JP4069435B2 - スピンドルシール装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、スピンドル装置の内部と外界とを密封するスピンドルシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スピンドル装置の内部と外界との間を密封し、スピンドル装置内部から外界への発塵を防止する種々のスピンドルシール装置が提供されている。この一例としては、例えば、図6に示すように、永久磁石101と磁性流体102を使用して密封をなすものがある。
【0003】
具体的には、このスピンドルシール装置は、回転する回転軸103を囲み、かつ回転軸103の周面との間に空間を保って、永久磁石101と、永久磁石101の両面に密着する一対の磁極板104とが配置され、永久磁石101と磁極板104、及び回転軸103とで磁気回路を構成し、磁性流体102を回転軸103と、磁極板104との小間隙に充填してシール機能を発揮させる構造を備えている。
【0004】
なお、符号105は、回転軸103を支持する軸受であり、符号106は、軸受105を介して回転軸103を回転可能に支持するハウジング外筒、符号107は、軸受押えである。
【0005】
また、他のスピンドルシール装置としては、図7に示すように、軸受押さえ107やカバー108と、回転軸103との間の隙間を小さくし、入り子状にするラビリンスシール部109に、圧縮空気出口110から空気を吹き出すことにより、外部からの切削水等の浸入防止を目的としたシールを行うスピンドルシール装置もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の永久磁石と磁性流体を使用してシールを行うタイプのスピンドルシール装置は、前記磁性流体を塗布する作業が困難である。また、高速回転限界が低いと共に、圧力差によってシール部がバーストする虞れがある。
【0007】
また、ラビリンスシールと空気の組み合わせによりシールを行うタイプのスピンドルシール装置は、シールすべき空間(例えば、回転軸とハウジングや軸受押え等との隙間)をできるだけ小さくした方がシール効果が高くなることから、この空間(隙間)を小さく設定した方がより効果がある。しかし、例えば、回転軸が外力によりラジアル方向に変位した際に、前記空間(隙間)がなくなり、例えば回転軸とハウジングや軸受押え等とが接触してしまう虞がある。そのため、実際には前記空間を大きく設定する必要があり、それによりシール効果が制限されてしまうことになる。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、磁性流体シールを使用することなく、かつ軸の外力によるラジアル変位の影響を受けることなく、シール効果を向上することが可能なスピンドルシール装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、軸受と、当該軸受を介してハウジングに相対的に回転可能に支持された軸と、を備えたスピンドル装置の内部と外界とを密封可能なスピンドルシール装置であって、前記軸受と前記外界との間に、気体軸受を配置したスピンドルシール装置を提供するものである。
【0010】
この構成を備えたスピンドルシール装置は、気体軸受を介して軸表面に気体(例えば、空気(エア)や窒素等)を吹き出させ、その部分の圧力を周囲より高く維持することによって、前記軸受と外界との間をシールすることができ、例えば、ダスト、グリースや潤滑油等の油分等の異物が、軸受内部から外界に放出されることを防止することができる。また、逆に外部からの切削油等の浸入を防止することもできる。
【0011】
前記気体軸受は、例えば、弾性部材を介して前記ハウジングに支持されることができる。すなわち、前記気体軸受を、この気体軸受より剛性が低い弾性部材によって支持することができる。このような構成にすることで、例えば、外力により軸がラジアル方向に変位しても、この気体軸受を前記軸の変位に追従させることができるため、前記気体軸受と軸との間に形成される隙間を一定に保つことができる。したがって、前記隙間をさらに微小にしても、気体軸受と軸が接触することを防止することができる。
【0012】
なお、本発明で使用可能なスピンドル装置は、軸が回転するタイプのものであってもよいし、ハウジングが回転するタイプのものであってもよい。
【0013】
前記気体軸受は、静圧軸受であってもよく、動圧軸受であってもよい。静圧軸受を採用した場合は、軸またはハウジングが回転していなくても、シール効果を得ることができ、回転中は外部から給気を行うため、動圧軸受を採用した場合よりもさらにシール効果を向上することができる。しかしながら、静圧軸受は圧縮空気供給源が必要であり、動圧軸受に比べ装置が大がかりになる。したがって、比較的条件が厳しくない条件下でシールを行う場合は、安価で構造が簡単な動圧軸受を用い、厳しい条件下でシールを行う場合は、静圧軸受を用いる等、使い分けを行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態に係るスピンドルシール装置について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【0015】
なお、この実施の形態1では、スピンドル装置10は、ハウジング12のフランジ23の座ぐり穴を用いて、図示しない装置に取り付けられ、図1でフランジ23から左側の部分が外界に曝されていることになる。
【0016】
図1に示すように、実施の形態1に係るスピンドルシール装置1は、転がり軸受11と、転がり軸受11を介してハウジング12に回転可能に支持された回転軸13と、を備えたスピンドル装置10の内部と、フランジ23より左側の外界とを密封可能に構成されている。ハウジング12には、転がり軸受11を押るための軸受押え14が、例えば、ねじ止めされている。
【0017】
なお、図1に示す例では、回転軸13の一端側のみシールが必要であるが、回転軸13の両端ともシールが必要な場合は、回転軸13の他端側も同様の構成とすればよい。
【0018】
このスピンドルシール装置1は、転がり軸受11と前記外界との間に配設された気体軸受15を備えて構成されている。この気体軸受15は、静圧軸受であり、外部から供給された高圧の例えば空気を回転軸13との間に形成されている隙間h2に供給し、その空間の圧力を外部より高圧に維持し、シールを形成している。さらにカバー22との間及び軸受押え14との間の隙間h1にも空気を供給し、気体軸受を形成し、回転軸13が斜めに変位した時の逃げとなる。なお、この隙間h1及びh2は、数μmから数十μm程度の隙間が適当である。
【0019】
また、気体軸受15は、それ自身より剛性が低い、例えば、ゴムや樹脂等の弾性部材21を介して軸受押え14に組み込まれている。本実施形態では、Oリングを使用している。Oリングは、気体軸受15の外周に2カ所設けられた環状溝に嵌められている。そして、気体軸受15の外径は、対向する軸受押え14の内周面の内径より、後述の弾性部材21による調芯作用を得るために必要なだけ小さく(具体的には、最大1mm程度までの隙間となるよう)設定されている。
【0020】
なお、実施の形態1では、多孔質体からなる気体軸受を使用した。このように、多孔質体からなる気体軸受を使用することで、高い軸受面圧が得られ、シール性をより向上させることができる。また、この気体軸受15には、図示しない圧縮空気供給源から供給される圧縮空気が外部から軸受押え14に設けられた空気供給孔14aを経由して供給される圧縮空気を気体軸受15に供給する圧縮空気供給口16が設けられている。
【0021】
また、弾性部材21は、気体軸受15に供給されるべき空気が気体軸受15の内部を通ることなく両端部へ漏れるのを防ぐシールの役割も果たしている。
【0022】
この構成を備えたスピンドルシール装置1は、気体軸受15が対向する回転軸13の円周上の圧力を均一に高く維持することができる。すなわち、気体軸受15から回転軸13の表面に向けて吹出される空気の圧力及び流れにより、転がり軸受11と外界との間を確実にシールすることができる。したがって、スピンドル装置10内部のダストやグリース等の油分等を含む異物は、前記空気によるシールを越えて外部に放出されたり、外部から異物が侵入したりすることが防止される。
【0023】
また、気体軸受15が弾性部材21を介して支持されることにより、外力により回転軸13がラジアル方向に変位しても、弾性部材21の弾性力による調芯作用により気体軸受15を回転軸13の変位に追従させることができる。このため、気体軸受15と回転軸13との間に形成される隙間を一定に保つことができる。
【0024】
なお、弾性部材21は、Vパッキンやゴム板を貼り付けたものなど、様々な形状、構成のものを用いることができる。
【0025】
このように、実施の形態1に係るスピンドルシール装置1は、従来のスピンドルシール装置のように、シール手段として磁性流体を使用することなく、転がり軸受11と外界との間を、気体軸受15からの空気の吹付けにより確実にシールすることができる。
【0026】
なお、このスピンドルシール装置1は、様々な装置に組み込まれるスピンドル装置に応用することが可能であるが、例えば、転がり軸受11内部のグリース等が外部に漏れると不具合が生じるクリーンな環境で使用される、例えば半導体製造装置や検査装置等に使用されるスピンドル装置にも好適に使用することができる。
【0027】
また、工作機械等に使用されるスピンドル装置に使用し、外部からの切削液の浸入を防止することもできる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係るスピンドルシール装置について、図面を参照して説明する。
【0028】
図2は、実施の形態2に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図2に示すように、実施の形態2に係るスピンドルシール装置2の、実施の形態1に係るスピンドルシール装置1と異なる点は、調芯作用をもたらせるOリングが気体軸受15の両端部に配置されていることにより、カバー22との間及び軸受押え14との間の隙間h3を大きくしていることである。また、気体軸受15の両端面は封止してあり、内周面のみが気体軸受として機能する点も異なる。この理由は、実施の形態1では、隙間h1は気体軸受として作用しているため、隙間の値が数μmから数十μm程度となってしまうが、実施の形態2では、弾性部材21の弾性力により軸方向に保持されるため、h3の値は数μmから1mm程度まで広げることが可能となる。
【0030】
このように、実施の形態2に係るスピンドルシール装置2は、気体軸受15と回転軸13との間に形成された隙間h2を、数μm〜数十μm程度まで狭くすることができることに加え、h3を大きく設定できるため、気体軸受15が大きく傾くことが許容されるため、調芯性がさらに向上し、大きな負荷にも追従することが可能となる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係るスピンドルシール装置について、図面を参照して説明する。
【0031】
図3は、実施の形態3に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。なお、実施の形態3では、実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0032】
図3に示すように、実施の形態3に係るスピンドルシール装置3の、実施の形態1に係るスピンドルシール装置2と異なる点は、実施の形態1では、気体軸受15が半径方向のラジアル軸受を構成することによりシール作用を生じさせたのに対し、実施の形態3では、軸方向のアキシアル軸受を構成することによりシール作用を生じさせている点である。
【0033】
この利点を説明すると、実施の形態1では弾性部材21が軸方向の2カ所に配置され、そのスペースが必要となるが、実施の形態3では、弾性部材21が2個配置されているが、軸方向で考えると1カ所となり、全体の軸方向長さが短くなり、スピンドル装置全体を小型化できる点である。
【0034】
なお、図3に示す気体軸受15の左側端面が、気体軸受として作用するので、隙間h2は、実施の形態1のh1、h2や実施の形態2のh2と同様数μmから数十μmとしているが、ラジアル方向の隙間h4は、軸と接触することのないよう、十分な隙間(1mm程度まで)としてある。したがって、気体軸受15の内周面は気体軸受として機能する必要がないので封止してある。また、h3は、h4より小さな隙間としている。
【0035】
実施の形態3の変形例として、図3に示す気体軸受15の軸方向に加え、ラジアル方向も気体軸受として機能するようにしてもよい。すなわち、気体軸受15の図3の左側端面及び内周面を共に気体軸受とし、隙間h4も数μmから数十μmとする。この場合、h3はh4より大きくしてもよい。
【0036】
隙間h2とh4の両方が微小に保たれ、しかもシール作用を発生することになるので、さらに高いシール効果が得られる。
【0037】
なお、実施の形態1〜3では、ハウジング12や軸受押え14に対して回転する回転軸13を備えたスピンドル装置10に、スピンドルシール装置1を配設した場合について説明したが、これに限らず、本発明に係るスピンドルシール装置は、軸に対してハウジングあるいは軸受押えが回転するタイプのスピンドル装置にも使用可能であることは勿論である。
【0038】
また、気体軸受は、多孔質絞りの他に、自成絞り等、どのような絞りにも対応することができる。
【0039】
そしてまた、実施の形態1〜3では、気体軸受15を回転軸13の一端に設けた場合について説明したがこれに限らず、気体軸受15の位置は、スピンドル装置の内部と外界との間をシール可能であれば、その設置個所及び設置数は特に限定されるものではない。
【0040】
また、気体軸受15は、軸受押え14に設置する他、ハウジング12等に組み込んでもよいことは勿論である。
【0041】
さらに、気体軸受15の媒体として空気を用いたが、これに限らず、例えば窒素等、他の気体を用いてもよい。
【0042】
さらにまた、本発明で使用可能なスピンドル装置は、転がり軸受の他、滑り軸受等、他の種類の軸受が配設されたスピンドル装置にも応用可能であることは勿論である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係るスピンドルシール装置について、図面を参照して説明する。
【0043】
図4は、実施の形態4に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図、図5は、図4に示すスピンドルシール装置の回転軸端部を示す拡大図である。
【0044】
なお、実施の形態4では、実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、実施の形態4では、図4における左側から回転軸を見た際に、回転軸を反時計回りに回転させて使用するスピンドル装置に適用する場合を想定して説明する。
【0045】
図4に示すように、実施の形態4に係るスピンドルシール装置4の、実施の形態1に係るスピンドルシール装置1と異なる点は、実施の形態1では、気体軸受15として静圧軸受を使用したのに対し、実施の形態4では、動圧軸受を使用した点である。すなわち、実施の形態4では、圧縮空気供給源を必要としない。したがって、実施の形態4に係る気体軸受25には、実施の形態1に係る気体軸受15のように多孔質体である必要はなく、また、圧縮空気供給口16が設けられていない。もちろん、圧縮空気供給口に連通される空気供給孔も不要である。
【0046】
実施の形態4に係るスピンドルシール装置4は、転がり軸受11と、転がり軸受11を介してハウジング12に回転可能に支持された回転軸33と、を備えたスピンドル装置10の内部と、フランジ23より左側の外界とを密封可能に構成されている。ハウジング12には、転がり軸受11を押るための軸受押え14が、例えば、ねじ止めされている。
【0047】
回転軸33の外界と転がり軸受11との間、すなわち、ハウジング12等に覆われている部分における左端近傍には、その外周面に沿って、動圧効果をもたらす複数の動圧発生用の溝34が、例えばへリングボーン状に形成されている。この構成により、回転軸33が、図4における左側から見た際に、反時計回りに回転すると、空気は、各々の溝34内を特に図5に示す矢印方向に沿って流れ、中央部35の圧力が高くなる。これによって、この高圧になった中央部35から両側(回転軸の両端部方向)に空気が戻ろうとする。この空気の流れを利用して、転がり軸受11と外界との間を確実にシールすることができる。したがって、スピンドル装置10内部のダストやグリース等の油分等を含む異物は、前記空気によるシールを越えて外部に放出されたり、外部から異物が侵入したりすることが防止される。
【0048】
なお、前記空気の圧力(動圧効果による圧力)は、気体軸受25を支持する弾性部材21のばね力より高く設定される。これにより、実施の形態1と同様に、弾性部材21の弾性力による調芯作用により気体軸受25を回転軸33の変位に追従させることができる。このため、気体軸受25と回転軸33との間に形成される隙間を一定に保つことができる。
【0049】
なお、回転軸33と、気体軸受25との間の隙間は、実施の形態1と同様に設定することができる。また、気体軸受25の両端面とカバー22や軸受押え14との対向面の隙間は、接触しない程度に余裕をとることが必要である。
【0050】
また、実施の形態4では、回転軸33に動圧発生用の溝34を形成した場合について説明したが、これに限らず、動圧発生用の溝34は、気体軸受25の内周面に形成してもよい。その場合、溝のパターンは逆パターンとする。そしてまた、溝34のパターンも前述したものに限定されるものではなく、動圧効果が得られるものであればよい。すなわち、気体軸受25と回転軸33との隙間の軸方向中央部が、回転軸33の回転により高圧となるようにすればよい。
【0051】
そしてまた、実施の形態4では、図4における左側から回転軸を見た際に回転軸が反時計回りに回転する場合を想定して説明したが、回転軸を時計回りに回転させて使用するスピンドル装置に適用する時は、溝のパターンは逆パターン(すなわち、中央部35から図4でいう下側に下がったパターン)にすればよい。
【0052】
さらに、実施の形態4では、気体軸受25の形状及び弾性部材21の配置の仕方は、実施の形態1に準じたものとしたが、これに限らず、実施の形態2及び3に準じた形状や配置にしてもよいことは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスピンドルシール装置は、スピンドル装置の軸受と、その外部(外界)との間に、気体軸受を配置し、この気体軸受から吹出される空気の圧力及び流れによって、前記スピンドル装置の内部と外界との間をシールする構造を備えている。このため、従来のように磁性流体シール等を使用する必要なく、かつ信頼性の高い優れたシール効果を提供可能なスピンドルシール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係るスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【図5】図4に示すスピンドルシール装置の回転軸端部を示す拡大図である。
【図6】従来のスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【図7】従来のスピンドルシール装置の概略を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 スピンドルシール装置
10 スピンドル装置
11 転がり軸受
12 ハウジング
13、33 回転軸
14 軸受押え
15、25 気体軸受
16 圧縮空気供給口
Claims (16)
- ハウジングと、転がり軸受と、当該転がり軸受を介して前記ハウジングに相対回転可能に支持された回転軸と、を備えたスピンドル装置をシールする気体軸受が前記回転軸の少なくとも一端側に形成され、さらに、前記気体軸受の前記転がり軸受側ではない他端には軸受カバーが備わっているスピンドルシール装置であって、
前記気体軸受は弾性部材を介して前記気体軸受に対向する前記転がり軸受の軸受押えに支持されてなり、前記気体軸受の外周面における前記回転軸の軸方向の両端部の前記軸受カバー側に第1の環状溝を形成し、前記両端部の他端側に第2の環状溝を形成し、前記第1の環状溝には第1の弾性部材を嵌め込み、前記第2の環状溝には第2の弾性部材を嵌め込み、前記第1の弾性部材は、前記軸受カバーと前記軸受押えと前記気体軸受との間にあり、前記第2の弾性部材は、前記回転軸の径方向にある前記軸受押えと前記回転軸の軸方向にある前記軸受押えと前記気体軸受との間にある、スピンドルシール装置。 - 前記気体軸受の前記回転軸方向の両端面が封止され、当該気体軸受の前記回転軸の径方向の内周面のみから前記回転軸に気体が供給されてなる、請求項1記載のスピンドルシール装置。
- ハウジングと、転がり軸受と、当該転がり軸受を介して前記ハウジングに相対回転可能に支持された回転軸と、を備えたスピンドル装置をシールする前記軸受が前記回転軸の少なくとも一端側に形成されたスピンドルシール装置であって、
前記気体軸受は、弾性部材を介して前記気体軸受に対向する前記転がり軸受の軸受押えに支持されてなり、前記弾性部材が前記気体軸受の前記回転軸の径方向における外周面の一箇所と、前記気体軸受の前記転がり軸受側の端面の一箇所にそれぞれ配置されてなり、前記気体軸受に気体を供給する供給口が前記端面に形成され、当該供給口に前記気体を供給する供給孔が前記軸受押えの前記回転軸方向に形成されてなり、かつ、前記気体軸受の転がり軸受け側の端面に配置された弾性部材の位置が前記供給口より回転軸側にある、スピンドルシール装置。 - 前記気体軸受の前記径方向における内周面が封止され、当該気体軸受の前記端面とは他端側端面に前記気体が供給されてなる、請求項3記載のスピンドルシール装置。
- 前記弾性部材は、前記気体軸受の部材よりも剛性が低い部材で構成されてなる、請求項1乃至4のいずれか1項記載の装置。
- 前記気体軸受が静圧軸受である、請求項1乃至5のいずれか1項記載の装置。
- 前記カバーと前記軸受押えとのそれぞれが前記気体軸受と成す隙間に気体が供給されてなる、請求項1記載の装置。
- 前記弾性部材はOリングからなる、請求項1又は3記載の装置。
- 前記弾性部材は前記気体軸受の外周に設けられた環状溝に嵌装されてなる、請求項3記載の装置。
- 前記気体軸受の外周の径は、前記軸受押えの内周面の径より、前記弾性部材による調芯作用を得る程度に小さく設定されてなる、請求項1又は3記載の装置。
- 前記気体軸受は多孔質体から構成されてなる、請求項1又は3記載の装置。
- 前記弾性部材は、前記気体軸受に供給される気体が当該気体軸受外に漏れるのをシールするものである請求項1又は3記載の装置。
- 前記弾性部材は、Vパッキン又はゴムから構成されてなる、請求項1又は3記載の装置。
- 前記気体軸受が前記回転軸の軸方向のアキシアル軸受を構成する、請求項3記載の装置。
- 前記気体軸受が前記回転軸の半径方向の、ラジアル軸受を構成する、請求項1記載の装置。
- 前記気体静圧軸受は絞り、多孔質絞り、自成絞り等どのような絞りにも対応するように構成されてなる、請求項6記載の装置。
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