JP4069336B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ駆動装置に係り、特にテレビレンズ装置のフォーカスレンズやズームレンズの位置又は移動速度を指定するコントローラをモータで駆動されるマスターレンズのコントローラとして兼用できるようにしたレンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放送用テレビカメラ等に使用されるテレビレンズ装置は、撮影レンズ系の結像位置とカメラの撮像面との位置を適切に一致させることができるように、マスターレンズ(群)の位置を調整できるようにしている。通常、このマスターレンズの位置は、レンズ装置本体に設置されたフランジバック調整つまみを回動操作することによって調整できるようになっている。
【0003】
また、マスターレンズをモータ駆動により移動させることができるようにし、コントローラの操作でマスターレンズをフランジバック調整した位置(フランジバック位置)からマクロ撮影位置に移動させることによりマクロ撮影を可能にしたものや、コントローラの操作でマスターレンズをフランジバック位置から移動させて意図的にぼけた像を撮影するといった特殊効果を狙った撮影を行えるようにしたものがある。
【0004】
さらに、マスターレンズをモータ駆動してマクロ撮影を可能にしたものにおいて、特開平3−109878号公報には、フォーカスレンズを駆動するフォーカスコントローラとマスターレンズを駆動するコントローラとを別々に操作する煩雑さを解消するために、フォーカスコントローラを兼用してフォーカスコントローラの操作によりマスターレンズを駆動できるようにしたレンズ駆動装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来において、上述したフランジバック調整はレンズ本体に設置されたフランジバック調整つまみ等のフランジバック調整専用の操作部材で行うしかなく、その操作が不便な場合があった。
また、上記特開平3−109878号公報に記載されているレンズ駆動装置によれば、フォーカスコントローラによってマスターレンズを操作することができるため、マスターレンズの操作を容易に行うことができるが、この装置では、マクロ撮影の目的でマスターレンズを移動させることができても、フランジバック調整の目的でマスターレンズを移動させることはできない。即ち、このレンズ駆動装置では、フォーカスコントローラをマスターレンズの操作に切り替えてマスターレンズを移動させた後、再度、フォーカスコントローラをフォーカスレンズの駆動の操作に切り替えると、マスターレンズは元のフランジバック位置に戻るように構成されている。従って、このレンズ駆動装置によってフランジバック位置を調整することはできない。また、フォーカスコントローラをマスターレンズの操作からフォーカスレンズの操作に戻した場合に、フォーカスレンズは、マスターレンズを調整したときのフォーカスコントローラの操作部材(フォーカスリング)の指定位置に移動してしまうため、再度フォーカスレンズの位置調整を行わなければならないという煩雑さがある。逆に、フォーカスコントローラをフォーカスレンズの操作からマスターレンズの操作に切り替えた際にも、マスターレンズがフォーカスコントローラの操作部材の指定位置に移動してしまうため、初めからフランジバック調整をやり直さなくてはならないという煩雑さが生じる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、フォーカスコントローラやズームコントローラを兼用してマスターレンズのフランジバック調整を好適に行えるようにしたレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、テレビレンズ装置のフォーカスレンズ又はズームレンズの少なくとも一方の移動レンズとマスターレンズとをそれぞれモータによって駆動するレンズ駆動装置において、前記移動レンズと前記マスターレンズの位置又は移動速度を同一の操作部材の操作によって指定するコントローラであって、前記操作部材の操作に応じた値を示す操作信号を出力するコントローラと、前記コントローラから出力された操作信号によって駆動する駆動対象のレンズを前記移動レンズ又は前記マスターレンズのいずれかに選択する選択手段と、前記駆動対象のレンズが前記選択手段によって切り替えられると、該切り替え時以後において前記コントローラから出力される前記操作信号の変化量に基づいて前記駆動対象のレンズを前記切り替え時の位置から動作させると共に、前記駆動対象以外のレンズを前記切り換え時の位置に保持する駆動手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、フォーカスレンズを操作するフォーカスコントローラやズームレンズを操作するズームコントローラをマスターレンズのコントローラとして兼用してフランジバック調整を行うことができるようになる。また、コントローラの駆動対象のレンズをフォーカスレンズとマスターレンズ間で、又はズームレンズとマスターレンズ間で切り替えた場合に、切り換え前のコントローラの操作とは独立に切り換え後のコントローラの操作に基づいて駆動対象のレンズを動作させるようにしたため、例えば、フォーカスコントローラの駆動対象のレンズをマスターレンズに切り替えた時に、切り換え時のコントローラの操作部材の指定位置にマスターレンズが移動するといった不具合がなく、マスターレンズのフランジバック調整を初めからやり直すことなく、前に設定されたフランジバック位置からマスターレンズのフランジバック調整を行うことができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るレンズ駆動装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明が適用されたレンズ装置を装着したテレビカメラの一実施の形態を示した斜視図である。同図に示すようにテレビカメラ10は、レンズ装置12とカメラ本体14から構成され、このテレビカメラ10は、ペデスタルドリー16上の雲台18に支持される。雲台18には2本の操作ロッド22、23が延設され、各操作ロッド22、23の端部には、それぞれズームスピードを操作するズームコントローラ26とフォーカスを操作するフォーカスコントローラ28が取り付けられるようになっている。
【0010】
上記ズームコントローラ26には、基準位置から両方向に回動可能なサムリング26Aが設けられており、このサムリング26Aを左手の親指で回転操作して基準位置からの回転量と回転方向を調整することにより、ズームレンズを所望の速度で広角側又は望遠側に動作させることができるようになっている。
上記フォーカスコントローラ28には、回動自在のフォーカスリング28Aが設けられており、このフォーカスリング28Aを右手で回転操作し、その回転位置を調整することにより、フォーカスレンズを所望の位置に移動させることができるようになっている。
【0011】
尚、カメラ本体14の上面には、ビューファインダー30が設置されており、カメラマンは、このビューファインダー30に映る撮影像を見ながら上記ズームコントローラ26とフォーカスコントローラ28を操作することにより、レンズ装置12のズーム調整とフォーカス調整を適切に行うことができる。
また、レンズ装置12には、撮影レンズ系の結像位置を調整するマスターレンズが搭載され、このマスターレンズはモータによって駆動されるようになっている。そして、レンズ装置12には、上記ズームコントローラ26及びフォーカスコントローラ28の他に、このマスターレンズの位置を操作するためのマスターコントローラが接続できるようになっている。マスターレンズの位置は、撮影レンズ系の結像位置とカメラの撮像面との位置を適切に一致させることができるようにレンズ装置12の側面に設けられたフランジバック調整つまみで調整(フランジバック調整)できるようになっているが、マスターコントローラを接続した場合には、マスターコントローラによってもフランジバック調整できるようになっている。尚、マスターコントローラは、フランジバック調整時のみでなく、マクロ撮影時や特殊効果をねらった撮影時等にも使用される。
【0012】
また、上記レンズ装置12は、上記フランジバック調整をフランジバック調整つまみ及びマスターコントローラ以外に、上述のズームコントローラ26、フォーカスコントローラ28によっても行うことができるようになっている。即ち、ズームコントローラ26にはズームレンズとマスターレンズとの操作を切り替えるセレクトスイッチが設けられ、フォーカスコントローラ28にはフォーカスレンズとマスターレンズとの操作を切り替えるセレクトスイッチが設けられており、これらのセレクトスイッチによってマスターレンズの操作を選択すれば、各コントローラの操作部材(サムリング26A、フォーカスリング28A)の操作によってマスターレンズのフランジバック位置を調整することができるようになっている。これにより、カメラマンにとっては、フランジバック調整つまみでなくても手元のコントローラによってフランジバック調整を行うことができるためフランジバック位置にずれ等が生じた場合には、撮影中においても容易且つ即座にフランジバック位置を修正することができるようになっている。
【0013】
図2は、上記レンズ装置12と上記各コントローラとの接続を示した概念図である。同図に示すようにレンズ装置12には、コントローラとして、上述のズームコントローラ26、フォーカスコントローラ28、マスターコントローラ40を接続することができる。また、レンズ装置12本体にはマスターレンズのフランジバック位置を調整するためのフランジバック調整つまみ42が設けられている。尚、上記ズームコントローラ26の代わりに同図に示すショットボックス44搭載のズームコントローラを接続することも可能である。ショットボックス44は、ズームレンズを所望位置にワンショットで移動させることができるようにしたもので、ショットボックス44には複数のセレクトスイッチ44A〜44Eと各セレクトスイッチ44A〜44Eに対応するボリューム調整つまみ45A〜45Eとが設けられている。セレクトスイッチ44A〜44Dのいずれかをオンするとそのセレクトスイッチに対応するボリューム調整つまみで指定された位置にズームレンズが移動し、FFと記されたセレクトスイッチ44Eをオンした場合には、それに対応するボリューム調整つまみ45Eで指定された位置にマスターレンズが移動するようになっている。
【0014】
また、各コントローラは、操作部材(サムリング26A、フォーカスリング28A、ボリューム調整つまみ45A〜45E)の操作量をポテンショメータ等によってアナログ的に検出し、その検出した信号(コントロール信号)をレンズ装置12のCPU50に入力する。尚、CPU50において、ズームコントローラ26から出力されるコントロール信号はズームレンズの動作速度を示す速度信号として扱われ、それ以外のフォーカスコントローラ28、マスターコントローラ40、ショットボックス44から出力されるコントロール信号は、レンズの設定位置(移動終了位置)を示す位置信号として扱われる。
【0015】
これらのコントローラとレンズ装置12内のCPU50及び各レンズの駆動部との関係を図3の回路図に示す。同図に示すようにレンズ装置12に搭載されたCPU50には、ズームコントローラ26、フォーカスコントローラ28、マスターコントローラ40、ショットボックス44からの信号が入力されるようになっている。ズームコントローラ26からは、サムリング26Aの回転位置に応じた電圧のコントロール信号がA/D変換器52Aを介して入力される。また、上述したようにズームコントローラ26には、このコントローラをズームレンズ60又はマスターレンズ64の操作に使用することを選択するセレクトスイッチが設けられており、このセレクトスイッチのオン/オフを示すセレクト信号がCPU50に入力されるようになっている。
【0016】
ズームコントローラ26の代わりにショットボックス44が接続された場合には、ショットボックス44からはセレクトスイッチ44A〜44Eによって選択されたボリューム調整つまみ45A〜45Eの位置に応じた電圧のコントロール信号がA/D変換器52Bを介して入力される。また、マスターレンズ64の操作を選択するセレクトスイッチ44Eのオン/オフを示すセレクト信号がCPU50に入力されるようになっている。
【0017】
フォーカスコントローラ28からは、フォーカスリング28Aの回転位置に応じた電圧のコントロール信号がA/D変換器52Cを介して入力される。また、ズームコントローラ26と同様に、フォーカスコントローラ28には、このコントローラをズームレンズ60又はマスターレンズ64の操作に使用することを選択するセレクトスイッチが設けられており、このセレクトスイッチのオン/オフを示すセレクト信号がCPU50に入力されるようになっている。
【0018】
マスターコントローラ40からは、マスターレンズ64の位置を指定するボリューム調整つまみの回転位置に応じた電圧のコントロール信号がA/D変換器52Dを介して入力される。フランジバック調整つまみ42からは、このフランジバック調整つまみ42の回転位置に応じた電圧のコントロール信号がA/D変換器52Eを介して入力される。
【0019】
一方、レンズ装置12には、ズームレンズ60、フォーカスレンズ62、マスターレンズ64が搭載され、各レンズ60、62、64は、それぞれモータ66、68、70によって駆動されるようになっている。そして、各モータ66、68、70はそれぞれCPU50からD/A変換器72、74、76を介して入力される制御信号に基づいてズーム制御回路78、フォーカス制御回路80、フランジバック制御回路82によって駆動制御されるようになっている。CPU50は、上記コントローラから入力されるコントロール信号に基づいて各制御回路78、80、82に出力する上記制御信号を生成する。これにより、各レンズ60、62、64は、各コントローラによって指定された位置に又は速度で移動するようになる。尚、各レンズ60、62、64には、それぞれ現在位置を検出するポテンショメータ84、86、88と各モータ66、68、70の回転速度(レンズ60、62、64の移動速度)を検出するタコジェネレータ90、92、94が設置され、CPU50又は各制御回路78、80、82はこれらのポテンショメータ84、86、88やタコジェネレータ90、92、94から出力される検出信号を参照しながら(CPU50にはA/D変換器96、98、100を介して検出信号が入力される。)、各レンズの位置又は移動速度を制御するようにしている。
【0020】
次に、上記CPU50がコントローラからのコントロール信号に基づいてマスターレンズ64の制御(フランジバック調整)を行う場合の処理手順について図4のフローチャートを用いて説明する。まず、各コントローラからのセレクト信号を読み込む。そして、セレクト信号に基づいて以下ステップS12、S18、S24の判定処理を順に行う。まず、ズームコントローラ26をフランジバック調整(F.f)に使用すると選択されたか否かを判定する(ステップS12)。ここでYESと判定した場合には各コントローラからのコントロール信号を読み込み(ステップS14)、ズームコントローラ26からのコントロール信号(ズーム信号)をマスターレンズ64を制御するためのコントロール信号(フランジバック調整(F.f)信号)に変換する(ステップS16)。
【0021】
ステップS12においてNOと判定した場合には、次に、フォーカスコントローラ28をフランジバック調整(F.f)に使用すると選択されたか否かを判定する(ステップS18)。ここでYESと判定した場合には、各コントローラからコントロール信号を読み込み(ステップS20)、フォーカスコントローラ28からのコントロール信号(フォーカス信号)をマスターレンズ64を制御するためのコントロール信号(フランジバック調整信号)に変換する(ステップS22)。
【0022】
ステップS18においてNOと判定した場合には、次に、ショットボックス44のFFのセレクトスイッチ44Eが選択された否か、即ち、セレクトスイッチ44Eに対応するボリューム調整つまみ45Eをフランジバック調整に使用すると選択されたか否かを判定する(ステップS24)。ここでYESと判定した場合には、各コントローラからコントロール信号を読み込み(ステップS26)、ショットボックス44からボリューム調整つまみ45Eの位置に基づいて出力されるコントロール信号(フランジバック調整信号(ショットFf信号))を読み込む(ステップS28)。
【0023】
ステップS24においてNOと判定した場合には、各コントローラからコントロール信号を読み込み(ステップS30)、マスターコントローラ40からマスターレンズ64を制御するためのコントロール信号(フランジバック調整信号(F.fコントローラ信号))を読み込む(ステップS32)。
以上のようにしていずれかのコントローラからマスターレンズ64を制御するためのコントロール信号が入力されると、このコントロール信号に基づいて制御信号を生成し、制御信号をD/A変換器76を介してフランジバック制御回路82に出力する(ステップS34)。ここでのCPU50の処理について更に説明を加えると、フォーカスコントローラ28、ショットボックス44のいずれか又は両方がセレクトスイッチによってマスターレンズ64の操作に切り替えられた場合において、これらのコントローラから入力されるコントロール信号、又は、マスターコントローラ40、フランジバック調整つまみ42から入力されるコントロール信号のいずれかが変化したときに、その変化量に相当する移動量をマスターレンズ64の現在位置に加算し、その加算によって得られた位置にマスターレンズ64を移動させるように制御信号を生成する。ズームコントローラ26がマスターレンズ64の操作に切り替えられた場合においてこのズームコントローラ26から入力されるコントロール信号が変化したときには、その変化量に相当する移動速度でマスターレンズ64を現在位置から移動させるように制御信号を生成する。
【0024】
これにより、所望のコントローラによってマスターレンズのフランジバック調整を行うことができると共に、例えば、フォーカスコントローラ28によってフォーカスレンズを操作した後、セレクトスイッチによってマスターレンズの操作に切り替えた場合に、フォーカスリング28Aのその後の操作によってマスターレンズを現在位置から動作させることができるようになる。
【0025】
図5は、ズームレンズ60の制御を行う場合のCPU50の処理手順を示したフローチャートである。まず、ズームコントローラ26をフランジバック調整に使用すると選択された否かを判定する(ステップS40)。YESであれば、ズームレンズ60の制御信号(ズーム制御信号)を停止信号とし、ズームコントローラ26の操作の有無にかかわらずズームレンズ60を停止させる(ステップS42)。NOの場合にはズームコントローラ26からのコントロール信号を読み込み、コントロール信号に基づいてズームレンズ60を移動させる(ステップS44)。
【0026】
これにより、ズームコントローラ26がマスターレンズ64の操作に使用されている間は、ズームレンズ60は停止した状態に保持される。
図6は、フォーカスレンズ62の制御を行う場合のCPU50の処理手順を示したフローチャートである。まず、フォーカスコントローラ28をフランジバック調整に使用すると選択されたか否かを判定する(ステップS50)。YESであれば、フォーカスレンズ62の制御信号(フォーカス制御信号)を現在位置信号とし、フォーカスコントローラ28の操作の有無にかかわらずフォーカスレンズ62を現在位置に停止させる(ステップS52)。NOであれば、フォーカスコントローラ28からのコントロール信号を読み込み(ステップS54)、フォーカス制御信号を現在位置信号に移動量を加算した信号として、このフォーカス制御信号に基づいてフォーカスレンズ62を制御する(ステップS56)。即ち、フォーカスコントローラ28からのコントロール信号がフォーカスレンズ62の位置をA点からB点に移動させる信号を示した場合に、フォーカスレンズ62をB点に移動させるのではなく、A点からB点までの距離に相当する量をフォーカスレンズ62の現在位置に加算して、その加算によって得られた位置にフォーカスレンズ62を移動させる。
【0027】
これにより、フォーカスコントローラ28がマスターレンズ64の操作に使用されている間は、フォーカスレンズ62は停止した状態に保持され、セレクトスイッチによってマスターレンズ64の操作からフォーカスレンズ62の操作に切り換えられた場合には、フォーカスレンズ62は、切り換え後のフォーカスリング28Aの操作に基づいて停止していた位置から移動する。従って、マスターレンズ64のフランジバック調整を行った後でも、このフランジバック調整前の位置からフォーカスレンズ62を操作することができる。
【0028】
以上上記実施の形態では、各コントローラからアナログのコントロール信号を出力する場合について説明したが、本発明は、各コントローラにCPUが搭載され、デジタル通信によりコントロール信号をレンズ装置12に送信するような場合にも適用できる。この場合の回路構成を示したのが図7である。尚、同図において、上記図3に示した各構成部と同一又は類似作用の構成部には図3と同一符号を付している。同図に示すようにズームコントローラ、フォーカスコントローラ、ショットボックス、マスターコントローラの各CPU110、112、114、116は、それぞれ通信IC118、120、122、124を介してコントロール信号をレンズ装置12側に送信し、レンズ装置12の通信IC126、128、130、132がこのコントロール信号を受信してCPU50に入力する。この場合、CPU50は、上述したアナログのコントロール信号の場合とは受信する信号の形態が異なるが、この場合においても、CPU50のレンズ制御の処理は、上記図4乃至図6に示した処理と同様に行われる。
【0029】
尚、上記実施の形態では、各コントローラの操作部材(サムリング26A、フォーカスリング28A等)の回転位置をポテンショメータによって絶対値で検出するようにしたが、これに限らずインクリメント式のエンコーダのように回転位置を相対値で検出するものを使用してもよく、特定のものに限られない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フォーカスレンズを操作するフォーカスコントローラやズームレンズを操作するズームコントローラをマスターレンズのコントローラとして兼用してフランジバック調整を行うことができるようになる。また、コントローラの駆動対象のレンズをフォーカスレンズとマスターレンズ間で、又はズームレンズとマスターレンズ間で切り替えた場合に、切り換え前のコントローラの操作とは独立に切り換え後のコントローラの操作に基づいて駆動対象のレンズを動作させるようにしたため、例えば、フォーカスコントローラの駆動対象のレンズをマスターレンズに切り替えた時に、切り換え時のコントローラの操作部材の指定位置にマスターレンズが移動するといった不具合がなく、マスターレンズのフランジバック調整を初めからやり直すことなく、前に設定したフランジバック位置からマスターレンズのフランジバック調整を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されたレンズ装置を装着したテレビカメラの一実施の形態を示した斜視図である。
【図2】図2は、レンズ装置とコントローラとの接続を示した概念図である。
【図3】図3は、本発明に係るレンズ駆動装置の一実施の形態を示した回路構成図である。
【図4】図4は、コントローラからのコントロール信号に基づいてマスターレンズの制御(フランジバック調整)を行う場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図5】図5は、コントローラからのコントロール信号に基づいてズームレンズの制御を行う場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図6】図6は、コントローラからのコントロール信号に基づいてフォーカスレンズを制御する場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図7】図7は、本発明に係るレンズ駆動装置の他の実施の形態を示した回路構成図である。
【符号の説明】
10…テレビカメラ
12…レンズ装置
14…カメラ本体
26…ズームコントローラ
26A…サムリング
28…フォーカスコントローラ
28A…フォーカスリング
40…マスターコントローラ
42…フランジバック調整つまみ
44…ショットボックス
50…CPU

Claims (1)

  1. テレビレンズ装置のフォーカスレンズ又はズームレンズの少なくとも一方の移動レンズとマスターレンズとをそれぞれモータによって駆動するレンズ駆動装置において、
    前記移動レンズと前記マスターレンズの位置又は移動速度を同一の操作部材の操作によって指定するコントローラであって、前記操作部材の操作に応じた値を示す操作信号を出力するコントローラと、
    前記コントローラから出力された操作信号によって駆動する駆動対象のレンズを前記移動レンズ又は前記マスターレンズのいずれかに選択する選択手段と、
    前記駆動対象のレンズが前記選択手段によって切り替えられると、該切り替え時以後において前記コントローラから出力される前記操作信号の変化量に基づいて前記駆動対象のレンズを前記切り替え時の位置から動作させると共に、前記駆動対象以外のレンズを前記切り換え時の位置に保持する駆動手段と、
    を備えたことを特徴とするレンズ駆動装置。
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