジタル信号に基づいてメモリに記憶されている波形データを読み出して、決定された音高の楽音データを生成し、それをアナログの楽音信号に変換して出力する。あるいは、特公昭62−45558号公報,特公平7−111638号公報等に見られる物理モデル音源であってもよく、従来の電子オルガン等に用いられている音源装置と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
この音源手段40から出力される楽音信号をアンプ41で増幅し、スピーカ42によって電気−音響変換して演奏音として放音する。アンプ41及びスピーカ42は、小型のものを楽器本体1に内蔵させることもできるが、サウンドシステムとして外部に設けて楽器本体1と信号線で接続するようにしてもよい。
【0038】
次に、この発明の特徴部分である楽音変調制御手段30について図1によって説明する。
図2及び図3に示した各弦3の中間部3aを係止する4個の可動駒6と、その各々に対して図3に示す垂直状態の基本位置からの矢示E,F方向の回動変位を検出する4組のフォトセンサ32とによって楽音変調制御部を構成している。
【0039】
そして、この楽音変調制御部による各検出信号を、それぞれA/D変換器33E,33A,33D,33Gによってデジタル信号に変換して変調信号とし、乗算器31E,31A,31D,31Gの対応するものに入力させ、そこでアンド回路22E,22A,22D,22Gのいずれかから入力するデジタル信号(音高設定信号)と乗算し、音源手段40によって発生される楽音信号を変調制御する。
それによって、可動駒6の回動変位量及び変位周期に応じた音高のピッチ変化を付与して、演奏音にビブラートをかけることができる。あるいは、音量変化によるトレモロやリバーブ(残響)効果などを付与することもできる。
【0040】
各可動駒6は、図6に示すように演奏者の指45によって弦3を指板2に押え付けた状態で、その指45を矢示Mのように弦3の張設方向に小さく搖動させると、弦3の図6にa−b−cで示す部分を僅かに引いたり押したりすることになる。
【0041】
そして、可動駒6が軸9によって楽器本体1に支持された点dを中心に回動できるため回動変位し、そのb点の変位量が延設部6aのe点ではb,d間の長さとd,e間の長さの比(d−e)/(b−d)で拡大され、それを可動駒6の下端部付近の前後両側に設けたフォトセンサ32a,32b(両方で図1におけるフォトセンサ32を構成する)によって検出する。すなわち、この可動駒6は変位拡大手段を兼ねている。この可動駒6の変位を検知するフォトセンサは32a,32bのいずれか一方だけでもよいが、2個設けた場合は可動駒6の変位を差動的に検知できるため、検出精度及び確度を向上させることができる。
【0042】
図6におけるフォトセンサ32a,32bは、図7にその縦断面図を示すように、楽器本体1内に、可動駒6が垂直状態の基本位置にあるときにその前後両側に同じ間隔を置いて平行に設けられた固定部1b,1cに、それぞれフォトリフレクタ321を配設し、それを覆うようにドーム状弾性体322の基部322bを固着し、その押圧部322cをそれぞれ可動駒6に当接させ、若干弾性変形させてプリコンプレッションをかけている。
【0043】
この各ドーム状弾性体322のフォトリフレクタ321と対向する内面には、それぞれ反射面322aが形成されており、フォトリフレクタ321から照射される光を反射して返すようになっている。
可動駒6の下端部が矢示Fで示すように回動変位すると、その方向に応じてフォトセンサ32a,32bの一方のドーム状弾性体322が押圧され、その反射面322aがフォトリフレクタ321に接近して反射光量が増加する。
【0044】
このフォトリフレクタ321は、図8の駆動回路に示すように、発光素子であるLED321aと受光素子であるフォトトランジスタ321bとを備えており、そのLED321aと保護抵抗R1の直列回路に一定電流Icを流して、LED321aを一定の発光量で発光させる。一方、その光がドーム状弾性体322の反射面322aで反射された光を受光するフォトトランジスタ321bと抵抗R2との直列回路に一定電圧Vcを印加している。
【0045】
したがって、フォトトランジスタ321bの受光量に応じた電流が抵抗R2に流れ、その両端子間に生ずる電圧Vsは反射面322aの位置すなわち可動駒6の回動変位量に応じて変化する。
フォトセンサ32aによるこの出力電圧をVsaとし、フォトセンサ32bによるこの出力電圧をVsbとすると、図9の(a)に示すように出力電圧をVsaは可動駒6が図3で右旋回動したときの変位量+xに応じて増加し、出力電圧をVsbは可動駒6が図3で左旋回動したときの変位量−xに応じて増加する。
【0046】
この各出力電圧Vsa,Vsbからそれぞれ可動駒6が垂直状態の基本位置にあるときの出力電圧V0 を減じて加算すれば、図9の(b)に示すように可動駒6がいずれの方向に回動しても、その回動変位量+x又は−xに応じて増加する電圧信号ΔVsが出力される。
【0047】
しかしながら、図9の(a)に示すように、フォトリフレクタ321と反射面322aとが離れる方向の変位量に対する出力の変化量は、接近する方向のそれより小さいので、図7に示したように2個のフォトセンサ32a,32bによって差動検知すれば、上記の方向による出力のバラツキがなくなる。
【0048】
この電圧信号ΔVsは、図6に示した演奏者の指45の変位量及び変位周期に応じた振幅及び周期で変化することになる。これを図1のA/D変換器33E,33A,33D,33Gの対応するものによってデジタル信号に変換して変調信号とする。
【0049】
しがって、この電子弦楽器によれば、演奏者が演奏音の音高を設定した指を、弦3の張設方向に往復微動させることによって変調信号が発生し、それによって、音源手段40により発生される楽音信号を変調制御し、ビブラート等の効果を付与することができる。
【0050】
なお、1個の可動駒に対して一対のフォトセンサを対称に設ける例について説明したが、1個の可動駒に対してフォトセンサを1個だけ設けるようにして、反対側からスプリング等の付勢手段によって大きなプリコンプレッションを与えると共に、定常時に可動駒が垂直な基本位置となるようにバランスを保つようにしてもよい。あるいは、フォトセンサ以外でも回動変位量を検知できる各種のセンサを使用することができる。
【0051】
また、この実施形態における4個の可動駒6とその各回動変位を検出するフォトセンサ32による楽音変調制御部は、各弦3に力が加えられることにより、その力に応じた弦の変形を検出して信号を出力する変形出力発生手段でもある。
【0052】
この場合、弦3を押えた指を弦の張設方向に小さく揺動させて行なうバイオリンなどにおける通常のビブラート操作の他に、ロックギターにおけるチョーキング奏法のように、押さえている弦を張設軸方向と直角にずらしたりして音程を変える操作を行なっても、その力に応じて弦3が変形して可動駒6が回動変位するので、その検出信号に応じて変調信号を発生させ、音源手段40から発生する楽音信号を変調制御することができる。
【0053】
次に、図1における弦対応部操作検出部を兼ねた弦種選定手段の他の例を図10乃至図12によって説明する。
この弦種選定手段50は、図2,図3に示した弦種選定手段10と同様なドラム部51とその両端のフランジ部52a,52bを楽器本体1上に設けている。
そして、そのドラム部51には、その軸線方向に沿い周方向に一定の間隔を置いて4本のスリット孔51aが形成され、そこにそれぞれ可動弓当板54を挿入させて、各可動弓当板54を図11及び図12に示すように両端面に突設した軸55によって、一対のフランジ部52a,52bに回動自在に支持させている。
【0054】
この4枚の可動弓当板54は、それぞれ図2に示した4本の弦3と対応しており、その各弦3のいずれかを演奏者が選定して弦操作するためのもので、上部がドラム部51から放射状に突出し、下部は図11に示すようにドラム部51内に延設している。その下端部付近の長手方向の中央部に、各可動弓当板54を両側から挟むように一対ずつのマイクロスイッチ(以下単に「スイッチ」という)56a,56bがその各アクチュエータ部を当接させて配設されている(図11,12参照)。
【0055】
各可動弓当板54の軸55から上端部までの長さより下端部までの長さの方が長い。そこで、演奏者が運弓擦弦楽器の弓を模した手動部材(被検出部材)を、可動弓当板54のいずれかに当てて押し引き操作(運弓)すると、その可動弓当板54が軸55を中心に回動変位し、その変位量が下端部では拡大されマイクロスイッチ56a又は56bのアクチュエータを押し、そのスイッチをオンにする。
【0056】
それによって、その可動弓当板54に対応する弦が選定されて弦操作されたことを検知して、弦操作検出信号を兼ねた弦種選定信号を出力する。また、この場合、スイッチ56a,56bのいずれがオンになったかによって、手動部材の操作方向(押す方向か引く方向か)を判別することもできる。
【0057】
また、手動部材を2枚の可動弓当板54に同時に当てて押し引き操作(運弓)すると、複数のスイッチ56a又は56bが同時にオンになり、対応する複数の弦が同時に選定されて弦操作されたことが検出される。
ここに挙げたマイクロスイッチ56a,56bに代えて、圧力を感知してスイッチングするスイッチング素子を用いても同様のことができる。
【0058】
次に、図1における音高設定手段の他の例を図13及び図14によって説明する。
図13はその要部の指板の長手方向に沿う縦断面図、図14はそのF−F線に沿う横断面図である。
この音高設定手段は、4本の弦3に対して1つの音高設定ユニット60を構成している。
【0059】
この音高設定ユニット60は、図2,図3に示したような楽器本体1の竿状部1aに設けられる指板2′の上面に、図14に示すように底面を幅方向に若干凸面に形成した細長い凹陥部61を略全面に形成し、その凹陥部61と略同じ長さで約2倍の幅を有する絶縁材からなるフレキシブル基板62を幅方向に二つ折りにして、間にスペーサ63を挟んで一定の間隔を設けて嵌入保持させている。
【0060】
そのフレキシブル基板62の上側部62Uの下面には、図14に示す4本の弦3の張設位置に対応して4本の帯状導電パターン(電極)64が形成されている。また、フレキシブル基板62の下側部62Dの上面には、4本の帯状の導電パターン64に対向して、それぞれ図13に示すように長手方向(弦3の張設方向)に沿って多数のドット状導電パターン(電極)65が一定間隔で形成されている。
【0061】
したがって、4本の弦3のいずれかが指で押されると、その位置のフレキシブル基板62の上側部62Uが撓んで帯状導電パターン64が下側部62D上の対向する位置のドット状導電パターン65と接触し、その位置のスイッチがONになった状態になるので、弦3と共に指で押された位置に応じた音高設定信号を出力することができる。
【0062】
この例の場合は、弦3は音高設定手段とは電気的に独立しており、弦3は指で押圧する位置の目安と、可動駒を回動変位させて変調信号を発生させるために設けているだけであるから、導電体である必要はなく、合成繊維や天然繊維あるいは樹脂などによる絶縁性の糸や紐などの線条も使用することができ、むしろその方が好ましい。
【0063】
この例のドット状導電パターン65を前述の例と同様に帯状抵抗体に代えてもよい。その場合には、指で押される位置によって帯状導電パターン64がその帯状抵抗体に接触する位置が変わり、帯状抵抗体の分割抵抗値が変わるので、帯状抵抗体に印加される一定電圧を帯状導電パターン64との接触位置で分圧した電圧を音高設定信号として出力することができる。
【0064】
次に、この発明による電子弦楽器の他の実施形態について説明する。
この電子弦楽器は、図15に示すように、各弦ごとに入力部70と楽音信号形成回路71とD/A変換器72を備え、その各弦用のD/A変換器72から出力される楽音信号をそれぞれ抵抗rを通してアンプ73に入力し、そこでミキシング及び増幅してスピーカ74により電気−音響変換して放音する。これは、先に本出願人が提案した、特開平3−48891号公報に記載されているような電子運弓楽器に、この発明を適用したものである。
【0065】
入力部70は前述の実施形態における音高設定手段、弦対応部操作検出手段を兼ねた弦種選定手段、および楽音変調制御部を含むものであり、演奏者が種々の操作をすることにより種々の演奏パラメータを入力できる。代表的には、前述の実施形態と同様に運弓擦弦楽器の弓を模した手動部材(可動演奏部材)を楽器本体と有機的に結合させ、相対的に運動させることによって演奏を行なう。
【0066】
種々の演奏パラメータの代表例として、例えば手動部材の移動方向、弦と手動部材の接する位置、手動部材の弦に対する圧力、指板上で指定され且つ必要によりビブラート変調が加えられた音高(ピッチ)、音色等がある。
これらの演奏パラメータに基づいて、物理モデル音源手段を用いた楽音信号形成回路71が楽音信号を形成する。その楽音信号はデジタル信号であるが、D/A変換器72でアナログ信号に変換される。
【0067】
楽音信号形成回路71は、運弓擦弦楽器をモデル化した非線形楽音合成回路であるが、弦と弓の間の摩擦特性を近似した非線形関数部と、弦の特性を近似した遅延部とフィルタ部等から構成されている。その詳細は上記公開公報に記載されており、公知であるから説明を省略する。
【0068】
図16は入力部70に設けられる弓を模した手動部材とその検出部の例を示す概略図である。
図示しない楽器本体に、運弓擦弦楽器の駒に似た形状の検出部を兼ねた擦弦部80を設け、その上面に弓を模した形状の手動部材(以下「弓体」と称す)85を当てて、矢示Q方向に操作(運弓)することによって演奏を行なう。擦弦部80には4つの弦に対応する弦対応部81,82,83,84が設けられており、弓体85をこの弦対応部のいずれかに当てて移動させる。ここで発生楽音を決定するパラメータは弓体85の移動速度,移動方向,接触位置等を含む。
【0069】
これらの情報を得るために、弓体85ないしは擦弦部80の弦対応部81,82,83,84付近に信号発生手段及び信号検出手段を設け、弓体85の移動を検出する。弓体85の楽器本体に対する相対的運動を検出する方法は種々ある。
【0070】
例えば、楽器本体と弓体85に電気的に結合する部材を設けて、共振回路等を形成し、弓体85と楽器本体間の相互インダクタンスやキャパシタンスの変化を利用することにより、弓体85と楽器本体との結合の程度に応じた信号を取出せるので、相対的運動を検出できる。但し、1対の部材間の結合では検出できる範囲が狭かったり、検出精度が不足したりすることがある。
【0071】
他の検出方法としては、移動させる弓体85に複数の素子を設け、楽器本体上の素子と選択的に結合させる方法である。
図17の(A)においては、弓体85に多数の発光素子86を備え、楽器本体側の擦弦部80上に受光素子87を設け、各発光素子86を順番に発光させ、どの発光素子86からの光を受光素子87が受けているのかを検知して、弓体85のどの部分が擦弦部80に当っているか、すなわち弓体85の当接位置を判定することができる。また、その位置の変化傾向を判定することによって、弓体85の移動方向も判る。さらに、単位時間内にいくつの光パルスが入射するかを測定すれば、弓体85の移動速度を判定できる。
【0072】
図17の(B)においては、逆に弓体85に複数の受光素子87を備え、楽器本体側の擦弦部80上に発光素子86を設けた場合を示す。この場合の動作は前述の(A)と逆になるだけなので説明を省略する。
なお、これらの信号の授受は、光信号のみでなく超音波や、弓体85の移動による磁気回路の結合/遮断による電気パルス列によって行なうこともできる。
【0073】
図17の(C)は、発光素子86及び受光素子87とも楽器本体側の擦弦部80上に設け、弓体85上に複数の反射パターン88を設けた例を示す。反射パターン88は一定の間隔で形成され、かつ白黒パターンの比が位置と共に変化している。図では反射パターンが表面から突出しているように示しているが、実際上は平面上に白黒パターンを印刷等により形成してもよい。受光素子87と発光素子86は紙面に垂直な方向に並んで配置されている。
【0074】
そして、擦弦部80の発光素子86からの光を弓体85上の反射パターン88に照射し、その反射光を受光素子87で受光して検出する。その単位時間内の受光信号のパルス数を検出すれば弓速を測定でき、受光信号のハイレベル期間とローレベル期間の比を検出すれば、弓体85の当接位置を測定できる。さらに、その比の変化傾向(増加/減少)によって移動方向も判別できる。白黒パターンでバーコードを構成し、位置情報を表わすようにしてもよい。
また、この逆に弓体85側に発光素子86と受光素子87を設け、楽器本体側に反射パターンを設けてもよい。
【0075】
図18は、図17の(A)の場合の弓体85の構造例を示す。
この弓体85は、その外観の一部を下面側から見た斜視図である。この弓体85の下面に当る擦弦面には滑り板90が設けられている。滑り板90は自然楽器の毛に相当し、適当な滑り心地の例えばプラスチック等によって形成される。
この滑り板90にはその長手方向に一定の間隔で多数の方形の窓90aが形成されており、弓体85の本体85aとの間に、この滑り板90と同一形状の窓を形成した感圧シート91と導電シート92を挟持している。
【0076】
弓体85の本体85aの下面には、滑り板90の各窓90aの中央付近に位置するように発光素子86を設けている。窓90aは、各窓内の発光素子86が互いに干渉して対向しない受光素子87(図17)を照射しないようにするために、適当な深さを持つことが望ましい。
また、各発光素子86は、例えば発光ダイオードとレンズ部を有する導光部材からなり、発光ダイオードから発した光が導光部材のレンズ部分を通り、滑り板90の窓90aから別々の光束となって射出する。
【0077】
この弓体85は、滑り板90を図16に示した擦弦部80に摺接させて運弓操作したとき、擦弦部80に設けられた受光素子87との相互作用により、その当接位置、移動方向、移動速度(弓速)を検知できる。さらに、弓体85を擦弦部80に押し付ける力に応じて、滑り板90と本体85aの間に挟持された感圧シート91の導電度が変化し、押し付け力が大きい程導電シート92との間の抵抗値が減少する。それによって、弓体85の押し付け圧力を検出することができる。
【0078】
この例では、多数の発光ダイオードを弓体85の下面に列設した例を説明したが、複数の発光ダイオードの代りに、図17の(B)に示すように、複数の受光素子(例えばホトダイオードやホトトランジスタ)を弓体85の下面列設してもよい。また、各窓90aに対応して一対の発光素子と受光素子を弓体85に備え、擦弦部80に反射面を設けてその発光素子からの光を反射させるようにすることもできる。
【0079】
この実施形態においても、音高設定手段および楽音変調信号を発生させる手段は、前述の実施形態と同様な手段を用いることができる。
そして、弓体85が擦弦部80の弦対応部81〜84のいずれかに当接して操作されると、その当接された弦対応部に対する入力部70(第15図)が弦操作検出信号を兼ねた各パラメータを発生し、それに接続された楽音信号形成回路71のみが楽音信号を発生する。
【0080】
ここで、この弓体85を用いて図15に示した入力部で各種の演奏パラメータを検出する手段の具体例を説明する。但し、図18に示した弓体85の感圧シート91と導電シート92によって、弓体85の擦弦部80への押し付け圧力を検出する回路は極めて簡単であるから説明を省略する。
図19は弓体に列設された多数の発光素子とその発光を概念的に示す。
図20及び図21は時分割制御により各種の演奏パラメータを検出する回路の例を示す。この場合、弓体85と楽器本体とは図示しない信号線で接続される。
【0081】
図19において、弓体85の毛に相当する擦弦面には、発光素子として例えば64個のLED86-0〜86-63 が1次元に埋め込み配列されている。これらの各LEDは時分割で励起される。例えば 3.2MHzのパルス信号で64個のLED86-0〜86-63 を次々と発光させ、65番目にまた最初のLED86-0に戻って、再び64個のLEDを次々と発光させる。
【0082】
同図中に矩形パルスで示すのが、各LEDからの発光である。時間と共に順次発光LEDは図で右方(先弓から元弓方向)へ移動する。このようにして、連続パルスを64ずつに分割して、64個のLED86-0〜86-63 を1個ずつ発光させ、時分割で動作させる。したがって、LEDは1度には1個しか発光せず、どのLEDの発光を検出しているかが判れば、弓体85のどの部分からの光かを検出できる。LEDの発光パルス列と受光素子による検出位置との間で同期を取ることによって、弓体85のどの部分の光を受光素子によつて検出できたかが判る。
【0083】
図20及び図21において、例えば640Hzよりも高い周波数である1MHzまたは3.2MHz のクロック信号CK1がカウンタ95に供給され、そのパルス数をカウントする。そのカウント数はデコーダ96でデコードされてモジュラ64の信号を作り、64個のLED86-0〜86-63 を順次発光させる。
これらの各LEDから発光される光をタイムリに受光する複数の受光素子87-i(i=1〜n)からの受光信号は、オア回路93で加算される。
【0084】
受光素子を複数個設けた理由は、弓体85の接近移動検出をある程度の幅を持って可能にするためである。
オア回路93からの受光信号とデコーダ96の出力パルス信号とが各LED86-0〜86-63 に対応するアンド回路97-iで乗算される。すなわち、第1のLED86-0を発光させたときに、いずれかの受光素子87-iから受光信号が得られれば、アンド回路97−1 は出力をフリップフロップ列98の1番目のフリップフロップ(以下「FF」と略称する)98-1に供給し、1番目のLED86-0の発光が検出されたことを登録する。
【0085】
同様に、n番目のLED86−nの発光が受光素子87-iで検出されれば、フリップフロップ列98のn番目のFFがセットされる。
LED86-i が発光しているタイミングで、いずれかの受光素子87-iが受光すると、FF98-i(i=1〜64) がセットされる。次のタイミングではLED80-(i+1)が発光し、それが受光されると次のFF98-(i+1)がセットされる。
【0086】
すると、隣接する2つのFFの出力が各々“1”,“1”となる。それを2ビット以上検出回路89が検出してそのFF98-i,FF98-(i+1)にリセットをかける。そこで、FF98-iとFF98-(i+1)がリセットされるが、LED86-(i+1)の発光が引続き受光されていれば、FF98-(i+1)は再びセットされる。
【0087】
さらに、非発音時のリセット対策として0.02〜0.3sec以上次の位置信号が来なければ、各FFにリセットをかけるようにしている。すなわち、フリップフロップ列98の全FFの出力をOR回路120でオアをとり、その出力を微分回路121で微分し、リトリガラブル・モノステーブル・マルチバイブレータ(RMM)122,立上り微分回路123,及びオア回路124-iとを介して、各FFのリセット入力に供給している。したがって、各FFのQ出力後、RMM122のセット時間経過時にリセットがかけられる。
【0088】
なお、フリップフロップ列98の各FF98-iのQ出力がオール“0”からどれかが“1”になったタイミングで、64→6変換器99の出力側のラッチ回路125にラッチがかかる。これは、リセット信号が入力されてからセットされるまでの間、弓体がボウイングされているにも拘らず1時的に非検出状態が起こるので、この影響を避けるためのものである。
このようにして、図16に示した擦弦部80に弓体85のどの部分が当接しているかが光パルス検出と同時に測定できる。
【0089】
弓体85のいずれの部分が擦弦部80に接しているかによって、フリップフロップ列98の対応するFFから出力信号が供給される。この64ビットの並列信号は、変換器99で6ビット信号に変換され、6ビット並列信号101として図21に示す後段に供給される。またカウンタ95の出力100も同様に後段に供給される。弓体85が擦弦部80から離れたことが検知されると、ラッチ回路125をクリアする。
【0090】
図21は図20の後段に接続される回路であり、弓体85の当接箇所を示す6ビット並列信号101はディレイ回路102に入力されると共に、比較器103とラッチ106-1,106-2にも入力され、またそのまま弓位置の情報として出力もされる。ディレイ回路102はカウンタ出力100を受けて1パルス分の遅延をかける。
【0091】
このディレイ回路102の遅延出力信号101aと元の信号101が比較器103で比較される。もし1パルス前の信号101aの方が先弓側に当る小さい番号であれば、弓体85は上方に向かって移動していることになる。逆に、1パルス前の信号101aの方が元弓に近い大きい番号のLEDに相当する場合には、弓体85は下方に移動していることになる。
【0092】
このようにして、弓体85の移動方向を識別して上方向信号UPまたは下方向信号DNを出力する。これらの方向信号を受けて、フリップフロップ104は上方に移動している時に“1”,下方に移動している時に“0”の方向信号105を出力する。
なお、利用回路によって、キーオン(KON)信号が必要な場合には、比較器103の出力UPとDNとのオアをとって、この出力をKON信号としてもよい。
【0093】
一方、例えば3.2MHz のクロック信号CK1は分周器114で分周され、10Hz程度の低い周波数の信号CK2を作る。信号CK2をラッチ106-1に供給する。信号CK2の相補信号/CK2(「/」は反転を意味し、図ではオーバラインを付して示している)も発生される。このCK2と/CK2から1パルスディレイをかけた信号をディレイ回路115で形成し、ラッチ106-2に供給する。
【0094】
したがって、ラッチ106-1,106-2を介して弓体85の位置を示す6ビット並列信号101を受け取る識別回路107は、その時の情報と所定時間前の情報とを入力する。そして、2つの入力A,Bの差をとれば所定時間の間に弓体85がどれだけ移動したかを知ることができる。
【0095】
この弓体85の移動量を必要であれば16段階に識別し、16出力線のいずれかに出力を供給する。また、移動量を64K段階16ビットで表現してもよい。この16出力線を受けた変換回路108は、16ビット信号を2進法の4ビット並列信号に変換し、弓速信号109として出力する。
【0096】
弓速信号109は、また変換テーブル110に供給され、テーブルを参照することによって音色信号111を作成する。変換テーブル110には他の入力があっても良い。このようにして、図20及び図21に示す回路から弓体85の移動方向,弓位置,弓速,音色等の各演奏パラメータの情報が得られる。
【0097】
次に、圧力検知も可能な弦種選定手段の他の例を図22乃至図24によって説明する。
図22はその弦対応部操作検出手段を兼ねた弦種選定手段の要部斜視図であり、図2,図3,及び図5に示したものと同等な部分には同一の符号を付してある。図23はその横断面図、図24はそのフレキシブル基板の一部の展開図である。
【0098】
この弦種選定手段は、最初の実施形態における弦対応部である弓当て14に代えて、各弦に対応する弦対応部として4個の弓当て用のローラ130(図では1固だけを示す)を、ドラム部11上にその軸線方向に沿って設けている。このローラ130の両端面の中心にはそれぞれ軸131を突設しており、その一方の軸131を図22に示すようにフランジ部12bに設けたドラム部11の径方向に長い長孔に嵌入し、他方の軸を図示しないフランジ部に設けた長孔に嵌入して、径方向に移動可能に軸支されている。
【0099】
ドラム部11には、図23に示すようにその外周面に軸線方向に沿う凹陥部11aを、受光窓18のある角度位置にそれぞれ設け、そこに感圧センサ132を配置し、押え片133と止めねじ134によって抜け止めしている。この感圧センサ132上にローラ130を載置している。ローラ130は回転できてもできなくてもよい。
【0100】
感圧センサ132は、2つ折にしたフレキシブル基板135の折り畳んだときに接触する面に、図24に破線で示す折り目から一方の側の面には感圧膜136を設け、他方の側の面には電極パターン137と138を交互に近接するように櫛歯状に形成して構成されている。
【0101】
そして、フレキシブル基板135を折畳んだ状態では感圧膜136と電極パターン137,138とが接触している。感圧膜136は押圧されると導電性を帯びるので、ローラ130上に図5に示したような弓を模した手動部材23を当接させて、それを押し付けながら往復動すると、その押圧力に応じて電極パターン137と138の間が感圧膜136の導電化によって導通されるから、その抵抗値あるいは導電度の変化を測定することにより押圧力を検知することができる。
【0102】
このようにして、各弦種の選定時に手動部材の押圧力を検出し、その検出信号を図1に示した音源手段40に与え、そこで発生される楽音信号の音量又は音色等のパラメータを制御することができる。
【0103】
次に、この発明による電子弦楽器の音高設定手段の他の例を図25によって説明する。この音高設定手段は、図13及び図14に示した音高設定ユニットのスイッチ構成をさらに細かくしてマトリクス構成にし、音程の分解能を高めたものである。また、弦種選定手段も兼ねている。
【0104】
すなわち、間にスペーサを介した2つ折り又は2枚のフレキシブル基板を用いて、その下側基板の上面と上側基板の下面にそれぞれ図25に示す縦線の導電パターンと横線の導電パターンを個別に形成し、それを前述した電子弦楽器本体の竿状部に設けた指板の上面に配設する。そして、各縦線と横線の交点部が指で押されたときのみその両線が導通するスイッチマトリクスを構成している。
【0105】
図25に示す例では、4本の弦すなわちE弦,A弦,D弦,G弦の各々に沿って、弦種を識別するための1本ずつの縦線P1〜P4と、音高範囲(1)〜(6)(図では丸付き数字で示す)を識別するための6本の縦線A〜Fの合計7本ずつの縦線パターンを形成している。その音高範囲を識別するための6本の縦線A〜Fは、一番低い音高範囲(1)では図で一番左側の縦線Aのみを露出させて他の6本の縦線B〜FはレジストRで覆って押されても横線と導通しないようにしている。
【0106】
他の音高領域(2),(3),(4),(5),(6)では、それぞれ1本の縦線B,C,D,E,Fのみを順次露出させて、他の縦線はレジストRで覆っている。(6)の次の音高領域からは同様なレジスト形成を繰り返す。
一方、1つの音高範囲ごとに48本の横線P5〜P52のパターンを形成している。その各横線P5〜P52には、それぞれ逆流防止用のタイオードDを介挿している。図で各音高範囲の最初の横線P5の左端に表示している「G0」「A」「B」「C♯」「D♯」「F」は音高(音階)を示す。この例では1全音ごとに1つの音高領域を構成し、その1全音の音域を48ピッチに細分化している。
【0107】
そこで、例えばいずれかの弦の音高領域(1)内を押下すると、横線P5〜P52のいずれかと縦線Aとが導通すると共に、弦種に応じて縦線P1〜P4のいずれかとも導通する。音高領域(2)内を押下した場合は横線P5〜P52のいずれかと縦線Bとが導通する。
【0108】
このように、音高領域ごとに横線P5〜P52と導通する縦線がA,B,C,D,E,Fと変化するので、各音高領域の対応する横線をまとめて同時にセンスしても、縦線A〜FをCPUを用いて時分割スキャンすることにより、どの音高領域が押下されたのかを識別することができる。また、そのとき縦線P1〜P4のいずれで導通が検知されるかによって、弦種を識別することができる。すなわち、弦種選定手段としての機能を備えている。
【0109】
例えば、図25において楕円aで囲んだ部分が押下された場合には、横線P35と縦線AおよびP1との各交点が導通するため、縦線Aに通電されたタイミングで、各線A,P1,P35に矢印で示すように電流が流れ、それを検出することによって、G弦の音高領域(1)の「G0」から30番目に高い音高が指定されたことを判別することができる。
【0110】
音高のピッチが非常に細かいので、実際には同時に何本かの横線が押下されることになるが、高音優先で最も高い音高を選択するか、同時に判別された最高音と最低音の間の中央の音高に決定するか等を予め決めておけばよい。
【0111】
このようにすることにより、少ないスキャン線数で非常に分解能の高い音高情報をデジタル信号で得ることができる。
したがって、比較的簡単な回路構成でバイオリンなどのようにフレットのない弦楽器と同様に、殆ど無段階の連続した音高指定機能を持つことができる。
【0112】
弦種選定手段は、このように複数本の弦が設けられている場合に、そのいずれかの中間部が押下されることにより弦種を選定するものと、前述のように弦対応部操作検出手段が複数設けられ、そのいずれかが選択操作されることにより弦種を選定するものとがある。これらのいずれかもしくはその両方が実行されることにより弦種を選定して、音源手段40によって発生される楽音信号の音域を制御する。
【0113】
図1に示した音高設定手段20E等は、対応する弦3が押下されたときに音高を設定する信号を出するので、弦種選定手段も兼ねることができる。したがって、図1の例では、音高設定手段を兼ねた弦種設定手段と弦対応部操作検出手段を兼ねた弦種選定手段10との両方の弦種選定手段を備えていることになり、その両方で弦種が選定されたときに音源手段40によって発生される楽音信号の音域を制御している。
【0114】
また、これらの実施形態のように弦種選定手段(弦対応部)が複数設けられ、そのいずれかが選択されて操作されたときに弦種を選定する場合には、実際に設けられる弦は複数である必要はなく、例えば一本だけであっても、各々異なる音域の音高を設定するための仮想的な複数の弦を想定して、そのいずれかを選定することができる。その場合は、1本の弦とその音高設定手段が仮想的な複数の弦に共用されることになる。
【0115】
あるいはまた、音高設定手段が弦種選定手段を兼ねている場合のように、弦対応部操作検出手段とは別に弦種選定手段を備えている場合には、複数の弦を有する電子弦楽器であっても、弦対応部操作検出手段は各弦の操作を識別する必要はなく、単に発音の開始を指示するために1個所で弦対応部の操作を検出するだけでよい。
【0116】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によればバイオリンのような弦楽器を模した電子弦楽器において、演奏中に、その演奏者が弦を押えて演奏音の音高を設定した指で、その演奏音に容易且つ確実にビブラート,トレモロ,リバーブ等の効果を付与することができる。そして、付与された効果は、手動操作によるものであるので自然楽器に似たここちよいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電子弦楽器の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】同じくその外観例を示す斜視図である。
【図3】同じくその側面図である。
【図4】図2に示した弦種選定手段の異なる配置例を示す概略平面図である。
【図5】図2及び図3に示した弦種選定手段に手動部材を摺接させたときの説明図である。
【図6】図2に示す電子弦楽器の要部縦断図である。
【図7】図6におけるフオトセンサ部の縦断面図である。
【図8】図7に示したフォトリフレクタの駆動回路図である。
【図9】各可動駒に対する一対のフォトセンサの出力特性を示す線図である。
【図10】図1における弦種選定手段の他の例を示す斜視図である。
【図11】図10に示した弦種選定手段の横断面図である。
【図12】図11における可動弓当板とマイクロスイッチの斜視図である。
【図13】図1における音高設定手段の他の例を示す縦断面図である。
【図14】図13におけるF−F線に沿う断面図である。
【図15】この発明による電子弦楽器の他の実施形態を示すブロック構成図である。
【図16】図15の入力部に設けられる弓を模した手動部材(弓体)と擦弦部(検出部)の例を示す概略図である。
【図17】その手動部材の操作(運弓)を検出すための種々の異なる構成例を示す説明図である。
【図18】手動部材(弓体)の先端部付近の下面側から見た斜視図である。
【図19】弓体に列設された多数の発光素子とその発光を概念的に示す説明図である。
【図20】図15の入力部70において、時分割制御により各種の演奏パラメータを検出する回路の例の前段を示す回路図である。
【図21】同じくその後段を示す回路図である。
【図22】弦種選定手段の他の例を示す要部斜視図である。
【図23】同じくその横断面図である。
【図24】図22及び図23におけるフレキシブル基板の一部の展開図である。
【図25】この発明による電子弦楽器の音高設定手段の他の例を示すスイッチマトリクスの構成図である。
【符号の説明】
1…楽器本体、1a…竿状部、2,2′…指板、3…弦、3a…弦の中間部、4,5…ピン、6…可動駒、7…帯状抵抗体、8…支持片、9…軸、10,50…弦種選定手段(弦対応部操作検出手段を兼ねる)、11,51…ドラム部、12a,12b,52a,52b…フランジ部、13a,13b…カバー、14…弓当て(弦対応部)、16…固定駒、17…投光窓、18…受光窓、20E,20A,20D,20G…音高設定手段、21…A/D変換器、22E,22A,22D,22G…アンド回路、23…手動部材(被検出部材)、24…透孔、30…楽音変調制御手段、31E,31A,31D,31G…乗算器、32,32a,32b…フォトセンサ、321…フォトリフレクタ、322…ドーム状弾性体、33E,33A,33D,33G…A/D変換器、41,73…アンプ、42,74…スピーカ、54…可動弓当板、55…軸、56a,56b…マイクロスイッチ、60…音高設定ユニット、61…凹陥部、62…フレキシブル基板、62U…上側部、62D…下側部、63…スペーサ、64…帯状導電パターン、65…ドット状導電パターン、70…入力部、71…楽音信号形成回路、72…D/A変換器、80…擦弦部、81〜84…弦対応部、85…手動部材(弓体)、86…発光素子、87…受光素子、88…反射パターン、90…滑り板、90a…窓、91…感圧シート、92…導電シート、130…ローラ(弦対応部)、132…感圧センサ、135…フレキシブル基板、136…感圧膜、137,138…電極パターン、R…レジスト、D…ダイオード

Claims (4)

  1. 楽器本体と、
    この楽器本体に両端が固定されて張設された弦と、
    前記楽器本体に設けられ、被検出部材が接近または接触する動作を検出する検出部と、
    前記楽器本体の前記弦が指で押下される位置に設けられ、該弦が押下された時にその長手方向の押下位置に応じて音高設定する音高設定手段と、
    この音高設定手段の出力と前記検出部の出力とによって発音指示され、前記音高設定手段で設定された音高に相当する楽音信号を発生する音源手段と、
    前記楽器本体に支持された回転軸によって回動可能に軸支され、一端部で前記弦の前記両端間の中間部を係止し、前記回転軸に対して前記一端部と反対側に延びる延設部を有し、前記一端部の前記弦の張設方向への回動変位を前記延設部で拡大する可動駒と、
    可動駒の前記延設部の基本位置からの変位を検出し、その変位量に応じた変調信号によって前記音源手段から発生される楽音信号を変調制御する楽音変調制御手段と、
    を設けたことを特徴とする電子弦楽器。
  2. 楽器本体と、
    この楽器本体に両端が固定されて張設された弦と、
    前記楽器本体に上部を突出させ中間部を軸支されて回動可能に設けられた可動弓当部と、該可動弓当部の下部を両側から挟むように配設した一対のスイッチとからなり、前記可動弓当部の上部に弦楽器の弓を模した手動部材が押し当てられて押し引き操作されたときに、前記可動弓当部が回動して前記一対のスイッチの一方をオンにし、それによって前記手動部材による弦操作の検知とその操作方向の判別をする弦対応操作検出手段と、
    前記楽器本体の前記弦が指で押下される位置に設けられ、該弦が押下された時にその長手方向の押下位置に応じて音高設定する音高設定手段と、
    この音高設定手段の出力と前記弦対応部操作検出手段の出力とによって発音指示され、前記音高設定手段で設定された音高に相当する楽音信号を発生する音源手段と、
    前記弦に力が加えられることにより、その力に応じた弦の変形を検出して信号を出力する変形出力発生手段と、
    該手段が出力する信号に応じた変調信号によって前記音源手段から発生される楽音信号を変調制御する楽音変調制御手段とを設け、
    前記弦と前記音高設定手段とは、電気的に独立していることを特徴とする電子弦楽器。
  3. 請求項1又は2記載の電子弦楽器において、
    前記弦が複数本設けられ、そのいずれかの弦の中間部が押下されるか、あるいは前記弦対応部操作検出手段が複数設けられ、そのいずれかが選択かつ操作されること、のいずれかもしくはその両方が実行されることにより弦種を選定して前記音源手段によって発生される楽音信号の音域を制御する弦種選定手段を設けたことを特徴とする電子弦楽器。
  4. 請求項1記載の電子弦楽器において、前記楽器本体上に感圧センサを配設し、その感圧センサ上に前記被検出部材をなす弦楽器の弓を模した形状の手動部材に摺接されるローラを設け、そのローラを介して前記感圧センサによって前記手動部材による押圧力を検出し、その検出信号に応じて前記音源手段によって発生される楽音信号の音量又は音色等のパラメータを制御するようにしたことを特徴とする電子弦楽器。
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