JP4080578B2 - ガラス転位温度の低い難燃性ポリエステルカーボネート - Google Patents

ガラス転位温度の低い難燃性ポリエステルカーボネート Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は熱可塑性樹脂組成物、より詳しくは改善された難燃性コポリエステルカーボネート樹脂組成物に係わる。
従来技術の簡単な記述
芳香族コポリエステルカーボネート樹脂はエステル前駆体の存在下での二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により一般に調製されている周知の類の合成重合体樹脂である。例えば、米国特許第3,169,121号を参照されたい。このような樹脂は広い範囲の成形条件で熱可塑的に成形可能であることが分かっているが、しかし商業的な成形作業には選りすぐられたコポリエステルカーボネート樹脂組成物しか有用とされていない。これはその溶融流動挙動に関連した熱可塑性樹脂に対する加工性の要件に原因している。
【0002】
更に、所与のコポリエステルカーボネート樹脂は首尾良い熱成形品に対して要求される物理的特性を持ちうるが、この製品物品は別に要求されるある種の他の物理的特性に欠けていることがある。例えば、この成形物品には特に低温における所望程度の衝撃強さに欠けていることがある。
当業者には特定の類のポリエステルカーボネート樹脂は低下されたガラス転位温度(Tg)および改善された低温衝撃強さを示すことが知られている。
【0003】
比較的に高いガラス転位温度(180℃またはそれ以上の程度)を有する溶融加工の可能なコポリエステルカーボネートが米国特許第4,310,652号(DeBons等に対する1982年1月12日付け特許)に記載されている。本発明に用いられている用語「低いガラス転位温度」または「低下されたTg」は145℃より低いTgを意味する。
【0004】
低いTgのポリエステルカーボネートから誘導される特性はこの材料を事務機器およびその他の用途に対するハウジングおよび部品を成形する際の使用に適合させる。しかし、これらの用途に対する必要条件の一つは難燃性であり、上記のポリエステルカーボネート樹脂はこの難燃性を本質的に具備しない。ここに、本発明者等は特定の難燃剤を組み合わせて加えることにより低いTgのポリエステルカーボネートに難燃性を付与しうることを見出した。この選択された特定の組合せはこの熱可塑性樹脂ブレンドの溶融安定性のような他の所望される特性に悪影響を与えることはない。
【0005】
発明の要約
本発明は、式
【0006】
【化6】
Figure 0004080578
【0007】
(式中、Dはその調製重合反応に使用された二価フェノールの二価の芳香族残基である)の反復カーボネート構造単位および式
【0008】
【化7】
Figure 0004080578
【0009】
(式中、nは0−36、好ましくは6−12の範囲の整数である)の繰り返しまたは反復カルボキシル鎖単位から構成される重合体主鎖を有するコポリエステルカーボネートと、難燃割合の、
(i)ハロゲン化ポリカーボネート樹脂、
(ii)ジフェニルスルホンスルホン酸カリウムおよび
(iii )滴下抑制割合のポリテトラフルオロエチレン
の混合物と、の成形可能な熱可塑性樹脂ブレンドを提供する。
【0010】
本発明はこの本発明の組成物から熱成形された物品をも包含する。この本発明の物品は工具および機器のハウジング、自動車の構造部品等に有用である。
本発明の好適な具体例の詳細な記述
上記式(I)の重合体主鎖構造単位は二価フェノールから誘導される。低いTgのポリエステルカーボネートの調製に使用しうる二価フェノールの代表的なものは、式
【0011】
【化8】
Figure 0004080578
【0012】
(式中、Aは1−約15個の炭素原子を有する二価の炭化水素基、1−約15個の炭素原子およびハロゲンのような置換基を有する置換された二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−S(=O)−、−S(=O)2 −、−O−または−C(=O)−)であり、各Xは水素、ハロゲン、1−約8個の炭素原子を有するアルキル基、6−18個の炭素原子を有するアリール基、7−約14個の炭素原子を有するアルアルキル基、7−約14個の炭素原子を有するアルカリール基、1−約8個の炭素原子を有するアルコキシ基または6−18個の炭素原子を有するアリールオキシ基のような一価の炭化水素基からなる群から個々に選ばれ、mは0または1であり、そしてaは0−5の範囲の整数である)のものである。
【0013】
本発明の実施に使用することができる二価フェノール(III )の幾つかの代表的なものは、ビス−フェノール例えば(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−Aとしても知られる)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン;二価フェノールエーテル例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ジヒドロキシジフェニル例えばp,p′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニル;ジヒドロキシアリールスルホン例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ジヒドロキシベンゼン例えばレゾルシノール、ヒドロキノン、ハロ−およびアルキル−置換ジヒドロキシベンゼン例えば1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン;およびジヒドロキシジフェニルスルフィドおよびスルホキシド例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドおよびビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドである。更に追加の二価フェノールが各種入手可能でありそして米国特許2,999,835;3,028,365;および3,153,008に開示されている。2種またはそれ以上の異なる二価フェノール、あるいは二価フェノールとグリコールとの組合せを使用することができることはもとより当然である。
【0014】
使用される二価フェノールにおいて、その反応性基はその2つのフェノール性ヒドロキシル基である。
上記式(II)のカルボキシル鎖単位は、フェノールまたはカルボン酸分子部分に対してクロロホーメート末端基を過剰に生成する条件下で、式
HOOC−(−CH2−)n−COOH (IV)
(nは上記に定義の通り)の脂肪族ジカルボン酸またはその対応する塩(エステル前駆体)から誘導される。
【0015】
式(IV)のジカルボン酸の代表的なものは、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、こはく酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸のジカルボン酸等および重合体脂肪酸である。時として当業界で「ダイマー酸」と呼ばれる重合体脂肪酸は脂肪酸の重合から得られる複雑な混合物である。重合体脂肪酸の代表的なものはトール油脂肪酸の重合から商業的に得られているものである。これらの重合体脂肪酸の代表的な組成は次の通りである。
【0016】
Figure 0004080578
分別されていない重合体脂肪酸中のモノマー、ダイマーおよびトリマーの相対的な比は出発物質の性質および重合の条件に依存する。脂肪酸の重合方法は例えば米国特許第3,157,681号に記載されている。これらの好ましい酸の調製方法は周知でありこれらは商業的に容易に入手できる。
【0017】
本発明に使用できる好ましいジカルボン酸はアゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸のような少なくとも6個の炭素原子そしてより好ましくは6−12個の炭素原子を有する直鎖の脂肪族二酸である。
上記式(IV)のジカルボン酸は遊離のジカルボン酸(IV)またはそれらの反応性のアルカリ金属誘導体即ち塩の形態で使用される。ここでの重合プロセスに使用できるジカルボン酸のアルカリ金属塩はアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類から選ばれるアルカリ金属塩のいずれでもよい。特にこれらには、上記式(IV)のジカルボン酸のカリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属塩が含まれる。
【0018】
これらのジカルボン酸の塩誘導体の混合物を使用することができる。それ故に、用語「ジカルボン酸」が本明細書中に使用される場合、この用語は式(IV)のジカルボン酸の2種又はそれ以上の塩の混合物を含むものと理解されるべきである。
ポリエステルカーボネートの調製においては、第一段階において、二価フェノールまたは二価フェノールと脂肪族ジカルボン酸(IV)の混合物をホスゲン化して各種のオリゴマーおよび未反応の出発物質と共に対応するクロロホーメートを含有するプレポリマー反応混合物を形成する。ホスゲン化は不活性有機溶媒の存在下で実施するのが有利である。この不活性溶媒はエステル化反応に介入せずあるいはホスゲン化の所望の過程に悪影響を及ぼさないものである。
【0019】
このような溶媒の代表的なものにはメチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン等が含まれる。
不活性溶媒中での二価フェノール(III )のホスゲン化は脂肪族ジカルボン酸(IV)または上記のその塩の存在下で行うこともできる。事実、重合触媒またはいかなる分子量調節剤を重合に有効な割合で含むべきでないこと以外は、ホスゲン化工程はコポリエステルカーボネート樹脂を得るための界面重合に対する全ての反応物質を含んだ反応混合物内で行うことができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属水溶液を加えることにより8−11、好ましくは8.5−10.0の範囲内のpHでホスゲン化反応をは行うと有利である。アルカリ金属およびアルカリ土類金属水溶液の代表的なものは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの水溶液である。それ故にホスゲン化反応によりオリゴマー状のビスクロロホーメート中間体が生成され、これが次いで引き続く重合反応においてジカルボン酸分子部分または残っているフェノール種のいずれかと反応する。
【0020】
オリゴマー状ビスクロロホーメート中間体を生成するホスゲン化反応に第三アミンを酸受容体として存在させることができる。しかしながら、これを重合触媒として機能する量で存在させるべきではない。一般に酸受容体としては反応混合物の約50ppmで十分である。
ホスゲン化反応は0−100℃の範囲の温度、好ましくは反応混合物のほぼ環流温度で有利に進行する。この反応は発熱反応なので、ホスゲンの添加速度を利用して反応温度を制御することができる。必要とされるホスゲンの量は一般に存在する多官能性有機反応物質化合物の量に依存する。
【0021】
このプロセスの第二段階では、二価フェノール(III )のホスゲン化(第一段階)の反応生成物をカーボネート形成試薬および適当な分子量調節剤との重合にかけられる。
脂肪族ジカルボン酸が第一段階で加えられていない場合は、これをカーボネート形成試薬を加える前に加えるべきである。
【0022】
これには重合を促進するための従来技術の触媒を触媒的な割合で使用する。この触媒およびその割合は例えば米国特許第4,983,706号に記載されている。
一般に、重合触媒の有効な量は第一段階に使用された二価フェノール(III )の約0.75乃至約3.0モル%の範囲内である。
【0023】
使用される触媒はクロロホーメートとカーボネート形成試薬との重合速度を加速する。代表的な触媒は限定されるわけではないが第三アミン、ホスホニウム触媒等が包含される。トリエチルアミンが好ましい触媒である。
カーボネート前駆体はカルボニルハライドまたはビスハロホーメートのいずれでもよい。カルボニルハライドには臭化カルボニル、塩化カルボニルおよびこれらの混合物が含まれる。ビスハロホーメートには2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、ヒドロキノン等のビスクロロホーメートのような二価フェノールのビスハロホーメートあるいはエチレングリコール等のビスハロホーメートのようなグリコールのビスハロホーメートが含まれる。上記のカーボネート前駆体の全てが有用であるが、ホスゲンとしても知られる塩化カルボニルが好ましい。
【0024】
第一段階でのホスゲンの枯渇の後そしてカーボネート形成試薬の添加に先立ち、重合反応に分子量調節剤を加えることが必要である。この分子量調節剤はビスクロロホーメート中間体を部分的にキャップする作用をし、これによりポリエステルカーボネート生成物樹脂の全体の重量平均分子量を制限する。
このプロセスに使用できる分子量調節剤にはフェノール、クロマン−I[4−(2,4,4−トリメチル−クロマニル)フェノール]、p−t−ブチルフェノール、4−p−クミルフェノール等のような一価のフェノール類が包含される。分子量調節剤としてはフェノールまたは4−p−クミルフェノールを使用するのが好ましい。1,000−50,000センチ秒、好ましくは5,000−30,000センチ秒の修正メルトフロー値(KI)を与えるような効果的な量の分子量調節剤を使用することができる。一般に、分子量調節剤としては第一段階で使用したフェノールの2−5モル%、より好ましくは2.5−4.5モル%使用するのが好ましい。
【0025】
重合反応の温度は約0−100℃、好ましくは0−50℃の範囲内に維持するのが有利である。重合はアルカリ溶液の添加により10−12.5の範囲のpHで行うのが有利である。
コポリエステルカーボネート樹脂を調製するのに使用される他の反応物質の割合は生成物樹脂の提案される用途により変動しよう。上記に引用した諸米国特許明細書に記載されているようにこの有用な割合は当業者が知っている。一般にエステルの量はカーボネートに対して約1乃至約45モル%である。例えば、ビスフェノール−A6モルが二酸4モルと完全に反応するとエステル40モル%のコポリエステルカーボネートを与えることになろう。
【0026】
本発明の更なる具体例には本発明のコポリエステルカーボネート樹脂と混合して少量(50重量%未満)のポリカーボネートホモポリマーを含有する熱可塑性樹脂成形組成物のブレンドが包含される。
ポリカーボネートホモポリマー樹脂およびその界面重合による調製方法は周知であり、例えば米国特許3,028,365;3,334,154;3,275,601;3,915,926;3,030,331;3,169,121;3,027,814;4,188,314;4,737,573;および4,743,676に詳細に記載されている。
【0027】
本発明の方法により調製される樹脂は分岐させることもできる。
樹脂の分岐は分岐剤である多官能性有機化合物を含めることにより生ずる。使用される多官能性有機化合物は例えば1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリメリト三酸または類似の剤でよい。分岐剤はメチレンクロライド中25℃で測定して約0.3−1.0dl/gのIVを有する分岐芳香族コポリエステルカーボネートを形成するために使用される。これらの分岐コポリエステルカーボネートは実質的に架橋を含まない。
【0028】
本発明の分岐コポリエステルカーボネートの調製においては、二価フェノールおよびカーボネート前駆体と反応される分岐剤の量は使用量が実質的に架橋を含まない真に熱可塑性のランダムに分岐した樹脂を生成するのに十分でなければならないという程度において臨界的である。分岐剤の使用量が使用する二価フェノールのモル数に基づいて0.01モル%未満だと、得られるポリマーは吹込成形および/または溶融押出の目的に望まれる程度の非ニュートン溶融特性示さない。好ましくは、二価フェノールの全モル数に基づいて0.01乃至約3.0、特に0.01−1.0モル%の分岐剤を使用することが望ましい。
【0029】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のコポリエステルカーボネート樹脂を、例えば、酸化防止剤、静電防止剤、不活性充填剤(例えばガラス、タルク、雲母および粘土)、紫外線吸収剤(例えばベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等)、加水分解安定剤(例えば米国特許3,489,716;4,138,379;および3,839,247に開示されているエポキシド)、耐衝撃性改良剤、色安定剤(例えば有機ホスファイト)、熱安定剤(例えばホスファイト)および離型剤のような従来慣用されている成形助剤と混合することにより、配合することもできる。
【0030】
ハロゲン化ポリカーボネート樹脂、ジフェニルスルホンスルホン酸塩および滴下抑制割合のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物を難燃割合で添加することにより本発明の熱可塑性樹脂ブレンドに難燃性を付与する。ハロゲン化ポリカーボネート樹脂として好適なのはテトラブロモビスフェノールポリカーボネートである。
【0031】
テトラブロモビスフェノールポリカーボネートは、テトラブロモビスフェノール−Aとホスゲンから製造されるホモポリカーボネートあるいは部分的割合のテトラブロモビスフェノール−Aと部分的割合のビスフェノール−Aを使用して製造されるコポリカーボネートのうちのいずれでもよい。ハロゲン化ホモポリカーボネートは例えばGreat Lakes Chemical Corp.からBC-52およびBC-58として入手することができ、BC-52 は鎖上にフェノキシ末端基を有するテトラブロモビスフェノール−Aポリカーボネートのオリゴマーであり、BC-58 はこれと類似しているが鎖上に2,4,6−トリブロモフェノキシ末端基を有している。テトラブロモビスフェノール−Aとビスフェノール−Aのコポリマーおよびその調整方法はWomback の米国特許3,915,926に記載されている。好適なテトラブロモビスフェノール−Aポリカーボネートは、General Electric CompanyからTB-50 として市販されている、モル基準で約50%のテトラブロモビスフェノール−A単位および50%のビスフェノール−A単位を有するものである。本発明のブレンド中のハロゲン化ポリカーボネートの割合は0.1−1.0phrの範囲内でよい。
【0032】
ジフェニルスルホンスルホン酸カリウムである難燃添加剤成分は米国特許3,948,851に記載されている方法によって調製しうる周知の化合物である。本発明の好適な実施の態様においては、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウムは汚染酸物質を除去するために最初に処理される。ここに使用される用語「汚染酸物質」とは化合物の酸性度を中和するのに要する水酸化カリウムの所要量により決定される遊離の酸を指す。この酸の濃度を決定する方法は以下に記載する。
【0033】
酸性度の決定
250mlのGriffin ビーカー内で分析する化合物2gをそれぞれ75mlのトルエンおよびメタノールと混合する。このビーカーをガラス皿で蓋しそれから混合物を攪拌しながら5分間環流する。次いでこの混合物を室温に冷却させる。組合せ電極を備えたFisher Accumet のpH計を使用して、この混合物をメタノール中の0.02Nの水酸化カリウムにより一定速度でpH7.7に滴定する。上に概述したのと同じ方法により各75mlのトルエンおよびメタノールの混合物を使って標準のブランクを調製した。化合物の酸含有量を式
酸%=(A−B)×0.0365
(式中、Aは化合物混合物を滴定するのに使用した水酸化カリウム溶液のミリリットル数であり、そしてBは標準ブランクを滴定するのに使用した水酸化カリウム溶液のミリリットル数である)に従って計算される。
【0034】
所与のサンプル中に存在する酸の当量数は式
酸当量=(酸%)(処理される化合物のグラム)/36.5
により決定される。
除去すべき酸の当量あたり0.01−1.5エポキシ当量のモノマー状エポキシド化合物により処理することによりジフェニルスルホンスルホン酸カリウムから汚染酸物質を除去しうる。この処理はスルホン酸塩をエポキシドと室温(好ましくは60−300°F)で混合することにより行うことができる。15−30分間激しく混合すると有利である。こうして処理されて遊離の酸を浄化されたカリウム塩は溶融安定性のような物理的特性における顕著な改善を本発明の組成物に与える。
【0035】
本願明細書に使用される用語「エポキシ当量」とは平均1個のエポキシ基を含有するエポキシド化合物の重量を意味する。ここに使用される用語「エポキシ基」とは式
【0036】
【化9】
Figure 0004080578
【0037】
の分子部分を意味する。
モノマー状エポキシド化合物は好ましくは、炭化水素に結合した置換基中に存在するエポキシ基を少なくとも1個有するか、または分子量約100−700を有するポリオキシアルキレングリコールの残基により分離された2つの末端のエポキシ基を有することにより特徴づけられる。エポキシ化合物は最も好ましくは環状脂肪族炭化水素環に融合されたエポキシ基を少なくとも1個有することにより特徴づけられる。
【0038】
使用されるモノマー状エポキシド化合物は好ましくはモノまたはジエポキシドである。
用語「炭化水素」はここでは脂肪族、環状脂肪族および芳香族の炭化水素を包含するその一般的に受け入れられている意味で使用されている。脂肪族炭化水素の例はメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンおよびこれらの異性体の形態のもののような炭素原子数1−12のものである。環状脂肪族炭化水素の例はシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ジシクロヘキサン等のような炭素原子数6−12のものである。芳香族炭化水素の例はベンゼン、ナフタレン、ビフェニルなどのような炭素原子数6−12のものである。
【0039】
炭化水素に結合した置換基中に存在するエポキシ基を少なくとも1個有するモノマー状エポキシドの例には以下のものがある。
(1)エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびこれらの異性体の形態のもののような炭素原子数2−6の脂肪族モノヒドロキシアルコールのグリシジルエーテル;
(2)エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよびこらの異性体の形態のもののような炭素原子数2−6の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル;
(3)フェノール、ナフトール、キシロール等のようなモノヒドロキシ芳香族化合物のグリシジルエーテル;
(4)レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロカテコール、サリゲニン、フロログルシノール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン等のような多価単核および融合環フェノールのグリシジルエーテル;
(5)一般式
【0040】
【化10】
Figure 0004080578
【0041】
(式中、R1 は塩素や臭素のようなハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選ばれる0−4個の置換基を表し、Aは
【0042】
【化11】
Figure 0004080578
【0043】
および共有単結合からなる群から選ばれる橋架け基であり、R2およびR3はそれぞれ水素、低級アルキル、低級シクロアルキルおよびアリールからなる群から選ばれる分子部分を表す)によって表される非融合型の多核フェノールのグリシジルエーテル;
かかる化合物の例には以下の化合物のビス(グリシジルエーテル)がある。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、
ジ(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、
2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
3,3−ジ(3−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(4′−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1−フェニル−1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3′−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1−フェニル−1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3′−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1−フェニル−1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1−フェニル−1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1−トリル−1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2,5−ジブロモ−フェニル)エタン、
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2,5−ジブロモ−フェニル)エタン、
ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、および
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン。
【0044】
(6)ノボラック樹脂のグリシジルエーテル。ノボラック樹脂はフェノールまたは置換されたフェノールとホルムアルデヒドとの酸縮合により得られる生成物で一般式
【0045】
【化12】
Figure 0004080578
【0046】
(式中、nは約8−12の平均値を有しそしてR4 はハロゲンおよび低級アルキル基から選ばれる0−4個の置換基を表す)により表すのが慣行である。上記の式は高度に理想化したもので概略を示したものに過ぎないことを理解すべきである。例えば、Carswellの"phenoplasts",pp.29-35, Interscience, New York, 1947を参照されたい。分子量の異なる広い範囲のノボラック樹脂が市販されており、これらは全て上記の式により概略的に表される。ノボラック樹脂の類は当業界にかなり良く認識されているので、ノボラックのそれらのグリシジルエーテルへの(例えばエピクロロヒドリンとの反応のような慣行的な手段による)変換によってノボラックから誘導されるエポキシドは以後「ノボラック樹脂グリシジルエーテル」と言及することとする。
【0047】
分子量約100−約700を有するポリオキシアルキレングリコールの残基により分離された2つの末端のエポキシ基を有することにより特徴づけられるモノマー状エポキシド化合物は良く知られている。これらは式
【0048】
【化13】
Figure 0004080578
【0049】
(式中、YおよびY′はそれぞれ水素およびメチルからなる群から選ばれそしてnは1−10の整数である)のジエポキシドによって例示される。このようなジエポキシドの代表的なものはエピクロロヒドリン2モルと分子量約100−約700を有するポリオキシアルキレングリコール1モルとの反応によって調製されるものである。ポリオキシアルキレングリコールはポリオキシエチレングリコールおよびポリオキシプロピレングリコールに例示されるような周知の化合物である。
【0050】
本発明のプロセスに使用される最も好ましいエポキシド化合物は少なくとも1個のエポキシ基が環状脂肪族炭化水素環に融合されているものである。このようなエポキシドの例は、ジシクロペンタジエンジオキシド即ち式
【0051】
【化14】
Figure 0004080578
【0052】
を有する化合物、ビニルシクロヘキセンジオキシド即ち式
【0053】
【化15】
Figure 0004080578
【0054】
の化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、即ち式
【0055】
【化16】
Figure 0004080578
【0056】
を有する化合物および一般式
【0057】
【化17】
Figure 0004080578
【0058】
(式中、R5は各場合において0−3個の低級アルキル基を表し、そしてBは
【0059】
【化18】
Figure 0004080578
【0060】
からなる群から選ばれる二価の基を表し、ここにR4 は低級アルキレンおよび低級オキシアルキレンからなる群から選ばれそしてR2 は低級アルキレンおよびアリーレンからなる群から選ばれる)によって表されるジシクロヘキシルオキシドカルボキシレートである。ジシクロヘキシルオキシドカルボキシレートの例には3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)マレエート、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)サクシネート、
エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオールビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート)等がある。
【0061】
本明細書を通して用語「低級アルキル」はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびこれらの異性体の形態のもののような1−6個の炭素原子を含むアルキルを意味するものとして使用されている。用語「低級アルキレン」はメチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2,3−ブチレン、1,6−ヘキシレン等のような1−6個の炭素原子を含むアルキレンを意味する。用語「低級シクロアルキル」はシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルおよびシクロオクチルのような4−8個の炭素原子を含むシクロアルキルを意味する。用語「低級オキシアルキレン」上記に定義した低級アルキレンが基−O−により中断されているものを意味する。用語「アリーレン」はフェニレン、トリレン、キシリレン、ビフェニリレン等のような核の2つの炭素原子の各々から水素原子を除かれて芳香族炭化水素から誘導された二価の基を意味する。用語「アリール」は炭素原子数6−12の芳香族の水素のなかから1個の水素原子を除いて得られる分子部分を意味する。このアリール分子部分の例はフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、ナフチル等である。上記に記載されそして例示されたモノマー状エポキシドは殆どが業界で周知されており、例えばLee & Nevilleの"Epoxy Resins", McGraw-Hill Book Company, New York(1957)、米国特許2,633,458;2,716,123;2,745,847;2,745,285;2,872,427;2,902,518;2,884,408;3,268,619;および3,325,452並びに英国特許614,235を参照されたい。
【0062】
本発明のブレンド中に使用されるジフェニルスルホンスルホン酸カリウムの割合は、酸を除去した後の形態で、約0.01乃至約0.1phrの範囲内でよい。
PTFEの滴下抑制割合は約0.001乃至0.5phrの範囲である。
添加剤混合物の難燃割合は一般に全組成物の0.1−20.0重量%の範囲内である。
【0063】
難燃添加剤はポリエステルカーボネート樹脂に慣用的な混合技術で添加することができる。従って、本発明のブレンド組成物の製造は熱可塑性樹脂の配合に知られている配合操作のいずれかによりなされる。例えば、バンバリーミキサーやエクストルーダーのような混練機械で配合される。添加の順序は重要でないが、しかし全ての成分が完全に一緒に配合されなければならない。配合は連続でも回分式でもいずれでもなしうる。溶融配合も使用できる。
【0064】
使用できるその他の難燃剤には、限定されないが、トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなその他のスルホン酸塩、ヘキサフェニルジシロキサンのような珪素基質物質、ホウ酸トリフェニルのようなホウ素含有物質、赤燐またはホスフェートやホスホネートを含めた燐含有化合物、芳香族スルフィミドのような硫黄含有化合物およびシアヌル酸のような窒素含有化合物を含むことができる。TB-50 の代わりに市販されているPyronil 45(pennwalt)およびThermoguard シリーズ(M&T/Makhteshim)のいずれかの如きその他の臭素化組成物を使用することができる。これらのタイプの難燃剤は米国特許3,933,734;3,931,100;3,978,024;3,948,851;3,926,980;3,919,167;3,909,490;3,953,396;3,953,300;3,917,559;3,951,910;および3,940,366に開示されている。
【0065】
以下の実施例は本発明を形成しそして使用する方法および過程を記載し本発明を実施するために本発明者達が考えた最良の態様を開示するが、しかし本発明の範囲がこれにより制限されると解釈されるべきではない。部は全て重量部である。報告されている試験結果は以下の試験方法による。
ガラス転位温度(Tg)
DuPont 900熱分析器を使用して示差走査熱量測定(DSC)により測定し℃で表した。
【0066】
分子量(M w
重量平均分子量(Mw )は254nmでUV検出器を使用してメチレンクロライド中にてゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によりポリカーボネート標準に対して測定した。
燃焼性(UL−94)
樹脂を約600℃で約12.7cm×1.27cm×1.175mm(厚さ)の試験棒に射出成形した。これらの試験棒をUnderwriters' Laboratories, Inc.Bulletin UL-94 の分類された材料に対する燃焼試験( Burning Test for Classified Materials )に開示された試験手順にかけた。試験結果は5個の試験棒標本に対する結果に基づいてV−0、V−1またはV−2の等級として報告した。UL-94 による各V(垂直に対する)等級に対する基準は略述すれば以下の通りである。
【0067】
”V−0”:着火炎を取り除いた後の平均発炎および/または赤熱燃焼が5秒を超えてはならずそして標本のいずれもが脱脂綿を着火する発炎燃焼粒子を滴下してはならない。
”V−1”:着火炎を取り除いた後の平均発炎および/または赤熱燃焼が25秒を超えてはならず、発炎燃焼が止んだ後に赤熱燃焼が標本の125mmを超えて垂直方向に移動することなく、赤熱燃焼が脱脂綿を着火することがない。
【0068】
”V−2”:着火炎を取り除いた後の平均発炎および/または赤熱燃焼が25秒を超えてはならずそして標本が脱脂綿を着火する発炎燃焼粒子を滴下する。
さらに、UL-94 では特定のVの格付けを獲得するためには各試験群の全ての試験棒がそのVタイプの等級を満たさなければならないことが要求される。さもなければ、この5つの試験棒は最悪の単一の棒の等級を受けることになる。即ち、例えば、1つの棒がV−2に格付けされそして他の4つの棒がV−0に格付けされる場合には、この5つの棒全てに対する等級はV−2となる。
【0069】
調製例 1: ポリエステルカーボネート(PEC)
ビスフェノール−A(BPA)2.27kg(9.96モル)、メチレンクロライド6.8リットル、水3.1リットル、水2.2リットルと水酸化ナトリウム(50重量%)150ml(2.85モル)とに予め溶解されたドデカン二酸(DDDA)ナトリウム塩221.3g(0.96モル)、およびトリエチルアミン0.5ml(5ミルモル)の混合物を35リットルのガラス反応器に装入しそして50%水酸化ナトリウム水溶液の添加によりpHを8.0に調節した。この混合物を攪拌した。
この混合物中に全部で1720gになるまで43分間にわたりホスゲンを導入し、その間pHを8.2−8.5に維持し、次いで127.15g(0.06モル)のp−クミルフェノールをメチレンクロライド1.0リットルに溶解して加えた。更に塩基を加えてpHを10.5に上げた。トリエチルアミン28ml(0.20モル)を添加し攪拌を15分続けた。ホスゲン更に80gを加えて重合を確実に完了させた。有機層を分離し塩化水素酸水溶液で2回そして水で5回洗浄し、その後で生成重合体を水蒸気沈殿で単離して乾燥した。この重合体生成物は33,925の重量平均分子量および127℃のガラス転位温度(Tg)を有していた。
【0070】
これらの樹脂のレオロジー挙動および低下されたガラス転位温度は射出成形に有用である。こうした用途の例はコンピュータおよび事務機器の成形されたハウジングである。これらの部品は射出成形プロセスにおける金型の充填に際して遭遇する剪断速度において低減された粘度を有する材料を必要とする。
実施例 1−4
上記調製例1からのコポリエステルカーボネートの種々なる割合と、およびTB-50 (General Electric Co., Mount Vernon, Indiana で製造されている難燃剤重合体添加剤であるテトラブロモビスフェノール−A/ビスフェノール−Aの50:50オリゴマー状コポリカーボネート)0.25phr、滴下抑制剤濃縮物(ポリテトラフルオロエチレン20%とポリカーボネート樹脂80%との混合物)0.12phrおよびジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム難燃剤(米国特許3,948,851に記載されているようにして調製されそして汚染酸物質を除去するために3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Union Carbide Corp., New York, N.Y. からのERL-4221)で処理されている)からなる難燃添加剤の種々なる割合とを一緒に配合して本発明の組成物を調製した。
【0071】
このブレンドを約340℃の温度で押出機に供給してブレンドをストランドに押出した。このストランドをペレットに切断し射出成形して6.35cm×1.27cm×0.317cm大きさの試験試料とした。これらの試料を物理的特性について試験した。組成物の調合組成を試験結果と共に以下の表Iに示す。
Figure 0004080578

Claims (8)


  1. Figure 0004080578
    (式中、Dはその調製重合反応に使用された二価フェノールの二価の芳香族残基である)の反復カーボネート構造単位および式
    Figure 0004080578
    (式中、nは−36の範囲の整数である)の繰り返しまたは反復カルボキシル鎖単位から構成される重合体主鎖を有するコポリエステルカーボネートと、難燃割合の、
    (i)ハロゲン化ポリカーボネート樹脂、
    (ii)酸を含まないジフェニルスルホンスルホン酸カリウムおよび
    (iii)0.001−0.5phrのポリテトラフルオロエチレン
    の混合物と、の成形可能な熱可塑性樹脂ブレンド。

  2. Figure 0004080578
    (式中、Dはその調製重合反応に使用された二価フェノールの二価の芳香族残基である)の反復カーボネート構造単位および式
    Figure 0004080578
    (式中、nは−36の範囲の整数である)の繰り返しまたは反復カルボキシル鎖単位から構成される重合体主鎖を有するコポリエステルカーボネートと、難燃割合の、テトラ−ブロモビスフェノール−A、酸を含まないジフェニルスルホンスルホン酸カリウムおよび0.001−0.5phrのポリテトラフルオロエチレンの混合物と、
    のブレンド。
  3. Dが式
    Figure 0004080578
    (式中、Aは1−15個の炭素原子を有する二価の炭化水素基、1−15個の炭素原子およびハロゲンのような置換基を有する置換された二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、−O−または−C(=O)−であり、各Xは水素、ハロゲン、1−8個の炭素原子を有するアルキル基、6−18個の炭素原子を有するアリール基、7−14個の炭素原子を有するアルアルキル基、7−14個の炭素原子を有するアルカリール基、1−8個の炭素原子を有するアルコキシ基または6−18個の炭素原子を有するアリールオキシ基のような一価の炭化水素基からなる群から個々に選ばれ、mは0または1であり、そしてaは0−5の範囲の整数である)の二価の基を表す請求項2記載のポリエステルカーボネートブレンド。
  4. Aがプロピレンを表し、Xが水素であり、mが1であり、そしてaが1である請求項3記載のブレンド。
  5. nが8である請求項1記載のブレンド。
  6. nが10である請求項1記載のブレンド。
  7. 難燃割合が全ブレンドの0.1−20重量%の範囲内である請求項1記載のブレンド。
  8. ハロゲン化ポリカーボネートがモル基準でビスフェノール−A単位50%およびテトラブロモビスフェノール−A単位50%から調製されたものである請求項1記載のブレンド。
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