JP4071374B2 - 電車線用ハンガイヤの供給装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
トロリ線は、多数のハンガイヤによって、吊架線の下方に吊り止められている。この発明は、ハンガイヤを吊架線とトロリ線に自動的に装着しつつ延線工事を行うハンガイヤの自動装着装置等に、ハンガイヤを次々に供給する電車線用ハンガイヤの供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハンガイヤの自動装着装置に、ハンガイヤを供給する装置として、例えば特開平8−300983号の公報に記載されたものが知られている。この供給装置においては、チェーンが水平に無端状に掛け回わされ、駆動装置により所定距離ずつ間歇的に引き回わされる。このチェーンに、複数の受け台が所定間隔で係止され、この受け台上に水平回転できるように保持部材が支持されている。保持部材は、回転円周上に所定の回転角度ごとにハンガイヤを垂直に保持する。保持部材の側方にハンドがあり、保持部材が所定の角度回転して停止する度に、次々に保持部材からハンガイヤを受け取って所要装置に供給する。保持部材には、垂直に伸びる中央シャフトがあり、これに内側支持部材が水平に固定されている。内側支持部材の外周部には、所定の回転角度ごとに、ハンガイヤのバーの内側に対向する内側支持凹所があり、内側支持部材に水平回動自在に取り付けられたハンガホルダの先端側の外側支持凹所と協働してバーを抱持する。ハンガホルダは、バーを抱持する元位置と、これを解放する解放位置との間で回動し、ばねにより常時元位置に復帰する。ハンドが、保持部材からハンガイヤを受け取るために側方からハンガイヤに向かって進行するときに、ハンガホルダの当接片を押して、これを解放位置へ回動させる。ハンガイヤをハンド5に対して所定の位置に配置するため位置決め部材が設けられている。位置決め部材は、ばね力により所定位置で保持部材に回転抵抗を付与し、ハンガイヤの位置を定める。ハンドがハンガイヤを受け取った後、送り部材が位置決め部材の回転抵抗に抗して保持部材を所定の角度回転させ、新たなハンガイヤをハンドに臨ませる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のハンガイヤの供給装置においては、ハンガイヤの保持機構及び位置決め機構の構造が複雑で、装置が大型化し、また故障が生じやすいという問題点がある。
従って、本発明は、特にハンガイヤの保持機構及び位置決め機構の構造が小型、簡易で、故障が生じにくいハンガイヤの供給装置を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するため、水平に無端状に掛け回されたチェーンを駆動装置で引き回わすようにする。このチェーンに所定間隔で複数の受け台を固着する。そして、受け台の1つが所定の停止位置に到達したことを検知する停止位置センサを設け、それの停止信号でチェーン駆動装置を間歇停止させる。受け台上には、水平回転できるように保持部材を設け、それの円周上に、複数のハンガイヤを所定の間隔で垂直に保持できるようにする。停止位置の近傍にハンドを設け、停止した受け台上の保持部材から次々にハンガイヤを受け取って、これを取付け装置の如き所要装置に供給する。停止位置で停止した保持部材上の個々のハンガイヤをハンドに対面させるように、位置決め手段を設けて、保持部材を所定の回転角度位置に配置して回転抵抗を付与する。この位置決め手段には、所定の停止位置で停止した保持部材を所定の回転角度位置に配置すべく回転させる送り部材と、保持部材に、所定の回転角度位置で回転抵抗を付与する位置決め部材とを具備させる。ハンドがハンガイヤを受け取った後、送り部材で位置決め部材の回転抵抗に抗して保持部材を所定の角度回転させ、順次新たなハンガイヤをハンドに臨ませる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1はハンガイヤ供給装置の平面図、図2はハンガイヤ供給装置の一部の平面図、図3はハンガイヤ供給装置の一部の正面図、図4はハンガイヤ供給装置の一部の側面図、図5は保持部材の平面図、図6は保持部材の正面図、図7ないし図10は位置決め手段の動作を順を追って示す平面図である。
【0006】
図1、図2において、水平に固定されたベース1上に、水平に無端状にチェーン2が掛け回されている。チェーン2は、駆動装置Mにより、所定距離ずつ間歇的に引き回される。チェーン2の環の外側には、所定の相互間隔で、複数の受け台3が係止されている。受け台3は、チェーン2と共にベース1上を移動する。受け台3上には、水平回転できるように、保持部材4が装着される。保持部材4は受け台3に対して着脱可能であり、その回転円周上に、複数のハンガイヤHを所定の相互間隔で垂直に保持できるようになっている。
【0007】
ハンド5は、この保持部材4から次々にハンガイヤHを受け取って、図示しない取付け装置の如き所要装置に供給するものであり、チェーン2の環の外側に設けられている。位置決め部材6は、ハンド5の近傍に位置して、チェーン2の環の外側に設けられている。
【0008】
位置決め部材6は、保持部材4上のハンガイヤHをハンド5に対して所定の位置に配置するためのもので、ハンド5の近傍の所定の受け渡し中心位置Aにおいて、保持部材4をハンド5に対して所定の回転角度位置に配置し、かつ受け渡し動作時の回転を阻止するために保持部材4に回転抵抗を付与する。送り部材7は、チェーン2の環の内側に、位置決め部材6と対向するように設けられている。
【0009】
送り部材7は、ハンド5がハンガイヤHを受け取った後、位置決め部材6の回転抵抗に抗して、保持部材4を所定の角度回転させ、新たなハンガイヤHをハンド5に臨ませる。
【0010】
図1、図4に示すように、チェーン2に係止された受け台3は、ベース1上をチェーン2に引かれて図1において時計方向に移動する。受け台3は、保持部材4の回転軸11を回転自在に受け入れるための軸受部8を中央に備えている。
【0011】
図5、図6に示すように、保持部材4は、ハンガイヤHを乗せ受けるディスク9と、中央シャフト10とを備えている。ディスク9の下面には、中央に回転軸11が突設され、また同心円周上に等間隔に並んで6個の係合突起12が突設されている。ディスク9の上面には、係合突起12と対応して同じく同心円周上に等間隔に並んで6個の支持突片13が突設されている。ハンガイヤHは、その下端のイヤ片Eで支持突片13を挟むようにディスク9上に垂直に支持される。係合突起12は、送り部材7に係合して保持部材4を回転させるためのものである。中央シャフト10は、ディスク9の上方へ垂直に伸びている。
【0012】
図4に示すように、ハンド5は、空気圧駆動式のもので、昇降機構、水平移動機構、回転機構を備え、ベース1に対して上下、前後動及び水平回転可能である。即ち、図2に示す所定の受け渡し位置Aにおいて、図4に示すように、保持部材4に保持されたハンガイヤHに向かって前進し、一対のフィンガ5a,5bの間にハンガイヤHの下部を挟んで上昇し、その後、後退して180°回転し、図示しない取付け装置にハンガイヤHを供給することができる。
【0013】
図2ないし図4、図7ないし図10に示すように、位置決め部材6は、保持部材4の移動路の外側に沿って延長するアーム14を備えている。アーム14は、一端側において枢ピン15でベース1上に水平回動自在に枢支され、ばね16で他端側が保持部材4の移動路に接近する方向に付勢され、常時はストッパ24で原位置に保持されている。アーム14は、保持部材4の移動路側にガイド面14aと、このガイド面14aに、保持部材4の進行方向に連続したほぼV字状のガイド凹所14bと、ガイド凹所14bの尖端に形成された保持凹所14cとを備えている。ガイド面14aは、ガイド凹所14bの斜面と協働し、受け台3と共に移動中の保持部材4の係合突起12に当接して、保持部材4の姿勢を制御し、これをハンド5に対して図2に示す所定の回転角度位置に配置する。そして、アーム14は、ばね16による弾性的押圧力で保持部材4に所定の回転抵抗を付与する。この状態で、所定の係合突起12が送り部材7に対向する位置に配置される。
【0014】
図2、図7ないし図10に示すように、送り部材7は、ベース1上に固定されたエアシリンダ17を具備する。ロッド18の先端にはブラケット19が固定され、このブラケット19に、一方向(図2において時計方向)にのみ水平回転可能に押圧アーム20が枢着されている。押圧アーム20は、基端側においてピン21でブラケット19に枢着され、常時はロッド18に対して先端側がほぼ直角に延出する原位置側にばね22で付勢されている。図2において時計方向へはばね力に抗して回転できる。押圧アーム20は、エアシリンダ17により往復動作する。押圧アーム20が前進すると、所定位置に配置されて位置決め部材6により回転抵抗を付与されている保持部材4の所定の係合突起12に当接して保持部材4を図2において反時計方向へ所定角度回転させる。そして、押圧アーム20は、原位置への後退時に、隣接する係合突起12に後面が当接して回転し、次の突出動作で当該係合突起12を押し進める。エアシリンダ17の突出動作は、チェーン駆動装置が停止し、保持部材4が所定位置に停止した後開始され、1つの保持部材4に対して、それの保持するハンガイヤHの数に等しい6回となるよう制御される。1つの保持部材4に対して、6回突出動作したら、チェーン2が回転して次の保持部材4が所定位置にも持ち来されるまで原位置で待機する。
【0015】
ベース1上には、受け台3が所定位置に到達したことを検知してチェーン駆動装置Mの停止指令を送出するリミットスイッチ23が設けられている。このリミットスイッチ23の信号により、保持部材4が次々にハンド5に対向した受け渡し位置Aで移送されて停止するようにチェーン駆動装置Mが制御される。
【0016】
この実施例のハンガイヤ供給装置を用いて、例えば、図示しない取付け装置にハンガイヤHを供給する場合には、まず、ハンガイヤHを装着した多数の支持部材4を用意し、これを各受け台3上にセットする。駆動装置でチェーン2を所定距離ずつ間歇的に引き回わし、その都度、保持部材4を載せた受け台3を所定の受け渡し位置Aに配置する。受け渡し位置Aにおいて、位置決め部材6が、保持部材4を所定の回転角度位置に配置し、ハンガイヤHをハンド5に対向させる。また位置決め部材6は、この状態で保持部材4に回転抵抗を付与する。即ち、図7ないし図10において、左方へ移動する保持部材4は、受け渡し位置Aに至る前に、図8に示すように、2本の係合突起12がアーム14に当接し、アーム14を時計方向へ回転させながら、図9に示す受け渡し位置Aに至る。保持部材4が受け渡し位置Aに達すると、位置決め部材6と反対側に位置する保持部材4上の所定の係合突起12bが、送り部材7の進路上に配置される。送り部材7の押圧アーム20が前進し、係合突起12bに当接して保持部材4を図9において反時計方向へ所定角度回転させ、原位置へ後退する。この間、位置決め部材6側の係合突起12のうち、アーム14に接している左側のもの12aがアーム14を回転させながら、位置決め凹所14b内へ進入する。押圧アーム20が原位置へ後退すると保持部材4がフリーになるので、保持部材4を回転させながらアーム14がばねで反時計方向へ回転復帰し、当該係合突起12aは保持凹所14cに係合して位置決めされる。チェーン2の停止位置に誤差があってもこの位置決めは正確になされる。この状態で、図4に示すように、当該係合突起12aの真上に位置するハンガイヤHに向かってハンド5が前進し、ハンガイヤHを挾み、いったん上昇してイヤ片Eを保持部材4の支持突片13から外し、後退後、180°回転してハンガイヤHを取付け装置に供給する。ハンド5が保持部材4から離れると、再び送り部材7が前進して、押圧アーム20で進路上の係合突起12を押す。これにより、新たなハンガイヤHをハンド5に対向させる。この動作を繰り返して、ハンド5が次々に保持部材4からハンガイヤHを受け取って、取付け装置に供給していく。送り部材7が6回往復し、1つの保持部材4上のハンガイヤHが空になったら、チェーン2が所定距離移動して、次の保持部材4が所定の受け渡し位置Aに配置される。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、特にハンガイヤの保持機構及び位置決め機構の構造が小型、簡易で、故障が生じにくいハンガイヤの供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハンガイヤ供給装置の平面図である。
【図2】ハンガイヤ供給装置の一部の平面図である。
【図3】ハンガイヤ供給装置の一部の正面図である。
【図4】ハンガイヤ供給装置の一部の側面図である
【図5】保持部材の平面図である。
【図6】保持部材の正面図である。
【図7】位置決め手段の動作を順を追って示す平面図である。
【図8】位置決め手段の動作を順を追って示す平面図である。
【図9】位置決め手段の動作を順を追って示す平面図である。
【図10】位置決め手段の動作を順を追って示す平面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 チェーン
3 受け台
4 保持部材
5 ハンド
6 位置決め部材
7 送り部材
8 軸受部
9 ディスク
10 中央シャフト
11 回転軸
12 係合突起
13 支持突片
14 アーム
15 枢ピン
16 ばね
17 エアシリンダ
18 ロッド
19 ブラケット
20 押圧アーム
21 ピン
Claims (2)
- 水平に無端状に掛け回され、駆動装置により引き回されるチェーンと、
このチェーンに所定間隔で固着された複数の受け台と、
この受け台の1つが所定の停止位置に到達したことを検知して前記チェーン駆動装置の停止信号を送出する停止位置センサと、
この受け台上に水平回転できるように、着脱可能であって、上面側の回転円周上に複数のハンガイヤを所定の間隔で垂直に、着脱可能に保持すると共に、当該各ハンガイヤの保持位置に対応する下面側に係合突起を突出させた保持部材と、
前記所定の停止位置で停止した前記受け台上の前記保持部材から次々に前記ハンガイヤを受け取ってこれを取付け装置の如き所要装置に供給するハンドと、
前記所定の停止位置で停止した前記保持部材上の個々の前記ハンガイヤを前記ハンドに対面させるべく保持部材を所定の回転角度位置に配置して回転抵抗を付与する位置決め手段とを備え、
この位置決め手段は、前記所定の停止位置で停止した前記保持部材の所定の係合突起を押して保持部材上の所定の前記ハンガイヤを前記ハンドに対面させる回転角度位置に配置すべく回転させる送り部材と、
前記所定の停止位置で停止した前記保持部材の他の所定の係合突起に弾性的に当接して保持部材に、所定の回転角度位置で回転抵抗を付与する位置決め部材とを具備し、
前記送り部材は、回転角度位置にある前記保持部材の所定の係合突起を押して保持部材を所定の前記ハンガイヤを前記ハンドに対面させる回転角度位置に配置する突出位置と、その位置から後退した原位置との間を往復動するよう制御され、
前記位置決め部材は、前記保持部材の移動路の外側に沿って延長するアームを備え、このアームは、一端側において水平回動自在に枢支され、ばねで他端側が保持部材の移動路に接近する方向に付勢されながら常時は原位置に保持され、保持部材の移動路側に面したガイド面と、このガイド面に、保持部材の進行方向に連続したほぼV字状のガイド凹所と、ガイド凹所の尖端に形成された保持凹所とを備え、ガイド面は、ガイド凹所の斜面と協働し、移動中の保持部材の前記係合突起に弾性的に当接して保持部材を前記ハンドに対して所定の回転角度位置に配置し、保持凹所は、当該所定の回転角度位置において前記送り部材に押されて前記ハンドに対面するように配置された所定の前記ハンガイヤを保持凹所に保持するように配置され、
前記ハンドが所定の前記ハンガイヤを受け取った後、前記送り部材で前記位置決め部材の回転抵抗に抗して前記保持部材を所定の角度回転させ、順次新たなハンガイヤをハンドに臨ませることを特徴とする電車線用ハンガイヤの供給装置。 - 前記保持部材は、ハンガイヤを保持するために、ハンガイヤの一対のイヤ片間に挿入できるように、回転円周上に所定の回転角度間隔で突設された複数の支持突片を有し、
前記ハンドは、側方からハンガイヤを挟持するための開閉自在のフィンガと、挟持したハンガイヤを前記保持部材の支持片から抜き取るべく上昇するための昇降機構と、前記保持部材に対して水平方向に接近、離反するための水平移動機構と、挟持したハンガイヤを前記所要装置へ渡すためにフィンガを保持部材側又は所要装置側へ向けるように水平回転するための回転機構とを具備することを特徴とする請求項1に記載の電車線用ハンガイヤの供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27726698A JP4071374B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | 電車線用ハンガイヤの供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP27726698A JP4071374B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | 電車線用ハンガイヤの供給装置 |
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JP4071374B2 true JP4071374B2 (ja) | 2008-04-02 |
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Family Applications (1)
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JP27726698A Expired - Fee Related JP4071374B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | 電車線用ハンガイヤの供給装置 |
Country Status (1)
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CN115139112B (zh) * | 2022-08-29 | 2022-11-04 | 信承瑞技术有限公司 | 铜合金吊弦生产系统及其制作方法 |
-
1998
- 1998-09-30 JP JP27726698A patent/JP4071374B2/ja not_active Expired - Fee Related
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