JPH11353907A - 照明装置 - Google Patents

照明装置

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JPH11353907A
JPH11353907A JP10157914A JP15791498A JPH11353907A JP H11353907 A JPH11353907 A JP H11353907A JP 10157914 A JP10157914 A JP 10157914A JP 15791498 A JP15791498 A JP 15791498A JP H11353907 A JPH11353907 A JP H11353907A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
light source
illumination
control plate
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JP10157914A
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English (en)
Inventor
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐久性と、高い可動性とを確保しなが
ら、被写体を均一に照明するとともに、照明光のスペク
トル分布を変えることなく、弱い光強度から強い光強度
まで、高速に、かつ連続的に照明光の光強度を変更す
る。 【解決手段】 光源用電源部2から予め設定されている
電圧値の光源用駆動電圧を出力させて、光源部6から予
め設定されている光強度の照明光を出射させながら、調
光用電源部7から出力される調光用駆動電圧の振幅に応
じて、光源部6から出射される照明光を散乱させている
液晶調光板8の白濁度を制御し、レンズアレー26、衝
立28、レンズアレー30によって構成される非散乱光
選択部9から外部に出射される照明光の強度を調整し
て、被写体を照明する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光機能を持つ照
明装置に係わり、特に照明光のスペクトル分布を変えず
に輝度を広範囲に、かつ連続的に調節することが必要な
テレビ撮影用照明装置、映画撮影用照明装置、写真撮影
用照明装置、演出用照明装置、および展示用照明装置な
どとして使用される照明装置に関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、調光機能を持つ
照明装置に関するものであり、光源用電源からの印加電
圧の変化に応答して光源からの照明光を散乱させるか、
もしくはそのまま透過させる液晶調光板と、前記光源と
前記液晶調光板との間に配置され、前記光源からの照明
光を前記液晶調光板に伝達するレンズと、前記液晶調光
板を透過した照明光を集束あるいは拡散させる複数のレ
ンズを2次元的に配置した少なくとも1つのレンズアレ
ーと、このレンズアレーを構成する各レンズの数だけ小
穴を持つ衝立とによって照明装置を構成することによ
り、照明光のスペクトル分布を変えずに、輝度を広範囲
に、かつ連続的に、高速で制御するようにしたものであ
る。
【0003】
【従来の技術】テレビ撮影用照明装置、映画撮影用照明
装置、写真撮影用照明装置、演出用照明装置、および展
示用照明装置などとして使用される照明装置として、従
来、図8に示す照明装置101、図9に示す照明装置1
11、図10に示す照明装置121、図11に示す照明
装置131などが知られている。
【0004】この場合、図8に示す照明装置101は、
照明強度に応じた実効電圧値を持つ駆動電圧を出力する
光源用電源102と、この光源用電源102から出力さ
れる駆動電圧を伝送する複数のリード線103と、白熱
電球または放電灯などによって構成され、各リード線1
03を介して駆動電圧が供給されているとき、この駆動
電圧の大きさに応じた輝度の照明光を発生する光源10
4と、この光源104の裏面に配置され、光源104か
ら出射される照明光を被写体側に反射する反射鏡105
とを備えており、被写体を照明するとき、光源用電源1
02から照明強度に応じた実効電圧値を持つ駆動電圧を
出力させて、光源104から前記駆動電圧の実効電圧値
に応じた光強度の照明光を放射させ、被写体を照明す
る。
【0005】また、図9に示す照明装置111は、予め
設定されている電圧値を持つ駆動電圧を出力する光源用
電源112と、この光源用電源112から出力される駆
動電圧を伝送する複数のリード線113と、白熱電球ま
たは放電灯などによって構成され、各リード線113を
介して駆動電圧が供給されているとき、この駆動電圧の
大きさに応じた輝度の照明光を発生する光源114と、
この光源114の裏面に配置され、光源114から出射
される照明光を被写体側に反射する反射鏡115と、予
め設定された光吸収特性を持つように構成され、光源1
14から直接、出射された照明光および反射鏡115で
反射された照明光を減衰させながら、通過させる光減衰
板116とを備えており、光吸収特性が異なる複数の光
減衰板116の中から、被写体の照明に必要な光強度の
光吸収特性を持つ光減衰板116を選択して、これを光
源114の前に配置した後、光源用電源112から予め
設定されている電圧値の駆動電圧を出力させて、光源1
14から照明光を出射させるとともに、光源114から
直接、放射された照明光および反射鏡115で反射され
た照明光を光減衰板116で、減衰させて、必要な光強
度を持つ照明光にし、被写体を照明する。
【0006】また、図10に示す照明装置121は、予
め設定されている電圧値を持つ駆動電圧を出力する光源
用電源122と、この光源用電源122から出力される
駆動電圧を伝送する複数のリード線123と、白熱電球
または放電灯などによって構成され、各リード線123
を介して駆動電圧が供給されているとき、この駆動電圧
の大きさに応じた輝度の照明光を発生する光源124
と、この光源124の裏面に配置され、光源124から
出射される照明光を被写体側に反射する反射鏡125
と、角度が切替可能な複数の遮光板126によって構成
され、光源125から直接、放射された照明光および反
射鏡125で反射された照明光の一部または全てを遮光
するブラインド127とを備えており、光源用電源12
2から予め設定されている電圧値の駆動電圧を出力させ
て、光源124から予め設定されている光強度の照明光
を出射させるとともに、ブラインド127を構成してい
る各遮蔽板126の角度に応じた開口率で、光源124
から直接、放射された照明光および反射鏡125で反射
された照明光の一部を遮光して、必要な光強度を持つ照
明光にし、被写体を照明する。
【0007】また、図11に示す照明装置131は、照
明筐体132と、この照明筐体132の内奥に配置され
た光源133と、この光源133の光を反射する反射鏡
134と、光源133の前方に配置され紫外光および赤
外光を遮断する紫外光/赤外光カットフィルタ135
と、このフィルタ135の前方に配置された液晶調光板
136と、光源133にリード線137を通じて光源用
駆動電圧を供給する光源用電源138と、液晶調光板1
36にリード線139を通じて調光用駆動電圧を供給す
る調光用電源140とを備えている。また、液晶調光板
136は、後述する液晶・高分子複合体146を備えて
いる。このような照明装置131において、光源133
にリード線137を介して所定の光源用駆動電圧が供給
されると、その電圧値に応じた強度の照明光が出射され
る。出射された照明光は、フィルタ135によって紫外
光および赤外光がカットされた後、液晶調光板136に
入射される。液晶調光板136では、調光用電源部14
0から出力される調光用駆動電圧の振幅に応じ、出射さ
れた照明光を散乱させ、被写体を照明する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の各照明装置101、111、121、131に
おいては、次に述べるような問題があった。
【0009】まず、図8に示す照明装置101では、光
源104として、白色電球を用いると、光源用電源10
2から出力される駆動電圧の電圧値を下げて、光源10
4の輝度を低くしたとき、照明光のスペクトルが長波長
側にシフトして、色温度が低下し、これによって被写体
の物体色が変化して、演色性が劣化してしまうという問
題があった。
【0010】また、図8に示す照明装置101では、光
源104として、白色電球を用いると、光源用電源10
2を制御して、この光源用電源102から出力される駆
動電圧の電圧値を変更したとき、光源104から出射さ
れる照明光の輝度が変化するまで、時間がかかり過ぎる
という問題があった。
【0011】また、この照明装置101では、光源用電
源102として、SCRなどのスイッチング素子を用い
た光源用電源を使用しなければならず、その分だけ、照
明装置101全体が大型化、重量化してしまうのみなら
ず、発熱量が増大してしまうという問題があった。
【0012】この照明装置101の光源104として、
キセノンランプなどの放電灯を使用すると、放電灯の放
電を維持させるのに必要な点灯電圧の範囲内でしか、光
源用電源102から出力する駆動電圧の電圧値を調整で
きなくなってしまうのみならず、点灯電圧の範囲内であ
っても、最適な放電維持電圧と異なる駆動電圧で放電灯
を駆動し続けると、放電灯の寿命が短くなってしまうと
いう問題があった。
【0013】さらに、光源104として、放電灯を使用
しているとき、光源104を一旦、消灯させてしまう
と、これを再度、点灯させようとしても、光源104が
実際に点灯するまで、ある程度の時間がかかるという問
題があった。
【0014】また、図9に示す照明装置111では、光
減衰板116によって光源114から出射される照明光
を吸収して、輝度を調整しているので、光源114から
強力な照明光を出射させると、光減衰板116が加熱さ
れて、これが劣化してしまうことから、高い輝度の照明
光を発生させることが難しいのみならず、照明光の輝度
を連続的に、かつ高速に変更することが難しいことか
ら、連続的な階調性や高い応答性を確保することができ
ないという問題があった。
【0015】また、図10に示す照明装置121では、
機械的にブラインド127を動かして、輝度を調整して
いるので、高速に輝度を調整することができないのみな
らず、ブラインド127を構成している各遮光板126
の影ができてしまうことから、被写体の各部位を均一な
照明光で照明することが難しいという問題があった。
【0016】また、図11に示す照明装置131では、
液晶調光板136によって、光源133から出射される
照明光を単純に散乱させて、調光しているので、高い消
光比(オン状態とオフ状態との明暗比)を得ることがで
きないのみならず、液晶調光板136によって、光源1
33からの照明光を散乱させたとき、光軸付近の光量が
低下して光軸の付近を暗くすることができるものの、こ
のときの散乱光が周辺側に放射されて、周辺側が明るく
なるという問題があった。
【0017】このため、照明装置131を複数個、使用
して被写体を照明するとき、照明設計が非常に複雑にな
ってしまうとともに、被写体全体を暗くすることができ
ないという問題があった。
【0018】そこで、このような問題を解決する方法と
して、従来、図12に示す如く液晶調光板136の前面
側にレンズ153とリング状の光学的絞り154を付加
し、レンズ153によって、液晶調光板136から出射
される非散乱光を1点に集光させるとともに、光学的絞
り154で、レンズ153で集光された非散乱光を通過
させ、それ以外の照明光(散乱光)を遮断し、これによ
って液晶調光板136の散乱量を多くしたとき、光軸付
近のみならず、周辺部分も暗くすることができる照明装
置151が提案されている。
【0019】しかしながら、このようなレンズ153と
光学的絞り154を使用した照明装置151では、レン
ズ153と、光学的絞り154とによって非散乱光のみ
を通過させて、散乱光が外部に漏れるのを防止すること
ができるものの、レンズ153から光学絞り154まで
の距離が非常に長くなってしまい、照明筐体132が長
くなり過ぎて、実用性に乏しくなるという問題があっ
た。
【0020】また、この照明装置151では、光学的絞
り154を通過した非散乱光が光学的絞り154の絞り
穴155を中心にして放射状に広がってしまい、被写体
までの距離が長いとき、強い光強度の照明光で、被写体
を照明することができないという問題があった。
【0021】そこで、このような問題を解決する照明装
置として、図13に示す如く光学的絞り154の前面側
に凸レンズ162を配置して、光学的絞り154を通過
した照明光を凸レンズ162を通して照明光にし、これ
によって強い光強度の照明光で、被写体を照明する方法
も提案されているが、このような照明装置161では、
照明筐体132全体がさらに長くなり、さらに実用性が
無くなってしまうという問題があった。
【0022】次に、液晶調光板136の光学特性と、そ
のサイズとを考慮しながら、照明筐体132の長さにつ
いて、さらに説明する。
【0023】まず、図12に示す照明装置151を構成
する液晶調光板136では、ネマチック液晶、コレステ
リック液晶、スメクチック液晶、またはこれらネマチッ
ク液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶を混合
した混合液晶の常光屈折率と、同等の屈折率を持つ樹脂
中に前記ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメク
チック液晶またはこれらネマチック液晶、コレステリッ
ク液晶、スメクチック液晶の混合液晶を分散させた液晶
・高分子複合体146を使用していることから、この液
晶・高分子複合体146と、レンズ153と、光学的絞
り154とを組み合わせて、照明輝度を大幅に変化させ
るとき、レンズ153の焦点距離と、レンズ153と光
学的絞り154との間の距離とを一致させなければなら
ず、その分だけ、照明筐体132全体を長くしなければ
ならない。
【0024】また、図13に示す照明装置161では、
光学的絞り154を通過した照明光(非散乱光)が周辺
に広がらないように、凸レンズ162によって、非散乱
光を集光させているので、レンズ153と光学的絞り1
54との関係と同様に、凸レンズ162の焦点距離と、
光学的絞り154と凸レンズ162との間の距離とをほ
ぼ一致させなければならず、その分だけ、照明筐体13
2全体をさらに長くしなければならない。
【0025】また、これらレンズ153の焦点距離と、
凸レンズ162の焦点距離として、これらレンズ153
の焦点距離と、凸レンズ162の焦点距離とを一致させ
るのが最も自然である。ここで、レンズ153の焦点距
離と、凸レンズ162の焦点距離とを“f”と仮定する
と、これまでの記述から明らかなように、液晶調光板1
36から凸レンズ162までの距離を約“2f”の長さ
にしなければならない。
【0026】ここで、最も広く用いられている500W
〜2kW級の照明装置では、表1に示す如くワット数に
応じて、フレネルレンズや凸レンズの焦点距離を95〜
400mmにしているので、これらの各フレネルレンズ
や各凸レンズを使用して、図13に示す照明装置161
を構成すると、照明装置161の前面側が“180〜8
00mm”の長さになってしまい、実用性が無くなって
しまうという問題点があった。
【表1】
【0027】本発明は上記の事情に鑑み、請求項1で
は、高い耐久性と、高い可動性とを確保しながら、被写
体を均一に照明することができるとともに、照明光のス
ペクトル分布を変えることなく、弱い光強度から強い光
強度まで、高速に、かつ連続的に照明光の光強度を変更
することができる照明装置を提供することを目的として
いる。
【0028】また、請求項2では、装置全体をコンパク
トにして、装置の小型化、軽量化を図り、これによって
使い勝手を大幅に向上させることができる照明装置を提
供することを目的としている。
【0029】また、請求項3では、十分な耐熱性を確保
しながら、照明光の光強度を高速に、かつ連続して可変
することができるとともに、消光比を約100:1まで
高めることができる照明装置を提供することを目的とし
ている。
【0030】また、請求項4、5では、光源から可視光
のみならず、赤外光や紫外光が出射されても、これをカ
ットして、液晶調光板に悪影響を与えないようにして、
この液晶調光板の寿命を長くすることができるととも
に、赤外光や紫外光が被写体に照射されるのを防止する
ことができる照明装置を提供することを目的としてい
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、請求項1では、指定された光強度の照明
光を発生して被写体を照明する照明装置において、被写
体を照明するとき、可視光を含む照明光を生成する光源
と、印加電圧に応じた散乱量で、前記光源から出射され
る照明光を散乱させる液晶調光板と、平面状に配置され
た複数のレンズによって、前記液晶調光板で散乱された
照明光を集光し、焦点位置以外に集光された照明光を遮
断しながら、前記焦点位置に集光された照明光を透過さ
せた後、平面状に配置された複数のレンズを通して照明
光にして出射させる非散乱光選択部と、を備えたことを
特徴としている。
【0032】また、請求項2では、請求項1に記載の照
明装置において、前記光源と、前記液晶調光板と、前記
非散乱光選択部とを1つの照明筒体内に組み込んだこと
を特徴としている。
【0033】また、請求項3では、請求項1、2のいず
れかに記載の照明装置において、前記液晶調光板は、ス
ポンジ状あるいは3次元のネットワーク状に形成された
透明な担体膜の連続した孔内にネマチック液晶、コレス
テリック液晶、スメクチック液晶、またはこれらネマチ
ック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶の混
合液晶が充填された構造、あるいは透明な担体膜中にネ
マチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、またはこれらネマチック液晶、コレステリック液
晶、スメクチック液晶の混合液晶を粒状に分散させた構
造を持つ液晶・樹脂複合体を透明電極膜で挟んだ構造を
持つことを特徴としている。
【0034】また、請求項4では、請求項1、2、3の
いずれかに記載の照明装置において、前記光源と前記液
晶調光板との間に、前記光源から出射される赤外光もし
くは紫外光あるいはこれらの両方を反射させるととも
に、前記光源から出射される可視光を透過させ、これを
照明光として、前記液晶調光板に入射させる誘電体多層
膜を設けたことを特徴としている。
【0035】また、請求項5では、請求項1、2、3の
いずれかに記載の照明装置において、前記光源と前記液
晶調光板との間に、前記光源から出射される赤外光もし
くは紫外光あるいはこれらの両方を透過させるととも
に、前記光源から出射される可視光を反射させ、これを
照明光として、前記液晶調光板に入射させる誘電体多層
膜を設けたことを特徴としている。
【0036】上記の構成において、請求項1では、被写
体を照明するとき、光源によって可視光を含む照明光を
生成しながら、液晶調光板を制御して、印加電圧に応じ
た散乱量で、光源から出射される照明光を散乱させると
ともに、非散乱光選択部を構成する複数のレンズによっ
て、液晶調光板で散乱された照明光を集光し、焦点位置
以外に集光された照明光を遮断しながら、焦点位置に集
光された照明光を透過させた後、非散乱光選択部を構成
する複数のレンズを通して照明光にして出射させる。こ
れにより、高い耐久性と、高い可動性とを確保しなが
ら、被写体を均一に照明するとともに、照明光のスペク
トル分布を変えることなく、弱い光強度から強い光強度
まで、高速に、かつ連続的に照明光の光強度を変更す
る。
【0037】また、請求項2では、光源と、液晶調光板
と、非散乱光選択部とを1つの照明筐体内に組み込んだ
ことにより、装置全体をコンパクトにして、装置の小型
化、軽量化を図り、これによって使い勝手を大幅に向上
させる。
【0038】また、請求項3では、液晶調光板として、
スポンジ状あるいは3次元のネットワーク状に形成され
た透明な担体膜の連続した孔内にネマチック液晶、コレ
ステリック液晶、スメクチック液晶、またはこれらネマ
チック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶の
混合液晶が充填された構造、あるいは透明な担体膜中に
ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、またはこれらネマチック液晶、コレステリック液
晶、スメクチック液晶の混合液晶を粒状に分散させた構
造を持つ液晶・樹脂複合体を透明電極膜で挟んだ構造を
持つ液晶調光板を使用する。これにより、十分な耐熱性
を確保しながら、照明光の光強度を高速に、かつ連続し
て可変するとともに、消光比を約100:1まで高め
る。
【0039】また、請求項4では、光源と液晶調光板と
の間に、光源から出射される赤外光もしくは紫外光ある
いはこれらの両方を反射させるとともに、光源から出射
される可視光を透過させ、これを照明光として、液晶調
光板に入射させる誘電体多層膜を設けたことにより、光
源から可視光のみならず、赤外光や紫外光が出射されて
も、これをカットして、液晶調光板に悪影響を与えない
ようにして、この液晶調光板の寿命を長くするととも
に、赤外光や紫外光が被写体に照射されるのを防止す
る。
【0040】また、請求項5では、光源と液晶調光板と
の間に、光源から出射される赤外光もしくは紫外光ある
いはこれらの両方を透過させるとともに、光源から出射
される可視光を反射させ、これを照明光として、液晶調
光板に入射される誘電体多層膜を設けたことにより、光
源から可視光のみならず、赤外光や紫外光が出射されて
も、これをカットして、液晶調光板に悪影響を与えない
ようにして、この液晶調光板の寿命を長くするととも
に、赤外光や紫外光が被写体に照射されるのを防止す
る。
【0041】
【発明の実施の形態】《第1の実施の形態の説明》図1
は本発明による照明装置の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0042】この図に示す照明装置1aは、被写体を照
明するとき、光源用駆動電圧を出力する光源用電源部2
と、筒状部材3およびこの筒状部材3の基端側を閉止す
る閉止板4によって構成される照明筐体5と、光源用電
源部2から光源用駆動電圧が供給されたとき、紫外光や
赤外光を含まない可視光を発生する光源部6と、照明光
の光強度に応じた調光用駆動電圧を出力する調光用電源
部7と、この調光用電源部7から出力される調光用駆動
電圧で光源部6から出射される照明光を散乱させる液晶
調光板8と、この液晶調光板8から出射される散乱光を
カットしながら、非散乱光を照明光にして出射する光散
乱光選択部9とを備えており、光源用電源部2から出力
される光源用駆動電圧に基づき、光源部6から予め設定
されている光強度の照明光を出射させるとともに、調光
用電源部7から出力される調光用駆動電圧の振幅に基づ
き、液晶調光板8の白濁度を制御して、非散乱光選択部
9から外部に出射される照明光の光強度を調整しなが
ら、被写体を照明する。
【0043】光源用電源部2は、予め設定されている電
圧値を持つ光源用駆動電圧を発生する光源用電源10
と、この光源用電源10から出力される光源用駆動電圧
を光源部6に伝達する複数のリード線11とを備えてお
り、被写体を照明するとき、光源用駆動電圧を発生し、
これを各リード線11を介し、光源部6に供給する。
【0044】また、照明筐体5は、照明担当者によって
操作可能な大きさに形成される角筒状または円筒状の筒
状部材3と、この筒状部材3の基端側を閉止する閉止板
4とを備えており、内部の基端側に光源部6が配置され
るとともに、中央部分に液晶調光板8が配置され、さら
に前端側(前面側)に非散乱光選択部9が配置される。
【0045】光源部6は、照明筐体5内に配置されたタ
ングステンランプ、ハロゲンランプなどの白熱電球、ま
たはキセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、
ナトリウムランプ、蛍光灯などの放電灯のいずれかによ
って構成され、各リード線11を介して光源用駆動電圧
が供給されたとき、照明光を発生する光源12と、この
光源12の裏面に配置され、この光源12から裏面側に
出射された照明光を前面側に反射させる反射鏡13と、
透明な板状部材によって構成され、光源12の前面側に
配置される透明基板14と、この透明基板14上に積層
された複数層の誘電体膜によって構成され、光源12、
反射鏡13からの照明光に含まれている各波長成分のう
ち、液晶調光板8を劣化させる紫外光成分、赤外光成分
をカットして可視光成分のみを透過させる誘電体多層膜
15と、この誘電体多層膜15の前面側に配置され、誘
電体多層膜15を透過した照明光(可視光成分)を集光
して並行な照明光にするレンズ16とを備えており、光
源用電源部2から光源用駆動電圧が出力されていると
き、光源12を動作させ、これによって得られる照明光
を波長弁別して、紫外光成分、赤外光成分をカットし、
可視光成分のみを抽出した後、この可視光成分を並行な
照明光にして、液晶調光板8に入射させる。
【0046】また、調光用電源部7は、予め設定されて
いる周波数、例えば、液晶調光板8のフリッカ(ちらつ
き)を防止することができる30Hz以上の周波数を持
ち、かつ照明光の強度に応じた電圧値(振幅)を持つ調
光用駆動電圧を生成する調光用電源17と、この調光用
電源17から出力される調光用駆動電圧を液晶調光板8
に伝達する複数のリード線18とを備えており、照明光
の光強度に応じた電圧値と、予め設定されている周波数
とを持つ調光用駆動電圧を発生し、これを各リード線1
8を介し、液晶調光板8に供給する。
【0047】液晶調光板8は、透明な板状部材によって
構成され、照明筐体5内に配置される透明基板19と、
この透明基板19上に積層される薄膜によって構成さ
れ、その一端に各リード線18の一方が接続される透明
電極膜20と、透明な板状部材によって構成され、照明
筐体5内に配置される透明基板21と、この透明基板2
1上に積層される薄膜によって構成され、その一端に各
リード線18の他方が接続される透明電極膜22と、各
透明電極20、22の間に挿入され、透明な合成樹脂に
液晶の小滴を分散させた液晶・樹脂複合体23とを備え
ており、調光用電源部7から出力される調光用駆動電圧
の振幅に応じ、光源部6から出射される照明光を散乱さ
せ、これによって得られた照明光(非散乱光、散乱光)
を非散乱光選択部9に入射させる。
【0048】非散乱光選択部9は、平面上に並べられた
小さなレンズ25によって液晶調光板8から出射される
照明光を局所ごとに集光するレンズアレー26と、各レ
ンズ25の焦点位置毎に小穴27が形成された板状部材
によって構成された衝立28と、平面上に並べられた小
さなレンズ29によって衝立28の小穴27から出射さ
れる照明光を局所ごとに集光して照明光を得るレンズア
レー30とを備えている。この非散乱光選択部9は、レ
ンズアレー26の各レンズ25によって集光された散乱
光を衝立28によってカットしつつ、非散乱光を通過さ
せた後、レンズアレー30の各レンズ29により照明光
を得て被写体を照明する。
【0049】この際、照明光の消光比に応じて、液晶調
光板8からレンズアレー26までの距離、レンズアレー
26から衝立28までの距離、この衝立28に形成され
る各小穴27の径が決められ、液晶調光板8から出射さ
れる光のうち、レンズアレー26を構成している各レン
ズ25によって、衝立28の各小穴27に集光されない
光が衝立28で遮断され、外部に出ないようにされる。
【0050】次に、図1に示す構成図を参照しながらこ
の実施の形態の動作について、詳細に説明する。
【0051】まず、被写体を照明するとき、光源用電源
部2と、調光用電源部7とがオン状態にされて、光源用
電源部2から光源用駆動電圧が出力され、この光源用駆
動電圧に基づき、光源部6によって無偏光の可視光(3
80nm〜780nm)が生成され、これが液晶調光板
8に入射され、強度変調される。
【0052】このとき、調光用電源部7から出力される
調光用駆動電圧の振幅がゼロ、または極めて低ければ、
図2に示す如く樹脂界面の規制力を受けて、液晶調光板
8の液晶・樹脂複合体23中にある液晶31の分子配列
方向(配向)が不規則になり、液晶31の異常光屈折率
eと、樹脂32の屈折率npとの不整合が生じて、液晶
調光板8が白濁する。これによって、液晶調光板8に入
射した照明光が樹脂32と、液晶31との界面で散乱さ
れ、散乱光として、非散乱光選択部9側に出射される。
【0053】また、調光用電源部7から出力される調光
用駆動電圧の振幅が十分に大きければ、図3に示す如く
各透明電極膜20、22間に生じた電界によって、大部
分が電界に並行な方向に並び、その液晶の屈折率は樹脂
32の屈折率npとほぼ同じ値の常光屈折率noになるた
め、液晶調光板8は透明な状態になる。これによって、
液晶調光板8に入射した照明光が屈折率の差を感じるこ
となく、そのまま透過し、非散乱光として、非散乱光選
択部9に入射される。
【0054】この際、調光用電源部7から出力される調
光用駆動電圧の強弱によって、液晶31の分子配向方向
が連続的に変化するとともに、1〜30ミリ秒程度の速
度で、液晶調光板8の液晶層・樹脂複合体23中にある
液晶31の分子配列方向が変更されることから、調光用
電源部7から出力される調光用駆動電圧の電圧値が変化
したとき、液晶調光板8の白濁度が高速で変更される。
【0055】そして、非散乱光選択部9のレンズアレー
26を構成している各レンズ25によって液晶調光板8
から出射される非散乱光が各々、集光されて、衝立28
に形成されている各小穴27を通過した後、レンズアレ
ー30を構成している各レンズ29を経由して、被写体
に照射される。このとき、液晶調光板8から出射される
照明光のうち、レンズアレー26を構成している各レン
ズ25によって、衝立28の小穴27に集光されない光
は衝立28で遮断され、外部に出ないようにする。
【0056】このように、この実施の形態では、光源用
電源部2から予め設定されている電圧値の光源用駆動電
圧を出力させて、光源部6から予め設定されている強度
の照明光を出射させながら、調光用電源部7から出力さ
れる調光用駆動電圧の振幅に応じて、光源部6から出射
される照明光を散乱させている液晶調光板8の白濁度を
制御し、非散乱光選択部9から外部に出射される照明光
の強度を調整して、被写体を照明するようにしたので、
高い耐久性と、高い可動性とを確保しながら、被写体を
均一に照明することができるとともに、照明光のスペク
トル分布を変えることなく、弱い光強度から強い光強度
まで、高速に、かつ連続的に照明光の強度を変更するこ
とができる(請求項1の効果)。
【0057】また、この実施の形態では、短い焦点距離
を持つレンズアレー26、複数の小穴27が形成された
衝立28、短い焦点距離を持つレンズアレー30とによ
って非散乱光選択部9を構成し、この非散乱光選択部9
と、光源部6と、液晶調光板8とを照明筐体5内に収納
するようにしているので、装置全体をコンパクトにし
て、照明装置1aの小型化、軽量化を図り、これによっ
て使い勝手を大幅に向上させることができる(請求項2
の効果)。
【0058】また、この実施の形態では、透明基板14
に積層された誘電体多層膜15によって、光源12から
出射される照明光を構成する各波長成分のうち、紫外光
成分と、赤外光成分とをカットして、可視光成分のみを
抽出し、これを液晶調光板8に入射させるようにしてい
るので、光源12から可視光のみならず、赤外光や紫外
光が出射されても、これをカットして、液晶調光板8に
悪影響を与えないようにして、この液晶調光板8の寿命
を長くすることができるとともに、赤外光や紫外光が被
写体に照射されるのを防止することができる(請求項4
の効果)。
【0059】《第2の実施の形態の説明》図4は本発明
による照明装置の他の実施の形態を示す構成図である。
なお、この図において、図1の各部と同じ部分には、同
じ符号が付してある。
【0060】この図に示す照明装置1bが図1に示す照
明装置1aと異なる点は、光源部6に代えて、光源部4
0を使用して、光源部40で発生した熱を照明筐体5外
に逃がしながら、光源部40に可視光を発生させるよう
にしたことである。
【0061】この場合、光源部40は、照明筐体5内に
配置されたタングステンランプ、ハロゲンランプなどの
白熱電球、またはキセノンランプ、メタルハライドラン
プ、水銀灯、ナトリウムランプ、蛍光灯などの放電灯の
いずれかによって構成され、各リード線11を介して光
源用駆動電圧が印加されたとき、照明光を発生する光源
41と、この光源41の下面に配置され、この光源41
の下側に出射された照明光を上側に反射させる反射鏡4
2と、光源41の上部側に配置され、光源41、反射鏡
42からの照明光を並行な照明光にするレンズ43と、
透明な板状部材によって構成され、レンズ43の上方に
配置される透明基板44と、この透明基板44上に積層
された複数層の誘電体膜によって構成され、レンズ43
を出射したた照明光に含まれている各波長成分のうち、
液晶調光板8を劣化させる紫外光成分や赤外光成分を透
過させるとともに、可視光成分のみを反射させて、液晶
調光板8に入射させる誘電体多層膜45と、照明筐体5
の基端側上部に配置され、誘電体多層膜45を透過した
紫外光成分、赤外光成分を受けて照明筐体5上部に蓄積
された熱を外部に逃がす放熱板46とを備えている。
【0062】そして、光源用電源2から光源用駆動電圧
が出力されているとき、光源41を動作させ、これによ
って得られた照明光のうち、可視光成分のみを反射させ
て、液晶調光板8に入射させるとともに、紫外光成分、
赤外光成分を透過させて、照明筐体5の基端上部で熱エ
ネルギーに変換させ、放熱板46から外部に放熱させ
る。
【0063】このように、この実施の形態では、光源4
1の上部側に透明基板44を配置し、この透明基板44
上に積層された誘電体多層膜45によって、光源41側
から出射される照明光のうち、紫外光成分、赤外光成分
を透過させて、照明筐体5の基端上部で熱エネルギーに
変換させ、放熱板46から外部に放熱させるとともに、
可視光成分のみを反射させて、液晶調光板8に入射させ
るようにしているので、照明筐体5内に熱が蓄積されな
いようにしながら、上述した実施の形態と同様に、光源
41から可視光のみならず、赤外光や紫外光が出射され
ても、これをカットして、液晶調光板8に悪影響を与え
ないようにし、液晶調光板8の寿命を長くすることがで
きるとともに、赤外光や紫外光が被写体に照射されるの
を防止することができる(請求項5の効果)。
【0064】《実施例》次に、上述した各実施の形態の
効果を確認するために、次に述べる手順で、実際に液晶
調光板8を試作にした。
【0065】まず、液晶・樹脂複合体23に用いられる
液晶としては、常光屈折率noが樹脂32の屈折率np
同等の値を持ち、異常光屈折率neが樹脂32の屈折率
pと大きな差となる値を持つとき、液晶調光板8の光
散乱現象を顕著にすることができることから、液晶31
の屈折率異方性Δn(=ne−no)を大きな値にするこ
とができる液晶、例えば屈折率異方性Δnが大きいネマ
チック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、
またはこれらネマチック液晶、コレステリック液晶、ス
メクチック液晶の混合液晶、または応答速度が速い液
晶、例えばシアノビフェニル系やシアノターフェニル系
の樹脂が適し、さらにこれらの液晶のうち、光源12で
発生する熱などによっても特性が劣化しない100℃以
上の耐熱性を持つ液晶が使用される。
【0066】また、これらの液晶31と組み合わせる樹
脂32としては、透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂などのうち、光源12で発生する熱などに
よっても特性が劣化しない100℃以上の耐熱性を持つ
樹脂が使用される。
【0067】そして、これら液晶31と、樹脂32と使
用して、液晶・樹脂複合体23を作成する方法として
は、液晶31および樹脂32の構成材料を混ぜ合わせて
均質溶媒にした後、光硬化、熱硬化および反応硬化など
で、樹脂成分のみを硬化させ、液晶31を析出、凝集さ
せる方法、または液晶31と樹脂32とを共通の溶媒に
溶解させた後、溶媒成分だけを揮発させる方法のいずれ
かの方法が使用される。
【0068】この際、液晶31の小滴径を大きくした方
が、様々な波長の可視光を均一に散乱させることができ
ることから、液晶31の小滴径をある程度以上の大き
さ、例えば“0.5μm”以上にする必要があるが、あ
まり大きくし過ぎると、散乱量が減少してしまうことか
ら、液晶31の小滴径が“0.5〜10μm”になるよ
うに、硬化速度を調整する。
【0069】また、液晶・樹脂複合体23の構造とし
て、樹脂32中に液晶31の小滴を分散させた構造以外
の構造、例えば樹脂32に対する液晶31の構成比を大
きくし、液晶31の小滴が互いに連結し、海綿体状にな
った構造、あるいは樹脂32を3次元のネットワーク状
にした構造にしても良い。また、このような構造の液晶
・樹脂複合体23にするとき、他の作成方法、例えば多
孔質樹脂に液晶31を含浸させる方法などを使用しても
良い。
【0070】また、このような液晶・樹脂複合体23
は、自己支持性を持ち、膜厚の制御が容易であることか
ら、超大型の液晶調光板8を作成することができるが、
液晶・樹脂複合体23を構成する樹脂32として、軟質
樹脂を使用するときには、液晶・樹脂複合体23の側面
を支えるために、各透明電極膜20、22の間にスペー
サを配設して、十分な散乱特性を持たせるのに必要な間
隔、例えば“5μm”以上にする。
【0071】これらの各条件を満たすように、実際の液
晶調光板8は、液晶31として、シアノビフェニル系混
合液晶(常光屈折率no=1.525、以上光屈折率ne
=1.754)を使用し、樹脂32として、紫外線硬化
性ウレタン樹脂(屈折率np=1.524)を用い、こ
れら液晶31と、樹脂32の均質混合液(配合比1:
1)に、強度10mW/cm2の光強度を持つ紫外線
(波長365nm)を照射して、“1〜3μm”程度の
液晶小滴を含む液晶・樹脂複合体23を作成した。
【0072】また、各透明電極膜20、22としては、
透明基板19、21に付着させたITO(In23:S
n)を使用し、液晶・樹脂複合体23の有効面積と厚さ
をそれぞれ10cm×10cm、厚さを10μmにし
た。
【0073】次に、本発明による照明装置の効果を確認
することを目的として、図5に示す照明装置1cを作成
して、液晶調光板8の光透過率と、印加電圧との関係を
測定した。
【0074】ここで、図1に示すレンズアレー26を構
成する各レンズ25と同一の口径、焦点距離を持つよう
に、図5に示すレンズ51の口径、焦点距離を設定し、
また図1に示す衝立に形成した小穴27と同じサイズと
なるように、図5に示す衝立52に小穴53を形成し、
さらに図1の液晶調光板8、レンズアレー26、衝立2
8、レンズアレー30の間の各距離と等しい関係となる
ように、図5に示す液晶調光板8、レンズ51、衝立5
2、レンズ54の間の各距離を設定して、図1のレンズ
アレー26、30を有する照明光学系の1つに相当する
ように、図5に示す単レンズからなる照明光学系を構成
した。
【0075】そして、液晶調光板8としては、上述した
手順で、試作した液晶調光板8を使用し、さらにレンズ
51、54の焦点距離と、口径とを共に“5cm”に
し、これら各レンズ51、54の焦点距離と一致するよ
うに、液晶調光板8とレンズ51との距離、レンズ51
と衝立52との距離、衝立52とレンズ54との距離を
設定した。
【0076】このように構成した照明装置1cを動作さ
せ、調光用電源部7から出力される調光用駆動電圧の電
圧値を変化させたとき、数ミリ秒の応答時間(立ち上が
り時間、立ち下がり時間)で、図6に示すような印加電
圧/透過率特性と、図7に示す波長/透過率特性とを得
ることができた。
【0077】これらの各グラフから分かるように、可視
光全域に渡り、ほぼ平坦な波長特性にすることができる
ことから、非散乱光のスペクトル成分をほとんど変化さ
せることなく、消光比を“約100:1”にすることが
できるとともに、レンズ51の光軸付近の光の透過率を
最大で“80%”にすることができた(請求項3の効
果)。
【0078】また、図5に示す照明装置1cでは、液晶
調光板8と、衝立52との距離を高々、10cm程度に
すれば良く、また図1に示す照明装置1aや図4に示す
照明装置1bでは、図5に示す各レンズ51、54と同
じ焦点距離を持つ各レンズ25、29を2次元アレー化
したレンズアレー26、30を使用していることから、
図1に示す照明装置1aや図4に示す照明装置1bで
は、照明筐体5の長さを従来のものより格段に短くする
ことができる。
【0079】この際、レンズアレー26、30を構成し
ている各レンズ25、29の口径をさらに小さくすれ
ば、これら各レンズ25、29の焦点距離をさらに短く
することができ、これによって照明筐体5の長さをさら
に短くすることができるとともに、各レンズ25、29
の口径を小さくするにしたがって、Fナンバーを大きく
することができることから、両者の相乗効果により、焦
点距離を大幅に短くして、照明装置1a、1b全体を一
層、コンパクトにすることができる。
【0080】また、バルク状のレンズ25、29を2次
元的に配置したレンズアレー26、30以外のレンズア
レーとして、マイクロレンズを用いることも可能であ
る。
【0081】この場合、液晶調光板8から衝立28まで
の距離を数mm以下にすることができることから、従来
から使用されている一般的な照明装置の前面に、液晶調
光板8、マイクロレンズ、衝立などを含む非散乱光選択
部を取り付けるだけで、本発明による照明装置1a、1
bと同様に、高い消光比で、電子的に照明光の強さを変
えることができる。
【0082】また、上述した各実施の形態では、1枚の
液晶調光板8を使用して、光源部6、40から出射され
る可視光を強度変調するようにしているが、複数の液晶
調光板を重ねて使用して、複数の光学特性を合成した液
晶調光板や特定の光学特性を強調した液晶調光板を作成
し、この液晶調光板によって、光源部6、40から出射
される可視光を強度変調するようにしても良い。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項1の照明装置では、高い耐久性と、高い可動性とを
確保しながら、被写体を均一に照明することができると
ともに、照明光のスペクトル分布を変えることなく、弱
い光強度から強い光強度まで、高速に、かつ連続的に照
明光の光強度を変更することができる。
【0084】また、請求項2の照明装置では、装置全体
をコンパクトにして、装置の小型化、軽量化を図り、こ
れによって使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0085】また、請求項3の照明装置では、十分な耐
熱性を確保しながら、照明光の光強度を高速に、かつ連
続して可変することができるとともに、消光比を約10
0:1まで高めることができる。
【0086】また、請求項4、5の照明装置では、光源
から可視光のみならず、赤外光や紫外光が出射されて
も、これをカットして、液晶調光板に悪影響を与えない
ようにして、この液晶調光板の寿命を長くすることがで
きるとともに、赤外光や紫外光が被写体に照射されるの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による照明装置の一実施の形態を示す構
成図である。
【図2】図1に示す液晶調光板に光源用駆動電圧を印加
する前の動作例を示す模式図である。
【図3】図1に示す液晶調光板に光源用駆動電圧を印加
したときの動作例を示す模式図である。
【図4】本発明による照明装置の他の実施の形態を示す
構成図である。
【図5】本発明による照明装置の効果を確認するために
作製した照明装置の一例を示す構成図である。
【図6】図5に示す照明装置の印加電圧/透過率特性例
を示すグラフである。
【図7】図5に示す照明装置の波長/透過率特性例を示
すグラフである。
【図8】従来から知られている照明装置の一例を示す構
成図である。
【図9】従来から知られている照明装置の一例を示す構
成図である。
【図10】従来から知られている照明装置の一例を示す
構成図である。
【図11】従来から知られている照明装置の一例を示す
構成図である。
【図12】図11に示す照明装置の問題を解決すること
ができる照明装置の一例を示す構成図である。
【図13】図12に示す照明装置の問題を解決すること
ができる照明装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c:照明装置、2:光源用電源部、3:
筒状部材、4:閉止板、5:照明筐体、6:光源部、
7:調光用電源部、8:液晶調光板、9:非散乱光選択
部、10:光源用電源、11:リード線、12:光源、
13:反射鏡、14:透明基板、15:誘電体多層膜、
16:レンズ、17:調光用電源、18:リード線、1
9:透明基板、20:透明電極膜、21:透明基板、2
2:透明電極膜、23:液晶・樹脂複合体、25:レン
ズ、26:レンズアレー、27:小穴、28:衝立、2
9:レンズ、30:レンズアレー、31:液晶、32:
樹脂、40:光源部、41:光源、42:反射鏡、4
3:レンズ、44:透明基板、45:透明電極膜、4
6:放熱板、51:レンズ、52:衝立、53:小穴、
54:レンズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指定された光強度の照明光を発生して被
    写体を照明する照明装置において、 被写体を照明するとき、可視光を含む照明光を生成する
    光源と、 印加電圧に応じた散乱量で、前記光源から出射される照
    明光を散乱させる液晶調光板と、 平面状に配置された複数のレンズによって、前記液晶調
    光板で散乱された照明光を集光し、焦点位置以外に集光
    された照明光を遮断しながら、前記焦点位置に集光され
    た照明光を透過させた後、平面状に配置された複数のレ
    ンズを通して照明光にして出射させる非散乱光選択部
    と、 を備えたことを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の照明装置において、 前記光源と、前記液晶調光板と、前記非散乱光選択部と
    を1つの照明筒体内に組み込んだ、ことを特徴とする照
    明装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の照明装
    置において、 前記液晶調光板は、スポンジ状あるいは3次元のネット
    ワーク状に形成された透明な担体膜の連続した孔内にネ
    マチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
    晶、またはこれらネマチック液晶、コレステリック液
    晶、スメクチック液晶の混合液晶が充填された構造、あ
    るいは透明な担体膜中にネマチック液晶、コレステリッ
    ク液晶、スメクチック液晶、またはこれらネマチック液
    晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶の混合液晶
    を粒状に分散させた構造を持つ液晶・樹脂複合体を透明
    電極膜で挟んだ構造を持つ、 ことを特徴とする照明装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の照
    明装置において、 前記光源と前記液晶調光板との間に、前記光源から出射
    される赤外光もしくは紫外光あるいはこれらの両方を反
    射させるとともに、前記光源から出射される可視光を透
    過させ、これを照明光として、前記液晶調光板に入射さ
    せる誘電体多層膜を設けた、 ことを特徴とする照明装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3のいずれかに記載の照
    明装置において、 前記光源と前記液晶調光板との間に、前記光源から出射
    される赤外光もしくは紫外光あるいはこれらの両方を透
    過させるとともに、前記光源から出射される可視光を反
    射させ、これを照明光として、前記液晶調光板に入射さ
    せる誘電体多層膜を設けた、 ことを特徴とする照明装置。
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