JP4076904B2 - 覗窓の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の厚さの扉やパネルの仕切体の組み付ける覗窓の取付構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
建物の機械室などに据えて稼働する器機、例えば、空気調和機を納めた機体内を点検、或いは、メンテナンスのために扉や仕切壁に覗窓を備えたものがある。
従来の空気調和機などの覗窓の取付構造として、例えば、図8に示すような構造が知られているが、この覗窓の取付構造は、窓外周枠bと窓内周枠c1からなる窓枠体が設けられ、パネルaを挟むように外周枠bと内周枠c1を嵌め込み、更に、内周枠c1の外周にもう一つの中間内周枠c2、c2'を設けて、パッキン材dを保持するとともに、このパッキン材dには一枚、或いは、二枚の透明のアクリル板eを嵌め込み、中間内周枠c2、c2'と窓外周枠bの接合部にはコーキング材fを施して気密性を高め、外周枠bと内周枠c1とをビスg等でパネルaに固定して組み立てるものである。
【0003】
【特許文献1】
実開昭61−117884号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の点検用の覗窓は、枠体部材が窓外周枠bと窓内周枠c1の他に、窓内周枠c1の外周にもう一つの窓中間内周枠c2を設ける必要があり、この窓中間内周枠はアクリル板eを一枚の一重にするか二枚の二重にするかによって、それぞれのサイズの異なった窓中間内周枠c2、c2'を用意する必要があるといった問題点があった。
また、パネルaに窓外周枠bと窓内周枠c1とをパネルに固定するために、ビス等が必要となり煩わしいといった問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、覗窓の透明板が一重或いは二重であっても単一の窓枠体で済み、且つ、パネルに窓枠体を固定するためにビス等の別途の固定部材を必要としない、安価で作業効率が向上する覗窓の取付構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、パネルの適所に覗窓のための開口部が形成され、該開口部には開口縁部を覆うようにパネルを挟んで両側から一対の窓枠体を嵌め込み、該一対の窓枠体の内周側にはパッキン部材を保持する保持部を設け、該保持されたパッキン部材には透明板を固定する複数の嵌合溝部を設け、該複数の嵌合溝部のうち適宜の嵌合溝部を選択して所望の透明板を嵌合し、前記一対の窓枠体には内側に延び互いに接合する結合部を設け、該結合部の互いに接する面には外側方向に移動を規制する斜行部と直立部とをからなる鋸刃状の噛合部を設けて押圧して一対の窓枠体を密着固定することを特徴とする覗窓の取付構造である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の覗窓の取付構造を、空気調和機の扉に適用した実施例を図面に沿って説明する。
図1は、空気調和機のケーシングの一部に設けられた扉を示すもので、扉部本体1は断熱及び遮音機能を有する一定の厚さのパネル11からなり、パネル11のほぼ中央部であって空気調和機の内部が点検し易い箇所には、円形の開口部12(図1(b))が形成されており、この開口部12には透明板21を介して内部が覗ける覗窓2が設けられ、扉部本体1はヒンジ部13によって空気調和機の枠体に対して開閉可能になっており、取っ手14を操作して扉部本体1を開閉する。
覗窓2の概要を図2に示して説明するが、本実施例は強化ガラスまたはアクリルの透明板21の一重構造と二重構造に対応する覗窓2の取付構造であり、図2(a)は透明板の一重構造を示し、図2(b)は透明板の二重構造を示すもので、一対の窓枠体3,4は、パネル11の両側から押圧されて嵌め込まれて、後述する結合部により固定され、前記窓枠体3,4の内周側にはパッキン部材5を保持し、このパッキン部材5を介して透明板21,21a,21bが固定され、組み立てが完了する。
【0008】
次に、機外側Aの窓枠体3と機内側Bの窓枠体4の詳細な構成、特に、一対の窓枠体の結合部と、透明板の固定部とを図3から図6に沿って説明する。
[窓枠体結合部]
図3は、覗窓2を機外側からみた平面図であって、図4(a)は図3の透明板21の一重構造の場合の側断面図であり、図4(b)は図3の透明板21の二重構造の場合の側断面図である。
前記の機外側Aの窓枠体3は化粧枠を兼ねた合成樹脂製であって、図3に示すように、ドーナツ状の円形輪の表面部31が形成され、図4(a)に示すように、表面部31の最外周は開口部12の縁部を覆うように開口部12の径よりは大きく形成され、表面部31の内側の中程の位置にはパネル11側に延びる筒状部32が設けられ、この筒状部32の内周の適所(本実施例では4箇所)には鋸刃状に彫られた噛合部33が設けられ、筒状部32と噛合部33とで機外側の窓枠体3の結合部34を形成している。
他方、機内側Bの窓枠体4も化粧枠を兼ねた合成樹脂製であって、ドーナツ状の円形輪の表面部41が形成され、表面部41の外周は開口部12の縁部を覆うように開口部12の径よりは大きく形成され、表面部41の内側の中程の位置にはパネル11側に延びる筒状部42が設けられ、この筒状部42は鋸刃状に突出した噛合部43が設けられている。
【0009】
ここで、筒状部42には筒状部32が嵌合するように、筒状部42の内周と筒状部32の外周とが接するような径に設定し、図5と図6に示すように、機外側Aの窓枠体3と機内側Bの窓枠体4とを対面させ時に、筒状部42に筒状部32を嵌合させれば、筒状部42表面の鋸刃状に突出した噛合部43が、筒状部32の外周の適所に鋸刃状に彫られた噛合部33に噛み合うことになる。
この際、互いの鋸刃状の刃の形は、図6(図3、図4の符号Eの部分の拡大図)に示すように、噛合部43ではパネル11側が斜行部431で機内側Bが直立部432を形成し、他方、噛合部33では機外側Aが直立部332でパネル側が斜行部331を形成する形状となっているため、機外側Aの窓枠体3と機内側Bの窓枠体4とを互いに内側に押圧(図5,6矢印C,D)すると、一方向クラッチのように作用し外側方向に移動するのを規制して元に戻ることがない。
このことは、図4(c)、図4(d)に示すように、パネル11の幅がx1(図4(a),(b))からx2(図4(c)(d))のように厚くなっても機外側Aの窓枠体3と機外側Bの窓枠体4とを押圧(図5,6矢印C,D)すれば、窓枠体3,4は押圧した状態で固定され、種々の厚さのパネルにも対処できることになる。
【0010】
[透明板固定部]
図4に示すように、表面部31の最小径部には内側に短く延びる係止筒状部35が設けられ、前記筒状部32の外周と係止筒状部35の内周とで輪状のパッキン部材5を保持する保持部を形成し、他方、表面部41の最小径部にも内側に短く延びる係止筒状部45が設けられ、前記係止筒状部35と係止筒状部45とで輪状のパッキン部材5を保持する保持部を形成されている。当然のことながら、係止筒状部35と係止筒状部45の内径と外径は同じであり、パッキン部材5は両側の窓枠体3,4に保持される。
このパッキン部材5の内周面には、二本の環状の嵌合溝部51が設けられ、この嵌合溝部51には強化ガラスの透明板21が嵌め込まれる。
図4(a)は、透明板21が一枚の一重構造であるが、透明板21は機外側Aの嵌合溝部51aに嵌め込み、透明板と嵌合溝部51との接合部、及び、透明板21と筒状部35の接合部にはコーキング材52を施して気密にしている。
図4(b)は、透明板21が二枚の二重構造であるが、上述したように透明板21は機外側Aの嵌合溝部51aに嵌め込み後、もう一枚の透明板21を機内側Bの嵌合溝部51bに嵌め込み、同様に、透明板21と筒状部45の接合部にはコーキング材52を施して気密し、更に、二枚の透明板21の間には、湿気を除くための乾燥材53を封入してある。
このパッキン部材5は、単一の部材で透明板21が一枚の一重構造と二枚の二重構造に対応できるが、パネル材11が厚くなった場合も、図4(c)、図4(d)に示すように、このパッキン部材5の機内側Bに任意の厚さのスペーサー54(図4(e))を挿入すれば対処できる。
なお、本実施例では、覗窓の形状を円形としたが、正方形や長方形の矩形でも良く、この場合には、実施例の円筒の筒状部は柱状の筒状部とすればよい。
また、本実施例では窓枠体3,4を合成樹脂で製作してあるので、金属などとは異なりメッキなど表面処理は不要であるばかりか、金属に比べて断熱性が高い。
【0011】
以上のように、本実施例では、パッキン部材5には複数の嵌合溝部を設けたので、透明板が一つであっても複数であってもパッキン部材5を共通化して一つの部材で対応できるため部品点数を削減でき、一対の窓枠体3,4の内側の結合部での互いに接する面には一方向クラッチのように作用する鋸刃状の噛合部33,43を設けたので、ビス等を用いなくてもパネルの厚さが異なっても一対の窓枠体を押圧するだけでパネルに密着固定することができる。
また、パネル材11が厚くなった場合には、別途にパッキン部材を用意する必要はなく、スペーサーを用意するだけでよいのであり、ビス等を用意する必要がないので部品点数を削減でききる。
また、一方向クラッチのように作用する鋸刃状の噛合部33,43を用いたことにより、従来のようなビス等の別途の固定部材を必要としないので安価に製作でき、組み立て作業も容易となる。
さらに、透明板21が二枚の二重構造は断熱性が向上するが、この場合には乾燥剤53を封入したので、二重構造の内側が曇ることや、カビが発生することを防ぐことができる。
【0012】
なお、窓枠体3,4の固定において、振動が大きい器機などについてはビス止めを併用することを妨げるものではないが、この場合でも、一旦窓枠体3,4の固定がなされるので、作業効率は向上する。
なお、本発明の特徴を損うものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、機外側の構造と機内側の構造を入れ替えてもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、パッキン部材には複数の嵌合溝部を設けたので、透明板が一つであっても複数であってもパッキン部材が一つの部材で対応でき部品点数を削減でき、一対の窓枠体の内側の結合部での互いに接する面には一方向クラッチのように作用する鋸刃状の噛合部を設けたので、パネルの厚さが異なっても一対の窓枠体を押圧するだけでパネルに密着固定することができるという効果が得られる。
また、一方向クラッチのように作用する鋸刃状の噛合部を用いたことにより、従来のようなビス等の別途の固定部材が必要でなく部品点数が削減でるという効果が得られる。
このように、覗窓の取付構造全体としても従来品よりも窓枠体の部品点数を大幅に削減でき安価に製作でき、かつ、組み立て作業も容易となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例のケーシングの一部の設けられた扉部分を示すもので、図1(a)は機外側からの正面図、図1(b)は上面図である。
【図2】本発明の実施例の覗窓の概要を示す図で、図2(a)は透明板が一重構造の断面図、図2(b)は透明板が二重構造の断面図である。
【図3】本発明の実施例の覗窓の機外側からの正面図である。
【図4】図4(a)は、図3における透明板が一重構造の断面図、図4(b)は透明板が二重構造の断面図、図4(c)は透明板が一重構造で異なった厚さのパネルに適用した断面図、図4(d)は透明板が二重構造で異なった厚さのパネルに適用した断面図、図4(e)はスペーサーの単体の斜視図である。
【図5】図4における窓枠体の結合部の部分拡大斜視図である。
【図6】図5における結合部の鋸刃状噛合部の断面図である。
【図7】従来の覗窓の構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
A…機外側、B…機内側、C,D…組み立て押圧方向、E…結合部、
1…扉部本体、11…パネル、12…開口部、13…ヒンジ部、14…取手、
2…覗窓、21…透明板、
3,4…窓枠体、31,41…表面部、32,42…筒状部、33,43…噛合部、
331,431…斜行部、332,432…直立部、34,44…結合部、35,45…係止筒状部
5…パッキン部材、51,51a,51b…嵌合溝部、52…コーキング材、
53…乾燥材、54…スぺ−サー、
Claims (1)
- パネルの適所に覗窓のための開口部が形成され、該開口部には開口縁部を覆うようにパネルを挟んで両側から一対の窓枠体を嵌め込み、該一対の窓枠体の内周側にはパッキン部材を保持する保持部を設け、該保持されたパッキン部材には透明板を固定する複数の嵌合溝部を設け、該複数の嵌合溝部のうち適宜の嵌合溝部を選択して所望の透明板を嵌合し、前記一対の窓枠体には内側に延び互いに接合する結合部を設け、該結合部の互いに接する面には外側方向に移動を規制する斜行部と直立部とをからなる鋸刃状の噛合部を設けて押圧して一対の窓枠体を密着固定することを特徴とする覗窓の取付構造。
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