JP4077922B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式或は静電記録方式を採用する複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、図6に基づいて従来のカラーレーザープリンタについて概説する。
【0003】
電圧を印加した一次帯電器である帯電ローラ104bを像担持体である感光ドラム104aに圧接することによって、潜像形成に先立って像担持体104aの表面が一様に帯電される。
【0004】
そして、感光ドラム104aへの露光はレーザーダイオードを有すスキャナー部110aによってなされ、レーザーダイオードは画像信号に対応して発光し、そのレーザー光はポリゴンミラーへ照射される。すると、ポリゴンミラーはスキャナーモータによって高速回転してレーザー光を反射し、ポリゴンミラーで反射されたレーザー光は結合レンズ110b及び反射ミラー110cを介して感光ドラム104aの外周面を画像信号に対応して選択的に露光する。この結果、感光ドラム104aにはレーザーの露光により各色の静電潜像が形成される。
【0005】
一方、回転現像装置105は各色の現像器、即ちマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのトナーを備えた現像器105M,105Y,105C,105Bを有している。これらの4色の現像器105M,105Y,105C,105Bは軸105eに対して回転可能に配置され、各現像器105M,105Y,105C,105Bの中心が公転するギヤの外周に配置された自転するギヤに連動して回転し、その姿勢が一定に維持されている。
【0006】
而して、画像形成に際しては、潜像に対応した色の現像器(105M,105Y,105C,105B)が感光ドラム104aに対向した位置に静止し、更にそこで現像スリーブ105bが感光ドラム104aの表面と微小隙間を介して対向するように位置決めされる。そして、現像器(105M,105Y,105C,105B)が現像位置に回転移動されたときにプリンタ本体の高圧電源と接続され、現像スリーブ105bは現像バイアスが印加されると同時に駆動源からの駆動手段とも結合して所定の回転を行う。このように現像時に現像スリーブ105bがバイアスの印加と回転駆動を受けることによって感光ドラム104a上の潜像が現像されてトナー像として顕像化される。
【0007】
他方、給紙部101は転写ドラム103へ転写材102を給送するためのものであり、装置本体の底部に装填した転写材102を収納する給紙カセット101aを有している。画像形成時には画像形成動作に応じて給紙ローラ101bが回転し、給紙カセット101a内から転写材102を1枚ずつ分離して転写ドラム103へ給送する。
【0008】
転写ドラム103は、給紙部101から給送された転写材102を巻き付けて感光ドラム104a上の各色のトナー像を転写部にて転写材102上に転写するために、感光ドラム104aの外周速度と同速度V=75.4mm/秒(以下、プロセス速度と呼ぶ)で回転する。
【0009】
ところで、転写ドラム103は、直径180mmのアルミシリンダ103aの外周にスポンジやゴム等で弾性体層103bを形成し、その外周に抵抗層103cを形成し、最外に誘電体層103dを形成して構成されている。又、転写ドラム103の外周上の所定位置には、給送した転写材102の先端を把持するグリッパ103fが設けられており、更に、この転写ドラム103の外周には離接可能な静電吸着ローラ103gが設けられ、この吸着ローラ103gは転写材102を転写ドラム103との間で挟み込むようにしてこれを転写ドラム103の外周に圧接する。
【0010】
而して、吸着ローラ103fと転写ドラム103との間に電圧を印加することによって誘電体である転写材102と転写ドラム103の誘電体層103dに電荷を誘起し、転写材102を転写ドラム103の外周に静電吸着する。
【0011】
クリーナ104dはトナー像を転写材102に転写した後に感光ドラム104a上に残留したトナーをクリーニングするためのものであり、これは転写部下流の感光ドラム104aの外周に配備されている。
【0012】
定着器106は、各色トナー像を保持して転写ドラム103から剥離搬送されて来る転写材102を通過させることによって各色トナー像を転写材102に定着するものであって、これは回転駆動される加圧ローラ106aと、これに圧接して転写材102に熱と圧力とを加える定着ローラ106bとを備えている。
【0013】
画像形成動作としては、給紙カセット101a内の転写材102が給紙ローラ101bにより転写ドラム103へ給送される。転写ドラム103は、給送されて来た転写材102の先端をグリッパ103fで把持するとともに、これをその周面に静電吸着する。
【0014】
一方、帯電ローラ104bで表面を均一に帯電された感光ドラム104aにはスキャナー部110aからマゼンタ画像の露光が行われ、その外周面にマゼンタ画像の潜像が形成される。この潜像形成と同時にマゼンタ現像器105Mを駆動し、感光ドラム104a上に形成されたマゼンタ潜像にマゼンタトナーが付着するよう感光ドラム104aの帯電極性と同極性で略同電位の現像バイアス電圧を印加して潜像を現像し、感光ドラム104a上にマゼンタトナー像を得る。そして、転写ドラム103にマゼンタトナーと逆極性の転写電位を印加し、感光ドラム104a上のマゼンタトナー像を転写ドラム103上の転写材102に転写する。
【0015】
そして、マゼンタトナー像の転写が終了すると、次の現像器105Cが回転して感光ドラム104aに対向した現像位置に位置決めされ、同様のプロセスを経てシアン、イエロー及びブラックの潜像形成、現像、得られたトナー像の転写を順次行うことによって転写材102上にフルカラー画像が形成される。
【0016】
而して、転写材102をグリップして保持した転写ドラム103が4回転することにより1枚の4色のフルカラー画像を得ることができる。即ち、180π×4/75.4=30秒で1枚のフルカラーが出力される。
【0017】
4色トナー像の転写が終了した転写材102は、転写ドラム103から分離して定着器106へ搬送され、定着器106でトナー像の定着を受けた後、排出ローラ対107によって排出トレイ108に排出される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、画像形成時に飛散したトナーや現像器から落下したトナーを回収するためのトレーと現像器を昇温から保護するための冷却部分(風路)をそれぞれ配置していたため、これらの設置に大きなスペースを要するという問題があった。
【0019】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、飛散及び落下したトナーを溜めるトレー自体に断熱機能を兼備させることによって部材の占有スペースを小さく抑えるとともに、トナーの熱劣化を防いで高質画像を安定して得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、現像器と、前記現像器の下方に設けられトナーに熱を加える定着器と、前記現像器の下方且つ前記定着器の上方でトナーを溜めるトレーと、を有する画像形成装置において、前記トレーは底の部分が盛り上がった形状で底の下方に隙間を有し、前記隙間に外気が流れることを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、飛散及び落下したトナーを溜めるトレー自体に断熱効果を発揮させるようにしたため、断熱効果を発揮する別部材が不要となり、部材の占有スペースが小さく抑えられるとともに、トナーの熱劣化が防がれて高質画像を安定して得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
<実施の形態1>
[画像形成装置の全体構成]
先ず、カラー画像形成装置の全体構成を図1に基づいて概説する。
【0027】
図1はカラー画像形成装置の一形態としてのカラーレーザープリンタ要部の断面図であり、該カラーレーザープリンタは、一定速度で回転する像担持体としての感光ドラム1と固定の黒現像器4と回転可能な3つのカラー現像器5Y,5M,5Cとから成る画像形成部と、該画像形成部で現像されて多重転写されたカラー画像を保持してこれを給送部から給送された転写材に更に転写する中間転写体6を有している。
【0028】
而して、カラー画像を転写された転写材は定着部10へ搬送されてカラー画像の定着を受けた後、排出ローラによって装置上面の排出部へ排出される。尚、前記回転可能なカラー現像器5Y,5M,5C及び固定の黒現像器4はプリンタ本体に対して個別に着脱可能に構成されている。
【0029】
次に、本カラーレーザープリンタの各部の構成を順次詳細に説明する。
【0030】
[像担持体ユニット]
ドラムユニット7は、前記感光ドラム1と該感光ドラム1のホルダーを兼ねるクリーニング装置の容器7bと一体的に構成され、このドラムユニット7はプリンタ本体に対して着脱自在に支持され、感光ドラム1の寿命に合わせて容易に交換可能に構成されている。尚、本実施の形態に係る感光ドラム1は直径約60mmのアルミシリンダの外側に有機光導電体層を塗布して構成され、該感光ドラム1のホルダーを兼ねるクリーニング装置の容器7bに回転自在に支持されている。
【0031】
又、感光ドラム1の周上には、クリーナブレードと一次帯電手段2が配置され、図1の紙面奥側に配置された不図示の駆動モータから伝達される駆動力によって感光ドラム1は画像形成動作に応じて図示矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
【0032】
[帯電手段]
前記一次帯電手段2は接触帯電方法を用いたものであり、これは導電性ローラを感光ドラム1に当接させ、この導電性ローラに電圧を印加することによって感光ドラム1の表面を一様に帯電させるものである。
【0033】
[露光手段]
前記感光ドラム1への露光はスキャナー部3から行われる。即ち、画像信号がレーザーダイオードに与えられると、このレーザーダイオードは画像信号に対応する画像光をポリゴンミラー3aへ照射する。このポリゴンミラー3aはスキャナモータによって高速回転し、ポリゴンミラー3aで反射した画像光が結像レンズ3b及び反射ミラー3cを経て一定速度で回転する感光ドラム1の表面を選択的に露光することによって感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
【0034】
[現像手段]
現像手段は、感光ドラム1上に形成された前記静電潜像を可視像化するためにイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色現像を可能とする3個の回転現像器5Y,5M,5Cと1個の黒現像器4とで構成されている。
【0035】
黒現像器4は固定現像器であり、その現像スリーブ4aは感光ドラム1に対向した位置に感光ドラム1に対して微小間隔(300μm程度)をもって配置されており、感光ドラム1にブラックトナーによる可視像を形成する。
【0036】
而して、黒現像器4は容器内のトナーを送り機構によって送り込み、現像スリーブ4aの外周に圧接された塗布ブレードによって図示矢印方向(時計方向)に回転する現像スリーブ4aの外周にトナーを薄層塗布し、且つ、トナーへ電荷を付与(摩擦帯電)する。そして、現像スリーブ4aに現像バイアスを印加することによって感光ドラム1上の静電潜像に対応してトナー現像を行う。
【0037】
一方、3個の回転現像器5Y,5M,5Cは、軸5dを中心として回転する現像ロータリー5にそれぞれ着脱可能に保持され、画像形成に際しては各現像器5Y,5M,5Cが現像ロータリー5に保持された状態で軸5dを中心に回転移動し、所定の現像器(5Y,5M,5C)が感光ドラム1に対向した位置に停止し、更に現像スリーブ5aが感光ドラム1に対して微小間隔(300μm程度)をもって対応するよう位置決めされた後、感光ドラム1上の静電潜像に対応して可視像を形成する。
【0038】
カラー画像形成時には中間転写体6の1回転毎に現像ロータリー5が回転し、イエロー現像器5Y、マゼンタ現像器5M、シアン現像器5C、次いで黒現像器4の順で現像工程がなされる。図1はイエローの回転現像器5Yが感光ドラム1に対向した位置に位置決めされて静止している状態を示している。
【0039】
回転現像器5Yは、容器内のトナーを送り機構によって塗布ローラ5bへ送り込み、図示時計方向に回転する塗布ローラ5b及び現像スリーブ5aの外周に圧接されたブレード5cによって図示時計方向に回転する現像スリーブ5aの外周にトナーを薄層塗布し、且つ、トナーへ電荷を付与(摩擦帯電)する。そして、潜像が形成された感光ドラム1と対応した現像スリーブ5aに現像バイアスを印加することにより、潜像に応じて感光ドラム1上にトナー現像が行われる。尚、マゼンタ現像器5M及びシアン現像器5Cについても上記と同様なメカニズムによってトナー現像が行われる。
【0040】
又、各回転現像器5Y,5M,5Cの各現像スリーブ5aは、各現像器5Y,5M,5Cが現像位置に回転移動されたとき、プリンタ本体に設けられた各色現像用高圧電源及び駆動と接続され、各色現像毎に順次選択的に電圧が印加されて駆動が接続される。
【0041】
[中間転写体]
中間転写体6は、カラー画像形成動作時には、各現像器4,5Y,5M,5Cによって可視化された感光ドラム1上のトナー像を4回(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4色の各画像)に亘って多重転写を受けるため、感光ドラム1の外周速度と同期して図示時計方向に回転し、又、多重転写を受けた中間転写体6は、電圧を印加された転写ローラ8bとで転写材を挟み込んでこれを搬送することにより該転写材に該中間転写体6上の各色トナー像を同時多重転写する。
【0042】
尚、本実施の形態に係る中間転写体6は、直径180mmのアルミシリンダの外周を中抵抗スポンジや中抵抗ゴム等の弾性層6aで覆って構成されており、この中間転写体6は回転自在に支持され、一時的に固定される不図示のギヤからの駆動力を受けて回転し、又、簡単に着脱することができる。
【0043】
[クリーニング手段]
クリーニング手段は、現像手段によって感光ドラム1に可視像化されたトナーが中間転写体6に転写された後に感光ドラム1上に残ったトナーをクリーニングするものであり、クリーニングされた廃トナーはクリーナ容器7bに蓄えられる。クリーナ容器7bに蓄えられる廃トナーの量は感光ドラム1の寿命より早くクリーナ容器7bを満たすことはなく、従って、クリーナ容器7bは感光ドラム1の寿命交換時に同時に一体的に交換処理される。
【0044】
[給紙部]
給紙部は画像形成部へ転写材を給送するものであり、これは複数枚の転写材を収納した給紙カセットと給紙ローラ、給送ローラ、重送防止用のリタードローラ、給紙ガイド及びレジストローラローラ26から主に構成される。
【0045】
而して、画像形成時には給紙ローラが画像形成動作に応じて駆動回転し、給紙カセット内の転写材が1枚ずつ分離給送され、転写材はガイド板によってガイドされながら搬送ローラを経由してレジストローラ26に至る。画像形成動作中にレジストローラ26は転写材を静止待機させる非回転動作と転写材を中間転写体6に向けて搬送する回転動作とを所定のシーケンスで行い、次工程である転写工程時の画像と転写材との位置合わせを行う。
【0046】
[転写部]
転写部は揺動可能な転写ローラ8bで構成されており、この転写ローラ8bは金属軸を中抵抗発泡弾性体で巻いて構成され、図1の上下に移動可能である。
【0047】
而して、前記中間転写体6上に4色のトナー像を形成している間、即ち、中間転写体6が複数回転する間はその画像を乱さぬよう、図1に破線にて示すよう転写ローラ8bは下方に位置して中間転写体6とは離れている。そして、中間転写体6上に4色のトナー像を形成し終わった後には、転写材にカラー画像を転写するタイミングに合わせて転写ローラ8bは不図示のカム部材によって図1に実線にて上方の位置に移動せしめられて転写材を介して中間転写体6に所定の圧で押し付けられる。このとき、同時に転写ローラ8bにはバイアスが印加され、中間転写体6上のトナー画像は転写材に転写される。ここで、中間転写体6と転写ローラ8bとはそれぞれ駆動されているため、両者に挟まれた状態の転写材は転写工程が行われると同時に定着器10に向かって図1の左方向に所定の速度で搬送される。
【0048】
[中間転写体クリーニング部]
中間転写体クリーニング部材9は、帯電ローラ9aと該帯電ローラ9aに給電するための不図示の電極とこれらを保持するホルダー9bと該クリーニング部材9を所定のタイミングで中間転写体6に当接/離間させるための不図示のカム機構及び当接時のニップを形成するための不図示のばねで構成されている。
【0049】
上記帯電ローラ9aは金属軸を中抵抗弾性体で巻いて構成されており、ホルダー9bに保持されつつ該ホルダー9bの一軸の回転中心(不図示)をもって揺動する。
【0050】
而して、感光ドラム1上での画像形成及び中間転写体6への一次転写中(二次転写の始まる前)のクリーニング部材9はカム(不図示)により離間され、帯電ローラ9aの回転及び帯電ローラ9aへの給電は行われない。このため、フルカラー画像形成時に4色、即ちイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを重ねて中間転写体6上に一次転写することができ、その一次転写画像が乱されることがない。
【0051】
クリーニング部材9は二次転写後の中間転写体6に対して所定のタイミングでカム(不図示)により離間を解除されて帯電ローラ9aが当接する。カムの動作によって中間転写体6との当接時及び離間時初期にクリーニング部材9の滑らかな動作を実現し、中間転写体6への当接/離間時のショックを和らげ、画像形成への悪影響を緩和するようにしている。尚、ニップ形成の当接圧fは感光ドラム1に対する中間転写体6の当接圧Fより十分に低いため、帯電ローラ9aが中間転写体6に当接していても、その当接圧によって中間転写体6の固定位置が変動したり、撓んだりすることはない。本実施の形態は、f=500g,F=5Kgにて良好なクリーニングを実現している。
【0052】
上述の通り当接した帯電ローラ9aは中間転写体6との摩擦力によって中間転写体6に従動して回転するため、該帯電ローラ9aの外周速は中間転写体6の外周速と等速となり、部品精度により外径に誤差が発生しても常に等速が保たれる。そして、このとき帯電ローラ9aと中間転写体6での当接ニップで感光ドラム1上のトナーの帯電極性と逆極性に帯電され、一次転写部で次の一次転写(フルカラーの場合は次の色の一次転写)時に同時に中間転写体6から感光ドラム1に逆転写され、感光ドラムクリーニング部で感光ドラム1からクリーニングされ、クリーニングによって除去された廃トナーはクリーナ容器7bに回収される。
【0053】
[定着器]
定着器10は前記現像手段により形成されたトナー画像を中間転写体6を介して転写材上に形成したトナー画像を定着させるものであり、図1に示すように、転写材に熱を加えるための定着ローラ10aと転写材を定着ローラ10aに圧接させるための加圧ローラ10bとで構成されており、各ローラ10a,10bは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータを有し、回転駆動されることによって転写材を挟持して搬送する。
【0054】
即ち、トナー像を保持した転写材は、定着ローラ10aと加圧ローラ10bとによって搬送される過程で熱及び圧力を加えらえることによりトナー画像の定着を受ける。
【0055】
[画像形成動作]
次に、以上のように構成されるカラーレーザープリンタの画像形成動作について説明する。
【0056】
先ず、給紙部の給紙ローラを回転して給紙カセット内の転写材を1枚分離してこれをレジストローラ26へと搬送する。
【0057】
一方、感光ドラム1と中間転写体6とが各々外周速度V=75.4mm/秒(以下、プロセス速度と呼ぶ)で図示矢印方向へ回転する。直径60mmの感光ドラム1は60π/75.4=2.5秒で1回転し、直径180mmの中間転写体6は180π/75.4=7.5秒で1回転する。又、感光ドラム1と中間転写体6とは不図示のギヤで結合されているため、感光ドラム1が3回転すると中間転写体6が正確に1回転する。
【0058】
而して、中間転写体6の外周の任意の点が図示のS位置に来たとき、帯電手段2によって表面を均一に帯電された感光ドラム1は図示のE位置でレーザー露光を受けて画像形成を行う。感光ドラム1の露光位置Eから反時計回りに中間転写体6との接触部T1までの距離aと中間転写体6の図示S点から接触部T1までの距離bは等しく、従って、時間経過後には画像の書き始めの点Eと中間転写体6上の点Sは接触部T1の位置で一致する。即ち、中間転写体6に対して画像はS点を先端に反時計回りに形成される。
【0059】
1)イエロー画像の形成:
スキャナー部3によりイエロー画像のレーザー照射を行い、感光ドラム1上にイエロー潜像を形成する。この潜像形成と同時にイエロー現像器5Yを駆動し、感光ドラム1上の潜像にイエロートナーが付着するように感光ドラム1の帯電極性と同極性で略同電位の電圧を印加してイエロー現像を行う。同時に現像部の少し下流の第1転写位置T1で感光ドラム1上のイエロートナー像を中間転写体6の外周に一次転写する。このとき、中間転写体6にはイエロートナーと逆特性の電圧を印加して一次転写を行う。
【0060】
形成する画像がA3サイズの場合には長さ420mmであり、中間転写体6の外周のS点からL1点まで画像が形成される。そして、イエロートナー像の中間転写体6への転写が終了すると(即ち、L1点が第1転写位置T1を過ぎると)、現像ロータリー5が時計方向に回転し、次のマゼンタ現像器5Mが回転移動して感光ドラム1に対向した位置に位置決めされて停止する。
【0061】
2)マゼンタ画像の形成:
次いで、中間転写体6の外周の点S(イエロー画像の先端)が1周してS点に再び位置したとき、同様にスキャナー部3によりマゼンタ画像のレーザー照射が開始され、イエローと同様にして感光ドラム1上の潜像にマゼンタトナー像が現像され、感光ドラム1上のマゼンタトナー像が第1転写位置T1で同様に中間転写体6上に転写される。そして、マゼンタトナー像の中間転写体6への転写が終了すると(即ち、L1点が第1転写位置T1を過ぎると)、現像ロータリー5が時計方向に回転し、次のシアン現像器5Mが回転移動して感光ドラム1に対向した位置に位置決めされて停止する。
【0062】
3)シアン画像の形成:
次いで、中間転写体6の外周の点S(イエロー及びマゼンタ画像の先端)が1周してS点に再び位置したとき、同様にスキャナー部3によりシアン画像のレーザー照射が開始され、マゼンタと同様にして感光ドラム1上の潜像にシアントナー像が現像され、感光ドラム1上のシアントナー像が第1転写位置T1で中間転写体6上にイエロー、マゼンタの各トナー像に重ねて転写される。そして、シアントナー像の中間転写体6への転写が終了すると(即ち、L1点が第1転写位置T1を過ぎると)、現像ロータリー5が時計方向に角度60°回転し、感光ドラム1に対向した位置にはカラー現像器5Y,5M,5Cは存在しない。
【0063】
4:ブラック画像の形成:
次いで、中間転写体6の外周の点S(イエロー/マゼンタ/シアン画像の先端)が更に1周してS点に再び位置したとき、同様にスキャナー部3によりブラック画像のレーザー照射が開始され、次いで黒現像器4によりブラックトナー像が現像され、感光ドラム1上のブラックトナー像が第1転写位置T1で中間転写体6上に更に重ねて転写される。
【0064】
以上イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの順で潜像形成、現像及び中間転写体6へのトナー像転写を重ねて4回順次行うことによって、中間転写体6の表面にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4種のトナーから成るフルカラー画像が形成される。
【0065】
ブラックトナー像の中間転写体6への転写が終了する前に(即ち、4回目のブラックトナー像の第1転写を終えてフルカラー画像を形成した中間転写体6の画像先端Sが第2転写部T2へ到達する前に)、前記レジストローラ26で待機させておいた転写材をタイミングを合わせて搬送を開始する。
【0066】
上記4回の中間転写体6上への各色の画像形成時には下方に待機し、中間転写体6とは非接触状態であった転写ローラ8bを不図示のカムによって同時に上方へ移動させ、転写材を中間転写体6の第2転写部T2で圧接すると同時に転写ローラ8bにトナーと逆特性のバイアスを印加することによって、中間転写体6上のフルカラー画像を転写材に一気に4色同時に転写する。
【0067】
而して、第2転写部T2を通過した転写材は、中間転写体6から剥離されて定着器10へ搬送され、定着器10においてフルカラー画像の定着を受けた後、排出ローラ対によって本体上部の排出トレイ上へ画像面を下向きにして排出され、ここに一連の画像形成動作が終了する。
【0068】
次に、本発明の要旨について説明する。
【0069】
図1に示すように、定着器10等の熱源の上方に現像ロータリー5等の画像形成に係る部分が配置されている画像形成装置では、現像器5Y,5M,5C等から飛散或は落下したトナーを溜めるためのトレー71と、熱源から発生する熱から現像器5Y,5M,5C周辺の昇温を防ぐための断熱部分(風路75)を別々に配置している。この構成では、トレー71と風路75の双方を配置するスペースを確保しなければならないことになる。
【0070】
そこで、飛散或は落下したトナーを溜めるためのトレー71に熱源から発せられる熱を遮断するように断熱効果を持たせることができれば構造を簡略化することができ、且つ、スペースを小さく抑えることができる。
【0071】
例えば、図2に示すように現像ロータリー5を覆っているカバー70の底部に設置されたトレー71を平面上に置いたときに隙間72が形成されるようにトレー71の底の部分が盛り上がった形状にすることが考えられる。この隙間72に外気を流すことによって断熱層が形成されるため、トレー71に断熱効果を持たせることができ、この結果、装置の構成を簡略化することができ、且つ、スペースを小さく抑えることができる。
【0072】
又、図3に示すように、隙間72に流す外気75は不図示の本体前カバーに形成されたスリット状の空気取入口から取り入れ、本体後側板77側に配置された排気ファン76で機外に排気するようにしても良い。
【0073】
本実施の形態によれば、実際にフルカラー連続プリンタモードで現像器5Y,5M,5C周辺の温度を約50℃〜約40℃程度に抑えることができた。又、スタンバイ時でも従来約40℃程度だった温度を36℃〜37℃までに抑えることができた。このように、現像器5Y,5M,5C周辺の昇温を抑えることによってトナーの熱劣化を防ぎ、安定した画像を出力することができる。
【0074】
<参考例1>
次に、本発明の参考例1を図4に基づいて説明する。尚、図4は本参考例に係る画像形成装置要部の断面図であり、本図においては図2に示したものと同一要素には同一符号を付している。
【0075】
本参考例では、トナーを回収するための直方体のトレー71の外周部分に断熱シート73を貼り付けている。尚、断熱シート73としては、例えば厚さ1mm程度の断熱フェルトが望ましい。他にポリフェニレンサルファイドフィルム等も有効である。
【0076】
而して、上述のようにトレー71の外周部分に断熱シート73を貼り付けることによって2種類の材料を使用することになるが、断熱効果を有するトレー71を構成することができ、これによって実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0077】
<参考例2>
次に、本発明の参考例2を図5に基づいて説明する。尚、図5は本参考例に係る画像形成装置要部の断面図であり、本図においても図2に示したものと同一要素には同一符号を付している。
【0078】
本参考例では、トレー74の材質自体を断熱性に優れたものを使用することによって該トレー74に高い断熱性を付与するようにしたものであり、これによっても実施の形態1と同様の効果が得られる。尚、ここで言う断熱性に優れた材料とは、熱伝導率λが1×10−6≦λ≦2.5×10−4[cal/cm・sec・℃]の値を有している材料であり、例えばセラミックファイバーとガラスファイバーを混合した無機繊維をベースにした断熱材が有効である。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、飛散及び落下したトナーを溜めるトレー自体に断熱効果を発揮させるようにしたため、断熱効果を発揮する別部材が不要となり、部材の占有スペースが小さく抑えられるとともに、トナーの熱劣化が防がれて高質画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用すべき画像形成装置(カラーレーザープリンタ)要部の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置のトレー部分の斜視図である。
【図4】 本発明の参考例1に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図5】 本発明の参考例2に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図6】従来のカラーレーザープリンタの断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
5 現像ロータリー
5Y,5M,5C 現像器
10 定着器
70 カバー
71,74 トレー
72,75 風路
73 断熱シート

Claims (1)

  1. 現像器と、前記現像器の下方に設けられトナーに熱を加える定着器と、前記現像器の下方且つ前記定着器の上方でトナーを溜めるトレーと、を有する画像形成装置において、
    前記トレーは底の部分が盛り上がった形状で底の下方に隙間を有し、前記隙間に外気が流れることを特徴とする画像形成装置。
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