JP4072036B2 - カード発行機のホッパーカセット機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード発行機のホッパーカセット機構に関する。さらに詳述すると、本発明は、カード発行機のセキュリティロック付きホッパーカセットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカード発行機には、底部にカード供給部を有するホッパーカセットをそれぞれ収納可能な複数のホッパーカセット収納部が直列状態で配置されたホッパーカセット部と、各ホッパーカセット収納部の底部に設けられ、対応するホッパーカセット内の最下層のカードを、カード供給部に形成されたカード排出口を通して背後から突き出す1本の突き出しピン、および、各ホッパーカセット収納部間を移動して、カード排出口から排出されたカードを受け取る移動体を有するカード取り出し移動機構と、各ホッパーカセットの底部に設けられ、移動体の接近および離反に応じて爪状シャッタを出没させることでカード排出口を開閉するシャッタ手段とが配備されている(特開2000−67278号)。
【0003】
駆動源により移動体を所定のホッパーカセット収納部まで移動し、シャッタ手段によって爪状シャッタを退避させ、カード排出口を開口する。その後、突き出し爪によりカード排出口からカードをカセット外に突き出し、それを移動体が受け取り、次いで移動体がカード発行機内に設けられたインデント/エンボス機構まで移動し、ここでカードに所定の文字および記号などが刻まれる。
【0004】
また、ホッパーカセット部には、各ホッパーカセットを一括してホッパーカセット収納部に固定または固定解除するカセットロック機構が搭載されている。
【0005】
従来のカセットロック機構には、各ホッパーカセットを、対応するホッパーカセット収納部に同時に固定または固定解除する複数のロック操作レバーが、それぞれ所定ピッチで連結された一括操作軸体と、一括操作軸体をその軸線を中心にして回動させるキーロック機構とが備えられている。キーロック機構のキー操作により一括操作軸体を回動させると、各ロック操作レバーが垂直面内で回動する。これにより、全てのホッパーカセットが、ホッパーカセット収納部に同時に固定または固定解除される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−67278号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカード発行機のカセットセット機構にあっては、このように1本の突き出しピンにより、ホッパーカセット内の最下層のカードを背後から突いて、カード排出口から排出するように構成していた。そのため、仮にカードに反りなどが発生している場合には、狭いカード排出口からうまくカードを繰り出せなかった。すなわち、カードの反りや曲がりの方向によっては、カード規格内のわずかな変形でも、ホッピングミスを起こしやすかった。
【0008】
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、各ホッパーカセットの底板に1対の平行な爪送り孔を形成し、両爪送り孔に、カードの両側部を把持してこのカードをカード排出口から送り出す1対のカードホッピング爪を出し入れさせれば、反りを有するカードでも、円滑にカード排出口からカードを排出できることを見出した。
【0009】
ところが、このような構成では、ホッパーカセットの底板にカードホッピング爪が出入りする大きな1対の爪送り孔が現出される。そのため、これらの爪送り孔を通して、ホッパーカセット内のカードが盗み出される懸念がある。そこで、本発明者らは、ホッパーカセットに、両爪送り孔をシャッタにより開閉するシャッタ手段を設ければ、これらの爪送り孔からのカード盗難を防止できることを知見し、この発明を完成させた。
【0010】
本発明は、反りを有するカードでもカード排出口から円滑に外部に排出することができ、しかもホッパーカセットの底板に有する1対の爪送り孔からのカード盗難を防止できるカード発行機のホッパーカセット機構を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、1対のシャッタをカセット底部にコンパクトに収納可能なカード発行機のホッパーカセット機構を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、シャッタにセキュリティロック機能を付加することができ、しかもホッパーカセットのホッパーカセット収納部への収納時に、このロックを解除することができるカード発行機のホッパーカセット機構を提供することを目的とする。
【0013】
さらにまた、本発明は、カード排出口からのカード盗難を防止し、しかもこのカード排出口の開閉操作を個別に行わなくても、ホッパーカセットのキーロック機構のキー操作に連動させることができるカード発行機のホッパーカセット機構を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明にかかるカード発行機のホッパーカセット機構は、カードを発行するカード発行機能を備えたカード発行機の筐体内に配備され、発行前の多数の前記カードをそれぞれ収納する複数のホッパーカセットと、該各ホッパーカセットを収納可能な複数のホッパーカセット収納部とを備え、前記各ホッパーカセットの底部の一部分には、最下層の前記カードを排出するためのカード排出口が形成され、前記各ホッパーカセットの底板には、前記最下層のカードの両側部を把持してカード排出口から排出する1対のカードホッピング爪が出し入れされる1対の爪送り孔がそれぞれ離間した状態で配置され、前記各ホッパーカセットには、対応する爪送り孔をシャッタによって開閉するシャッタ手段がそれぞれ設けられようにしている。
【0015】
したがって、カード排出時には、ホッパーカセットの底板に形成された両爪送り孔内にカードホッピング爪をそれぞれ挿入してカードの両側部を把持し、その後、カードをカード排出口から排出するので、反りを有するカードでも円滑に排出することができる。
【0016】
また、両爪送り孔は、シャッタ手段を作動することで、シャッタにより開閉させられる。これにより、各爪送り孔を介してのカードの盗難を防止することができる。
【0017】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のカード発行機のホッパーカセット機構において、前記各シャッタ手段は、対応するホッパーカセットの底板の爪送り孔間にそれぞれ設けられ、前記各シャッタ手段には、前記シャッタが1対ずつ配設され、該対配置されたシャッタは、前記底板の爪送り孔間に立設された回動軸を中心にして回動することで、対応する爪送り孔をそれぞれ個別に開閉させるようにしている。
【0018】
したがって、シャッタ手段の作動により、ホッパーカセットの底板の爪送り孔間の部分から、カードホッピング爪の送り方向とは直交方向に存在する1対の爪送り孔に向かって、対応するシャッタをそれぞれ出し入れさせる。これにより、両爪送り孔が開閉させられる。このように、ホッパーカセットの底板の爪送り孔間にシャッタ手段を設けたので、両爪送り孔を開閉する1対のシャッタをカセット底部にコンパクトに収納させることができる。
【0019】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のカード発行機のホッパーカセット機構において、前記各シャッタ手段には、対応するシャッタを開閉操作させるシャッタ開閉操作部材がそれぞれ設けられ、前記各ホッパーカセットには、対応するシャッタ開閉操作部材をロックするロック部材と、前記ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への収納時に、前記ロック部材による前記シャッタ開閉操作部材のロック状態を解除するロック解除部材とが配設されるようにしている。
【0020】
したがって、ホッパーカセットをホッパーカセット収納部から取り出すと、ロック部材によりシャッタ開閉操作部材がロックされる。これにより、シャッタは爪送り孔を閉じた状態で維持される。すなわち、シャッタにセキュリティロック機能を付加することができる。
【0021】
一方、ホッパーカセットをホッパーカセット収納部に収納すると、ロック解除部材により、シャッタ開閉操作部材のロック部材によるロック状態が解除される。そのため、その後のカードホッピング爪によるカードのホッピングに支障はない。
【0022】
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構において、前記各ホッパーカセットの底部には、前記カード排出口からのカードの抜き取りを阻止するカード抜取り阻止部材と、該カード抜取り阻止部材によるカードの抜取り阻止状態を解除するカード抜取り阻止解除部材とが配設され、前記ホッパーカセット収納部には、キー操作によって、前記各ホッパーカセットを対応するホッパーカセット収納部に固定または固定解除するキーロック機構に連動して、前記カード抜取り阻止解除部材を操作するようにしている。
【0023】
したがって、ホッパーカセット収納部にホッパーカセットを収納後、キーロック機構のキー操作を行うことで、カード抜取り阻止部材によりカード排出口を開閉させる。これにより、カード排出口からのカード盗難を防ぐとともに、このカード排出口の開閉操作を個別に行わなくても、ホッパーカセットのキーロック機構のキー操作に連動して行うことができる。
【0024】
そして、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構において、前記ホッパーカセットの内部には、収納されたカードを上方から押さえ付けるウエイトが出し入れ自在に収納されている。
【0025】
したがって、ホッパーカセットに収納された多数のカードは、最上層のカード上のウエイトにより下方に押される。これにより、円滑にカードをカセット底部まで押し下げることができる。
【0026】
また、請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構において、前記ホッパーカセット収納部には、収納されたホッパーカセット内のカードの有無を検知するカード検知センサと、ホッパーカセットの収納の有無を検知するカセット検知センサと、ホッパーカセット内のカードのストック量が少なくなった状態を検知するニアエンドセンサとが配設されている。
【0027】
したがって、これらのセンサにより、ホッパーカセット内のカードの有無を検知したり、ホッパーカセットの収納の有無を検知したり、ホッパーカセット内のカードのストック量が少なくなった状態を検知することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、説明の都合上、カード発行機の機長方向をX方向、機幅方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
【0029】
図1から図15に、本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態を示す。このカード発行機のホッパーカセット機構(以下、ホッパーカセット機構)10は、例えば、図2に示すように、カード11を発行するカード発行機12の筐体12Aの内部に配備され、発行前の多数のカード11を収納する同一形状の複数のホッパーカセット13と、各ホッパーカセット13を吊り下げ状態で収納可能な複数のホッパーカセット収納部14とを備えて構成されている。
【0030】
カード発行機12の内部には、例えば、ホッパーカセット13を配設したホッパーカセット部17と、各ホッパーカセット13の底部のカード排出口13aからカード11を取り出すカード取り出し移動機構18と、カード11に所定の文字および記号などを刻むインデント/エンボス機構19と、刻まれた文字および記号などに色付けするトッパー機構20と、カード11に所定の記録を行ってカード発行口21aよりカード11を発行するカードリーダ部21と、カード発行機12の全体を制御する制御部22とが、それぞれ所定位置に配設されている。
【0031】
次に、ホッパーカセット部17を詳細に説明する。
【0032】
ホッパーカセット部17は、多数のカード11を積み重ねてストックするとともに、カセット底部の一部分に前記カード排出口13aが形成された複数のホッパーカセット13と、筐体12Aのインデント/エンボス機構19とは反対側の壁板12aに配された複数のホッパーカセット収納部14とを有している。本実施形態では、例えばそれぞれ4個のホッパーカセット13A〜13Dおよびホッパーカセット収納部14A〜14Dを備えている。各ホッパーカセット13A〜13Dは、例えばそれぞれの底部のカード取り出し移動機構18側の面に形成されたカード排出口13aからカード11を取り出せるように、X方向に向かって直列状態で配置されている。各ホッパーカセット13A〜13Dには、例えば異なる種類のカード11を収納しても良く、また全てのホッパーカセット13A〜13Dに同じ種類のカード11を収納しても良い。各カード排出口13aは、図3に示すように、ゲートプレート13kと底板13c、端板13e、中間板13dとの間に設けられる隙間によって構成されている。そして、そのカード排出口13aの両端にはゲートプレート13kの形に設けられている突起13k1と底板13c並びに端板13e側に設けられた突起13c1とによって、カード1枚分の厚さよりも大きくかつカード2枚分の厚さよりも小さい隙間のゲート部Gが構成されている。したがって、カード11は2枚以上を同時に取り出せない。
【0033】
各ホッパーカセット13A〜13Dは、平面視してX方向に長い矩形状の縦長ボックスで、上蓋23を開いて、X方向に長いカード11を上方から補充するように構成されている。また、各ホッパーカセット13A〜13Dの一側板には、その方向の全長にわたって開口部13rが形成されている。各ホッパーカセット13A〜13Dの一側板には、各開口部13rを開閉する縦長な側蓋13sが、対応するホッパーカセット13A〜13Dの一側板の下端部に設けられたヒンジ13tを介して垂直面内で回動自在となっている。側蓋13sの先端には、掛止突起13jが突設されている。この掛止突起13jは、上蓋23の一端部に形成されたスリット状の掛止孔23aに挿着されることで、この側蓋13sの閉蓋状態が維持される。尚、上蓋23にはシリンダ錠15が備えられており、該錠15によって回動されるロック片16をゲートプレート13kに設けられた孔16aに挿入することによって施錠される。
【0034】
各ホッパーカセット収納部14A〜14Dには、スリット13gとの対向位置に、それぞれ収納されたホッパーカセット13A〜13D内のカード11の有無を検知するカード検知センサレバー71が形成され、スリット13hの対向位置には、ホッパーカセット13A〜13Dの収納の有無を検知するカセット検知センサレバー72が形成され、スリット13iとの対向位置には、ホッパーカセット13A〜13D内のカード11のストック量が少なくなった状態を検知するニアエンドセンサレバー73とが配置されている。これらのセンサレバー71〜73は、図8に示すように、壁板12aの各ホッパーカセット収納部14A〜14Dの下部に固着された縦長なセンサボックス70から揺動によって出し入れ自在に突設されている板状のセンサ端子で、対応するスリット13g〜13iに先端側が挿入され、基端側がセンサボックス70内に設置されているセンサ74の発光素子と受光素子との間を通過することで、センサとして機能するように構成されている。これらのセンサレバー71〜73により、ホッパーカセット13A〜13D内のカード11の有無を検知したり、ホッパーカセット13A〜13Dの収納の有無を検知したり、ホッパーカセット13A〜13D内のカード11のストック量が少なくなった状態を検知することができる。
【0035】
各ホッパーカセット13A〜13Dにあっては、その最上層のカード11上にウエイトWが載置される。このウエイトWは、裏返しても同じ形状となる平面視して矩形状の合成樹脂製の錘で、その自重によって、カード11をカセット底部13cまで円滑に押し下げる。
【0036】
図1に示すように、各ホッパーカセット13A〜13Dの底板13cには、Y方向の両側縁を貫通して形成された、1対のY方向に延びる平行な爪送り孔13bが離間配置されている。これらの爪送り孔13bは、最下層のカード11の両側部を把持し、その把持されたカード11をカード排出口13aからカード取り出し移動機構18側に排出するための1対のカードホッピング爪60を出し入れさせる長孔である。また、各ホッパーカセット13A〜13Dの背板13xには、その一端部の下部に、z方向に延びる3本のスリット13g,13h,13iが形成されている。スリット13g、13hは、互いに離間して背板13xの下端部に配置されている。スリット13iは、背板13xの下端部付近であって、スリット13g、13hのx方向の中間部に配置されている。
【0037】
各ホッパーカセット13A〜13Dには、底板13cの爪送り孔13b間に形成されたY方向に延びる中間板13dに、対応する両爪送り孔13bをシャッタ41により開閉させるシャッタ手段40がそれぞれ設けられている。中間板13dの壁板12a側の端部は、対応するホッパーカセット13A〜13Dの背板13xから所定長さだけ外部に突出している。次に、このシャッタ手段40を詳細に説明する。
【0038】
図1、図6および図7に示すように、シャッタ手段40は、中間板13dのY方向の中間部に回動軸42aを中心にして軸支されたシャッタ開閉操作レバー(シャッタ開閉操作部材)42と、このシャッタ開閉操作レバー42の回動軸42aを中心とした均等距離にそれぞれの元部が回動自在に配設された1対のシャッタ41と、シャッタ開閉操作レバー42の外部突出した壁板12a側の端部に一体的に屈曲形成され、後述する第2の操作突起P2が当接される第2のスイッチS2と、中間板13dの外部突出した部分上に立設されたピン44aに挿着され、常時、シャッタ開閉操作レバー42をシャッタ開状態に保持する巻きばね44と、底板13cの各爪送り孔13bの外側壁部のY方向の中間部位置にそれぞれ形成された1対のシャッタ掛止溝45とを有している。
【0039】
両シャッタ41は、平面視して略くの字に屈曲した金属製の板片で、シャッタ閉時に、中間板13dのスペース内にコンパクトに収納されるように構成されている。両シャッタ41は、シャッタ開閉操作レバー42のカード取り出し移動機構18側の端部と、その外部突出部の付近とにそれぞれ軸支されている。具体的に説明すれば、シャッタ開閉操作レバー42の各シャッタ41の軸支部付近には、1対のリンク幅方向に長い長孔42bがそれぞれ形成されている。各長孔42bには、各シャッタ41の元部付近の上面に突設された短尺なピン41aが固挿されている。一方、シャッタ開閉操作レバー42には、各長孔42bよりもリンク長さ方向の外側付近の下面に、1対の短尺な回動操作ピン42cが垂設されている。さらに、各シャッタ41の元部の端面には、対応する回動操作ピン42cが遊挿されるU字形のピン溝41bがそれぞれ形成されている。したがって、水平移動する前記第2の操作突起P2が第2のスイッチS2に当接すると、巻きばね44のばね力に抗してシャッタ開閉操作レバー42が回動軸42aを中心にしてシャッタ閉側(図1において反時計回り)に回動する。これにより、各回動操作ピン42c、ピン溝41bの形成部を介して、両シャッタ41がシャッタ閉側に回動する。このとき、両シャッタ41は、それぞれの屈曲部の回動軸42aと当接する内側部分が抉られており、回動軸42aに食い込むような状態で中間板13dのスペース内にコンパクトに収納される。
【0040】
また、各ホッパーカセット13A〜13Dには、図1及び図5に示すように、底板13cの各Y方向の一側部の下面に、中間板13dと平行で、かつこの中間板13dと略同じ長さを有する端板13eが固定されている。この端板13eの背板13x側の端部には、平面視してコの字形の小さい切欠部13fが形成されている。この切欠部13fには、揺動バー(カード抜取り阻止解除部材)46の断面矩形状の元部46aが、Z方向に昇降自在に遊挿されている。揺動バー46の先端部には、カード排出口13aの一端部の外方近傍に配置され、カード排出口13aからのカード11の抜き取りを阻止するストッパ爪(カード抜取り阻止部材)46bが上方へ屈曲して形成されている。この揺動バー46は、その長さ方向の中間部が、端板13eの長さ方向の略中間部に図示しない軸線方向がX方向に向いた揺動軸46cを中心にして垂直面内で揺動自在となるように軸支され、自重によりカード排出口13aに位置するストッパ爪46側が上昇し元部46a側が沈むように傾斜するように設けられている。これによって、ホッパーカセット13は、ホッパーカセット収納部14にセットされない限りストッパ爪46bによってカード排出口13aを閉じてカード11が抜き取られないようにし、ホッパーカセット収納部14にセットされたときに後述する揺動バー46の揺動規制機構を解除してカード11を抜き取り可能とする。
【0041】
各ホッパーカセット13A〜13Dの背板13xのX方向の他側部には、図5及び図6に示すように、シャッタロック操作ボックス24が固着されている。これらのシャッタロック操作ボックス24は、逆L字形の縦長な矩形状ボックスで、各上端部には、外方に向かって直角に屈曲した鍔部24Aが一体形成されている。この鍔部24Aの下面には、離間配置された1対の凹部24fと、両凹部24fの中間部に配置された1つのピン孔24gとが、それぞれ形成されている。これらの凹部24fには、筐体12Aの壁板12aの上縁面にそれぞれ離間配置された1対の操作入力ピンT1,T2が抜き差し自在になっている。また、両操作入力ピンT1,T2の中間位置には、各ホッパーカセット13A〜13Dを、対応するホッパーカセット収納部14A〜14Dに、それぞれ位置決め状態で固定する固定ピンT3が突設されている。
【0042】
各シャッタロック操作ボックス24内には、シャッタ41をロックまたはロック解除するシャッタロック操作機構50が収納されている。シャッタロック操作機構50の詳細については後述する。
【0043】
図4に示すように、各シャッタロック操作ボックス24の外板24aの一側板24b側の端には、背板13xのZ方向の略全長にわたる長尺片24cが突設されている。各シャッタロック操作ボックス24の下端部には、4本の溝a,b,c,dが設けられている。このうち、溝aは縦溝で、シャッタロック操作ボックス24の外板24aの幅方向の中間部に、シャッタロック操作ボックス24の下板を貫通して形成されている。そして、この縦溝aを挟んで右側と左側(図4参照)とに僅かに段差を設けて溝b,cの2つの横溝が設けられている。横溝bは縦溝aからシャッタロック操作ボックス24を貫通して同ボックス24内に操作突起P1が横から差し入れ可能に設けられている。また、横溝cは、縦溝aからシャッタロック操作ボックス24の一側板24bおよび長尺片24cの下端部を貫通するように形成されている。溝aとb,cとは、略T字形に連通されている。横溝b内には、第1のスイッチS1が垂直面内で回動可能に突設されている。更に、シャッタロック操作ボックス24の一側板24b寄りの下端は部分的に切り欠かれ、中間板13dとの間で横溝dを構成している。この横溝dは、縦溝aと連通しておらず、中間板13dから突き出るシャッタ開閉操作レバー42の先端部である第2のスイッチS2が、溝を横切るように収められている。
【0044】
図9に示すように、第1のスイッチS1は、回動体47の外周面の上側に上向きに突出するように設けられている。この回動体47は、背板13xに固定されたベース板24dに回転自在に軸支されている。この回動体47の回転軸47aには、常時、第1のスイッチS1を垂直状態に付勢する巻きばね48が外挿されている。この巻きばね48の一端が回動体47の掛止軸部47cに引っかけられ、他端がベース板24dに形成された切欠部(窓)24eの縁に掛止されている。掛止軸部47cは、スイッチS1からベース板24dに向けて突き出され、切欠部24eを貫通して、図4において反時計回転方向へ回動体47が回転する際に対向する切欠部24eの縁に当接してその回転を規制し、スイッチS1を垂直状態に保持する。また、回動体47の下部には、揺動バー46の元部46aの上端が当接することで、揺動バー46の揺動(ストッパ爪46bの解除動作)を規制する円弧形状の揺動規制爪47bが一体形成されている。したがって、ホッパーカセット13がホッパーカセット収納部14にセットされることにより後述する第1のスイッチロックレバー51が退避させられた状態において、縦溝aに挿入された第1の操作突起P1が水平にスライドして第1のスイッチS1に押し当てられると、この第1のスイッチS1とともに回動体47が、図9、図15中の時計回りに回動する。これにより、揺動規制爪47bによる揺動バー46の揺動規制状態が解除される。この揺動規制が解除されることで、その後、カードホッピング爪60の接近による揺動バー46のストッパ爪46bの爪掛止解除側への揺動が許容される。尚、揺動規制爪47は、本実施形態の場合、スイッチS1を垂直に配置した状態で元部46aの直上から時計回転方向に約90度の範囲に亘って形成されているがこれに特に限定されるものではなく、少なくとも元部46aの直上に配置されていれば足りる。
【0045】
カードホッピング爪60は、ガイドロッド62に沿ってホッパーカセット収納部14A〜14Dの爪送り孔13bの下をカード排出方向に移動する移動体61の上に搭載されている。カードホッピング爪60は、カセット内のカード11よりも後ろ(図5においてカセット背板13xの後ろ)まで後退したときに、図示していない巻きばねの力で浮上して最も下のカードの後端(縁)に引っかかり、該カード11を押しだし可能とする。この際に、揺動バー46の元部46a付近の底面側が移動体61の上に乗り上げることによって、揺動バー46の元部46a側が押し上げられるように揺動するように構成されている。尚、カードホッピング爪60を搭載する移動体61は、カードを取り出そうとするいずれかのホッパーカセットの下にガイドロッド62を移動させてから、このガイドロッド62に沿って前後動させられる。これによって、2本のカードホッピング爪60が爪送り孔13b内で移動可能とされる。
【0046】
第1のスイッチS1は、ピン形状の第1の操作突起P1により操作される。また、第2のスイッチS2は、短尺なレバー形状の第2の操作突起P2により操作される。両突起P1,P2は、第3の操作突起P3とともに筐体12Aの壁板12aの内部に収納され、水平方向に移動可能な長尺な一括操作レバー30のホッパーカセット部17側の面の所定位置に、ホッパーカセット13のセット数に対応する数、本実施懈怠の場合には4組が突設されている。第3の操作突起P3は、各ホッパーカセット13A〜13Dをホッパーカセット収納部14A〜14Dに固定および固定解除する突起である。この第3の操作突起P3は、ホッパーカセット13A〜13Dがホッパーカセット収納部14A〜14Dから引き抜かれるのを防止する。一括操作レバー30の詳細は後述する。
【0047】
次に、図1、図4〜図9、図13、図15を参照して、シャッタロック操作ボックス24内に組み込まれた前記シャッタロック操作機構50を詳細に説明する。
【0048】
シャッタロック操作機構50は、互いにZ方向に延びて、X方向に離間配置された第1のスイッチロックバー51と第2のスイッチロックバー52とを有している。
【0049】
第1のスイッチロックバー51は、主に、断面箱形の直胴部51aと、この直胴部51aの上端に一体的に連結され、外方に向かって直角に屈曲した入力片51bと、直胴部51aの下端部に切欠形成され、前記第1のストッパS1の先端部が掛止されるロック部51cとから構成されている。入力片51bは、前記鍔部24Aの一方の凹部24fに昇降自在に遊挿されている。直胴部51aの上下端部には、Z方向に延びる長孔51dが形成されている。各長孔51dには、ベース板24dとシャッタロック操作ボックス24の背板13xとの間に横架された上下1対のY方向に延びる短尺なガイドピン53が固挿されている。また、ベース板24dの下側のガイドピン53付近には、Y方向に延びる別の短尺なピン54が突設されている。このピン54と、直胴部51aの上部の一側板から内側に突設した小ピン55との間に、Z方向に延びるコイルばね56が架け渡されている。このコイルばね56は、常時、第1のスイッチロックバー51を第1のストッパS1のロック側(下側)に付勢するばねである。
【0050】
第2のスイッチロックバー52は、主に、断面箱形の直胴部52aと、この直胴部52aの上端に一体的に連結され、外方に向かって直角に屈曲された入力片(ロック解除部材)52bと、直胴部52aの下端部に連結され、前記第2のストッパS2の先端部が掛止される細長いロック片(ロック部材)52cとから構成されている。入力片52bは、前記鍔部24Aの他方の凹部24fに昇降自在に遊挿されている。直胴部52aの上下端部には、Z方向に延びる長孔52dが形成されている。各長孔52dには、ベース板24dとシャッタロック操作ボックス24の背板13xとの間に横架された上下1対のY方向に延びる短尺なガイドピン53が固挿されている。また、図示しないが、第1のスイッチロックバー51と同様にベース板24dの下側のガイドピン53付近には、Y方向に延びる別の短尺なピン54が突設されている。このピン54と、直胴部52aの上部の一側板から内側に突設した小ピン55との間に、Z方向に延びるコイルばね56が架け渡されている。このコイルばね56は、常時、第2のスイッチロックバー52を第2のストッパS2のロック側(下側)に付勢するばねである。
【0051】
次に、前記一括操作レバー30を説明する。一括操作レバー30は、図10及び図11に示すように、例えば横断面形状L字形の金属板から成る。各組内の突起P1〜P3のうち、第2の操作突起P2と第3の操作突起P3とは、所定間隔をあけてレバー面に対して垂直配置されている。また、第1の操作突起P1と第3の操作突起P3との間隔は、一側板24b近傍から溝a,bの交差部分までと略同じ間隔である。一括操作レバー30は、そのL字形の長尺部分の先端部と、そのL字形の短尺部分の中間部と、これらの長尺部分と短尺部分との連結部分とに、それぞれ水平方向に長い長孔30aが形成されている。各長孔30aには、合計3対のガイドローラ31がそれぞれ回転自在に遊挿されている。これらのガイドローラ31は、各ローラ軸の元部が、筐体12Aの壁板12aに固定された正面視して矩形状の取り付け板32の所定位置に、それぞれ取り付けられている。また、取り付け板32の長さ方向の中間部付近と、一括操作レバー30の短尺部の元部との間には、常時、この一括操作レバー30を筐体12Aのカードリーダ部21側の壁板方向に付勢するコイルばね33Aが架け渡されている。このコイルばね33Aのばね力により一括操作レバー30が水平方向に移動した位置が、前記第3の操作突起P3によるホッパーカセット13A〜13Dの固定解除位置となる。また、一括操作レバー30の短尺部の上端には、水平に屈曲された上端片30bが一体形成されている。この上端片30bには、略その全長にわたって長孔30cが形成されている。
【0052】
また、取り付け板32の上端片30b側の端部には、垂直な立ち上げ部32aの元部が連結されている。この立ち上げ部32aの上端には、上端片30bより上方位置で、水平に屈曲された上端片32bが一体形成されている。この上端片32bの先部には、キー操作に伴って一括操作レバー30をその長さ方向に水平に移動させるキーロック機構33が取り付けられている。このキーロック機構33は、上端片32bに固定されたシリンダ錠34と、シリンダ錠34のシリンダ軸に固定された回動片35と、この回動片35の先端部に垂下され、下端部が前記長孔30cに遊挿された操作ピン36とから構成されている。シリンダ錠34にキー37を差し込み、このキー37を回動操作することで、回動片35を介して操作ピン36が回動する。これに伴い、長孔30cの長さ分だけ一括操作レバー30が、壁板12aに沿って所定距離だけ水平方向に移動する。その結果、各突起P1〜P3が同じ方向に同じ距離だけ移動する。キーロック機構33の筐体12Aの高さ位置は、キー37をシリンダ錠34から抜いたときにだけ、筐体12Aの上端にヒンジ連結された筐体蓋12Bを閉蓋することができる高さ位置に設定されている。
【0053】
次に、図2に示すように、一実施形態のホッパーカセット機構10を有するカード発行機12の作動を説明する。
【0054】
カード発行時には、所定のホッパーカセット収納部14A〜14Dにおいて、図示しない走行モータにより移動体61をガイドロッド62に沿ってY方向に移動させる。その途中で、1対のカードホッピング爪60により、対応するホッパーカセット13A〜13Dの最下層に配置されたカード11の両端部が把持される。そして、さらに移動体61が移動することで、カード排出口13aからカード11が排出される。排出されたカード11は、カード取り出し移動機構18によりインデント/エンボス機構19まで移動され、カード11に所定の文字および記号などが刻まれる。続いて、このカード11にはカード取り出し移動機構18によりトッパー機構20まで移動され、刻まれた文字および記号などの表面に、例えば銀色のフィルムが融着されて色が付けられる。その後、カード11はカード取り出し移動機構18によりカードリーダ部21へ移動される。ここでは、カード11に所定の記録がなされる。その後、カード発行口21aを通してカード11が発行される。
【0055】
ところで、このようなカード発行に先駆け、ホッパーカセット部17では、各ホッパーカセット13A〜13Dのホッパーカセット収納部14A〜14Dに対する収納作業が行われる。以下、この作業を詳述する。
【0056】
前述したように、各突起P1〜P3は、あらかじめ一括操作レバー30を介して、シリンダー錠34によりホッパーカセット13A〜13Dの固定解除位置に配置されている。したがって、作業者が各ホッパーカセット13A〜13Dをホッパーカセット収納部14A〜14Dに収納し、シリンダー錠34にてロックすると、第3の操作突起P3が溝bの一側板24b側の端付近に配置される。第1の操作突起P1は、溝aの下端から溝内に入り、溝bとの交差部分に配置される。そして、第2の操作突起P2は溝cの一側板24b側の端付近に配置される(図13)。
【0057】
このとき、各ホッパーカセット収納部14A〜14Dにあっては、壁板12aの上縁面に突設された固定ピンT3が、鍔部24Aのピン孔24gに挿着されることで、対応するホッパーカセット13A〜13Dが位置決めされて収納される。同時に、1対の操作入力ピンT1,T2が、鍔部24Aの対応する凹部24fに挿着される。これにより、各凹部24fに遊挿された入力片51b,52bが、各コイルばね56のばね力に抗して押し上げられる。それに伴い、両直胴部51a,52aがそれぞれ上昇して、ロック部51cによる第1のストッパS1のロック状態が解除されるとともに、ロック片52cによる第2ストッパS2のロック状態が解除される(図15)。
【0058】
次に、作業者がキー37をシリンダ錠34に挿着し、これを固定側に90度回動させる。すると、シリンダ軸および回動片35を介して操作ピン36が固定側に回動し、上端片30bの長孔30cの形成部を介して、一括操作レバー30が、コイルばね33Aのばね力に抗して壁板12aに沿って固定方向に所定距離だけ水平移動する。よって、各突起P1〜P3が一括操作レバー30と同じ方向に同じ距離だけ移動する。これにより、第3の操作突起P3を介して、ホッパーカセット13A〜13Dがそれぞれ対応するホッパーカセット収納部14A〜14Dに固定される。これと同時に、各第1のスイッチS1は、巻きばね48のばね力に抗して、対応する第1の操作突起P1によってロック解除側に回動操作させられる。よって、揺動規制爪47bによる揺動バー46の揺動規制状態が解除される。これにより、各カード排出口13aからのカード11の取り出しを規制または規制解除するストッパ爪46bの揺動が許容される。
【0059】
さらに、シャッタ開閉操作レバー42の先端部である第2のスイッチS2が、巻きばね44のばね力に抗して第2の操作突起P2により操作され、1対のシャッタ41が開く(図1)。これにより、底板13cの各爪送り孔13b内を、対応するカードホッピング爪60がそれぞれ移動可能となる。このカードホッピング爪60の選択されたホッパーカセットの爪送り孔13b内への進入に伴って、移動体61に揺動バー46の元部46a側の底面が乗り上げて揺動バー46の元部46aが押し上げられると共にストッパ爪46b側が解除側へ揺動し(降下)、各カード排出口13aからのカード11の取り出し規制状態が解除される。
【0060】
なお、ホッパーカセット13A〜13Dをホッパーカセット収納部14A〜14Dから取り出す際には、上述のキー操作を反対に行えばよい。
【0061】
このように、1対のカードホッピング爪60によりカード11の両端部を把持して、これをカード排出口13aから排出するように構成したので、反りを有するカード11でもカード排出口13aから円滑に排出が可能となる。しかも、対応するシャッタ41により、各底板13cに形成された1対の爪送り孔13bを通してのカード11の盗難を防止することができる。
【0062】
また、各シャッタ手段40を、対応するホッパーカセット13A〜13Dの中間板13dにそれぞれ設けたので、1対のシャッタ41をカセット底部にコンパクトに収納することができる。
【0063】
さらに、各ロック片52cによる第2のストッパS2のロック構造を採用したので、各シャッタ41にセキュリティロック機能を付加することができる。しかも、各ホッパーカセット13A〜13Dを対応するホッパーカセット収納部14A〜14Dに収納したとき、操作入力ピンT2および入力片52bを介して、前記ロック片52cによる第2のストッパS2のロック状態を自動解除することができる。
【0064】
そして、各ロック部51cによる第1のストッパS1のロック機構を採用したので、各ストッパ爪46bによりカード排出口13aからのカード盗難のセキュリティー性が高まり、しかも各ストッパ爪46bによるカード排出口13aの開閉操作を個別に行わなくても、対応するホッパーカセット13A〜13Dのキーロック機構33のキー操作に連動させることができる。
【0065】
次いで、ウエイトWの重さにより、カード11の反りを、ホッパーカセット13A〜13Dに収納中に矯正可能で、しかも円滑にカード11をカセット底部のカード排出位置まで押し下げることができる。
【0066】
また、一括操作レバー30を水平方向に移動し、第3の操作突起P3を介して、各ホッパーカセット13A〜13Dをそれぞれ対応するホッパーカセット収納部14A〜14Dに固定または固定解除するようにしたので、従来の垂直面内で上方向からロック操作レバーによって押さえ込むキーロック機構に比べて、小さな操作力で複数のホッパーカセット13A〜13Dを同時に固定または固定解除することができる。しかも簡単な構造でありながら、女性などの力が弱い作業者でも、ホッパーカセット13A〜13Dの入れ換え作業を容易に行うことができる。
【0067】
さらに、キーロック機構33のキー操作に連動して一括操作レバー30を操作するようにしたので、カム構造を介することで、キーロック機構33の設置位置をカード発行機12の任意の位置に設定することができる。
【0068】
そして、キー37をキーロック機構33から抜き取らなければ、筐体蓋12Bを閉蓋できない構成としたので、キー37の取り忘れを防ぐことができる。
【0069】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0070】
例えば、カード抜取り阻止部材とカード抜取り阻止解除部材とは、一体形成でもよいし、別体で形成されてもよい。
【0071】
シャッタの大きさは限定されない。爪送り孔を完全に塞ぐものでも、所定の隙間を開けて塞ぐものでもよい。ただし、シャッタと爪送り孔との隙間から、カードの短尺側の端部が抜けないサイズにしなければならない。
【0072】
また、第1のスイッチロックバーのロック部と、第2のスイッチロックバーのロック片との形状は限定されない。例えばピン形状でもよいし、他の板形状でもよい。
【0073】
シャッタは2枚に限らず、1枚のシャッタにより両方の爪送り孔を一括して開閉してもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の発明にかかるカード発行機のホッパーカセット機構によると、ホッパーカセットの底板に形成された1対の爪送り孔を通して、2本のカードホッピング爪によりカードの両側部を把持してカードをカード排出口から排出するようにしたので、反りを有するカードであっても、カード排出口から円滑に送り出すことができる。
【0075】
また、両爪送り孔は、シャッタ手段のシャッタにより開閉自在としたので、各爪送り孔を通してのカードの盗難を防止することができる。
【0076】
また、請求項2記載の発明にかかるカード発行機のホッパーカセット機構によると、ホッパーカセットの底板の爪送り孔間にシャッタ手段を設けたので、1対のシャッタをカセット底部にコンパクトに収納することができる。
【0077】
さらに、請求項3記載の発明にかかるカード発行機のホッパーカセット機構によると、ホッパーカセットがホッパーカセット収納部から抜き出されると、ロック部材によりシャッタ開閉操作部材がロックされる。この構成により、シャッタにセキュリティロック機能を付加することができる。
【0078】
また、ホッパーカセットをホッパーカセット収納部に収納すれば、ロック解除部材により、シャッタ開閉操作部材のロック状態を解除することができる。
【0079】
さらにまた、請求項4記載の発明にかかるカード発行機のホッパーカセット機構によると、キーロック機構のキー操作に連動し、カード抜取り阻止解除部材によりカード排出口の開閉を行うようにしたので、カード排出口からのカードの盗難を防ぐことができるとともに、カード排出口の開閉操作を個別に行わなくてもよい。
【0080】
そして、カード検知センサ、カセット検知センサおよびニアエンドセンサにより、ホッパーカセット内のカードの有無を検知したり、ホッパーカセットの収納の有無を検知したり、ホッパーカセット内のカードのストック量が少なくなった状態を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態を示す要部拡大平面図である。
【図2】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構が適用されたカード発行機の概略構成を示す平面図である。
【図3】本実施形態のホッパーカセットの正面図である。
【図4】本実施形態のホッパーカセットの背面側に組み込まれたシャッタロック操作機構をボックスを外して示す背面図である。
【図5】同ホッパーカセットの揺動バーとそのロック機構部分の縦断面図である。
【図6】同ホッパーカセットのシャッタ機構部分とそのロック機構部分の縦断面図である。
【図7】シャッター機構部分の拡大断面図である。
【図8】同ホッパーカセットの側面図で、センサー部分を拡大して示す断面図である。
【図9】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態に組み込まれたシャッタロック操作機構の要部拡大斜視図である。
【図10】各ロック機構を操作する一括操作レバーの概略図である。
【図11】同横断面図である。
【図12】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態において、ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への収納完了直前の状態を示す斜視図である。
【図13】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態において、ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への収納完了直前の状態における各操作突起と各溝との位置関係を示す要部拡大背面図である。
【図14】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態において、ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への固定状態を示す斜視図である。
【図15】本発明のカード発行機のホッパーカセット機構の一実施形態において、ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への固定状態における各操作突起と各溝との位置関係を示す要部拡大背面図である。
【符号の説明】
10 カード発行機のホッパーカセット機構
11 カード
12A 筐体
13A〜13D ホッパーカセット
13a カード排出口
13b 爪送り孔
13c 底板
14A〜14D ホッパーカセット収納部
33 キーロック機構
37 キー
40 シャッタ手段
41 シャッタ
42 シャッタ操作レバー(シャッタ開閉操作部材)
42a 回動軸
46 揺動バー(カード抜取り阻止解除部材)
46b ストッパ爪(カード抜取り阻止部材)
52b 入力片(ロック解除部材)
52c ロック片(ロック部材)
60 カードホッピング爪
W ウエイト

Claims (6)

  1. カードを発行するカード発行機能を備えたカード発行機の筐体内に配備され、発行前の多数の前記カードをそれぞれ収納する複数のホッパーカセットと、該各ホッパーカセットを吊り下げ状態で収納可能な複数のホッパーカセット収納部とを備え、
    前記各ホッパーカセットの底部の一部分には、最下層の前記カードを排出するためのカード排出口が形成され、
    前記各ホッパーカセットの底板には、前記最下層のカードの両側部を把持してカード排出口から排出する1対のカードホッピング爪が出し入れされる1対の爪送り孔がそれぞれ離間した状態で配置され、
    前記各ホッパーカセットには、対応する爪送り孔をシャッタによって開閉するシャッタ手段がそれぞれ設けられたことを特徴とするカード発行機のホッパーカセット機構。
  2. 前記各シャッタ手段は、対応するホッパーカセットの底板の爪送り孔間にそれぞれ設けられ、
    前記各シャッタ手段には、前記シャッタが1対ずつ配設され、
    該対配置されたシャッタは、前記底板の爪送り孔間に立設された回動軸を中心にして回動することで、対応する爪送り孔をそれぞれ個別に開閉させる請求項1記載のカード発行機のホッパーカセット機構。
  3. 前記各シャッタ手段には、対応するシャッタを開閉操作させるシャッタ開閉操作部材がそれぞれ設けられ、
    前記各ホッパーカセットには、
    対応するシャッタ開閉操作部材をロックするロック部材と、
    前記ホッパーカセットのホッパーカセット収納部への収納時に、前記ロック部材による前記シャッタ開閉操作部材のロック状態を解除するロック解除部材とが配設された請求項1または2記載のカード発行機のホッパーカセット機構。
  4. 前記各ホッパーカセットの底部には、前記カード排出口からのカードの抜き取りを阻止するカード抜取り阻止部材と、該カード抜取り阻止部材によるカードの抜取り阻止状態を解除するカード抜取り阻止解除部材とが配設され、
    前記ホッパーカセット収納部には、キー操作によって、前記各ホッパーカセットを対応するホッパーカセット収納部に固定または固定解除するキーロック機構に連動して、前記カード抜取り阻止解除部材を操作する請求項1から3のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構。
  5. 前記ホッパーカセットの内部には、収納されたカードを上方から押さえ付けるウエイトが出し入れ自在に収納された請求項1から4のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構。
  6. 前記ホッパーカセット収納部には、収納されたホッパーカセット内のカードの有無を検知するカード検知センサと、ホッパーカセットの収納の有無を検知するカセット検知センサと、ホッパーカセット内のカードのストック量が少なくなった状態を検知するニアエンドセンサとが配設された請求項1から5のいずれか記載のカード発行機のホッパーカセット機構。
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