JP3029725B2 - 撮影用照明装置 - Google Patents
撮影用照明装置Info
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- JP3029725B2 JP3029725B2 JP4015475A JP1547592A JP3029725B2 JP 3029725 B2 JP3029725 B2 JP 3029725B2 JP 4015475 A JP4015475 A JP 4015475A JP 1547592 A JP1547592 A JP 1547592A JP 3029725 B2 JP3029725 B2 JP 3029725B2
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Description
照明装置に係り、スペクトル分布を変えずに輝度を広範
囲に、かつ連続的に調節することが必要なテレビ撮影用
照明、映画撮影用照明、写真撮影用照明などに適用可能
な撮影用照明装置に関する。
装置に関するものであり、光源の前面に印加電圧で光散
乱状態が変化する液晶調光板を配置することにより、ス
ペクトル分布を変えずに、輝度を広範囲に連続的かつ高
速に制御できるようにしたものである。
ては以下に示す装置がある。
熱電球または放電灯などを使用し、光源2に印加する光
源用電源3の実効電圧を変えることにより、光源2から
放射し反射鏡1で反射した直進光13および光源2から
放射した直進光13の強度を変え輝度を制御する照明装
置(6はリード線)。
で、光吸収率の異なる複数の光減衰板20を切り替える
ことにより、光減衰板20を透過した直進光13の強度
を変え輝度を制御する照明装置(12は光減衰板20へ
の入射光)。
にすだれ状(ブラインド状)の遮光板21を配置して、
遮光板21の角度を変えて開口率を変化させることによ
り、輝度を制御する照明装置。
置(1),(2)および(3)には、以下に記述する欠
点があった。
用いた場合、供給電圧を下げて輝度を低くすると、可
視光のスペクトルが長波長側にシフトし、色温度が低下
するため、物体色が変化し(演色性の劣化)、さらに、
輝度の変化に要する速度(応答速度)が遅いなどの問
題がある。また、光源にキセノンランプなどの放電灯を
用いた場合、制御可能な電圧が放電維持に必要な点灯
電圧以上に制限されるため、輝度の変化量が少なく、ま
た、最適な放電維持電圧と異なる供給電圧で放電灯を
駆動するため、放電灯の寿命が短くなり、さらに、一
旦、消灯した場合、再点灯までに時間を要するなどの問
題がある。さらにまた、これらの(1)の照明装置の
調光装置では、いずれもSCR等の電子回路が用いられ
るため、高輝度光源を制御する場合、調光装置の大型
化、重量化および発熱量の増大が避けられない。
吸収により輝度を調整するため、光減衰板20が加熱
し劣化しやすく、そのため、強力な光源を使用でき
ず、高い輝度を実現できないし、さらに、連続的かつ
高速に調光することが困難、すなわち階調性や高速応答
性の欠如などの問題がある。
21を動かすため、高速に調光することが困難、遮光
板21の影ができ、照射部位の光強度が不均一になりや
すいなどの問題がある。
されたものであり、その目的とするところは、スペクト
ル分布を変えずに、輝度を広範囲に連続的にかつ高速に
制御し、高輝度で耐久性に優れ、かつ可動性に優れた撮
影用照明装置を提供することにある。
本発明は、メタルハライドランプまたはキセノンランプ
を含む光源と、0.5μm以上の大きさの液晶小滴を分
散させた構造または前記液晶小滴が互いに連結した海綿
体状の構造を有し、前記光源からの光を透過させる際に
印加電圧の変化に応答して当該光の散乱量が変化する少
なくとも1つの液晶調光板と、前記液晶調光板に、電圧
制御用に、30ヘルツ以上の周波数の交流電圧を印加す
る調光用電源と、前記光源と前記液晶調光板とを組み込
んだ筒体とを具えたことを特徴とする。
光散乱現象を利用しているため、調光時にスペクトル成
分の変化が少ない(従来の(1)の装置のの問題を解
決)。本発明では、光源が最適な電圧で駆動できるた
め、光源の寿命が長い(従来の(1)の装置のの問題
を解決)。液晶調光板は光を吸収しないため加熱しにく
く、耐光性、耐久性に優れる(従来の(2)の装置の
の問題を解決)。また、強力な光源を使用でき、高い輝
度を得ることができる(従来の(2)の装置のの問題
を解決)。液晶調光板の光透過率は印加電圧により連続
的に調節可能であり、輝度の階調性が得られる(従来の
(2)の装置のの問題を解決)。さらに、液晶調光板
の透過率の制御範囲が大きいため、輝度を大幅に制御す
ることができる(従来の(1)の装置のの問題を解
決)。また、液晶調光板の応答時間は液晶の配列変化を
利用しているため、1〜30ミリ秒と高速である(従来
の(1)の装置の、(2)の装置のおよび(3)の
装置のの問題を解決)。本発明においては、輝度は液
晶調光板で制御されるため、軽量小型の光源用電源を使
用できる(従来の(1)の装置のの問題を解決)。本
発明では、減光する場合、光源は点灯状態のままで、液
晶調光板の光透過率を下げればよいため、輝度を復帰さ
せるのに待ち時間を必要としない(従来の(1)の装置
のの問題を解決)。液晶調光板は均一に作製されるた
め、一様性の高い照度分布が得られる(従来の(3)の
装置のの問題を解決)。また、液晶調光板は薄型・軽
量でその形状を自由に変えられるため、光源,液晶調光
板,レンズおよび光学絞りなどを一つの筒体に組み込
み、可動性に富んだ照明装置を構成することができる。
説明する。
ると、本発明の実施例は、光を前方に反射する反射鏡1
の付いた光源2、光源2を点灯するための光源用電源
3、光散乱量により光透過率が変化する液晶調光板4、
液晶調光板4を制御するための調光用電源5を含む。光
源2は光源用電源3にリード線6を介して接続されてい
る。液晶調光板4は、透明な合成樹脂7に液晶8の小滴
が分散した液晶・樹脂複合体9を、各透明基板10A,
10Bに付着した2つの透明電極11A、11B間に挟
んだ構造を持ち、その2つの透明電極11A,11Bは
リード線61を介して調光用交流電源5に接続される。
この場合、複数の液晶調光板4を重ねて使用することも
可能である。光源2から放射されて、液晶調光板4の一
方の透明基板10Aに到達する入射光12は、液晶調光
板4により、直進光13と散乱光14になる。必要に応
じて、光が出射方向以外に漏れることを防止するため
に、光源2と液晶調光板4は、筒体15により一体化さ
れ、コンパクトな灯体を構成する。
キセノンランプが使用できる。ただし、紫外線は液晶・
樹脂複合体9を劣化させ、赤外線は調光板4を過熱する
おそれがあるため、紫外線および赤外線放射が抑圧され
た構造の光源2を用いることが望ましい。しかし、それ
らを多量に放射する光源2でも、紫外線や赤外線を反射
する誘電体多層膜16が付着された透明基板10Cを光
源2と液晶調光板4との間に配置することで、紫外線や
赤外線を除去することも可能である。
ては、図5に示すように紫外線や赤外線を透過する誘電
体多層膜60が付着された透明基板10Cを、光源2か
らの光を反射して入射光12(すなわち、紫外線や赤外
線を除いた光)が得られる位置に設けることもできる。
なお、その場合、放熱板62を筒体15に設けることに
より、誘電体多層膜60を透過する紫外線や赤外線によ
り生じる熱を外部に放出することができる。
波数は、フリッカ(ちらつき)防止のため、30Hz以
上が望ましい。
9は、液晶および樹脂の構成材料を混ぜ合わせて均質溶
媒にした後、光硬化、熱硬化、および反応硬化等の方法
を用いて、樹脂成分のみを硬化し、液晶を析出・凝集さ
せることで得られる。あるいは、液晶と樹脂を共通の溶
媒に溶解した後、溶媒成分だけを揮発させて上記構造の
液晶・樹脂複合体9を作ることも可能である。これらの
方法で液晶・樹脂複合体9を作製する場合、液晶小滴の
大きさは硬化速度が大きいほど微細になる。様々な波長
の可視光を均一に散乱させるには、液晶小滴の大きさは
0.5μm以上必要であるが、大きすぎると散乱量が減
少するため、実用的には0.5〜10μmが適当であ
る。また、樹脂に対して液晶の構成比が大きい場合、液
晶小滴が互いに連結した海綿体状の構造をなすこともあ
る。それ以外の液晶・樹脂複合体9の作製方法として、
多孔質樹脂に液晶を含浸させる方法もある。
性を持つため、膜厚の制御が容易であり、超大型の液晶
調光板4を作ることも可能である。なお、樹脂7が軟質
の場合には、液晶・樹脂複合体9の側面を支えるため
に、透明電極11A,11B間にスペーサを配設するこ
ともある。また、液晶・樹脂複合体9の膜厚は、十分な
光散乱を得るために5μm以上が好ましい。
常光屈折率n0 は、樹脂7の屈折率np と同等の値であ
る。さらに、液晶調光板4の光散乱現象は、液晶8の異
常光屈折率ne と樹脂7の屈折率np の差により生じる
ものであるから、液晶8の屈折率異方性Δn(=ne −
n0 )は可能な限り大きい方が有利である。そのため、
液晶8には屈折率異方性の大きなネマティック液晶、コ
レステリック液晶、スメクティック液晶、またはこれら
液晶の混合液晶を用いることができ、応答速度の面で
は、シアノビフェニル系のネマティック液晶が適してい
る。シアノビフェニル系のネマティック液晶と組合わせ
る樹脂7としては、屈折率np が1.52程度の透明な
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が最適で
ある。さらに、本装置は光源2で発生する熱の影響を受
け易いため、100℃以上の耐熱性を持つ液晶8と樹脂
7を用いることが望ましい。
4では、液晶8としてシアノビフェニル系混合ネマティ
ック液晶(常光屈折率n0 =1.525、異常光屈折率
ne=1.754)を使用し、樹脂7として、紫外線硬
化性のウレタン樹脂(屈折率np =1.524)を用い
た。液晶と樹脂材料の均質混合液(配合比1:1)に、
強度10mW/cm2 の紫外線(波長365nm)を照
射した場合、1〜3μm程度の液晶小滴を含む液晶・樹
脂複合体9が生成された。なお、透明電極11A,11
Bとしては、青板ガラス10A,10Bに付着したIT
O(In2 O3:Sn)を用いた。このような方法で試
作された液晶調光板4の有効面積および厚みは、それぞ
れ10X 10cmおよび10μmである。
る。
圧により点灯状態にあり、光源2から放射された無偏光
の可視光(380nm〜780nm)、すなわち入射光
12は、液晶調光板4により強度変調を受ける。
5の電圧振幅がゼロ、または低い場合、液晶・樹脂複合
体9の液晶8が電圧で駆動されないため、液晶分子の配
列方向(配向)は樹脂界面の規制力を受けて不規則であ
る。従って、液晶8の屈折率、特に異常光屈折率ne と
樹脂7の屈折率np の不整合から、入射光12は樹脂と
液晶の界面で散乱し、液晶調光板4は白濁する。そのた
め、入射光12は液晶調光板4を経て散乱光14となり
直進光13は減衰して、本照明装置の輝度は最小にな
る。
圧が調光用電源5から液晶調光板4に供給された場合、
液晶・樹脂複合体内部の液晶8は正の誘電率異方性Δε
を持つため、大部分の液晶分子は電界に平行に並ぶ。あ
らかじめ、液晶8の常光屈折率n0 を樹脂7の屈折率n
p に近似してあるため、入射光12は屈折率の差を感じ
ず、そのまま透過して直進光13となる。この時、液晶
調光板4は光の透過状態となり、本照明装置の輝度は最
大になる。
は連続的であるため、上記の調光は、調光用電源5の電
圧を変化させることにより、連続的に行うことが可能で
ある。また、液晶調光板4の応答時間は、液晶8の配列
変化を利用しているため、1〜30ミリ秒と高速であ
る。
た散乱光14を、光学レンズ17と光学絞り18からな
る光学機器19により除去することが可能である。その
場合、100:1以上の極めて高い調光比を得ることが
可能である。
本実施例である図4の装置を構成し、液晶調光板4の光
透過率と印加電圧の関係を測定した結果を図6に示す。
この時、最大の光透過率は80%であった。なお、応答
時間は、立上がり時間、立下り時間共に数ミリ秒であっ
た。また、印加電圧が小さい場合、および印加電圧が十
分に大きな場合の液晶調光板4の光透過率と波長の関係
を図7に示す。可視光全域にわたり、ほぼ平坦な特性が
得られており、電圧を印加した場合と印加しない場合
で、直進光のスペクトル成分がほとんど変化していない
ことが示されている。
光源と光散乱性の液晶調光板を組み合わせることによ
り、スペクトル分布を変えずに、輝度を広範囲に連続的
かつ高速に制御でき、高輝度で耐久性に優れた照明装置
を提供することができる。さらに、本照明装置の灯体は
コンパクトな構成を持つため、操作性、携帯性に優れて
いる。
テレビ撮影用照明、映画撮影用照明、写真撮影用照明な
どに好適である。
である。
が低い場合の動作を示す図である。
が十分に大きな場合の動作を示す図である。
図である。
を示す図である。
光透過率の関係を示す図である。
波長の関係を示す図である。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 メタルハライドランプまたはキセノンラ
ンプを含む光源と、 0.5μm以上の大きさの液晶小滴を分散させた構造ま
たは前記液晶小滴が互いに連結した海綿体状の構造を有
し、前記光源からの光を透過させる際に印加電圧の変化
に応答して当該光の散乱量が変化する少なくとも1つの
液晶調光板と、 前記液晶調光板に、電圧制御用に、30ヘルツ以上の周
波数の交流電圧を印加する調光用電源と、 前記光源と前記液晶調光板とを組み込んだ筒体とを具え
たことを特徴とする撮影用照明装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記液晶調光板は、100℃以上で動作可能な耐熱性液
晶および高分子材料を含み、且つ、ネマティック液晶、
コレステリック液晶、スメクティック液晶、またはこれ
らの液晶の混合液晶の常光屈折率と同等の屈折率を持つ
樹脂中に前記液晶または混合液晶を分散させた液晶・樹
脂混合体、または前記液晶中に前記樹脂を分散させた液
晶・樹脂混合体を透明電極で挟んだ構造を持つことを特
徴とする撮影用照明装置。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記光源と前記液晶調光板との間に、前記光源からの光
のうち、赤外線もしくは紫外線、あるいは両者を反射し
て、可視域の光のみを透過する誘電体多層膜を設置した
ことを特徴とする撮影用照明装置。 - 【請求項4】 請求項1または2において、 前記光源からの光のうち、赤外線もしくは紫外線、ある
いは両者を透過し、可視域の光のみを反射して前記液晶
調光板に導く誘電体多層膜を設けたことを特徴とする撮
影用照明装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記液晶調光板を透過した散乱光を除去する光学レンズ
と光学絞りとからなる光学機器を前記液晶調光板の外側
に配置したことを特徴とする撮影用照明装置。
Priority Applications (7)
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Publications (2)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP3029725B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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-
1992
- 1992-01-30 JP JP4015475A patent/JP3029725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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