JP4081706B2 - 吸塵装置付きミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は吸塵装置付きミシンに関するもので、詳しくは、ミシンベッド基部から突出された筒型ミシンベッド部の上面部に針板が取付けられ、かつ、内部にはルーパや布送り機構、メス機構等の縫いを構成するための部品が収納されているミシンによる偏平縫い等の縫製時に発生する糸くずや布くず等の塵埃が筒型ミシンベッド内に蓄積されることによる縫製不良や部品の破損等の発生、さらには、縫製時に塵埃が縫製箇所の周囲に飛散されることに伴う作業環境の悪化を防止するようにした吸塵装置付きミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ミシンによる縫製時には、特に針板の下部位置に設けられている布送り機構の送り台付近で糸くずや布くず等の塵埃が最も多く発生し、この塵埃がルーパや布送り機構、メス機構等の縫いを構成するための部品を内装している筒型ミシンベッド部の内部に飛散し蓄積すると、針糸やルーパ糸のループが所定どおりに形成されず目飛びなどの縫製不良を起こしやすいだけでなく、蓄積した塵埃が針やルーパ等の可動部品と干渉してそれら可動部品を変形あるいは損傷するなどの不良事態を招くことになる。このような縫製不良や不良事態の発生を防止する手段として、従来一般には、縫製中にミシンの作動を中断しエアーガンを用いて人手により筒型ミシンベッド部に空気を吹き付けることで蓄積した塵埃を飛散し除去するといった清掃手段が採られていたが、この場合は、エアーガンを手に持って空気を吹き付けるといった面倒で、かつ手数のかかる清掃作業が必要であるばかりでなく、縫製作業を度々中断するために縫製能率の低下を招きやすい。さらに空気の吹き付けに伴って飛散された塵埃が筒型ミシンベッド部の周囲に立ち籠って作業環境を悪化するという問題もある。
【0003】
このような従来一般の人手による清掃作業に代わる手段として、例えば実開平6−72579号公報等に開示されているように、筒型ミシンベッド部内に真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置に接続させたダクトやパイプの一端吸引口を開口接続させることにより、縫製時に筒型ミシンベッド部内で発生する塵埃を強制吸引させて該塵埃を筒型ミシンベッド部内から除去するように構成したものや、例えば米国特許第5,454,338号明細書に開示されているように、ミシンプーリと一体回転可能に設けられたファンで発生したエアーを潤滑油冷却用オイルクーラのラジエータに対して強制的に通過流動させた後にミシンベッド部内に吹き込むことにより、ミシンベッド部内を正圧に保持させて糸くずなどの塵埃がミシンベッド部内に侵入することを防止させるように構成したものが従来より提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、筒型ミシンベッド部内に発生する塵埃を強制吸引して除去したり、ミシンベッド部内へエアーを吹き込んで塵埃の内部侵入を防止したりするように構成された自動清掃装置(セルフクリーニング装置)を装備した従来のミシンによれば、縫製中にミシン作動を中断して空気を吹き付けるといった面倒で手数のかかる人手作業が不要であるとともに、清掃の度にわざわざミシンの作動を中断する必要がなく、縫製能率の低下を抑制することができるという利点を有する。
【0006】
しかしながら、上記従来のセルフクリーニング装置付きミシンのうち、前者の強制吸引式セルフクリーニング装置の場合は、筒型ミシンベッド部の内部でも吸引装置に接続されたダクトやパイプの一端吸引口の開口端に近い箇所と離れた箇所とで吸引力に差があり、その吸引力の差と開口端までの距離との関係からミシンベッド部内の吸引空気流が特定の道に沿って流れる、いわゆる偏流現象が発生することは避けられない。そのため、吸引空気の偏流領域に発生される塵埃は十分に吸引除去することができても、偏流領域から外れた箇所に発生される塵埃は吸引除去されず、ミシンベッド部内に残されて該ミシンベッド部内の角部等に蓄積されることになる。また、ミシンベッド部内における塵埃の蓄積量や蓄積形態等の状況変化によっては偏流領域も変動し、その結果、当初は塵埃の発生の最も多い針板の直下位置付近に最も強い吸引力が作用するように設定していても、偏流領域の変動に伴って最も強い吸引力が作用する位置が変化して最も塵埃発生の多い針板下部の布送り機構の送り台付近に対する吸塵性能を十分に発揮させることができなくなるという問題があった。
【0007】
一方、後者のエアー吹き込み式セルフクリーニング装置の場合も、エアー吹込口の開口端位置とミシンベッド部の隙間の位置及び大きさ等によってミシンベッド部内に吹き込まれたエアー流に偏流現象が発生してミシンベッド部内の全域を均等な正圧に保持することが難しい。そのために、塵埃の一部がミシンベッド部内に侵入し蓄積することは避けられない。その上、ミシンベッド部内から外部に向けて常に塵埃を含んだエアー流が吹き出されることになるため、縫製作業者に非常に不衛生な作業環境下での作業を強いるという問題があった。
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、作業環境を悪化することなく、針板下部に最も多く発生される塵埃を常に効率よく吸引除去して筒型ミシンベッド部内の塵埃蓄積量を最少限に止めることができる吸塵装置付きミシンを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る吸塵装置付きミシンは、上面部に針板が取付けられ、かつ、内部に縫いを構成する部品が収納されてミシンベッド基部から突出された筒型ミシンベッド部内に、平面視で略L字形状に屈曲された角筒型の吸気管の先端側管部分が針板の下部に挿設され、この吸気管の先端側管部分の先端部上面に針板の下部に発生される塵埃を含んだ気流を吸い込み可能な吸引口が形成されているとともに、その先端吸引口よりも吸気下流側の管部分の側面上部寄り位置にルーパ糸道付近で発生される塵埃を含んだ気流を吸い込み可能な中間吸引口が形成されている一方、上記ミシンベッド基部の内部でその横幅方向の一端側には前後方向に沿った空気流路が形成され、この空気流路の前端部に一端を開口接続させた屈曲短尺パイプの他端をミシンベッド基部の前端近くの側面部に開口接続させることにより、上記空気流路及び前記屈曲短尺パイプにより強制空気導入路を形成し、この強制空気導入路から上記ミシンベッド基部内を経て筒型ミシンベッド部内の下方部に導入される空気流を筒型ミシンベッド部内において上記吸気管の先端吸引口及び中間吸引口に向けて強制上昇流動させることによって、上記両吸引口に直接に吸い込まれずに筒型ミシンベッド内を下方に落下飛散する残りの塵埃を上昇空気流と共に両吸引口付近に導いて上記吸気管内に吸い込ませることが可能な強制空気導入手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
上記のような構成の請求項1に記載の発明によれば、筒型ミシンベッド部内に挿設された吸気管の先端吸引口を針板の下部に配置することにより縫製時に最も多くの塵埃を発生する布送り機構の送り台付近に最も強い吸引力が作用することになり、筒型ミシンベッド部内に発生される塵埃の大部分は吸引気流と共に吸気管内に吸い込まれて除去される。また、縫製時に布送り機構の次に多くの塵埃を発生するルーパ糸道付近にも中間吸引口を介して強い吸引力を作用させてルーパ糸と糸道との擦れに伴い発生される塵埃を含んだ気流は吸気管内に強力かつ効率よく吸い込まれて除去される。同時に、筒型ミシンベッド部の下方位置から該ミシンベッド部内に導入された空気を吸引力の強い先端吸引口及び中間吸引口に向けて強制上昇流動させることにより、先端吸引口及び中間吸引口に直接に吸い込まれずに筒型ミシンベッド部内を下方に落下飛散する残りの塵埃は上昇空気流と共に先端吸引口及び中間吸引口付近に導かれたのち吸気管内に吸い込まれて除去される。このように、塵埃発生の最も多い針板下部付近での強力な吸い込み作用とそれよりも下方位置から導入され筒型ミシンベッド部内を上昇流動する強制空気流の循環作用との相乗作用によって、筒型ミシンベッド部内に最も多く発生する塵埃を確実かつ効率よく吸引除去するセルフクリーニング機能が発揮され、長時間に亘る連続縫製においても塵埃の蓄積量を最少限に止めて縫製不良の発生や針やルーパ等の可動部品の変形や破損といった不良事態の発生を極力防止することが可能である。
【0011】
【0012】
上記請求項1に記載の発明に係る吸塵装置付きミシンにおいて、筒型ミシンベッド部内に上昇強制空気流を生起させるための空気流導入路として、請求項2に記載したように、ミシン主軸に連結された冷却ファンにより発生されミシンベッド基部下方に配置されている潤滑油収納部へ送給される冷却用空気流から分離された一部の冷却用空気流を上記空気流路に導入するように構成したものを用いることによって、潤滑油の冷却のためにミシンに本来的に備えられている冷却ファンにより発生される冷却用空気流の一部を、上述のような効率よいセルフクリーニング機能に有効に活用することが可能となり、ミシン全体の低コスト化、小型化を図りつつ、セルフクリーニグ機能の向上を達成することができる。
【0013】
また、上記構成の吸塵装置付きミシンにおいて、請求項3に記載のように、平面視で略L字形状に屈曲された吸気管を、その基端部が筒型ミシンベッド部のミシンベッド基部側寄り端部の外部に突出位置させて取付ける構成を採用することによって、吸気管及びそれに吸引力を作用させるための真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置に接続されたパイプとの接続部を縫製作業の邪魔にならない箇所に配置することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る吸塵装置付き筒状ベッド型複数本針偏平縫いミシンの一部切欠き正面図、図2は同ミシンの要部の拡大一部切欠き平面図、図3は要部の拡大一部切欠き左側面図、図4は要部の拡大一部切欠き正面図、図5は要部の拡大背面図である。
【0015】
これら各図において、1はミシンアーム部で、その先端部1Aには軸受2を介して針棒3が上下方向に往復運動可能に支持されていると共に、該針棒3の下端部には針止め4を介して複数本の針5が取り付けられている。上記ミシンアーム部1の水平部1Bの内部には上記先端部1A内に設けた周知の針棒駆動機構6を介して上記針棒3を上下に往復駆動運動させるための駆動用上軸7が挿通支持されており、この駆動用上軸7の右側方への突出端部にはハンドホイール8が固定されている。
【0016】
9は筒型ミシンベッド部で、上記ミシンアーム部1の基端部1Cの下部から該ミシンアーム部1と平行状態で左側方へ延設されたミシンベッド基部10の先端に一体に固着して左側方へ突出されており、この筒型ミシンベッド部9の上面部には針板取付板32を介して針板11が固定されているとともに、内部にはルーパ、布送り機構等の縫いを構成するための部品(周知であるため、詳細な説明および図示は省略する)が収納されている。この筒型ミシンベッド部9とミシンベッド基部10及び上記ミシンアーム部1により偏平縫いミシンのミシン本体12が構成されている。
【0017】
上記筒型ミシンベッド部9内には、取付板41を介して平面視で略L字形状に屈曲された角筒型の吸気管40が、図2〜図4に示すように、その基端部40Aを筒型ミシンベッド部9のミシンベッド基部10側寄り端部、つまり、後端部の背面外部に突出位置させ、かつ、先端部を含む残りの管部分40Bを針板11の下部で布送り機構(図示省略)の作動の支障とならないように僅かに右側に変位した箇所に位置させて挿入固定されている。
【0018】
この吸気管40の先端部上面には、針板11の下部に発生される糸くずや布くず等の塵埃を含んだ気流を太線矢印aに示すように吸い込み可能な吸引口42が形成されているとともに、この先端吸引口42よりも吸気下流側の管部分40Bの側面上部寄り位置には、筒型ミシンベッド部9内に開口してルーパ糸道(周知であるため、図示は省略する)付近で発生される糸くず等の塵埃を含んだ気流を太線矢印bに示すように吸い込み可能な中間吸引口43が形成されている。なお、吸気管40の基端部40Aは図示省略したパイプやダクトを介して真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置に接続されている。
【0019】
一方、上記ミシンベッド基部10の下面側には後述する冷却用空気流との間接熱交換によって収納潤滑油を冷却保持するように構成された潤滑油収納部(一般にオイルパンと呼称されるもので、以下、オイルパンと記載する)13が配置固定されている。また、上記ミシンベッド基部10内に軸受15を介して回転自在に支承されたミシン主軸14の右端部は右側方へ突出されており、その突出右端部に図外のモータによる駆動回転力を受動するミシンプーリ16が固定されている。このミシン主軸14と上記駆動用上軸7とはタイミングベルト17を介して連動連結されている。
【0020】
上記ミシン主軸14には上記ミシンプーリ16と一体回転可能に冷却用ファン18が固定され、このファン18の外周を取り囲み、かつ、右側方に向けて開放するファンケーシング19が上記ミシンベッド基部10の右側方で上記ミシンアーム部1の基端部1Cの後面に取り付けられ、このファンケーシング19により形成される冷却用空気流通路20が上記オイルパン13の後部に形成された空気流受入部21に連通接続されており、これによって、上記ファン18の回転により発生された冷却用空気流が上記空気流受入部21を経て上記オイルパン13に送給されて潤滑油を間接熱交換により冷却するように構成されている。
【0021】
上記ミシンベッド基部10の内部でその横幅方向の一端側には前後方向に沿った空気流路28が形成されており、この内部空気流路28の後端側の一部を内方に屈曲させて上記冷却空気流通路20に開口接続することにより、冷却用ファン18により発生される冷却用空気流から分離された一部の空気が内部空気流通路28内を図2の矢印c方向に向けて流動するように構成されている。
【0022】
この内部空気流路28の前端部には気密用フランジ29を介して屈曲短尺パイプ30が開口接続されているとともに、この屈曲短尺パイプ30の前端部は気密用フランジ31を介して上記ミシンベッド基部10の前端近くの側面部に開口接続されており、上記ミシンベッド基部10の内部に形成の内部空気流路28と上記屈曲短尺パイプ30とにより、上記冷却用ファン18で発生され、かつ、分離された冷却用空気流の一部を上記ミシンベッド基部10内を経て上記吸気管40における先端吸引口42及び中間吸引口43よりも下方の筒型ミシンベッド部9内に導入させてその導入空気を太線矢印dに示すように吸気管40の先端吸引口42及び中間吸引口43に向けて強制流動させることが可能な強制空気流導入路32が構成されている。
【0023】
上記のように構成された吸塵装置付き筒状ベッド型複数本針偏平縫いミシンにおいては、図外のモータによる駆動回転力がミシンプーリ16を介してミシン主軸14に伝達されると共に、このミシン主軸14の回転力がタイミングベルト17を介して駆動用上軸7に伝達され、これによって、針棒駆動機構6を介して上記針棒3が上下に往復駆動運動されて針5が上下方向に往復運動すると同時に、ミシンベッド部9内に収納されているルーパ、布送り機構等の縫いを構成するための部品が作動して所定の縫製が行なわれる。
【0024】
この縫製時において、図示省略する真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置を作動させて吸気管40内に吸気流を発生させることによって、先端吸引口42及び中間吸引口43それぞれには吸気管40内に向けて太線矢印a及びbに示すような気流が強く吸い込まれており、針板11の直下での布送り機構の作動に伴い筒型ミシンベッド部9内の送り台付近に発生される多量の糸くずや布くず等の塵埃の大部分及びルーパ糸道付近に発生される糸くず等の塵埃は吸引気流と共に先端吸引口42及び中間吸引口43から吸気管40内に吸い込まれて除去される。
【0025】
同時に、ミシン主軸14の駆動回転に伴いミシンプーリ16と一体回転する冷却用ファン18により冷却空気流通路20内に発生される冷却用空気流のうちの主流は、空気流受入部21を経て上記オイルパン13に送給され、潤滑油との間接熱交換により潤滑油を冷却する一方、冷却空気流通路20内に発生され分離された冷却用空気流の一部は、ミシンベッド基部10の内部空気流路28及び屈曲短尺パイプ30により形成される空気流導入路32からミシンベッド基部10内を経て筒型ミシンベッド部9内の下方部に導入された後、この筒型ミシンベッド部9内において太線矢印dに示すように上記吸気管40の先端吸引口42及び中間吸引口43に向けて強制上昇流動されることになり、これによって、吸引口42,43に直接に吸い込まれずに筒型ミシンベッド部9内を下方に落下飛散する残りの塵埃は上昇空気流と共に吸引口42,43付近に導かれたのち吸気管40内に吸い込まれて除去される。
【0026】
上述のように、縫製に伴って最も多くの塵埃を発生する針板11の下部付近及び次に多くの塵埃を発生するルーパ糸道付近での強力な吸い込み作用とそれよりも下方位置の筒型ミシンベッド部9内に導入させて該ミシンベッド部9内を上昇流動する強制空気流の循環作用との相乗作用によって、筒型ミシンベッド部9内に多量に発生する塵埃を確実かつ効率よく吸引除去するセルフクリーニング機能を発揮させて、長時間に亘る連続縫製においても塵埃の蓄積量を最少限に止め縫製不良の発生や針やルーパ等の可動部品の変形や破損といった不良事態の発生を極力防止することが可能である。
【0027】
また、塵埃の吸い込みによるセルフクリーニング機能を高めるべく筒型ミシンベッド部9内に強制上昇気流を生起させるための導入空気として、潤滑油の冷却のために偏平縫いミシンが本来的に備えているところの冷却用ファン18により発生される冷却用空気流の一部を分離して利用することによって、強制空気導入のための特別な装置を全面的に追設する必要がなく、ミシン全体の低コスト化、小型化を図りつつ、セルフクリーニグ機能の向上を達成することができる。
【0028】
また、平面視で略L字形状に屈曲された吸気管40を使用し、その基端部40aが筒型ミシンベッド部9のミシンベッド基部10側寄り端部の外部に位置し、かつ、先端部を含む残りの管部分40Bが針板11の下部に位置するように筒型ミシンベッド部9内に挿設することによって、吸気管40及びそれに吸引力を作用させるための真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置に接続されたパイプとの接続部が縫製作業の邪魔にならず、縫製作業を通常通り容易に行なうことができる。
【0029】
なお、ミシンの作動状態での縫製開始のためのミシンペダルの踏み込み操作に連動して真空ポンプや吸引ブロワなどの吸引装置を同期作動させて縫製開始と同時に吸塵作用が開始されるように構成することが望ましいが、吸引装置の作動停止については、ミシンペダルを踏み込み位置から中立位置に戻す操作を行なってもミシンの作動が停止されるまでは吸引装置の作動を保持させるように構成したり、あるいは、ディレータイマーを用いてミシンペダルを踏み込み位置から中立位置に戻し操作した後の設定時間、さらにはミシンの作動停止後の設定時間に亘り吸引装置の作動を保持させるように構成することが好ましい。このように縫製後も吸引装置の作動を保持させる構成とすることにより、塵埃の吸引除去時間を長くしてセルフクリーニング機能を一層高めることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、筒型ミシンベッド部内で縫製時に塵埃を最も多く発生する針板の下部に吸気管の先端吸引口を、次に多く発生するルーパ糸道付近に中間吸引口を配置し、それよりも下方位置から筒型ミシンベッド部内に導入した空気を先端吸引口及び中間吸引口に向けて強制上昇流動させるようにしているので、針板の下部付近での強力な吸い込み作用と筒型ミシンベッド部内を強制上昇流動する空気流を介しての塵埃の循環作用との相乗によって、筒型ミシンベッド部内に多量に発生する塵埃を確実かつ効率よく吸引除去する非常に優れたセルフクリーニング機能を発揮させることができ、これによって、長時間に亘る連続縫製においても筒型ミシンベッド部内への塵埃の蓄積量を最少限に止め縫製不良の発生や針やルーパ等の可動部品の変形や破損といった不良事態の発生を極力防止することができるという効果を奏する。
【0031】
【0032】
また、請求項2に記載の構成を採用する場合は、上記効果に加えて、潤滑油の冷却のためにミシンが本来的に備えている冷却用ファンにより発生される冷却用空気流のうち一部を効率よいセルフクリーニング機能に有効に活用することが可能となり、ミシン全体の低コスト化、小型化を図りつつ、セルフクリーニグ機能の向上を達成することができる。
【0033】
さらに、請求項3に記載の構成を採用することにより、吸気管を縫製作業の邪魔にならないように設置し、通常どおり容易に縫製作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る吸塵装置付き筒状ベッド型複数本針偏平縫いミシンの一部切欠き正面図である。
【図2】 同上ミシンの要部の拡大一部切欠き平面図である。
【図3】 同上ミシンの要部の拡大一部切欠き左側面図である。
【図4】 同上ミシンの要部の拡大一部切欠き正面図である。
【図5】 同上ミシンの要部の拡大背面図である。
【符号の説明】
9 筒型ミシンベッド部
10 ミシンベッド基部
11 針板
13 オイルパン(潤滑油収納部)
14 ミシン主軸
18 冷却用ファン
28 空気流路
30 屈曲短尺パイプ
32 強制空気流導入路
40 吸気管
40A 吸気管の基端部
42 先端吸引口
43 中間吸引口
Claims (3)
- 上面部に針板が取付けられ、かつ、内部に縫いを構成する部品が収納されてミシンベッド基部から突出された筒型ミシンベッド部内に、平面視で略L字形状に屈曲された角筒型の吸気管の先端側管部分が針板の下部に挿設され、この吸気管の先端側管部分の先端部上面に針板の下部に発生される塵埃を含んだ気流を吸い込み可能な吸引口が形成されているとともに、その先端吸引口よりも吸気下流側の管部分の側面上部寄り位置にルーパ糸道付近で発生される塵埃を含んだ気流を吸い込み可能な中間吸引口が形成されている一方、
上記ミシンベッド基部の内部でその横幅方向の一端側には前後方向に沿った空気流路が形成され、この空気流路の前端部に一端を開口接続させた屈曲短尺パイプの他端をミシンベッド基部の前端近くの側面部に開口接続させることにより、上記空気流路及び前記屈曲短尺パイプにより強制空気導入路を形成し、この強制空気導入路から上記ミシンベッド基部内を経て筒型ミシンベッド部内の下方部に導入される空気流を筒型ミシンベッド部内において上記吸気管の先端吸引口及び中間吸引口に向けて強制上昇流動させることによって、上記両吸引口に直接に吸い込まれずに筒型ミシンベッド内を下方に落下飛散する残りの塵埃を上昇空気流と共に両吸引口付近に導いて上記吸気管内に吸い込ませることが可能な強制空気導入手段が設けられていることを特徴とする吸塵装置付きミシン。 - 上記強制空気導入手段が、ミシン主軸に連結された冷却ファンにより発生されミシンベッド基部下方に配置されている潤滑油収納部へ送給される冷却用空気流から分離された一部の冷却用空気流を上記空気流路に導入するように構成されたものである請求項1に記載の吸塵装置付きミシン。
- 上記平面視で略L字形状に屈曲された吸気管は、その基端部が筒型ミシンベッド部のミシンベッド基部側寄り端部の外部に突出位置させて取付けられている請求項1または2に記載の吸塵装置付きミシン。
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