JP4073200B2 - 画像記録方法およびインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静止被写体表面の光沢感や、繊維織りの細かなテクスチャー等の静止被写体の質感を記録紙等の被記録媒体上で表わすための画像記録方法およびこの画像記録方法を行うインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、被写体をスキャナやカメラで読み取って高画質の画像を得ることはできるが、略平面状の被写体を撮影して得られる読取画像によって、被写体の光沢感や被写体表面の細かな凹凸等の質感を再現することは難しい。
【0003】
被写体の質感を表現する方法として、コンピュータグラフィック(CG)による処理が挙げられる。例えば、被写体を表すコンピュータ上の3次元データにおいて、質感を表す情報として鏡面反射率や拡散反射率等を定義し、レンダリング処理を行って2次元データを計算し、2次元画像として表示する。
一般に、被写体の光沢感等の人が感じる質感は、人が物を評価する際、物を手にとって揺らしながら評価するように、見る人の視点の変化により被写体の鏡面反射の状態が変化することによって得られる。従って、上記CGにおいても、被写体の照明方向を微妙に変化させて、鏡面反射光が動的に変化するように、繰り返しレンダリング処理を行う必要がある。ところが、このレンダリング処理は処理量が多いため、レンダリング処理にかかる時間が極めて長くなるといった問題がある。
今後コンピュータの処理速度が一層向上しても、リアル感のある被写体の形状データと質感の情報を上記CGの手法を用いて迅速に作成することは、依然として困難である。
【0004】
一方、コンピュータを用いて被写体の質感の情報を持った3次元データのモデリングを、被写体を撮影した画像を用いて行うことが提案されている。
特公平7−66436号公報や特開2001−108421号公報では、異なる視点から複数の画像を撮影し、3次元データを求る方法が提案されている。しかし、この方法は、鏡面反射光と拡散反射光を分離していないので、十分な被写体の質感の情報を得ることができず、従って、被写体の質感を画像として表わすことができない。
一方、被写体の3次元モデリングを行うために鏡面反射光と拡散反射光を分離する方法として、2色性反射モデルに基づく方法が提案されている(「多視点カラー画像と距離画像を用いたスペキュラ反射の分離」、大槻他、電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J-80-D-II No.6 pp.1352-1359 1997年6 月) 。
しかし、この方法では、色ベクトルを推定するための統計的な処理が必要であり、ある程度の大きさの同一の質感の被写体の面が必要とされる。このため、被写体に異なる材質や色が細かく組合わさっている場合、この被写体に対して上記方法を用いることは難しい。従って、被写体の質感を画像として表わすことは難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、特開平8−39841号公報には、照明方向の異なる被写体画像を撮像し、反射光が大きい状態の信号と小さい状態の信号とを得、この2つの信号から被写体の光沢を表す光沢信号を得、これを用いて画像形成手段によって光沢を施す方法が提案されている。しかし、この方法では反射光が大きい状態の信号から小さい状態の信号を減算して光沢信号を求めるので、被写体の微妙な凹凸によって光沢に方向性があるような繊維の織り等の質感を表すことができない。さらに、画像形成手段での光沢は熱転写による再加熱で行われるため、再加熱による熱の広がりにより、被写体の細かなテクスチャーの制御ができない。従って、繊維の織りやしぼの感じが十分に表現できないといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、被写体表面の光沢感や繊維織りの細かなテクスチャー等の被写体の質感を記録紙等の被記録媒体上で表すことのできる画像記録方法、および、この画像記録方法を行うインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて、静止被写体の画像を被記録媒体に記録する画像記録方法であって、
前記拡散反射画像信号に基づいて静止被写体の画像を被記録媒体に形成する拡散反射画像形成工程と、
被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、前記光沢信号の信号値に基づいて透明な光沢調整材からなる光沢調整層を形成する光沢調整工程とを有し、
前記光沢信号は、互いに異なる方向から読み取った2つの光沢信号成分で構成され、
前記光沢調整工程は、前記2つの光沢信号成分に基づいて、前記画素単位の領域毎に2次元の形成パターンを算出し、算出した前記2次元の形成パターンに基づいて、前記画素単位の領域毎に異なる2方向に形成分布を持つ前記光沢調整層を形成することを特徴とする画像記録方法を提供する。
ここで、前記2つの光沢信号成分は、前記被記録媒体を搬送する方向の光沢信号成分と、前記被記録媒体を搬送する方向と直交する方向である前記被記録媒体に画像を記録する画像記録手段の主走査方向の光沢信号成分であることが好ましい。また、前記形成パターンは、前記2つの光沢信号成分の組み合わせ毎に形成分布が設定されていることが好ましい。さらに、前記光沢信号成分は、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成されることが好ましい。
さらに、前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
前記光沢信号成分は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号に基づいて、方向性のある信号として生成され、
前記光沢調整工程は、前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みに傾斜を与えることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様は、 照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成され、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて、静止被写体の画像を被記録媒体に記録する画像記録方法であって、
前記拡散反射画像信号に基づいて静止被写体の画像を被記録媒体に形成する拡散反射画像形成工程と、
被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、前記光沢信号の信号値に基づいて透明な光沢調整材からなる光沢調整層を形成する光沢調整工程とを有し、
前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
前記光沢信号は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号に基づいて、方向性のある信号として生成され、
前記光沢調整工程は、前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みに傾斜を与えることを特徴とする画像記録方法を提供する。
ここで、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像には、カメラやスキャナで得られた画像の他、鏡面反射率や拡散反射率等の3次元データに基づいて計算処理により作成された、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表すコンピュータグラフィック画像も含まれる。
【0008】
ここで、前記拡散反射画像形成工程および前記光沢調整工程は、液滴を被記録媒体に吐出させることによって行うのが好ましい。
また、前記光沢調整材は、光沢抑制材あるいは光沢材である。
さらに、前記光沢調整工程は、被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の各画素の領域毎に、前記光沢信号の信号値に応じて異なる光沢調整層の形成分布を持つ形成パターンによって前記光沢調整層を形成するのが好ましく、その際、前記形成パターンは、各画素の領域内において前記光沢調整層が2次元の形成分布を持つのが好ましい。
【0009】
また、前記光沢信号は、前記拡散反射画像信号と、照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号とに基づいて生成されるのが好ましく、
前記拡散反射画像信号および前記鏡面反射画像信号は、静止被写体に対して読取位置を相対的に移動させながら、静止被写体全体を読み取った走査読取画像の画像信号であるのが好ましい。
その際、前記拡散反射画像信号は、平面状の基台に載置されて照明された静止被写体の反射光の反射方向が、この静止被写体の照明光の入射方向と前記基台の平面に対して拡散反射の関係にある拡散反射光を読み取って得られた静止被写体の読取画像の画像信号であり、
前記鏡面反射画像信号は、平面状の基台に載置されて照明された静止被写体の反射光の反射方向が、この静止被写体の照明光の入射方向と前記基台の平面に対して略鏡面反射の関係にある鏡面反射光を読み取って得られた静止被写体の読取画像の画像信号であるのが好ましい。
【0010】
前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を同時に照明して得られた画像信号であってもよく、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなる画像信号であってもよい。
前記拡散反射画像信号が、異なる2方向から静止被写体を同時に照明して得られた画像信号である場合、前記拡散反射画像信号を得る際に用いる照明光は、前記鏡面反射画像信号を得る際に用いる照明光に比べて拡散光成分を多く含むのが好ましく、前記光沢信号の信号値は、前記鏡面反射画像信号の信号値を色変換した変換値から前記拡散反射画像信号の信号値を色変換した変換値を差し引いて求められるのが好ましい。
【0011】
一方、前記拡散反射画像信号が、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなる場合、前記拡散反射画像信号を得る際に用いる照明光は、前記鏡面反射画像信号を得る際に用いる照明光に比べて拡散光成分を多く含むのが好ましい。
その際、 前記光沢信号は、前記拡散反射画像信号と前記鏡面反射画像信号とに基づいて生成される第1、第2および第3の光沢信号を含み、
前記鏡面反射画像信号、前記第1の拡散反射画像信号および前記第2の拡散反射画像信号の信号値をそれぞれ色変換し、前記光沢信号を生成する任意の色信号成分である鏡面反射画像信号変換値、第1の拡散反射画像信号変換値および第2の拡散反射画像信号変換値をそれぞれ求め、
前記鏡面反射画像信号変換値が、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値の平均値以上である第1の条件を満たす場合、前記鏡面反射画像信号変換値から前記平均値を差し引いた差分を第2の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第3の光沢信号の信号値を0とし、
前記第1の条件を満たさず、前記第1の拡散反射画像信号変換値が前記第2の拡散反射画像信号変換値以上である第2の条件を満たす場合、前記第1の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第3の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第2の光沢信号の信号値を0とし、
前記第1の条件および前記第2の条件のいずれも満たさない場合、前記第2の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第1の光沢信号の信号値とするほか、前記第2および第3の光沢信号の信号値を0とするのが好ましい。
また、前記鏡面反射画像信号変換値、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値は、輝度成分の信号変換値であることが好ましい。
【0012】
さらに、前記光沢調整工程は、前記第1の光沢信号、前記第2の光沢信号、および前記第3の光沢信号に応じて、前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に前記光沢調整層を形成し、
前記第2の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みを一定にし、
前記第1の光沢信号あるいは前記第3の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記第1の光沢信号と前記第3の光沢信号との間で、前記光沢調整層の厚みに異なる方向の傾斜を与えるのが好ましい。
また、前記第1の拡散反射画像信号と前記第2の拡散反射画像信号とは、それぞれ異なる方向から静止被写体を照明して得られた複数の拡散反射画像信号に基づいて取得されることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて液滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタであって、
供給された制御信号に基づいてインク液滴を吐出して被記録媒体に拡散反射画像を形成するとともに、供給された調整信号に基づいて前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、透明な光沢調整液を吐出するインクジェットヘッドと、
前記拡散反射信号に基づいてインク液滴を吐出させる前記制御信号と、前記光沢信号に基づいて前記光沢調整液の吐出を調整する前記調整信号とを生成し、前記制御信号と前記調整信号とを前記インクジェットヘッドに供給する制御回路とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタを提供する。
また、本発明は、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて液滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタであって、
供給された制御信号に基づいてインク液滴を吐出して被記録媒体に拡散反射画像を形成するとともに、供給された調整信号に基づいて前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、透明な光沢調整液を吐出するインクジェットヘッドと、
前記拡散反射信号に基づいてインク液滴を吐出させる前記制御信号と、前記光沢信号に基づいて前記光沢調整液の吐出を調整する前記調整信号とを生成し、前記制御信号と前記調整信号とを前記インクジェットヘッドに供給する制御回路とを備え、
前記光沢信号は、互いに異なる方向から読み取った2つの光沢信号成分で構成され、
前記制御回路は、前記2つの光沢信号成分に基づいて、前記画素単位の領域毎に2次元の形成パターンを算出し、
算出した前記2次元の形成パターンに基づいて前記画素単位の領域毎に異なる2方向に形成分布を持つ前記調整信号を生成することを特徴とするインクジェットプリンタを提供する。
さらに、本発明は、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成され、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて液滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタであって、
供給された制御信号に基づいてインク液滴を吐出して被記録媒体に拡散反射画像を形成するとともに、供給された調整信号に基づいて前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、透明な光沢調整液を吐出するインクジェットヘッドと、
前記拡散反射信号に基づいてインク液滴を吐出させる前記制御信号と、前記光沢信号に基づいて前記光沢調整液の吐出を調整する前記調整信号とを生成し、前記制御信号と前記調整信号とを前記インクジェットヘッドに供給する制御回路とを備え、
前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
前記制御回路は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号とを比較し、
比較した結果に基づいて、前記光沢調整層の厚みに方向性のある前記調整信号を生成することを特徴とするインクジェットプリンタを提供する。
ここで、前記光沢信号は、前記拡散反射画像信号と前記鏡面反射画像信号とに基づいて生成される第1、第2および第3の光沢信号を含み、
前記制御回路は、前記鏡面反射画像信号、前記第1の拡散反射画像信号および前記第2の拡散反射画像信号の信号値をそれぞれ色変換し、前記光沢信号を生成する任意の色信号成分である鏡面反射画像信号変換値、第1の拡散反射画像信号変換値および第2の拡散反射画像信号変換値をそれぞれ求め、
前記鏡面反射画像信号変換値が、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値の平均値以上である第1の条件を満たす場合、前記鏡面反射画像信号変換値から前記平均値を差し引いた差分を第2の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第3の光沢信号の信号値を0とし、
前記第1の条件を満たさず、前記第1の拡散反射画像信号変換値が前記第2の拡散反射画像信号変換値以上である第2の条件を満たす場合、前記第1の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第3の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第2の光沢信号の信号値を0とし、
前記第1の条件および前記第2の条件のいずれも満たさない場合、前記第2の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第1の光沢信号の信号値とするほか、前記第2および第3の光沢信号の信号値を0とすることが好ましい。
また、 前記インクジェットヘッドは、前記第1の光沢信号、前記第2の光沢信号、および前記第3の光沢信号に応じて、前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に前記光沢調整層を形成し、
前記第2の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みを一定にし、
前記第1の光沢信号あるいは前記第3の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記第1の光沢信号と前記第3の光沢信号との間で、前記光沢調整層の厚みに異なる方向の傾斜を与えることが好ましい。
さらに、前記拡散反射画像信号及び鏡面反射画像信号を取得する画像読み取り手段を有することが好ましい。
ここで、照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像には、カメラやスキャナで得られた画像の他、被写体の質感等を表す鏡面反射率や拡散反射率等の3次元データに基づいて計算処理により作成されたコンピュータグラフィック画像も含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像記録方法およびインクジェットプリンタについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の画像記録方法を実施する本発明のインクジェットプリンタの一例のインクジェットヘッド周りの概略の構成を示す構成図であり、図1(b)は、インクジェットヘッド周りの回路構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンタ10は、被記録媒体12に液滴を吐出して画像を記録するプリンタであって、被記録媒体12を搬送する搬送系14と、被記録媒体12の幅方向に、移動機構16を用いて走査して画像を記録するインクジェットヘッド18と、インクジェットヘッド18にインク液等を供給するリザーブタンク20と、インクジェットヘッド18に液滴の吐出を行わせるための制御信号や調整信号を生成する制御回路22とを主に有する。
インクジェットヘッド18は、例えば2400dpi×1200dpiのドット密度でインク液滴を吐出するように構成され、公知の誤差拡散法を用い、ドットによる面積変調を行って300dpi程度の実効解像度で画像を記録する。
なお、図中A方向は、以降インクジェットヘッドの主走査方向という。
【0015】
搬送系14は、駆動ローラや各種ローラによって移動する搬送ベルト24上に被記録媒体12を固定した状態で一定速度で図中B方向に搬送する。なお、図中B方向は、以降において、被記録媒体12の搬送方向という。
インクジェットヘッド18は、ボールネジ16aの回転によって被記録媒体12の主走査方向に移動し、この移動中に液滴を吐出し、被記録媒体12上に所望の画像を記録する。
リザーブタンク20は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各インク液を貯留するリザーブタンク20C、20M、20Yおよび20Kの他に透明の光沢調整液を貯留するリザーブタンク20Zを備える。これら各リザーブタンクは、インクジェットヘッド18に接続されてインク液や光沢調整液を供給する。すなわち、インクジェットヘッド18は、C、M、YおよびKの各色のインク液滴を吐出するばかりでなく、光沢調整液を液滴として吐出する。
【0016】
ここで、光沢調整液は光沢調整材を溶剤として含んだ溶液である。
光沢調整材は、被記録媒体12として光沢紙を用いる場合、被記録媒体12の光沢を抑制するための光沢抑制材が溶剤として用いられ、被記録媒体12として光沢の無いマット紙等を用いる場合、被記録媒体12に光沢を出すための光沢材が溶剤として用いられる。
光沢を抑制する場合、例えば、ラテックスやベンゾグアナミン樹脂が用いられる。一方、光沢を出す場合、例えば、ラテックス等が用いられる。
ラテックスを光沢の抑制に用いる場合は、液滴として被記録媒体12に着弾した後自然乾燥させる。これにより、光沢を抑制した光沢調整層が形成される。
一方、光沢を出すためにラテックスを用いる場合は、液滴として被記録媒体12に着弾した後、ヒートローラ等により加熱処理を行なう。この加熱処理により、ラテックスが着弾した部分はラテックスの着弾量に応じて光沢度が増加した光沢調整層が形成される。
【0017】
インクジェットヘッド18の被記録媒体12と対向する面には、ヘッドチップ26が設けられ、このヘッドチップ26には、被記録媒体12に記録面と対向するように各インク液や光沢調整液のそれぞれに対応したインク吐出ノズルが設けられている。
ヘッドチップ26は、各インク吐出ノズルに対応してインク液滴や光沢調整液を吐出させるための駆動素子28(28C〜28Z)と、各駆動素子28C〜28Zに対応した駆動回路30(ドライバ30C〜30Z)とが設けられる。
駆動素子28は、印加された駆動信号に応じてインクや光沢調整液を沸騰させて気泡を発生させ、その気泡の膨張力で液滴を吐出させる発熱抵抗体であってもよいし、駆動信号に応じてインク吐出ノズルに通ずる液室内の体積を変化させ、この体積の変化によってインク吐出ノズルから液滴を吐出させるピエゾ素子であってもよいし、静電力を利用してダイアフラムを変形させて上記液室内の体積を変化させ、この体積の変化によってインク吐出ノズルから液滴を吐出させる静電タイプの吐出素子を用いてもよい。
液滴の吐出を行わせるための制御信号および調整信号は、制御回路22から供給されるが、この制御信号および調整信号は、インクジェットプリンタ10に供給される拡散反射画像信号および光沢信号から駆動回路30において生成される。
【0018】
ここで、拡散反射画像信号とは、照明光が照らされ表面で拡散反射した静止被写体を表す画像の画像信号であり、例えば、平面状の基台に載置されて照明された略平面状の被写体の反射光の反射方向が、この被写体の照明光の入射方向と基台の平面に対して略拡散反射の関係にある反射光を読み取って得られた被写体の読み取り画像信号が例示される。拡散反射の関係とは、基台の平面に対する照明光の入射角度と、読み取った被写体の反射光の、基台の平面に対する反射角度とが等しくない関係をいう。
一方、光沢信号は、読み取った画像の各画素毎に被写体の光沢度を表す画像信号であり、上記主走査方向および上記搬送方向の2つの光沢信号成分で構成された信号である。なお、本発明では、1つの光沢信号成分で構成された信号であってもよい。
このような拡散反射画像信号や光沢信号は、後述する方法によって生成され、後述する画像処理装置等から供給される。あるいは、規格化された画像信号として供給される。例えば、拡散反射画像信号は、各色信号成分が8ビット信号であるC、MおよびY信号であり、光沢信号は、YIQ色信号成分のうちY成分(輝度成分)で表された2ビットの信号である。
【0019】
制御回路22は、供給された拡散反射画像信号を用いてドライバ30C〜30Yを駆動させる制御信号を生成し、供給された光沢信号を用いてドライバ30Zを駆動させる調整信号を生成する。なお、拡散反射画像信号の替わりにテキスト信号が供給された場合、ドライバ30Kを駆動するように制御回路22は制御信号を生成する。
インクジェットプリンタ10は、C、M、Y、Kをインクとして吐出させるが、本発明においては、これに限定されず、ライトシアンやライトマゼンタのインクを含む5色のインクを用いてもよいし、その他、5色以上のインクを用いてもよい。
【0020】
このような構成のインクジェットプリンタ10では、まず、拡散反射画像信号が供給されて制御信号が生成されるとともに、光沢信号が供給されて調整信号が生成される。
制御信号は、ドライバ30C〜30Yに供給され、駆動素子28C〜28Yによってインク液滴が吐出され、所望の拡散反射画像が形成される。
また、調整信号はドライバ30Zに供給され、駆動素子28Zによって光沢調整液の吐出が、形成された拡散反射画像の画素単位で調整されて、対応する被記録媒体12上の領域に光沢調整液が吐出される。すなわち、光沢調整液の被記録媒体12への吐出が、光沢信号に応じて拡散反射画像の画素単位毎に調整され、この画素単位に対応する被記録媒体12上の領域に光沢調整液が吐出されて、光沢調整層が形成する。なお、画素単位とは、1画素単位であってもよいし、複数の画素単位であってもよい。
【0021】
ここで、光沢調整液の吐出が1画素単位で調整される場合の例を細かく説明する。
図2は、拡散反射画像の各画素を16分割(縦4分割×横4分割)した分割領域に光沢調整液を吐出させて光沢調整層を形成させる光沢調整層の形成パターンの一例を示した図である。この形成パターンは、光沢信号の信号値に応じて、1画素内の異なる2方向に光沢調整層の形成分布を持つ2次元の形成パターンである。
【0022】
例えば、光沢紙に画像を記録する場合、2ビットの光沢信号の信号値(レベル0〜3)が、主走査方向においてレベル3、搬送方向においてレベル3である場合、光沢の度合いを2方向とも最大にするため、光沢紙のような光沢のある被記録媒体に光沢抑制材を含んだ光沢調整液を吐出する場合、光沢調整液の吐出を行わない。マット紙のように光沢の無い被記録媒体に光沢材を含んだ光沢調整液を吐出する場合、すべての分割領域に光沢調整液を吐出する。
一方、光沢信号の信号値が、主走査方向においてレベル0、搬送方向においてレベル0の場合、光沢紙を可能な限り光沢させないように、光沢紙のような光沢のある被記録媒体に光沢抑制材を含んだ光沢調整液を吐出する場合、光沢調整材を16分割領域のすべてに対して吐出し、マット紙のように光沢の無い被記録媒体に光沢材を含んだ光沢調整液を吐出する場合、光沢調整液の吐出を行わない。
また、光沢信号の信号値が、主走査方向においてレベル3、搬送方向においてレベル1の場合、光沢紙を主走査方向において可能な限り光沢させ、搬送方向においてほとんど光沢させないように、図2中のパターンPに従って光沢調整液を吐出する。図2中、斜線で示された分割領域が、光沢紙に対して光沢調整液を吐出して光沢抑制材の光沢調整層を形成する領域である。図2中の白い分割領域が、マット紙等の光沢の無い被記録媒体に光沢材を含んだ光沢調整液を吐出して、光沢調整層を形成する領域である。
【0023】
このような光沢信号は、主走査方向および搬送方向の2方向の光沢信号成分を持つ信号であるが、表面の微小凹凸により微妙な傾斜を持った被写体の場合、被写体の光沢に方向性を持つ場合がある。本発明では、この被写体表面の微妙な傾斜に応じて発生する光沢の方向性を再現するために、図3に示すように、主走査方向および搬送方向の2方向の光沢信号成分について、第1光沢信号R1 ,R1 ’、第2光沢信号R2 ,R2 ’および第3光沢信号R3 ,R3 ’を後述する方法によって生成する。
なお、後述する第1〜3光沢信号R1 〜R3 の生成方法からわかるように、主走査方向の光沢信号成分における第1〜3光沢信号R1 〜R3 の信号値は、いずれか2つの信号値が同時に0以外の値を持つ場合はない。搬送方向における第1〜3光沢信号R1 ' 〜R3'も同様である。
【0024】
このような第1〜3光沢信号R1 〜R3 や第1〜3光沢信号R1 ' 〜R3'が光沢信号としてインクジェットプリンタ10に供給された場合、マット紙等のような光沢のない被記録媒体12上に記録する被写体の画像の光沢に方向性を持たせるために、第1光沢信号R1 〜第3光沢信号R3 や第1〜3光沢信号R1 ' 〜R3'に応じて、光沢材からなる光沢調整層の厚みに所定の方向に傾斜した分布を持たせる。これによって、形成された被写体の画像の鏡面反射の方向に方向性を持たせることができる。
【0025】
例えば、第1光沢信号R1 〜第3光沢信号R3 が2ビット(レベル0〜3)の信号からなり、第1光沢信号R1 の信号値がレベル3の場合、図4(a)のように、光沢調整液の吐出回数を1画素内で1回から4回に徐々に変え、1画素内の光沢調整層の形成厚みに一方向の傾斜を持たせる。一方、第3光沢信号R3 の信号値がレベル3の場合、図4(b)のように、光沢調整液を吐出回数を1画素内で4回から1回に徐々に変え、1画素内の光沢調整層の形成厚みに、図4(a)に示す傾斜方向と逆の方向の傾斜を与える。
第2光沢信号R2 の信号値の場合、光沢調整液の吐出回数を例えば2回等、一定とし、1画素内の光沢調整層の形成厚みを一定とする。
なお、第2光沢信号R2 による吐出と、第1光沢信号R1 による吐出と、第3光沢信号R3 による吐出は、それぞれ、インクジェットヘッド18の異なる走査移動によって行う。すなわち、インクジェットヘッド18は、光沢調整液の吐出のために、第1光沢信号R1 の吐出、第2光沢信号R2 の吐出および第3光沢信号R3 の吐出の3回の吐出のための走査を行う。
【0026】
図5(a)〜(d)は、主走査方向における第1〜3光沢信号R1 〜R3 および搬送方向における第1〜3光沢信号R1 ' 〜R3'に対応した、光沢調整液の吐出回数の分布を例示した図である。
例えば、主走査方向における第1光沢信号R1 の信号値がレベル3であり、搬送方向における第2光沢信号R2 の信号値がレベル3である場合、図5(a)に示すように、主走査方向に沿って光沢調整液の吐出回数が1回から4回に順次増える。
主走査方向における第2光沢信号R2 の信号値がレベル3であり、搬送方向における第1光沢信号R1 ’の信号値がレベル3である場合、図5(b)に示すように、搬送方向に沿って光沢調整液の吐出回数が4回から1回に順次減少する。
【0027】
一方、主走査方向における第1光沢信号R1 の信号値がレベル3であり、搬送方向における第1光沢信号R1 ’の信号値がレベル3である場合、図5(c)に示すように、各分割領域における光沢調整液の吐出回数が、図5(a)と図5(b)に示す光沢調整液の吐出回数の四捨五入された平均回数となる。
【0028】
また、主走査方向の第1光沢信号R1 の信号値がレベル3、搬送方向の第2光沢信号R2 ' の信号値がレベル1の場合、図2に示すパターンP中の斜線部分に対応する分割領域に光沢が出ないように、この分割領域に対して光沢材を含んだ光沢調整液の吐出は行われない。すなわち、図2に示すパターンP中の斜線部分に対応する図5(d)中の分割領域では、光沢材を含んだ光沢調整液の吐出回数は0回となる。
【0029】
このような光沢調整液の吐出回数は、制御回路22から供給される調整信号によって制御されるが、制御回路22は、インクジェットプリンタ10の能力に応じて、例えば、吐出回数を変えることができない場合、光沢に方向を持たせた第1〜3光沢信号R1 〜R3 や第1〜3光沢信号R1 ’〜R3 ’の信号値の信号値の中の最大値や平均値を用いて、上記調整信号を作成し、同一分割領域に吐出させる光沢調整液の吐出回数を一定にしてもよい。さらに、インクジェットプリンタ10が図2に示すような形成パターンを用いて光沢調整液を吐出することができる場合、第1〜3光沢信号R1 〜R3 や第1〜3光沢信号R1 ’〜R3 ’の信号値の最大値や平均値を、光沢に方向性を持たない光沢信号の信号値のレベルとして用いて、上記調整信号を作成してもよい。
【0030】
以上、光沢材を含んだ光沢調整液の吐出回数を第1〜3光沢信号R1 〜R3 ,R1 ’〜R3 ’に応じて調整し、被記録媒体12に形成した透明な光沢調整層の厚みに分布を持たせることで、微小な凹凸を表面に有する実物の被写体と同様の鏡面反射状態を再現し、静止被写体表面の光沢感や静止被写体の質感を再現することができる。
【0031】
インクジェットプリンタ10では、上述したように静止被写体の拡散反射画像信号と光沢信号によって画像が記録されるが、この拡散反射画像信号と光沢信号は、以下に示すスキャナおよび画像処理装置を用いることによって生成される。
【0032】
図6は、上記拡散反射画像信号と光沢信号を画像処理装置で生成するために被写体を読み取るスキャナ31の主要部の断面図である。
スキャナ31は、静止した被写体32を載置する平面状のガラス基台34と、被写体32を矢印C方向に走査するように照明する照明ユニット36と、照明ユニット36で得られた被写体32の反射光を読み取る読取ユニット38と、照明ユニット36から反射光を読取ユニット38に導くミラー40a,40bからなるミラー群42とを有する。被写体32の読み取り面は、ガラス基台34の面側に向けられる。
【0033】
照明ユニット36は、スキャナ31の読取位置Lにおける被写体32の照明光の入射方向が、この読取位置Lにおける読取方向と、ガラス基台34の平面に対して略鏡面反射の関係になるように配置された、紙面垂直方向に延在した光源44と、スキャナ31の読取位置L’における被写体32の照明光の入射方向が、読取位置L’における読取方向と、ガラス基台34の平面に対して拡散反射の関係になるように配置された、紙面垂直方向に延在した光源46と、被写体の反射光を位置規制するスリット48,50と、スリット48,50で位置規制された反射光をミラー40aに向けて導くミラー52とを有する。ここで、略鏡面反射の関係とは、基台34の平面に対する照明光の入射角度と、被写体上で反射したスキャナ読取位置における反射光の、基台34の平面に対する反射角度(読取位置における読取方向の角度)が、略等しい関係をいう。拡散反射の関係とは、上述したように、上記照明光の入射角度とスキャナ読取位置における被写体上で反射した反射光の、基台34の平面に対する反射角度(読取位置における読取方向の角度)が、等しくない関係をいう。
【0034】
光源46は、図7に示すように、紙面垂直方向に延在した光源46aおよび紙面垂直方向に延在した光源46bからなり、ガラス基台34の平面の垂直方向に対して異なる方向に略同一の傾斜角度で傾斜した2方向から被写体32を照明するように配される。また、光源46a,46bは、ともに照明光を拡散する拡散板47を備え、光源46a,46bの照明光は拡散板47を持たない光源44の照明光に比べて拡散光成分を多く含む。
【0035】
ミラー52は、光源46a,46bから照明されて被写体32で拡散反射した反射光が、ガラス基台34の平面に対して垂直方向から読み取られようにミラーの位置およびミラー面の向きが配される。さらに、ミラー52は、読取位置Lにおける被写体32の反射光がミラー40aに向けて導かれるように、ミラー面の向きが自在に調整できるように構成される。
ミラー群42は、照明ユニット36からの反射光を読取ユニット38へ導く部位であり、位置調整が可能なように矢印C方向に移動可能となっている。
【0036】
一方、読取ユニット38は、反射光の光量を絞るための絞り54、色フィルタやNDフィルタから構成されるフィルタ群56、結像レンズ58およびラインCCDセンサ60を有する。
【0037】
このような構成のスキャナ31は、被写体32と、スキャナ31の読取位置L,L’とを相対的に移動させながら、照明された被写体32の反射光を読取位置L,L’で読み取る装置である。スキャナ31では、光源44と光源46が別々に用いられて被写体32が読み取られ、光源44を用いて照明した場合鏡面反射光による画像(以降、鏡面反射画像という)が、光源46を用いて照明した場合拡散反射光による画像(以降、拡散反射画像という)が、それぞれ読み取られる。
なお、光源44を用いて照明した時に読取ユニット38で読み取る反射光の光路と光源46を用いて照明した時に読取ユニット38で読み取る反射光の光路とが略等しくなるように、照明ユニット36に対するミラー群42の位置が調整される。
【0038】
また、光源44を用いて被写体32を読み取る読取位置Lと、光源46を用いて被写体32を読み取る読取位置L’は異なっているため、鏡面反射画像と拡散反射画像における被写体の位置合わせを行う必要がある。この位置合わせは、後述する画像処理によって行われる。例えば、予め読取位置Lと読取位置L’の移動方向における距離をミラー52のミラー面の設定角度に基づいて求め、この距離に基づいて被写体32の画像の画素位置補正を行う。あるいは、被写体32の非注目領域にマークを付し、このマークを基準にして鏡面反射画像と拡散反射画像における被写体の画素位置補正を行ってもよい。
また、ガラス基台34に拡散度の高い基準白色板(基準グレー板)を載置し、反射光の強度分布のデータをシェーディング補正データとして獲得して記憶し、このシェーディング補正データを用いて、鏡面反射画像と拡散反射画像に画像処理としてシェーディング補正(明補正)を施す。基準白色板の読み取りの際、読取ユニット38に入射する鏡面反射光の強度が強くラインCCDセンサ60の受光許容範囲を超える場合があるため、フィルタ群56のNDフィルタを用いて反射光の強度調整を行って読み取り、後述する画像処理により補正を施してもよい。
【0039】
上記スキャナ31による読み取りは、被写体32が略平面状で表面の凹凸が少ないものが好適に用いられるが、繊維織り等のように、表面に微小凹凸を有する被写体の場合、被写体表面の微妙な傾斜によって鏡面反射の発生する被写体上の領域も種々変わる。
そこで、以下に述べるように、被写体の微小凹凸を考慮して、光源46a,46bを被写体32に対して別々に照明して、異なる読取画像を得る。
【0040】
図8(a),(b)は、被写体33の微小凹凸の表面と反射光との関係を示した図である。(図8(a),(b)の各々は、照明する一方の光源しか表示していない。)
被写体33の表面に微小凹凸がなければ読取位置Lにおいて鏡面反射光がミラー52で反射され、ミラー群42を介して読取ユニット38に至り読み取られるが、図8(a)に示すように、被写体33が局部傾斜面(図中、右上がり傾斜)33a,33bを有する凹凸を持つ場合、読取位置Lにおける被写体の面は傾斜しているため、図8(a)に示す状態では、鏡面反射した反射光の大部分が、読取ユニット38に到達しない。図8(a)に示すような局所傾斜面33aで鏡面反射した鏡面反射光が読取ユニット38において強度の強い状態で読み取られるのは、図8(a)に示す状態から照明ユニット36が矢印C方向にしばらく移動した後である。従って、図8(a)に示す状態では、読取ユニット38で読み取られる局部傾斜面33aの反射光は強度が弱くなる。一方、被写体33の表面に凹凸がなければ読取位置L’において光源46aの照明光の拡散反射光が読取ユニット38で読み取られるが、読取位置L’における被写体の面が傾斜しているため、光源46aの照明光は、拡散板47を備えて拡散光成分が多い照明光にもかかわらず、読取ユニット38で読み取られる局部傾斜面33bの反射光は、読取位置L’において強度が強くなる。
【0041】
図8(b)に示すように、傾斜方向が局部傾斜面33a、33bと異なる向きに持つ局部傾斜面(図中、左上がり傾斜)33c,33dの場合、読取ユニット38で読み取られる局部傾斜面33cの反射光は、読取位置Lにおいて強度が弱くなる。この場合、図8(b)に示す状態より以前の状態で、強度の強い鏡面反射光が読取ユニット38で読み取られる。一方、読取ユニット38で読み取られる局部傾斜面33dの反射光は、読取位置L’において強度が強くなる。
【0042】
このように、図8(a),(b)からわかるように、読取位置で読み取られる鏡面反射光は被写体の傾斜に応じて鏡面反射光や拡散反射光の強度は変化する。このような変化に対応するために、後述する画像処理では、光源46aと光源46bを別々に照明して得られた拡散反射画像と光源44を用いて得られた鏡面反射画像とを用いて方向性のある光沢信号を作成する。
このような被写体の読み取りがスキャナ31によって行われ、1つの鏡面反射画像と1つあるいは2つの拡散反射画像が得られ、図9に示す画像処理装置70に送られる。
【0043】
なお、スキャナ31は、光源44,46は紙面垂直方向に延在した光源であるため、鏡面反射光の情報は、1方向(図6中の紙面左右方向)の情報しか得られない。従って、被写体の鏡面反射の情報を2次元情報として得、上述したように、インクジェットプリンタ10における主走査方向および搬送方向の2方向の光沢信号成分に対応する光沢信号を得る場合、ガラス基台34に載置する被写体を90度回転させて、上記方法で鏡面反射画像を読み取るとよい。
なお、2方向の鏡面反射画像を読み取った場合に行う処理も以降に述べる処理と同様の方法で行われるので、以降において、1方向の鏡面反射画像を読み取った場合について説明する。
【0044】
図9に示す画像処理装置70は、スキャナ31から供給された鏡面反射画像と拡散反射画像の読取画像信号、すなわち鏡面反射画像信号と拡散反射画像信号とを用いて、光沢信号を生成し、拡散反射画像信号と光沢信号を、インクジェットプリンタ10の制御回路22に供給するとともに、必要に応じて、ディスプレイに画像表示するためのフレーム画像を作成する装置である。
図10には、画像処理装置70で実施する処理工程が示されている。処理工程では 信号変換処理(ステップ150)と、光沢信号の生成(ステップ152)と、必要に応じて行うウィンドウ処理(ステップ154)と、信号逆変換処理(ステップ156)と、加算処理(ステップ158)とを有する。
【0045】
画像処理装置70は、前処理部72と、信号変換処理部74と、光沢信号生成部76と、ウィンドウ処理部78と、フレーム画像信号生成部80とを有する装置である。画像処理装置70は、各部位が回路によって構成された専用装置であってもよいし、ソフトウェアを起動させて各部位の機能を発揮させるコンピュータによって構成されてもよい。
【0046】
前処理部72は、読取画像信号に対して、上記被写体の画素位置補正やシェーディング補正等の他、ラインCCDセンサ60に基づく欠陥補正や暗補正やγ補正等公知の処理を行う。
処理された読取画像信号は、信号変換処理部74とフレーム画像信号生成部80に送られる。
【0047】
信号変換処理部74は、読取画像信号がR信号、G信号、およびB信号からなる場合、このR信号の信号値Sr 、G信号の信号値Sg およびB信号の信号値Sb を、変換マトリクスTによって、信号変換値S1 ,S2 ,S3 に信号変換(色変換)し、例えばY成分、I成分およびQ成分の色信号値に変換する。すなわち、図10に示すステップ150の工程を行う。
さらに、信号変換処理部74は、読取画像信号のうち、R、GおよびB信号からなる拡散反射画像信号を、C、MおよびY信号からなる拡散反射画像信号に色変換し、インクジェットプリンタ10の制御回路22に供給する。
【0048】
ここで、読取画像信号は、鏡面反射画像信号の信号値Sr (1) ,Sg (1) ,Sb (1) と、2つの拡散反射画像信号の信号値Sr (2) ,Sg (2) ,Sb (2) (図8(a)に示す光源46aを用いて読み取られた拡散反射画像信号)と拡散反射画像信号の信号値Sr (3) ,Sg (3) ,Sb (3) (図8(b)に示す光源46bを用いて読み取られた拡散反射画像信号)が供給された場合、供給された画像信号それぞれについて変換を行う。
変換マトリクスTは、光沢信号をどの色信号成分で生成するかによって定まるマトリクスである。例えば、輝度成分(Y成分)で光沢信号を生成する場合、変換マトリクスTは、Y、IおよびQ成分とR、GおよびB信号の公知の変換マトリクスとなる。なお、光沢信号は、例えば、スキャナ31における光源44や光源46の照明光の分光強度特性に応じて、また、被写体の色味に応じて、設定すべき色信号成分を定めるとよい。読取画像の各画素毎の信号変換値S1 ,S2 ,S3 は、光沢信号生成部76に送られる。
【0049】
光沢信号生成部76は、例えばY,IおよびQ成分であれば、Y成分(輝度成分)のように、信号変換値S1 ,S2 ,S3 から注目する色信号成分の信号変換値を取り出して、以下の処理を行い、光沢信号を生成する(図10におけるステップ152)部位である。なお、注目する色信号成分の信号変換値を信号変換値S1 とする。
【0050】
鏡面反射画像における注目する色信号成分の信号変換値(鏡面反射画像信号変換値)をS1 (1) 、2つの拡散反射画像における注目する色信号成分の信号変換値(拡散反射画像信号変換値)をS1 (2) ,S1 (3) として、図11に示す流れにそって処理される。
読取画像上の同一の画素位置毎に、信号変換値S1 (1) ,S1 (2) およびS1 (3) の値が比較され(ステップ200)、信号変換値S1 (1) が信号変換値S1 (2) とS1 (3) との平均値以上である場合、第1光沢信号R1 および第3光沢信号R3 の信号値を0とし、第2光沢信号R2 の信号値を、信号変換値S1 (1) から信号変換値S1 (2) とS1 (3) との平均値を差し引いた差分とする(ステップ202)。
なお、強度の強い鏡面反射光を読み取って鏡面反射画像が得られ、強度の弱い拡散反射光を読み取って拡散反射画像が得られた場合、ステップ200において、信号変換値S1 (1) が信号変換値S1 (2) とS1 (3) との平均値以上となる条件を満たす。
【0051】
次に、ステップ200で否定された場合、信号変換値S1 (2) とS1 (3) が比較される(ステップ204)。すなわち、信号変換値S1 (2) が信号変換値S1 (3) 以上である場合、第1光沢信号R1 および第2光沢信号R2 の信号値を0とし、第3光沢信号R3 の信号値を、信号変換値S1 (2) から信号変換値S1 (1) を差し引いた差分とする(ステップ206)。
なお、図8(a)に示すように光源46aを用いて照明した時に強い拡散反射光を読み取った場合、すなわち、被写体33の局部傾斜面33bを読み取った場合、ステップ204における、信号変換値S1 (2) が信号変換値S1 (3) 以上となる条件を満たす。
【0052】
ステップ204で否定された場合、すなわち、信号変換値S1 (2) が信号変換値S1 (3) より小さい場合、第2光沢信号R2 および第3光沢信号R3 の信号値を0とし、第1光沢信号R1 の信号値を、信号変換値S1 (3) から信号変換値S1 (1) を差し引いた差分とする(ステップ208)。
なお、信号変換値S1 (2) が信号変換値S1 (3) より小さい状態は、図8(b)に示すように光源46bを用いて照明した時に強い拡散反射光を読み取った場合、すなわち、被写体33の局部傾斜面33dを読み取った場合に発生する。
こうして、注目する色信号成分について光沢信号(第1光沢信号R1 〜第3光沢信号R3 )が生成される。
【0053】
一方、図7に示すように、光源46a,46bを同時に照明して、1つの拡散反射画像を読み取った場合、信号変換処理部74において、鏡面反射画像信号の信号値Sr (1) ,Sg (1) ,Sb (1) と、1つの拡散反射画像信号の信号値(この拡散反射画像信号をSr (4) ,Sg (4) ,Sb (4) とする)を変換して、注目する色信号成分の信号変換値(この信号変換値をS1 (1) ,S1 (4) とする)を求め、光沢信号生成部76において、注目する鏡面反射画像の信号変換値S1 (1から注目する拡散反射画像の信号変換値S1 (4) を差し引いた差分を求め、このの差分を光沢信号の信号値とする。
【0054】
この場合、図7に示すように、略平面状の被写体32であるので、信号変換値S1 (1) の方が信号変換値S1 (4) に比べて大きい。
生成された光沢信号は、信号変換処理部74からインクジェットプリンタ10の制御回路22に供給される拡散反射画像信号とともに、光沢信号生成部76からインクジェットプリンタ10の制御回路22に供給される。
なお、上記例で生成される光沢信号はスキャナ31で走査読み取りを行った方向の1次元の光沢信号であるが、上述したように、ガラス基台34に載置する被写体を90度回転させて鏡面反射画像を読み取った場合、2方向の走査読み取りで得られた鏡面反射画像信号を用いて、インクジェットプリンタ10における主走査方向および搬送方向の2方向の光沢信号成分に対応する2次元の光沢信号が生成され、この2次元の光沢信号が、拡散反射画像信号とともに制御回路22に供給される。
さらに、必要に応じて、ディスプレイに表示するためのフレーム画像を作成するためにウィンドウ処理部78に送られる。
【0055】
ウィンドウ処理部78は、図12に示すウィンドウ関数Fの中心位置を選択された位置に移動させ、移動のたびにウィンドウ関数Fの値を、対応する光沢信号の信号値に乗算する、すなわち、ウィンドウ処理を行う(図10におけるステップ154)部位である。ウィンドウ関数Fは、スキャナ31において鏡面反射の情報を得た方向、すなわち、走査読み取り方向をx方向とすると、このx方向に底辺の幅4w、上辺の幅2w、高さhの台形形状の分布を持つ関数である。
【0056】
このようなウィンドウ関数Fは、第1光沢信号R1 、第2光沢信号R2 および第3光沢信号R3 に対応してウィンドウ関数F1 ,F2 およびF3 を持ち、ウィンドウ関数F2 の中心位置は、図13(a)に示すように拡散反射画像や鏡面反射画像等の読取画像の横幅(画像幅)の画素数をWとした場合、図13(b)に示すように、一回の移動量を(W+2・X0 )/N(=α)として−X0 〜W+X0 の範囲を移動し、−X0 〜W+X0 の範囲を往復する。すなわち、第1光沢信号R1 、第2光沢信号R2 および第3光沢信号R3 の光沢信号によって表される被写体の光沢画像の横幅(画像幅)の画素数は上記Wとなるので、ウィンドウ関数F2 の中心位置は、図13(d)に示すように、光沢画像の画素配列に基き、一回の移動量を(W+2・X0 )/N(=α)として、−X0 〜W+X0 の範囲を移動し往復する。ここで、X0 は、ウィンドウ関数F(x)の移動開始位置と、折り返し位置を規定する所定の幅の画素数を表すパラメータである。すなわち、移動開始位置は、読取画像の移動方向における一方の画像端から外側にX0 離れた位置であり、折り返し位置は、読取画像の移動方向における他方の画像端から外側にX0 離れた位置である。このパラメータはオペレータにより設定され、あるいは予め設定されたものが用いられる。また、Nは後述するディスプレイ上で被写体を表示する際のフレーム画像の画像数の半分の数である。ウィンドウ関数F2 は、上記αによって隣り合う間隔が定められた複数の移動位置に移動する。
【0057】
ウィンドウ関数F1 ,F3 の中心位置は、図13(c)および(e)に示すように、第2光沢信号R2 に対応するウィンドウ関数F2 を基準として、ウィンドウ関数F1 は移動方向前方に、ウィンドウ関数F3 は移動方向後方に、それぞれ所定距離に相当する画素数δ離れた状態で、ウィンドウ関数F2 とともに同時に移動する。ここで画素数δは、オペレータにより設定され、あるいは予め設定されたパラメータである。この画素数δは、被写体の読み取りの際に説明したように、被写体表面の微小凹凸による傾斜に応じて、被写体の鏡面反射光の強度が変化することに対応して設けられたパラメータである。このパラメータは被写体表面の微小凹凸の情報を含んだ被写体の光沢感等の質感を再現するために用いられ、オペレータにより設定され、あるいは予め設定される。これによって、鏡面反射に方向性を持たせ、被写体の光沢に方向性を持たせることができる。
【0058】
ウィンドウ処理は、具体的には、第2光沢信号R2 (x)(xは、走査読み取り方向であるx方向の読取画像の一方の端の位置をx=0とする座標値である)にウィンドウ関数F2 =F(x−n・α+X0 )(−X0 〜W+X0 の範囲の往路)を乗算し、第1光沢信号R1 (x)にウィンドウ関数F2 よりも移動方向前方に位置するウィンドウ関数F1 =F(x−n・α+X0 −δ)を乗算し、第3光沢信号R3 (x)にウィンドウ関数F2 よりも移動方向後方に位置するウィンドウ関数F3 =F(x−n・α+X0 +δ)を乗算する。
【0059】
なお、上記ウィンドウ関数F1 =F(x−n・α+X0 +δ)、F2 =F(x−n・α+X0 )およびF3 =F(x−n・α+X0 +δ)は、x方向への往路の移動の場合の関数であり、復路の移動の場合は、ウィンドウ関数F1 はF(x+n・α−(2・W+3・X0 )−δ)、ウィンドウ関数F2 はF(x+n・α−(2・W+3・X0 )およびウィンドウ関数F3 はF(x+n・α−(2・W+3・X0 )+δ)とされる。ここで、nは移動開始位置からの順番で、後述するフレーム画像の順番を示し、0〜2・N−1の整数である。n=0〜Nの場合ウィンドウ関数の移動は往路に当たり、n=N+1以降は復路に当たる。
こうして、ウィンドウ関数F1 ,F2 およびF3 の移動に伴う、すなわちnによって変動する乗算結果が得られフレーム画像信号生成部80に送られる。
【0060】
フレーム画像信号生成部80では、ウィンドウ処理部78で演算された乗算結果が加算されて光沢変動成分ΔS1 が求められ、この光沢変動成分ΔS1 に対して上記変換マトリクスTによる変換の逆変換が行われてR信号、G信号およびB信号に対応する逆変換値ΔSr ,ΔSg ,ΔSb が求められ(図10におけるステップ156)、その後、この逆変換値ΔSr ,ΔSg ,ΔSb に、2つの拡散反射画像信号Sr (2) ,Sg (2) ,Sb (2) と拡散反射画像信号Sr (3) ,Sg (3) ,Sb (3) のR信号の平均値1/2・(Sr (2) +Sr (3) )、G信号の平均値1/2・(Sg (2) +Sg (3) )およびB信号の平均値1/2・(Sb (2) +Sb (3) )がそれぞれ加算され(図10におけるステップ158)、nによって順番付けられた、0〜2・N−1のフレーム画像信号が生成される。
【0061】
得られたフレーム画像信号は、0〜2・N−1の被写体のフレーム画像として(n=1〜N−1のフレーム画像は、ウィンドウ関数の往路の際のフレーム画像となり、復路の際のフレーム画像となる)、フレーム画像の順番、すなわち、nの順番に一定時間間隔でディスプレイに順次供給され、ディスプレイ上で順番付けられたフレーム画像の切り換えが2・N−1回以上行われ、すなわち、ウィンドウ関数F1 ,F2 およびF3 の移動が少なくとも1往復以上行われ、画像中の被写体の反射領域が時間的に変動するようにディスプレイ上で表示される。
【0062】
上記実施例は、読取画像信号として、鏡面反射画像信号Sr (1) ,Sg (1) ,Sb (1) と、2つの拡散反射画像信号Sr (2) ,Sg (2) ,Sb (2) と拡散反射画像信号Sr (3) ,Sg (3) ,Sb (3) が供給された場合について説明したが、図7に示すようにスキャナ31において、光源46a,46bを同時に被写体32に照明して読み取った場合、すなわち、読取信号が、鏡面反射画像信号Sr (1) ,Sg (1) ,Sb (1) と、1つの拡散反射画像信号Sr (4) ,Sg (4) ,Sb (4) が画像処理装置70に供給された場合について説明する。
【0063】
この場合、図10に示す処理と同様に、信号変換処理(ステップ150)と、光沢信号の生成(ステップ152)と、ウィンドウ処理(ステップ154)と、信号逆変換処理(ステップ156)と、加算処理(ステップ158)とが行われる。信号変換処理では、R、GおよびB信号からなる拡散反射画像信号をC、MおよびY信号からなる拡散反射画像信号に変換し、この変換された拡散反射画像信号をインクジェットプリンタ10の制御回路22に供給する。
【0064】
信号変換処理では、上記変換マトリクスTで、鏡面反射画像信号Sr (1) ,Sg (1) ,Sb (1) が信号変換され、信号変換値の3成分の中から注目する色信号成分の信号変換値S1 (1) が取り出される。同様に、拡散反射画像信号Sr (4) ,Sg (4) ,Sb (4) についても同様の処理が施され、信号変換値S1 (4) が取り出される。
【0065】
次に、光沢信号の生成が、下記式に従って光沢信号Rが求められる。
R = S1 (1) − S1 (4)
この光沢信号が、インクジェットプリンタ10の制御回路22に供給される。
【0066】
必要に応じて行うウィンドウ処理では、ウィンドウ関数F4 =F(x−n・α+X0 )(往路)およびF(x+n・α−(2・W+3・X0 ))(復路)が用いられ、上記ウィンドウ関数F2 と同様に画像上の移動を行う。そして、ウィンドウ関数F4 の値が対応する光沢信号Rの値と乗算される。
【0067】
信号逆変換処理では、上記乗算結果が光沢変動成分ΔS1 とされ、上記変換マトリクスTによる変換の逆変換が行われてR信号、G信号およびB信号に対応する逆変換値ΔSr ,ΔSg ,ΔSb が求められ、この逆変換値ΔSr ,ΔSg ,ΔSb に、拡散反射画像信号Sr (4) ,Sg (4) ,Sb (4) が各成分それぞれ加算され(図10におけるステップ158)、nによって順番付けられたフレーム画像信号値が生成される。生成されたフレーム画像信号は、nの順番により一定時間間隔でディスプレイに順次供給される。
【0068】
このように被写体の光沢感等の質感を表す光沢信号を拡散反射画像信号とともに供給するが、拡散反射画像信号と光沢信号を規格化された画像信号として1つにまとめ、画像処理装置70に記憶保持してもよいし、各種記録媒体に記録してもよい。規格化された画像信号がインクジェットプリンタ10の制御回路22に供給されてもよい。
【0069】
以上、スキャナ31を用いて拡散反射画像信号および光沢信号を生成する場合を説明したが、以下に示すように、光源を移動しあるいは切り換えて照明方向や光源位置を変えながら、カメラによって被写体を撮影して、拡散反射画像信号と光沢信号を生成してもよい。
【0070】
例えば、図14(a),(b)に示すように、被写体100が基台102に載置され、一方向に延在する線状の光源104a〜104fが配置され、光源104a〜104fを順番に切り換えて照明された被写体100をカメラ108で撮影する場合、被写体100の領域を図17に示すように、領域Ra 〜Rd 等のように多分割し、各領域における被写体表面の微小凹凸による傾斜面を右上がり傾斜、水平、左上がり傾斜に分け、光源104a〜104fと各領域との位置関係から、上述した第1光沢信号R1 (図14参照)が得られるか、上述した第2光沢信号R2 (図14参照)が得られるか、あるいは、上述した第3光沢信号R3 (図14参照)が得られるか、予め光源と領域のすべての組み合わせについて調べる。そして、下記表1に示すような光源と領域の組み合わせと第1〜3光沢信号の対応関係を設定する。なお、光源104a〜104fの照明による読み取りの他に、光源104a〜104fの照明光よりも拡散反射光成分を多く含む照明光を用いて読み取られた被写体の拡散反射画像信号を得ておく。
【0071】
【表1】
Figure 0004073200
【0072】
表1では、例えば領域Raにおいて、被写体表面が右上傾斜面である場合、光源104aによる鏡面反射光を読み取り、被写体表面が略水平面である場合、光源104bによる鏡面反射光を読み取り、被写体表面が左上傾斜面である場合、光源104c〜104fによる鏡面反射光を読み取ることを示している。このような光源104a〜104fと被写体の分割された領域Ra〜Rdの組み合わせによる分類分けによって、第1〜第3光沢信号R1 〜R3 を得る場合が設定される。
【0073】
例えば、領域Rbにおいて、上記表1からわかるように、光源104aと104bによる照明の場合に第1光沢信号R1 を得る。すなわち、光源104a、104bそれぞれを用いて照明した際の画像信号値を、図10に示すステップ150と同様の変換マトリクスTを用いて変換した信号変換値のうちの最大値が、拡散画像信号の変換マトリクスTを用いて変換した信号変換値に比べて大きい場合、この最大値から、拡散画像信号の信号変換値を差し引いて求めた差分を第1光沢信号R1 の信号値とし、第2、3光沢信号R2 ,R3 の信号値を0とする。
【0074】
同様に、光源104d〜104fによる照明の場合第3光沢信号R3 を得る。すなわち、光源104d〜104fのそれぞれを用いて照明した際の画像信号値の信号変換値の内の最大値が、拡散画像信号の信号変換値に比べて大きい場合、この最大値から、拡散画像信号の信号変換値を差し引いて求めた差分を第3光沢信号R3 の信号値とし、第1、第2光沢信号R1 ,R2 の信号値を0とする。
第2光沢信号R2 を得る場合も同様である。
上記例では、信号変換値が複数ある場合、複数の中から最大値を選びだし、この最大値を拡散画像信号の信号変換値と比較するが、この最大値の替わりに、複数の信号変換値の平均値を用いてもよい。
【0075】
このように、基台102上に載置された被写体100をカメラ108で撮影して読み取る場合においても、スキャナ31を用いて被写体を読み取る場合と同様に、平面状の基台102に載置されて照明された被写体100の反射光の反射方向が、この被写体100の照明光の入射方向と基台102の平面に対して略鏡面反射の関係にある反射光を読み取って得られた被写体100の鏡面反射画像信号と、被写体100の反射光の反射方向が、被写体100の照明光の入射方向と、基台102の平面に対して拡散反射の関係にある反射光を読み取って得られた被写体100の拡散反射画像信号とから、図10に示すステップ150の信号変換処理を行った後、上記方法によって第1〜3光沢信号R1 〜R3 が生成され、C、MおよびY信号に変換された拡散反射画像信号とともに、インクジェットプリンタ10の制御回路22に供給される。この場合、インクジェットプリンタ10における主走査方向および搬送方向の2方向の光沢信号成分に対応する2次元の光沢信号が得られるように、基台102に対して被写体100を90度回転して鏡面反射画像を読み取り、2次元の光沢信号を求めてもよい。
上記実施例の拡散反射画像信号および光沢信号は、スキャナやカメラを用いて読み取られた読取画像の画像信号から作成されるが、本発明においては、照明により反射状態が異なる静止被写体を表す静止被写体の拡散反射画像や鏡面反射画像をCGにより作成し、これを用いて光沢信号を作成し、拡散反射画像信号と光沢信号とをインクジェットプリンタ10の制御回路22に供給してもよい。
【0076】
以上のように、拡散反射画像信号および光沢信号を生成し、インクジェットプリンタ10に供給することで、被写体の光沢感や質感を再現した画像を被記録媒体上に記録することができる。
【0077】
以上、本発明の画像記録方法およびインクジェットプリンタについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、画像を被記録媒体に記録する場合、被記録媒体に形成された拡散反射画像の画素単位の領域に光沢調整層を形成するので、被写体の光沢を再現することができ、さらに、光沢調整層の層厚みに傾斜を持たせることができるので、被写体の微妙な凹凸による反射状態を再現することができ、被写体の光沢感や質感を再現した画像を被記録媒体上に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明のインクジェットプリンタの一例のインクジェットヘッド周りの概略の構成を示す構成図であり、(b)は、インクジェットヘッド周りの回路構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像記録方法で形成される光沢調整層の形成パタンを説明する図である。
【図3】 本発明の画像記録方法で用いられる光沢信号を説明する図である。
【図4】 (a)および(b)は、本発明の画像記録方法で行われる光沢調整液の吐出形態の例を説明する図である。
【図5】 (a)〜(d)は、本発明の画像記録方法で行われる光沢信号に応じた光沢調整液の吐出回数の例を説明する図である。
【図6】 本発明の画像記録方法に用いる光沢信号および拡散反射画像信号を得るスキャナの要部を説明する図である。
【図7】 図6に示すスキャナによって行われる被写体の読み取りの一例を説明する図である。
【図8】(a),(b)は、 図6に示すスキャナによって行われる被写体の読み取りの他の例を説明する図である。
【図9】 本発明の画像記録方法に用いる光沢信号および拡散反射画像信号を生成する画像処理装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の画像記録方法に用いる光沢信号および拡散反射画像信号を生成する流れを示すフロ−チャートである。
【図11】 図10に示すフローの要部の流れを示すフロ−チャートである。
【図12】 図10に示すフローで用いられるウィンドウ関数を説明する図である。
【図13】 (a)〜(e)は、図10に示すフローで行われるウィンドウ処理を説明する図である。
【図14】 (a),(b)は、本発明の画像記録方法に用いる光沢信号および拡散反射画像信号を生成するための被写体の読取方法を説明する図である。
【図15】 本発明の画像記録方法に用いる光沢信号および拡散反射画像信号を生成する方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ
12 被記録媒体
14 搬送系
16 移動機構
18 インクジェットヘッド
20,20C,20M,20Y,20K,20Z リザーブタンク
22 制御回路
26 ヘッドチップ
28 駆動素子
30,30C,30M,30Y,30K,30Z ドライバ
31 スキャナ
32,100 被写体
34 ガラス基台
36 照明ユニット
38 読取ユニット
40a,40b,52 ミラー
42 ミラー群
44,46,46a,46b 光源
48,50 スリット
54 絞り
56 フィルタ群
58 結像レンズ
60 ラインCCDセンサ
70 画像処理装置
72 前処理部
74 信号変換処理部
76 光沢信号生成部
78 ウィンドウ処理部
80 フレーム画像信号生成部
102 基台
104a〜104f 光源
108 カメラ

Claims (22)

  1. 照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて、静止被写体の画像を被記録媒体に記録する画像記録方法であって、
    前記拡散反射画像信号に基づいて静止被写体の画像を被記録媒体に形成する拡散反射画像形成工程と、
    被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、前記光沢信号の信号値に基づいて透明な光沢調整材からなる光沢調整層を形成する光沢調整工程とを有し、
    前記光沢信号は、互いに異なる方向から読み取った2つの光沢信号成分で構成され、
    前記光沢調整工程は、前記2つの光沢信号成分に基づいて、前記画素単位の領域毎に2次元の形成パターンを算出し、算出した前記2次元の形成パターンに基づいて、前記画素単位の領域毎に異なる2方向に形成分布を持つ前記光沢調整層を形成することを特徴とする画像記録方法
  2. 前記2つの光沢信号成分は、前記被記録媒体を搬送する方向の光沢信号成分と、前記被記録媒体を搬送する方向と直交する方向である前記被記録媒体に画像を記録する画像記録手段の主走査方向の光沢信号成分であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法
  3. 前記形成パターンは、前記2つの光沢信号成分の組み合わせ毎に形成分布が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録方法
  4. 前記光沢信号成分は、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録方法
  5. 前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
    前記光沢信号成分は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号に基づいて、方向性のある信号として生成され、
    前記光沢調整工程は、前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みに傾斜を与えることを特徴とする請求項4に記載の画像記録方法。
  6. 照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成され、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて、静止被写体の画像を被記録媒体に記録する画像記録方法であって、
    前記拡散反射画像信号に基づいて静止被写体の画像を被記録媒体に形成する拡散反射画像形成工程と、
    被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、前記光沢信号の信号値に基づいて透明な光沢調整材からなる光沢調整層を形成する光沢調整工程とを有し、
    前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
    前記光沢信号は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号に基づいて、方向性のある信号として生成され、
    前記光沢調整工程は、前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みに傾斜を与えることを特徴とする画像記録方法。
  7. 前記光沢調整工程は、被記録媒体に形成された前記拡散反射画像の各画素の領域毎に、前記光沢信号の信号値に応じて異なる光沢調整層の形成分布を持つ形成パターンによって前記光沢調整層を形成することを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  8. 前記形成パターンは、各画素の領域内において前記光沢調整層が2次元の形成分布を持つことを特徴とする請求項7に記載の画像記録方法。
  9. 前記光沢信号は、前記拡散反射画像信号と前記鏡面反射画像信号とに基づいて生成される第1、第2および第3の光沢信号を含み、
    前記鏡面反射画像信号、前記第1の拡散反射画像信号および前記第2の拡散反射画像信号の信号値をそれぞれ色変換し、前記光沢信号を生成する任意の色信号成分である鏡面反射画像信号変換値、第1の拡散反射画像信号変換値および第2の拡散反射画像信号変換値をそれぞれ求め、
    前記鏡面反射画像信号変換値が、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値の平均値以上である第1の条件を満たす場合、前記鏡面反射画像信号変換値から前記平均値を差し引いた差分を第2の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第3の光沢信号の信号値を0とし、
    前記第1の条件を満たさず、前記第1の拡散反射画像信号変換値が前記第2の拡散反射画像信号変換値以上である第2の条件を満たす場合、前記第1の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第3の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第2の光沢信号の信号値を0とし、
    前記第1の条件および前記第2の条件のいずれも満たさない場合、前記第2の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第1の光沢信号の信号値とするほか、前記第2および第3の光沢信号の信号値を0とすることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の画像記録方法。
  10. 前記鏡面反射画像信号変換値、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値は、輝度成分の信号変換値であることを特徴とする請求項9に記載の画像記録方法。
  11. 前記光沢調整工程は、前記第1の光沢信号、前記第2の光沢信号、および前記第3の光沢信号に応じて、前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に前記光沢調整層を形成し、
    前記第2の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みを一定にし、
    前記第1の光沢信号あるいは前記第3の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記第1の光沢信号と前記第3の光沢信号との間で、前記光沢調整層の厚みに異なる方向の傾斜を与えることを特徴とする請求項10に記載の画像記録方法。
  12. 前記第1の拡散反射画像信号と前記第2の拡散反射画像信号とは、それぞれ異なる方向から静止被写体を照明して得られた複数の拡散反射画像信号に基づいて取得されることを特徴とする請求項5〜11に記載の画像記録方法。
  13. 前記拡散反射画像信号および前記鏡面反射画像信号は、静止被写体に対して読取位置を相対的に移動させながら、静止被写体全体を読み取った走査読取画像の画像信号であることを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載の画像記録方法。
  14. 前記拡散反射画像信号は、平面状の基台に載置されて照明された静止被写体の反射光の反射方向が、この静止被写体の照明光の入射方向と前記基台の平面に対して拡散反射の関係にある拡散反射光を読み取って得られた静止被写体の読取画像の画像信号であり、
    前記鏡面反射画像信号は、平面状の基台に載置されて照明された静止被写体の反射光の反射方向が、この静止被写体の照明光の入射方向と前記基台の平面に対して略鏡面反射の関係にある鏡面反射光を読み取って得られた静止被写体の読取画像の画像信号であることを特徴とする請求項4〜13のいずれかに記載の画像記録方法。
  15. 前記拡散反射画像信号を得る際に用いる照明光は、前記鏡面反射画像信号を得る際に用いる照明光に比べて拡散光成分を多く含むことを特徴とする請求項4〜14のいずれかに記載の画像記録方法。
  16. 前記拡散反射画像形成工程および前記光沢調整工程は、液滴を被記録媒体に吐出させることによって行うことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像記録方法。
  17. 前記光沢調整材は、光沢抑制材あるいは光沢材であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像記録方法。
  18. 照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて液滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタであって、
    供給された制御信号に基づいてインク液滴を吐出して被記録媒体に拡散反射画像を形成するとともに、供給された調整信号に基づいて前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、透明な光沢調整液を吐出するインクジェットヘッドと、
    前記拡散反射信号に基づいてインク液滴を吐出させる前記制御信号と、前記光沢信号に基づいて前記光沢調整液の吐出を調整する前記調整信号とを生成し、前記制御信号と前記調整信号とを前記インクジェットヘッドに供給する制御回路とを備え、
    前記光沢信号は、互いに異なる方向から読み取った2つの光沢信号成分で構成され、
    前記制御回路は、前記2つの光沢信号成分に基づいて、前記画素単位の領域毎に2次元の形成パターンを算出し、
    算出した前記2次元の形成パターンに基づいて前記画素単位の領域毎に異なる2方向に形成分布を持つ前記調整信号を生成することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  19. 照明光が拡散反射された状態にある静止被写体を表す画像の拡散反射画像信号と、前記拡散反射画像信号及び照明光が鏡面反射された静止被写体の鏡面反射画像信号に基づいて生成され、静止被写体の光沢度を表す光沢信号とを用いて液滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタであって、
    供給された制御信号に基づいてインク液滴を吐出して被記録媒体に拡散反射画像を形成するとともに、供給された調整信号に基づいて前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に、透明な光沢調整液を吐出するインクジェットヘッドと、
    前記拡散反射信号に基づいてインク液滴を吐出させる前記制御信号と、前記光沢信号に基づいて前記光沢調整液の吐出を調整する前記調整信号とを生成し、前記制御信号と前記調整信号とを前記インクジェットヘッドに供給する制御回路とを備え、
    前記拡散反射画像信号は、異なる2方向から静止被写体を別々に照明して得られた第1の拡散反射画像信号と第2の拡散反射画像信号とからなり、
    前記制御回路は、前記鏡面反射信号と、前記第1の拡散反射画像信号と、前記第2の拡散反射信号とを比較し、
    比較した結果に基づいて、前記光沢調整層の厚みに方向性のある前記調整信号を生成することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  20. 前記光沢信号は、前記拡散反射画像信号と前記鏡面反射画像信号とに基づいて生成される第1、第2および第3の光沢信号を含み、
    前記制御回路は、前記鏡面反射画像信号、前記第1の拡散反射画像信号および前記第2の拡散反射画像信号の信号値をそれぞれ色変換し、前記光沢信号を生成する任意の色信号成分である鏡面反射画像信号変換値、第1の拡散反射画像信号変換値および第2の拡散反射画像信号変換値をそれぞれ求め、
    前記鏡面反射画像信号変換値が、前記第1の拡散反射画像信号変換値および前記第2の拡散反射画像信号変換値の平均値以上である第1の条件を満たす場合、前記鏡面反射画像信号変換値から前記平均値を差し引いた差分を第2の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第3の光沢信号の信号値を0とし、
    前記第1の条件を満たさず、前記第1の拡散反射画像信号変換値が前記第2の拡散反射画像信号変換値以上である第2の条件を満たす場合、前記第1の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第3の光沢信号の信号値とするほか、前記第1および第2の光沢信号の信号値を0とし、
    前記第1の条件および前記第2の条件のいずれも満たさない場合、前記第2の拡散反射画像信号変換値から前記鏡面反射画像信号変換値を差し引いた差分を第1の光沢信号の信号値とするほか、前記第2および第3の光沢信号の信号値を0とすることを特徴とする請求項19に記載のインクジェットプリンタ。
  21. 前記インクジェットヘッドは、前記第1の光沢信号、前記第2の光沢信号、および前記第3の光沢信号に応じて、前記拡散反射画像の画素単位の領域毎に前記光沢調整層を形成し、
    前記第2の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記光沢調整層の厚みを一定にし、
    前記第1の光沢信号あるいは前記第3の光沢信号に応じて前記画素単位の領域上に前記光沢調整層を形成する際、前記第1の光沢信号と前記第3の光沢信号との間で、前記光沢調整層の厚みに異なる方向の傾斜を与えることを特徴とする請求項20に記載のインクジェットプリンタ。
  22. さらに、前記拡散反射画像信号及び鏡面反射画像信号を取得する画像読み取り手段を有することを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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