JP4070008B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂製のリフレクタを備える車両用灯具に関し、特にリフレクタをポリエーテルイミド(以下、PEIと称する)樹脂で形成した車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両用灯具(以下、単に灯具と称する)の光反射面を構成しているリフレクタでは、これまで不飽和ポリエステル(以下、BMCと称する)樹脂を用い、その反射面にアルミニウム等を蒸着して形成されている。このBMC樹脂は熱硬化性樹脂であるため、BMCを用いて製造されたリフレクタを再度リフレクタとしてリサイクル利用することは極めて困難であり、これまでは細かく粉砕してセメント原料として再利用しているのに過ぎない。近年、このようなリフレクタのリサイクルが検討されており、リサイクル利用が可能な樹脂として、PEI樹脂が提案されている。このPEI樹脂は、非晶性の熱可塑性樹脂であり、優れた耐熱性を示すイミド結合と良好な加工性を示すエーテル結合が組み合わされた樹脂であるため、PEI樹脂で形成したリフレクタを再度リフレクタとしてリサイクルすることが可能である。また、このPEI樹脂は、軽量であり、自動車を軽量化するための一つとして灯具を軽量化する上でも有利である。さらに、PEI樹脂は表面の平滑性が優れているため、リフレクタの反射面を形成するためのアルミニウム等の金属を表面に蒸着する場合でも、バリ取り、洗浄、乾燥、アンダーコート等のいわゆる下地処理を行うことなく直接的にPEIの表面に蒸着するダイレクト蒸着を行うことができる。そのため、下地処理が不要になるとともに、アンダーコート材や下地処理時に使用する薬品等による環境汚染を排除する上で有利になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その一方でPEI樹脂はBMC樹脂に比較すると、材料単価が非常に高価である。また、BMC樹脂に比較して収縮率が大きく、剛性が低いため成形した後に外力によって変形され易く、成形時にひけが発生し易い。さらに、荷重たわみ温度が低く、熱変形され易いという不利な点もある。したがって、PEI樹脂を用いてリフレクタを製造した場合に、リフレクタが外力によって変形され、あるいは光源で発生する熱によって変形されたときに反射面が変形され、所望する配光特性が得られなくなるという問題が生じる。また、リフレクタの光軸を調整するエイミング機構を通して加えられる応力によってもリフレクタが変形され、所望する光軸位置や配光特性が得られなくなる。さらに、樹脂成形時に「ひけ」が生じ易く、特に反射面に「ひけ」が生じた場合には外観上の見栄えが低下するという問題が生じる。
【0004】
本発明の目的は、PEI樹脂を用いたリフレクタにおける外力、熱、応力による変形を抑制し、かつ外観上の見栄えが低下することがないリフレクタを備えた車両用灯具を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源の光を反射面で反射して所要の配光特性を得るリフレクタを備える車両用灯具において、リフレクタはPEI樹脂からなり、かつリフレクタの縁部には、当該縁部を内面から外面に向けて曲設した折り返し部を備える構成とする。
【0006】
さらに本発明は、リフレクタは反射面から延長されて配光特性に寄与しないダミー部を備え、反射面とダミー部の境界部のリフレクタ外面に第1の補強リブが一体に形成され、かつダミー部にはセレーションが形成され、セレーションの谷部のリフレクタ外面に第2の補強リブが一体に形成される。
【0007】
本発明によれば、リフレクタをPEI樹脂で製造した場合に問題となる低剛性が原因としての機械的な変形については、リフレクタの開口縁部に設けられた折り返し部と、リフレクタの外面に設けられた第1及び第2の補強リブとによりリフレクタの機械的な強度を高め、エイミング機構で生じる応力や外力によって生じる応力等によるリフレクタの機械的な変形を防止し、また耐熱性が低いことが原因としての熱的な変形を防止する。また、機械的な強度を増加する構造を採用することで、PEI樹脂の肉厚を低減することが可能になり、PEI樹脂の使用量を低減してコストの削減を図る。特に、第1の補強リブを反射面とダミー部の境界部に配設し、第2の補強リブをセレーションの谷部に配設したことにより、機械的な強度の増加を図る一方で「ひけ」による外観上の見栄えの低下も防止する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の灯具を自動車のヘッドランプに適用した実施形態の正面図、図2はそのA−A線断面図である。本実施形態のヘッドランプHLは灯具ボディ1と、当該灯具ボディ1の前面開口に取着されるレンズ2と、前記灯具ボディ1とレンズ2とで構成される灯室3内に内装されたリフレクタ4と、前記リフレクタ4に電球ソケット5により取着された光源としての電球6とを備えて構成される。また、前記リフレクタの周囲の灯具ボディの内面がレンズを通して外部に露見することを防止するためのエクステンション7が設けられる。さらに、後述するように前記リフレクタ4を灯具ボディ1に支持するとともに、当該リフレクタ4の光軸を調整するためのエイミング機構が設けられている。ここで、前記灯具ボディ1とレンズ2は、要求される強度、剛性等を満たすために、灯具ボディ1はPP(ポリプロピレン樹脂)により形成され、レンズ2はPC(ポリカーボネイト樹脂)により形成されており、これらは熱可塑性樹脂であるためリサイクルは可能である。また、前記リフレクタ4はPEI樹脂によって形成されている。
【0009】
前記灯具ボディ1は容器型に形成されており、その前面開口の周縁に沿ってシール溝11が形成されている。そして、前記レンズ2はその周縁部にシール脚21が一体に形成されており、当該シール脚21が前記シール溝11内に内装され、シール溝11内に充填されたシール剤12によって固定かつ封止が行われている。また、前記灯具ボディ1の背面のほぼ中央位置には電球ソケット挿通穴13が開口されており、当該電球ソケット挿通穴13と前記リフレクタ4に取着された電球ソケット5との間に環状をしたゴムキャップ8が装着され、リフレクタ4を灯具ボディ1に対して可動状態に支持してエイミング調整を可能にする一方で両者間に生じる空隙を封止するようになっている。なお、リフレクタ4への電球ソケット5の取着は、灯具ボディ1の背面の電球ソケット挿通穴13から、電球6を支持した電球ソケット5を内挿してリフレクタ4の電球ソケット取付穴4bに取着する。
【0010】
前記リフレクタ4について詳細に説明する。図3はリフレクタ4を前面側から見た斜視図、図4は背面側から見た斜視図である。また、図5(a)は図2のD部の拡大図、(b)はそのE−E線断面図、図6(a)〜(c)はそれぞれ図3及び図4のa,b,cの各部の拡大破断斜視図である。前記リフレクタ4はPEI樹脂によって射出成形されており、その内面は反射面41として構成されているが、その反射面41の両側辺領域から下辺領域にわたる前縁部には前方に向けて光軸方向に突出させた円筒面からなるダミー部42が形成されている。また、前記反射面41の背面には電球ソケット取付穴4bが開設されており、前記したように光源としての電球6を支持した電球ソケット5が背面側から着脱可能とされている。なお、この電球ソケット5は既に広く知られているものが用いられているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0011】
前記リフレクタ4は、その前縁部、すなわち開口縁部4aの前記反射面41の上側領域を除く両側領域とダミー部42とを含む領域は、外方に向けてクランク状の断面形状とされているが、当該開口縁部4aの全周囲には内面から外面に向けて、しかも後方に向けて折り返した形状の折り返し部43が形成されている。また、前記リフレクタ4の外面には、前記反射面41とダミー部42との境界に沿って第1の補強リブ44が形成されている。この第1の補強リブ44は、当該リフレクタ4の外面から前記ダミー部42としての円筒状の周面にそってリフレクタ4の背面方向に向けて突出された形状に形成されている。また、前記ダミー部42は光軸方向に延びる複数の凸状のシリンドリカル面45aが円周方向に沿って並列状態に配列された構成(ここではセレーション形状と称する)45が形成されている。また、前記セレーション形状45の谷部、すなわち隣接する凸状のシリンドリカル面45aの境界に沿ってそれぞれ壁状をした第2の補強リブ46が形成されている。この第2の補強リブ46は、前記折り返し部43が形成されている領域において、ダミー部42の外面と当該折り返し部43の内面との間に挟まれるように形成されている。その上で、前記リフレクタ4の少なくとも内面の反射面41及びダミー部42にはアルミニウムの蒸着膜が形成されている。
【0012】
さらに、前記リフレクタ4の背面にはエイミング機構9を構成するための3個のステムが一体に形成されている。図7及び図8は図1のB−B線、C−C線に沿う断面図であり、前記リフレクタ4の背面の下部の一側には支点ステム9Cが形成され、この支点ステム9Cの直上位置には上下エイミングステム9Vが形成され、前記上下エイミングステム9Vと同じ高さで前記電球ソケット取付穴4bを挟んだ水平方向の反対側の位置に左右エイミングステム9Hが形成されている。なお、前記左右エイミングステム9Hは後述するように実際にはエイミング機構9の上下エイミング動作にも関係するが、ここでは左右エイミングステムと称することにする。このことは後に述べる左右エイミング点Hxについても同様である。これらのステム9C,9V,9Hはいずれもリフレクタ4の背面から光軸方向の後方に向けて突出された箱状もしくは中空柱状に形成されており、その後端面にはそれぞれ矩形の嵌合穴91が開口されている。ここで、前記支点ステム9C、上下及び左右の各エイミングステム9V,9Hの後端面は、図7及び図8に示す同一の立面Pxにほぼ近い位置に設定されている。そして、前記支点ステム9Cの嵌合穴91にはベアリングナット92が嵌合され、前記上下エイミングステム9V及び左右エイミングステム9Hの各嵌合穴にはエイミングナット93,94が嵌合されている。
【0013】
さらに、前記支点ステム9Cに嵌合取着されたベアリングナット92は、前記灯具ボディ1の内面に固定されたベアリングボール軸95に係合される。また、上下エイミングステム9Vと左右エイミングステム9Hに嵌合取着された各エイミングナット93,94はそれぞれ前記灯具ボディ1の内面の上部において光軸方向に貫通支持された上下エイミングスクリュ96と左右エイミングスクリュ97に螺合される。ここで、前記各エイミングナット93,94は、2ピースのセルフロッキングナットとして構成されているものであり、各エイミングスクリュ96,97に直接螺合されるナットボール93a,94aと、このナットボール93a,94aを抱持して各ステム9V,9Hの嵌合穴91に嵌合支持するためのスリーブ93b,94bとで構成されている。これにより、リフレクタ4はベアリングボール軸95、上下エイミングスクリュ96、左右エイミングスクリュ97により灯具ボディ1内に支持されるが、ベアリングナット92とベアリングボール軸95により構成される支点位置と、各エイミングスクリュ96,97が各エイミングナット93,94に螺合される位置はそれぞれ前記立面Px上に配置されている。さらに、前記ベアリングボール軸95、各エイミングスクリュ96,97の軸線は平行に向けられており、これらの軸線は前記立面Pxに対して垂直な90度の角度となるように配置されている。
【0014】
この構成では、図1に示されているように、リフレクタ4はベアリングナット92とベアリングボール軸95で構成される支点部Cxを支点として上下方向と左右方向に傾動することが可能な構成とされる。すなわち、灯具ボディ1の背面の外側から左右エイミング点Hxとなる左右エイミングスクリュ97を軸転操作することにより、これに螺合する左右エイミングナット94を左右エイミングスクリュ97に沿って螺進させ、左右エイミングステム9Hを介してリフレクタ4を前記支点部Cx及び上下エイミング点Vxを結ぶ線を中心にして左右方向、つまり水平方向に傾動させることが可能になる。また、前記左右エイミング点Hxとなる左右エイミングスクリュ97と上下エイミング点Vxとなる上下エイミングスクリュ96を同時に軸転操作することにより、これに螺合する左右エイミングナット94と上下エイミングナット93、すなわち左右エイミングステム9Hと上下エイミングステム9Vをそれぞれ左右エイミングスクリュ97と上下エイミングスクリュ96に沿って螺進させ、リフレクタ4を前記支点部Cxを中心にして上下方向、つまり鉛直方向に傾動させることが可能になる。これによりリフレクタ4の光軸方向を調整するエイミング調整を実行することが可能である。
【0015】
そして、このエイミング調整に際しては、支点部Cx、上下及び左右の各エイミング点Vx,Hxが同一立面Px上に位置されているため、上下エイミング調整及び左右エイミング調整時におけるリフレクタ4の傾動はいずれも支点と作用点(力点)が同一立面Px内に存在する状態で行われ、しかもこの立面Pxに対して各エイミングスクリュ96,97が90度の角度(垂直)に向けられているため、各エイミングスクリュ96,97と各エイミングナット93,94との間に生じる応力はリフレクタ4の傾動方向である立面Pxと垂直な方向に向けられることになり、したがってリフレクタ4に対して捩じり力となる応力が加えられることはなく、リフレクタ4の変形を抑制することが可能になる。また、各エイミングスクリュ96,97は2ピースのナットボール93a,94aに螺合しており、これらのナットボール93a,94aはそれぞれスリーブ93b,94b内で移動が自由とされるため、エイミングスクリュ96,97に対するエイミングナット93,94の螺進に際しての摺動力が低減してスムーズに移動されることになり、この箇所における応力の発生を防止してリフレクタ4の変形を抑制することが可能になる。
【0016】
一方、前記エイミング調整による応力や、灯具ボディ1を介して外部から伝えられる応力がリフレクタ4に加えられると、リフレクタはPEI樹脂で形成されているため変形される懸念がある。また、電球6を点灯したときに発生する熱により生じる熱応力、あるいは高い外気温や日光の直射によって生じる熱による熱応力によってもリフレクタ4が変形される懸念がある。特に、開放端である開口縁部4aにおいて変形され、反射面41が変形される懸念がある。しかしながら、本実施形態のリフレクタは4、開口縁部4aに折り返し部43が設けられており、当該折り返し部43は断面形状がコ字型に近い形状とされている。そのため、開口縁部4aの機械的な強度が高められ、当該応力によっても開口縁部4aないし反射面41が変形され難いものとなる。
【0017】
また、前記リフレクタ4の背面領域では、反射面41とダミー部42との境界に沿って第1の補強リブ44が形成されているため、反射面41における機械的な強度が高められ、応力による変形が防止される。その一方で、第1の補強リブ44は反射面41の内面はもとよりその外面にも存在していないので、リフレクタ4を樹脂成形したときに、第1の補強リブ44によって生じる厚肉部分の表面に生じ易い「ひけ」の発生は少なく、リフレクタ4の反射面41における「ひけ」の発生を未然に防止し、配光特性への影響を無くし、また反射面41を外から見たときに「ひけ」が点状の凹部として露見するような外観上の見栄えの低下を防止する。
【0018】
さらに、リフレクタ4のダミー部42、すなわち電球6から出射された光のうちリフレクタ4で反射されて所要の配光特性を得る光以外の光、換言すれば所要の配光特性に寄与することがない光を反射する領域の殆どにセレーション形状45が形成されているため、ダミー部42が単純な曲面として形成されている場合に比較して機械的な強度を高めることができる。また、セレーション形状45の谷部の外面には第2の補強リブ46が形成されているため、ダミー部42の機械的な強度を更に高めることが可能になる。これにより、前記したような応力によるダミー部42の変形を抑制し、さらに当該ダミー部42の変形の影響を受けて反射面41が変形されることを防止する。また、当該第2の補強リブ46によってダミー部42の内面に「ひけ」が生じることがあっても、この「ひけ」はセレーション形状45の谷部に生じることになるため、「ひけ」によるダミー部42の外観上の見栄えが低下するようなこともない。
【0019】
なお、本実施形態の灯具では、リフレクタ4の開口縁部4aと灯具ボディ1の前面開口との間の灯具ボディ1の内面を覆い隠すようにエクステンション7が配設されているが、レンズ2を通して外部から見たときにエクステンション7がリフレクタ4と渾然一体となって見えるようにエクステンション7の表面にもアルミニウムの蒸着を施している。このエクステンション7は、ここではPC又はPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)で形成している。
【0020】
このように、本実施形態のリフレクタを用いた灯具では、PEI樹脂の利点を生かして灯具の軽量化を図ることができる。また、アルミニウム蒸着を施したリフレクタでも、ベースが熱可塑性のPEI樹脂であることにより、蒸着膜を除去した後に容易に組成成分への分解を行ってリサイクルが可能となる。また、PEI樹脂の表面平滑性により下地処理の必要がないダイレクト蒸着が可能となり、製造コストを低減し、かつ製造に際しての汚染物質の発生もなく、環境対策の上でも有効である。さらに、PEI樹脂の靱性によってエイミング機構の動作時に応力が加えられるステムの耐久性を高め、エイミング機構によるエイミング調整の信頼性を高めることが可能になる。
【0021】
一方、リフレクタをPEI樹脂で製造した場合に問題となる低剛性が原因としての機械的な変形については、エイミング機構によって生じる応力を低減する一方で、リフレクタの開口縁部に設けた折り返し部と、リフレクタの外面に設けられた第1及び第2の補強リブとによってリフレクタの機械的な強度を高めることにより、エイミング機構により生じる応力や外力によって生じる応力等からリフレクタの変形を防止することができる。同様に、耐熱性が低いことが原因としての熱的な変形についても防止することができる。また、リフレクタの機械的な強度を高めた構造を採用することで、PEI樹脂を使用したのにもかかわらずリフレクタの肉厚を低減することが可能になり、高価なPEI樹脂の使用量を低減し、コストの削減を図ることが可能になる。さらに、第1及び第2の補強リブを形成したことによる「ひけ」による外観上の見栄えの低下も防止できる。
【0022】
ここで本発明の前記実施形態のリフレクタは本発明の一例を示したものであり、構成において適宜の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、折り返し部を含む開口縁部の断面形状は、機械的な強度が増大するものであれば断面がU字状、あるいはL字状であってもよい。また、第1の補強リブはリフレクタの光軸方向とは異なる方向に延長する構成としてもよい。さらに、第2の補強リブはダミー部の光軸方向の全長にわたって形成してもよい。また、セレーション形状は内面側に凹のシリンドリカル面、あるいはこれに近い面形状を配列するようにしてもよい。ただし、いずれの場合にもコスト削減の上から、PEI樹脂量がいたずらに多くならないようにすることが好ましい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両用灯具によれば、リフレクタをPEI樹脂で形成するとともに、開口縁部に折り返し部を設け、また第1及び第2の補強リブを設けて機械的強度を高めることで、PEI樹脂の利点を生かして灯具の軽量化、リサイクルの確保、環境対策を図り、かつエイミング機構によるエイミング調整の信頼性を高めることを可能にする。またその一方で、PEI樹脂で製造した場合に問題となるリフレクタの強度の低下を解消し、リフレクタに加わる機械的又は熱的な応力からリフレクタの変形を防止し、またPEI樹脂の使用量を低減してコストの削減を図り、さらに第1の補強リブを反射面とダミー部の境界部に配設し、第2の補強リブをセレーションの谷部に配設したことにより、「ひけ」による見栄えの低下を防止し、高品質、高信頼性の灯具を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用灯具の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】リフレクタを前面方向から見た斜視図である。
【図4】リフレクタを背面方向から見た斜視図である。
【図5】図2のD部の拡大図とE−E線断面図である。
【図6】図3及び図4のa〜cの各部分の拡大破断斜視図である。
【図7】図1のB−B線断面図である。
【図8】図1のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 灯具ボディ
2 レンズ
4 リフレクタ
4a 開口縁部
5 電球ソケット
6 電球
7 エクステンション
9 エイミング機構
41 反射面
42 ダミー部
43 折り返し部
44 第1の補強リブ
45 セレーション形状
46 第2の補強リブ
9C,9V,9H エイミングステム
Cx 支点部
Vx 上下エイミング点
Hx 左右エイミング点
Claims (1)
- 光源の光を反射面で反射して所要の配光特性を得るリフレクタを備える車両用灯具において、前記リフレクタはポリエーテルイミド(以下、PEIと称する)樹脂からなり、かつ前記リフレクタの縁部には、当該縁部を内面から外面に向けて曲設した折り返し部を備え、前記リフレクタは、前記反射面から延長されて前記配光特性に寄与しないダミー部を備え、前記反射面と前記ダミー部の境界部のリフレクタ外面に第1の補強リブが一体に形成され、前記ダミー部にはセレーションが形成され、前記セレーションの谷部のリフレクタ外面に第2の補強リブが一体に形成されていることを特徴とする車両用灯具。
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