JP2013080657A - 車両用灯具用のリフレクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタであって、背面にアルミ反射層が形成されず、背面以外の領域にアルミ反射層(反射面等)が形成された放熱性の高い車両用灯具用のリフレクタを提供する。
【解決手段】BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材とした車両用灯具用のリフレクタであって、背面と、前記背面とは反対側の前面と、前記前面に真空下で蒸発したアルミによって形成されたアルミ反射層としての少なくとも一つの反射面と、を含んでおり、前記背面の外周には、前記真空下で蒸発したアルミが前記背面に回り込むのを防止するためのリブが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材とした車両用灯具用のリフレクタであって、背面と、前記背面とは反対側の前面と、前記前面に真空下で蒸発したアルミによって形成されたアルミ反射層としての少なくとも一つの反射面と、を含んでおり、前記背面の外周には、前記真空下で蒸発したアルミが前記背面に回り込むのを防止するためのリブが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、車両用灯具用のリフレクタに係り、特に、BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタに関する。
従来、車両用灯具の分野においては、主に軽量化の観点から、一般的なBMCではなく、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタが知られている(特許文献1、2参照)。特許文献1、2によれば、一般的なBMCを用いて成形した成形体の比重が1.8〜2.1程度であるのに対して、BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体の比重は1.7以下となる。
しかしながら、特許文献1、2に記載のリフレクタは、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としているため、軽量であるものの剛性が低い。
このように軽量ではあるが剛性が低いリフレクタにおいては、これに含まれる中空フィラーが断熱層として機能するため、一般的なBMCを用いて成形されたリフレクタと比べ、熱線を放射して電球表面が400〜500℃に達するハロゲン電球からの熱がこもりやすく、特に、アルミ蒸着に際して真空下で蒸発したアルミがリフレクタの背面に回り込むと、当該背面にアルミ反射層が形成されて、放熱性がさらに低下し、耐熱性が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタであって、背面にアルミ反射層が形成されず、背面以外の領域にアルミ反射層(反射面等)が形成された放熱性の高い車両用灯具用のリフレクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材とした車両用灯具用のリフレクタであって、背面と、前記背面とは反対側の前面と、前記前面に真空下で蒸発したアルミによって形成されたアルミ反射層としての少なくとも一つの反射面と、を含んでおり、前記背面の外周には、前記真空下で蒸発したアルミが前記背面に回り込むのを防止するためのリブが設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、アルミ蒸着に際して蒸発し背面に回り込もうとするアルミは、そのほとんどがリブで遮られる。これにより、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタであって、背面にアルミ反射層が形成されず、背面以外の領域にアルミ反射層(反射面等)が形成された放熱性の高いリフレクタを構成することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記成形体の比重は1.7以下とされていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体(比重1.7以下)を基材としたリフレクタであって、背面にアルミ反射層が形成されず、背面以外の領域にアルミ反射層(反射面等)が形成された放熱性の高いリフレクタを構成することが可能となる。
本発明によれば、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタであって、背面にアルミ反射層が形成されず、背面以外の領域にアルミ反射層(反射面等)が形成された放熱性の高い車両用灯具用のリフレクタを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態である車両用灯具について図面を参照しながら説明する。
車両用灯具10は、四灯式の車両用灯具であり、自動車等の車両の前面の左右両側にそれぞれ配置されている。
図1は自動車等の車両の前面の右側に配置された車両用灯具10の各バルブB1、B2を含む水平断面で切断した断面図、図2はハウジング22を透視して見えるリフレクタ30の背面図、図3は図2中のA−Aで切断した断面図である。
図1〜図3に示すように、車両用灯具10は、四灯式の車両用灯具であり、レンズ20、レンズ20と組み合わされて灯室21を構成したハウジング22、灯室21内に配置されたリフレクタ30、第1エイミング機構40A、第2エイミング機構40B等を備えている。
リフレクタ30は、主に軽量化の観点から、一般的なBMCではなく、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタとされている。一般的なBMCを用いて成形したリフレクタの比重が1.8〜2.1程度であるのに対して、BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された本実施形態の成形体の比重は1.7以下とされている。
リフレクタ30は、ハウジング22が対向する背面31と、背面31とは反対側の前面32と、前面32に形成された一対の反射面33、34と、各反射面33、34の周縁から前方に向かって延びる筒形状の壁部35、36(立壁とも称される)と、を含んでいる。
BMC(バルクモールディングコンパウンド)とは、熱硬化性樹脂に硬化剤、充てん材、顔料及び増粘剤を配合し、チョップドストランドと混練した成形材料のことである。一般的には、不飽和ポリエステル樹脂を主体とし、充填材とガラス繊維などで構成される熱硬化性の成形材料として知られている。
BMCに中空フィラーを添加した成形材料としては、例えば、特許第4673298号公報や特許第4404539号公報に開示されているものを用いることが可能である。
特許第4673298号公報には、BMCに中空フィラー等を添加した成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂及び架橋剤100質量部に対して、少なくとも0.5μmの平均粒子径を有する無機充填材40〜210質量部と、少なくとも2100×104N/m2の耐圧強度を有する中空フィラー30〜160質量部とを、無機充填材:中空フィラー=2:8〜8:2の範囲の添加質量比率で含むランプリフレクター用低比重不飽和ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
また、特許第4404539号公報には、BMCに中空フィラー等を添加した成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするマトリックス樹脂に少なくとも補強材であるガラス繊維を無機充填材として添加混練したBMC材料において、前記BMC材料には無機充填材としてガラス中空体が添加され、前記ガラス中空体のBMC材料に対する体積占有率が26〜37体積%で、前記BMC成形体の比重が1.7以下に調整され、前記マトリックス樹脂に対する無機充填材の体積比(無機充填材の体積/マトリックス樹脂の体積)が1.0〜2.5の範囲に調整され、前記ガラス中空体の平均粒子径が15〜45μmの範囲で、該ガラス中空体の耐圧強度が40MPa以上に調整されたものが開示されている。
リフレクタ30は、BMCに中空フィラーを添加した成形材料を、金型に注入し、冷却、固化させることで一体成形された成形体に対して、順次、アンダーコート、アルミ蒸着、トップコートを施すことで形成された一対の反射面33、34を含んでいる。各反射面33、34は、リフレクタ30の前面32に水平方向に並列配置されている(図1、図3参照)。
反射面33は、回転放物面を基調とする反射面(すれ違いビーム用反射面)であって、その頂部にはバルブ挿入用開口33aが形成されている。バルブ挿入用開口33aには、ハウジング22に形成されたバルブ挿入用開口23を介して、リフレクタ30の背面31側からハロゲン電球B1が挿入されている。ハロゲン電球B1は、そのフィラメントが反射面33の焦点近傍に位置するように、反射面33に対して正確に位置決めされた状態で公知の固定手段によりリフレクタ30に着脱自在に固定されている。なお、バルブ挿入用開口23は、その開口23周囲に固定された蓋部24で閉塞されている。
反射面33は、当該反射面33に対して正確に位置決めされた状態でリフレクタ30に固定されたハロゲン電球B1から入射する光を予め定められた方向へ反射(配分)して、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(例えば、車両前方約25mに配置されている)上に、すれ違いビーム用配光パターンを形成するように設計されている。
反射面34は、回転放物面を基調とする反射面(走行ビーム用反射面)であって、その頂部にはバルブ挿入用開口34aが形成されている。バルブ挿入用開口34aには、ハウジング22に形成されたバルブ挿入用開口25を介して、リフレクタ30の背面31側からハロゲン電球B2が挿入されている。ハロゲン電球B2は、そのフィラメントが反射面34の焦点近傍に位置するように、反射面34に対して正確に位置決めされた状態で公知の固定手段によりリフレクタ30に着脱自在に固定されている。なお、バルブ挿入用開口25は、その開口25周囲に固定された蓋部26で閉塞されている。
反射面34は、当該反射面34に対して正確に位置決めされた状態でリフレクタ30に固定されたハロゲン電球B2から入射する光を予め定められた方向へ反射(配分)して、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(例えば、車両前方約25mに配置されている)上に、走行ビーム用配光パターンを形成するように設計されている。
図3に示すように、リフレクタ30は、公知のボールジョイントBJによってハウジング22に保持されている。ボールジョイントBJは、例えば、リフレクタ30の背面31のうち水平方向略中央の上部に螺合したネジNの頭部N1(球体。図2、図3参照)、ハウジング22側に設けられ、ネジNの頭部N1(球体)を回転自在に保持する球受部22a(図3参照)等を備えている。
上記のように軽量ではあるが剛性が低いリフレクタ30においては、これにアジャスティングスクリュを直接連結すると、アジャスティングスクリュの回転に伴って発生する力がその連結点にピンポイント的に加わり、その力の作用点付近を中心にリフレクタ30(特に、各反射面33、34)が変形してしまい、目的の配光(すれ違いビーム用配光パターンや走行ビーム用配光パターン)が形成されなくなるという問題がある。
本願の発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、アジャスティングスクリュを直接リフレクタ30に連結するのではなく、アジャスティングスクリュ42A(42B)を、第1ブラケット41A(第2ブラケット41B)を介してリフレクタ30に連結することで、上記問題を解決することが可能であることを見出した。以下、第1ブラケット41A等について詳細に説明する。
第1エイミング機構40Aは、リフレクタ30を鉛直方向に傾動させるための機構であり、図3に示すように、第1ブラケット41A、第1アジャスティングスクリュ42A等を備えている。
図4は第1ブラケット41A(第2ブラケット41B)の斜視図、図5は第1ブラケット41A(第2ブラケット41B)の分解斜視図、図6は第1ブラケット41A(第2ブラケット41B)の断面図である。
図4〜図6に示すように、第1ブラケット41Aは、可動部41a、可動部保持体41b、ブラケット本体41c等を備えている。
図5に示すように、可動部41aは、第1アジャスティングスクリュ42Aが螺合するネジ穴H1が形成された螺合部41a1、ネジ穴H1の入口とは反対側に設けられた球体41a2、第1アジャスティングスクリュ42の先端をネジ穴H1に案内するために、ネジ穴H1の入口周囲に設けられた鍔状のガイド部41a3等を備えている。
可動部41aは、例えば、中空フィラーを含まないBMC等の樹脂を、金型に注入し、冷却、固化させることで一体成形されている。これにより、可動部41aの剛性が確保されている。
図5、図6に示すように、可動部保持体41bは、可動部41aの球体41a2をその両側から挟み込んで互いに係合することで、当該可動部41aの球体41a2を回転自在に保持する一対のパーツ41bR、41bL(球受部41b1)、ブラケット本体41cの開口H2に挿入されてこれに係合する係合部41b2等を備えている。各パーツ41bR、41bLのうち互いに対向する面にはそれぞれ、可動部41aの球体41a2の両側からこれに当接する円柱面41b3が形成されている。この円柱面41b3により、可動部41aの球体41a2が両側から回転自在に保持されている(図6参照)。
一対のパーツ41bR、41bLは、例えば、中空フィラーを含まないBMC等の樹脂を、金型に注入し、冷却、固化させることで成形されている。これにより、可動部保持体41bの剛性が確保されている。
図5、図6に示すように、ブラケット本体41cは、可動部保持体41bの係合部41b2が挿入される開口H2、その開口H2の両側に配置された一対のネジ穴H3、可動部保持体41bの係合部41b2を開口H2に案内するための一対のガイド部41c3等を備えている。
ブラケット本体41cは、例えば、中空フィラーを含まないBMC等の樹脂を、金型に注入し、冷却、固化させることで成形されている。これによりブラケット本体41cの剛性が確保されている。
次に、可動部保持体41bをブラケット本体41cに係合させる方法について説明する。
まず、可動部保持体41bの両側の係合部41b2をガイド部41c3に当接させて、当該可動部保持体41bを開口H2の方向へ押し込む。可動部保持体41bの両側の係合部41b2は、ガイド部41c3で案内されてブラケット本体41cの開口H2に向かう。ガイド部41c3は開口H2に向かうにつれ先細りのテーパー形状とされているため(図7参照)、可動部保持体41bを開口H2の方向へ押し込むにつれ、可動部保持体41bの両側の係合部41b2は弾性変形してその間隔が狭まり、やがてブラケット本体41cの開口H2を通過する。
ブラケット本体41cの開口H2を通過すると、係合部41b2のガイド部41c3に対する当接が解除されるため、係合部41b2はその反力でブラケット本体41cの開口H2周囲に係合する(図6参照)。以上のようにして、可動部保持体41bはブラケット本体41cに係合している。
次に、第1ブラケット41Aの取付箇所について説明する。
本実施形態では、第1アジャスティングスクリュ42Aの回転に伴って発生する力に起因してリフレクタ30(特に、各反射面33、34)が変形するのを防止する観点から、第1ブラケット41Aの取付箇所として、リフレクタ30の背面31のうち、背面視でネジNの頭部N1(球体)の下側、かつ、壁部36に対応する部分(図2参照)が選定されている。ネジNの頭部N1(球体)の下側を選定した理由は、リフレクタ30を鉛直方向に傾動させるためである。また、リフレクタ30の背面31のうち、壁部36に対応する部分を選定した理由は、当該部分は、壁部36がリブとして機能するため、他の部分と比べて剛性が高いためである。
本実施形態では、第1ブラケット41Aは、ブラケット本体41cの各ネジ穴H3に挿入された二本のネジ(図示せず)を上記選定した部分にネジ止めし、少なくともこのネジ止めした二箇所と上記選定した部分とを当接させた状態でリフレクタ30に固定されている。
なお、第1ブラケット41Aを上記選定した部分に固定する手段は、ネジに限定されず、他の公知の固定手段であってもよい。例えば、第1ブラケット41A及び上記選定した部分のうち一方に係合爪を設け、他方に当該係合爪が係合する係合部を設けて、第1ブラケット41Aを固定してもよい。
第1アジャスティングスクリュ42Aは、図3に示すように、ハウジング22の背面側から当該ハウジング22に形成された第1アジャスティングスクリュ挿入口22bに挿入されて、第1ブラケット41A(可動部41aの螺合部41a1のネジ穴H1)に螺合している。第1アジャスティングスクリュ42Aは、これが同一位置で回転するように、ハウジング22に保持されている。
上記構成の第1エイミング機構40Aによれば、第1アジャスティングスクリュ42Aをハウジング22外部から操作して回転させると、その回転方向及び回転量に応じて、第1アジャスティングスクリュ42Aの第1ブラケット41A(可動部41aの螺合部41a1のネジ穴H1)に対する螺合量が増減して、リフレクタ30にこれを前方に押す力(又は後方に引く力)が加わる。これにより、リフレクタ30がボールジョイントBJ(すなわち、ネジNの頭部N1(球体))を中心に鉛直方向に傾動して、鉛直方向のエイミングが実施される。
第2エイミング機構40Bは、リフレクタ30を水平方向に傾動させるための機構であり、第1エイミング機構40Aと同様、第2ブラケット41B、第2アジャスティングスクリュ42B等を備えている。
第2ブラケット41B、第2アジャスティングスクリュ42Bはそれぞれ、第1ブラケット41A、第1アジャスティングスクリュ42Aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、その説明を省略する。
次に、第2ブラケット41Bの取付箇所について説明する。
本実施形態では、第2アジャスティングスクリュ42Bの回転に伴って発生する力に起因してリフレクタ30(特に、各反射面33、34)が変形するのを防止する観点から、第2ブラケット41Bの取付箇所として、リフレクタ30の背面31のうち、背面視でネジNの頭部N1(球体)の左側、かつ、壁部35に対応する部分(図2参照)が選定されている。ネジNの頭部N1(球体)の左側を選定した理由は、リフレクタ30を水平方向に傾動させるためである。また、リフレクタ30の背面31のうち、壁部35に対応する部分を選定した理由は、当該部分は、壁部35がリブとして機能するため、他の部分と比べて剛性が高いためである。
本実施形態では、第2ブラケット41Bは、ブラケット本体41cの各ネジ穴H3に挿入された二本のネジ(図示せず)を上記選定した部分にネジ止めし、少なくともこのネジ止めした二箇所と上記選定した部分とを当接させた状態でリフレクタ30に固定されている。
なお、第2ブラケット41Bを上記選定した部分に固定する手段は、ネジに限定されず、他の公知の固定手段であってもよい。例えば、第2ブラケット41B及び上記選定した部分のうち一方に係合爪を設け、他方に当該係合爪が係合する係合部を設けて、第2ブラケット41Bを固定してもよい。
第2アジャスティングスクリュ42Bは、ハウジング22の背面側から当該ハウジング22に形成された第2アジャスティングスクリュ挿入口(図示せず)に挿入されて、第2ブラケット41B(可動部41aの螺合部41a1のネジ穴H1)に螺合している。第2アジャスティングスクリュ42Bは、これが同一位置で回転するように、ハウジング22に保持されている。
上記構成の第2エイミング機構40Bによれば、第2アジャスティングスクリュ42Bをハウジング22外部から操作して回転させると、その回転方向及び回転量に応じて、第2アジャスティングスクリュ42Bの第2ブラケット41B(可動部41aの螺合部41a1のネジ穴H1)に対する螺合量が増減して、リフレクタ30にこれを前方に押す力(又は後方に引く力)が加わる。これにより、リフレクタ30がボールジョイントBJ(すなわち、ネジNの頭部N1(球体))を中心に水平方向に傾動して、水平方向のエイミングが実施される。
以上説明したように、本実施形態の車両用灯具10によれば、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bがそれぞれ、第1、第2ブラケット41A、41Bを介してリフレクタ30に連結されているため、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力は、第1、第2ブラケット41A、41Bとリフレクタ30との当接箇所で分散してリフレクタ30に加わる。
本実施形態では、ブラケット本体41cの各ネジ穴H3に挿入された二本のネジを上記選定した部分にネジ止めすることで、第1ブラケット41A(第2ブラケット41B)とリフレクタ30とが、アジャスティングスクリュ42A(アジャスティングスクリュ42B)を挟んだ少なくとも二箇所(ネジ止めした二箇所)で当接しており、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力が少なくとも約1/2に分散してリフレクタ30に加わることとなるため、当該力に起因してリフレクタ30(特に、各反射面33、34)が変形するのを抑えることが可能となる。なお、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力を分散させる観点からは、第1、第2ブラケット41A、41Bとリフレクタ30との当接面積を出来る限り大きくするのが望ましい。
また、本実施形態の車両用灯具10によれば、第1、第2ブラケット41A、41Bが相対的に剛性が高い部分(例えば、リフレクタ30の背面31のうち、壁部35、36に対応する部分又はその近傍)に固定されているため(図2参照)、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力は、リフレクタ30の背面31のうち、相対的に剛性が高い部分(例えば、リフレクタ30の背面31のうち、壁部35、36に対応する部分又はその近傍)に加わる。これによっても、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力に起因してリフレクタ30(特に、各反射面33、34)が変形するのを抑えることが可能となる。
以上のように、本実施形態の車両用灯具10によれば、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力に起因して、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタ30(特に、反射面33、34)が変形するのを防止(又は低減)することが可能な車両用灯具を提供することが可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具10によれば、可動部41a及び可動部保持体41bはいずれも樹脂製である。このため、第1、第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力でリフレクタ30が鉛直方向、水平方向に傾動し、可動部41a(の球体41a2)が可動部保持体41bに対して相対的に回転(摺動)したとしても、可動部41a(の球体41a2)又は可動部保持体41bが削れるのを防止(又は低減)することが可能となる。
次に、変形例について説明する。
上記のように軽量ではあるが剛性が低いリフレクタ30(特に、反射面33、34)が変形するのを防止する観点から、リフレクタ30の背面31(例えば、背面のうち外周)に補強用のリブ33b、34b(図9参照)を設けてもよい。
このようにすれば、第1又は第2アジャスティングスクリュ42A、42Bの回転に伴って発生する力に起因して、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタ30(特に、反射面33、34)が変形するのをより効果的に防止(又は低減)することが可能となる。
また、上記実施形態では、第1ブラケット41Aの取付箇所として、リフレクタ30の背面31のうち、壁部36に対応する部分(図2参照)、第2ブラケット41Bの取付箇所として、リフレクタ30の背面31のうち、壁部35に対応する部分(図2参照)を選定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1ブラケット41A、第2ブラケット41Bの取付箇所として、リフレクタ30の背面31のうち、上記補強用のリブ又はその近傍を選定してもよい。
また、上記実施形態では、一対の反射面33、34を含むリフレクタ30を用いて車両用灯具10を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の反射面33、34のうちいずれか一方のみを含むリフレクタ30を用いて車両用灯具10を構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1及び第2エイミング機構40A、40Bを用いて車両用灯具10を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1及び第2エイミング機構40A、40Bのうちいずれか一方のみを用いて車両用灯具10を構成してもよい。
次に、熱対策を施したリフレクタ30を用いた車両用灯具10(変形例)について説明する。
図7は、図2中のB−Bで切断した断面図(リフレクタ30の変形例)である。
上記のように軽量ではあるが剛性が低いリフレクタ30においては、これに含まれる中空フィラーが断熱層として機能するため、一般的なBMCを用いて成形されたリフレクタと比べ、熱線を放射して電球表面が400〜500℃に達するハロゲン電球B1、B2からの熱がこもりやすく、特に、アルミ蒸着に際して真空下で蒸発したアルミがリフレクタ30の背面31に回り込むと、当該背面31にアルミ反射層が形成されて、放熱性がさらに低下し、耐熱性が低下するという問題がある。
本願の発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、図7に示すように、リフレクタ30の背面31の外周(又は、図9に示すように背面31の外周近傍)に、真空下で蒸発したアルミが背面31に回り込むのを防止するためのリブ37を設けることで、上記問題を解決することが可能であることを見出した。リブ37は、例えば、リフレクタ30の背面31の外周(各反射面33、34の外側)に沿ってその全域に設けるのが望ましい。
次に、リブ37の作用について説明する。
図8は、アルミ蒸着装置60の概略図である。
蒸着装置60は、公知の蒸着装置であり、内部が真空状態に維持されるチャンバー61、チャンバー61内に配置され、蒸着源となるアルミを素材とするフィラメント62等を備えている。
アンダーコートが施され蒸着前の成形体30A(リフレクタ基材)は、各反射面33、34が形成される前面32側をフィラメント62に向け、かつ、リブ37が設けられた背面31側をフィラメント62とは反対の側に向けた状態で公知の手段で保持されて、チャンバー61内に配置されている。
フィラメント62は、これに高電圧を印加し通電することで発熱(抵抗加熱)し蒸発する。蒸発したアルミは、成形体30Aのうち、主にフィラメント62が対向する前面32に衝突して、アルミ反射層としての各反射面33、34を形成する。蒸発したアルミは成形体30Aの背面31に回り込もうとするが、そのほとんどがリブ37で遮られる。これにより、成形体30Aの背面31にはアルミ反射層が形成されず、背面31以外の領域にアルミ反射層(各反射面33、34等)が形成される。
このアルミ反射層が形成された成形体30Aに対しては、さらに、公知の手法でトップコートが施される。
以上により、BMCに中空フィラー(ガラス中空体とも称される)を添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材としたリフレクタであって、背面31にアルミ反射層が形成されず、背面31以外の領域にアルミ反射層(各反射面33、34等)が形成された放熱性の高いリフレクタ30を構成することが可能となる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することが出来る。
10…車両用灯具、20…レンズ、21…灯室、22…ハウジング、22a…球受部、22b…第1アジャスティングスクリュ挿入口、30…リフレクタ、30A…成形体、31…背面、32…前面、33…反射面、33a…バルブ挿入用開口、34…反射面、34a…バルブ挿入用開口、35…壁部、36…壁部、37…リブ、40A、40B…エイミング機構、41A、41B…第1ブラケット、第2ブラケット、41a…可動部、41a1…螺合部、41a2…球体、41a3…ガイド部、41b…可動部保持体、41b1…球受部、41b2…係合部、41b3…円柱面、41bR…パーツ、41bR…パーツ、41c…ブラケット本体、41c3…ガイド部、42A、42B…第1アジャスティングスクリュ、第2アジャスティングスクリュ、50…エイミング機構、51…第2ブラケット、60…アルミ蒸着装置、61…チャンバー、62…フィラメント
Claims (2)
- BMCに中空フィラーを添加した成形材料を用いて成形された成形体を基材とした車両用灯具用のリフレクタであって、
背面と、
前記背面とは反対側の前面と、
前記前面に真空下で蒸発したアルミによって形成されたアルミ反射層としての少なくとも一つの反射面と、
を含んでおり、
前記背面の外周には、前記真空下で蒸発したアルミが前記背面に回り込むのを防止するためのリブが設けられていることを特徴とする車両用灯具用のリフレクタ。 - 前記成形体の比重は1.7以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用のリフレクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011220942A JP2013080657A (ja) | 2011-10-05 | 2011-10-05 | 車両用灯具用のリフレクタ |
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JP2004014424A (ja) * | 2002-06-11 | 2004-01-15 | Koito Mfg Co Ltd | 車両用灯具 |
JP4404539B2 (ja) * | 2002-10-21 | 2010-01-27 | 株式会社小糸製作所 | ランプ反射鏡 |
-
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- 2011-10-05 JP JP2011220942A patent/JP2013080657A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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