JP4068564B2 - 電子放出素子及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子放出素子及びこれを用いた表示装置に関し、特に電子放出素子の複数を例えばマトリクス状などの画像表示配列にしたフラットパネルディスプレイ装置に関する。
従来からフラットパネルディスプレイ装置として電界電子放出素子(FED)が、陰極の加熱を必要としない冷陰極の電子放出源のアレイを備えた平面形発光ディスプレイとして知られている。例えば、スピント(spindt)形冷陰極を用いたFEDの発光原理は、冷陰極アレイが異なるものCRT(陰極線管)と同様に、陰極から離間したゲート電極により電子を真空中に引出し、透明陽極に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させるものである。
しかしながら、この電界放出源は、微細なスピント型冷陰極の製造工程が複雑で、その工程数が多いので、製造歩留りが低いといった問題がある。
また、面電子源として金属−絶縁体−金属(MIM)構造の電子放出素子がある。このMIM構造の電子放出素子は、基板上に陰極としてのAl層、膜厚10nm程度のAl23絶縁体層、膜厚10nm程度の陽極としてのAu層を順に形成した構造を有するものがある。これを真空中で対向電極の下に配置して下部Al層と上部Au層の間に電圧を印加するとともに対向電極に加速電圧を印加すると、電子の一部が上部Au層から真空中へ飛び出し対向電極に達する。この発光素子でも電子を対向電極に塗布された蛍光体に衝突させて、発光させる。
しかしながら、MIM構造の電子放出素子を用いてもまだ放出電子の量は十分とはいえない。
これを改善するために、従来のAl23絶縁体層の膜厚を数nm程度薄膜化したり、極薄膜のAl23絶縁体層の膜質及びAl23絶縁体層と上部Au層の界面を、より均一化することが必要であると考えられている。
一般に、絶縁体層の膜厚が数十nm〜数μmと厚いMIMまたはMIS型電子放出素子は、単純に素子を製造しただけでは電子放出は得られない。いわゆるフォーミング処理が必要であり、この処理は制御性が非常に悪く、素子を安定的に再現性良く製造することが難しい。また、フォーミングサイトは電極面内に偶発的に成長するという特性があるため、電子放出の起点(電子放出源)の特定ができない。すなわち素子表面に均一に電子放出の起点を形成することができないので、電子放出パターンの均一性は著しく悪いものとなってしまう。
また、他の電子放出素子として、絶縁基板上に設けられた対向電極間に導電性薄膜を架設して通電処理により、亀裂からなる電子放出部を導電性薄膜内に設ける表面伝導型電子放出素子がある。この亀裂は導電性薄膜を局所的に破壊、変質又は変形させたものであり、このため電子放出部内部の均一性や形状の再現性が悪い、電子放出部の形状が線状に限定されてしまうなどの問題がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、低い電圧で安定して電子放出することのできる電子放出素子及びこれを用いたフラットパネルディスプレイ装置などの表示装置を提供することを目的とする。
本発明の電子放出素子は、珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる非結晶相の電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層、及び前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界が印加されたとき電子を放出する電子放出素子であって、
前記絶縁体層はその膜厚が漸次減少する少なくとも1つの島領域を有していること、
前記島領域の上部若しくは下部又は内部に、炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域が設けられていること、及び
前記島領域の最小膜厚部または最小膜厚部の近傍の前記電子供給層において、その珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物の結晶相からなる結晶領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域が電子放出部となっていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記結晶領域は前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間での通電とその後の冷却により前記非結晶相の電子供給層が結晶化されて形成されたことを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記結晶領域はp型半導体である珪素とn型半導体である珪素との領域を有していることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記島領域の上部若しくは前記金属薄膜電極上に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電圧が印加されつつ前記島領域上に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、印加された前記電圧は、上昇及び下降する電圧印加期間により間欠的に供給されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記金属薄膜電極内に分散されていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記金属薄膜電極下に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記絶縁体層下に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記金属薄膜電極は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記炭素領域は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記絶縁体層は誘電体からなり、前記島領域以外では50nm以上の膜厚を有することを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域における前記金属薄膜電極が前記絶縁体層上で終端していることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域における前記絶縁体層が前記電子供給層上で終端していることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域は前記金属薄膜電極及び前記絶縁体層の平坦表面における凹部であることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域において微粒子を備えていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子においては、前記島領域において、前記基板の法線方向に突出しかつその上部に前記基板に平行な方向に突出するオーバーハング部を有する逆テーパブロックを備えていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法は、電子供給層と、前記電子供給層上に形成された絶縁体層と、前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極と、前記絶縁体層の膜厚が漸次減少する少なくとも1つの島領域と、前記島領域の上部もしくは下部又は内部に配置された炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域と、前記島領域の最小膜厚部または最小膜厚部の近傍における前記電子供給層の結晶相からなる結晶領域と、からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界が印加されたとき電子を放出する電子放出素子の製造方法であって、
珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる電子供給層を基板上に形成する電子供給層形成工程と、
各々が前記電子供給層上に接触する部分周りに影を形成する遮蔽体を前記電子供給層上に形成する遮蔽体形成工程と、
前記電子供給層及び前記遮蔽体上に絶縁体を堆積させ、絶縁体の薄膜からなる絶縁体層を、前記遮蔽体下の接触する部分周囲の前記絶縁体層の膜厚が漸次減少する島領域となるように、形成する絶縁体形成工程と、
前記絶縁体層上に金属薄膜電極を成膜して、前記島領域を電子放出部として形成する金属薄膜電極形成工程と、
前記島領域の上部もしくは下部又は内部に炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域を形成する炭素領域形成工程と、
前記電子供給層と前記金属薄膜電極との間に通電をして、前記島領域の最小膜厚部または最小膜厚部の近傍の前記電子供給層内に前記珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物の結晶相からなる結晶領域を形成する結晶領域形成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記金属薄膜電極形成工程の直後に前記遮蔽体を除去する遮蔽体除去工程を含み、前記炭素領域を設ける工程は前記遮蔽体除去工程の直後に実行され、前記炭素領域が前記金属薄膜電極上に積層された薄膜として形成されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記炭素領域を設ける工程において、前記電子供給層と前記金属薄膜電極との間に電圧を印加しつつ炭素領域の薄膜を積層することを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、印加された前記電圧は、上昇及び下降する電圧印加期間により間欠的に供給されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記絶縁体形成工程の直後に前記遮蔽体を除去する遮蔽体除去工程を含み、前記炭素領域を設ける工程は前記金属薄膜電極形成工程の中に実行され、前記炭素領域が前記金属薄膜電極内に分散されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記炭素領域を設ける工程は前記金属薄膜電極形成工程の直後に実行され、前記炭素領域が前記金属薄膜電極上に積層された薄膜として形成されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記炭素領域を設ける工程は前記金属薄膜電極形成工程の直前に実行され、前記炭素領域が前記金属薄膜電極下に積層された薄膜として形成されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記炭素領域を設ける工程は前記絶縁体形成工程の直前に実行され、前記炭素領域が前記絶縁体層下に積層された薄膜として形成されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記金属薄膜電極形成工程の直後に前記遮蔽体を除去する遮蔽体除去工程を含み、前記炭素領域を設ける工程は前記遮蔽体除去工程の直後に実行され、前記炭素領域が前記金属薄膜電極上に積層された薄膜として形成されることを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記炭素領域を設ける工程の直後、前記金属薄膜電極形成工程の直後又は前記遮蔽体除去工程の直後に、前記結晶領域形成工程を含むことを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記遮蔽体は微粒子であり、前記遮蔽体形成工程において前記微粒子を前記電子供給層上に散布する工程を含むことを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記遮蔽体は、各々が前記基板の法線方向に突出しかつその上部に前記基板に平行な方向に突出するオーバーハング部を有する電気絶縁性の逆テーパブロックであり、前記遮蔽体形成工程において、前記基板上に逆テーパブロック材料層を成膜し、その上にフォトリソグラフィ法によって少なくとも前記電子供給層の一部分を露出せしめるレジストマスクを形成し、ドライエッチング法又はウエットエッチング法によって前記オーバーハング部を有する逆テーパブロックを食刻する工程を含むことを特徴とする。
本発明の電子放出素子製造方法においては、前記結晶領域の面積は前記島領域より小であることを特徴とする。
本発明の表示装置は、真空空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、
前記第1基板に設けられた複数の電子放出素子と、
前記第2基板内に設けられたコレクタ電極と、
前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示装置であって、
前記電子放出素子の各々は、珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる非結晶相からなりかつオーミック電極上に形成された電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層、及び前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなること、
前記絶縁体層はその膜厚が漸次減少する電子放出部となる少なくとも1つの島領域を有していること、
前記島領域の上部若しくは下部又は内部に炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域が設けられていること、及び
前記島領域の最小膜厚部または最小膜厚部の近傍の前記電子供給層において、その珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物の結晶相からなる結晶領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記結晶領域の面積は前記島領域より小であり、前記結晶領域は前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間での通電とその後の冷却により前記非結晶相の電子供給層が結晶化されて形成されたことを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記島領域の上部若しくは前記金属薄膜電極上に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電圧が印加されつつ前記島領域上に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、印加された前記電圧は、上昇及び下降する電圧印加期間により間欠的に供給されることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記金属薄膜電極内に分散されていることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記金属薄膜電極下に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記絶縁体層下に積層された薄膜であることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記金属薄膜電極は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記炭素領域は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記絶縁体層は誘電体からなり、前記島領域以外では50nm以上の膜厚を有することを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記島領域における前記金属薄膜電極が前記絶縁体層上で終端していることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記島領域における前記絶縁体層が前記電子供給層上で終端していることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記島領域は前記金属薄膜電極及び前記絶縁体層の平坦表面における凹部であることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記島領域において微粒子を備えていることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記島領域において、前記基板の法線方向に突出しかつその上部に前記基板に平行な方向に突出するオーバーハング部を有する逆テーパブロックを備えていることを特徴とする。
本発明の表示装置においては、前記金属薄膜電極の複数の上にバスラインが形成され、前記オーミック電極及び前記バスラインはそれぞれストライプ状の電極でありかつ互いに直交する位置に配列されていることを特徴とする。
本発明の電子放出素子は、珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる非結晶相の電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層、及び前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界が印加されたとき電子を放出する電子放出素子であって、
前記絶縁体層はその膜厚が漸次減少する電子放出部となる少なくとも1つの島領域を有していること、
前記島領域の上部若しくは下部又は内部に、炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域が設けられていること、及び
前記金属薄膜電極は珪素より高い融点を持つ金属、合金、及び導電性を有する化合物からなること、を特徴とする。
以上の構成により、本発明の電子放出素子によれば、絶縁体層及び金属薄膜電極の界面が延在する方向において各々それらの膜厚が漸次減少する複数の島領域と、その上部若しくは下部又は内部に設けられた炭素又は炭素化合物からなる炭素領域と、を有し、島領域の底部の電子供給層において、結晶相からなる結晶領域を備えているので、その島領域から放出される電子の量が増加する。
さらに、本発明の電子放出素子では、その島領域以外の絶縁体層は厚い膜厚を有するので、スルーホールが発生しにくくなり、製造歩留まりが向上する。また、本発明の電子放出素子は、画素バルブの発光源、電子顕微鏡の電子放出源、真空マイクロエレクトロニクス素子などの高速素子に応用でき、さらに面状又は点状の電子放出ダイオードとして、さらには高速スイッチング素子として動作可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(電子放出素子)
図1は、ガラスの素子基板10上に、オーミック電極11、電子供給層12、絶縁体層13、金属薄膜電極15が順に積層された積層構造の実施形態の電子放出素子Sを示す。オーミック電極11は、例えばアルミニウム(Al)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、銅(Cu)、クロム(Cr)などからなる。電子供給層12はシリコン(Si)又はSiを主成分とする混合物若しくはその化合物などのアモルファス相の半導体からなる。絶縁体層13はSiOx(X=0.1〜2.2)などの誘電体からなる。金属薄膜電極15はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)などの金属からなる。電子放出素子Sにおいて、絶縁体層13及び金属薄膜電極15には、それらの膜厚がその中央に向け共に漸次減少する島領域14が形成されている。図1に示すように、例えば、島領域14は金属薄膜電極15の平坦表面における凹部として形成されている。
電子放出素子Sはその上部の少なくとも凹部の島領域14上に炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域40が成膜され、島領域14の底部の電子供給層において、電子供給層12の材料の結晶相からなり島領域14より小さい面積を有する結晶領域50を有する電子放出部でもって構成される。結晶領域50は、通電時に発生するジュール熱を利用して、電子供給層12のあらかじめ形成しておいた非結晶相から結晶化させて、島領域14の底部の電子供給層12の一部を結晶相にしたものである。
炭素領域40の材料として無定形炭素、グラファイト、カルビン、フラーレン(C2n)、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノプレート、ダイヤモンド、などの形態の炭素、或いは、ZrC、SiC、WC、MoCなどの炭素化合物が有効である。
絶縁体層13は誘電体からなり、その平坦部は50nm以上の極めて厚い膜厚を有する。これらの層は、スパッタリング法を用いてガス圧0.1〜100mTorr好ましくは0.1〜20mTorr、成膜レート0.1〜1000nm/min好ましくは0.5〜100nm/minのスパッタ条件で成膜される。
絶縁体層13及び金属薄膜電極15には、凹部14、すなわち、それらの膜厚がその中央に向け共に漸次減少する島領域14が形成されている。図1に示すように、島領域14は金属薄膜電極15の平坦表面における円形凹部として形成され島領域14上に炭素領域40が積層されている。島領域14においては、金属薄膜電極15が絶縁体層13上の縁部Aで終端している。また、島領域14における絶縁体層13は電子供給層12上の縁部Bで終端している。炭素領域40は金属薄膜電極15、絶縁体層13及び電子供給層12を覆っている。
電子放出素子の電子供給層12の材料としてはスパッタ法やCVD法により成膜したIIIb族あるいはVb族の元素をドープしたアモルファスシリコン(a−Si)が特に有効であるが、a−Siのダングリングポンドを水素(H)で終端させた水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)、さらにSiの一部を炭素(C)で置換した水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)や、Siの一部を窒素(N)で置換した水素化アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN:H)などの化合物半導体も用いられる。
絶縁体層13の誘電体材料としては、酸化珪素SiOx(xは原子比を示す)が特に有効であるが、
LiOx、LiNx、NaOx、KOx、RbOx、CsOx、BeOx、MgOx、MgNx、CaOx、CaNx、SrOx、BaOx、ScOx、YOx、YNx、LaOx、LaNx、CeOx、PrOx、NdOx、SmOx、EuOx、GdOx、TbOx、DyOx、HoOx、ErOx、TmOx、YbOx、LuOx、TiOx、ZrOx、ZrNx、HfOx、HfNx、ThOx、VOx、VNx、NbOx、NbNx、TaOx、TaNx、CrOx、CrNx、MoOx、MoNx、WOx、WNx、MnOx、ReOx、FeOx、FeNx、RuOx、OsOx、CoOx、RhOx、IrOx、NiOx、PdOx、PtOx、CuOx、CuNx、AgOx、AuOx、ZnOx、CdOx、HgOx、BOx、BNx、AlOx、AlNx、GaOx、GaNx、InOx、SiNx、GeOx、SnOx、PbOx、POx、PNx、AsOx、SbOx、SeOx、TeOxなどの金属酸化物又は金属窒化物でもよい。
また、LiAlO2、Li2SiO3、Li2TiO3、Na2Al2234、NaFeO2、Na4SiO4、K2SiO3、K2TiO3、K2WO4、Rb2CrO4、CS2CrO4、MgAl24、MgFe24、MgTiO3、CaTiO3、CaWO4、CaZrO3、SrFe1219、SrTiO3、SrZrO3、BaAl24、BaFe1219、BaTiO3、Y3Al512、Y3Fe512、LaFeO3、La3Fe512、La2Ti27、CeSnO4、CeTiO4、Sm3Fe512、EuFeO3、Eu3Fe512、GdFeO3、Gd3Fe512、DyFeO3、Dy3Fe512、HoFeO3、Ho3Fe512、ErFeO3、Er3Fe512、Tm3Fe512、LuFeO3、Lu3Fe512、NiTiO3、Al2TiO3、FeTiO3、BaZrO3、LiZrO3、MgZrO3、HfTiO4、NH4VO3、AgVO3、LiVO3、BaNb26、NaNbO3、SrNb26、KTaO3、NaTaO3、SrTa26、CuCr24、Ag2CrO4、BaCrO4、K2MoO4、Na2MoO4、NiMoO4、BaWO4、Na2WO4、SrWO4、MnCr24、MnFe24、MnTiO3、MnWO4、CoFe24、ZnFe24、FeWO4、CoMoO4、CoTiO3、CoWO4、NiFe24、NiWO4、CuFe24、CuMoO4、CuTiO3、CuWO4、Ag2MoO4、Ag2WO4、ZnAl24、ZnMoO4、ZnWO4、CdSnO3、CdTiO3、CdMoO4、CdWO4、NaAlO2、MgAl24、SrAl24、Gd3Ga512、InFeO3、MgIn24、Al2TiO5、FeTiO3、MgTiO3、Na2SiO3、CaSiO3、ZrSiO4、K2GeO3、Li2GeO3、Na2GeO3、Bi2Sn39、MgSnO3、SrSnO3、PbSiO3、PbMoO4、PbTiO3、SnO2−Sb23、CuSeO4、Na2SeO3、ZnSeO3、K2TeO3、K2TeO4、Na2TeO3、Na2TeO4などの金属複合酸化物、FeS、Al23、MgS、ZnSなどの硫化物、
LiF、MgF2、SmF3などのフッ化物、
HgCl、FeCl2、CrCl3などの塩化物、
AgBr、CuBr、MnBr2などの臭化物、
PbI2、CuI、FeI2などのヨウ化物、
LaB6、CeB6などのランタノイド硼化合物、
TiB2、ZrB2、HfB2などの金属硼化物、
又は、SiAlONなどの金属酸化窒化物でも絶縁体層13の誘電体材料として有効である。
さらに、絶縁体層13の誘電体材料としてダイヤモンド、フラーレン(C2n)などの炭素、或いは、Al43、B4C、CaC2、Cr32、Mo2C、MoC、NbC、SiC、TaC、TiC、VC、W2C、WC、ZrCなどの金属炭化物も有効である。なお、フラーレン(C2n)は炭素原子だけからなりC60に代表される球面籠状分子でC32〜C960などがあり、また、上式中、Ox、Nxのxは原子比を表す。
絶縁体層の島状領域14以外の平坦部分の厚さは、50nm以上、好ましくは 100〜1000nm程度である。
電子放出側の金属薄膜電極15の材料としては融点が極めて高いタングステン(W)が特に有効であるが、融点の高いモリブデン(Mo)レニウム(Re)、タンタル(Ta)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、プラチナ(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、鉄(Fe)、イットリウム(Y)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)も有効であり、Au、Be、B、C、Al、Si、Sc、Mn、Cu、Zn、Ga、Nb、Tc、Ag、Cd、In、Sn、Tl、Pb、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなども用いられ得る。また、これらの金属の合金や例えばLaB6、CeB6、TiB2、ZrB2、HfB2などの導電性を有する化合物も用いられ得る。
(電子放出素子の製造方法)
また、これらの電子放出素子製造における成膜法としては物理法又は化学法が用いられる。物理法は物理気相堆積法(physical vapor deposition)(PVD)として知られ、これには真空蒸着法、分子線エピタキシー法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、レーザアブレーション法などがある。化学法は化学気相堆積法(chemical vapor deposition)(CVD)として知られ、これには熱CVD法、プラズマCVD法、MOCVD(有機金属化学気相堆積法)などがある。これらの中で、スパッタリング法が特に有効である。
図1に示す炭素領域40で覆われた凹部である島領域14は、以下のように形成される。まず、図2に示すように、オーミック電極11が形成された基板10上にスパッタリングによりアモルファス相の電子供給層12を形成する。
その後に、図3に示すように、電子供給層12の上に球状の微粒子20の複数を均一に散布する。遮蔽体である微粒子の形状は、球状でなくても電子放出は得られるが、微粒子の粒界部分の均一性や膜上への均一な分散、凝集が無いことを考えると、等方的な形状である液晶用スペーサ、ボールミルなどの真球状粒子が望ましい。微粒子の直径は、後に成膜する電子放出側の絶縁体層及び金属薄膜電極表面に微粒子の形状の一部が露出するような、すなわち完全に埋没しないような大きさである。微粒子の存在を外部から確認できないほど絶縁体層が厚くなった場合、放出電流は低下する。また、粒子径分布は小さい方がよい。微粒子の材質は絶縁体、半導体、金属が用いられ得る。金属微粒子を用いる場合、素子がショートしてしまう可能性があるので、金属薄膜電極15を成膜後、微粒子を取り除いた方がよい。
次に、図4に示すように、電子供給層12及び微粒子20上に絶縁体13、13aを堆積させ、絶縁体の薄膜からなる絶縁体層13を形成する。ここで、電子供給層12及び微粒子20の接触部分の周りには絶縁体が回り込み、絶縁体層13の所定膜厚から漸次膜厚が減少する絶縁体層部分が形成される。膜厚が漸次減少する絶縁体層部分は島領域14における電子供給層12上の縁部Bで終端する。
次に、図5に示すように、絶縁体層13及び微粒子20上に金属15、15aを堆積させ金属薄膜電極15を形成する。ここで、金属は絶縁体層13及び微粒子20間の間隙から電子供給層12及び微粒子20の接触部分の周りには回り込み、金属薄膜電極15の所定膜厚から漸次膜厚が減少する金属薄膜電極部分が形成される。膜厚が漸次減少する金属薄膜電極部分は島領域14における絶縁体層13上の縁部Aで終端する。すなわち、微粒子20と絶縁体層13または金属薄膜電極15の間に境界が存在し、その境界から微粒子20と電子供給層12の接点に向かって、絶縁体層13及び金属薄膜電極15の膜厚が連続的に薄くなっている。このようにして、凹部である島領域14は、絶縁体層13及び金属薄膜電極15内の微粒子20下の接触面周囲に形成される。
図6に示すように、この金属薄膜電極形成工程の後に、微粒子の複数を超音波洗浄などによって除去することによって、陥没した円形凹部の島領域14の複数が形成される。
つぎに、図7及び図8に示すように、この微粒子を除去する遮蔽体除去工程の後に、炭素領域40が島領域14と金属薄膜電極15上に薄膜として形成される。
島領域14及び金属薄膜電極15上に炭素領域40を薄膜として形成する方法を図8に示す。図示するように、真空チャンバ39に設けられた炭素ターゲット41を用いてスパッタ法などにより、凹部島領域が設けられた基板10を真空チャンバ39に装填して、炭素領域40を薄膜として島領域14と金属薄膜電極15上に一様に積層、形成する。この場合、炭素は主として無定形炭素、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンといった形態をとる。一方、炭素領域40の炭素がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノプレートの形態の場合はCVD法が有効である。この場合、金属薄膜電極15の表層のFe、Ni、Coを主成分とする触媒層を設けておくと良い。または炭素の形態によらず印刷法も炭素領域40の形成法として有効である。
また、炭素領域40を形成する他の方法を図7に基づいて説明する。この炭素領域を設ける工程において、凹部島領域が設けられた基板を真空チャンバ39に装填して、メタンガスなどの炭化水素ガスを真空チャンバ39に導入して、0.1〜1×10-6Torr程度の減圧した炭化水素の雰囲気下で、電子供給層12と金属薄膜電極15との間にオーミック電極11を介して電圧を印加する。この工程で、チャンバ内の炭化水素が金属薄膜電極15全面並びに凹部島領域14の絶縁体層13及び電子供給層12上に吸着、堆積又は反応して炭素または炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域40の薄膜が積層される。この炭素領域形成工程において、電圧印加期間を設け、1回以上の電圧印加期間により繰り返して電圧印加を繰り返すことが好ましい。
次に、図9に島領域14の底部の電子供給層12の一部に結晶領域を設ける工程を示す。図示するように、凹部島領域14が設けられた基板を真空チャンバに装填して、減圧し、電子供給層12と金属薄膜電極15との間にオーミック電極11を介して電圧を印加して、発生するジュール熱で電子供給層12の一部を融解し、冷却する。また、この工程は、電子放出素子が例えば表示素子の様に真空に封止した後に製品となる場合には、真空に封止した後に行うこともできる。その場合は真空チャンバへの装填、減圧は必要としない。通電の条件は、島領域14の底部すなわちエミッションサイトの大きさ、密度等により異なるが、印加電圧は、一例として直径0.1〜10μmの島領域が、100〜10000個/mm2の密度で存在するときは0.001〜5Volt/秒で電圧を上げ、最低でも1V、最高で50Vまでを掃引する。この時、最高電圧点で電圧を保持する時間はなくても良い。すなわち、この結晶領域形成工程においては、金属薄膜電極15及び電子供給層12間に電圧を印加して、所定電流を流す。島領域14以外は充分に厚い絶縁体層13があるので、電子は電子供給層12から島領域14を通り金属薄膜電極13へと流れる。より詳細には、電子は島領域14の中でも絶縁体のない底部の電子供給層12と炭素領域40(炭素層)が接している部分を通り、縁部Aと縁部Bの間は炭素層が導電経路となり、金属薄膜電極15へと流れる。このように、島領域14の底部は電流が非常に集中し、大きなジュール熱を生じる。その結果、島領域14の底部およびその近傍の電子供給層12は 構成材料である珪素の融点である1414℃以上、あるいはそれに近い高温になる。島領域14の他の層、すなわち絶縁体層13、金属薄膜電極15及び炭素領域40は、この時に溶融し難い材料、例えば絶縁体層13は二酸化珪素(SiO2:融点1722℃)、金属薄膜電極15はタングステン(W:融点3387℃)、炭素領域40は炭素(融点3727℃)のように、珪素より高融点を有する材料で設計されている。この工程で、非結晶相である電子供給層の一部(島領域の底部)が珪素を主成分とする結晶相に変わる。結晶相になっていることは一般的にX線回折、ラマン分光、TEMなどの分析により確認することができる。この実施例ではTEMの暗視野像で、島領域底部に結晶相特有の粒状の強いコントラストがある像が得られ、多結晶相であることが確認されている。
エミッション電流は島領域の密度におよそ比例するので、エミッション電流の調整には島領域の密度の制御は極めて有効である。特に大きなエミッション電流を必要とする用途では10,000〜100,000,000個/mm2の密度でも使いうる。あるいは、島領域の密度を大きくしたものは、同じ放出電流密度を得るためには、島領域の密度の低いものに比べて、より低い電圧で駆動できるようになる。また、島領域の密度が大きいほど、通電時に単位面積あたりの発熱量が大きくなるので、結晶化工程はより低電圧できるようになる。また、島領域の密度を大きくしたときは、基板の温度上昇が大きくなるので、耐熱性の高い基板を用いる、あるいは基板の冷却を行なうといった基板が割れない為の措置をとることが有効である。
結晶化工程の電圧の掃引速度は0.001〜5V/秒が望ましい。しかし、電子放出の安定性で劣るが、これより早い掃引速度での結晶化も可能である。この場合、印可電圧は、ある幅をもったパルス状の電圧印可でよい。この掃引速度は結晶化の電圧を決めるファクターになる。すなわち、掃引速度は遅いほど、熱が逃げていく島領域以外や基板まで熱せられるので、島領域の温度が上昇し易くなり、より低電圧で結晶化することができる。他に結晶化をより低電圧で行なう方法としては、基板温度を室温より高温にしておく、あるいはランプ、レーザー等の照射により島領域やその近傍を加熱しておくといった方法が有効である。また、最高電圧点の電圧は1〜50Vが望ましい。しかし、50V以上の電圧もエミッション電流を大きく求めるときには有効である。この時は、基板の温度上昇が大きくなるので、耐熱性の高い基板を用いる、あるいは基板の冷却を行なうといった基板が割れない為の措置をとることが有効である。
この結晶相形成工程では、あらかじめ形成しておいた非結晶相を通電時に発生するジュール熱を利用して結晶化させており、レーザーアニールのような大掛かりな装置を必要としない。
すなわち、結晶相の珪素をガラス基板の上に低温で成膜することは技術的に困難を有するので、ガラス基板上に結晶相の珪素を形成させるには、あらかじめガラス基板上に形成させた非結晶相の珪素をエキシマレーザーで熱処理するレーザーアニール方法が考えられるが、この方法では結晶化に非常にコストがかかる。上記実施例ではレーザーアニール装置を必要とせず、低コストにて結晶相の形成を実現させている。
島領域14の底部は凹状であるが、結晶化の過程で熱膨張、歪みの緩和などにより図10に示すように結晶領域50の一部が凸状に変形、あるいは界面の平滑性に乱れを生じるする場合がある。しなしながら、凸状結晶領域50の場合あるいは界面の平滑性に乱れが生じた場合でも、素子完成後には同様な電子放出効果が得られる。
電子供給層12に非結晶相を用いることは、いくつかの利点がある。まず、珪素の適度に高い電気抵抗により、絶縁破壊を防止することもできる。また、得られた電子放出素子の放出電流の安定化にも寄与する。さらに、電子供給層12のエミッションサイトである島領域14の底部に限っては結晶相の方が適している。これは結晶相の方が抵抗が低く、そこでの電圧降下がほとんど無いので、駆動電圧を小さくでき、あるいは少ないエネルギー損失でエミッションサイトに電子を注入できるといった理由からである。よって、結晶領域50の面積は島領域14より小であることが好ましい。
素子作成時において、電子供給層12の当初の非結晶相から、通電処理により一部を結晶相を形成した場合は重要な効果が得られる。図11に電子供給層12と金属薄膜電極15との間に通電を行う結晶領域を設けるため工程(結晶化工程)の電圧電流特性を示す。また、図12に結晶化工程を行っていない素子の電圧電流特性を、また図13に結晶化工程を行った素子の電圧電流特性をそれぞれ示す。この時の電圧は60Hz,duty1/120のパルスで印加している。これらの結果は結晶化工程が電子放出に大きく寄与していることを示している。
結晶化工程を行うと、電子供給層12は結晶化により抵抗が下がるにもかかわらず、素子は負性抵抗を生じる領域があり、逆に抵抗は上がっている。これの詳細は不明であるが、次のように考えられる。
結晶化の際、相変化による密度の変化、熱膨張、あるいは歪みの緩和などにより体積変化が生じ、変形を伴う。この変形した電子供給層の上部にある絶縁体層13、金属薄膜電極15、又は炭素領域40(炭素層)に分子レベルの大きさで不連続性が発生する。この場合、通電経路の分断により抵抗は上がる。このような不連続性の部分から電子が放出され易くなると考えられる。
あるいはジュール熱と電界により絶縁体層13に存在していたサブバンドで電子のトラップが起きた場合である。絶縁体層に使用しているSiOxは絶縁体ではあるが、実際には不純物や欠陥に起因するサブバンドが存在し、ある程度の導電性を有する。このサブバンドに電子がトラップされた場合、当然抵抗は大きくなる。更にそのトラップが表面近傍に生じる場合、表面近傍の抵抗が大きくなり、そこに電界が強く集中する。この時、その集中している電界の元、注入された電子はホットエレクトロンになり、非常に放出され易くなり、あるいは表面近傍に大きな電界があることにより、電界放出が起きやすい状態になると考えられる。
どちらの状態でも、抵抗増大の原因は通電処理の熱と電界にあり、結果として電子供給層の一部(島領域14の底部)は結晶化され、電子放出に大きく寄与する。これは結晶領域を設ける工程の電圧電流特性を示した図11において負性抵抗が始まる電圧と、放出電流が指数関数的に大きくなる電圧が一致している実験結果から裏付けられる。また、大きなジュール熱の発生は、素子の破壊に至りかねない。しかしながら、この場合は結晶化による吸熱によりエネルギーが消費され、破壊に至るのを防いでいるとも考えられる。
結晶相の結晶領域50の大きさは、面方向には島領域14の大きさの0.1%以上である。これより小さい場合は効果が得にくい。また実験では、島領域14の大きさに対して最大で300%の大きさの結晶相まで確認している。さらに結晶領域50の膜厚方向の大きさは、電子供給層12の膜厚の0.1%以下では効果が得にくく、最大では電子供給層12が全て結晶相であっても良い。
更に、島領域14の底部の結晶領域50に半導体Siのpn接合構造を作り込むこともできる。
図14と図15に示すように電子放出素子内部に半導体Siのpn接合50a、50bを設け整流機能を付加させるには、電子供給層12はSiであるので、p型結晶層50aにはIIIb族の元素を、n型結晶層50bにはVb族の元素をドーパントとして加える。非結晶相状態のSi電子供給層を成膜する時にこれらのドーパントをあらかじめ混合させておき、結晶領域形成工程のジュール熱でそれぞれ結晶化させる。このようにして、島領域14の底部の結晶領域50にpn接合構造50a、50bを作り込むことができる。
また、p型結晶層50aの方はドープの方法としては、成膜時にあらかじめ混合しておく方法の他に、炭素領域40の薄膜が積層される前に、島領域14底部に露出する電子供給層12へドーパント元素のイオン打ち込みをする、あるいは露出する電子供給層の上にドーパントとなる元素を付着させ、加熱により表面から拡散させるなどの方法もある。その後、炭素領域40薄膜を積層して、島領域14の底部の結晶領域50にpn接合構造50a、50bを作り込むこともできる。
このpn接合は結晶相の珪素からなるので、キャリアの移動度が高く、良好な整流特性を示す。このような薄膜結晶相珪素の機能構造は、結晶相の珪素をガラス基板の上に低温で成膜することは技術的に困難を有するので、あらかじめガラス基板上に形成させた非結晶相の珪素をエキシマレーザーで熱処理するレーザーアニール方法が従来行なわれてきた。上記実施例では大掛かりなレーザーアニール装置を必要とせず、低コストにて結晶相の形成を実現させている。
(実施例1)
まず、清浄に洗浄した平滑なガラス基板を充分に乾燥させ背面基板とし、その一方の面に、窒素を導入した反応スパッタリング法によりTiNのオーミック電極を厚さ220nm、その上にBを0.45atm%の割合で添加したSiの電子供給層を5000nm成膜した電子供給層基板を複数作製した。
次に、電子供給層基板の電子供給層上に微粒子を散布した微粒子散布基板を作製した。本実施例では微粒子直径は1.0μmの真球状微粒子(以下、単にスペーサともいう)を用いた。微粒子材質はSiO2で、粒径の粒子径分布範囲は非常に小さいものであった。微粒子の散布には液晶表示素子のスペーサ散布と同じ公知の方法を用いた。散布方法に湿式と乾式があるが、本素子では湿式法で散布した。
球状微粒子をエチルアルコールに分散させ、凝集しないように充分攪拌した。この分散液を電子供給層上にスピンコート法で塗布し、その後、エチルアルコールを除去した。これによってSi電子供給層上に球状微粒子が均一に塗布された。電子供給層上での微粒子分布密度は略1000(個/mm2)であった。このようにして、微粒子散布基板を複数作製した。
次に、微粒子散布基板の球状微粒子及び電子供給層上に、スパッタリング法によって、SiO2の絶縁体層を330nm成膜した。このとき、球状微粒子は表面に露出していた。もちろん微粒子表面上にSiO2は成膜されていた。微粒子と電子供給層とが接している部分とその近傍は、オーバーハング部の“影”になるので、スパッタリング粒子の“まわりこみ”によって成膜され、絶縁体層の膜厚は接触領域に向かって徐々に薄くなっていた。
次に、金属薄膜電極のパターンのマスクをSiO2絶縁体層上に取り付け、タングステン(W:融点3387℃)の金属薄膜電極薄膜をスパッタリング法で膜厚60nmになるよう成膜して、電子放出素子の素子基板を複数作製した。この時、絶縁体層を表面処理せずに金属薄膜電極薄膜を成膜してもよいが、絶縁体層表面をスパッタエッチングしてから、電極膜を成膜してもよい。スパッタエッチングによって、微粒子と絶縁体層の境界部分のエッチングや改質を行い、金属薄膜電極成膜時に電極材料がより効果的に微粒子と絶縁体層の境界部分にまわりこむため、電子放出がより効果的に起こるからである。なお、スパッタエッチングを行うと素子表面に微粒子の形状を反映したリング状の痕跡が残った。本実施例ではすべて、スパッタエッチングを行ってから、上部の金属薄膜電極の成膜を行った。また、Wの金属薄膜電極の他に、モリブデン(Mo:融点2610℃)、プラチナ(Pt:融点1772℃)、及び金(Au:融点1064℃)を同様にスパッタして、Mo、Pt、及びAuの金属薄膜電極を有する素子基板をそれぞれ複数作製した。
次に、これら基板から付着している分散微粒子を除去し、微粒子無しの凹部島領域のみの電子放出素子Sの素子基板を複数作製した。微粒子除去は、微粒子付き電子放出素子基板から、イソプロピルアルコールを用いた超音波洗浄によって、行った。洗浄液体は水、アセトン、エタノール、メタノールなども用いられ得る。
微粒子を除去し複数の凹部島領域が設けられた基板の金属薄膜電極の上に炭素ターゲットを用いたスパッタ法により炭素領域(炭素層)を20nm成膜した。
作製した電子放出素子について、金属薄膜電極及びオーミック電極の間に所定の素子電圧を印加して通電を行う、電子供給層に結晶領域を設けるための工程(結晶化工程)を行った。この結晶化工程後に電子放出素子の表面状態を観察したところ、Auの金属薄膜電極を有する電子放出素子はその金属薄膜電極が部分的に融解、凝集している事が分かった。これは、結晶化工程において生じるジュール熱によって島構造の底部または底部近傍の電子供給層はその構成材料である珪素の融点1414℃以上、あるいはそれに近い温度になっており、島構造の底部近傍にある金属薄膜電極もその構成材料であるAuの融点1064℃以上、あるいはそれに近い温度になったためと考えられる。このため、金属薄膜電極の構成材料としては電極材料として公知である全ての金属、合金、導電性の化合物が用いられ得るが、電子供給層の構成材料である珪素の融点1414℃以上の融点を持つ金属、合金、導電性を有する化合物を用いることが望ましい。
結晶化工程を行った、W、Mo、及びPtを金属薄膜電極に有する電子放出素子について、金属薄膜電極及びオーミック電極の間に所定の素子電圧をduty1/120のパルスで印加して連続駆動を行い、各素子の放出電流を測定し、初期値に対する放出電流の相対値の経過時間に対する変化を調べた。その結果を図16及び図17に示す。図中、横軸に駆動時間を、縦軸にエミッション電流の相対値を示す。なお、図16の横軸は図17のものの1/30を示し、後者の方が長い時間軸を示している。
図16及び図17に示すように、Wの金属薄膜電極を有する電子放出素子は、Ptの金属薄膜電極を有する素子の特性に比して放出電子の量が初期値の半分になるまでの時間(半減期)が10〜20倍以上になり、素子の経時変化が非常に小さい、安定した特性が得られている。また、Moの金属薄膜電極を有する電子放出素子はPtの金属薄膜電極を有する電子放出素子の特性に比して放出電子の半減期が5〜10倍になる特性が得られている。これにより、電子放出素子の金属薄膜電極を融点の高い金属にすると、放出電流の経時変化が小さくなり、駆動時間に対する安定性が著しく向上することが分かる。
これらのことから、金属薄膜電極の構成材料の特性としては結晶化工程で融解する電子放出層の構成材料である珪素より高い融点を持つことが望ましく、また放出電流の駆動時間に対する安定性を向上させるためにはより融点の高い電極材料、例えばタングステンを用いることが望ましい。
(他の実施形態)
一方、上記実施の形態の場合、微粒子20は電子供給層12に接しているが、これの他に、図18に示すように、微粒子散布工程(図3)の直前に予備絶縁体層13bを予めスパッタにより形成し、予備絶縁体層13b上に微粒子20を散布する。そして図19に示すように、予備絶縁体層13b及び微粒子20上に絶縁体13、13aを堆積させ、絶縁体の薄膜からなる絶縁体層13を形成し、絶縁体層13及び微粒子20上に金属15、15aを堆積させ金属薄膜電極15を形成し、予備絶縁体層13b及び微粒子20の接触部分の周りには絶縁体及び金属が回り込み、絶縁体層13の所定膜厚から漸次膜厚が減少する島領域14を形成する。このように、予備絶縁体層13bを介して微粒子20と電子供給層12とを離してもよい。予備絶縁体層13bを設ける場合その膜厚は数十〜数千オングストロームの範囲である。これにより、電子供給層12及び金属薄膜電極15間の短絡が防止できる。
また、上記実施の形態の場合、炭素領域40は金属薄膜電極15、絶縁体層13及び電子供給層12のすべてを覆うように積層された薄膜であるが、図20に示すように、炭素領域40が島領域14において絶縁体層13又は金属薄膜電極15上で終端してもよい。この場合、炭素領域を設ける工程は図5に示す金属薄膜電極形成工程の直後に実行され、微粒子を除去する遮蔽体除去工程の前に、炭素領域40を金属薄膜電極15上に積層された薄膜として形成する。その後、微粒子を除去して図20に示す構造が得られる。
またさらに、図21に示すように、炭素領域は、金属薄膜電極内に分散されて金属薄膜電極15aとして設けることもできる。この場合、図4に示す絶縁体層13の形成工程の後に、微粒子20を除去する遮蔽体除去工程を実行して凹部を形成し、その後、炭素領域を設ける工程は金属薄膜電極形成工程として、炭素又は炭素化合物と金属との混合した状態で、例えば混合ターゲットを用いるか、或いは、炭素又は炭素化合物ガス雰囲気でスパッタとおこなうことで金属薄膜電極15を成膜して炭素領域を含む金属薄膜電極15aを絶縁体層13上に積層する。これにより、図21に示す構造が得られる。
また、図22に示すように、炭素領域40は島領域14において金属薄膜電極15下に積層された薄膜として形成してもよい。この場合、炭素領域を設ける工程は図4に示す絶縁体層13の形成工程の後に実行され、炭素領域40を絶縁体層13上に成膜して、その後、炭素領域40上に金属薄膜電極15を成膜する金属薄膜電極形成工程を行う。このように、炭素領域を設ける工程は金属薄膜電極形成工程の直前に実行される。その後、微粒子を除去して図22に示す金属薄膜電極15及び絶縁体層13間に成膜した炭素領域40の構造が得られる。
またさらに、図23に示すように、炭素領域40は、電子供給層12及び絶縁体層13間に成膜した薄膜であってもよい。この場合、図2に示す電子供給層12の成膜後、炭素領域40を電子供給層12上に一様に成膜して、その後、炭素領域40上に微粒子20を散布して、図4に示す絶縁体形成工程から図6に示す金属薄膜電極15を成膜する金属薄膜電極形成工程までを行う。このように、炭素領域を設ける工程は微粒子20の散布工程の直前に実行される。その後、微粒子を除去して図23に示す絶縁体層13下に積層された炭素領域40の構造が得られる。
またさらに、図24に示すように、電子供給層12及び絶縁体層13間に成膜した炭素領域40を、凹部の島領域14において絶縁体層13及び金属薄膜電極15とともにその膜厚が漸次減少する薄膜として成膜してもよい。この場合、図3に示す電子供給層12上に微粒子20を散布した後、炭素領域40を電子供給層12及び微粒子20上に成膜して、その後、図4に示す絶縁体形成工程から図6に示す金属薄膜電極15を成膜する金属薄膜電極形成工程までを行う。このように、炭素領域を設ける工程は絶縁体形成工程の直前に実行される。その後、微粒子を除去して、図24に示す絶縁体層13下に積層されて島領域14において膜厚が漸次減少する炭素領域薄膜の炭素領域40が得られる。
このように、以上の実施の形態においては、各々の島領域14は微粒子20を除去して金属薄膜電極15及び絶縁体層13の平坦表面における凹部となるように形成されるが、電子放出素子としては微粒子20を残した電子放出素子でもよい。例えば、最後の図6に示す微粒子除去工程を省いて、図20、図22、図23及び図24に示す電子放出素子に対応して、図25、図26、図27及び図28に示すように、微粒子20を残した電子放出素子とすることができる。また、図20〜図24並びに図25〜図28に示す素子構造において、図19に示すように、電子供給層12及び絶縁体層13間に予備絶縁体層13bを設けた変形構造とすることもできる。
さらにまた、上記実施の形態では島領域14は微粒子によるクレータ状の凹部14であるが、この形状に島状領域は限定されず、図31に示すように島領域は溝状の凹部14aとしてもよく、図34に示すようにコーン状の凹部14bとしてもよい。島領域は矩形などその形状及び形成方法は任意である。
この図31及び図34に示す実施の形態における溝状の島領域14a及びコーン状の島領域14bの形成手順は、図29及び図32にそれぞれ示すラインもしくはドット状のテーパーブロック21a及び円柱状の逆テーパブロック21bを微粒子に代えて用いる以外、前述の島領域の形成方法と同様である。また、図31及び図34に示す電子放出素子は、図19に示す電子供給層12上に予備絶縁体層13bを設けた場合と同様に、予備絶縁体層を設けこの上に逆テーパブロック21a及び21bを形成してもよい。
逆テーパブロック21a及び21bは例えばレジストなどの電気絶縁性材料からなり、基板10の法線方向に突出しかつその上部に基板10に平行な方向に突出するオーバーハング部22a及び22bを有する。逆テーパーブロック材料のレジストにノボラック系フォトレジストを用いることができる。レジストの塗布には、スピンコート法を用いられる。レジストを電子供給層12上に塗布後、フォトマスクを用いプリベーク、露光、ポストベーク、現像の工程を経て、電子供給層上に所望のレジストパターンを形成する。このとき形成するパターンの形状は任意であるが、後に成膜する絶縁体層に完全に埋没しないだけの電子供給層からの高さを必要とする。逆テーパーブロックは横断面が逆テーパー形状となるものであるが、テーパー角度は任意であり、またテーパーがなくとも良い。
逆テーパのレジストパターンを形成後、絶縁体層13及び金属薄膜電極15を成膜して膜厚が漸次減少する島領域14a及び14bを形成して、図29及び図32に示す基板を作製し、逆テーパブロック21a及び21bをそれぞれ所定溶剤で除去し、図30及び図33に示す凹部である島領域の複数が表面に均一に形成された基板を得る。次に、電子供給層12、絶縁体層13及び金属薄膜電極15の上部に炭素又は炭素を成分とする混合物もしくは炭素化合物からなる炭素領域40を上記同様に成膜して電子放出素子が構成される。なお、図29及び図32に示すように逆テーパーブロック21a及び21bを除去せずに島領域の凹部中央にこれら逆テーパーブロックを残し炭素領域40をこれらの上に成膜した電子放出素子も構成され得る。
(電子放出素子を用いた発光素子)
この電子放出素子Sを発光素子として用いる場合、図1に示すように、電子放出素子Sの素子基板10を背面の第1基板として、これに対向するガラスなどの透光性の第2基板1が真空空間4を挾んで前面基板として保持される。第2基板1の内面にはインジウム錫酸化物(いわゆるITO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などからなる透光性のコレクタ電極2と蛍光体層3R、G、Bとが設けられる。素子基板10の材質はガラスの他に、Al23、Si34、BN等のセラミックスでも良い。
図1に示すように、電子放出素子は、表面の金属薄膜電極15を正電位Vdとし裏面のオーミック電極11を接地電位としてある。オーミック電極11と金属薄膜電極15との間に電圧Vd、例えば50V程度印加し電子供給層12に電子を注入すると、一部の電子はあらかじめ通電処理により形成されているエミッションサイトを通して、真空中に放出される。電子は島領域14の底部から、ある角度分散をもって放出される。しかしながら、図1の素子構造では島領域14の上部の空間で電界がレンズ状になり、放出電子は法線に沿う方向に軌道が変えられる。その結果、角度分散の非常に小さい放出電子が得られる。
この島領域14の凹部から放出された電子e(放出電流Ie)は、対向したコレクタ電極(透明電極)2に印加された高い加速電圧Vc例えば5kV程度によって加速され、コレクタ電極2に集められる。コレクタ電極に蛍光体3が塗布されていれば対応する可視光を発光させる。
具体的に、SiにB(ボロン)を添加した電子供給層を用い、本発明による電子放出素子を作製し、それらの特性を調べた。
(実施例2)
炭素ターゲットを用いたスパッタ法により炭素領域を20nmの膜厚で積層した素子と、比較例として、炭素領域の薄膜を設けないこと以外、上記実施例と同様の手順で電子放出素子の素子基板を複数作製した。
さらに、透明ガラス基板1の内面にITOコレクタ電極及び蛍光体層を形成した透明基板を作成した。
これら上記の各種素子基板及び透明基板を、金属薄膜電極及びコレクタ電極が向かい合うように平行に5mm離間してスペーサにより保持し、間隙を10-7Torrの真空になし、電子放出素子の発光素子を組立て、作製した。
作製した電子放出素子の発光素子及び比較例について、金属薄膜電極及びオーミック電極の間に素子電圧Vdとして35V印加して、各素子のダイオード電流Id(Diode Current)及び放出電流Ie(Emission Current)並びに効率(Ie/Id)×100(%)を測定した。
スパッタによる炭素系薄膜で覆われた凹部島状領域を有する第2の実施例の電子放出素子は、放出電流Ieについて、比較例に比して2桁も高い特性が得られ、放出電流が著しく増加していた。この第2の実施例では、放出電流4×10-2A/cm2を越え、放出効率6%を越える素子が得られた。
(他の電子放出素子の構造)
さらに、上記実施の形態においては、絶縁体層及び金属薄膜電極には、それらの膜厚が島領域14の中央に向け共に漸次減少する凹部又は溝状の領域が形成されている電子放出素子を説明しているが、かかる島領域における絶縁体層及び金属薄膜電極の膜厚がその中央から離れて共に漸次減少するものや、非対称に漸次減少するものや、平坦部として漸次減少する島領域を有する素子であってもよい。
例えば、更なる実施の形態として、図35に示すように、絶縁体層13及び金属薄膜電極15の膜厚が遮蔽壁20aに向け共に漸次減少する島領域14を、溝凹部の側壁の片側に形成することもできる。
図35に示す溝凹部である島領域14は、次のように形成できる。まず、オーミック電極11及び電子供給層12が順に形成された基板10上に、図29に示すライン状テーパーブロック21aと同様の方法によって、レジストなどからなる遮蔽壁20aを形成する。次に、スパッタリング法などにより絶縁体層13を形成する。絶縁体層のスパッタリングの際に、スパッタされた絶縁体材料の流れの方向に対して基板10の電子供給層12の面を傾斜して配置することにより、遮蔽壁20aの一方側に絶縁体材料の堆積量が少ない部分、絶縁体層膜厚が遮蔽壁20aに向け漸次減少する部分を絶縁体層13に形成する。次に、スパッタされた金属薄膜電極材料の流れの方向に対して基板10の絶縁体層13面を傾斜して配置することにより、遮蔽壁20aの一方側に金属薄膜電極材料の堆積量が少ない部分、金属薄膜電極膜厚が遮蔽壁20aに向け漸次減少する部分を金属薄膜電極15に形成する。
図35に示すように、これらの絶縁体層及び金属薄膜電極の傾斜スパッタリングにおいて、スパッタされた絶縁体層材料の流れの基板への入射角θに対して、スパッタされた金属薄膜電極材料の流れの基板への入射角θ’を大きくするように、スパッタリング装置において基板10の角度を設定すれば、島領域14においては、金属薄膜電極15が絶縁体層13上の縁部Aで終端する構造が形成できる。なお、島領域14における絶縁体層13は電子供給層12上の縁部Bで終端している。
次に、露出している遮蔽壁20a、絶縁体層13及び金属薄膜電極15の上部に炭素又は炭素を成分とする混合物もしくは炭素化合物からなる炭素領域40を上記同様に炭素又は炭素化合物の材料のスパッタにより成膜して、図36に示すように、電子放出素子が構成される。なお、遮蔽壁20a及びその上の堆積物をエッチングなどにより除去し、電子供給層12が露出した構造の上に炭素領域40を形成することもできる。
またさらに、上記実施の形態においては島領域が凹部として形成されているが、島領域は平坦又は凸部として絶縁体層及び金属薄膜電極の膜厚が漸次減少する構造とすることができる。例えば、更なる実施の形態として、図37に示すように、絶縁体層13及び金属薄膜電極15の膜厚が電子供給層12の山部12aの頂上に向け共に漸次減少する平坦又は凸部の島領域14を形成することもできる。この平坦又は凸部の島領域14はドット又はラインのマスクを用いフォトリソグラフィ及びエッチングなどの技術によって形成される。電子供給層12の山部12aは図37に示すように、山脈として連なっていても良いが、図38に示すように、独立した凸部として点在させて形成してもよい。この場合においても、島領域14における金属薄膜電極15が絶縁体層13上の縁部Aで、絶縁体層13が電子供給層12上の縁部Bで終端している。また、電子供給層12の山部12aの頂上を絶縁体層13にて覆い、電子供給層12を被覆した構造とすることもできる。
次に、図39に示すように、露出している絶縁体層13、電子供給層12及び金属薄膜電極15の上部に炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域40を上記実施の形態と同様に成膜して、電子放出素子が構成される。
(電子放出素子を適用した表示装置)
図40は、実施の形態の電子放出素子を適用したフラットパネルディスプレイ装置を示す。図41はその一部の断面を示す。
背面基板10の真空空間4側内面には、それぞれ平行に伸長する複数のオーミック電極11が形成されている。オーミック電極11は、カラーディスプレイパネルとするために赤、緑、青のR、G、B色信号に応じて3本1組となっており、それぞれに所定信号が印加される。共通のオーミック電極11に沿って電子放出素子Sの複数が配置されている。それぞれが平行に伸長する複数のバスライン16は、隣接する素子の金属薄膜電極15上に成膜された炭素領域40の一部上に、これらを電気的に接続するために形成され、オーミック電極11に垂直に伸長して架設されている。オーミック電極11及びバス電極16の交点が電子放出素子Sに対応する。よって、本発明の表示装置の駆動方式としては単純マトリクス方式またはアクティブマトリクス方式が適用できる。
電子放出素子Sは、図41に示すように、オーミック電極11上に順に形成された電子供給層12、絶縁体層13、金属薄膜電極15及び島領域を覆う炭素領域40からなる。図1に示すように炭素領域40を内部の真空空間に向けることもできる。また、電子放出素子Sは、図10〜図12、図18、図19〜図28、図31、図34、図36、または図39に示すような、各々炭素領域40が設けられたそれらの界面が延在する方向においてそれらの膜厚が共に漸次減少する複数の島領域を均一に有している。図40及び図41では凹部である複数の島領域を図示しないが、この絶縁体層13及び金属薄膜電極15には複数の島領域が均一に形成され、結晶領域も形成されている。
特に、電子放出素子Sの各々を取り囲み複数の電子放出領域に区画する絶縁性支持部17が形成されている。この絶縁性支持部17はバス電極16を支え、断線を防止する。すなわち、図41に示すように、電子放出素子S以外の周縁部にあらかじめ絶縁性或いは電気抵抗の大きい物質の支持部17を形成しておく。この支持部17は、その後の工程で電子放出素子を形成した場合の最終的な厚さと同程度に成膜しておくのである。
さらに、本実施の形態では、背面基板10から真空空間4へ突出するように絶縁性支持部17上に背面基板側の隔壁RRが形成されている。隔壁RRは所定間隔で間隔を隔てて配置されている。図40では、隔壁RRは電子放出素子Sの列毎にそれらの間に形成されているが、隔壁RRを、電子放出素子Sの例えば2、3個の列毎の間に間隔をあけて形成してもよい。また、図40では、隔壁RRはオーミック電極11にほぼ垂直な方向に連続して形成されているが、前面基板1側の第2隔壁FRに当接する部分を含む上部面積を残して間欠的に形成してもよい。
更に、この隔壁RRはその上底面積が、背面基板と接する下底面積よりも大きく形成されることが好ましい。すなわち、隔壁RRはその上部に背面基板に略平行な方向に突出するオーバーハング部を有するように、形成されることが好ましい。
更に、図40では、背面基板10の金属薄膜電極15上に設けられたバス電極16の形状が単純な直線状で形成されているが、バス電極16を直線状でなく、電子放出素子の金属薄膜電極15の間において、金属薄膜電極上における幅よりも大なる幅を有するように、すなわち電子放出素子の間では素子上よりも太くなるように形成することが好ましい。これによって、バス電極の抵抗値を低減できる。
オーミック電極11は、その材料としては、Au、Pt、Al、W等の一般にICの配線に用いられる材料やクロム、ニッケル、クロムの3層構造、AlとNdの合金、AlとMoの合金、TiとNの合金も用いられ得、その厚さは各素子にほぼ同電流を供給する均一な厚さである。なお、図40では図示しないが背面基板10及びオーミック電極11間には、SiOx、SiNx、Al23、AlNなどの絶縁体からなインシュレータ層を形成してもよい。インシュレータ層はガラスの背面基板10から素子への悪影響(アルカリ成分などに不純物の溶出や、基板面の凹凸など)を防ぐ働きをなす。
金属薄膜電極15の材質は導電性が高く化学的に安定な金属が良く、たとえばAu、Pt、Lu、Ag、Cuの単体又はこれらの合金等が望ましいが、中でも融点が高い金属、例えばW、Mo、Re、Ta、Os、Ir、Ruの単体、またはこれらの合金等が特に望ましい。また、これらの金属に仕事関数φが小さい材料である周期律表のI族、II族の金属、たとえばCs、Rb、Li、Sr、Mg、Ba、Ca等をコート、あるいはドープしても有効である。
バス電極16の材料としては、Au、Pt、Al、Cu等の一般にICの配線に用いられる物で良く、各素子にほぼ同電位を供給可能ならしめるに足る厚さで、0.1〜50μmが適当である。但し、抵抗値が許容できるのであれば、バス電極を使用しないで、金属薄膜電極に使用する材料を使用することもできる。
一方、表示面である透明ガラスなどの透光性の前面基板1の内面(背面基板10と対向する面)には、ITOからなる透明なコレクタ電極2が一体的に形成され、これに高い電圧が印加される。なお、ブラックストライプやバックメタルを使用する場合は、ITOを設けずにこれらをコレクタ電極とすることが可能である。
コレクタ電極2上には、フロントリブ(第2隔壁)FRがオーミック電極11に平行となるように複数形成されている。延在しているフロントリブ間のコレクタ電極2の上には、R、G、Bに対応する蛍光体からなる蛍光体層3R、3G、3Bが真空空間4に面するように、それぞれ形成されている。このように、各蛍光体の境には背面基板と前面基板の距離を一定(例えば1mm)に保つ為のフロントリブ(第2隔壁)FRが設けられている。背面基板10上に設けられたリアリブ(隔壁)RRと直交する方向にフロントリブ(第2隔壁)FRとが前面基板1に設けられているので、前面基板の蛍光体を光の3原色に相当するR、G、Bに塗り分けが確実になる。
このように、実施の形態の電子放出素子を用いたフラットパネルディスプレイ装置は電子放出素子に対応してマトリクス状に配置されかつ各々が赤R、緑G及び青Bの発光部からなる発光画素の複数からなる画像表示配列を有している。もちろん、RGBの発光部に代えてすべてを単色の発光部としてモノクロムディスプレイパネルも形成できる。
さらなる他の実施の形態によれば、図42に示すように、電子放出発光素子30が得られる。電子放出発光素子30における電子放出素子Sは、上記実施の形態と同様に、オーミック電極11が形成された背面基板のガラス素子基板10上に電子供給層12を形成し、その上に複数の球状の微粒子を散布又はライン状もしくは円柱状の逆テーパブロックの複数を形成して、それらの上に絶縁体層13及び金属薄膜電極15を積層して、微粒子などを除去して、凹部の島領域14及び金属薄膜電極15上に炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素領域40が成膜されて構成される。
この実施の形態の電子放出素子の炭素領域40上に蛍光体層3が直接形成されて、電子放出発光素子が形成される。蛍光体層3は電子放出素子Sの島領域14から生じた電子を直接受け、蛍光体に対応する可視光を発光する。また、図43に示すように、微粒子20(又は逆テーパブロック)を残しそれらの上に炭素領域40を施した電子放出発光素子30でもよい。
蛍光体層3は、所望色発光の蛍光体を溶液形態としてスピンコート法などで形成塗布されるが、その形成方法は限定されない。
さらに、主に素子の保護のために、その内面に透光性のコレクタ電極を設けたガラスなどの透光性の前面基板を蛍光体層上に設けることができる。電子放出発光素子から漏れた電子を回収できる。この電子放出発光素子の対向する前面及び背面基板は透明接着剤で接着され、それらの周囲はスペーサなどで保持される。
このさらなる実施の形態の構成により、電子放出素子の金属薄膜電極又は炭素領域上に直接設けられた蛍光体層を有するので、加速電力が不要となり装置の駆動系が簡素化され、真空空間も不要となり軽量な超薄型フラットパネルディスプレイ装置が得られる。さらに、過剰なスペーサが不要となり視認性が向上できる。
(他の電子放出素子の製造方法)
逆テーパブロック21a及び21bのようなブロックをレジストではなく、他の電気絶縁性材料、たとえば酸化珪素で形成した他の電子放出素子の製造方法を説明する。
まず、図44に示すように、オーミック電極11が形成された基板10上にスパッタリングによりSiからなる電子供給層12を形成する。
その後に、図45に示すように、電子供給層12上に窒化珪素SiNxの層133をCVDにより成膜し、その上に酸化珪素の層134を成膜をCVDにより成膜する。
次に、レジストを塗布し、所定パターンで、露光、現像によりパターニングを行い、図46に示すように、レジストマスクRを酸化珪素層134上に形成する。
その後に、RIEなどのドライエッチングにより、異方性エッチングを行う。図47に示すように、レジストマスクRの残っているところはガスから保護され、レジストマスクRの残っていないところのみ膜面に垂直方向に酸化珪素層134がエッチングされる。このドライエッチングは窒化珪素層133の途中まで行う。
次に、熱リン酸溶液でウエットエッチング(等方性エッチング)を行う。ここで、酸化珪素と窒化珪素のエッチング比は1:50であり、酸化珪素はほとんどエッチングされない。図48に示すように、等方エッチングにより窒化珪素層133は、酸化珪素層134下の膜面にて水平方向にも痩せてくる。電子供給層12が露出し、残っている窒化珪素層133の形が適当になったところでウエットエッチングを止める。このようにして、電子供給層12上に、形成すべき島領域に対応する部位に窒化珪素からなる複数のブロックを形成する。
その後、電子供給層12及びブロック上にSiOxの絶縁体13、13aをスパッタにより堆積させ、絶縁体の薄膜からなる絶縁体層13を形成する。次に、図49に示すように、絶縁体層13及びブロック上にW金属15、15aをスパッタにより堆積させ金属薄膜電極15を形成する。
次に、熱リン酸溶液でウエットエッチングを行い、窒化珪素ブロックを除去する。図50に示すように、島領域14が形成される。
その後、図7及び図8に示す工程と同様して、図51に示すように、炭素領域40が島領域14と金属薄膜電極15上に薄膜として形成される。
(更なる他の電子放出素子の製造方法)
異なる断面形状の逆テーパブロックをレジスト材料で形成した更なる他の電子放出素子の製造方法を説明する。
まず、オーミック電極11が形成された基板10上にスパッタリングによりSiからなる電子供給層12を形成する。次に、図52に示すように、電子供給層12上に酸化珪素の層134をCVDにより成膜する。
次に、レジストを塗布し、所定パターンで、露光、現像によりパターニングを行い、図53に示すように、レジストマスクRを酸化珪素層134上に形成する。
次に、熱リン酸溶液でウエットエッチング(等方性エッチング)を行う。この際、図54に示すように、酸化珪素層134は所定の厚さを残してエッチングする。ここで、レジストマスクR下の膜面にて水平方向に広がった空洞が形成される。
その後に、RIEなどのドライエッチングにより、異方性エッチングを行う。図55に示すように、レジストマスクRの残っているところはガスから保護され、レジストマスクRの残っていないところのみ膜面に垂直方向に酸化珪素層134が電子供給層12までエッチングされる。空洞から伸張した貫通孔が形成される。
次に、図56に示すように、酸化珪素層134の上のレジストをプラズマアッシングなどで除去する。ここで、電子供給層12まで延びる漏斗状の貫通孔が形成される。
その後、図57に示すように、酸化珪素層134の漏斗状の孔にレジストR2満たすように塗布する。
次に、ウエットエッチングを行い酸化珪素層134を除去する。図58に示すように、電子供給層12上に、形成すべき島領域に対応する部位にレジストR2からなる複数のゴブレット状のブロックが形成される。
その後、電子供給層12及びブロックR2上にSiOxの絶縁体13、13aをスパッタにより堆積させ、絶縁体の薄膜からなる絶縁体層13を形成する。次に、図59に示すように、絶縁体層13及びブロック上にW金属15、15aをスパッタにより堆積させ金属薄膜電極15を形成する。絶縁体層13及び金属薄膜電極15の部分はブロックR2周りで島領域ごとに漸次減少した膜厚を有する。
次に、図50及び図51に示す工程と同様して、ウエットエッチングを行い、ブロックを除去して、島領域14が形成され、そして、炭素領域40が島領域14と金属薄膜電極15上に薄膜として形成される。
この方法のメリットは、ゴブレット状のブロックR2の足の部分の大きさ(太さ)がパターニングで決まるので、制御が容易である。ゴブレット状のブロックが倒れたりしないので、安定性に優れる。図32のブロックでは、露光条件に依存して逆テーパをつくる。
さらに、この方法のメリットは、ゴブレット状のブロックのテーパー最上部の大きさを、酸化珪素の膜厚とウエットエッチの時間により足の太さとは独立に制御できる。
本発明による実施例の電子放出素子の概略断面図。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図である。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による結晶領域を設けるための工程(結晶化工程)の電圧電流特性を示すグラフ。 本発明による結晶化工程を行っていない素子の電圧電流特性を示すグラフ。 本発明による結晶化工程を行った素子の電圧電流特性を示すグラフ。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による実施例の電子放出素子のエミッション電流の経時変化を示すグラフ。 本発明による実施例の電子放出素子のエミッション電流の経時変化を示すグラフ。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大斜視図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による他の実施例の電子放出素子の部分拡大斜視図。 本発明による更なる他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による更なる他の実施例の電子放出素子の部分拡大斜視図。 本発明による更なる他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による更なる他の実施例の電子放出素子の製造方法における素子基板の部分拡大斜視図。 本発明による更なる他の実施例の電子放出素子の部分拡大斜視図。 本発明による実施例の電子放出素子フラットパネルディスプレイ装置を示す概略部分斜視図。 図40における線AAに沿った概略部分拡大断面図。 本発明による他の実施例の電子放出発光素子の概略断面図。 本発明による他の実施例の電子放出発光素子の概略断面図。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。 本発明による電子放出素子の更なる他の製造方法における素子基板を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…透光性の前面基板、
2…コレクタ電極、
3R、3G、3B…蛍光体層、
4…真空空間、
10…背面基板、
11…オーミック電極、
12…電子供給層、
13…絶縁体層、
14…島領域、
15…金属薄膜電極、
16…バスライン、
17…絶縁性支持部、
20…微粒子、
21a、21b…逆テーパブロック、
30…電子放出発光素子、
39…真空チャンバ、
40…炭素領域、
50…結晶領域、

Claims (9)

  1. 珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる非結晶相の電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層、及び前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなり、前記電子供給層及び前記金属薄膜電極間に電界が印加されたとき電子を放出する電子放出素子であって、
    前記絶縁体層はその膜厚が漸次減少する少なくとも1つの電子放出部を有していること、
    前記電子放出部の上部若しくは前記金属薄膜電極上に積層された、炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素薄膜が設けられていること、
    前記金属薄膜電極は前記電子供給層よりも高い融点を有するタングステン又はモリブデンからなること、
    前記電子放出部の最小膜厚部の近傍の前記電子供給層において、その珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物の結晶相からなる結晶領域が設けられていること、
    前記金属薄膜電極は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していること、並びに、
    前記絶縁体層は誘電体からなり、前記電子放出部以外では50nm以上の膜厚を有すること、を特徴とする電子放出素子。
  2. 前記電子供給層は、珪素又は珪素を主成分とする混合物であることを特徴とする請求項
    1記載の電子放出素子。
  3. 前記炭素薄膜は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  4. 前記電子放出部における前記金属薄膜電極が前記絶縁体層上で終端していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の電子放出素子。
  5. 前記電子放出部における前記絶縁体層が前記電子供給層上で終端していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載の電子放出素子。
  6. 真空空間を挾み対向する一対の第1及び第2基板と、
    前記第1基板に設けられた複数の電子放出素子と、
    前記第2基板内に設けられたコレクタ電極と、
    前記コレクタ電極上に形成された蛍光体層と、からなる電子放出表示装置であって、
    前記電子放出素子の各々は、珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物からなる非結晶相からなりかつオーミック電極上に形成された電子供給層、前記電子供給層上に形成された絶縁体層、及び前記絶縁体層上に形成された金属薄膜電極からなること、
    前記絶縁体層はその膜厚が漸次減少する電子放出部となる少なくとも1つの電子放出部を有していること、
    前記電子放出部の上部若しくは前記金属薄膜電極上に積層された、炭素又は炭素を成分とする混合物若しくは炭素化合物からなる炭素薄膜が設けられていること、
    前記金属薄膜電極は前記電子供給層よりも高い融点を有するタングステン又はモリブデンからなること、
    前記電子放出部の最小膜厚部の近傍の前記電子供給層において、その珪素又は珪素を主成分とする混合物若しくはその化合物の結晶相からなる結晶領域が設けられていること、
    前記金属薄膜電極は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していること、並びに、
    前記絶縁体層は誘電体からなり、前記電子放出部以外では50nm以上の膜厚を有すること、を特徴とする表示装置。
  7. 前記炭素薄膜は、前記絶縁体層とともにその膜厚が漸次減少していることを特徴とする請求項6記載の表示装置。
  8. 前記電子放出部における前記金属薄膜電極が前記絶縁体層上で終端していることを特徴とする請求項6又は7記載の表示装置。
  9. 前記電子放出部における前記絶縁体層が前記電子供給層上で終端していることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1記載の表示装置。
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