JP4077347B2 - ゴルフクラブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴルフクラブに関し、詳しくは、ゴルフプレーヤーがボールをインパクトした時に、フックしやすい所謂フッカーの場合に、スイングを修正することなく、インパクト時にシャフト先端部に取り付けたクラブヘッドのフェース面が、ほぼ飛行すべき方向を真っすぐに向く様に矯正されるゴルフクラブにおいて、そのフェース面の矯正効果をより高めるために、シャフトとヘッドの装着位置を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフのプレーにおいては、そのスコアメイクの上でも、また飛距離をかせぐ上でも、ボールを真っ直ぐ飛ばすことが有利であることはいうまでもないが、実際には、多くのゴルファーが所謂フックまたはスライスといった曲がりに悩んでいる。
【0003】
打球の曲がる原因は、インパクト時に於いて、ヘッドの軌道の向きとフェースの向き(フェース面の法線)が一致していない為であり、軌道に対してフェースが狙った方向に対して右をむいていると右へ曲がる飛球(右利きのプレーヤーにおける所謂スライス)となり、逆に左を向いていると左へ曲がる飛球(右利きのプレーヤーにおける所謂フック)となる。
【0004】
従って、ボールを真っ直ぐに飛ばそうとすれば、インパクト時におけるフェースの向きを修正すればよいが、現実にはそれぞれのプレーヤーの癖などがあり、修正をすることは容易ではない。
【0005】
本出願人は、先に特開平3−227616号において、すくなくとも一部に繊維強化樹脂等の異方性材料を用いて形成したパイプあるいは中実のシャフトにおいて、上記異方性材料の繊維角度を周方向で部分的に、かつ厚さ方向の少なくとも一部分で異ならせると、パイプあるいはシャフトの弾性主軸を幾何学的主軸と相違させて任意の位置に設定することが出来ることを明らかにした。この場合、弾性主軸上にある点を通らない荷重を下方に加えると、パイプ構造物は、曲げ(しなり、或いはたわみ)が生じると共にねじれが生じる。つまり、単に曲げることによりねじれが生じるという性質を持たせることができることを明らかとした。
【0006】
また、本出願人は、特願平9−242340、特願平10−109942及び特願平10−263292において、上記のような曲げるとねじれる特性を有するゴルフクラブシャフトの構造について、シャフトの強度、及び生産性を向上させる方法を提案している。
【0007】
さらに、本出願人は、特願平9−146950号において、上記異方性シャフトをゴルフクラブシャフトに適用し、スイング中のシャフトのしなり(たわみ、曲げ)と同時に発生するねじれを利用して、フェースの向きが所望の向きに矯正されるようにし、フッカーあるいはスライサーのプレーヤーに好適に用いられるゴルフクラブを提案している。
【0008】
また、特開平10−71220においても同様に、スイング中のシャフトのしなりとねじれを利用して、飛距離向上、方向性向上、フック及びスライスを防止するという機能を有するゴルフクラブを提案している。
【0009】
上記のように、しなりが生じるとねじれが生じるという性質を有するシャフトは、スイング中の(特にインパクトにおける)シャフトの様々なしなりを利用して、そのしなりによりシャフトが所望の方向にねじれるシャフトを、ヘッドに取り付けることにより、ゴルフクラブに対する種々な要望に応えることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しなる(曲がる)とねじれる性質を付与したシャフトを、ゴルフクラブのシャフトに応用する場合、該シャフトとヘッドとの相対的な位置関係をどのようにするかが問題となる。つまり、スイング中におけるどのようなしなりをどう利用するかでねじれ角度、ねじれ方向が変わり、シャフト先端に装着したヘッドのフェース面の角度および方向が変わり、よって、シャフトとヘッドとの相対位置関係が重要なファクターなる。これまで、この位置関係は、前述し特願平9−146950、特開平10−71220及び本出願人の特許第2110373号に開示された4方向に限られてきた。
【0011】
ここで、上記4方向の位置関係(シャフトとヘッドとの取り付け向き)について説明するが、説明の便宜上、まず、シャフトの周方向基準位置及びヘッドの裏側基準位置を定義する。
【0012】
シャフトの周方向基準位置とは、以下のように定めている。
即ち、上記シャフトの後端を固定すると共に前端に重りを吊り下げて撓ませた時に該シャフトの右回りのねじれ角が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を周方向基準位置として設定している。詳細には、図1(A)に示すように、全長860〜1400mmのシャフト1の周方向のある位置を真上にしてシャフト1の後端側(グリップ取付側)1aを150mmの長さで固定し、前端(ヘッド取付)1bより20mmの位置に重り4(1.1kg)を吊り下げて真下にたわませる(しならせる)。また、前端1bより15mmの位置にバー3を直交させて取り付け、該バー3により曲げねじれ量を検出した。その時、図1(B)に示すように、シャフト固定側(後端側)からみて右回り(時計回り)にねじれる場合をプラス、左回り(反時計回り)にねじれる場合をマイナスとし、そのねじれ角(プラス)が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を、シャフトの周方向基準位置と定義する。
【0013】
ヘッドの裏側基準位置とは、以下のように定めている。
即ち、図2に示すように、ヘッド2をアドレス状態で置き、シャフトとの連結用のホーゼル穴2aについて周方向の位置を考える。図2中で、ヘッドのフェース面2b側(A)、フェース面と反対側(B)、ヘッドトウ側(Y)、ヘッドヒール側(X)という90度きざみの4方向を決め、上記ヘッドヒール側(X)の位置をヘッドの裏側基準位置0°と定義する。
【0014】
前述した従来技術では、しなる(曲がる)とねじれる性質を有するシャフトのゴルフクラブヘの応用に関しては、シャフトの基準位置を上記4方向に合わせるように限定されていた。
【0015】
しかも、この4方向のうち、多くのゴルファーの悩みであるフックまたはスライスの矯正機能を有するゴルフクラブに関しては、上記4方向のうちの2方向、つまりシャフト基準位置をヘッドのXの位置またはYの位置に合わせることに限られてきた。
【0016】
即ち、シャフト基準位置をヘッドのYの位置に合わせると、図3(A)に示すように、インパクトにおけるトウダウン現象によるシャフト1のしなりにより図3(B)に示すように、フェース面2bが開く方向にねじられて、フックが防止できる。また、シャフト基準位置をヘッドのXの位置に合わせると、インパクトにおけるトウダウン現象によるシャフト1のしなりにより図3(C)に示すようにフェース面2bが閉じる方向にねじられて、スライスが防止できる。
【0017】
上記のように、しなるとねじれる性状を有するシャフトとヘッドとの装着位置を特定することにより、フェース面の矯正効果が得られることは事実である。しかしながら、その効果を複数の人間による実打にて確認するテストを行ったところ、ゴルファーによってはその効果が比較的少ない場合があることがわかった。
【0018】
例えば、一人のスライサーのゴルファーが、スライス矯正用のクラブを持って、ボールを打つとフェース面の矯正効果が顕著に観察され、スライスが解消したのに対し、同じクラブを持って別のスライサーのゴルファーがボールを打つと、フェース面の矯正効果がそれほど観察されず、完全なスライス解消には至らないということがあった。
【0019】
これについてさらに詳しく調査を行ったところ、ゴルファーのタイプによって、スライスあるいはフック矯正効果が異なる事実が判明した。
ゴルファーは通常3タイプに分類して考えられる。即ち、インパクト時のシャフトのしなりをプレーヤーの正面から見たときに、図4(A)に示すように、シャフト1がしなってヘッド先行状態でインパクトしているゴルファー、図4(B)に示すように、シャフト1がほぼ真っ直ぐでインパクトしているゴルファー、図4(C)に示すように、ヘッド2が遅れた状態でインパクトしているゴルファーの3タイプである。
【0020】
上記3タイプに分けて調査の結果、図4(B)のインパクトでシャフト1がほぼ真っ直ぐになっているゴルファーに関しては、顕著なフェース面の矯正効果が観察された。それに対し、図4(A)のヘッド2が先行状態でインパクトしているゴルファーや、図4(C)のヘッド2がおくれてインパクトしているゴルファーについては、フェース面の矯正効果が少ないという結果となった。
【0021】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、ヘッドが先行状態でインパクトするゴルファーやヘッドが遅れてインパクトするゴルファーについてもフェース面の矯正効果を有するフッカー用のゴルフクラブを提供することを課題としている。
【0022】
【発明を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、ヘッドとシャフトの装着位置を、これまで提案されている4方向でなく、各プレーヤーに合わせて設定することで、シャフトによるフェース面の矯正効果を最大限に引き出すことを可能とするものである。即ち、インパクトでのシャフトの実際のしなりは、厳密にいえば単にトウダウン方向のみ、あるいは単にヘッド進行方向のみであることはなく、いわば2方向のしなりの合成としてあらわすことができるものである。したがって、シャフトの取付位置を実際のしなりの方向に合わせることにより、最大のフェース面の矯正効果を得ることができる。
【0023】
よって、本発明では、繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなると同時に軸回りのねじれを生じるゴルフクラブシャフトをヘッドに装着したゴルフクラブにおいて、
インパクトにおけるヘッド先行タイプとヘッド遅れタイプのそれぞれでフッカーとに応じて、上記シャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置を0度とすると、0度、±90度、180度位置を除く範囲内の位置で、上記シャフトをヘッドに装着している。
【0028】
本発明は、第一に、繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなると同時に軸回りのねじれを生じる異方性を有するシャフトをヘッドに装着したゴルフクラブにおいて、
上記シャフトの後端を固定すると共に前端に重りを吊り下げて撓ませた時に該シャフトの右回りのねじれ角が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を周方向基準位置として設定し、
該シャフトの周方向基準位置がヘッドの裏側基準位置に一致する位置を0度とすると、そのシャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置から−110度から−170度の範囲内の位置に合わせて装着し、ヘッド先行タイプのフッカーのフックを矯正する構成としているゴルフクラブを提供している。特に、−130〜−170度の範囲が好ましい。
【0029】
即ち、図2において、シャフト基準位置をヘッドのB位置とY位置側の範囲で、X位置から−110度から−170度の範囲内の位置に合わせて装着している。このようにシャフトとヘッドとの相対位置関係を設定すると、ヘッドが先行してインパクトすると共にフックする傾向のゴルファーにとって、フック矯正効果が顕著となる。特に、ヘッドが先行する度合いが大きいゴルファーほど、シャフト基準位置をB寄りに設定するとより効果的である。
【0030】
本発明は、第二に、繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなると同時に軸回りのねじれを生じる異方性を有するシャフトをヘッドに装着したゴルフクラブにおいて、
上記シャフトの後端を固定すると共に前端に重りを吊り下げて撓ませた時に該シャフトの右回りのねじれ角が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を周方向基準位置として設定し、
該シャフトの周方向基準位置がヘッドの裏側基準位置に一致する位置を0度とすると、そのシャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置から+110度から+170度の範囲内の位置に合わせて装着し、ヘッド遅れタイプのフッカーのフックを矯正する構成としているゴルフクラブを提供している。特に、+130〜+170度の範囲が好ましい。
【0031】
即ち、図2において、シャフト基準位置をヘッドのA位置とY位置の間でX位置からA位置側へと+110度から+170度の範囲内の位置に合わせて装着している。このようにシャフトとヘッドとの相対位置関係を設定すると、ヘッドが遅れてインパクトすると共にフックする傾向のゴルファーにとって、フック矯正効果が顕著となる。特に、ヘッドが遅れ度合いが大きいゴルファーほど、シャフト基準位置をA寄りに設定するとより効果的である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態の下記の表1に示す実施例および、該実施例と対比するために作成した従来例は、使用するシャフト、ヘッド、グリップはすべて共通とし、シャフトとヘッドの装着位置の周方向の相対的な位置関係のみを変化させている。
【0034】
図7(B)に示すように、シャフト1は、繊維を樹脂に含浸させたプリプレグシート1aを筒形状に巻回し、このプリプレグシートを所要枚数積層させた繊維強化樹脂層の積層体からなり、上記プリプレグシート1aの繊維1bの角度を周方向で部分的に異ならせて、しなる(曲がる)と同時に軸回りのねじれを生じさせる構成としている。この特性を有する繊維強化樹脂製のシャフト1の前端を図7(A)に示すようにヘッド2(ウッド、アイアン)のホーゼル穴2aに挿入して固定し、シャフト1とヘッド2とを一体に連結している。またクラブ長さ45インチ、バランスD1、ロフト10°は共通させている。なおバランスとは14インチ方式のバランスであり、又、ロフトとはいわゆるリアルロフトのことであって、シャフト軸線を基準としたフェース面の傾きをいう。
【0035】
【表1】
【0036】
シャフトとヘッドとの装着位置を、表1に示すように、周方向で変化させている。即ち、前記で定義したシャフトの周方向基準位置をヘッドの裏側基準位置(図2中においてX位置)からプラス側あるいはマイナス側の位置に合わせて装着している。
表1のヘッドとシャフトの相対位置において、ヘッド裏側基準位置(図2におけるX位置)にシャフト基準位置を合わせた場合に、相対位置が0°とし、そこから右回り(時計回り)にθ°ずらした位置にシャフト基準位置を合わせた場合に、相対位置が+θ°とする。例えば、図2におけるAの位置は+90°である。また、ヘッド裏側基準位置から左回り(反時計回り)にθ°ずらした位置にシャフト基準位置を合わせた場合に、相対位置が−θ°であるとする。例えば、図2におけるBの位置は−90°である。
【0037】
図5は、表1に示す実施例1〜16と従来例1〜4のシャフト基準位置をヘッド(ホーゼル孔)のどの位置に合わせているかを示している。
【0038】
図6(A)はヘッド先行タイプのスライス矯正用のシャフトとヘッドの位置関係、(B)はヘッド遅れタイプのスライス矯正用のシャフトとヘッドの位置関係、(C)はヘッド先行タイプのフック矯正用のシャフトとヘッドとの位置関係、(D)はヘッド遅れタイプのフック矯正用のシャフトとヘッドとの位置関係を示している。
【0039】
表1の参考実施例1〜4、9〜12、実施例6〜8、13〜16、比較例1〜4のゴルフクラブのすべてを、計8名のゴルファー(A〜H)に打ってもらい、フェース面の矯正効果が最大となるクラブがどれになるかを調査した。
【0040】
上記調査は、インパクト直前(ボールセンターより30mm手前)のフェースの向きを実測することにより、フェース面の矯正効果を確認した。このインパクト時のフェースの向きは、住友ゴム工業(株)ゴルフ科学計測所のフェース角測定システムを用いて、インパクト直前(ボールセンターから30mm手前)のフェースの映像を取り込むことにより測定した。この結果を表2に示す。表2中の数値は、各6回試打した平均値である。
【0041】
【表2】
ゴルファー スライス矯正最大クラブ フック矯正最大クラブ インパクト状態
A 参考実施例1 (+10度) 実施例16(−170度) ヘッド先行
B 参考実施例2 (+30度) 実施例15(−150度) ヘッド先行
C 参考実施例4 (+70度) 実施例13(−110度) ヘッド先行
D 参考実施例9 (−10度) 実施例 8(+170度) ヘッド遅れ
E 参考実施例12(−70度) 実施例 5(+110度) ヘッド遅れ
F 参考実施例11(−50度) 実施例 6(+130度) ヘッド遅れ
G 参考実施例11(−50度) 実施例 7(+150度) ヘッド遅れ
H 従来例 1( 0度) 実施例 4(±180度) 真っ直ぐ
【0042】
表2中のインパクト状態は、ゴルファー正面からの高速度カメラの映像から確認したものであるが、「ヘッド遅れ」及び「ヘッド先行」とは、映像からみて明らかにそれとわかる程度にシャフトがしなっていることをいい、「真っ直ぐ」とは、映像から見て明らかにヘッド遅れまたはヘッド先行であることがわからない程度に、シャフトが直線状になっていることをいう。
【0043】
また、表2において示されている「スライス矯正最大クラブ」とは、試打した20本のクラブ(従来例1〜4、参考実施例)のうち、インパクト時に最もフェース向きが閉じる(右利きゴルファーで、より左を向く)クラブである。
「フック矯正最大クラブ」とは、試打した20本のクラブのうち、インパクト時に最もフェース向きが開く(右利きゴルファーで、より右を向く)クラブである。
【0044】
表2の結果よりわかるように、各ゴルファーにより最も矯正効果の高いクラブは異なるが、これは、各ゴルファーのスイングパターン、癖などにより、インパクトでのシャフトのしなり方が異なることが原因と考えられる。
【0045】
インパクトでヘッドが先行しているゴルファーでは、シャフト基準位置がヘッドの+10度から+70度までの間で最もスライス矯正効果が大きく、−110度から−170度までの間で最もフック矯正効果が大きくなっていた。これは、各ゴルファーのインパクト時におけるシャフトのしなり方向が、例えばゴルファーAの場合+10度方向にしなっていることを示している。
【0046】
さらに、表2の結果は、ゴルファーのうち従来例で最大のフック、スライス矯正効果が得られる人は稀であることが解かった。これは、インパクトでシャフトが概ね真っ直ぐになりトウダウン方向のみでしなっているゴルファーが少ないことを証明している。
【0047】
シャフト基準位置の定義よりも明らかなように、シャフト基準位置を真上にしてシャフトの後端を固定し前端(ヘッド取付側)に重りを吊り下げて荷重をかけ、真下に曲げたときにねじれ量は最大となる。従って、最大のフェース面矯正量を得ようとすれば、各ゴルファーのインパクト時のしなり方向に合わせてシャフトをセッティングする必要がある。しかし従来例1〜4のゴルフクラブはシャフト基準位置はヘッド裏側基準位置に対して、0度、+90度、−90度、180度の4方向に限定されていたので、ほとんどのゴルファーに対して最大のフェース面矯正量が得られていなかった。
【0048】
これに対し本発明の実施例および参考実施例のゴルフクラブでは、各ゴルファーの特性に合わせてシャフトをセッティングすれば最も効率よくフェース面が矯正されることが証明された。また、ほとんどのゴルファーでは従来例の1〜4のゴルフクラブでは不十分で、従来と異なるシャフトのセッティングが必要になることが証明された。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のゴルフクラブでは、繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなる(撓む、曲がる)と同時に軸回りのねじれを生じるゴルフクラブシャフトを用い、このシャフトとヘッドとの相対的な位置関係を、インパクトにおけるヘッド先行タイプとヘッド遅れタイプのそれぞれで且つフッカーとに応じて設定し、かつ、上記シャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置を0度とすると、0度、±90度、180度位置を除く範囲内の位置で、上記シャフトをヘッドに装着しているため、スライス矯正効果およびフック矯正効果を高めることができる。
【0050】
具体的には、上記シャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置から−110度から−170度の範囲内の位置に合わせて装着しているため、ヘッド先行タイプのフッカーのフックを矯正することができる。
また、上記シャフトの周方向基準位置を、ヘッドの裏側基準位置から+110度から+170度の範囲内の位置に合わせて装着しているため、ヘッド遅れタイプのフッカーのフックを矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)はシャフトの基準位置を規定するための曲げねじれの実験装置を示す斜視図、(B)はねじれ各度を示す概略平面図である。
【図2】 ヘッドの裏側基準位置を示し、ヘッドをアドレス状態でおいた時の概略図である。
【図3】 (A)はゴルファーがインパクトする時のトウダウン状態を示す概略図、(B)はフェース面の開き方向を示す図、(C)はフェース面の閉じ方向を示す図である。
【図4】 (A)はインパクト時のヘッド遅れタイプを示す概略図、(B)はインパクト時の真っすぐタイプを示す概略図、(C)はインパクト時のヘッド先行タイプを示す概略図である。
【図5】 実施例および従来例のヘッドに対するシャフトの装着位置を示す説明図である。
【図6】 (A)乃至(D)は各タイプに応じたヘッドに対するシャフトの装着位置を示す説明図である。
【図7】 (A)はゴルフクラブの概略図、(B)はゴルフクラブのシャフトの一部を示し繊維角度が周方向で相違している状態を示している。
【符号の説明】
1 シャフト
2 ヘッド
2a ホーゼル孔
2b フェース面
X ヘッド裏側基準位置
Claims (2)
- 繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなると同時に軸回りのねじれを生じる異方性を有するシャフトをヘッドに装着したゴルフクラブにおいて、
上記シャフトの後端を固定すると共に前端に重りを吊り下げて撓ませた時に該シャフトの右回りのねじれ角が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を周方向基準位置として設定し、
該シャフトの周方向基準位置がヘッドの裏側基準位置に一致する位置を0度とすると、該シャフトの周方向基準位置をヘッドの裏側基準位置から−110度から−170度の範囲内の位置に合わせて装着し、ヘッド先行タイプのフッカーのフックを矯正する構成としているゴルフクラブ。 - 繊維強化樹脂層の積層体からなり、該繊維強化樹脂層の繊維角度を周方向で部分的に異ならせて、しなると同時に軸回りのねじれを生じる異方性を有するシャフトをヘッドに装着したゴルフクラブにおいて、
上記シャフトの後端を固定すると共に前端に重りを吊り下げて撓ませた時に該シャフトの右回りのねじれ角が最大値をとる場合の真上にした周方向位置を周方向基準位置として設定し、
該シャフトの周方向基準位置がヘッドの裏側基準位置に一致する位置を0度とすると、該シャフトの周方向基準位置をヘッドの裏側基準位置から+110度から+170度の範囲内の位置に合わせて装着し、ヘッド遅れタイプのフッカーのフックを矯正する構成としているゴルフクラブ。
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