JP4151969B2 - 弾性クローラ - Google Patents

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Description

本発明は、クローラ式走行装置に用いられる弾性クローラに関する。
クローラ式走行装置はコンバイン等の農業機械、バックホー等の建設作業機械等に幅広く用いられている。これらのクローラ式走行装置には無端状の弾性クローラが装着され、この弾性クローラには、無端帯状に形成されたゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、クローラ本体の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグよりなるラグ群を備えたものがある。
従来の弾性クローラは、狭い場所での作業、道路の路肩にある縁石付近で作業する際に、弾性クローラが縁石等に乗り上げることや、横方向に押し当てられることで、クローラ本体の縁部(以下、クローラ縁部という)が変形する。このようなクローラ縁部の変形が繰り返されることにより亀裂が発生し、この亀裂が進行するとクローラ縁部の切断(耳切れ)につながる。
その対策として、クローラ本体、抗張体及びラグを備えた芯金レスの弾性クローラにおいて、転輪の左右両側に対応する位置における抗張体とクローラ本体の内周面と間に、平面状に並べられたコード部材を設けることにより、クローラ縁部の剛性を高めてその切断を防止したものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−182661号公報(請求項1)
しかしながら、図7(a)に示すようにコード部材45が設けられた特許文献1の弾性クローラC1であっても、クローラ本体40の剛性は十分ではなく、弾性クローラC1が縁石20に押し当てられた場合、クローラ縁部Eが転輪30と縁石20との間に挟まれて、クローラ縁部Eに大きな変形がおこる。このような変形により、クローラ本体40の接地面側40aにおける局所的な伸び、及びクローラ本体40の内周面側40bにおける局所的な圧縮が発生する。そして、クローラ縁部Eの変形が繰り返されると、その変形部分E1に次第に亀裂41が生じ、この亀裂41が進行するとクローラ縁部Eが切断される。また、図7(b)に示すように、芯金42が埋設された弾性クローラC2にコード部材45を設けた場合であっても、弾性クローラC2が縁石20に押し当てられた際に、縁石20と芯金先端部42aとの間にクローラ縁部Eが挟まれた状態となって、変形部分E1に次第に亀裂41が生じクローラ縁部Eが切断される。従って、従来のように、平面状に並べられたコード部材45を埋設するだけでは、その補強効果は十分ではない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部(耳部)の亀裂発生や、これに伴うクローラ縁部の切断を防止することができる弾性クローラを得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、無端帯状に形成されたゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に沿って埋設された抗張体と、前記クローラ本体の外周面に一体に形成された複数のラグよりなるラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、クローラ本体の内周面、接地面、及びこれらを繋ぐ側面のうち、当該側面を含む少なくとも二面に沿うようにクローラ周方向に向かって形成された補強層が、前記クローラ本体の縁部に埋設され、前記補強層によって囲われた内層部に、前記クローラ本体を構成する弾性体よりも硬度の高い高弾性体が設けられていることを特徴とする。
この場合、クローラ本体の内周面、接地面及び側面のうち、当該側面を含む少なくとも二面に沿うクローラ周方向に向かって形成された補強層(例えば、断面逆コの字形状やLの字形状の補強層)が、クローラ本体の縁部に埋設されているので、クローラ縁部に当該補強層によって囲われて剛性の上がった部分(内層部)が形成される。クローラ縁部に当該内層部があるので、クローラ縁部が補強される。従って、縁石等に乗り上げた際のクローラ縁部の変形が小さくなるとともに、変形部分への力の集中が抑えられ、クローラ縁部の亀裂の発生やこれに伴うクローラ縁部の切断を防止することができる。
また、上記の本発明では、補強層によって囲われた内層部に、クローラ本体を構成する弾性体よりも高い硬度を有する高弾性体が設けられるので、内層部の剛性がさらに上がる。従って、この内層部が形成されているクローラ縁部の補強効果が向上し、クローラ縁部の亀裂の発生やこれに伴うクローラ縁部の切断をさらに抑制することができる。
また、前記補強層は各種繊維を編み込んだもので構成することができるが、厚織又はスダレ織等の編織生地としたものを2層以上埋設することが好ましい。
この場合、厚織又はスダレ織等の編織生地よりなる補強層とすることで、この補強層の引張り強度等が極めて高くなり、さらにこのような補強層が2層以上埋設されているので、内層部の剛性を格段に向上させることができる。
さらに、前記補強層が、クローラ厚さ方向において抗張体に重なる部分を有することが好ましい。クローラ本体に埋設された補強層は、クローラ本体の内周面あるいは接地面のいずれかに沿うように形成されているのであるが、その補強層の一部がクローラ幅方向に並んだ抗張体に重なることにより、クローラ本体のクローラ幅方向における剛性を継ぎ目無く向上させることができる。
上記の本発明において、前記補強層は、例えばクローラ本体の内周面、接地面及び側面に沿う断面ほぼ逆コの字形状とすることができるが、この場合、当該内周面とこの内周面に沿う補強層との間の厚み寸法をA、当該接地面とこの接地面に沿う補強層と間の厚み寸法をBとしたとき、A≦Bの関係を満たすように構成されていることが好ましい。B寸法を厚くした理由は、接地面はカット傷や押し傷にさらされ易く、仮にB寸法を薄くした場合、コード等の補強層が損傷を受けることにより切断されてクローラ縁部に亀裂が発生し易くなるからである。
上記の本発明において、クローラ周方向に向かって形成された所要幅を有する第2の補強層が、クローラ厚さ方向において前記補強層に重なる部分を有すると伴に、前記抗張体と平行かつ間隔をおいて埋設されていることが好ましい。
この場合、前記補強層とは別に、クローラ周方向に向かって形成された所要幅を有する第2の補強層が、クローラ厚さ方向において前記補強層に重なる部分を有すると伴に、
前記抗張体と平行かつ間隔をおいて埋設されているので、クローラ本体のクローラ幅方向における剛性をさらに向上することができる。
また、上記の本発明において、前記高弾性体が、クローラ中心部からクローラ側方部へ向かうに従ってクローラ本体の内周面側へ広がるように設けられていることが好ましい。
この場合、高弾性体が設けられた部分が、クローラ中心部からクローラ側方部へ向かうに従ってクローラ本体の内周面側へ広がるので、特にクローラ本体の内周面側の補強効果が高まる。これにより、クローラ縁部の変形部分にかかる力をより広く分散させることができる。
上記の通り、本発明によれば、クローラ縁部の変形を小さくするとともに、変形部分への力の集中をなくしたので、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部(耳部)の亀裂発生や、これに伴うクローラ縁部の切断を防止することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
は、本発明に係る弾性クローラCの第1実施形態を示している。弾性クローラCは、建設作業機械や農業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置に用いられるもので、クローラ幅方向Yに延びる両翼部2が形成されたクローラ本体1と、このクローラ本体1内にクローラ周方向Xに沿って埋設された抗張体3と、前記両翼部2内に埋設された補強層4と、クローラ本体1の接地面8に所定のラグパターンで一体に形成された多数のラグ5からなるラグ群とを備えている。
なお、この弾性クローラCは、図示しないが、所定位置に配置された駆動スプロケットとアイドラと、これら駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数個の転輪により主構成されるクローラ走行装置の外周に巻き掛けられて用いられる。
クローラ本体1は、ゴム製の弾性材料を無端帯状に形成することで構成されているものであり、同クローラ本体1の内周面7にはクローラ周方向(紙面貫通方向)で一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起6がクローラ本体1の全周にわたって設けられている。これら各駆動突起6がスプロケットに係合することにより、弾性クローラCをクローラ周方向に沿って駆動できるようになっている。クローラ本体1の接地面8にはクローラ周方向に所定間隔をおいて多数のラグ5が一体に突設されている。このラグ5は、断面ほぼ台形状でかつクローラ幅方向Yに延びるほぼ直線状に形成され、駆動突起6と対応するクローラ周方向位置でかつ同駆動突起6と同じ又は所定のピッチで配置されている。
また、クローラ本体1内には、図に示すようにクローラ本体1の伸長を規制するスチールコード等による多数の抗張体3が埋設されている。さらに、クローラ翼部2内には、クローラ本体1(クローラ翼部2)の内周面7、接地面8、及びこれらを繋ぐ側面9に沿うように形成された補強層4が、クローラ縁部Eに埋設されており、クローラ周方向全周に沿って無端状に周回している。
補強層4は、クローラ翼部2の内周面7に沿う内側部Nと、同接地面8に沿う外側部Gと、同側面9に沿う側部Sとから構成されている。図に示すように、側部Sの上下両端部に内側部Nと外側部Gとが繋がっており、補強層4は全体として断面ほぼ逆コの字形状をなしている。なお、当該補強層を左右逆向きにして断面コの字形状をなすようにクローラ縁部Eに埋設してもよい。内側部Nは、外側部Gよりも短くなっており、従って外側部Gが内側部Nの端部からさらにクローラ中心側へ延ばされている。また、内側部N及び外側部Gの一部が、クローラ厚さ方向において抗張体3に重なっており(以下、抗張体3に重なるとは、クローラ厚さ方向におけるものとする)、このうち外側部Gは内側部Nよりも広い範囲で当該抗張体3に重なっている。従って、クローラ縁部Eに近いところに埋設された抗張体3が補強層4に囲われたような状態となっている。
また、クローラ本体1内には、補強層4に囲われた内層部10がクローラ周方向に沿って形成されている。従って、クローラ縁部Eは当該内層部10とこの内層部10の外側の外層部11からなる二層構造となっている。また、内層部10は補強層4によって囲われていることから、当該内層部10の剛性はクローラ本体1を構成する他の部分(例えば外層部11)よりも高くなっている。また、補強層4の内側部N、外側部G、及び側部Sは、それぞれクローラ翼部2の内周面等から間隔をあけて埋設されているが、クローラ翼部2の内周面7と内側部Nとの間の厚み寸法をA、同接地面8と外側部Gとの間の厚み寸法をBとしたとき、A≦Bの関係を満たすように構成されている。B寸法を厚くした理由は、接地面8はカット傷や押し傷にさらされ易く、仮にB寸法を薄くした場合、補強層4が損傷を受けることにより切断されてクローラ縁部Eに亀裂が発生し易くなるからである。なお、補強層4は、多数の繊維により構成された厚織又はスダレ織等の編織生地のキャンバスからなるものである。例えば、スダレ織の編織生地としては、有機系のフィラメント繊維に所定の下撚りをかけ、経糸、緯糸用のコードを製作し、これらを所定の打ち込み数になるように並べ、織機にて織り、さらに所定の接着剤を用いて接着処理を行なってシート状に形成したものが挙げられる。フィラメント繊維の材質としては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊維、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。補強層4をこのような生地で構成することにより、当該補強層4の引張り強度等が極めて高くなり補強効果が格段に向上する。
上述したように、クローラ翼部2の内周面7、接地面8及び側面9に沿う補強層4が、クローラ翼部2内に埋設され、この補強層4によって剛性の高い内層部10が形成されている。これにより、内層部10が形成されているクローラ縁部Eが補強され、縁石等に乗り上げた際のクローラ縁部Eの変形が小さくなるとともに、クローラ縁部Eにかかる力が分散されて変形部分への力の集中がなくなる。これにより、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部E(耳部)の亀裂発生や、これに伴うクローラ縁部Eの切断を防止することができる。さらに、補強層4(内側部N、外側部G)には抗張体4と重なっている部分があるので、クローラ本体の剛性がクローラ幅方向Yにおいて継ぎ目無く向上する。
図2(a)、(b)は、本発明に係る第2、第3実施形態を示している。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、クローラ翼部2内に補強層4が3層埋設されている等の点である。第2実施形態を示す図2(a)では、内側部N、側部S、外側部Gで構成された断面ほぼ逆コの字形状の大、中、小の3種類の補強層4a、4b、4cが、それぞれ所要間隔をあけてそのクローラ縁部Eに埋設されている。なお、各補強層4a、4b、4cは上記第1実施形態と同じ素材で構成されたものであり、その説明を省略する(以下、第3〜第7実施形態においても同様)。図に示すように、各補強層4c等に囲われた内層部10が、クローラ縁部に形成されている。また、各外側部Gの一部が、抗張体3と重なるように埋設されており、これによりクローラ本体1の剛性がクローラ幅方向Yにおいて継ぎ目無く向上している。これら外側部Gは、クローラ中心側へ向かって、最端の抗張体3aのところからクローラ翼部2の内周面7側へ迫り上がっている。さらに、各外側部G間の隙間は、クローラ中心側へ向かうに従って狭まっている。また、各内側部Nの長さは、最も内側にある小補強層4cよりも中補強層4bが長く、さらに中補強層4bよりも最も外側にある大補強層4aが長くなっている。
第3実施形態を示す図2(b)では、クローラ翼部2の内周面7が、クローラ中心側へ向かうに従って弾性クローラCの内周側へ傾斜している。内側部N、側部S、外側部Gで構成された断面ほぼ逆コの字形状の大、中、小の3種類の補強層4a、4b、4cが、それぞれ所要間隔をあけてクローラ縁部Eに埋設されている。そして、図に示すように、補強層4c等に囲われた内層部10が、クローラ縁部Eに形成されている。また、各補強層4a、4b、4cの各内側部Nはクローラ翼部2の内周面7に沿うように傾斜している。なお、本実施形態の補強層4は抗張体3に重なっておらず、外側部G及び内側部Nの各端部は最端の抗張体3aからクローラ側方側へ離されている。
また、上述した第2、第3実施形態の各補強層4a、4b、4cの各内側部N、各外側部G、及び各側部Sは、それぞれクローラ翼部2の内周面7等から間隔をあけて埋設されているが、最も外側に配置されている大補強層4aの内側部Nとクローラ翼部2の内周面7と間の厚み寸法をA、同外側部Gと同接地面8との間の厚み寸法をBとしたとき、A≦Bの関係を満たすように構成されている。B寸法を厚くした理由は、接地面8はカット傷や押し傷にさらされ易く、仮にB寸法を薄くした場合、補強層4が損傷を受けることにより切断されてクローラ縁部Eに亀裂が発生し易くなるからである。
上述した第2、第3実施形態の弾性クローラCによれば、クローラ翼部2内に3層の補強層4a、4b、4cが埋設されているので、これら各補強層4c等に囲われた内層部10がより強く補強される。従って、縁石等に乗り上げた際のクローラ縁部Eの変形がさらに小さくなるとともに、クローラ縁部Eにかかる力が広く分散されて変形部分への力の集中がなくなる。これにより、縁石等への乗り上げによるクローラ縁部E(耳部)の亀裂発生や、これに伴うクローラ縁部Eの切断を防止することができる。
図3は、本発明に係る第4実施形態を示している。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、クローラ翼部2の両端部が、クローラ側方側へ向かうに従って弾性クローラCの内周側へ向かって傾斜しており、これに伴うようにして、補強層4が、弾性クローラCの内周側へ向かって屈曲している点である。図に示すように内側部N、側部S、外側部Gで構成された断面ほぼ逆コの字形状の大、小の補強層4a、4bが、所要間隔をあけてクローラ縁部Eに2層埋設されている。なお、当該各補強層4a、4bを左右逆向きにして断面コの字形状をなすようにクローラ縁部Eに埋設してもよい。クローラ側方側へ向かう各外側部G及び各内側部Nが、その中途部からそれぞれ弾性クローラCの内周側へ傾斜しており、さらに、これら各外側部G及び各内側部Nのクローラ中心側端部が抗張体3に重なっている。そして、図に示すように補強層4に囲われた内層部10が、クローラ翼部2の形状に合わせて曲がっている。このようにクローラ翼部2の両端部を変形させた場合であっても、クローラ縁部Eに内層部10を形成することにより、クローラ縁部Eの変形を低く抑えることができる。
図4〜6は、それぞれ本発明に係る第5、第6、第7実施形態を示している。これらの実施形態が上記各実施形態と異なる点は、補強層4によって囲われた内層部10に、クローラ本体1を構成する弾性体Lよりも硬度の高い弾性体(高弾性体H)が設けられている点である。
図4に示す第5実施形態では、図に示すように内側部N、側部S、外側部Gで構成された断面ほぼ逆コの字形状の補強層4が、クローラ翼部2内に1層埋設されており、前記高弾性体Hが、この補強層4によって囲われた内層部10に設けられている。高弾性体Hは、クローラ本体1を構成する他の部分(例えば、補強層4の周りの外層部11)よりも高い硬度を有しており、クローラ本体の弾性体Lのゴム硬度が65〜80であるのに対して、当該高弾性体Hの硬度は77〜88となっている。
また、補強層4の内側部Nは、外側部Gよりも長くなっており、その一部が抗張体3に重なっている。また、クローラ側方側に配置されている抗張体3が、内層部10に設けられた高弾性体Hの内部に導入されている。また、クローラ幅方向Yにおいて、補強層4の側部Sと最端の抗張体3aとの間の寸法と、当該抗張体3と内側部N端部との間の寸法とが、ほぼ等しくなっている。このように、補強層4によって囲われた内層部10に高弾性体Hが設けられることにより、当該内層部10の剛性が一段と向上する。剛性の上がった内層部10がクローラ縁部Eに形成されているので、クローラ縁部Eの補強効果をさらに向上させることができる。
図5に示す第6実施形態では、図に示すように断面ほぼLの字形状のL型補強層12と、平面形状の平面型補強層13と、さらに、抗張体3の接地面側で当該抗張体3とほぼ平行に配置された第2の補強層14とがクローラ翼部2内にそれぞれ2層ずつ埋設されている。図に示すようにクローラ翼部2の内周面7に沿うところには平面補強層13が、クローラ翼部2の側面9と接地面8に沿うところにはL型補強層12が、それぞれ埋設されている。各L型補強層12は外側部Gと側部Sとからなり、平面補強層13は内側部Nのみからなっている。第2の補強層14は、抗張体3のクローラ本体1(クローラ翼部2)の接地面側で、当該抗張体3と平行かつ3mm以上の間隔をおいて埋設されており、そのクローラ幅方向Yの長さは、抗張体3が埋設されている幅よりも少し長くなっている。
また、L型補強層12、第2の補強層14、抗張体3及び平面補強層13で囲われた内層部10には、前記第5実施形態と同じ素材の高弾性体Hが設けられている。この高弾性体Hは、クローラ中心側からクローラ側方側(クローラ翼部2の端部)へ向かうに従って(図の右側から左側へ向かうに従って)、クローラ翼部2の内周面7側へ向かって広がるようにして設けられている。なお、第2の補強層14は、バイアス方向に配向した多数のスチールコードからなるものである。
図において高弾性体Hは、クローラ翼部2の接地面側からその占める範囲の順に小径部H1、中径部H2、大径部H3として構成されている。このうち小径部H1は、最も小さい範囲を占めておりL型補強層12の側部S及び外側部Gと、第2の補強層14の端部14aに囲まれている。中径部H2は、L型補強層12の側部Sと抗張体3に挟まれており、さらにそのクローラ翼部2の接地面8側で小径部H1より広がった部分が第2の補強層14に覆われている。
大径部H3は、最も大きい範囲を占めており、中径部H2より広がった図の右側部分が平面補強層13と抗張体3とで挟まれている。また、大径部H3の外側部分(図の左側部分)は、小径部H1及び中径部H2よりもクローラ翼部2の側方側へ突き出ており、この突き出た部分が平面補強層13とL型補強層12の側部Sとでその上下方向(クローラ厚み方向)から挟まれている。このように、高弾性体Hが、L型補強層12、第2の補強層14、抗張体3及び平面補強層13で囲われた内層部10に、クローラ中心部からクローラ側方側へ向かうに従ってクローラ翼部2の内周面7側へ広がるように設けられているので、特にクローラ縁部Eの内周面7側の補強効果が格段に向上する。
上述した本発明に係る第5、第6実施形態によれば、補強層4(第5実施形態)や、補強層12、13(第6実施形態)で外囲いされた内層部10に高弾性体Hを設けること等により、弾性クローラCが縁石20に乗り上げた場合、クローラ縁部Eの変形が最小限に抑えられるとともに、その変形部分に力が集中しないので、クローラ縁部Eの亀裂の発生やこれに伴うクローラ縁部Eの切断を確実に防止することができる。
図6に示す第7実施形態は、芯金有りの弾性クローラCに本発明を適用したものである。図に示すように、クローラ翼部2内にはクローラ幅方向Yに延びた芯金15が埋設されており、抗張体3が当該芯金15のクローラ本体1の接地面8側にクローラ周方向(紙面貫通方向)に沿って埋設されている。また、断面ほぼLの字形状のL型補強層16が、クローラ翼部2内に2層埋設されている。このL型補強層16は、クローラ翼部2の側面9に沿う側部Sとクローラ翼部2の接地面8に沿う外側部Gとからなり、当該外側部Gのクローラ中心側の端部付近が芯金15及び抗張体3に重なっている。
L補強層16及びクローラ翼部2の内周面7で外囲いされた内層部10には、前記第5実施形態と同じ素材の高弾性体Hが設けられている。また、芯金先端部15aが、高弾性体H内に導入されるとともに、高弾性体Hの一部H1が、当該芯金先端部15aのクローラ翼部2の内周面7側に乗り上げている。従って、高弾性体Hは、クローラ厚み方向において、芯金15を境にしてクローラ翼部2の接地面8側よりも内周面7の方がその占める範囲が大きくなっている。このように、本発明を芯金有りの弾性クローラCに適用することができ、内層部10に設けられた高弾性体Hがクローラ縁部Eに設けられ、当該クローラ縁部E付近の補強効果を格段に向上することができる。従って、芯金有りの弾性クローラCが縁石20に乗り上げた場合であっても、クローラ縁部Eの変形が最小限に抑えられるとともに、その変形部分に力が集中することがないので、クローラ縁部Eの亀裂の発生やこれに伴うクローラ縁部Eの切断を防止することができる。
なお、上記実施例はすべて例示であって制限的なものではない。例えば、補強層4の断面形状を、クローラ翼部2の内周面7に沿う内側部Nと同側面9に沿う側部Sとで構成した逆Lの字形状としてもよく、内側部Nや外側部Gの長さを変更して抗張体3に重ねる部分を広げることもできる。さらに、内層部10に設ける高弾性体Hの形状や第2の補強層14の長さを変更することもできる。なお、本発明は、芯金レス及び芯金有りの各種の弾性クローラに適用することができる。
第1実施形態の弾性クローラの幅方向断面図である。 (a)は、第2実施形態の弾性クローラの要部断面図であり、(b)は、第3実施形態の弾性クローラの要部断面図である。 第4実施形態の弾性クローラの要部断面図である。 第5実施形態の弾性クローラの要部断面図である。 第6実施形態の弾性クローラの要部断面図である。 第7実施形態の弾性クローラの要部断面図である。 (a)は、従来の弾性クローラ(芯金レス)のクローラ縁部が縁石に押しつけられている状態を示す要部断面図であり、(b)は、従来の弾性クローラ(芯金有り)のクローラ縁部が縁石に押しつけられている状態を示す要部断面図である。
符号の説明
2 クローラ翼部
3 抗張体
4 補強層
7 内周面
8 接地面
9 側面
10 内層部
12、16 L型補強層
13 平面型補強層
14 第2の補強層
G 外側部
S 側部
N 内側部

Claims (6)

  1. 無端帯状に形成されたゴム製の弾性体よりなるクローラ本体と、このクローラ本体内にクローラ周方向に沿って埋設された抗張体と、前記クローラ本体の外周面に一体に形成された複数のラグよりなるラグ群と、を備えた弾性クローラにおいて、
    クローラ本体の内周面、接地面、及びこれらを繋ぐ側面のうち、当該側面を含む少なくとも二面に沿うようにクローラ周方向に向かって形成された補強層が、クローラ本体の縁部に埋設され
    前記補強層によって囲われた内層部に、前記クローラ本体を構成する弾性体よりも硬度の高い高弾性体が設けられていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 前記補強層は、厚織又はスダレ織等の編織生地よりなるとともに、2層以上埋設されている請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. 前記補強層が、クローラ厚さ方向において前記抗張体に重なる部分を有する請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記補強層がクローラ本体の内周面、接地面及び側面に沿う断面ほぼ逆コの字形状とされ、当該内周面とこの内周面に沿う補強層との間の厚み寸法をA、当該接地面とこの接地面に沿う補強層との間の厚み寸法をBとしたとき、A≦Bの関係を満たすように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラ。
  5. クローラ周方向に向かって形成された所要幅を有する第2の補強層が、クローラ厚さ方向において前記補強層に重なる部分を有すると伴に、前記抗張体と平行かつ間隔をおいて埋設されている請求項1〜4のいずれかに記載の弾性クローラ。
  6. 前記高弾性体が、クローラ中心側からクローラ側方側へ向かうに従ってクローラ本体の内周面側へ広がるように設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の弾性クローラ。
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