JP4068856B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、さらに詳しくは、撮影者に適正モードへの警告を促す撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、通常撮影モードとマクロ撮影モードを切り替え釦等で切り替えるマクロ機能付きカメラがある。これは、撮影者が予め被写体までの距離を目測し、どちらのモードを使用するかどうかを判断し、切り替え釦でモードを切り替えて撮影を行うものである。この撮影方法において、例えば、通常撮影モードを選択して被写体を撮影する場合に、被写体距離が通常撮影距離よりも近距離側、つまりマクロ撮影領域にある場合、撮影範囲外であることを示す範囲外警告が表示される。この範囲外警告が出された場合、撮影者は範囲外ということで被写体距離が範囲内に収まるように距離をとり直すことになり、せっかくマクロ撮影モードという機能があるにも関わらず、この機能を有効に使えないということになる。
また、被写体がマクロ領域にある場合は、自動的にマクロ撮影モードに切り替えて撮影動作を行うというカメラもある。しかし、自動的にマクロ撮影モードに切り替える場合では、撮影する意志がなくともマクロ領域を測距する度に自動的にマクロ撮影モードに切り替えるため、煩わしく、またそれにより消費電流も多く消費するという問題がある。
さらに、従来技術として、特許第2750598号公報には、マクロモード切り換え操作によりズームモードからマクロモードへの切り換えが可能で、測距情報に基づきマクロ撮影モードとズームモードとのいずれの場合も自動的に合焦を行って、シャッタボタン操作により撮影を行うマクロ機能付き電子制御カメラの改良に関する技術について開示されている。また、特許第2767109号公報には、手動スイッチ操作によりマクロ撮影モードと通常撮影モードとが切り換え可能で、測距情報に基づきマクロ撮影モードと前記通常撮影モードとのいずれの場合も自動的に合焦を行って、撮影を行うマクロ撮影・通常撮影機能付き電子制御カメラの改良に関する技術について開示されている。しかし、これら従来技術は、何れの場合も、手動スイッチ操作によりマクロ撮影モードと通常撮影モードとを切り換えるため、必ずしも切り替えたモードが最適なシーンとなるとは限らず、操作者の意思を反映することが難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題に鑑み、通常撮影モードにて被写体位置がマクロ領域にある場合、または、マクロ撮影モードにて被写体位置が通常領域にある場合に、撮影者に適正モードへの切り替えを警告メッセージにて促すことにより、最適な撮影モードにて撮影することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、被写体距離が第1の所定範囲内に位置する被写体を合焦対象とする第1撮影モードと、被写体距離が前記第1の所定範囲内よりも近距離側である第2の所定範囲内に位置する被写体を合焦対象とする第2撮影モードと、前記第1撮影モードと前記第2撮影モードとを切り替える切り替え部材と、第1段階である半押し状態で被写体に対する合焦動作を行うよう指示し、第2段階である全押し状態で撮影用の露光を行うよう指示する2段階の状態を有する撮影釦と、を備え、前記切り替え部材により設定された撮影モードに対応した所定範囲内において合焦動作を行った結果、所定範囲内に合焦できなかった場合に、所定範囲内に合焦できなかった旨を表示し、当該表示が行われている状態で前記撮影釦の半押し状態所定時間継続されることにより、前記切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えることを特徴とする。
【0005】
請求項2は、前記撮影部材の操作により、前記切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えた後に、前記他方の撮影モードに対応した所定範囲内において、再度、合焦動作を行うことを特徴とする。
【0006】
請求項3は、所定範囲内に合焦できなかった場合に、他方の撮影モードに切り替える警告を表示することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の一例として、デジタルカメラの回路構成を示す図である。この構成は、被写体の光学画像を取り込む撮影レンズ系10と絞り・シャッター系11があり、撮影レンズ系10には、ズームレンズ12、駆動モータ13、及びモータドライバ14からなる光学ズーム部15、フォーカスレンズ16、駆動モータ17、及びモータドライバ18からなるフォーカス部19を有し、絞り・シャッター系11には、絞り・シャッター20、駆動モータ21、及びモータドライバ22を有する。そして、各モータドライバ14、18、22は、センサ(図示省略)のセンシング入力や操作部33の操作入力に基づくCPU30からの駆動指令により駆動制御される。また、CCD34及びフロントエンドチップ35が順に接続され、これら両者に信号発生器36がそれぞれ接続されている。ここで、CCD34は、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であり、フロントエンドチップ(F/D)35は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリング(CDS)機能、利得調整・補正用AGC機能、ディジタル信号変換用A/D変換機能を有し、信号発生器(SG)36は、CPU30によって制御されるCCD34及びフロントエンド35のタイミング信号発生器である。
【0011】
更に、フロントエンドチップ35の後段にあって、DRAM37が接続されたIPP(Image Pre Processor)38を備え、順にJPEGコーダ39、メモリカード40が接続される。そして、IPP38とDRAM37との間、IPP38とJPEGコーダ39との間、及びJPEGコーダ39とメモリカード40との間のみならず、これらIPP38、JPEGコーダ39、メモリカード40とCPU30及び液晶モニタ41との間でも、それぞれバスにつながれて相互に信号データの授受が行われる。ここで、IPP38は、画像変換演算器であり、フロントエンドチップ35から入力されたディジタル画像信号をRGB色表現のディジタルカラー映像信号に変換し、次いでYUV色表現のディジタルカラー映像信号に変換する機能を有する。DRAM37は、画像信号あるいは映像信号のデータをIPP38との間でストアあるいはロードするためのメモリである。なお、ディジタルズーム機能は、このIPP38による変換に際して、CPU30からの指令により一部分のみの画像のみを変換することによって実行される。
また、JPEGコーダ39は、カラー映像信号から色変更成分及び高周波成分をカットする画像圧縮、伸張機能を有し、メモリカード40は、圧縮後のカラー映像信号の記憶装置である。表示部は、画像処理された画像を画面に表示する液晶モニタ41、及び別途CPU30からの情報を表示するサブ液晶表示装置42を有する。また、CPU30の操作入力装置として操作部33を有する。なお、図1にあって、電源装置5はDC/DCコンバータ50に電池51及びACアダプタ52が接続される構成となっている。
【0012】
次に、図1と図2のフローチャートを併せて参照しながら、本発明の動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るAF動作後の動作を示すフローチャートである。まず、レリーズスイッチ(撮影釦)を半押しすることにより、AF動作が開始される(S1)。AF動作は、山登り方式のCCD−AFであり、撮影レンズを介し被写体像が結像されるCCD34から出力される画像信号のコントラストを示すAF評価値が最大になうようにフォーカスレンズ16を移動させる。このAF結果が現在設定されている撮影モードの撮影範囲内かどうかの判定を行い(S2)、AF評価値が最大となる合焦位置が発見できない撮影範囲外の場合、撮影モードの判定を行い(S3)、現在設定されているモードが通常撮影モードの場合は、液晶ディスプレイにマクロ撮影モードへの切り替えを行う旨のメッセージ表示を行う(S4)。ステップS2でAF結果が範囲内であれば、該メッセージ表示は行わない。また、ステップS3で、現在設定されているモードがマクロ撮影モードの場合、通常領域の判定を行い(S8)、AF評価値の結果により合焦位置が通常領域内にありそうな場合は、液晶ディスプレイに通常撮影モードへの切り替えを行う旨(マクロ解除警告)のメッセージ表示を行う(S9)。ステップS8でAF評価値の結果により合焦位置がマクロ撮影モード範囲内よりも至近側にありそうであれば、マクロ近距離警告表示を行う(S10)。次に、ステップ3でマクロ撮影モードの場合で、AF結果が通常領域内の場合で、かつ、AF動作後のレリーズスイッチの半押し状態が1秒以上経過した場合に(S5)、マクロ解除処理を行い通常撮影モード設定動作に入る(S6)。また、ステップS3で通常撮影モードの場合で、AF結果がマクロ領域内の場合で、かつ、AF動作後のレリーズスイッチの半押し状態が1秒以上経過した場合に(S5)、マクロ撮影モード設定動作に入る(S6)。前記、設定動作後で、レリーズスイッチの半押し状態が継続されてる場合は(S7)、ステップS1に戻って、再度AF動作を開始する。レリーズスイッチが離されている場合はレリーズオフ処理を行いAF動作は開始しない(S11)。
【0013】
図4は、図2でのステップS6のマクロ設定あるいは解除処理の動作を示すフローチャートである。まず、撮影モードの判定を行い(S20)、通常撮影モードの場合で、マクロ撮影モード設定をおこなうには、フォーカス位置をマクロのCCD−AFの開始位置に移動させる(S21)。さらに、液晶ディスプレイ上にはマクロ撮影モードに切り替わったことを示すためのマクロマークを表示させる(S22)。また、ステップS20でマクロ釦を押した場合、現在の撮影モードがマクロモードの場合は、通常撮影モード設定動作に入る。通常撮影モード設定では、フォーカス位置を通常のCCD−AFの開始位置に移動させる(S23)。さらに、液晶ディスプレイ上には通常撮影モードに切り替わったことを示すためにマクロマークを消灯させる(S24)。
以上のように、液晶モニタ41にこの警告が表示された場合は、基本的にはモードを切り替えたほうが適正な撮影が可能であると判断されるので、所定の条件下でモード切替を行うことも一つの手段である。それにより、煩わしい操作が省略でき操作性が向上することになる。また、自動的にモードを切替えるようになっている場合は、撮影者の意思を反映できるようにすることが重要である。つまり、警告表示が出された場合、カメラの指示に従うという意思が撮影者にあれば、撮影ボタンを所定の時間(例えば、1秒以上)押しつづけてその意思を表示するようにする。これにより、カメラが自動的に側距して失敗の少ない撮影が可能となる。このように、カメラが自動的にマクロ撮影モード若しくは通常撮影モードであると判断し、モードがどちらかに切り替った後、その状態での被写体までの距離を測距する必要があるので、撮影ボタンが継続して半押しの場合は、再度測距動作を行うようにすれば、各撮影モードでの正しい測距を行うことができる。
【0014】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るAF動作後の動作を示すフローチャートである。図1と併せて参照しながら説明する。まず、レリーズスイッチ(撮影釦)を半押しすることにより、AF動作が開始される(S30)。AF動作は、山登り方式のCCD−AFであり、撮影レンズを介し被写体像が結像されるCCD34から出力される画像信号のコントラストを示すAF評価値が最大になうようにフォーカスレンズ16を移動させる。このAF結果において、現在設定されている撮影モードの撮影範囲内に合焦位置が発見できるかどうかの判定を行い(S31)、合焦位置が発見できない撮影範囲外の場合、撮影モードの判定を行い(S32)、現在設定されているモードが通常撮影モードの場合は、液晶ディスプレイにマクロ撮影モードへの切り替えを行う旨のメッセージ表示を行う(S33)。ステップS31でAF結果が範囲内であれば、該メッセージ表示は行わない。また、ステップS32で、現在設定されているモードがマクロ撮影モードの場合、通常領域の判定を行い(S34)、AF評価値の結果により合焦位置が通常領域内にありそうな場合は、液晶ディスプレイに通常撮影モードへの切り替えを行う旨(マクロ解除警告)のメッセージ表示を行う(S35)。ステップS34でAF評価値の結果により合焦位置がマクロ撮影モード範囲内よりも至近側にありそうであれば、マクロ近距離警告表示を行う(S36)。
以上のように、マクロ機能を備えたデジタルカメラにおいては、被写体までの距離を正確に測定することが必要である。この手段として赤外線センサや超音波センサにより距離を測定することが行われている。そして、比較的遠距離の被写体までの距離を測距する通常撮影モードと、それよりも近距離側にある距離を測距するマクロ撮影モードがある。さらに、これらのモードの何れかを選択する切替え手段と、半押しと全押しの状態を有する撮影ボタンを備えることにより、通常撮影モードで測距した結果、マクロ撮影領域にあると判断した場合で、かつ、撮影ボタンが半押しの場合、操作者にマクロ撮影モードに切替えることを促すことにより、適正な撮影が可能であることを警告する。また、その逆の場合、つまり、マクロ撮影モードで測距した結果、通常撮影領域にあると判断した場合で、かつ、撮影ボタンが半押しの場合、操作者に通常撮影モードに切替えることを促す場合もある。
また、このときのマクロ撮影若しくは通常撮影モードへの切り替えを促す警告表示を、モニタ用の液晶ディスプレイ41(LCD)にメッセージ形式で警告することにより、撮影者にわかりやすくしたものであり、例えば「マクロ被写体です。マクロモードに設定してください。」のように表示すれば、撮影者に警告内容を明確に知らせることができる。さらに、警告表示しても撮影者が気が付かなければ意味がないので、LCDの表示を点滅することにより、より撮影者に気づかせることが容易となる。
また、撮影ボタンを半押しの状態で、警告表示が出された場合、撮影者はその警告に従ってモードを変更するとは限らない。つまり、その警告表示を解除して撮影者の意思によりシーンを構成することもある。言い換えれば、それを行うには警告を解除する手段が必要である。その一つの方法として撮影ボタンを半押し状態から離すことにより、警告を解除することである。これにより、撮影者の意思に基づいたシーンを撮影することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、切り替え部材により設定された撮影モードに対応した所定範囲内において合焦動作を行った結果、所定範囲内に合焦できなかった場合に、撮影部材の操作により、切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えるので、煩わしい操作が省略でき操作性が向上する。
また請求項2では、撮影部材の操作とは、前記撮影部材の状態を第 1 段階で所定時間継続することであるので、被写体に対する合焦動作を確実に行うことができる。
また請求項3では、撮影部材の操作により、切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えた後に、他方の撮影モードに対応した所定範囲内において、再度、合焦動作を行うので、撮影モードを切り替えた後でも正確に被写体に合焦することができる。
また請求項4では、所定範囲内に合焦できなかった場合に、他方の撮影モードに切り替える警告を表示するので、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の一例として、デジタルカメラの回路構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るAF動作後の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るAF動作後の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明のマクロ設定あるいは解除処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 撮影レンズ、30 CPU、34 CCD、38 IPP、39 JPEG、41 液晶モニタ

Claims (3)

  1. 被写体距離が第1の所定範囲内に位置する被写体を合焦対象とする第1撮影モードと、
    被写体距離が前記第1の所定範囲内よりも近距離側である第2の所定範囲内に位置する被写体を合焦対象とする第2撮影モードと、
    前記第1撮影モードと前記第2撮影モードとを切り替える切り替え部材と、
    第1段階である半押し状態で被写体に対する合焦動作を行うよう指示し、第2段階である全押し状態で撮影用の露光を行うよう指示する2段階の状態を有する撮影釦と、を備え、
    前記切り替え部材により設定された撮影モードに対応した所定範囲内において合焦動作を行った結果、所定範囲内に合焦できなかった場合に、所定範囲内に合焦できなかった旨を表示し、当該表示が行われている状態で前記撮影釦の半押し状態所定時間継続されることにより、前記切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮影部材の操作により、前記切り替え部材により設定されている撮影モードから他方の撮影モードに切り替えた後に、前記他方の撮影モードに対応した所定範囲内において、再度、合焦動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 所定範囲内に合焦できなかった場合に、他方の撮影モードに切り替える警告を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
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