JP4831809B2 - 濁水用回転装置の軸シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、濁水中に設けられた回転装置の軸シール構造に関し、特に、シール部材の磨耗を低減して軸シール構造の長寿命化を図った濁水用回転装置の軸シール構造に関する。
従来、例えば燃焼設備における石炭ガス化炉のスラグ排出装置、汚水処理設備における汚泥掻揚機、或いは各種建設機器などにおいて濁水中に設けられる回転装置は、濁水が軸受へ浸入することを防止するために軸シール構造を備えている。軸シール構造は、ハウジング内に配設された軸受を介して回転軸が回転自在に支持され、該回転軸に対面するハウジングの内周面に形成された円周溝内にシール部材を嵌合配置してなる(特許文献1等参照)。
一例として、特許文献2(特開平2005−238114号公報)に示される軸シール構造を備えた石炭ガス化炉のスラグ排出装置につき説明する。図5(a)は従来のスラグ排出装置の概略縦断面図、(b)は回転歯と固定歯の配置を示す図である。石炭ガス化炉にて発生したスラグは溶融し、該石炭ガス化炉の底部に配設されたスラグ排出装置51に落下する。スラグ排出装置51の圧力容器52内は、石炭ガス化炉内と同様に高圧に保持され、スラグホッパ水が充填されている。石炭ガス化炉から圧力容器52内に落下した溶融スラグは、スラグホッパ水により冷却固化される。圧力容器52は、高温、高圧に耐え得る上部圧力容器53と、その下部に連結される下部圧力容器54とで構成されている。
上部スラグホッパ55の底部開口下方の下部圧力容器54内には、ロール式クラッシャ58が配設されている。ロール式クラッシャ58は、回転する回転歯59と下部圧力容器54に固定された固定歯60とで構成されている。回転歯59は、下部圧力容器54の壁部を貫通して水平方向に配設された回転軸61に固定されている。回転軸61が下部圧力容器54の壁部を貫通する部位には、各々シール付の軸受63が設けられている。このシール付軸受63は、上述の高圧、高温に耐え得るものとなっている。また、下部圧力容器54の外側には回転軸61を回転させるための電動機64が配設されている。
上述の構成において、上部圧力容器54にて固化したスラグは、回転する回転歯59と、固定歯60とにより粉砕される。この時、回転歯59には、半径方向に大きな曲げ応力が発生する。この大きな曲げ応力は、回転歯59については、その直径が大きいため殆ど問題になることはない。しかしながら、回転軸61に与える影響は無視できず、回転軸61の回転歯59端からシール付軸受63迄の間に半径方向の押圧力を与える。
図6は図5に示されるスラグ破砕装置の軸シール構造の要部拡大図である。この軸シール構造は、回転軸61と軸受ハウジング63の間に設けられ、Aが下部圧力容器内空間、Bが潤滑油室である。回転軸61に対面するハウジング63の内周面には円周溝が形成され、該円周溝にシール部材が嵌合されている。このシール構造は、容器内空間A側に設けられた容器側シール65と、潤滑油室側に設けられた軸受側シール66とからなる。また、容器側シール65と軸受側シール66の間にはシール水空間Cが形成され、加圧された水道水を供給することにより潤滑油とスラグホッパ水の間がシールされている。
特開2005−2995号公報 特開平2005−238114号公報
一般的に、シール部材には耐摩耗性に優れた合成樹脂等が利用されるが、シール部材の摺動面の圧力が高いと摩耗が著しくなり、頻繁に交換する必要がある。また、固形の異物が混入した濁水中に設置される回転装置では、回転軸とハウジングとの間に異物が噛み込まれた場合に、回転軸が半径方向に変位するためシール部材とハウジングが摺動してハウジングの側面が摩耗するという問題もあった。特許文献2に記載される軸シール構造では、シール性能の向上は図れるものの上記したような摩耗の問題により、軸シール構造の長寿命化が課題とされていた。また、従来の軸シール構造は軸受やハウジングに一体化された構成であったため、増し締め等のメンテナンスが困難であるという問題もあった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、シール部材の磨耗を低減でき、軸シール構造の長寿命化を可能とした濁水用回転装置の軸シール構造を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、濁水を収容する容器内に回転装置が設けられ、前記容器の貫通部に固定された軸受に対して回転軸が回転自在に挿入された回転装置の軸シール構造であって、前記軸受がハウジングに固定され、該ハウジングに形成された潤滑油室側に位置する軸受側シール部と、前記濁水側に位置する容器側シール部と、前記軸受側シール部と前記容器側シール部の間に回転軸を囲繞するごとく形成されたシール水空間と、を備えた濁水用回転装置の軸シール構造において、
少なくとも何れかの前記シール部において前記回転軸と対面する側に前記シール水空間側から前記回転軸に沿って延在するように形成された動圧発生溝を有することを特徴とする。
本発明のように、シール部に動圧発生溝を形成することにより、シール水、濁水若しくは潤滑油が該動圧発生溝に流入し、充満した液体によりシール部に対して半径方向外側に向かう圧力が発生し、回転軸への押圧力が低減される。従って、シール部の磨耗が抑制でき、延いては軸シール構造の長寿命化が図れる。
さらに本発明において、前記シール水空間と前記潤滑油室の間に前記回転軸を囲繞するごとく形成したドレン溝と、該ドレン溝とシール水空間の間に設けた中間シール部と、を備えることが好ましい。
、濁水を収容する容器内に回転装置が設けられ、前記容器の貫通部に固定された軸受に対して回転軸が回転自在に挿入された回転装置の軸シール構造であって、前記軸受がハウジングに固定され、該ハウジングに形成された潤滑油室側に位置する軸受側シール部と、前記濁水側に位置する容器側シール部と、前記軸受側シール部と前記容器側シール部の間に回転軸を囲繞するごとく形成されたシール水空間と、を備えた濁水用回転装置の軸シール構造において、
前記シール水空間と前記潤滑油室の間に形成したドレン溝と、該ドレン溝とシール水空間の間に設けた中間シール部と、を備えてもよい。
本発明のように、圧力開放したドレン溝を設けることにより、軸受側シール部にかかる差圧を低減することができ、シール部材の長寿命化が図れるとともに、軸受側シール部のシール性を向上させ、潤滑油の漏れを確実に防止することが可能となる。また、万が一潤滑油が漏れした場合であっても、潤滑油室とシール水空間の間にドレン溝が設けられていることから、漏出した潤滑油がシール水に混入することがなく、シール水が清浄に保たれる。
さらに、前記容器側シール部のみに動圧発生溝を設け、前記軸受側シール部を接触シール構造としたことを特徴とする。
このように、潤滑油をシールする軸受側シール部を完全接触シール構造とすることによってシール性を高く維持し、潤滑油の漏れを確実に防止することができる。このとき、ドレン溝が設けられていることにより軸受側シール部の耐圧を極めて低くすることができるため、磨耗を最小限に抑えることができ、一方、高耐圧性の容器側シール部及び/又は中間シール部は動圧発生溝により回転軸への押圧力を低減され磨耗を抑制できる。従って、本構成によれば、必要なシール性能を維持した上で軸シール構造全体の長寿命化が可能となる。
さらにまた、前記ハウジングのうち前記シール部を含む回転軸周囲を、該ハウジングとは別体で形成したスリーブ構造としたことを特徴とする。
これにより、シール部材が回転軸との摺動により磨耗した場合であっても、ハウジング全体を交換することなくスリーブのみを交換すればよく、交換が容易となりメンテナンス性が向上する。
また、軸シール構造をハウジングと別体のスリーブに形成することで、シール部材嵌合溝、シール水空間、ドレン溝等の加工精度を向上させることができる。
以上記載のごとく本発明によれば、シール部に動圧発生溝を形成することにより、回転軸への押圧力が低減され、シール部材の長寿命可が可能となる。
また、圧力開放したドレン溝を設けることにより、軸受側シール部にかかる差圧を低減することができ、シール部材の長寿命化が図れるとともに、軸受側シール部のシール性を向上させ、潤滑油の漏れを確実に防ぐことができる。
さらに、ハウジングのうちシール部を含む回転軸周囲をスリーブ構造とすることにより、シール部の交換が容易となりメンテナンス性が向上する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係る軸シール構造の概略を示す側断面図、図2は本発明の実施例2に係る軸シール構造を模式的に示す側断面図、図3は本発明の実施例3に係る軸シール構造を模式的に示す側断面図、図4は本発明の実施例4に係る軸シール構造の概略を示す側断面図、図5は本実施例に係る軸受機構の詳細断面図である。
本実施例では一例として、石炭ガス化炉のスラグ排出装置における軸シール構造につき説明するが、他にも汚水処理設備における汚泥掻揚機、或いは各種建設機器などのように濁水中に設けられた濁水用回転装置における軸シール構造に適用される。
まず、図4を参照して本実施例に係る濁水用回転装置における軸受機構につき説明する。圧力容器54内は高圧に維持され、該容器内の空間Aには高圧の濁水が充填されている。スラグ破砕装置の場合、圧力容器54は3MPa程度の圧力で加圧されており、該容器内には高温、高圧のスラグホッパ水が充填されている。圧力容器54内に投入された溶融スラグはスラグホッパ水により冷却、固化され容器内に設けられた回転歯59と図示略の固定歯により破砕される。
圧力容器54の側壁には円状の穴が開けられ、この穴に軸受箱20が図示略のガスケット等を介在させて多数の取付ボルト28aにより取付けられている。軸受箱20の中央開口部には、回転軸1が貫通している。該回転軸1の直径は、容器外側に向けて大径、中径、小径と3段階で小さくなっている。軸受箱20と回転軸1の中径の部分との間にはリング状の軸受外輪23、多数の軸芯ころ25及びリング状の軸受内輪24により構成された自動調芯ころ軸受29が挿入されている。
前記自動調芯ころ軸受29の圧力容器54内側には、内側軸受カバー(シールハウジング)21が設けられている。該内側軸受カバー21は、図示略のガスケット等を介在させて多数の取付ボルト28cにより軸受箱20に取付けられている。
内側軸受カバー21の中心孔には、回転軸1の大径の部分が貫通している。そして、内側軸受カバー21と回転軸1の間には、2組の耐圧が1MPa以上の容器側シール5、軸受側シール6が配設されており、圧力容器54内の高圧の濁水が自動調芯ころ軸受29内に浸入しないようにシールされている。また、2組の容器側シール5と軸受側シール6の間にはシール水空間Cが形成されている。
そして、軸受箱20b及び外側軸受カバー22の上部にはシール水供給通路9が形成されて、内側軸受カバー21の上部には軸受箱20のシール水供給通路9とシール水空間Cとを連通するシール水供給通路8が形成されている。
軸受箱20のシール水供給通路9には、図示略のシール水フィルタが介装されたシール水循環サイクルが設けられており、電動モータ等によって駆動される水圧ポンプによりシール水が循環するようになっている。
さらに、シール水循環サイクルには水圧調整弁が設けられ、シール水空間Cに供給する水圧力が制御される。シール水空間Cのシール水圧力は、容器内空間Aの圧力(スラグホッパの場合約3MPa)よりも若干高く、且つ自動調芯ころ軸受29及び空間C内の潤滑油圧力(例えば4MPa)と同じか若干低い圧力(例えば3.5MPa)に設定されている。空間Cのシール水は、容器側シール5から圧力容器54内に僅かに漏れるが、元々圧力容器54内は濁水で満たされているため何ら問題はない。
本実施例においては、容器側シール5a、軸受側シール6間にシール水空間Cを設け、該空間C内の水圧(例えば3.5MPa)を、濁水Aの水圧(約3MPa)よりも若干高くすることで、僅かに漏れる清浄水により、容器側シール5の回転軸対向面を清浄に保ち、シールの信頼性が向上する。更に、シール水空間C内の水圧(約3.5MPa)を、自動調芯ころ軸受29及び潤滑油室B内の圧力(約4MPa)と同じか若干低くすることで、自動調芯ころ軸受29内に清浄水が進入するリスクが無く、軸受の信頼性が増す。
一方、自動調芯ころ軸受29の圧力容器54外側には、外側軸受カバー(シールハウジング)22が設けられている。該外側軸受カバー22は、図示略のガスケット等を介在させて多数の取付ボルト28bにより軸受箱20に取付けられている。
外側軸受カバー22の中心孔には、回転軸1の小径の部分が貫通している。そして、外側軸受カバー22と回転軸の間にはリング状の非高圧シール4が配設されており、軸受装置内の潤滑油が外部に漏れないようにシールされている。尚、非高圧シール4は、シール押板30及び取付ボルト31により脱落しないように封入されている。
内側軸受カバー21及び外側軸受カバー22には、自動調芯ころ軸受29に隣接する位置で且つ回転軸1を囲繞するごとく形成された潤滑油室B、Bが設けられている。該潤滑油室B、B及び自動調芯ころ軸受29には潤滑油が充填されている。
外側軸受カバー22には自動調芯ころ軸受29及び潤滑油室Bに潤滑油を供給する図示略の潤滑油供給通路と潤滑油回収通路が形成されている。潤滑油回収通路は、潤滑油フィルタが介装された管路により潤滑油タンクに接続される。潤滑油圧力は、管路に設けられた圧力調整弁により制御され、潤滑油を自動調芯ころ軸受29及び潤滑油室Bに加圧供給している。
図1に本実施例1に係る濁水用回転装置の軸シール構造を示す。この軸シール構造は、加圧容器54に固設したハウジング2に設けられた容器側シール5及び軸受側シール6と、これらのシールの間に形成されたシール水空間Cとからなるシール機構を備える。ハウジング2は、図4に示す内側軸受カバー21であってもよいし、加圧容器54であってもよい。
ハウジング2は回転軸1の周囲を囲繞するごとく配設され、該ハウジング2の容器内空間A側(濁水側)には、容器側シール5が設けられている。該容器側シール5は、ハウジング2に形成された円周溝に嵌合配置され、耐高差圧構造となっている。好適には容器側シール5は、回転軸1との対向面側に設けられた押さえ部材5bと、該押さえ部材5bの外周側に装着されたOリング5aから構成される。尚、前記押さえ部材5bは摩擦係数の小さいテフロン(登録商標)が好ましい。
ハウジング2の潤滑油室A側には、軸受側シール6が設けられている。該軸受側シール6は、上記した容器側シール5と同様に、耐高差圧構造を有し、好適には回転軸1との対向面側に設けられた押さえ部材6bと、該押さえ部材6bの外周側に装着されたOリング6aから構成される。尚、前記押さえ部材5bは摩擦係数の小さいテフロン(登録商標)が好ましい。
また、容器側シール5と軸受側シール6の間には、シール水空間Cが形成されている。該シール水空間Cは、ハウジング2の回転軸1に臨む内周側に形成され、該回転軸1を取囲むごとく設けられている。シール水空間Cにはシール水供給通路8が連通され、該シール水供給通路8からシール水が供給されるようになっている。
さらに、本実施例1の特徴的な構成として、容器側シール5及び軸受側シール6の少なくとも何れか一方のシールにおいて、押さえ部材5b、6bの回転軸1に対する対向面に動圧発生溝5cが形成された構成となっている。このように、動圧発生溝5cが形成された構成とすることにより、シール水、濁水若しくは潤滑油が該動圧発生溝5cに流入し、充満した水によりシール5、6に対して半径方向外側に向かう動圧が発生し、回転軸1への押圧力が低減される。従って、シール5、6の摺動による磨耗が抑制でき、延いてはシール部材の長寿命化が達成できる。
図2に本実施例2に係る濁水用回転装置の軸シール構造を示す。尚、以下実施例2乃至実施例4において、上記実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2に係る軸シール構造は、実施例1と同様に容器側シール5及び軸受側シール6と、これらのシールの間に形成されたシール水空間Cとを有し、さらに本実施例2の特徴的な構成として、ハウジング2にドレン溝15と中間シール7が設けられた構成となっている。
ドレン溝15はシール水空間Cと潤滑油室Bの間に形成される。該ドレン溝15は、圧力開放されており、これにより容器内空間Aと潤滑油室Bの差圧が減少される。
そしてドレン溝15とシール水空間cの間に中間シール7が設けられている。該中間シール7は、ハウジング2に形成された円周溝に嵌合配置され、耐高差圧構造となっている。好適には中間高圧シール7は、回転軸1との対向面側に設けられた押さえ部材7bと、該押さえ部材7bの外周側に装着されたOリング7aから構成される。尚、前記押さえ部材7bは摩擦係数の小さいテフロン(登録商標)が好ましい。
軸シール構造において、シール水空間Cのシール水圧力は、濁水の軸間への進入を防止するために容器内Aの濁水圧力より高く設定されている。これにより潤滑油室Bの潤滑油圧力とシール水空間Cのシール水圧力の差圧が大きくなり、軸受側シール6の耐久性が低下するとともに潤滑油の漏れ量が大きくなってしまう。従って、本構成のごとく圧力開放したドレン溝15を設けることにより、軸受側シール6にかかる差圧を低減することができ、シール部材の長寿命化が図れるとともに、軸受側シール6のシール性を向上させ、潤滑油の漏れを確実に防止することが可能となる。また、万が一潤滑油が漏出した場合であっても、潤滑油室Aとシール水空間Cの間にドレン溝15が設けられていることから、漏出した潤滑油がシール水に混入することがなく、シール水が清浄に保たれる。
例えば、本構成の軸シール構造をスラグ破砕装置に適用した場合、圧力容器Aのスラグホッパ水圧力が約3.0MPa、潤滑油室Bの潤滑油圧力が0.2〜0.3MPaであり、シール水空間Cのシール水圧力は、スラグホッパ水圧力より高い3.5MPaに設定される。従来の構成では軸受側シール6の耐圧は4MPa程度とされていたが、本構成ではドレン溝15を設けることによって軸受側シール6の耐圧を0.5程度とすることが可能となる。
図3に本実施例3に係る濁水用回転装置の軸シール構造を示す。本実施例3に係る軸シール構造は、実施例1に示した動圧発生溝と実施例2に示したドレン溝を組み合わせた構成となっている。
ハウジング2の回転軸1周囲には、該回転軸1の軸方向に沿って容器内側から順に、容器内空間A、容器側シール5、シール水空間C、中間シール7、ドレン溝15、軸受側シール6、潤滑油室Bが配設されている。
本構成は、潤滑油室Bに近接する軸受側シール6には動圧発生溝を設けず、容器側シール5及び中間シール6の少なくとも何れか一方にのみ動圧発生溝を設ける構成となっている。このように、潤滑油をシールする軸受側シール6を完全接触シール構造とすることによってシール性を高く維持し、潤滑油の漏れを確実に防止するようにしている。このとき、ドレン溝15が設けられていることにより軸受側シール6の耐圧を極めて低くすることができ、磨耗を最小限に抑えることができる。一方、高耐圧性の容器側シール5及び/又は中間シール7は動圧発生溝15により回転軸1への押圧力を低減され磨耗を抑制できる。従って、本実施例によれば、必要なシール性能を維持した上でシール構造全体の長寿命化が可能となる。
図4に本実施例4に係る濁水用回転装置の軸シール構造を示す。本実施例4に係る軸シール構造は、ハウジングのうちシール挿入部を別体のスリーブ構造としている。
ハウジング(内側軸受カバー)22の回転軸1の挿入部には、スリーブ10が嵌入されており、該スリーブ10は取付ボルト12によりハウジング22に固定される。また、スリーブ10とハウジング22への濁水の浸入を防ぐために、該スリーブ10とハウジング22の間にOリング等のシール11が挟持されている。該スリーブ10には、実施例1乃至実施例3に示したシール構造が設けられている。スリーブ10の径は、容器外側に向けて小径、中径、大径と3段階で段階的に拡径されており、前記シール11はスリーブ10の中径部位に配設されている。
本構成により、シール部材が回転軸1との摺動により磨耗した場合であっても、ハウジング22全体を交換することなくスリーブ10のみを交換すればよく、交換が容易となりメンテナンス性が向上する。
また、シール構造をハウジングと別体のスリーブ10に形成することで、シール5〜7、シール水空間C、ドレン溝15等の加工精度を向上させることができる。
さらに、スリーブ10の小径から中径への段差部には取付ボルト10が設けられるが、該取付ボルト12の先端でスリーブ10を押圧固定している。従って、回転軸1とスリーブ10の間に異物が混入して回転軸1にスリーブ10が焼き付いた場合に、取付ボルト10が折損するなどによって異常が直ぐに検知できる。また、スリーブ10が焼き付いた場合においても、ハウジング22自体が損傷することなくスリーブ10の交換のみで対処できる。
本発明は、回転装置における接触型軸シール構造においてシール部材の磨耗を抑制して長寿命化を可能とした構成であるため、石炭ガス化炉のスラグ排出装置、汚水処理設備における汚泥掻揚機、或いは各種建設機器などのように濁水中に設けられた濁水用回転装置全般の軸シール構造に適用できる。
本発明の実施例1に係る軸シール構造の概略を示す側断面図である。 本発明の実施例2に係る軸シール構造を模式的に示す側断面図である。 本発明の実施例3に係る軸シール構造を模式的に示す側断面図である。 本発明の実施例4に係る軸シール構造の概略を示す側断面図である。 本実施例に係る軸受機構の詳細断面図である。 (a)は従来のスラグ排出装置の概略縦断面図、(b)は回転歯と固定歯の配置を示す図である。 図6に示す軸シール構造の要部拡大図である。
符号の説明
1 回転軸
5 容器側シール
6 軸受側シール
7 中間シール
5a、6a、7a Oリング
5b、6b、7b 押さえ部材
5c、6c、7c 動圧発生溝
8、9 シール水供給通路
10 スリーブ
12 取付ボルト
15 ドレン溝
20 軸受箱
21 内側軸受カバー
22 外側軸受カバー
29 自動調芯ころ軸受
A 容器内空間
B 潤滑油室
C シール水空間

Claims (4)

  1. 濁水を収容する容器内に回転装置が設けられ、前記容器の貫通部に固定された軸受に対して回転軸が回転自在に挿入された回転装置の軸シール構造であって、前記軸受がハウジングに固定され、該ハウジングに形成された潤滑油室側に位置する軸受側シール部と、前記濁水側に位置する容器側シール部と、前記軸受側シール部と前記容器側シール部の間に回転軸を囲繞するごとく形成されたシール水空間と、を備えた濁水用回転装置の軸シール構造において、
    少なくとも何れかの前記シール部において前記回転軸と対面する側に前記シール水空間側から前記回転軸に沿って延在するように形成された動圧発生溝を有することを特徴とする濁水用回転装置の軸シール構造。
  2. 前記シール水空間と前記潤滑油室の間に形成したドレン溝と、該ドレン溝とシール水空間の間に設けた中間シール部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の濁水用回転装置の軸シール構造。
  3. 前記容器側シール部のみに前記動圧発生溝を設け、前記軸受側シール部を接触シール構造としたことを特徴とする請求項1若しくは2記載の濁水用回転装置の軸シール構造。
  4. 前記ハウジングのうち前記シール部を含む回転軸周囲を、該ハウジングとは別体で形成したスリーブ構造としたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の濁水用回転装置の軸シール構造。
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