JP4082027B2 - 照明装置およびこれを用いたプロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの情報によって照明効率を変化させることが可能な照明装置と、それを用いて構成したプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶装置のような小型の電気光学装置に表示した内容をスクリーン等に拡大投写するプロジェクタが普及してきており、これに伴って、投写画像の高画質化に対する要求が急速に強まってきている。プロジェクタの高画質化を実現するためには、様々な表示特性の改善が必要であり、中でもコントラスト比の向上は重要である。
【0003】
近年のプロジェクタでは、高出力ランプの搭載によって、投写画像が著しく明るくなってきているが、反面、プロジェクタに使用される大部分の電気光学装置は、光源からの光を強度変調する光シャッター型の光学素子である。したがって、黒表示時に光が僅かに漏れる、いわゆる「黒浮き」が増え、画質を損なうといった問題が発生している。プロジェクタのコントラスト比に関しては電気光学装置のコントラスト比が支配的である。よって、より高性能なプロジェクタの実現に向けて、電気光学装置のコントラスト比を向上するための努力がなされている。しかしながら、そのコントラスト比は400:1〜200:1程度と、高画質な投写画像を表示するには、未だ十分高い値とは言い難い水準に留まっている。
【0004】
そこで、電気光学装置のコントラスト比を直接的に改善するのではなく、光源や投写系を工夫することによって、投写画像のコントラスト比を高める技術が考案されている。例えば、ランプに投入する電力量を変えて、ランプから射出される光量を調節(調光)したり、特開平10−307332公報等に開示されているように投写光学系の内部に可変絞りを設けたりすることによって、投写画像の輝度レベルを調節し、見かけ上のコントラスト比を向上させるといったものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、キセノンランプなどの一部のランプを除いて、通常プロジェクタに使用されるメタルハライドランプや超高圧水銀ランプ等大部分のランプでは調光をリアルタイムで行うことができず、投写画像の内容に応じてコントラスト比を瞬時に制御することができないという問題がある。また、投写光学系の内部に可変絞りを設けた構成では、投写画像の内容(明暗情報)に係わりなく、電気光学装置には常に一定強度の強い照明光が照射され続ける。したがって、仮に暗い画像を表示する場合でも、電気光学装置に入射する照明光の光強度は弱まらず、耐光性が十分に高いとは言い難い電気光学装置にあっては、その短寿命化を招きやすい。さらに、電気光学装置を常に一定の能力で冷却し続けなければならないため、冷却効率が悪いなどの問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題点を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、調光をリアルタイムで行うことができないランプを用いた場合であっても、電気光学装置を照明する光強度、すなわち光の量を瞬時に制御できる照明装置を実現することにある。また、そのような照明装置を用いて、投写画像の内容に応じて照明光の光強度と電気光学装置の表示特性とを対応させて制御することによって、投写画像のコントラスト比を向上させ、高画質な投写画像を表示できるプロジェクタを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の照明装置は、
光源と被照明領域との間に電界の印加に応じて散乱性を変化させる光散乱手段を配置してなり、前記光散乱手段に印加する電界の制御によって前記被照明領域に入射する照明光の強度を制御可能としたことを特徴とする。
【0008】
第1の照明装置によれば、光源と被照明領域との間に光散乱手段を備えているため、光散乱手段に印加する電解の制御によって光散乱手段から射出される光の角度分布を変え、所望の角度分布を有する照明光に変換することで、被照明領域に入射する照明光量を制御することができる。したがって、調光を瞬時に行うことができないランプを用いた場合であっても、被照明領域における明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。
【0009】
また、本発明の第2の照明装置は、
光源と、前記光源からの光を集光して光源像を形成する集光素子と、前記光源像が形成される位置付近に配置された光伝達手段と、を配置してなる照明装置であって、
前記光源と前記光伝達手段との間に、電界の印加に応じて散乱性を変化させる光散乱手段を配置してなり前記光散乱手段に印加する電界の制御によって、前記光伝達手段が被照明領域に伝達する光の量を変化させて、前記被照明領域に入射する照明光の強度を制御可能としたことを特徴とする。
【0010】
第2の照明装置によっても、第1の照明装置と同様の効果を実現できる。しかも、第2の照明装置では、光源からの光を被照明領域に導く途中で光源像を形成し、その光源像を疑似光源と見たてて被照明領域を照明する過程を備えている。一般的に形成される光源像の大きさは光の角度分布に影響され、また、光伝達手段における光伝達効率は光源像の大きさを制御することで制御可能である。したがって、光散乱手段に印加する電界を制御することによって光散乱手段から射出される光の角度分布を制御して、光源像の大きさを変え、さらに、これによって光伝達手段が被照明領域に伝達する光の量を変化させて、被照明領域に入射する照明光量を制御することで、第1の照明装置に比べて、被照明領域における明るさを精度良く、また、再現性良く制御することができる。
【0011】
第2の照明装置において、前記光伝達手段に入射しない光を遮蔽する遮光手段を、備えることが望ましい。
【0012】
遮光手段を備えることによって、光伝達手段に入射しなかった光が被照明領域に到達するのを防止できる。遮光手段は光を透過する光透過部と、光を遮る遮光部とから構成できる。遮光手段は光伝達手段が配置される位置付近に設けることが望ましいが、より光源側の位置に設けても良い。
【0013】
第2の照明装置において、前記集光素子は、前記光源からの光を複数の部分光に分割すると共に集光して、複数の前記光源像を形成する光分割手段であって、前記光伝達手段は、前記複数の部分光を前記被照明領域上で重畳する、という構成を備えることができる。
【0014】
上記の構成を備えることによって、被照明領域において略均一な照度分布を得られると共に、そのような照度分布を保ちつつ明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。また、寸法形状が異なる複数の光源像が形成され、それらの光源像と一対一で対応するように光伝達手段を配設することができるので、被照明領域における明るさを精度良く、また、再現性良く制御することができる。さらに、各光源像の明るさ、すなわち光源像を形成する光の量は、照明光軸から離れるに従って低下するため、この点に着目すれば、被照明領域に入射する照明光の角度分布をある程度制御することもできる。
【0015】
ここで、前記光散乱手段は、前記光分割手段の入射側或いは射出側の少なくとも一方の側に配置されることが望ましい。
【0016】
光散乱手段は、光分割手段に入射する光、或いは、光分割手段から射出された光の角度分布を制御する光学素子であるから、光分割手段の入射側或いは射出側の少なくとも一方の側に配置すれば良い。光散乱手段の配置の自由度が高いため、照明装置を構成しやすい特徴がある。また、光散乱手段と光分割手段とを光学的に一体化すれば、両者の界面で生じる光損失を低減でき、照明装置における光利用効率を向上できる。
【0017】
第2の照明装置において、前記光分割手段は、前記被照明領域と略相似形の形状を有する複数の集光素子を備えて構成される集光素子アレイによって、また、前記光伝達手段は、複数の伝達レンズを備えて構成されるレンズアレイによって、構成することができる。
【0018】
レンズアレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置することで実現できる。また、集光素子アレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置したレンズアレイや、比較的薄い曲面ミラーを平面的に配置したミラーアレイによって実現できる。これらの光学要素は一体成型などで容易に形成することが可能であるため、照明装置を容易に構成できる特徴がある。また、レンズアレイは形状が個々に異なる伝達レンズによって構成できるので、寸法形状が異なる光源像と一対一で対応するように光伝達手段を容易に配設でき、被照明領域における明るさを精度良く、また、再現性良く制御することができる。
【0019】
また、第2の照明装置において、前記光分割手段は、入射端面から入射した前記光源からの光を複数対の反射面にて反射させ、複数の部分光に分割して射出端面から射出する導光体と、前記導光体の射出側に配置された集光レンズとを備え、前記射出端面は被照明領域と略相似形の形状を有する構成を備えることができる。
【0020】
導光体は導光性を有する棒状のガラスやプラスチックで、或いは、複数の反射ミラーが向かい合うように筒状に配置することで実現できるため、照明装置を容易に構成できる特徴がある。
【0021】
さらに、第2の照明装置において、前記光伝達手段の入射側、射出側、中間のいずれかの位置に、入射光の偏光方向を揃える偏光変換素子を設けることが好ましい。
【0022】
偏光変換素子を設ければ、光源から射出された非偏光光を偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換できる。したがって、被照明領域において略一種類の偏光による略均一な照度分布を得られると共に、そのような照度分布を保ちつつ明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。このような照明装置は、特に、1種類の偏光しか利用できない液晶装置のような電気光学装置を照明するのに便利である。偏光分離部を配置する位置は、光伝達手段が1つの光学要素で構成される場合はその入射側或いは射出側である。光伝達手段が複数の光学要素で構成される場合は、入射側、射出側、あるいは中間である。光伝達手段の中間とは、複数の光学要素に挟まれる位置を意味し、必ずしも複数の光学要素の中心を意味するものではない。
【0023】
ここで、前記光散乱手段は、前記光分割手段の入射側或いは射出側の少なくとも一方の側に配置されることが望ましい。
【0024】
光散乱手段は、光分割手段に入射する光、或いは、光分割手段から射出された光の角度分布を制御する光学素子であるから、光分割手段の入射側或いは射出側の少なくとも一方の側に配置すれば良い。光散乱手段の配置の自由度が高いため、照明装置を構成しやすい特徴がある。また、光散乱手段と光分割手段とを光学的に一体化すれば、両者の界面で生じる光損失を低減でき、照明装置における光利用効率を向上できる。
【0025】
上記の偏光変換素子を備えた照明装置において、前記光分割手段は、前記被照明領域と略相似形の形状を有する複数の集光素子を備えて構成された集光素子アレイであり、前記偏光変換素子は、偏光分離部と偏光回転部とを備えて構成され、前記偏光分離部は、互いに平行に配置された一対の偏光分離面と反射面とを複数組備えた偏光分離素子アレイであって、入射した非偏光光を偏光方向が互いに直交する2種類の偏光光に分離しすると共に、略同じ方向に向けて射出し、前記偏光回転部は、前記偏光分離部からの2種類の偏光光の内、少なくとも一方の偏光方向を回転させて、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換し、前記光伝達手段は、複数の伝達レンズを備えて構成されるレンズアレイである、という構成を備えることができる。
【0026】
レンズアレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置することで実現できる。また、集光素子アレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置したレンズアレイや、比較的薄い曲面ミラーを平面的に配置したミラーアレイによって実現できる。これらの光学要素は一体成型などで容易に形成することが可能であるため、照明装置を容易に構成できる特徴がある。また、レンズアレイは形状が個々に異なる伝達レンズによって構成できるので、寸法形状が異なる光源像と一対一で対応するように光伝達手段を容易に配設でき、被照明領域における明るさを精度良く、また、再現性良く制御することができる。
【0027】
また、上記の偏光変換素子を備えた照明装置において、前記光分割手段は、入射端面から入射した前記光源からの光を複数対の反射面にて反射させ、複数の部分光に分割して射出端面から射出する導光体と、前記導光体の射出側に配置された集光素子とを備え、前記入射端面は被照明領域と略相似形の形状を有しており、前記偏光変換素子は、偏光分離部と偏光回転部とを備えて構成され、前記偏光分離部は、互いに平行に配置された一対の偏光分離面と反射面とを複数組備えた偏光分離素子アレイであって、入射した非偏光光を偏光方向が互いに直交する2種類の偏光光に分離すると共に、略同じ方向に向けて射出し、前記偏光回転部は、前記偏光分離部からの2種類の偏光光の内、少なくとも一方の偏光方向を回転させて、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換する、という構成を備えることができる。
【0028】
導光体は導光性を有する棒状のガラスやプラスチックで、或いは、複数の反射ミラーが向かい合うように筒状に配置することで実現できるため、照明装置を容易に構成できる特徴がある。
【0029】
上記の偏光変換素子を備えた照明装置において、前記光伝達手段の特定の入射部に入射しない光を遮蔽する遮光手段を、前記部分光、或いは前記偏光光のそれぞれに対応するように備えることができる。
【0030】
遮光手段を備えることによって、偏光分離面を経ずに反射面に直接入射する光を無くすことができるため、偏光度の高い偏光光を得ることができる。遮光手段は光を透過する光透過部と、光を遮る遮光部とから構成できる。遮光手段は偏光変換素子の入射面上に配置することが望ましいが、より光源側に配置しても良い。
【0031】
さらに、上記の偏光変換素子を備えた照明装置において、前記光分割手段は、前記被照明領域と略相似形の形状を有する複数の集光素子を備えて構成された集光素子アレイであり、前記偏光変換素子は、偏光分離部と偏光回転部とを備えて構成され、前記偏光分離部は、偏光分離面と反射面を備えた偏光分離素子であって、非偏光光を偏光方向が互いに直交する2種類の偏光光に分離して前記偏光回転部に射出し、前記偏光回転部は、前記偏光分離部で分離された前記2種類の偏光光の内、少なくとも一方の偏光方向を回転させて、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換し、前記光伝達手段は、複数の伝達レンズを備えて構成されるレンズアレイである、という構成を備えることができる。
【0032】
レンズアレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置することで実現できる。また、集光素子アレイは、比較的薄いレンズを平面的に配置したレンズアレイや、比較的薄い曲面ミラーを平面的に配置したミラーアレイによって実現できる。これらの光学要素は一体成型などで容易に形成することが可能であるため、照明装置を容易に構成できる特徴がある。また、レンズアレイは形状が個々に異なる伝達レンズによって構成できるので、寸法形状が異なる光源像と一対一で対応するように光伝達手段を容易に配設でき、被照明領域における明るさを精度良く、また、再現性良く制御することができる。
【0033】
次に、散乱性の制御法に着目すると、前記光散乱手段としては散乱性の制御が独立して可能な複数の散乱領域を備えたものを用いることができる。これにより、各散乱領域を通過する光毎に散乱性を制御できるため、照明光の角度分布の制御と調光を同時に実現することができる。したがって、表示特性が照明光の入射角依存性を有する電気光学装置を照明する場合には、電気光学装置の表示特性を考慮した理想的な角度分布を有する照明光とすることができるため、表示画像の高画質化を実現できる。また、表示画像の内容に対応させて調光する領域を適宜変更すれば、更なる高画質化や表現性の向上を図ることができる。
【0034】
ここで、第2の照明装置においては、前記光分割手段を構成する前記集光素子の配列の仕方に対応して、或いは、前記光分割手段によって形成される光源像の配列の仕方に対応して、或いは、前記光分割手段によって生成される前記複数の部分光毎に、前記複数の散乱領域を形成することができる。第2の照明装置においては、光分割手段によって複数の部分光(光源像は部分光によって形成される)を離散的に生成する過程を有するため、これらの部分光が通過する位置に合わせて複数の散乱領域を配置すれば、部分光毎に、或いは複数の部分光毎に、散乱性を効率よく確実に制御できる点で都合がよい。
【0035】
また、複数の散乱領域間での散乱性の制御法に着目すれば、被照明領域が表示特性に照明光の入射角依存性を有する場合には、前記複数の散乱領域のうち、該表示特性を悪化させる部分光を通過させる散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させる制御法を用いることができる。液晶装置のような電気光学装置では、表示特性(例えば、コントラスト特性やフリッカー特性)が照明光の入射角依存性を有するため、上述の制御法を用いることによって、表示画像の高画質化を実現できる。例えば、TN型の表示モードを備えた一般的な液晶装置では、コントラストの著しい低下を招く逆明視方向が存在するため、この方向に沿って入射する照明光(部分光)を優先して減光すれば、表示画像の高画質化を一層効果的に実現できる。
【0036】
なお、前記表示特性がコントラスト特性である場合には、前記複数の散乱領域のうち、前記被照明領域への入射角が大きな部分光を通過させる散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させる制御法を用いることが望ましい。また、前記光散乱手段を複数の同心略相似形状の散乱領域を備えて構成し、前記光散乱手段の外周辺部に位置する前記散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させる制御法を用いても良い。一般的に液晶装置のような電気光学装置におけるコントラスト値は入射角の増大に反比例して低下する。上述の制御法に依れば、照明光の角度分布を容易に制御できるため、表示画像の高画質化を実現できる。特に後者の場合には、照明光における角度分布の対称性を保ちやすいため、被照明領域における照度分布の均一性を殆ど低下させることなく、調光を実現できるという特徴がある。
【0037】
以上説明した本発明の照明装置において、前記光散乱手段としては、PDLC型或いはNCAP型の高分子分散型液晶装置、PNLC型の高分子分散型液晶装置、動的散乱モードで駆動される液晶装置を用いることができる。
【0038】
以上説明した照明装置は、外部からの画像情報に応じて光の強度を変調する電気光学装置と、前記電気光学装置によって変調された光を投写する投写光学系とを備えたプロジェクタにおいて、電気光学装置を照明する照明装置として用いるのに適している。以上説明した照明装置をこのようなプロジェクタの照明装置として採用することにより、電気光学装置のコントラスト比を改善することなく、コントラスト比の向上した投写画像を実現することができる。
【0039】
ここで、このようなプロジェクタにおいて、前記画像情報に応じて前記光散乱手段に印加する電界を変化させて、前記電気光学装置に入射する照明光の強度を制御可能とすると共に、前記照明光の制御に対応させて前記電気光学装置で表示する画像情報を制御可能とすれば、投写画像の内容に応じてコントラスト比、階調性、明るさを可変でき、黒の表現性に優れた高画質な投写画像を表示することができる。
【0040】
また、このようなプロジェクタにおいて、プロジェクタが設置された環境の明るさに応じて前記光散乱手段に印加する電界を変化させて、前記電気光学装置に入射する照明光の強度を制御可能とすれば、プロジェクタが置かれた環境の明るさに応じて、明るさを自動的に、或いは、観察者の好みに応じて調節することができるため、観察者にとって見やすく、高画質な投写画像を表示することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、図中に示すX方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する3つの方向を示している。
【0042】
A.照明装置
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態としての照明装置1の概略構成を示す平面図である。照明装置1は照明光軸Lに沿って、光源100、光散乱手段であるPDLC素子200、光伝達手段である伝達レンズ300を備えて大略構成され、光源100から射出された照明光は、PDLC素子200と伝達レンズ300を経て、被照明領域900を照明する構成となっている。
【0043】
光源100は、ランプ110と放物面リフレクター120を備えて構成され、ランプ110から放射された光は放物面リフレクター120で反射され、略平行な光となって特定の方向に射出される。したがって、光源100からPDLC素子200に入射する光は角度分布範囲が狭い照明光である。なお、放物面リフレクター120に代えて、楕円面リフレクターや球面リフレクターなどを使用することもできる。
【0044】
PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)素子200は、高分子分散型液晶装置の一種であり、その構造と機能を図2により説明する。PDLC素子200は、透明電極220が表面に形成された一対の透明基板230で挟持されるように、マイクロカプセル化した液晶210を樹脂212に入れて固めた光学素子である。透明電極220の材料の一例としてはITO膜、透明基板230の材料の一例としてはガラス、液晶210の材料の一例としてはネマチック液晶、樹脂212の材料の一例としてはPVAが挙げられる。なお、このような構造を有する高分子分散型液晶装置は、NCAP(Nematic Curvilinear Alined Phase)液晶装置とも呼称される場合がある。ここで、液晶210は2つの屈折率n1、n2によって表される屈折率異方性を有し、2つの屈折率n1、n2の内の一方と樹脂212の屈折率npが略一致、すなわち、n1=np、或いは、n2=npとなるように、液晶210と樹脂212との間で屈折率整合がとられている。このような構造のPDLC素子200に透明電極220を介して電界を印加すると、図2(B)に示すように、液晶210が電界に応答して配向し、液晶210と樹脂212との間で屈折率が整合され、樹脂212とマイクロカプセル211との界面では屈折率差を生じないため、入射光240は液晶210が入ったマイクロカプセル211で屈折することなく透過する。よって、PDLC素子200を通過する光の角度分布は変化しない。この状態を便宜的に非散乱モードと呼称する。一方、図2(A)に示すように、電界が印加されない場合には、液晶210はマイクロカプセルの界面に沿って配向したり、或いは、マイクロカプセル211内でランダムな方向を向いたりするため、液晶210と樹脂212との間で屈折率が整合されず、樹脂212とマイクロカプセル211との界面で屈折率差を生じる。よって、入射光240はマイクロカプセル211で無秩序に屈折し、PDLC素子200を通過する光の角度分布は変化する。この状態を便宜的に散乱モードと呼称する。その屈折の程度は印加する電界あるいは電圧に比例するため、図3に示すように、PDLC素子200に印加する電界あるいは電圧を変化させることで、PDLC素子200を通過する光の角度分布状態を変化させることができる。例えば、PDLC素子200によって光の角度分布を低下させることができる。しかも、これらの状態変化における応答速度は数ミリ〜数十ミリ秒程度と高速であるため、瞬時に光の角度分布を制御することができる。もちろん、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200では、そこを通過する光の角度分布に影響を及ぼすことはない。
【0045】
図1に戻って説明する。光源100からは略平行な光が射出されるので、伝達レンズ300は、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光を高い効率で被照明領域900に導き入れる機能を担っており、光源100から射出される光の角度分布、すなわち、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出される光の角度分布を考慮してレンズなどの設計がなされている。そのため、PDLC素子200によって光の角度分布を広げた場合には、被照明領域900に入射する光量は減少することになる。すなわち、PDLC素子200が非散乱モードの状態にある場合には、PDLC素子200から射出された、例えば図3のV1に相当する角度分布を有する照明光のほとんど全てが被照明領域900に入射するため、被照明領域900は明るく照明される。一方、散乱モードの状態にある場合には、PDLC素子200から射出された、例えば図3のV3に相当する角度分布を有する照明光の角度分布状態が変化し、伝達レンズ300では照明光の一部分しか被照明領域900に導き入れることができなくなるため、被照明領域900における明るさは低下する。
【0046】
なお、例えば光源100に使用されるリフレクターを楕円面リフレクターとすれば、リフレクターに伝達レンズ300の機能を併せ持たせることも可能であるため、その場合には伝達レンズ300を省略することができる。
【0047】
以上のように構成された本発明の照明装置1は、光源100と被照明領域900との間に光散乱手段であるPDLC素子200を備えているため、図示しない外部からの制御情報によってPDLC素子200から射出される光の角度分布を変え、所望の角度分布を有する照明光に変換することで、被照明領域に入射する照明光量を制御することができる。したがって、調光を瞬時に行うことができないランプを用いた場合であっても、被照明領域900における明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態としての照明装置2の概略構成を示す平面図である。本実施形態の照明装置2は、基本的には第1の実施形態で説明した照明装置1と類似の構成を有するが、光源から射出された光が被照明領域に至る途中段階で光源像を形成する過程を有すること、また、その光源像を被照明領域に伝達する光伝達手段を備えている点が照明装置1とは相違する。なお、本実施形態を含めて、以降に説明する各実施形態において、既に説明した構成要素と同様のものについては同じ参照番号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0049】
光源100から射出された略平行な光は、レンズなどを用いた集光素子130で集光され、光散乱手段であるPDLC素子200と被照明領域900との間で、集光像である光源像150を形成する。なお、集光作用を有する楕円面リフレクターや球面リフレクターを放物面リフレクターに代えて用いることができ、その場合には光源100の射出側に配置される集光素子130を省略することができる。
【0050】
PDLC素子200と被照明領域900との間には、光伝達手段であるリレーレンズ310、遮光手段である遮光素子160及び平行化レンズ600が配置されている。リレーレンズ310は光源100からの照明光を被照明領域900へと導く機能を有している。そのため、リレーレンズ310は光源像150が形成される位置の近傍(リレーレンズ310の内部に光源像150が形成される位置関係とすることがより望ましい)に配置され、リレーレンズ310を介して集光素子130と被照明領域900とは光学的に共役な関係に設定される。遮光素子160はリレーレンズ310に入射しなかった光が被照明領域900に入射することを防止するために用いられ、図5に示すように、リレーレンズ310の外形形状とほぼ等しい形状の光透過部161を遮光部162中に有しており、リレーレンズ310が光透過部161に収まるように配置される。平行化レンズ600は被照明領域900への光の入射角度を調整する機能を有している。なお、平行化レンズ600は被照明領域900への照明光の入射効率に対して直接的な影響を及ぼさないため、省略することができる。
【0051】
一般に、光源像の大きさは光の角度分布の広がりに影響され、角度分布が狭い光では小さな寸法の光源像を形成できるが、角度分布が広い光では光源像の寸法は大きくなる。また、ランプ110の発光部すなわちアークは有限の大きさを有するため、光源100からの光によって形成される光源像も有限の大きさを有する。これらの点を考慮して、リレーレンズ310と遮光素子160の光透過部161は、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150を包含できる最小の寸法形状に設定される。すなわち、図5(A)に示すように、光源像150は遮光部162で遮られることなくリレーレンズ310と遮光素子160を透過する。したがって、この場合にはPDLC素子200から射出された照明光のほとんど全てがリレーレンズ310によって被照明領域900へと伝達され、被照明領域900は明るく照明される。
【0052】
一方、PDLC素子200が散乱モードの場合には、PDLC素子200によって光の角度分布が広げられるため、形成される光源像150の寸法はリレーレンズ310よりも大きくなる。すなわち、図5(B)に示すように、光源像150の寸法が遮光部162よりも大きくなったことにより、一部の光はリレーレンズ310と遮光素子160を透過するが、他の光は遮光部162で遮られる。その結果、PDLC素子200から射出された照明光の一部分のみが被照明領域900に入射するため、被照明領域900における明るさは低下する。すなわち、本例の照明装置は、リレーレンズ310上、より正確にはリレーレンズ310の入射部に形成される光源像の大きさを変えることで、リレーレンズ310によって伝達される光量、言い換えれば、リレーレンズ310による光の伝達効率を変え、その結果として被照明領域上での明るさを制御する点に特徴がある。
【0053】
以上のように構成された本例の照明装置2においても照明装置1と同様の効果を実現することができる。すなわち、図示しない外部からの制御情報によってPDLC素子200から射出される光の角度分布を変え、形成される光源像の寸法形状を変化させることによって、リレーレンズ310を経て被照明領域に入射する照明光量を制御することができる。したがって、調光を瞬時に行うことができないランプを用いた場合であっても、被照明領域900における明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。なお、遮光素子160はリレーレンズ310の入射部に設置することが望ましいが、光散乱手段とリレーレンズ310との間で有れば、その位置は限定されない。また、リレーレンズ310に入射しなかった光が被照明領域に入射しない場合には、遮光素子160を省略することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
第2の実施形態の照明装置2では、光伝達手段として1つのリレーレンズを用いることで一つの光源像を形成していたが、複数のレンズが平面的に配置されてなるレンズアレイを備えたインテグレータ光学系においても、同様の作用、効果を得られる照明装置を構成することができる。照明装置3はインテグレータ光学系を備えているので被照明領域において略均一な照度分布を得られると共に、そのような照度分布を保ちつつ明るさを瞬時に制御できる点に特徴がある。
【0055】
図6は、第3の実施形態としての照明装置3の概略構成を示す平面図であり、光源100と被照明領域900との間に光分割手段を構成する集光素子アレイである第1レンズアレイ250、光散乱手段であるPDLC素子200、光伝達手段を構成する第2レンズアレイ320及び平行化レンズ600が配置されている。第1レンズアレイ250は集光素子である複数の小レンズ251を平面的に配置して構成したもので、小レンズ251の形状は被照明領域900と略相似形となっている。光源100から放射された光は放物面リフレクター120によって略平行な光となって特定の方向に射出され、第1レンズアレイ250に入射して複数の光(以下では便宜的に部分光と呼称する)に分割され、PDLC素子200を経て、小レンズ251と同数の光源像150を形成する。第2レンズアレイ320は形成される光源像150と同数の伝達レンズ321によって構成され、複数の光源像150が形成される位置の近傍に配置されている。第1レンズアレイ250と第2レンズアレイ320との位置関係は、第2レンズアレイ320の内部に光源像150が形成される位置関係とすることがより望ましい。第1レンズアレイ250から第2レンズアレイ320に入射したそれぞれの光は、伝達レンズ321によって被照明領域900上で重畳される。したがって、第1レンズアレイ250を構成する小レンズ251と第2レンズアレイ320を構成する伝達レンズ321とは、光源像150を介して1対1の対応関係にある。なお、放物面リフレクター120に代えて楕円面リフレクターや球面リフレクターを使用することもできる。また、平行化レンズ600は被照明領域900への光の入射角度を調整する機能を有しているが、被照明領域900への照明光の入射効率に対しては直接的な影響を及ぼさないため、省略することができる。
【0056】
第2レンズアレイ320を構成する伝達レンズ321は、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できる様な寸法形状に設定されており、したがって、この場合にはPDLC素子200から射出された照明光のほとんど全てが第2レンズアレイ320によって被照明領域900へと伝達され、被照明領域900は明るく照明される。一方、PDLC素子200が散乱モードの場合には、PDLC素子200によって光の角度分布が広げられるため、形成される光源像150の寸法は第2レンズアレイ320を形成する個々の伝達レンズ321よりも大きくなる。その結果、PDLC素子200から射出された照明光の一部分のみが被照明領域900に入射し、光源像と対応関係にある伝達レンズ321に入射しなかった光は被照明領域900にはほとんど伝達されないため、被照明領域900における明るさは低下する。
【0057】
以上のように構成された本例の照明装置3においても照明装置2と同様の効果を実現することができる。なお、PDLC素子200は第1レンズアレイ250と光源100との間に配置しても良く、配置場所は本例に限定されない。すなわち、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の入射側、或いは、射出側のどちらか一方の側に配置されていれば良い。
【0058】
さらに、光源100から射出される光の角度分布は照明光軸Lの近傍では低いため、このような光によって形成される光源像150の寸法は大きくなるが、照明光軸Lから離れるに従って角度分布は狭くなるため、このような光によって形成される光源像150の寸法は小さくなる。したがって、このような点に着目して、第2レンズアレイ320を異なる寸法形状を有する伝達レンズ321によって構成しても良い。このような構成とすれば、PDLC素子200が非散乱モードにある場合の光利用効率を低下させずに、第2レンズアレイ320を小型化することができる。
【0059】
また、集光素子アレイとしては、本例の第1レンズアレイに代えて集光素子としての曲面反射ミラーを平面的に配列して構成した反射ミラーアレイを用いることもできる。但し、その場合には、照明装置は直線的に配置されず、光分割手段のところで照明光軸Lが折れ曲がる配置構成となる。
【0060】
(第3の実施形態の変形例)
ガラスや樹脂等によって形成された断面が四角形の棒状の導光体を用いて構成したインテグレータ光学系を備えた照明装置においても、本発明の構成を適用することができる。図7に示す照明装置4は、光分割手段を構成する導光体としてのガラスロッド260と集光レンズ270、光伝達手段であるリレーレンズ310、平行化レンズ600などを備えて構成されている。光源100から放射された光は楕円面リフレクター121で集光され、光源像150を入射端面261に形成しつつガラスロッド260に入射する。ガラスロッド260は複数の反射面263を備えた棒状の導光体で、射出端面262は被照明領域900と略相似形を成しており、ガラスロッド260に入射した光を射出角が異なる複数の光に分離する。ガラスロッド260から射出された複数の光は集光レンズ270でリレーレンズ310の近傍にそれぞれ集光され、この時、光の数に対応した複数の集光像155を形成する。リレーレンズ310の近傍にそれぞれ集光された複数の光は、リレーレンズ310によって被照明領域900上で重畳結像される。したがって、照明装置3と同様に、被照明領域900上では略均一な照度分布を得ることができる。なお、平行化レンズ600は被照明領域900への光の入射角度を調整する機能を有しているが、被照明領域900への照明光の入射効率に対しては直接的な影響を及ぼさないため、省略することができる。
【0061】
ここで、ガラスロッド260の入射端面261は、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できる様な寸法に設定されており、この場合にはPDLC素子200から射出された照明光のほとんど全てがガラスロッド260によって被照明領域900へと伝達され、被照明領域900は明るく照明される。一方、PDLC素子200が散乱モードの場合には、PDLC素子200によって光の角度分布が広げられるため、形成される光源像150の寸法はガラスロッド260の入射端面261よりも大きくなる。その結果、PDLC素子200から射出された照明光の一部分のみが被照明領域900に入射し、ガラスロッド260に入射しなかった光は被照明領域900には伝達されないため、被照明領域900における明るさは低下する。
【0062】
したがって、照明装置4においても照明装置3と同様の効果を実現することができる。なお、ガラスロッド260に代えて、複数の反射ミラーを管状に配置した筒状の導光体を用いても良い。さらに、入射端面261と射出端面262の寸法形状は異なっていても良く、例えば、向かい合う一対の反射面263の間隔が、入射端面261から射出端面262に向かうに従って次第に拡がる、或いは、狭くなる構造を有する導光体を用いても良い。向かい合う一対の反射面263の間隔を次第に変化させれば、導光体から射出される光の角度分布を制御できるため、光学配置や設計の自由度を向上させられる利点がある。
【0063】
(第4の実施形態)
照明装置3において、複数の光源像150が形成される位置に偏光変換素子を配置し、非偏光な光を偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換すれば、被照明領域において略一種類の偏光による略均一な照度分布を得られると共に、そのような照度分布を保ちつつ明るさを瞬時に制御できる照明装置を実現することができる。
【0064】
図8は、第4の実施形態としての偏光インテグレータ光学系を備えた照明装置4の概略構成を示す平面図であり、光源100と被照明領域900との間に光分割手段を構成する集光素子アレイとしての第1レンズアレイ250、光散乱手段であるPDLC素子200、光伝達手段を構成する第2レンズアレイ325並びに重畳レンズ440、偏光変換素子400、及び、平行化レンズ600が配置されている。偏光変換素子400は、偏光分離部と偏光回転部とを備えて構成されている。本例において、偏光分離部は、略平行に配置された偏光分離面420と反射面421とを複数組有する偏光分離素子アレイ410によって構成されている。また、偏光回転部は、アレイ状の構造を有するλ/2波長板430によって構成されている。偏光変換素子400は、複数の光源像150が形成される位置の近傍に配置される。偏光分離素子アレイ410は、その内部に光源像150が形成される位置に配置することがより望ましい。なお、平行化レンズ600は被照明領域900への光の入射角度を調整する機能を有しているが、被照明領域900への照明光の入射効率に対しては直接的な影響を及ぼさないため、省略することができる。
【0065】
光源100から射出された光は非偏光な光であり、第1レンズアレイ250によって分割された複数の光のそれぞれは、対応する第2レンズアレイ325の伝達レンズ326を経て偏光分離素子アレイ410に入射し、偏光分離面420によって互いに偏光方向が直交する2種類の偏光光、例えば、P偏光光とS偏光光に空間的に分離される。偏光分離面420を透過したP偏光光は、偏光分離素子アレイ410から射出され、λ/2波長板430で偏光方向を略90°回転されてS偏光光に変換される。一方、偏光分離面420で反射したS偏光光は、反射面421で再度反射し、P偏光光と略同じ方向に射出される。ここで、S偏光光はλ/2波長板430を通過しないため、S偏光光の偏光方向は変化しない。以上により、偏光変換素子400に入射した非偏光な光は、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換されて射出される。そして、偏光変換素子400から射出された複数の光は重畳レンズ440によって被照明領域900上で重畳結像される。したがって、被照明領域900上では略一種類の偏光光による略均一な照度分布を得ることができる。
【0066】
偏光変換素子400においては、光源像150を形成する光を偏光分離面420のみに入射させることが理想的である。偏光分離面420を経ずして反射面421に直接入射した光は、偏光分離面420に直接入射した光に対して、偏光方向が略90°異なった偏光光として射出され、略一種類の偏光光を得ようとする本例の照明装置5においては、不要な光となるためである。したがって、偏光分離面420は、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できる様な寸法形状に設定されており、この場合にはPDLC素子200から射出された照明光のほとんど全てが偏光変換素子400で所望の偏光光に変換されて被照明領域900へと伝達され、被照明領域900は所望の偏光光によって明るく照明される。一方、PDLC素子200が散乱モードの場合には、PDLC素子200によって光の角度分布が広げられるため、形成される光源像150の寸法は偏光分離面420よりも大きくなり、その一部は偏光分離面420を経ずに反射面421に直接入射する。その結果、PDLC素子200から射出された所望の偏光光の一部分のみが被照明領域900に入射するため、所望の偏光光によってもたらされる明るさに限定すれば、被照明領域900における明るさは低下する。
【0067】
以上のように構成された本例の照明装置4においても、図示しない外部からの制御情報によってPDLC素子200から射出される光の角度分布を変え、形成される光源像の寸法形状を変化させることによって、偏光変換素子400を経て被照明領域に入射する偏光光量を制御することができる。したがって、調光を瞬時に行うことができないランプを用いた場合であっても、被照明領域900における明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。本例の照明装置4は所望の偏光光を照明光として用いるタイプの照明装置であるため、液晶装置のように偏光光を必要する表示素子を照明する場合に好適である。なお、PDLC素子200が散乱モードの場合には、照明光中に所望の偏光光に対して偏光方向が90°異なる不要な偏光光が混入するため、不要な偏光光の偏光方向に対して吸収軸の方向を一致させるように偏光子を被照明領域900の手前に配置して、この偏光光を除去する構成を採用することが望ましい。
【0068】
PDLC素子200は第1レンズアレイ250と光源100との間に配置しても良く、配置場所は本例に限定されない。すなわち、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の入射側、或いは、射出側のどちらか一方の側に配置されていれば良い。また、集光素子アレイとしては、本例の第1レンズアレイ250に代えて集光素子としての曲面反射ミラーを平面的に配列して構成した反射ミラーアレイを用いることもできる。但し、その場合には、照明装置は直線的に配置されず、光分割手段のところで照明光軸Lが折れ曲がる配置構成となる。さらに、第2レンズアレイ325を偏光分離素子400の射出側に配置することができ、また、第2レンズアレイ325に重畳レンズ440の機能を併せ持たせることで、重畳レンズ440を省略することができるなど、偏光変換素子400の周辺における各光学素子の配置形態は本例に限定されない。
【0069】
なお、第3の実施形態で説明したように、形成される光源像150の寸法形状が照明光軸Lからの距離によって異なる点に着目して、第2レンズアレイ325を異なる寸法形状を有する伝達レンズ326によって構成すると共に、それに対応するように偏光分離面420と反射面421とを配置しても良い。このような構成とすれば、PDLC素子200が非散乱モードにある場合の光利用効率を低下させずに、第2レンズアレイ325や偏光変換素子400を小型化することができる。また、偏光分離素子アレイ410の様態は本例に限定されず、一つの偏光分離面420と一つの反射面421とが対となって配置されていれば良く、例えば、偏光分離素子アレイの左右、上下或いは斜めの方向において、照明光軸Lを対称軸として、対称的に配置されていても良い。
【0070】
(第4の実施形態の変形例1)
図9に概略構成を示す照明装置4Aは、照明装置4の第2レンズアレイ325と偏光変換素子400との間に遮光手段としての遮光素子アレイ170を配置したもので、遮光素子アレイ170を設けることによって、偏光分離面420を経ずに反射面421に直接入射する光を無くすことができる。そのため、略一種類の偏光光を得ようとする照明装置を前提とした場合には、遮光素子アレイ170の使用は効果的である。
【0071】
図10(A)に示すように、遮光素子アレイ170の光透過部171の寸法形状は偏光分離素子アレイ410の偏光分離面420の開口部425に、また、遮光部172の寸法形状は反射面421の開口部426にそれぞれ略一致させて形成されている。或いは、第3の実施形態で説明したように、光源像150の寸法形状は照明光軸Lから離れるに従って変化するため、例えば、図10(B)に示すように、その寸法形状に合わせて配置された光透過部171を有する遮光素子アレイ170を用いても良い。
【0072】
したがって、非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された照明光のほとんど全ては遮光素子アレイ170で遮光されることがないため、被照明領域900は所望の偏光光によって明るく照明される。一方、PDLC素子200が散乱モードの場合には、PDLC素子200によって光の角度分布が広げられるため、形成される光源像150の寸法は遮光素子アレイ170の光透過部171も大きくなり、そこで遮光されるため、被照明領域900における明るさは低下する。すなわち、PDLC素子200を経た光によって形成される光源像150の寸法と光透過部171の寸法との大小関係によって、被照明領域900へと伝達される偏光光の光量は変化するため、照明装置4Aにおいても、先の照明装置4と同様の効果を得ることができる。なお、第2レンズアレイ325が偏光変換素子400の光源側に配置されている場合には、遮光素子アレイ170を第2レンズアレイ325の入射側に配置しても良い。
【0073】
(第4の実施形態の変形例2)
照明装置3Aではリレーレンズ310の近傍に複数の集光像155が形成されるため、これらの集光像155が形成される位置の近傍に偏光変換素子400を配置すれば、照明装置4と同様に、略一種類の偏光状態を有する偏光光を生成する照明装置を実現することができる。その一例を照明装置4Bとして示す。図11は照明装置4Bの概略構成を示す平面図である。照明装置4Bの基本的な構成は照明装置3Aと同じであり、照明装置3Aの光伝達手段であるリレーレンズ310を第1リレーレンズ311と第2リレーレンズ312に分割し、その間に照明装置4の偏光変換素子400を配置している。なお、第1リレーレンズ311に第2リレーレンズ312の機能を併せ持たせたり、或いは、その逆を行ったりすることによって、2つ有るリレーレンズ311、312の内の一方を省略することができる。また、第1リレーレンズ311や第2リレーレンズ312を照明装置4の第2レンズアレイ325のように複数のレンズを平面的に配置したレンズアレイとしても良い。さらに、形成される集光像155の寸法形状が照明光軸Lからの距離によって異なる点に着目して、一つの偏光分離面420と一つの反射面421とからなる組を単位として、その組毎に寸法を変えた偏光分離面420と反射面421とによって偏光変換素子400を構成しても良い。このような構成とすれば、PDLC素子200が非散乱モードにある場合の光利用効率を低下させずに、第1及び第2リレーレンズ311、312や偏光変換素子400を小型化することができる。
【0074】
ここで、PDLC素子200は第1リレーレンズ311の入射側に配置され、また、偏光分離面420は非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される集光像155をほぼ包含できる様な寸法形状に設定されているため、照明装置4Bにおいても、先の照明装置4と同様の効果を得ることができる。なお、PDLC素子200はガラスロッド260と偏光変換素子400との間に配置すれば良く、その配置場所については本例に限定されない。また、光源100とガラスロッド260との間に、さらにPDLC素子200を追加して配置することができ、その場合には、被照明領域に入射する偏光光量を一層多様に制御することができる。
【0075】
(第4の実施形態の変形例3)
照明装置4における2つのレンズアレイの間に、別の形態の偏光変換素子を配置した構成を有する照明装置に対しても本発明を適用することができる。その一例を照明装置4Cとして示す。図12は照明装置4Cの概略構成を示す平面図である。
【0076】
偏光変換素子450は偏光分離部を構成する偏光分離素子460と偏光回転部を構成するアレイ状の構造を有するλ/2波長板430とを備えており、偏光分離素子460は入射端面453と射出端面454とが略90°の角度を成す直角プリズム451と平行平板ガラス452とを接合したもので、両者の接合面には偏光分離面420が、また、平行平板ガラス452の直角プリズム451と対向しない面には反射面421がそれぞれ形成されている。ここで、偏光分離面420と反射面421とは互いに平行な状態にある。なお、一つの平行平板ガラス452と複数の小さな直角プリズム451を用いて偏光分離素子460を構成しても良く、この場合には、偏光分離素子460を小型化、軽量化できる効果がある。
【0077】
第1レンズアレイ250からPDLC素子200を経て偏光分離素子460に入射した非偏光な光は、偏光分離面420によって互いに偏光方向が直交する2種類の偏光光、例えば、P偏光光とS偏光光に空間的に分離される。偏光分離面420を透過したP偏光光は、反射面421で反射され、再度偏光分離面420を透過して射出端面454から射出される。一方、偏光分離面420で反射されたS偏光光は、偏光分離面420と反射面421とが平行な状態で配置されているため、P偏光光と略平行な状態で射出端面454から射出される。偏光分離素子460の射出端面454の側には、λ/2波長板430が偏光光の種類に対応させて位置選択的に形成されている。すなわち、偏光分離面420を透過してきたP偏光光は、λ/2波長板430を通過することによって偏光方向が略90°回転し、S偏光光へと変換される。一方、偏光分離面420で反射されたS偏光光は、λ/2波長板430を通過しないため偏光方向は変化せず、S偏光状態のままである。以上の過程により、偏光変換素子450に入射した非偏光な光は、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換されて射出される。第2レンズアレイ330は、形成される光源像150に対して伝達レンズ331が一対一で対応するように、第1レンズアレイ250を構成する小レンズ(集光素子)251の2倍の数の伝達レンズ331で構成されており、偏光変換素子450から射出された略一種類の偏光光は、第2レンズアレイ330の対応する伝達レンズ331にそれぞれ入射し、被照明領域900に伝達され重畳結像される。したがって、被照明領域900上では略一種類の偏光光による略均一な照度分布を得ることができる。
【0078】
ここで、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の射出側に配置され、また、第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331は非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できるような寸法形状に設定されている。したがって、照明装置4Cにおいても、先の照明装置4と同様の効果を得ることができる。
【0079】
なお、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の光源100側に配置されていても良く、その配置場所については本例に限定されない。すなわち、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の入射側、或いは、射出側のどちらか一方の側に配置されていれば良い。また、第2レンズアレイ330とλ/2波長板430との位置関係を逆に設定しても良い。さらに、第1レンズアレイ250を構成する小レンズ251と同数の伝達レンズ331を用いて第2レンズアレイ330を構成し、隣接する2つの光源像150に対して1つの伝達レンズ331が対応する構成とすることもでき、その場合には、隣接する2つの光源像150をほぼ包含できる様な寸法形状に第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331を設定すれば良い。さらに、本例においても、形成される光源像150の寸法形状が照明光軸Lからの距離によって異なる点に着目して、第2レンズアレイ330を異なる寸法形状を有する伝達レンズ331によって構成しても良い。このような構成とすれば、PDLC素子200が非散乱モードにある場合の光利用効率を低下させずに、第2レンズアレイ330を小型化することができる。
【0080】
(第4の実施形態の変形例4)
照明装置4Cでは、偏光変換素子450の偏光分離面420と反射面421とは平行な状態に設定されていたため、偏光分離面420で分離された2種類の偏光光は平行な状態で第2レンズアレイ330に入射していたが、偏光分離面420と反射面421とを非平行な状態に設定し、偏光分離面420で分離された2種類の偏光光がわずかに異なる角度で第2レンズアレイ330に入射する構成の偏光変換素子を備えた照明装置に対しても本発明を適用することができる。その一例を照明装置4Dとして示す。図13は照明装置4Dの概略構成を示す平面図である。本例の偏光変換素子451では、柱状プリズム459の非平行な対向面に偏光分離面420と反射面421が形成されているため、第2レンズアレイ330に入射する偏光光の入射角を2種類の偏光光において異ならせることによって、2種類の偏光光を空間的に分離している。なお、一つの柱状プリズム459と複数の小さな直角プリズム451を用いて偏光分離素子461を構成しても良く、この場合には、偏光分離素子461を小型化、軽量化できる効果がある。
【0081】
ここで、照明装置4Cと同様に、第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331は非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できる様な寸法形状に設定されている。したがって、照明装置4Dにおいても、照明装置4Cと同様の効果を得ることができる。
【0082】
なお、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の光源100側に配置されていても良く、その配置場所については本例に限定されない。すなわち、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の入射側、或いは、射出側のどちらか一方の側に配置されていれば良い。また、第2レンズアレイ330とλ/2波長板430との位置関係や、第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331の数やその形状のバリエーションについては、照明装置4Cと同様に多様な形態を採用することができる。
【0083】
(第4の実施形態の変形例5)
方解石のような複屈折性を有する光学素子を偏光分離素子として用いた照明装置に対しても本発明を適用することができる。その一例を照明装置4Eとして示す。図14は照明装置4Eの概略構成を示す平面図である。照明装置4Eの偏光分離素子470は複屈折性を有する光学素子で形成されており、偏光分離素子470に入射した非偏光な光は、偏光方向が略直交する2種類の偏光光、例えば、X偏光光とY偏光光に分離され、互いに僅かに異なる角度で偏光分離素子470から射出される。偏光分離素子470から射出された2種類の偏光光は、第1レンズアレイ250によって複数の光に分割され、PDLC素子200を経て第2レンズアレイ330に入射する。第2レンズアレイ330は、形成される光源像150に対して伝達レンズ331が一対一で対応するように、第1レンズアレイ250を構成する小レンズ251の2倍の数の伝達レンズ331で構成されており、偏光分離素子470から射出された2種類の偏光光は、第2レンズアレイ330の対応する伝達レンズ331にそれぞれ入射する。第2レンズアレイ330の射出側にはλ/2波長板430が偏光光の種類に対応させて位置選択的に形成されており、λ/2波長板430に入射したY偏光光は偏光方向が略90°回転されX偏光光に変換される。一方、X偏光光はλ/2波長板430を通過しないため偏光方向は変化しない。以上の過程により、光源100から射出された非偏光な光は、偏光方向が揃った略一種類の偏光光に変換される。第2レンズアレイ330の対応する伝達レンズ331に入射したそれぞれの偏光光は被照明領域900に伝達され重畳結像される。したがって、被照明領域900上では略一種類の偏光光による略均一な照度分布を得ることができる。
【0084】
ここで、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の射出側に配置され、また、第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331は非散乱モードの状態にあるPDLC素子200から射出された光によって形成される光源像150をほぼ包含できる様な寸法形状に設定されている。したがって、照明装置4Eにおいても、先の照明装置4と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
なお、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の光源100側に配置されていても良く、その配置場所については本例に限定されない。すなわち、PDLC素子200は第1レンズアレイ250の入射側、或いは、射出側のどちらか一方の側に配置されていれば良い。また、第2レンズアレイ330とλ/2波長板430との位置関係や、第2レンズアレイ330を構成する伝達レンズ331の数やその形状のバリエーションについては、照明装置4Cと同様に多様な形態を採用することができる。
【0086】
(第5の実施形態)
第3の実施形態の照明装置3では、複数の光源像を形成する複数の部分光を一括して散乱する光散乱手段としてのPDLC素子200を用いていたが、この第5の実施形態の照明装置5では、各々の部分光を独立して散乱する光散乱手段としてのPDLC素子500を設けた点が相違する。
【0087】
図15は、第5の実施形態としての照明装置5の概略構成を示す平面図である。照明装置3と同様に、この照明装置5も2つのレンズアレイを備えている。図16に示すように、第1レンズアレイ250は複数の小レンズ251をM行N列のマトリックス状に配置して構成されており、第2レンズアレイ320も複数の小レンズ321を同様に配置して構成されている。また、PDLC素子500は第1レンズアレイ250と相対する面内において複数の領域に分割され、すなわち、図17に示すように、小レンズ251の配列の仕方に合わせてM×N個に分割された複数の散乱領域510を備えて構成されている。この散乱領域は、図示しない制御手段によって、それぞれ別々に制御できるように設定されている。なお、PDLC素子500を第1レンズアレイ250に近接して配置する場合には、小レンズ251の配列の仕方に合わせて散乱領域510を設定することが望ましいが、小レンズ251によって光源像が形成されるため、PDLC素子500を第2レンズアレイ250に近接して配置する場合には、部分光や部分光によって形成される光源像の配列の仕方に合わせて散乱領域510を設定することが望ましい。
【0088】
ところで、TN型の表示モードを備えた一般的な液晶装置では、図18に示すように、コントラスト特性が入射角依存性を有し、照明光の液晶装置への入射角が大きくなるほどコントラスト値は低下する。したがって、被照明領域900として、表示特性が入射角依存性を有する液晶装置を想定した場合には、小さな角度で被照明領域900に入射する照明光よりも、大きな角度で入射する照明光を優先して遮光する形態とすれば、或いは、小さな角度で被照明領域900に入射する照明光の散乱度合いよりも、大きな角度で入射する照明光の散乱度を優先して増大させる形態とすれば、表示画像のコントラストを効果的に向上させやすい。
【0089】
そこで、本実施の形態のPDLC素子500は、先に図17に示したように、独立して制御可能な複数の散乱領域510を備えて構成されており、例えば、被照明領域900に入射させる照明光を僅かに減光する場合には、システム光軸Lから離れた周辺部に光源像を形成する部分光を選択的に散乱させて減光し、減光の程度が増すにしたがって、散乱させる領域をシステム光軸Lの方向に拡げて行き、減光の程度が最も大きい段階では中央部付近に光源像を形成する部分光をも散乱させて減光するように、或いは、複数の散乱領域510間において、中央部付近に光源像を形成する部分光の散乱の程度よりも、システム光軸Lから離れた周辺部に光源像を形成する部分光の散乱の程度を常に増大させるように、PDLC素子500は制御される。その結果、単一の散乱領域を備えたPDLC素子を用いた場合に比べて、照明光全体の減光の程度が同じであっても、投写画像のさらなる高画質化(例えば高コントラスト化)を実現することができる。
【0090】
以上のように構成された照明装置5においては、照明装置2または3と同様の効果を実現できると共に、表示特性が照明光の入射角依存性を有する電気光学装置を被照明領域900とした場合には、照明光全体の減光の程度が同じであっても、より高画質な表示画像を得ることが可能となる。なお、PDLC素子500の散乱領域510の設定の仕方は、本実施の形態に限定されず、例えば、図19(A)〜(D)に示すように、同心略相似形状、マトリックス状、列状、行状などに設定することもできる。さらに、第1レンズアレイ250を構成する小レンズ251や光源像の配列の仕方とは対応しないように設定してもよく、例えば、一つの小レンズ251や光源像に対して複数の散乱領域510が対応するように、或いは、複数の小レンズ251や光源像に対して一つの散乱領域510が対応するように設定しても良い。
【0091】
上述したようなPDLC素子500における散乱領域510の設定や制御の仕方は、被照明領域(電気光学装置)における表示特性を考慮して決定され、すなわち、電気光学装置における表示画像の高画質化に不適当な照明光(部分光)から先に減光や減光の程度を増すように駆動することが望ましい。高画質化に不適当な照明光とは、例えば、コントラストの低下やフリッカーの増加を招きやすい入射角度の大きな照明光が該当する。また、図18に示したように、一般にTN型の液晶装置ではコントラストの著しい低下を招く逆明視方向520(図18ではψ=135度の方向)が存在するため、この方向に沿って入射する照明光を選択的に減光すれば、表示画像の高画質化を一層効果的に達成できる。
B.プロジェクタ
上記の照明装置を用いて構成される本発明に係わるプロジェクタについて説明する。
【0092】
(第6の実施形態)
図20は、第6の実施形態としてのプロジェクタの要部を示す概略構成図である。本実施形態のプロジェクタAは、画像情報に含まれる輝度情報に基づいて光散乱手段であるPDLC素子200と投写画像を形成する電気光学装置を制御することによって、画像情報の内容に応じて投写画像の明るさやコントラスト特性を制御できる点に特徴を有する。プロジェクタAでは第3の実施形態で説明した照明装置3と、照明装置3からの照明光を光変調して画像を形成する電気光学装置として透過型の液晶装置700を用いている。
【0093】
液晶装置700は照明装置3における被照明領域900の位置に配置され、光源100から射出された光はPDLC素子200を経て液晶装置700に入射し、液晶装置700で光変調を施されて画像情報を含んだ光に変換され、投写光学系710によってスクリーン910上に投写画像を形成する。
【0094】
次に、画像情報の取り扱い、及び、PDLC素子200と液晶装置700の駆動手段について説明する。外部から入力された画像情報である原画像信号800は、輝度計算手段810と画像制御手段840の双方に伝達される。輝度計算手段810では、原画像信号800中に含まれる輝度成分の分布を算出し、例えば、1フィールド或いは1フレーム中の平均輝度レベル、最大輝度レベル、最小輝度レベルなどを輝度情報信号811として画質制御量計算手段820に伝達する。画質制御量計算手段820では、輝度情報信号811に基づいて、PDLC素子200によって液晶装置700に入射させる光量を制御するための輝度制御信号821を算出し、PDLC駆動手段830に伝達すると共に、PDLC素子200の制御に対応させて、液晶装置700に表示する画像信号の信号レベルを制御するための画像制御信号822を算出し、画像制御手段840に伝達する。そして、PDLC駆動手段830は、輝度制御信号821に基づいてPDLC素子200を駆動し、PDLC素子200を通過する光の角度分布を制御する。一方、画像制御手段840では、画像制御信号822と原画像信号800とから最終的に表示を行うための画像信号841を生成し、LV駆動手段850はその画像信号841に基づいて液晶装置700を駆動する。
【0095】
ここで、輝度情報信号811と、PDLC素子200及び液晶装置700の制御との関係について、図21を用いて説明する。図21は原画像信号における輝度レベルとプロジェクタAで表示可能な輝度範囲の関係を示している。輝度情報信号811の3つのパラメーターである平均輝度レベル、最大輝度レベル、最小輝度レベルがともに高い値を示す場合、すなわち、表示しようとする画像が明るく、暗い部分がない場合には、PDLC素子200は非散乱モードとなり、第1レンズアレイ250によって形成される光源像150と第2レンズアレイ320を構成する伝達レンズ321とにおける寸法形状の関係から、照明光は一切減衰されることなく液晶装置700に入射する。この場合、画像制御手段840では原画像信号800と全く同じ画像信号841が生成され、液晶装置700ではこの画像信号841に基づいて光変調が行われる。この時、プロジェクタAが表示し得る投写画像の明るさの範囲は、液晶装置700のコントラスト特性に基づいて、図21の(A)に示すW1〜B1の範囲となる。
【0096】
一方、輝度情報信号811の3つのパラメーターがともに低い値を示す場合、すなわち、表示しようとする画像が暗く、明るい部分がない場合には、PDLC素子200は散乱モードとなり、形成される光源像150の寸法は伝達レンズ321よりも大きくなるため、液晶装置700に入射する照明光量は減少する。この場合、画像制御手段840では照明光量の減少に関する情報が画像制御信号822として伝達され、原画像信号800から実際の表示に係わる画像信号841、すなわち照明光量の減少を考慮した画像信号841が生成される。例えば、最大輝度レベルの信号に対しては照明光量の減少分を補い、最小輝度レベルの信号に対しては照明光量の減少分を補わないことで、暗い画像を一層暗く表現できる画像信号841を生成する。但し、画像信号841の生成の様式は、電気光学装置の表示特性や観察者である人間の視覚特性なども考慮して決定されることが望ましいため、上記の方法には限定されない。そして、液晶装置700ではこの画像信号841に基づいて光変調が行われる。この時、表示し得る投写画像の明るさの範囲は、図21の(B)に示すW2〜B2の範囲となり、黒を表現しようとする場合には、(A)の場合に比べて「黒浮き」が抑えられた、一層暗い黒となる。
【0097】
そして、上記の極端な場合以外の画像に対しては、輝度情報信号811の3つのパラメーターに基づいて、上記の中間の状態をとるように制御される。
【0098】
以上のように構成された本発明のプロジェクタAでは、投写画像において表示し得る明るさの可変範囲は図21の(C)に示すW1〜B2の範囲となり、液晶装置700のコントラスト比を改善することなく、コントラスト比の向上した投写画像を実現することができる。従来のプロジェクタでは、表示しようとする画像が全体に暗い場合であっても、液晶装置以外の部分では明るさの制御ができなかったため、液晶装置の階調データを輝度レベルの低い画像信号に対して有効に割り当てることができず、細かな階調表現ができなかった。しかし、本発明のプロジェクタAでは、液晶装置に加えて、照明系においても明るさの制御が可能であるため、液晶装置700に入射する照明光量の制御と液晶装置700における階調表現とを組み合わせて表示画像の輝度レベルを制御することができる。すなわち、表示しようとする画像が全体に暗い場合には、照明系によって画像の最小輝度レベル(図21のB2レベル)を、照明系と液晶装置の階調表現によって最大輝度レベル(同W1レベル)を表現することで、画像が有する階調変化の範囲に対して液晶装置700の階調データをより多く割り当てることができるため、有限の階調表現しかできない液晶装置700であっても、より細かな階調表現を実現することができる。
【0099】
しかも、上記の制御を1フィールド或いは1フレーム毎に自動的に行うようにシステムを構築すれば、ほとんどリアルタイムで投写画像の内容に応じてコントラスト比、階調性、明るさを可変でき、黒の表現性に優れた高画質な投写画像を表示することができる。もちろん、観察者の好みに応じて上記の制御を行えるようにシステムを構築しても良い。さらに、表示しようとする画像が全体に暗い場合には、照明系によって電気光学装置に入射する照明光量を減少できるため、耐光性が十分に高いとは言い難い電気光学装置を使用する場合であっても電気光学装置の長寿命化を図ることができる。また、照明光量の減少によって電気光学装置における発熱量も低減できるため、電気光学装置を冷やす冷却装置の負荷を低減して冷却装置の低騒音化を実現することができる。
【0100】
(第7の実施形態)
図22は、第7の実施形態としてのプロジェクタの要部を示した概略構成図である。本実施形態のプロジェクタBでは、プロジェクタが設置された場所の明るさ、すなわち環境光を検知する光センサーからの情報に基づいて光散乱手段であるPDLC素子200を制御し、環境光の状態に対応して投写画像の明るさを制御できる点に特徴を有する。
【0101】
光センサー880はプロジェクタBが設置された場所における環境光の明るさを検出し、環境光信号881として輝度制御手段860に伝達する。輝度制御手段860では環境光信号881に基づいて輝度制御信号821を算出し、PDLC駆動手段830は輝度制御信号821に基づいてPDLC素子200を駆動し、PDLC素子200を通過する光の角度分布を制御する。ここで、環境光信号881と、PDLC素子200の制御との関係について説明する。環境光が明るい場合には、PDLC素子200は非散乱モードとなり、照明光は一切減衰されることなく液晶装置700に入射する。一方、環境光が暗い場合には、PDLC素子200は散乱モードとなり、液晶装置700に入射する照明光量は減少する。
【0102】
以上のように構成された本発明のプロジェクタBでは、プロジェクタが置かれた環境の明るさに応じて、明るさを自動的に、或いは、観察者の好みに応じて調節することができるため、観察者にとって見やすく、高画質な投写画像を表示することができる。また、スクリーン910に差し込む外光を光センサー880で検出し、その結果に基づいて投写画像の明るさを制御する構成としても良い。例えば、スクリーン910に外光や環境光が差し込まない場合には減光した状態で投写画像を表示し、外光や環境光が差し込む場合には表示画像のコントラスト低下を招いて見づらくなるため、減光をせずに投写画像を表示することで表示画像のコントラストを高めて見やすくすることができる。なお、本例の構成を先のプロジェクタAに組み入れることも可能であるため、その場合には、投写画像の内容、環境光の明るさ、観察者の好みなどのパラメーターに基づいて、投写画像を一層細やかに制御することができる。
【0103】
C.その他の変形例
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の様態で実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0104】
1)第1の実施形態で説明したPDLC素子は、マイクロカプセル化された液晶が樹脂中で互いに孤立して存在する様式の高分子分散型液晶装置であったが、3次元網目状高分子構造体の中で液晶が連続して存在する様式の高分子分散型液晶装置(PNLC素子:Polymer Network Liquid Crystal)を光散乱手段として用いても良く、PDLC素子の場合と同様の作用、効果を実現することができる。なお、PNLC素子において光散乱を生じるメカニズムはPDLC素子の場合と同じである。PDLC素子は、散乱モード時の散乱性が高く、PNLC素子に比べて応答速度が速いなどの特徴があり、一方、PNLC素子は、非散乱モード時の光透過率が高く、PDLC素子に比べて駆動電圧が低く、製造が容易で、低コスト化しやすいなどの特徴がある。
【0105】
さらには、樹脂や3次元網目状高分子構造体の中に分散させた液晶を用いることなく、液晶を動的散乱モードで駆動する様式の液晶装置を本発明の光散乱手段として使用することができる。液晶分子の長軸に対して直角方向に永久双極子モーメントを持つ液晶では、電界あるいは電圧の印加によって配向状態が異なる多数の分域を生じ、それらの分域の境界では光が散乱され、その散乱の程度は印加する電界あるいは電圧に比例する。動的散乱モードで駆動する液晶装置は構造が簡単であり、製造しやすいという特徴がある。
【0106】
2)光散乱手段であるPDLC素子やPNLC素子では、液晶の種類や樹脂或いは3次元網目状高分子構造体中での液晶の配向の仕方によっては、電界あるいは電圧を印加した場合に屈折率が整合されずに散乱モードとなり、逆に、電界あるいは電圧を印加しない場合に屈折率が整合されて非散乱モードとなる様式の高分子分散型液晶装置も実現可能であり、そのようなPDLC素子並びにNCAP素子やPNLC素子を光散乱手段として用いても、本発明と同様の効果を実現することができる。
【0107】
3)上記のプロジェクタA、Bでは、電気光学素子として透過型の液晶装置を用いていたが、反射型の液晶装置を用いたプロジェクタや、液晶以外の電気装置、例えば、テキサスインスツルメント社のDMD装置を用いたプロジェクタに対しても、本発明の照明装置を採用することができる。なお、DMDは、テキサスインスツルメント社の登録商標である。さらに、プロジェクタの形態としては、前面投写型のプロジェクタや背面投写型のプロジェクタにおいても本発明の照明装置を採用することができる。
【0108】
4)ランプに投入する電力量を変えることで射出光量を調節可能ないわゆる調光ランプを本発明の照明装置に使用すれば、被照明領域を照明する光量をより広範囲に渡って制御することができるため、投写画像を一層細やかに制御することが可能となる。但し、一般的な調光ランプでは、瞬時の調光を行えないため、調光ランプを併用した場合でも、本発明の有効性は失われない。
【0109】
【発明の効果】
上述したように本発明の照明装置は、光源と被照明領域との間に光散乱手段を備えているため、外部からの制御情報によって光散乱手段から射出される光の角度分布を変え、所望の角度分布を有する照明光に変換することで、被照明領域に入射する照明光量を制御することができる。したがって、調光を瞬時に行うことができないランプを用いた場合であっても、被照明領域における明るさを瞬時に制御する照明装置を実現することができる。
【0110】
また、本発明の構成は、光分割手段を備えることで被照明領域において略均一な照度分布を得る照明装置や、光分割手段と偏光変換素子を備えることで被照明領域において略一種類の偏光による略均一な照度分布を得る照明装置に対しても適用することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
【0111】
さらに、本発明の照明装置を用いて構成したプロジェクタでは、電気光学装置のコントラスト比を改善することなく、コントラスト比の向上した投写画像を実現することができ、また、投写画像の内容に応じてコントラスト比、階調性、明るさを可変でき、黒の表現性に優れた高画質な投写画像を表示することができる。さらに、プロジェクタが置かれた環境の明るさに応じて、明るさを自動的に、或いは、観察者の好みに応じて調節することができ、観察者にとって見やすく、高画質な投写画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態としての照明装置1の概略構成を示す平面図である。
【図2】 PDLC素子の構造と機能を説明するための概略断面図であり、(A)は電界を印加していない状態を、(B)は電界を印加した状態を示している。
【図3】 PDLC素子において、印加する電圧と射出される光の角度分布状態の関係を示す説明図である。
【図4】 第2の実施形態としての照明装置2の概略構成を示す平面図である。
【図5】 照明装置2にける遮光素子の光透過部と光源像との寸法形状の関係を説明するための図であり、(A)は光透過部と光源像の寸法がほぼ等しい場合を、(B)は光透過部よりも光源像の寸法が大きい場合を示している。
【図6】 第3の実施形態としての照明装置3の概略構成を示す平面図である。
【図7】 第3の実施形態の変形例としての照明装置3Aの概略構成を示す平面図である。
【図8】 第4の実施形態としての照明装置4の概略構成を示す平面図である。
【図9】 第4の実施形態の変形例1としての照明装置4Aの概略構成を示す平面図である。
【図10】 照明装置4Aに使用される遮光素子アレイの概略構成を示す平面図であり、(A)は光透過部が偏光分離面の開口部と一致している場合を、(B)は光透過部が光源像の寸法形状と略一致している場合を示している。
【図11】 第4の実施形態の変形例2としての照明装置4Bの概略構成を示す平面図である。
【図12】 第4の実施形態の変形例3としての照明装置4Cの概略構成を示す平面図である。
【図13】 第4の実施形態の変形例4としての照明装置4Dの概略構成を示す平面図である。
【図14】 第4の実施形態の変形例5としての照明装置4Eの概略構成を示す平面図である。
【図15】 第5の実施形態としての照明装置4の概略構成を示す平面図である。
【図16】 レンズアレイのマトリックス構造の説明図である。
【図17】 照明装置5のPDLC素子の概略構成を示す平面図である。
【図18】 TN型の表示モードを備えた液晶装置におけるコントラスト特性の一例を説明する図である。
【図19】 散乱領域の配置の仕方を説明する図であり、(A)は同心略相似形状に、(B)はマトリックス状に、(C)は列状に、(D)は行状に、各々散乱領域を配列した場合を示している。
【図20】 第6の実施形態としてのプロジェクタAの要部を示す概略構成図である。
【図21】 原画像信号における輝度レベルとプロジェクタAで表示可能な輝度範囲の関係を示す図である。
【図22】 第7の実施形態としてのプロジェクタBの要部を示す概略構成図である。
【符号の説明】
A、B プロジェクタ
L 照明光軸
1、2、3、3A、4、4A、4B、4C、4D、4E、5 照明装置
100 光源
110 ランプ
120 放物面リフレクター
121 楕円面リフレクター
130 集光素子
150 光源像
155 集光像
160,170 遮光素子
161,171 光透過部
162,172 遮光部
200、500 PDLC素子
210 液晶
211 マイクロカプセル
212 樹脂
220 透明電極
230 透明基板
240 入射光
250 第1レンズアレイ
251 小レンズ
260 ガラスロッド
261 入射端面
262 射出端面
263 反射面
270 集光レンズ
300 伝達レンズ
310 リレーレンズ
311 第1リレーレンズ
312 第2リレーレンズ
320、325、330 第2レンズアレイ
321、326、331 伝達レンズ
170 遮光素子アレイ
400、450、451 偏光変換素子
410 偏光分離素子アレイ
420 偏光分離面
421 反射面
425、426 開口部
430 λ/2波長板
440 重畳レンズ
451 直角プリズム
452 平行平板ガラス
453 入射端面
454 射出端面
460、461 偏光分離素子
510 散乱領域
520 逆明視方向
600 平行化レンズ
700 液晶装置
710 投写光学系
810 輝度計算手段
820 画質制御量計算手段
830 PDLC駆動手段
840 画像制御手段
850 LV駆動手段
860 輝度制御手段
880 光センサー
900 被照明領域
910 スクリーン

Claims (12)

  1. 光源と、前記光源からの光を集光して光源像を形成する集光素子と、前記光源像が形成される位置付近に配置された光伝達手段と、前記光伝達手段の入射部に入射しない光を遮蔽する遮光手段と、電界の印加に応じて散乱性を変化させる光散乱手段と、を配置してなる照明装置であって、
    前記光散乱手段は、前記集光素子と前記光伝達手段との間に配置してなり
    前記光散乱手段に印加する電界の制御によって、前記光伝達手段が被照明領域に伝達する光の量を変化させて、前記被照明領域に入射する照明光の強度を制御可能とし
    前記集光素子は、前記光源からの光を複数の部分光に分割すると共に集光して、複数の前記光源像を形成する光分割手段であり、
    前記光伝達手段は、複数の前記光源像に対応して配置され、前記複数の部分光を前記被照明領域上で重畳する、
    ことを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1において、
    前記光散乱手段は、前記光分割手段の入射側或いは射出側の少なくとも一方の側に配置されることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1において、
    さらに、前記光伝達手段の入射側、射出側、中間のいずれかの位置に、入射光の偏光方向を揃える偏光変換素子が配置されている、
    ことを特徴とする照明装置。
  4. 請求項1において、
    前記光散乱手段は、光散乱性の制御が独立して可能な複数の散乱領域を備えることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、
    前記光散乱手段は、光散乱性の制御が独立して可能な複数の散乱領域を備えることを特徴とする照明装置。
  6. 請求項5において、
    前記散乱領域は、前記光分割手段を構成する前記集光素子の配列の仕方に対応して形成されることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項5において、
    前記散乱領域は、前記光分割手段によって形成される光源像の配列の仕方に対応して形成されることを特徴とする照明装置。
  8. 請求項5において、
    前記散乱領域は、前記光分割手段によって生成される前記複数の部分光毎に形成されることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項5において、
    被照明領域が表示特性に照明光の入射角依存性を有する場合には、前記複数の散乱領域のうち、該表示特性を悪化させる部分光を通過させる散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項9において、
    前記表示特性がコントラスト特性である場合には、前記複数の散乱領域のうち、前記被照明領域への入射角が大きな部分光を通過させる散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させることを特徴とする照明装置。
  11. 請求項9において、
    前記表示特性がコントラスト特性である場合には、前記光散乱手段を複数の同心略相似形状の散乱領域を備えて構成し、前記複数の散乱領域のうち、前記光散乱手段の外周辺部に位置する前記散乱領域の散乱の程度を、他の散乱領域に優先して増大させることを特徴とする照明装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の照明装置と、外部からの画像情報に応じて光の強度を変調する電気光学装置と、前記電気光学装置によって変調された光を投写する投写光学系とを備えるプロジェクタ。
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