JP4074153B2 - 樹脂系防水の施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、例えば高速道路の橋梁などに対する防水工事で、コンクリート床版の上に防水層とアスファルト混合物層を順に形成して樹脂系防水を行う際に、アスファルト混合物層の接着力の向上を図るべく開発された樹脂系防水の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート床版などに対する防水工法として、コンクリート面上に樹脂系の防水層を形成する方法が知られている。この場合の防水材には樹脂系の防水材全般が用いられ、例えばポリウレタン系、ポリウレア系、メタクリル酸(MMA)、エポキシ系の樹脂などによって現場にて塗膜形成される。
【0003】
ところで、樹脂系防水で最も重要なことは、防水層の耐久性と、防水層のコンクリート床版、あるいはアスファルト混合物層に対する接着強度であるが、一般に樹脂系防水はアスファルト系のそれと比べ、防水層とその上に施工されるアスファルト混合物層との十分な接着性が確保されにくく、これに起因してポットホールが形成されたり、アスファルト混合物層が床版からずれる等の重大な欠陥を生ずるおそれがある。
【0004】
これは、樹脂系の防水層とアスファルト混合物層との接着に関する相性がよくないことと、樹脂系の防水層の上面が平滑であること等に起因している。
【0005】
このような欠陥の発生を防止すべく、これまでは、例えば防水層の上に滑止め骨材を散布したり、あるいはアスファルト乳剤、熱可塑性樹脂粒状物、さらには接着剤などを散布する等の方法が一般的に行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、滑止め骨材だけでは十分な接着力の向上が得られないだけでなく、滑止め骨材は樹脂系の防水層が硬化する前に散布して樹脂系の防水層に固着させる必要があるため、施工が非常に困難である等の課題があった。
【0007】
また、滑止め骨材を併用する場合、熱可塑性樹脂と滑止め骨材を混合したものを散布するが、両者の密度に差があるため均一な散布ができない等の課題もあった。さらに、熱可塑性樹脂粒状物や接着剤などによって接着強度を担保する際、平滑な面同士の接着であること等からせん断強度が十分に得られない等の課題があった。
【0008】
また、国内には上述した樹脂系防水を行う必要のある橋梁は、日本道路公団(JH)が管理しているものだけでも新設、既設を含め約7、000橋あり、その市場はきわめて大きく、樹脂系防水の施工方法の改良が産業界から強く望まれていた。
【0009】
本願発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、特に樹脂系の防水層とその上にアスファルト混合物層を順に形成して樹脂系防水を行う際のアスファルト混合物層の接着力の向上を可能にした樹脂系防水の施工方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の樹脂系防水の施工方法は、樹脂系の防水層と当該防水層の上に形成されたアスファルト混合物層とからなる樹脂系防水の施工方法において、前記防水層の最上層を樹脂系防水材の吹付けにより形成する際に、樹脂系の液状防水材を空中にてある程度粒子状に硬化する位置から吹付けて、硬化した粒子状の防水材を前記防水層に付着させることにより、凹凸を有するように最上層の防水層を形成することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の樹脂系防水の施工方法は、請求項1記載の樹脂系防水の施工方法において、樹脂系の防水層とアスファルト混合物層との間に接着剤を用いることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、特に接着剤を併用する場合としては、樹脂系の防水層と同一材料で形成された凹凸による物理的接着のみでは十分な接着強度が得られない場合であり、このような場合には適切な接着剤を併せて使用するのが望ましい。
【0013】
この場合の接着剤としては、樹脂系の防水層とアスファルト混合物層とを接着させる目的で用いることができるものであれば、特に限定されるものではない。また、樹脂系の防水層およびこの防水層と同じ防水材からなる凹凸は、ノズル等の吹付け手段による吹付け方式により、防水材の吹付け位置や、吹付け圧などを適当に変えるだけで容易に形成することができる。
【0014】
【作用】
既往の方法で下地調整を行ったコンクリート面にプライマーを塗布し、その上に樹脂系の防水材を複数層に分けて吹き付けることにより樹脂系防水層を形成し、その際特に最終(最上)防水層の吹付けに際しては、防水材の吹付け位置(ノズルの位置)をコンクリート面から通常の距離より離し、空中にてある程度硬化した粒子状の防水材を降らすように吹き付けることで、凹凸を有するように最上の防水層を形成することができる。
【0015】
このように形成された凹凸を有する樹脂系の防水層は、平滑な防水層と比較して接着面積が増大することと、凹凸による物理的な接着とによってアスファルト混合層との接着性が向上し、結果として防水層全体の引張強度およびせん断強度が著しく向上する。また、凹凸を微細に形成することにより、接着強度をさらに向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、樹脂系防水の施工方法の一例を示し、最初に対象とするコンクリート面(床面)1の上に、合成樹脂系の防水材2を吹き付けて防水層2aを形成する。この場合の防水層2aは、防水材2を数回に分けて吹き付けることにより複数層に形成する。
【0017】
また、最上(最終)の防水層を形成する際、防水材2と同じ合戌樹脂系の防水材3を防水材2の吹付け位置より離れた位置から吹き付けることにより、防水層2aの上に防水層3aを凹凸が形成されるように形成する。なお、凹凸は微細であることが好ましい。
【0018】
そして、防水層3aの上に接着剤を塗布し、その上に加熱アスファルト混合物4を敷くことにより防水層3aの上に加熱アスファルト混合物層4aを形成する。
【0019】
この場合、防水材2および3として二液性樹脂系防水材を用い、また防水材2の噴射圧力は120〜150Kg/cm2 程度とし、防水材3の噴射圧力は防水材2の噴射圧力の1.2倍程度の130〜170Kg/cm2 程度まで増加させる。
【0020】
また、防水材2の噴射樹脂量を通常の4〜7Kg/hour程度とし、防水材3の噴射樹脂量は防水材2の噴射樹脂量から3〜6Kg/hour程度まで低下させる。
【0021】
こうして防水材3の噴射圧力と噴射量を調整し、コンクリート面(床版)1からの防水材3の吹付け位置(ノズル先端)を通常の1m程度から1.5〜3.0m程度まで離した位置で防水材3を吹き付けることで、樹脂粒子の硬化を促進させて防水材3をコンクリート面1に付着させることにより粗面仕上げ(テクスチャー)とすることができる。
【0022】
このような本願発明の実施にあたり、コンクリート床版のみならず、鋼製床版であっても同様に適用可能である。また、防水材は樹脂系防水材であれば、防水材の種類は限定されない。
【0023】
なお、防水層2aを塗布などで形成した後、好ましくは防水層2aが未硬化の間に防水層3aを前述の吹付け方式で形成してもよい。
【0024】
図2(a)は、既往の施工方法により、平滑な合成樹脂系の防水層にポリエステル系の接着剤にてアスファルト混合物層を接着させた場合と、凹凸を有する合成樹脂系の防水層に同じくポリエステル系の接着剤にてアスファルト混合物層を接着させた場合の引張接着強度およびせん断接着強度について測定を行った結果を示し、また図2(b)は凹凸を有する合成樹脂系の防水層の、平滑な合成樹脂系の防水層に対する強度増加比を示したものである。
【0025】
同図からも明らかなように、凹凸を有することで引張接着強度で約1割、せん断強接着強度で約2割の強度増加が確認された。また、合成樹脂系の防水層の最上層に凹凸を設ける施工は比較的容易であり、この手法により1〜2割程度の強度増加が得られる優位な結果となった。
【0026】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したとおりであり、樹脂系の防水層の上にアスファルト混合物層を形成する樹脂系防水の施工方法において、最終の防水層を形成する際に、防水層の上にこれと同じ防水材からなる微細な凹凸が形成されるように最終の防水層を形成することにより、最終防水層の上に形成されるアスファルト混合物層の接着強度を大幅に向上させることができ、これにより防水層全体の接着強度を著しく高めることができる等の効果があり、今後の樹脂系防水の施工に大いに寄与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の樹脂系防水の施工方法の一例を示す説明図である。
【図2】(a)は平滑な合成樹脂系の防水層と、本願発明による凹凸を有する合成樹脂系の防水層の引張接着強度およびせん断接着強度について測定を行った結果を示し、(b)は本願発明による凹凸を有する合成樹脂系の防水層の、平滑な合成樹脂系の防水層に対ずる強度増加比を示したものである。
【符号の説明】
1 コンクリート面(床版)
2 防水材
2a 防水層
3 防水材
3a 防水層
4 アスファルト混合物
4a アスファルト混合物層

Claims (2)

  1. 樹脂系の防水層と当該防水層の上に形成されたアスファルト混合物層とからなる樹脂系防水の施工方法において、前記防水層の最上層を樹脂系防水材の吹付けにより形成する際に、樹脂系の液状防水材を空中にてある程度粒子状に硬化する位置から吹付けて、硬化した粒子状の防水材を前記防水層に付着させることにより、凹凸を有するように最上層の防水層を形成することを特徴とする樹脂系防水の施工方法。
  2. 樹脂系の防水層とアスファルト混合物層との間に接着剤を用いることを特徴とする請求項1記載の樹脂系防水の施工方法。
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