JP4069091B2 - 弾性クローラとこれを用いたクローラ走行体 - Google Patents

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Description

本発明は、農業機械、建設機械等の作業機械や各種運搬車等に用いられる弾性クローラとこれを用いたクローラ走行体に関するものである。
上記各種機械に搭載されるクローラ走行体に使用するゴム製の弾性クローラとして、例えば、無端帯状のゴム様弾性体よりなるクローラ本体の内周側に当該クローラ本体と一体に成形された左右一対のガイド突起が設けられ、このガイド突起間に補強用の膨出部が形成されたものがある。
かかる弾性クローラを用いたクローラ走行体では、弾性クローラを周回させるための駆動輪の外周縁部に左右外方に突出する駆動ピンが設けられ、この駆動輪の駆動ピンを左右のガイド突起に係合させて動力伝達することにより、弾性クローラを周回させるようにしている(特許文献1参照)。
上記のように、主として駆動ピンとガイド突起との係合でクローラ本体に動力伝達する方式では、クローラ本体と一体のゴム製のガイド突起に直接駆動ピンからの駆動力が加わるため、当該ガイド突起の剛性を如何に確保するかが問題となる。このため、通常は、ガイド突起の高さや厚みを増加させたり、或いは上記のようにガイド突起間に補強用の膨出部を設けることにより、ガイド突起の剛性を高めている。
しかし、ガイド突起はクローラ本体と同じゴム様弾性体よりなるので、駆動ピンが係合しても動力の伝達ロスが生じ易く、十分に駆動力が伝達できないことがあり、ガイド突起が破損する可能性もある。
そこで、左右のガイド突起間に金属製又は硬質樹脂製の噛合部材を架け渡し、この噛合部材にスプロケット状の駆動輪の駆動歯を係合させることにより、クローラ本体に対する動力伝達をより確実にするとともに、各ガイド突起の強度を向上するようにした弾性クローラが提案されている(特許文献2参照)。
特開平6−255546号公報 特開平9−99876号公報
しかしながら、上記従来の弾性クローラでは、噛合部材の左右両端部を単に左右のガイド突起に埋設させることで定着力を確保するようにしているので、急発進又は急反転等の際に駆動輪の駆動歯から噛合部材に対して過大な駆動力が伝達されると、当該噛合部材がガイド突起から抜け出して脱落してしまう恐れがある。このため、従来の弾性クローラでは駆動力をそれほど高めることができなかった。
一方、上記従来の弾性クローラにおいて、例えばクローラ走行体が急旋回することによって弾性クローラが蛇行すると、駆動輪の駆動歯がガイド突起の対向側面に接触し、ガイド突起の摩耗を早期に促進させることがある。このようにしてガイド突起の対向側面が摩耗すると、次第にガイド突起が痩せてきて噛合部材の両端部の埋設深さが小さくなり、このため、噛合部材がガイド突起から抜け出し易くなって弾性クローラの駆動力が低下する原因となることがある。
本発明は、このような実情に鑑み、左右のガイド突起間に架け渡された噛合部材を有する弾性クローラとこれを用いたクローラ走行体において、その噛合部材の脱落を防止することによって弾性クローラの駆動力を向上することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、上記目的を達成するための本発明は、無端帯状のゴム様弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周側に一体に突設された左右一対のガイド突起と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、スプロケット状の駆動輪の駆動歯が噛合可能となるように前記クローラ本体の内周面よりも内側に膨出した状態で前記左右のガイド突起間に架け渡して設けられた硬質の噛合部材とを備えている弾性クローラにおいて、前記各ガイド突起に対する定着力を高めるための抜け止め部が前記噛合部材の左右両端部に形成され、この抜け止め部は、前記ガイド突起の内部に埋設されている前記噛合部材のクローラ幅方向両端部に一体に形成されたクローラ周方向に張り出す張り出し部材よりなり、前記噛合部材における前記左右のガイド突起間に位置する部分であって前記張り出し部材よりもクローラ幅方向内側に、前記駆動輪の駆動歯が各ガイド突起の対向側面に接触するのを規制する段差部が形成され、前記張り出し部材と前記段差部とが、当該張り出し部材及び当該段差部よりもクローラ周方向幅が小さい連結アームにより連結され、前記張り出し部材と前記段差部とのクローラ幅方向の間に、前記ガイド突起と一体のゴム様弾性体が埋入されていることを特徴とするものである。
記発明によれば、各ガイド突起に対する定着力を高めるための抜け止め部が前記噛合部材の左右両端部に形成されているので、噛合部材が各ガイド突起から抜け出して脱落するのが防止される。このため、急発進又は急反転等の際に駆動輪の駆動歯から噛合部材に対して過大な駆動力が伝達されても、当該噛合部材がガイド突起から抜け出すことがなくなるので、弾性クローラの駆動力を向上することができる。
また、上記の発明によれば、噛合部材における左右のガイド突起間に位置する部分に形成された段差部が、駆動輪の駆動歯が各ガイド突起の対向側面に接触するのを規制するので、クローラ走行体が急旋回して弾性クローラが蛇行しても、駆動輪の駆動歯がガイド突起の対向側面に接触することがなく、その駆動歯によってガイド突起の摩耗が促進されることがない。このため、ガイド突起が痩せて噛合部材の左右両端部の埋設深さが小さくなることに伴う当該噛合部材の抜け出しが未然に防止され、弾性クローラの駆動力を長期間維持することができる。
上記の本発明において、前記噛合部材におけるクローラ外周側の面が平坦である場合には、弾性クローラがスプロケット状の駆動輪に巻き付いた時に、クローラ本体内の抗張体が多角形状に屈曲し(図8(a)参照)、この屈曲が繰り返される部分に疲労が蓄積して抗張体が切断する恐れがある。そこで、前記噛合部材におけるクローラ外周側の面を、前記駆動輪とほぼ同じ曲率半径の湾曲面にすることが推奨される。
この場合には、弾性クローラがスプロケット状の駆動輪に巻き付いた時に、クローラ本体内の抗張体がほぼ駆動輪の外周形状に沿って湾曲する(図8(b)参照)。このため、上記のように抗張体が局所的に屈曲を繰り返すのが防止され、疲労の蓄積に伴う抗張体の切断を防止することができる。
また、本発明の弾性クローラのように、左右のガイド突起をクローラ本体の内周面から一体に突設した構造の場合には、クローラ本体の捩れ剛性や曲げ剛性が比較的小さくなるため、この点も噛合部材の脱落が生じる原因となり得る。そこで、前記クローラ本体の内部における前記抗張体のクローラ外周側又は内周側若しくはこれらの双方にバイアスコード等よりなる補強層を埋設することにより、クローラ本体の剛性を向上させることが好ましい。
更に、本発明の弾性クローラのように、左右のガイド突起間に架け渡した噛合部材に駆動輪の駆動歯を係合させる場合には、前記クローラ本体の内周面における隣接する各噛合部材間の部分に、前記駆動輪の駆動歯との干渉を防止するためのクローラ周方向に延びる逃げ溝を形成することが好ましい。
かかる逃げ溝を形成しておけば、駆動歯の歯先でクローラ本体が損傷するのが防止されるので、弾性クローラの耐久性をよりいっそう向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、左右のガイド突起間に架け渡された噛合部材の脱落を極力防止することができるので、当該噛合部材を有する弾性クローラとこれを用いたクローラ走行体の駆動力を向上することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係る弾性クローラとこれを用いたクローラ走行体を示している。
図3に示すように、本実施形態のクローラ走行体1は、農業機械、建設機械等の作業機械や各種運搬車等に搭載されるものであり、トラックフレーム等よりなる走行機体2と、この走行機体2の側壁の一端部(図3の左側)に配置された駆動輪3と、走行機体2の側壁の他端部に配置された従動輪(図示せず。)と、走行機体の下端部に配置された複数の転輪4と、これら各輪3,4に巻き掛けられたゴム様弾性体よりなる弾性クローラ5とから構成されている。
上記クローラ走行体1の駆動輪3は周方向に等間隔で並ぶ駆動歯6が外周縁に形成されたスプロケットよりなり、その中心部は走行機体2の一端部から水平方向に突出する駆動軸7の突出端部に直結されている。また、クローラ走行体1の転輪4は、走行機体2の下端部から水平方向に突出する回転軸8に遊転自在に取り付けられている。この転輪4は、軸方向で互いに離れた左右一対の円形フランジ9,9(図1(a)参照)を備えており、これらのフランジ9,9間で後述する左右のガイド突起12,12を跨いだ状態で転輪4が弾性クローラ5の内周面に当接させることにより、当該弾性クローラ5が脱輪しないようにクローラ周方向にガイドされるようになっている。
図1及び図2に示すように、本実施形態の弾性クローラ5は、無端帯状のゴム様弾性体よりなる厚さ方向に貫通する係合孔を有しないクローラ本体11と、このクローラ本体11の内周側(図1(a)の上側)に一体に突設された左右一対のガイド突起12,12と、クローラ本体11の外周側(図1(a)の下側)に一体に突設された牽引用の多数のラグ13と、クローラ本体11の内部に周方向に沿って埋設された抗張体14と、スプロケット状の駆動輪3の駆動歯6が噛合可能となるようにクローラ本体11の内周面よりも内側に膨出した状態で左右のガイド突起12,12間に架け渡して設けられた硬質の噛合部材15とを備えている。
このうち、クローラ本体11は、ゴム様弾性体によってほぼ一定厚さの無端帯状に形成されており、このクローラ本体11の内周面におけるクローラ幅方向(図1(a)の左右方向)中央部に、当該クローラ本体11と同じ材質のゴム様弾性体からなる前記左右一対のガイド突起12,12が一体に突設されている。この左右のガイド突起12,12は、平面断面がほぼ矩形でかつ側面断面がほぼ台形のブロック体よりなり、クローラ本体11の中心線を挟んで線対称となるように左右で同じ形状に形成されている。また、この左右のガイド突起12,12は、クローラ周方向(図1(a)の紙面貫通方向)に一定間隔をおいてクローラ本体11の全周に渡って設けられている。
前記抗張体14は、弾性クローラ5に耐張力性を付与するためのものであり、クローラ周方向に沿って延設されたスチールコード等よりなる抗張力コード16をクローラ幅方向に並設することによって構成されている。
一方、本実施形態の弾性クローラ5のように、クローラ幅方向で離れた左右のガイド突起12,12をクローラ本体11の内周面から一体に突設した構造の場合には、クローラ本体11の捩れ剛性や曲げ剛性が比較的小さくなるため、前記噛合部材15の脱落が生じる原因となり得る。
そこで、本実施形態の弾性クローラ5では、クローラ本体11の内部における抗張体14のクローラ外周側及び内周側にバイアスコード等よりなる補強層17,18が埋設されており、この補強層17,18によってクローラ本体11の剛性を向上させるようにしている。この補強層17,18は、多数の高張力繊維を織って構成されたキャンバスよりなり、その繊維方向がクローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜したバイアス状態となって、クローラ本体11の内部に全周に渡って埋設されている。
なお、上記キャンバスは、有機系のフィラメント繊維に所定の下撚りをかけて経糸及び緯糸用のコードを製作し、これらのコードを所定の打ち込み数になるように並べて織機で織り上げたあと、所定の接着剤を用いて接着処理を行なってシート状に形成したものである。また、このフィラメント繊維の材質としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
抗張体14の表裏両側に配置された各補強層17,18のうち、クローラ外周側に配置された第一補強層17は、上記キャンバスが二枚重ねの状態で埋設された二層構造になっており、この各キャンバス17A,17Bは抗張体14にほぼ対応するクローラ幅方向範囲に行き渡っている。また、クローラ内周側に配置された第二補強層18も、上記キャンバスが二枚重ねの状態で埋設された二層構造になっているが、このうち、内周側のキャンバス18Aは、左右のガイド突起12,12の各根元部分にそれぞれ対応して左右に分離して配置され、外周側のキャンバス18Bは、左右のガイド突起12,12の両根元部分に対応するクローラ幅方向範囲に行き渡っている。
なお、クローラ本体12の必要な剛性が確保されるならば、第一及び第二補強層17,18の双方を設ける必要はなく、いずれか一方のみを設けることにしてもよい。また、図示していないが、クローラ本体11の捩れ剛性や曲げ剛性を高めるための別の技術的手段として、クローラ幅方向に延びる平板状の硬質芯材をクローラ本体11の内部に埋設するようにしてもよい。
前記駆動輪3は、その外周に多数の駆動歯6を等間隔おきに有するスプロケット状に形成され、クローラ本体11側には、その駆動歯6が噛み合って駆動力を伝達するための前記噛合部材15が設けられている。
この噛合部材15は、高炭素鋼等の金属又はFRP等の硬質樹脂よりなり、左右のガイド突起12,12の根元部を繋いだ状態で当該ガイド突起12,12間に架け渡して設けられ、クローラ本体11の内周面よりも更に内側(図1(a)の上側)に膨出するように配置されている。この噛合部材15は、左右のガイド突起12,12同士を互いに繋ぐことで当該ガイド突起12そのものを補強する機能を有している。
図1に示すように、本実施形態の噛合部材15は、クローラ幅方向中央部の中央胴部20と、この中央胴部20のクローラ幅方向両端に設けられたクローラ周方向に張り出す左右一対の第一張り出し部材21,21と、中央胴部20のクローラ幅方向両端から更に同方向外側に突出する左右一対の連結アーム22,22と、この各連結アーム22,22の先端にそれぞれ設けれられたクローラ周方向に張り出す左右一対の第二張り出し部材23,23とを一体に備えている。
このうち、左右の第二張り出し部材23,23は、側面視でほぼ横長楕円形状の厚板部材よりなり、各ガイド突起12,12の内部における同ガイド突起12の中心よりもややクローラ幅方向中央よりに偏った位置に埋設されている。従って、当該第二張り出し部材23は、各ガイド突起12,12に対する噛合部材15の定着力を高めるための抜け止め部として機能する。
そして、ほぼ横長楕円形状の厚板部材よりなる第二張り出し部材23は更にその厚さ方向端部もアール状に面取りされており、ガイド突起12を構成するゴム材料に対して鋭利な角部を有してない。このため、噛合部材15が受けた駆動力が第二張り出し部材23を介してガイド突起12に伝わる際に、その突起12の内部に応力集中が生じるのが防止され、これによって当該ガイド突起12の内部からの亀裂が発生し難くなっている。
なお、図1(a)に示すように、第一張り出し部21のほぼ上端高さでガイド突起12を水平に切断した場合に、そのガイド突起12の外側ゴムゲージをB、第二張り出し部材の厚さをA、同ガイド突起12の内側ゴムゲージをCとすると、B≧A≧Cとなるように寸法設定されており、その内側ゴムゲージCは、C≧0.15×Aとなるように寸法設定されている。
より具体的には、本実施形態の弾性クローラ5の場合には、前記第一張り出し部21が設けられる関係で、内側ゴムゲージCは1.0〜2.0mm程度あれば十分である。また、第二張り出し部材23の厚さAは3mm程度以上あれば足りる。
一方、左右の第一張り出し部材21,21も、側面視でほぼ横長楕円形状の厚板部材よりなるが、第二張り出し部材23よりも小さくかつ同部材23よりもやや外周側(図1(a)の下側)に配置されている。そして、この両第一張り出し部材21,21は、噛合部材15における左右のガイド突起12,12間に位置する部分に配置されており、その対向間隔が駆動輪3の駆動歯6の厚さよりも大きくなっている。
従って、両ガイド突起12,12の対向側面間に入り込んだ駆動輪3の駆動歯6は、左右の第一張り出し部材21によってクローラ幅方向に位置決めされて中央胴部20に噛み合うようなっており、これにより、駆動歯6がガイド突起12の対向側面に接触するのが規制される。このため、当該第一張り出し部材21は、駆動輪3の駆動歯6が各ガイド突起12,12の対向側面に接触するのを規制する段差部として機能する。
本実施形態では、この第一張り出し部21と中央胴部20はガイド突起12の対向側面に一体に繋がった薄皮部24で被覆されている。
このため、第一張り出し部材21は、クローラ幅方向においてガイド突起12から外れた位置に配置されているが、当該薄皮部24を介してガイド突起12に一体化されているとともに、そのクローラ外周側の下半部分がクローラ本体11の内部に埋設されているため、各ガイド突起12,12に対する噛合部材15の定着力を高めるための抜け止め部としても機能する。
噛合部材15の中央胴部20は、側面から見た状態(図2の状態)において、クローラ外周側の面が駆動輪3とほぼ同じ曲率半径の湾曲面とされ、かつ、クローラ外周側の面がその湾曲面よりも曲率半径が小さいほぼ半円状面とされている。
この噛合部材15の中央胴部20を被覆する薄皮部24外面は、駆動輪3における駆動歯6間の溝部に対応するほぼ円弧形状の噛合面となっている。このように、本実施形態では、噛合部材15の噛合面と駆動輪6の溝部がそれぞれ円弧形状に形成されているため、駆動輪3と噛合部材15との噛み合いが円滑に行われるとともに、噛み合い後の駆動輪3と噛合部材15との離れも円滑に行われ、これにより、弾性クローラ5が駆動輪3に対して円滑に周回するようになっている。
上記のように噛合部材15の薄皮部24に対する駆動輪3の噛み合いが繰り返されると、いずれはその薄皮部24の摩耗が進行して破断することになるが、本実施形態では中央胴部20のクローラ幅方向両端に第一張り出し部材21が設けられているため、この破断がガイド突起12まで成長するのが防止される。そして、中央胴部20回りの薄皮部24がほぼ完全に剥がれて当該中央胴部20が露出するようになった場合には、ゴム被覆を介さずに硬質材料同士の噛み合いによって動力伝達されるようになるため、エネルギーロスが却って少なくなるという利点がある。
従って、本実施形態の弾性クローラ5において、噛合部材15の中央胴部20とその左右両側の第一張り出し部材21については、必ずしもクローラ本体11やガイド突起12と一体にゴム被覆しておく必要はなく、製品の出荷段階で既に外部に露出した状態になっていてもよい。
なお、図示の噛合部材15は中実部材として例示されているが、中空パイプ材を採用して軽量化を図ることにしてもよい。
また、本実施形態では、噛合部材15の中央胴部20におけるクローラ外周側の面が駆動輪3とほぼ同じ曲率半径の湾曲面とされているので、抗張体14の耐久性を向上できるという利点もある。
すなわち、図8(a)に示すように、噛合部材15におけるクローラ外周側の面が平坦である場合には、弾性クローラ5がスプロケット状の駆動輪3に巻き付いた時に、クローラ本体11内の抗張体14が多角形状に屈曲して、この屈曲が繰り返される部分に疲労が蓄積して抗張体14が切断し易くなる。
これに対して、本実施形態では、噛合部材15におけるクローラ外周側の面が駆動輪3とほぼ同じ曲率半径の湾曲面とされているので、図8(b)に示すように、弾性クローラ5がスプロケット状の駆動輪3に巻き付いた時に、クローラ本体11内の抗張体14がほぼ駆動輪3の外周形状に沿って湾曲するようになる。このため、上記のように抗張体14が局所的に屈曲を繰り返すのが防止され、疲労の蓄積に伴う抗張体14の切断を防止することができる。
なお、上記の作用効果を得るためには、噛合部材15の湾曲面の曲率半径を、駆動輪3の曲率半径に対してほぼ±20%の範囲に設定すればよい。
また、図1及び図2に示すように、クローラ本体11の内周面における隣接する各噛合部材15間の部分に、駆動輪3の駆動歯6との干渉を防止するためのクローラ周方向に延びる逃げ溝25が形成されており、これにより、駆動歯6の歯先でクローラ本体11が損傷するのを未然に防止するようにしている。
上記構成を有する本実施形態の弾性クローラ5によれば、噛合部材15の左右両端部に一体に形成された第二張り出し部材23によって各ガイド突起12,12に対する定着力が高められているので、噛合部材15が各ガイド突起12,12から抜け出して脱落するのが防止される。このため、急発進又は急反転等の際に駆動輪3の駆動歯6から噛合部材15に対して過大な駆動力が伝達されても、当該噛合部材15がガイド突起12から抜け出すことがなくるので、弾性クローラ5の駆動力が向上する。
また、本実施形態の弾性クローラ5によれば、噛合部材15における左右のガイド突起12,12間に位置する部分に設けられた第一張り出し部材21が、駆動輪3の駆動歯6が各ガイド突起12,12の対向側面に接触するのを規制するので、クローラ走行体1が急旋回して弾性クローラ5が蛇行しても、駆動輪3の駆動歯6がガイド突起12の対向側面に接触することがなく、その駆動歯3によってガイド突起12の摩耗が促進されることがない。
このため、ガイド突起12が痩せて噛合部材15の左右両端部の埋設深さが小さくなることに伴う当該噛合部材15の抜け出しが未然に防止され、この点で弾性クローラ5の駆動力を長期間維持することができる。
図4は、本発明の第二実施形態に係る弾性クローラ5を示している。
本実施形態では、噛合部材15の中央胴部20のクローラ周方向幅を第一実施形態の場合よりも小さくすることにより、左右の第一張り出し部材21,21間に中央凹部27が形成されており、この中央凹部27のクローラ幅方向寸法は駆動歯6の厚さよりも大きくなっている。
このように、本実施形態では、上記中央凹部27を形成したことによって中央胴部20のクローラ周方向前後のゴムゲージが大きくなっているので、駆動輪3がガイド突起12,12間に繰り返し噛み合っても、中央胴部20回りのゴム被覆が剥がれ難くなるという利点がある。
図5は、本発明の第三実施形態に係る弾性クローラ5を示している。
本実施形態では、第一実施形態における第二張り出し部材23の代わりに、クローラ幅方向外側に延びる厚板状の定着プレート28,28が噛合部材15のクローラ幅方向両端部に一体に形成されており、この各定着プレート28,28は、それぞれ左右のガイド突起12,12内に埋設されている。
そして、この各定着プレート28,28には、クローラ周方向に貫通する一つ又は複数の孔部29が形成されており、これにより、各ガイド突起12,12に対する定着力を高めるための抜け止め部が構成されている。なお、この孔部29は有底孔であってもよい。
図6は、本発明の第四実施形態に係る弾性クローラ5を示している。
本実施形態では、第二張り出し部材23のクローラ外周側部分が中央胴部20よりも更にクローラ外周側(図6の下側)に突出している。このため、第一実施形態の場合よりもクローラ本体11に対する埋設深さが増大し、第一張り出し部材21による噛合部材15の抜け止め機能が第一実施形態の場合よりも強化されている。
なお、本実施形態の噛合部材15では、中央胴部20のクローラ内周側の端面は薄皮部24で被覆されておらず、外部に露出している。
図7は、本発明の第五実施形態に係る弾性クローラの内周側突起部分を示している。
本実施形態では、左右のガイド突起12,12同士をこれらとほぼ同じ大きさの中間突起30によって互いに連結することにより、クローラ幅方向に三つの突起12,30,12が重なった状態の幅広のブロックが形成されている。
このため、本実施形態の噛合部材15は、中間突起30の内部に埋設された中央胴部20と、この胴部31のクローラ幅方向端面から突設された孔部29付きの定着プレート28とからなり、第一実施形態における第一張り出し部材21は設けられていない。
なお、上記した各実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。
例えば、上記実施形態において、各ガイド突起12,12に対する定着力を高めるための抜け止め部(第二張り出し部材23や孔部29)と駆動輪3の駆動歯6が各ガイド突起12,12の対向側面に接触するのを規制する段差部(第一張り出し部材21)のうち、いずれか片方のみを採用することにしてもよい。
また、第一及び第二張り出し部材21,23は厚板状のものに限られず、噛合部材15の外面から突設する複数の舌片や突起部で構成することもできる。
更に、第一及び第二張り出し部材21,23に対して貫通孔又は有底孔を形成して、その周囲を取り巻くゴム材料に対する定着力の更なる向上を図るようにしてもよい。
また、駆動輪3の左右両側面から駆動ピンを突設し、駆動歯6の噛み合いに加えてそのピンをガイド突起12に当接させるようにすれば、弾性クローラ5に対する動力伝達をより確実に行うことができる。
(a)は本発明の第一実施形態に係る弾性クローラの横断面図であり、(b)はその弾性クローラを内周側から見た平面図である。 図1の弾性クローラの縦断面図である。 本発明のクローラ走行体の一例を示す側面図である。 (a)は本発明の第二実施形態に係る弾性クローラを内周側から見た平面図であり、(b)はその側面断面図である。 本発明の第三実施形態に係る弾性クローラを内周側から見た平面図である。 本発明の第四実施形態に係る弾性クローラの側面断面図である。 本発明の第五実施形態に係る弾性クローラの内周側突起部分を示す平面図である。 弾性クローラが駆動輪に巻き付いた時の抗張体の変形状態を示す側面図である。
符号の説明
1 クローラ走行体
2 走行機体
3 駆動輪
4 転輪
5 弾性クローラ
6 駆動歯
11 クローラ本体
12 ガイド突起
13 ラグ
14 抗張体
15 噛合部材
17 第一補強層
18 第二補強層
21 第一張り出し部材(段差部)
23 第二張り出し部材(抜け止め部)
25 逃げ溝
29 孔部(抜け止め部)

Claims (5)

  1. 無端帯状のゴム様弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周側に一体に突設された左右一対のガイド突起と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、スプロケット状の駆動輪の駆動歯が噛合可能となるように前記クローラ本体の内周面よりも内側に膨出した状態で前記左右のガイド突起間に架け渡して設けられた硬質の噛合部材とを備えている弾性クローラにおいて、
    前記各ガイド突起に対する定着力を高めるための抜け止め部が前記噛合部材の左右両端部に形成され、
    この抜け止め部は、前記ガイド突起の内部に埋設されている前記噛合部材のクローラ幅方向両端部に一体に形成されたクローラ周方向に張り出す張り出し部材よりなり、
    前記噛合部材における前記左右のガイド突起間に位置する部分であって前記張り出し部材よりもクローラ幅方向内側に、前記駆動輪の駆動歯が各ガイド突起の対向側面に接触するのを規制する段差部が形成され、
    前記張り出し部材と前記段差部とが、当該張り出し部材及び当該段差部よりもクローラ周方向幅が小さい連結アームにより連結され、前記張り出し部材と前記段差部とのクローラ幅方向の間に、前記ガイド突起と一体のゴム様弾性体が埋入されていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 前記噛合部材におけるクローラ外周側の面が前記駆動輪とほぼ同じ曲率半径の湾曲面とされている請求項1記載の弾性クローラ。
  3. 前記クローラ本体の内部における前記抗張体のクローラ外周側又は内周側若しくはこれらの双方にバイアスコード等よりなる補強層が埋設されている請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記クローラ本体の内周面における隣接する各噛合部材間の部分に、前記駆動輪の駆動歯との干渉を防止するためのクローラ周方向に延びる逃げ溝が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラ。
  5. 走行機体と、この走行機体の一端部に配置されかつ周方向に等間隔で並ぶ駆動歯が外周縁に形成された駆動輪と、前記走行機体の他端部に配置された従動輪と、前記走行機体の下端部に配置された転輪と、これら各輪に巻き掛けられた請求項1〜4のいずれかに記載の弾性クローラとを備えていることを特徴とするクローラ走行体。
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