JP4082344B2 - 電動機駆動装置およびそれを用いる電動工具 - Google Patents

電動機駆動装置およびそれを用いる電動工具 Download PDF

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Description

本発明は、固定子の電機子巻線に誘起される逆起電圧から回転子の位置を検出することにより回転子の位置検出のためのセンサを不要にしたブラシレス電動機のような電動機を駆動する電動機駆動装置およびそれを用いる電動工具に関するものである。
この種の電動工具としては、例えば図8に示すように3相の電機子巻線を持つブラシレス電動機を用いたものが提供されている。この図8に示す電動工具は3相の電機子巻線を巻装した固定子を有するブラシレス電動機(以下電動機という)1と、この電動機1の出力をトルクリミット機能付き減速機(或いは、ハンマーと出力軸6に設けたアンビルとの係合を衝撃的に繰り返し行うことで回転力を生み出すインパクト発生機能付き減速機)5を介して、チャックを備えた出力軸6に伝達する動力伝達部と、トリガボリューム4で電動機1のオン/オフ及びその操作量で出力軸6の単位時間当たりの回転数、つまり電動機1の回転速度を調整する駆動回路2と、2次電池のような電池電源3とから構成されている。
駆動回路2は、図9に示すようにトリガボリューム4の操作量で設定された回転速度となるように電動機1への印加電圧の調整と3相の電機子巻線1bへの通電切換をインバータ回路20を通じて行うもので、インバータ回路20のドライブ回路23に指令電圧信号を出力する制御回路24と、永久磁石を有する回転子1aの回転位置を検出する位置検出回路22とを備えている。
ここでインバータ回路20は6個のスイッチング素子Q1〜Q6をブリッジ接続して構成され、上記指令電圧信号に基づいてドライブ回路23が各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ制御して転流させることで、電動機1の電機子巻線1bに所定のタイミングで電流が流れて回転子1aが回転する。さらにドライブ回路23はスイッチング素子Q1〜Q6のオン幅を制御することで(PWM制御)、電機子巻線1bへの印加電圧を調整している。また位置検出回路22は、通電されていない開放相の電機子巻線1bに誘起される逆起電圧と基準電圧との高低を比較しており、逆起電圧と基準電圧との高低が反転するタイミングから回転子1aの磁極位置を検出して位置検出信号を制御回路24に出力する。
そして制御回路24は、回転子1aの位置検出信号に基づいて所定の電機子巻線1bに所定の電圧を印加するようにドライブ回路23に指令電圧信号を与える。すなわちブラシレス運転時には、通電されていない端子電圧(Vu,Vv,Vwの何れか)と基準電圧との高低を比較した結果が反転したタイミングで回転子1aの位置を検出しており、そのタイミングから所定位相だけ遅延させて転流させることで回転子1aを回転させる機能と、回転子1aの位置検出間隔から求めた実際の回転速度とトリガボリューム4の操作量で設定される指令速度とが一致するように速度制御演算を行って印加電圧を求める機能とを備えている。
ところで、上述の電動工具のようにトルクリミット機能付き減速機(或いはインパクト発生機能付き減速機)5を用いている場合、電動機1から見た負荷(トルク)は図10(a)に示すように周期毎に変化し、例えば負荷(トルク)が急激に増加した時に速度制御の応答遅れから図10(b)のa点で示すように回転速度がゼロ、つまり一瞬停止してしまう場合がある。回転子1aが停止すると開放相の電機子巻線1bに逆起電圧が誘起されないため、位置検出回路22が回転子1aの磁極位置を検出できなくなって、そのために脱調が発生していた。尚、図10(a)(b)の横軸は時間経過を、縦軸はそれぞれ負荷および回転速度の大きさを示している。
そこで、例えば特許文献1に示される電動機駆動装置では、電機子巻線1bに発生する逆起電圧から回転子1aの磁極位置を検出するとともに、回転子1aの位置検出間隔から回転速度を求め、回転速度の検出結果と指令速度との高低を比較することで、脱調の有無を検出しており、脱調を検出するとインバータ回路20から電機子巻線1bへの駆動電圧の印加を停止させて、電動機1の回転を停止させていた。
特開平5−236788号公報
ところで、上述の電動工具のようにトルクリミット機能付き減速機(或いはインパクト発生機能付き減速機)5を用いている場合、電動機1から見たトルク(負荷)変化が大きいために、電動機1の回転速度の変化も非常に大きくなっていた。そのため、例えば負荷が大きいために電動機1が指令速度に比べて遙かに低速で回転している場合には、位置検出回路22により回転子1aの磁極位置を検出できているにも関わらず、検出速度と指令速度との高低のみを比較するだけで、脱調と誤検出して電動機1を停止させてしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電動機の負荷や回転速度が急激に変動する場合でも脱調の有無を正確に検出できる電動機駆動装置および電動工具を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、永久磁石を有した回転子と複数相の電機子巻線を有した固定子を具備する電動機と、電動機の各相の電機子巻線に駆動電圧をそれぞれ印加するインバータ回路と、操作量に応じて電動機の回転速度を設定する回転速度設定手段と、回転速度設定手段の設定値を指令速度に変換する指令速度設定手段と、回転子の回転に応じて、通電されていない電機子巻線に誘起される逆起電圧から回転子の回転位置を検出する位置検出手段と、当該位置検出手段の検出結果から回転子の回転速度を検出する回転速度検出手段と、指令速度と回転速度検出手段の検出結果が一致するように指令電圧を演算する速度制御手段と、位置検出手段の検出位置と指令電圧の電圧値に応じてインバータ回路を構成するスイッチング素子を制御して電動機に印加する駆動電圧を制御する電圧制御手段と、電動機の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、回転速度検出手段の検出結果と負荷検出手段の検出結果とに基づいて脱調の有無を検出する脱調検出手段と、当該脱調検出手段が脱調を検出すると電動機を停止させる停止手段とを備え、負荷検出手段は、電機子巻線に流れる電流の大きさから負荷の大きさを検出しており、脱調検出手段は、電圧制御手段の出力電圧によって示される電機子巻線への印加電圧をV、電気子巻線の抵抗値をR、電気子巻線に流れる平均電流をIa、回転速度検出手段の検出結果をω、電動機の逆起電力定数をKeとしたときに、Ia=(V−Ke×ω)/Rなる関係が成立しなければ脱調と判定することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、脱調検出手段は、負荷検出手段の求めた負荷の大きさが、回転速度検出手段の求めた回転速度から予想される負荷の大きさの範囲から外れると脱調と判定しているので、回転速度検出手段の求めた回転速度と指令速度との高低のみから脱調を判定する場合のように、負荷が大きいために低速で回転している場合を脱調と誤検出することはなく、負荷の大きさが変動することによって回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に検出することができる。
ここに、電動機が正常に回転している場合には上式の関係が成立するので、上式の関係が成立するか否かを判定することで、負荷の大きさが変動することによって回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に判定することができる。
請求項の発明は、請求項1の発明において、脱調検出手段は、指令速度設定手段により設定された指令速度の変化率が第1の閾値以上であるか、又は、負荷検出手段により検出された負荷の大きさの変化率が第2の閾値以上である場合、脱調とは判定しないことを特徴とする。
ところで、指令速度設定手段により設定される指令速度が急激に増加した場合には、それに伴って負荷検出手段が検出した負荷の大きさが過渡的に増加するので、指令速度の変化率が第1の閾値以上であるか、又は、負荷検出手段により検出された負荷の大きさの変化率が第2の閾値以上であれば脱調とは判定しないことで、指令速度の変動によって発生する負荷変動を誤検出するのを防止できる。
請求項の発明は、請求項1又は2記載の電動機駆動装置と、回転工具が取着される出力軸に電動機の回転を伝達する動力伝達手段とを備えて成ることを特徴とする。
この発明によれば、電動機の負荷や回転速度が急激に変動した場合でも脱調の有無を正確に判定できる電動機駆動装置を備えた電動工具を提供でき、且つ、脱調の検出時には電動機を停止させているので、インバータ回路に過大な電流が流れて、回路の構成素子が破壊されるのを防止できる。
以上説明したように、請求項1の発明では、脱調検出手段は、負荷検出手段の求めた負荷の大きさが、回転速度検出手段の求めた回転速度から予想される負荷の大きさの範囲から外れると脱調と判定しているので、回転速度検出手段の求めた回転速度と指令速度との高低のみから脱調を判定する場合のように、負荷が大きいために低速で回転している場合を脱調と誤検出することはなく、負荷の大きさが変動することによって回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に検出することができる。
また請求項の発明では、電動機の負荷や回転速度が急激に変動した場合でも脱調の有無を正確に判定できる電動機駆動装置を備えた電動工具を提供でき、且つ、脱調の検出時には電動機を停止させているので、インバータ回路に過大な電流が流れて、回路の構成素子が破壊されるのを防止できる。
(実施形態1)
以下に、本発明に係る電動機駆動装置を電動工具に適用した実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。図2は本実施形態の全体の回路構成図であり、この電動工具は図9に示す従来例と同様に3相の電機子巻線1bを巻装した固定子と永久磁石を有する回転子1aとを具備したブラシレスDCモータのような電動機1と、電動機1の駆動のオン/オフを設定するとともに操作量に応じて回転速度を設定する回転速度設定手段たるトリガボリューム4と、回転子1aの永久磁石の磁極位置を検出する位置検出手段たる位置検出回路22と、インバータ回路20のドライブ回路23に指令電圧信号を与える制御回路24を設けた構成に加え、インバータ回路20の入力電流の大きさから電動機1の負荷電流の大きさ、つまり負荷(トルク)の大きさを検出する負荷検出手段たる電流検出回路21を設け、位置検出回路22による磁極位置の検出間隔から求めた回転速度と、電流検出回路21の求めた負荷の大きさとに基づいて脱調の有無を判定する点に特徴がある。なお電動機1、インバータ回路20及び位置検出回路22の構成及び動作は上述した従来例と同じであるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また電動工具の構成は図8に示す従来例の構成と同じであるので、図8を参照し、ここでは図示しない。
本実施形態の制御回路24は、図1に示すようにトリガボリューム4の操作量信号S1を取り込んで操作量に応じた指令速度を設定する指令速度設定信号S2を出力する指令速度設定手段たる指令速度設定回路24aと、電流検出回路21からの負荷電流の大きさを示す電流検出信号S3を取り込んで平均化処理を行い、その平均値電流を示す平均電流信号S4を出力する電流検出回路24bと、位置検出回路22から出力される回転子1aの位置検出信号S5の時間間隔から回転子1aの単位時間当たりの回転数を検出し、その回転数から求まる回転速度(以下速度と略す)を示す検出速度信号S6を出力する回転速度検出手段たる速度検出回路24cと、指令速度設定回路24aからの指令速度設定信号S2と速度検出回路24cからの検出速度信号S6との偏差がゼロ、つまり両者が一致するように電動機1への駆動電圧を変化させる指令電圧信号S7を演算により求める速度制御手段たる速度制御回路24dと、位置検出回路22からの位置検出信号S5と速度制御回路24dからの指令電圧信号S7の電圧信号とに応じてインバータ回路20を構成するスイッチング素子Q1〜Q6を制御して電動機1に印加する駆動電圧を制御する制御信号S8を出力することにより、回転子1aの磁極位置の検出タイミングから所定位相だけ遅延させて転流させることで回転子1aを回転させる電圧制御手段たる電圧制御回路24eと、速度検出回路24cからの検出速度信号S6と電流検出回路24bからの平均電流信号S4とに基づいて脱調の有無を判定し、脱調の有無を示す脱調判定信号S9を出力する脱調検出手段たる脱調検出回路24fとを備え、脱調検出回路24fが脱調の発生を検出すると、停止手段たる速度制御回路24dが脱調検出回路24fからの脱調判定信号S9に基づいて指令電圧信号S7の出力を停止し、電動機1を停止させている。
なお制御回路24は例えばマイクロコンピュータからなり、制御回路24を構成する各々の回路24a〜24fはマイクロコンピュータの演算機能により実現される。
ここで脱調検出回路24fは、電流検出回路24bからの平均電流信号S4で示される平均電流値(すなわち負荷(トルク)の大きさ)が、速度検出回路24cからの検出速度信号S6で示される検出速度から予想される平均電流値の範囲(負荷の大きさの範囲)から外れると脱調が発生したと判定しており、速度検出回路24cの求めた回転速度と指令速度との高低のみから脱調を判定する従来例のように、負荷が大きいために低速で回転している場合を脱調と誤検出することはなく、負荷の大きさが変動することによって回転子1aの回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に検出することができる。
例えば図3(a)(b)に示すようにねじ締め時などにねじを締め込むにつれて負荷トルクが過大となって、電動機1の回転が落ちてきた場合、脱調検出回路24fでは、検出速度信号S6で示される検出速度ωが所定の下限値ω1以下となり、且つ、平均電流信号S4で示される平均電流値Iaが所定の基準電流I1以上(つまり電動機1の負荷の大きさが所定の負荷レベル以上)となった時点(時刻ta以降)で、脱調が発生したと判定しており、低速回転時においても回転子1aの回転速度の割に、平均電流値が大きすぎる場合(負荷が大きすぎる場合)には脱調が発生したことを確実に検出できる。なお図3(a)はインバータ回路20の入力電流の平均電流値Iaの時間変化を、図3(b)は回転子1aの検出速度ωの時間変化をそれぞれ示している。
また例えば図4(a)(b)に示すように回転子1aの位置を誤検出しているために、転流しているにも関わらず回転子1aが回転できずに同位置でびびっているような場合、回転子1aはごく小さい角度範囲で正逆転を繰り返すため、回転子1aの見掛けの回転速度は大きくなり、電動機1の負荷は大きくなる。ここで脱調検出回路24fでは、検出速度信号S6で示される検出速度ωが所定の上限値ω2以上となり、且つ、平均電流信号S4で示される平均電流値Iaが所定の基準電流I2以上(つまり電動機1の負荷の大きさが所定の負荷レベル以上)となった時点(時刻tb以降)で、脱調が発生したと判定しており、回転子1aの磁極位置を誤検知しているために、転流させているにもかかわらず回転子1aが回転できずに同位置でびびっているような場合にも脱調が発生したことを確実に検出できる。なお図4(a)はインバータ回路20の入力電流の平均電流値Iaの時間変化を、図4(b)は回転子1aの検出速度ωの時間変化をそれぞれ示している。
すなわち脱調検出回路24fでは、速度検出回路24cの検出した検出速度ωが所定の下限値ω1以下であるか、又は、所定の上限値ω2以上である場合に、電流検出回路24bが検出した平均電流値Iaが所定の基準電流I1又はI2以上になると、脱調が発生したと判定しており、検出速度ωと指令速度との高低のみから脱調を判定する場合のように、負荷が大きいために低速で回転している場合を脱調と誤検出することはなく、負荷の大きさが変動することによって回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に検出することができる。
ところで、電動機1が正常に回転している状態では、速度検出回路24cからの検出速度信号S6で示される検出速度をω、電動機1の逆起電力定数(電動機定数)をKe、電圧制御回路24eからの制御信号S8(出力電圧)によって示される電機子巻線1bへの印加電圧をV、電機子巻線1bの抵抗値をR、電機子巻線1bに流れる平均電流をIaとすると、以下の式(1)の関係が成立する。
Ia=(V−Ke×ω)/R …(1)
したがって脱調検出回路24fでは、上記の式(1)の関係が成立するか否かを判別することにより、脱調の有無を判定するようにしても良く、上述と同様、負荷の大きさが変動することによって回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に判定することができる。
なお図5(a)は上記の式(1)で表される検出速度ωと平均電流Iaとの関係を示した図であり、同図中のイ、ロは電機子巻線1bへの印加電圧VがそれぞれV1,V2(V1<V2)の場合を示している。
ここで誤判定を防ぐために脱調の判定条件に或る程度の幅を持たせるよう、以下の式(2)の関係が成立しない場合には、脱調が発生したと判定するようにするのが好ましい。ただしh1,h2(0<h1<1,h2>0)はそれぞれ脱調と判定する際の電流の範囲を決定する定数であり、実験的に求めた値である。
Ia×(1−h1)<(V−Ke×ω)/R<Ia×(1+h2) …(2)
図5(b)中のイは式(1)で求められる平均電流Iaを、同図中のロ、ハはそれぞれ以下の式(3)、式(4)で求められる平均電流Iaを示しており、図中に斜線で示した範囲が脱調と判定される領域となる。
Ia×(1−h1)=(V−Ke×ω)/R …(3)
Ia×(1+h2)=(V−Ke×ω)/R …(4)
(実施形態2)
以下に、本発明に係る電動機駆動装置を電動工具に適用した実施形態について図6及び図7に基づいて説明する。なお制御回路24以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態の制御回路24は、図6に示すようにトリガボリュームの操作量信号S1を取り込んで操作量に応じた指令速度を設定する指令速度設定信号S2を出力する指令速度設定回路24aと、電流検出回路21からの負荷電流の大きさを示す電流検出信号S3を取り込んで平均化処理を行い、その平均値電流を示す平均電流信号S4を出力する電流検出回路24bと、位置検出回路22から出力される回転子1aの位置検出信号S5の検出時間間隔から回転子1aの単位時間当たりの回転数を検出し、その回転数から求まる回転速度(速度)を示す検出速度信号S6を出力する速度検出回路24cと、指令速度設定回路24aからの指令速度設定信号S2と速度検出回路24cからの検出速度信号S6との偏差がゼロ、つまり両者が一致するように電動機1への駆動電圧を変化させる指令電圧信号S7を演算により求める速度制御回路24dと、位置検出回路22からの位置検出信号S5と速度制御回路24dからの指令電圧信号S7の電圧信号とに応じてインバータ回路20を構成するスイッチング素子Q1〜Q6を制御して電動機1に印加する駆動電圧を制御する制御信号S8を出力することにより、回転子1aの磁極位置の検出タイミングから所定位相だけ遅延させて転流させることで回転子1aを回転させる電圧制御回路24eと、検出速度信号S6、指令速度設定信号S2の変化率、平均電流信号S4及びその変化率に基づいて脱調の有無を判定し、脱調の有無を示す脱調判定信号S9を出力する脱調検出回路24fとを備え、脱調検出回路24fが脱調の発生を検出すると、速度制御回路24dが脱調検出回路24fからの脱調判定信号S9に基づいて指令電圧信号S7の出力を停止し、電動機1を停止させている。
なお制御回路24は例えばマイクロコンピュータからなり、制御回路24を構成する各々の回路24a〜24eはマイクロコンピュータの演算機能により実現される。
ここで脱調検出回路24fは、電流検出回路24bからの平均電流信号S4で示される平均電流値(すなわち負荷(トルク)の大きさ)が、速度検出回路24cからの検出速度信号S6で示される検出速度から予想される平均電流値の範囲(負荷の大きさの範囲)から外れると脱調が発生したと判定するとともに、指令速度が急激に変化した場合はそれに伴って指令電圧が急激に変化し、さらに平均電流信号S4が過渡的に増大すると考えられるので、このような過渡的な状態は脱調と判定しないようにしている。したがって、速度検出回路24cの求めた回転速度と指令速度との高低のみから脱調を判定する従来例のように、負荷が大きいために低速で回転している場合を脱調と誤検出することはなく、負荷の大きさが変動することによって回転子1aの回転速度が大きく変動する場合でも、脱調の有無を正確に検出することができ、且つ、指令速度の急変による平均電流信号の増加を脱調と誤判定するのを防止できる。
図7(a)〜(e)は脱調検出回路24fの動作を説明するタイミングチャートであり、同図(a)は指令速度設定信号S2で示される指令速度ωsを、同図(b)は指令速度ωsの変化率dωsを、同図(c)はインバータ回路20の入力電流の平均電流値Iaを、同図(d)は平均電流値Iaの変化率dIaを、同図(e)は回転子1aの検出速度ωをそれぞれ示している。ここで、時刻tcにおいて検出速度信号S6で示される検出速度ωが所定の下限値ω1以下となり、且つ、平均電流信号S4で示される平均電流値Iaが所定の基準電流I1以上(つまり電動機1の負荷の大きさが所定の負荷レベル以上)となる判定条件が成立するが、このとき指令速度ωsの変化率dωsが第1の閾値p2以上であり、また平均電流値Iaの変化率dIaが第2の閾値p1以上であるので、脱調検出回路24fは脱調が発生したと判定せず、指令速度ωsの変化率dωsが第1の閾値p2よりも小さくなり、且つ、平均電流値Iaの変化率dIaが第2の閾値p1よりも小さくなった時点(時刻td以降)で脱調が発生したと判定している。
また脱調検出回路24fでは、検出速度信号S6で示される検出速度ωが所定の上限値ω2以上となり、且つ、平均電流信号S4で示される平均電流値Iaが所定の基準電流I2以上(つまり電動機1の負荷の大きさが所定の負荷レベル以上)となる条件が成立すると、脱調が発生したと判定しているが、この場合にも指令速度ωsの変化率dωsが第1の閾値p2以上となるか、又は、平均電流値Iaの変化率dIaが第2の閾値p1以上となる間は脱調と判定しないようにしており、指令電圧の急変によって平均電流値が急激に変化するような過渡的な状態を脱調と誤判定するのを防止している。
また実施形態1で説明したように、脱調検出回路24fでは上記の式(1)又は式(2)の関係が成立するか否かを判別することによって、脱調の有無を判定するようにしても良く、この場合にも指令速度ωsの変化率dωsが第1の閾値p2以上となるか、又は、平均電流値Iaの変化率dIaが第2の閾値p1以上となる間は脱調と判定しないようにすれば、指令電圧の急変によって平均電流値が急激に変化するような過渡的な状態を脱調と誤判定するのを防止できる。
実施形態1の制御回路の構成図である。 同上の全体の回路構成図である。 同上の動作を説明するタイミングチャートであり、(a)は電機子巻線に流れる平均電流、(b)は回転子の検出速度である。 同上の別の動作を説明するタイミングチャートであり、(a)は電機子巻線に流れる平均電流、(b)は回転子の検出速度である。 (a)(b)は同上のまた別の動作を説明する説明図である。 実施形態2の制御回路の構成図である。 同上の動作を説明するタイミングチャートであり、(a)は指令速度、(b)は指令速度の変化率、(c)は電機子巻線に流れる平均電流、(d)は平均電流の変化率、(e)は回転子の検出速度である。 従来例の電動工具の概略図である。 同上の全体の回路構成図である。 同上の動作を説明するタイミングチャートであり、(a)は負荷の大きさ、(b)は回転速度である。
符号の説明
4 トリガボリューム
20 インバータ回路
21 電流検出回路
22 位置検出回路
24 制御回路
24a 指令速度設定回路
24b 電流検出回路
24c 速度検出回路
24d 速度制御回路
24e 電圧制御回路
24f 脱調検出回路

Claims (3)

  1. 永久磁石を有した回転子と複数相の電機子巻線を有した固定子を具備する電動機と、電動機の各相の電機子巻線に駆動電圧をそれぞれ印加するインバータ回路と、操作量に応じて前記電動機の回転速度を設定する回転速度設定手段と、前記回転速度設定手段の設定値を指令速度に変換する指令速度設定手段と、前記回転子の回転に応じて、通電されていない前記電機子巻線に誘起される逆起電圧から前記回転子の回転位置を検出する位置検出手段と、当該位置検出手段の検出結果から前記回転子の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記指令速度と前記回転速度検出手段の検出結果が一致するように指令電圧を演算する速度制御手段と、前記位置検出手段の検出位置と前記指令電圧の電圧値に応じて前記インバータ回路を構成するスイッチング素子を制御して前記電動機に印加する駆動電圧を制御する電圧制御手段と、前記電動機の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、前記回転速度検出手段の検出結果と前記負荷検出手段の検出結果とに基づいて脱調の有無を検出する脱調検出手段と、当該脱調検出手段が脱調を検出すると前記電動機を停止させる停止手段とを備え、前記負荷検出手段は、前記電機子巻線に流れる電流の大きさから負荷の大きさを検出しており、前記脱調検出手段は、前記電圧制御手段の出力電圧によって示される前記電機子巻線への印加電圧をV、前記電気子巻線の抵抗値をR、前記電気子巻線に流れる平均電流をIa、前記回転速度検出手段の検出結果をω、電動機の逆起電力定数をKeとしたときに、Ia=(V−Ke×ω)/Rなる関係が成立しなければ脱調と判定することを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 前記脱調検出手段は、前記指令速度設定手段により設定された指令速度の変化率が第1の閾値以上であるか、又は、前記負荷検出手段により検出された負荷の大きさの変化率が第2の閾値以上である場合、脱調とは判定しないことを特徴とする請求項1記載の電動機駆動装置。
  3. 請求項1又は2記載の電動機駆動装置と、回転工具が取着される出力軸に電動機の回転を伝達する動力伝達手段とを備えて成ることを特徴とする電動工具。
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