JP4068936B2 - シートベルトの取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルト取付け構造に関し、特に車内後部に載置される車椅子の着座者に装着するシートベルトの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車内後部に人を乗せた状態の車椅子を載置する車両が開発されており、それに伴って着座者を保持するのためのシートベルトも開発されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−166822号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような車両は、通常、天井面が高く形成されたハイルーフ仕様となっており、ヘッドライニングは車体と一体的に形成されず、内張りとしてシートを張った内装が施される。
そして、車内後部(特にリアハッチ近傍)はフロント部より若干狭くなっており、前記シートを張った際には天井面と側壁面との角部に隙間が生じている。
従って、従来のシートベルトにおいては、前記角部にシートベルトのショルダーアンカーを固定することは実際上困難となっている。
【0005】
そこで、ショルダーアンカーを車内の側壁側に設けることが考えられるが、その場合、シートベルトの着座者の当接位置が低すぎるという問題点があった。
一方、ショルダーアンカーを車内の天井側に設けた場合、シートベルトの着座者の当接位置が高すぎて着座者の首筋に当接し不快感を与えるといった問題や、視界を遮るといった問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、車内後部に載置される車椅子の着座者にフィットして上半身を確実にサポートするシートベルトの取付け構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のシートベルト取付け構造においては、車内後部に載置される車椅子の着座者に装着するシートベルトの取付け構造であって、車内に張ったシートの天井面と側壁面に亘る曲面に沿った形状に形成されて、一端側が車内の天井側に固定され、他端側が車内の側壁側に固定されたブラケットの略中央に前記シートベルトのショルダーアンカーを固定したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1に記載のシートベルト取付け構造において、前記ショルダーアンカーを上下方向位置調整可能に固定したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項1または2に記載のシートベルト取付け構造において、前記ブラケットにシートベルトのリトラクターを固定したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明にあっては、請求項1〜3のうちいずれかに記載のシートベルト取付け構造において、前記シートベルトが三点式シートベルトであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施の形態のシートベルトAの取付け構造を説明する図、図2はシートベルトAを装着した状態を説明する図、図3はブラケット15を示す斜視図、図4はプレートPの取付け状態を示す斜視図である。
【0013】
図1,2に示すように、本実施の形態のシートベルトの取付け構造は、車内後部にアーム格納式リフター1を備えるワンボックタイプの車両に適用したものである。
前記アーム格納式リフター1は車椅子の昇降装置であって、人を乗せた車椅子2をプラットホーム3に載置して、このプラットホーム3を車両後部の略中央に昇降させるものである。
【0014】
前記車内の天井4は、通常の車両よりも高く形成されるハイルーフ仕様となっており、内装は内張りとしてシート(図示せず)が張られている。
さらに、車内の車幅スペースは後部が(特にハッチバック近傍)がフロント部に比べて若干狭くなっており、ハッチバックH近傍の天井4側と側壁5側との角部6には前記シートに隙間が生じている。
そして、車内後部のハッチバックH近傍には、プラットホーム3に載置された車椅子2の着座者に装着するためのシートベルトAが設けられている。
【0015】
以下、シートベルトAについて詳述する。
図1,2に示すように、シートベルトAは三点式シートベルトであって、腰ベルト10と、肩ベルト11と、ショルダーアンカー12と、リトラクター13と、ブラケット15と、を主要な構成としている。
【0016】
前記腰ベルト10は、車椅子2の着座者の腰部を保持するためのものであって、アーム格納式リフター1の左側方部に固定される腰ベルト10aのタングプレートT1を、アーム格納式リフター1の右側方部に固定される腰ベルト10bのバックルB1の接続口(図示せず)に挿入することによりタングプレートT1の先端がバックルB1にロックされて固定されるようになっている。
また、腰ベルト10aは途中で2分割され、この分割された先端には後述する肩ベルト11を接続するためのバックルB2が設けられている。
【0017】
前記肩ベルト11は車椅子2の着座者の上半身を保持するためのものであって、一端側はタングプレートT2が設けられると共に、このタングプレートT2を前記バックルB2の接続口(図示せず)に挿入することによりタングプレートT2の先端がバックルB2にロックされて固定されるようになっている。
肩ベルト12の他端側は、図3に示すように、ショルダーアンカー12を介してリトラクター13に券回されている。
【0018】
前記ショルダーアンカー12は、リトラクター13に整然と肩ベルト11を券回させるガイドの役割と果たすとともに、肩ベルト11の着座者の当接位置を決定する役目も果たしている。
また、前記ショルダーアンカー12は、後述するスライドレール14に摺動自在に固定され、上下方向位置調整可能に形成されている。
さらに、前記ショルダーアンカー12及びリトラクター13はブラケット15に取付けられている。
【0019】
以下、図3,4に基づいてブラケット15について詳述する。
図に示すように、ブラケット15は、略コ字状の金属製のプレートPを天井4から側壁5に亘る面に沿った形状のカバー17で覆われて構成されている。
前記プレートPの上端側は3箇所のボルト18で天井4に固定され、下端側は4箇所のボルト19で側壁5に固定されている。
また、前記プレートPの略中央には上下方向に長く形成されるスライドレール14と、このスライドレール14に摺動自在に固定され、かつ、前記ショルダーアンカー12と固定される摺動部材20が設けられている。
なお、21はリトラクター13の取付け用ボルト穴、22aはプレートPのネジ穴22bに蝶合させるカバー取付け用ネジである。
従って、ショルダーアンカー12は車内の天井4側と側壁5側の角部6に位置し、スライドレール14上の範囲で上下方向位置調整可能な状態で車両に取付けられている。
【0020】
次に、本実施の形態のシートベルトAの着脱動作について説明する。
シートベルトAを車椅子の着座者に装着する際には、先ず、アーム格納式リフター1のプラットホーム3に着座者を乗せた状態の車椅子2を車内後部略中央に載置させる。
なお、車椅子2とプラットホーム3とは図示しない車椅子固定装置よって固定されている。
次に、補助者などが腰ベルト10を着座者の腰に廻してタングプレートT1とバックルB1とを固定させる。
続いて、肩ベルト11を着座者の肩部付近に当接するように廻してタングプレートT2とバックルB2とを固定してシートベルトAの装着を終了する。
このとき、ショルダーアンカー12を適宜上下方向に移動させて、肩ベルト11が着座者にフィットするように調整する。
なお、シートベルトAの取り外しは各々のバックルB1,B2に設けられる図示しない解除ボタンを押してタングプレートT1,T2を外しながら前述と逆の順番で行う。
【0021】
以上、本発明の車両用車椅子昇降装置を説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、本実施の形態で説明したブラケット15を構成するプレートPやカバー17の厚み、材質、色、設置数については適宜設定できる。
【0022】
また、リトラクター13にプリテンショナー機構を設けても良い。
さらに、ショルダーアンカー12の上下方向位置調整は、任意の位置で固定する構成、段階的に固定できる構成のどちらを採用しても構わない。
【0023】
【発明の効果】
以上、本発明の請求項1記載のシートベルト取付け構造においては、上述したように構成したため、車体と堅固に固定されたブラケットにシートベルトのショルダーアンカーを固定することができる上、シートベルトが車椅子の着座者に最適な当接位置でフィットし、確実に着座者を保持することができる。
従って、従来のようにシートベルトが着座者の首に当接することで不快感を与えたり視界を遮る虞もない。
【0024】
また、ブラケットが車内の天井面と側壁面に亘る曲面に沿った形状に形成されることにより、車内に不恰好な凸部が形成されず、省スペース化も図れる。
【0025】
請求項2に記載のシートベルト取付け構造においては、ショルダーアンカーの上下方向位置を細かく調整でき、個々の車椅子や着座者に対応できる。
【0026】
請求項3に記載のシートベルト取付け構造においては、ブラケットにシートベルトのリトラクターが固定されることにより、リトラクターが堅固に固定されるし、ブラケット、ショルダーアンカー、リトラクターの組み付け作業を一連の作業で効率良く行うことができる。
【0027】
請求項4に記載のシートベルト取付け構造においては、シートベルトが三点式シートベルトであることにより着座者の上半身に加えて下半身も確実に保持でき、着座者の安全性をより向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシートベルトAの取付け構造を説明する図である
【図2】シートベルトAを装着した状態を説明する図である。
【図3】ブラケット15近傍を示す斜視図である。
【図4】プレートPの取付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
A シートベルト
H ハッチバック
T1,T2 タングプレート
B1,B2 バックル
P プレート
1 アーム格納式リフター
2 車椅子
3 プラットホーム
4 天井
5 側壁
6 角部
10、10a、10b 腰ベルト
11 肩ベルト
12 ショルダーアンカー
13 リトラクター
14 スライドレール
15 ブラケット
17 カバー
18、19 ボルト
20 摺動部材
21 取付け用ボルト穴
22a カバー取付け用ネジ
22b ネジ穴
Claims (4)
- 車内後部に載置される車椅子の着座者に装着するシートベルトの取付け構造であって、
車内に張ったシートの天井面と側壁面に亘る曲面に沿った形状に形成され、一端側が車内の天井側に固定され、他端側が車内の側壁側に固定されたブラケットの略中央に前記シートベルトのショルダーアンカーを固定したことを特徴とするシートベルトの取付け構造。 - 請求項1に記載のシートベルト取付け構造において、前記ショルダーアンカーを上下方向位置調整可能に固定したことを特徴とするシートベルトの取付け構造。
- 請求項1または2に記載のシートベルト取付け構造において、前記ブラケットにシートベルトのリトラクターを固定したことを特徴とするシートベルトの取付け構造。
- 請求項1〜3のうちいずれかに記載のシートベルト取付け構造において、前記シートベルトが三点式シートベルトであることを特徴とするシートベルトの取付け構造。
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- 2002-09-27 JP JP2002284267A patent/JP4068936B2/ja not_active Expired - Lifetime
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