JP4067737B2 - 液滴吐出ヘッド、インクジェット記録装置及びマイクロアクチュエータ、画像形成装置、液滴を吐出する装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、インクジェット記録装置及びマイクロアクチュエータ、画像形成装置、液滴を吐出する装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド、インクジェット記録装置及びマイクロアクチュエータ、画像形成装置、液滴を吐出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置において使用するマイクロアクチュエータを含む液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路(加圧室、圧力室、加圧液室、液室、吐出室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)とを備えて、圧力発生手段を駆動することでインク流路内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる。
【0003】
従来のインクジェットヘッドは、圧力発生手段の種類という点から、圧電素子を用いて加圧室の壁面を形成して振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のもの、加圧室内に配設した発熱抵抗体を用いてインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるバブル型のもの、加圧室の壁面を形成する振動板(又はこれと一体の電極)と電極を用いて静電力で振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させる静電型のものなどに大別される。
【0004】
また、従来のインクジェットヘッドは、インク滴の吐出方向という点から、特にピエゾ型及び静電型のものにあっては、特開平6−8449号公報、特開平6−23986号公報などに記載されているように、振動板の変位方向と直交する方向にインク滴を吐出させるエッジシュータ方式と、特開平9−314837号公報、特開平10−304685号公報などに記載されているように振動板の変位方向にインク滴を吐出させるサイドシュータ方式とに大別される。
【0005】
ところで、上述した振動板を用いるピエゾ型や静電型のインクジェットヘッドにおいては、高速化、高密度化に伴なって、或いは低電圧化の要求に従って、振動板の薄膜化、高精度化が必要になり、また薄膜化に伴なって、振動板の厚さ(剛性)とインク接液性(インクに対する耐溶出性)の確保が重要になる。なお、振動板とこれを変形変位させる電気機械変換素子、或いは振動板とこれに対向する電極で構成される部分をマイクロアクチュエータと称する。また、マイクロアクチュエータとしてはヘッドに限らず、マイクロポンプなどにも用いられるが、ここではヘッドについて説明する。
【0006】
そこで、従来のインクジェットヘッドにおいては、特開平6−23986号公報、特開平6−71882号公報あるいは特開平9−267479公報などに記載されているように、振動板を形成するシリコン基板にボロンを拡散した高濃度ボロン拡散層を形成し、このシリコン基板を異方性エッチングすることにより、高濃度ボロン拡散層でエッチングストップすることから、高濃度ボロン拡散層による振動板を形成するようにしている。また、シリコン酸化膜をエッチングストップ層としてエッチングをストップさせることで、SOI基板やSIMOX基板を利用した振動板を形成することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の圧電型或いは静電型インクジェットヘッドは200dpi程度以下の吐出密度であり、このヘッドを用いてパス回数(ヘッド走査回数)を増加することで記録密度としては1200dpi程度の記録密度にしているが、ヘッド自体の吐出密度が低いために記録密度を上げるにはパス回数が多くなるなど記録速度が低下する。
【0008】
そこで、ヘッド自体の吐出密度を300dpi以上に上げることで記録速度の高速化を図れるが、ヘッド自体の吐出密度を300dpi以上にするために隣り合うチャンネル間(ビット間)のピッチは85μm程度になる。したがって、吐出のための振動板の幅を狭くしなければならないが、振動板幅を狭くして且つ所望の低電圧で安定な吐出特性を得るためには、振動板の厚みを薄くしなければならないとともに、特に静電型インクジェットヘッドにおいては振動板と電極との間のギャップを可能な範囲で狭くしてできるだけ効率的な駆動をしなければならない。
【0009】
このように、振動板の厚みを薄くすると、それだけ裂傷などによって破損し易くなるとともに、インクへの溶出による破損も生じ易くなり、更に微小ギャップを維持するためには弛みや波打ちなどのない高精度な平面性を維持できなければならない。しかも、ヘッドの量産を行うためには、薄くて高精度の平面性を維持できる振動板を安定して歩留まり良く生産できなければならない。
【0010】
しかしながら、上述した従来の静電型インクジェットヘッドで用いられている高濃度ボロン拡散層によって振動板を形成する場合、振動板厚みが1.5μmを越えるときには量産に適しているが、1.5μm以下、特に1.0μm〜0.3μmの厚みの振動板を、板厚バラツキを抑えて且つ高い平面精度で安定的に低コストで形成することは極めて困難である。
【0011】
このように、従来の液滴吐出ヘッドにあっては、振動板の厚みや平面性の点で特に高密度(300dpi以上)の吐出密度を有するヘッドを低コストで得ることができないという課題がある。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高密度化が可能な液滴吐出ヘッド、高速高密度記録が可能なインクジェット記録装置、画像形成装置、液体吐出装置及び高密度化が可能なマイクロアクチュエータを提供することを目的とする。
【0013】
課題を解決するための手段
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液流路の壁面を形成する振動板を有し、この振動板を変形させることで液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり、全体として引張り応力性を有する構成としたものである。なお、本明細書で「振動板」とは変形可能な領域部分を意味するものとしている。
【0014】
ここで、圧縮応力性を有する膜が絶縁性膜である構成とすることができる。この場合、圧縮応力性を有する膜がシリコン酸化膜である構成とできる。また、引張り応力性を有する膜がシリコン窒化膜である構成とできる。また、振動板の表面に電極膜を有する構成とできる。また、積層膜の内部に電極膜を有する構成とできる。
【0015】
また、電極膜を有する場合、電極膜はビット毎に分離されている構成とすることができる。
【0016】
また、引張り応力性を有する膜が導電性膜からなる構成とできる。この場合、導電性膜がチタン窒化膜、高温金属膜又はポリシリコン膜であることが好ましい。
【0019】
さらに、振動板はチタン窒化膜、高温金属膜、ポリシリコン膜又はこれらの2以上の組み合わせの膜とシリコン酸化膜との積層膜であることが好ましい。
【0020】
さらにまた、振動板の流路側表面はシリコンに高濃度ボロンを拡散した層よりも高い接液性を有していることが好ましい。
【0021】
また、上記本発明に係る各液滴吐出ヘッドは、振動板に対向する電極を有し、振動板を静電力で変位させることで液滴を吐出させる構成とすることができる。或いは、振動板を変形させる電気機械変換素子を有し、この電気機械変換素子の変位で振動板を変位させることで液滴を吐出させる構成とすることができる。
【0022】
本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路と、このインク流路内のインクを加圧する圧力発生手段とを有するインクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘッドである構成としたものである。
本発明に係る画像形成装置、液滴を吐出する装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたものである。
【0023】
本発明に係るマイクロアクチュエータは、振動板と、この振動板を変形させる駆動手段とを備え、振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり、全体として引張り応力性を有する構成としたものである。
【0025】
ここで、振動板に対向する電極を有し、振動板を静電力で変位させる構成とすることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る液滴を吐出する装置を含む本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側面説明図である。
【0027】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、装置本体1の下方部には前方側から多数枚の用紙3を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)4を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙3を手差しで給紙するための手差しトレイ5を開倒することができ、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0028】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側にはヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着している。
【0029】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向下流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0030】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0031】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0032】
また、キャリッジ13の移動方向右端側にはヘッド14の信頼性を維持、回復するための信頼性維持回復機構(以下「サブシステム」という。)37を配置している。キャリッジ13は印字待機中にはこのサブシステム37側に移動されてキャッピング手段などでヘッド14をキャッピングされる。
【0033】
次に、このインクジェット記録装置のヘッド14を構成する本発明に係るマイクロアクチュエータを含む本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドについて図3乃至図7を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの分解斜視説明図、図4は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図5は図4の要部拡大図、図6は同ヘッドの振動板短手方向の拡大断面説明図、図7は同ヘッドを透過状態で示す要部平面説明図である。
【0034】
インクジェットヘッド40は、単結晶シリコン基板、SOI基板などのシリコン基板等を用いた流路基板(液室基板又は第1基板ともいう。)41と、この流路基板41の下面に設けた振動板42と、流路基板41の下側に振動板42を介して設けたシリコン基板、パイレックスガラス基板、セラミックス基板等を用いた電極基板43と、流路基板41の上側に設けたノズル板44とを備え、インク滴を吐出する複数のノズル45、各ノズル45が連通するインク流路である加圧室46、各加圧室46にインク供給路を兼ねた流体抵抗部47を介して連通する共通液室48などを形成している。
【0035】
流路基板41にはノズル45が連通する複数の液流路である加圧室46及びこの加圧室46の底面となる振動板42を形成し、ノズル板44には流体抵抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と電極基板43には共通液室48を形成する貫通部を形成している。
【0036】
ここで、液流路である加圧室46の壁面を形成する振動板42は、全体として引張り応力性を有している。また、振動板42の厚さは、ここでは300dpiイ状のノズルピッチ(吐出密度)を得るために0.3μm〜1.5μmの範囲内で選択した任意の値にしている。さらに、振動板42全体の引張り応力は、応力による破損が生じないように1E+11(dyne/cm2)を越えない値に収まるようにしている。なお、「1E+11」は「1×1011」の意味である。
【0037】
この振動板42は、単層構造でも複層構造でもよく、複層構造にする場合引張り応力性の膜と圧縮応力性の膜との積層膜とすることができ、また、絶縁性膜、導電性膜、絶縁性膜の積層膜、導電性膜の積層膜、絶縁性膜と導電性膜との積層膜のいずれでもよい。
【0038】
ここで、絶縁性膜としてはシリコン窒化膜(引張り応力性)、引張り応力性の膜と圧縮応力性の膜との積層膜でもある絶縁性膜の積層膜としてはシリコン窒化膜とシリコン酸化膜(圧縮応力性)或いはシリコン窒化膜とボロンガラス(圧縮応力性)とを積層したものなどを挙げることができる。導電性膜又は導電性膜の積層膜としては、例えばチタン窒化(TiN)膜、ポリシリコン膜、或いはTi、W、Moなどの高温金属膜、これらの膜の組み合わせを挙げることができる。また、引張り応力性の膜と圧縮応力性の膜との積層膜ともなる絶縁性膜と導電性膜の積層膜としては、上記シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、ボロンガラス、チタン窒化(TiN)膜、ポリシリコン膜、或いはTi、W、Moなどの高温金属膜の組み合わせを挙げることができる。
【0039】
また、振動板42に絶縁性膜又は絶縁性膜の積層膜を用いる場合には、振動板42の表面又は内部(積層膜間)に電極膜を形成する。この電極膜としては、上述した導電性膜(引張り応力性を有するものに限らない)として用いた、チタン窒化(TiN)、ポリシリコン、或いはTi、W、Moなどの高温金属膜などを用いることができる。
【0040】
また、電極基板43にはシリコン酸化膜(層)43aを形成し、この酸化膜43aの部分に凹部54を形成して、この凹部54底面に振動板42に対向する電極55を設け、振動板42と電極55との間に1.0μm程度以下のギャップ56を形成し、これらの振動板42と電極55とによって本発明に係るマイクロアクチュエータを構成している。
【0041】
ここで、電極基板43の凹部54は図4にも示すように振動板短手方向で断面形状が傾斜面を有する形状とし、この凹部54の底面に電極55を形成することにより、振動板42と電極55とを振動板短手方向で非平行状態で対向させている。なお、このように非平行な振動板42と電極55との間に形成されるギャップ56を非平行ギャップと称する。もちろん、振動板42と電極55とを平行な状態で対向させることもできるし、振動板長手方向で非平行ギャップとすることもできる。
【0042】
また、電極55は外部に延設して外部駆動回路に接続された接続手段と接続するための接続部(電極取り出し部)55aとしている。なお、電極55表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si34膜などの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜しているが、電極表面55に電極保護膜57を形成しないで、振動板42側に絶縁膜を形成することもできる。
【0043】
この電極基板43として単結晶シリコン基板を用いる場合には通常のシリコンウエハーを用いることができる。その厚さはシリコンウエハーの直径で異なるが、直径4インチのシリコンウエハーであれば厚さが500μm程度、直径6インチのシリコンウエハーであれば厚さは600μm程度であることが多い。シリコンウエハー以外の材料を選択する場合には、流路基板のシリコンと熱膨張係数の差が小さい方が振動板と接合する場合に信頼性を向上できる。
【0044】
これらの流路基板41の振動板42と電極基板43との接合は、ギャップ56を高精度に確保するため、より信頼性の高い物理的な接合、例えば電極基板43がシリコンで形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いて接合する。この直接接合は500〜1200℃程度の高温下で実施する。シリコンの直接接合は、温度の高い方が接合強度が高く、接合面に接合不良である空隙(ボイド)が発生しにくいので、この点では振動板42にシリコン窒化膜或いはシリコン窒化膜と酸化膜の積層膜を用いるのが好ましい。特にシリコン窒化膜或いはシリコン窒化膜と酸化膜の積層膜を用いることで、アルカリ系のインクに対するインク接液性に優れているので、長期間の安定した駆動を行うことができる。
【0045】
また、電極基板43としてパイレックス(硼珪酸ガラス)などのガラスを用いた場合、陽極接合を行うことができる。電極基板43をシリコンで形成して、陽極接合を行う場合には、電極基板43と振動板42との間にパイレックスガラスを成膜し、この膜を介して陽極接合を行うこともできる。さらに、振動板42と電極基板43にシリコン基板を使用して金等のバインダーを接合面に介在させた共晶接合で接合することもできる。
【0046】
また、電極基板43の電極55としては、通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるAl、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シリコン材料などを用いることができる。電極基板43をシリコンウエハで形成する場合には、電極基板43と電極55との間には絶縁層(上述した酸化膜層43a)を形成する必要がある。電極基板43にガラス基板、セラミック基板等の絶縁性材料を用いる場合には電極55との間に絶縁層を形成する必要はない。
【0047】
また、電極基板43にシリコン基板を用いる場合、電極55としては、不純物拡散領域を用いることができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリコンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散領域周辺にpn接合を形成し、電極55と電極基板43とを電気的に絶縁する。
【0048】
ノズル板44には、多数のノズル45を形成している。このノズル45のピッチは吐出密度で300dpiになるようにしている。また、ノズル板44には、共通液室48と加圧室46を連通するための流体抵抗部47を形成する溝部を形成している。ここでは、このノズル板44はNi電鋳、SUS、或いは高分子樹脂層と金属層の複層構造のものなども用いることができる。
【0049】
このノズル板44は、電極基板42よりも大きく形成し、ノズル板44の一部がアクチュエータ部材の電極取り出し部55aを覆うようにしている。このようにノズル板44をアクチュエータ部材よりも大きくすることにより、ノズル板43でアクチュエータ部材の電極取り出し部55aを完全に覆うことができて、ノズル板44上に滞留するインクが電極取り出し部55aの部分に侵入することを確実に防止することができる。
【0050】
このインクジェットヘッド40ではノズル44を二列配置し、この各ノズル44に対応して加圧室46、振動板42、電極55なども二列配置し、各ノズル列の中央部(ヘッド中央部)に共通液室48を配置して、共通液室48から左右の加圧室46にインクを振り分けて供給する構成を採用している。これにより、各加圧室46へのインク供給を均等に配分することができ、各加圧室の駆動状態の緩衝をほとんど受けることなく、均一なインク滴吐出特性を確保することができて、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマルチノズルヘッドを構成することができる。
【0051】
そして、インクジェットヘッド40の電極55に連続する電極取り出し部55aにヘッド駆動回路であるドライバIC(駆動用ICチップ)60をワイヤボンドによって搭載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して接続している。このとき、電極基板43とノズル板44との間(ギャップ56入口)を含めて電極取り出し部55aとノズル板44との間は、図4及び図5に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤62にて気密封止し、ギャップ56内に湿気が侵入して振動板42が変位しなくなるのを防止している。
【0052】
さらに、電極基板43及びノズル板44ををフレーム部材65上に接着剤で接合している。また、ノズル板44の端部とフレーム部材65との間はエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤68にて封止接合し、撥水性を有するノズル板44表面のインクが電極基板43やFPCケーブル61等に回り込むことを防止している。
【0053】
このフレーム部材65にはインクジェットヘッド40の共通液室48に外部からインクを供給するためのインク供給穴66を形成しており、またFPCケーブル61等はフレーム部材65に形成した穴部67に収納される。
【0054】
そして、このヘッド14のフレーム部材65にはインクカートリッジ15とのジョイント部材70が連結されて、フレーム部材65に熱融着したフィルタ71を介してインクカートリッジ15からインク供給穴66を通じて共通液室48にインクが供給される。
【0055】
このインクジェットヘッド40においては、振動板42を共通電極とし、電極55を個別電極として、振動板42と電極55との間に駆動波形(駆動電圧)を印加することによって、振動板42と電極55との間に発生する静電力によって振動板42が電極55側に変形変位し、この状態から振動板42と電極55間の電荷を放電させることによって振動板42が復帰変形して、加圧室46の内容積(体積)/圧力が変化することによって、ノズル45からインク滴が吐出される。
【0056】
ここで、このインクジェットヘッド40における振動板42は全体として引張り応力性を有しているので、無負荷時(駆動波形を印加しない状態)で変形することがなく、微小ギャップ(0.5μm程度)を安定して確保することができるとともに、振動板42の厚みを薄膜化(0.3〜1.5μm厚のシリコン振動板に相当する剛性を有する厚さ)にすることができて、吐出密度300dpi以上で配置しても低電圧で十分な吐出特性を得ることができる。これにより、吐出密度300dpi以上の高密度ヘッドを得ることができる。
【0057】
これに対して、図8に示すように従来用いられている圧縮応力性の振動板72を用いて薄膜化すると、駆動波形を印加しない状態でも、振動板72は振動板72’で示すように吐出室側或いは電極基板側のいずれかに変形してしまい、微小ギャップを維持することが困難になるとともに、振動板72の定常状態が一定でないために各チャンネル間での吐出特性にバラツキが生じることになる。
【0058】
また、シリコン基板の一部を残存して形成する従来のシリコン振動板(固体振動板)において、耐インク性を得る目的等で表面を酸化した場合、酸化膜が厚いと変形してしまうことを確認している。例えば、2μmのシリコン板に0.2μm程度の酸化膜を形成した場合には、0.02〜0.2μm程度の撓みが発生する。この撓み量はギャップ長1μm以下のアクチュエータを形成する場合に致命的な変形量である。シリコン基板の一部を残存して形成する従来のシリコン振動板の場合、1.5μm程度以下の厚さを制御性良く形成すること自体が極めて難しい上、振動板全体が圧縮応力性を持つような構成(たわみの問題)になると、その実現が一層困難になる。
【0059】
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドについて図9乃至図11を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドの平面説明図、図10は図9のA−A線に沿う振動板長手方向の断面説明図、図11は図9のB−B線に沿う振動板短手方向の断面説明図である。
【0060】
このインクジェットヘッドは、ノズル45を一列で配置し、また、電極基板42の凹部54の底面を振動板42と平行に形成し、この凹部54の底面に電極55を形成することで、振動板42と電極55とを平行に配置してギャップ56を平行ギャップとしたものである。なお、その他の構成は前記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
次に、本発明に係るマイクロアクチュエータを含む本発明の第3乃至第15実施形態に係るインクジェットヘッドについて図12乃至図24を参照して説明する。なお、各図はいずれも流路基板と振動板の部分を示す要部断面説明図である。その他の部分はいずれも前記第1実施形態或いは第2実施形態の構成を適用できる。
【0062】
図12に示す第3実施形態は、振動板42を引張り応力性を有する絶縁性膜であるシリコン窒化膜81で形成したものであり、振動板42全体として引張り応力性を有している。なお、シリコン窒化膜81自体は絶縁膜であって電極として機能できないので、静電力を用いる場合には別途電極膜を形成する(以後の実施形態についても同様である。)。
【0063】
このシリコン窒化膜81は、例えばCVD(Chemical-Vaper-Deposition)法によって形成することができる。CVD法としては減圧CVD法とプラズマCVD法が知られているが、減圧CVD法で成膜した膜の方がプラズマCVD法で成膜した膜よりも引張り応力が大きくなる。
【0064】
また、引張り応力の絶対値は同じ成膜方法を用いても成膜条件で異なる。この場合、引張り応力が大きすぎると、流路基板41に反りを与えたり、振動板剛性に大きな影響を与えたり、その膜がメンブレン(振動板)状態になったときに破損するなどするため、適切な応力値に設定する。
【0065】
図13に示す第4実施形態は、流路基板41にエッチングストップ用のバッファ酸化膜82を形成し、振動板42を引張り応力性を有する絶縁膜であるシリコン窒化膜81と圧縮応力性を有する絶縁性膜であるシリコン酸化膜(層)83の積層膜で形成したものであり、振動板42全体としては引張り応力性を有している。すなわち、シリコン窒化膜81の引張り応力をシリコン酸化膜83の圧縮応力で緩和しながら全体としては引張り応力性の膜としたものである。
【0066】
このように、引張り応力性を有する絶縁膜膜と圧縮応力性を有する絶縁膜とを組み合わせることで、引張り応力を圧縮応力で緩和することができて、振動板42全体として適度な引張り応力を容易に得ることができる。
【0067】
図14に示す第5実施形態は、振動板42をバッファ酸化膜84(第4実施形態のバッファ酸化膜82をそのまま残存させたものである。)とシリコン窒化膜81とシリコン酸化膜83とシリコン窒化膜81との4層の積層膜で形成し、振動板42全体として引張り応力性を有する膜としている。この場合も、酸化膜83、84とシリコン窒化膜81、81の組み合わせで振動板42に全体として適度の引張り応力を容易に得ることができる。
【0068】
図15に示す第6実施形態は、振動板42を引張り応力性を有するTiN膜、ポリシリコン膜、或いはTi、W、Moなどの高温金属膜からなる導電性膜85で形成したものであり、振動板42全体として引張り応力性を有している。なお、導電性膜85を用いる場合にシリコン基板との直接接合ができないときには、前述したように陽極接合や共晶接合を用いれば良い。また、導電性膜85を用いることで振動板42をそのまま共通電極とすることができる。
【0069】
図16に示す第7実施形態は、振動板42を引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81と引張り応力性の導電性膜85との積層膜で形成したものであり、振動板42全体としても引張り応力性を有している。この場合、絶縁性のシリコン窒化膜81を用いているが導電性膜85を電極膜として使用することができる。
【0070】
図17に示す第8実施形態は、振動板42を引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81と引張り応力性の導電性膜85と圧縮応力性の絶縁性膜であるシリコン酸化膜83との積層膜で形成したものであり、振動板42全体として引張り応力性を有している。
【0071】
この場合もシリコン窒化膜81や導電性膜85の引張り応力をシリコン酸化膜83の圧縮応力で緩和して、振動板42全体としての所要の引張り応力を容易に得ることができる。また、絶縁性膜であるシリコン窒化膜81とシリコン酸化膜83との間に導電性膜85をサンドイッチにしているので、導電性膜85を電極膜(共通電極となる。)として使用することができ、しかも導電性膜85と対向電極との接触をシリコン酸化膜83で防止することができる。
【0072】
図18に示す第9実施形態は、流路基板41にエッチングストップ用のバッファ酸化膜82を形成し、振動板42を第8実施形態と同様に引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81と導電性膜85と圧縮応力性のシリコン酸化膜83との積層膜で形成したものである。
【0073】
図19に示す第10実施形態は、振動板42を圧縮応力性の絶縁性膜であるシリコン酸化膜84(第9実施形態のバッファ酸化膜82をそのまま残存させたものである。)と引張り応力性の導電性膜85と引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81との積層膜で形成し、振動板42全体として引張り応力性を有しているものである
【0074】
この場合もシリコン窒化膜81や導電性膜85の引張り応力をシリコン酸化膜84の圧縮応力で緩和して、振動板42全体としての所要の引張り応力を容易に得ることができる。また、絶縁性膜であるシリコン酸化膜84とシリコン窒化膜81との間に導電性膜85をサンドイッチにしているので、導電性膜85を電極膜(共通電極となる。)として使用することができ、しかも導電性膜85と対向電極との接触をシリコン窒化膜81で防止することができる。
【0075】
図20に示す第11実施形態は、振動板42を引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81で形成して全体として引張り応力性を持たせ、振動板42を電極とするためにシリコン窒化膜81に電極膜である導電層86を形成し、この導電層86は各ビット毎(各チャンネル毎)に分離したものである。なお、導電層86としては、上述したようなTiN膜、ポリシリコン膜、或いはTi、W、Moなどの高温金属膜、その他の前述した電極55と同様な材料を用いることができる。この場合、導電層86としては引張り応力性の導電性膜に限るものではない。
【0076】
このように振動板42側にビット毎に分割した導電層86を設けることにより、電極基板側に個別電極を設ける必要がなくなる。なお、前述した第9、第10実施形態のように内部に電極膜を兼ねる導電性膜85を積層する場合にも同様にビット毎に分離することができる。
【0077】
図21に示す第12実施形態は、振動板42を引張り応力性の絶縁性膜であるシリコン窒化膜81で形成して全体として引張り応力性を持たせ、振動板42を電極とするためにシリコン窒化膜81に各ビット毎に分離した電極膜である導電層86を形成し、更にこの導電層86を被覆する絶縁膜87を形成したものである。なお、導電層86は引張り応力性の膜に限るものではなく、また絶縁膜87も圧縮応力性の膜に限るものではない。
【0078】
このように振動板42側にビット毎に分割した導電層86を設けることにより、電極基板側に個別電極を設ける必要がなくなるとともに、この導電層86を被覆する絶縁膜87を形成することで、対向電極との間の電気的接触(回路ショート、破壊)を防止することができる。
【0079】
また、対向電極55のみに保護膜(絶縁膜)57を形成した場合、残留電荷の発生が著しく多くなることが確認されている。残留電荷とは、振動板42が対向電極55側に接触したときに、そこに挟まれる保護膜(絶縁膜)の表面、或いは界面、若しくは内部に電荷が残留する現象である(絶縁膜が分極するという考えもある。)。残留電荷のメカニズムには未だ不明な点が多いが、振動板42と対向電極55の双方に保護膜(絶縁膜)が形成されている場合において、アクチュエータ駆動に支障がない範囲まで残留電荷が実用上抑制されることを確認している。すなわち、この実施形態のように振動板42上に絶縁膜87を形成することで残留電荷の発生を実用上抑制することができる。
【0080】
図22に示す第13実施形態は、流路基板41にバッファ酸化膜82を形成し、振動板42を引張り応力性を有する絶縁性膜であるシリコン窒化膜81で形成して全体として引張り応力性を持たせ、振動板42を電極とするために各ビット(チャンネル)毎に分離し、且つ、2つに分割した電極膜である導電層88、88を形成し、更に分割された導電層88、88間に振動板42に導電層88よりも厚みのあるシリコン酸化膜などの絶縁膜89を形成したものである。また、振動板42の加圧室間隔壁に対応する部分にも絶縁膜79を設けている。
【0081】
このように振動板42側にビット毎に分割した導電層88を設けることにより、電極基板側に個別電極を設ける必要がなくなるとともに、この導電層88より厚みのある絶縁膜89を形成することで、対向電極との間の電気的接触を防止することができ、残留電荷の発生を低減できる。
【0082】
図23に示す第14実施形態は、流路基板41にバッファ酸化膜82を形成し、振動板42を引張り応力性を有する絶縁性膜であるシリコン窒化膜81で形成して全体として引張り応力性を持たせ、振動板42を電極とするために各ビット(チャンネル)毎に分離し、且つ、2つに分割した電極膜である導電層88、88を形成し、更に分割された導電層88、88間に振動板42に導電層88よりも厚みのあるシリコン酸化膜などの絶縁膜89を形成したものである。そして、振動板42の加圧室間隔壁に対応する部分に、振動板42と電極55との間のギャップ56の長さを規定するギャップスペーサになるとともに電極基板43との接合部分となる絶縁膜90を設けている。
【0083】
したがって、上記第13実施形態の作用効果に加えて、電極基板43側にギャップ長を規定するための凹部54を設ける必要がなくなり、平板状シリコン基板をそのまま電極基板として使用することができる。
【0084】
図24に示す第15実施形態は、上記第14実施形態に加えて、導電層88、88の保護膜を兼ねる絶縁膜91を形成したものである。このようにすることで、より確実に残留電荷を低減できる。
【0085】
次に、本発明に係るマイクロアクチュエータを含む本発明の第16乃至第20実施形態に係るインクジェットヘッドについて図25乃至図29を参照して説明する。なお、各図はいずれも振動板短手方向の断面説明図である。
【0086】
図25に示す第16実施形態は、振動板42として第12実施形態(図21)のものを使用し、シリコン基板からなる電極基板43にシリコン酸化層43aを形成し、このシリコン酸化層43aにギャップ56となる凹部54を電極保護膜(保護層)57となる部分を残して形成して、この電極基板43上に上記振動板42等を接合している。
【0087】
したがって、振動板42の導電層86を個別電極とし、電極基板43全体を共通電極として駆動波形を印加することで、振動板42が変形変位してノズル45からインク滴が吐出される。このように振動板42の導電層86が個別ビット毎に分割されていることで、電極基板43を共通電極として使用することができるようになる。
【0088】
図26に示す第17実施形態は、振動板42として第12実施形態(図21)のものを使用し、シリコン基板からなる電極基板43にギャップスペーサ92を介して振動板42等を接合し、振動板42と対向電極となる平板状の電極基板43との間に所定長さのギャップ56を形成したものである。この実施形態においても電極基板43全体を共通電極として使用する。
【0089】
図27に示す第18実施形態は、振動板42として第11実施形態(図20)のものを使用し、シリコン基板からなる電極基板43にシリコン酸化層43aを形成し、このシリコン酸化層43aにギャップ56を形成する凹部54を電極保護層57となる部分を残して形成して、この電極基板43上に上記振動板42等を接合している。この実施形態においても電極基板42全体を共通電極として使用する。
【0090】
図28に示す第19実施形態は、振動板42として第12実施形態(図21)のものを使用し、電極側基板として第2実施形態(図11参照)のものを使用したものであり、シリコン基板からなる電極基板43にシリコン酸化層43aを形成し、このシリコン酸化層43aに電極形成溝となる凹部54を形成し、凹部54内に電極55を形成したものである。
【0091】
この実施形態においては、振動板42の導電層86及び電極基板43の電極55がそれぞれビット毎に対応し、各ビットを選択して駆動波形を印加することができるようになる。
【0092】
図29に示す第20実施形態は、振動板42として第14実施形態(図23)のものを使用し、シリコン基板からなる平板状の電極基板43に振動板42側のギャップスペーサ部材となる絶縁層90を接合したものである。
【0093】
この場合、電極基板43全体を共通電極として使用するが、振動板42が変形したときに凸状の絶縁層89が電極基板43に当接する(ストッパとして働く)ので、導電層88が電極基板43に接触(電気的ショート)することを防止できる。また、第12実施形態の説明でも述べたように、残留電荷の発生は保護膜(絶縁膜)に起因すると考えられる。本実施形態の構成では両電極表面上に絶縁膜がないため、原理上残留電荷の発生がないはずであるが、実際にはシリコン基板表面に僅かに自然酸化膜が形成されること、加えて、放電に起因する影響などで若干の残留電荷が発生する。それでも、本実施形態のような構成を採ることで実用上問題ないレベルまで残留電荷を抑制することができる。
【0094】
次に、前記第9実施形態に係る振動板を用いたインクジェットヘッドの製造工程について図30及び図31を参照して説明する。
先ず、同図(a)に示すようなシリコン基板41上に、同図(b)に示すようにバッファ酸化膜82を形成(基板両面に形成される。)し、このバッファ酸化膜82上に減圧CVD法によりシリコン窒化膜81を成膜し、シリコン窒化膜81上に導電性層であるポリシリコン膜85を成膜し、このポリシリコン膜85の表面を酸化して表面保護層(シリコン酸化膜)83を形成した。この場合、ポリシリコン膜はシリコン基板41と熱膨張係数も略同じであるので応力を発生しない。
【0095】
次に、振動板(積層膜)42の表面、即ち酸化膜83の表面を研磨(ポリッシング)し、研磨した面を、同図(d)に示すように別途製作した電極55等を形成した電極基板43の面と合わせて、同図(c)に示すようにシリコン直接接合法により接合した。なお、シリコン基板43の酸化層43a表面はエッチング等のダメージのないシリコン直接接合可能な表面性に仕上げられていることを当然である。
【0096】
次いで、図31(a)に示すように、シリコン基板41を吐出高さまで研磨した後、加圧室46等に対応するマスクパターン95を例えばプラズマCVD法によって成膜した窒化膜をパターンに応じて除去することで形成している。そして、同図(b)に示すようにKOH液を用いたアルカリエッチングでシリコン基板41を彫り込んでバッファ酸化膜82をエッチストップ検知層としてエッチングをストップし、残存しているバッファ酸化膜82を除去することで加圧室46となる凹部及びその壁面(底面)を形成する振動板42を形成する。その後、同図(c)に示すように、別途同図(d)に示すように製作したノズル板44をシリコン基板41上に接合してインクジェットヘッドを完成する。
【0097】
次に、本発明の第20実施形態に係るインクジェットヘッドについて図32乃至図34を参照して説明する。なお、図32は同ヘッドの平面説明図、図33は図32のC−C線に沿う振動板長手方向の断面説明図、図34は図32のD−D線に沿う振動板短手方向の断面説明図である。
【0098】
このインクジェットヘッドは、振動板42を変形変位させる圧電素子96を設けたピエゾ型ヘッドである。なお、電極基板42上には圧電素子96に接続した電極97を設けている。このようなピエゾ型ヘッド及びマイクロアクチュエータにも本発明は適用することができる。
【0099】
次に、振動板42の引張り応力について説明する。振動板の膜応力と振動板の撓み状態を評価するため、シリコン基板上にRFスパッタ装置にてTiN膜を成膜し、その膜を振動板として、或いは振動板の一部として使用した場合の撓みや変形について、ガス圧依存性、ガス流量比依存性の評価を行なった。ガス圧依存性の評価結果を表1、ガス流量比依存性の評価結果を表2に示している。なお、標準条件は反応性ガスAr/N2、ガス圧6E−03Torrである。
【0100】
【表1】
Figure 0004067737
【0101】
【表2】
Figure 0004067737
【0102】
これらの評価結果から、引張応力系の膜では振動板として撓みが無く良好であったが、圧縮応力系の膜では撓みが生じた。ただし、振動板としてTiN/Si(110)なる構成を用いる場合、応力が大きすぎる(1E+11dyne/cm2程度)と、熱履歴等を経た時点でSi(110)と垂直なSi(111)面に亀裂が生じるという現象(不良)が生じた。これはSi(111)面が、もともと破壊し易い面であるためである。
【0103】
本発明のような微少ギャップ(1μm程度以下)を利用するアクチュエータの場合、振動板の撓みや凹みは致命的であり、これを防ぐためには振動板は全体で引張応力性を有することが必要であるが、生産工程の高歩留まり、及び信頼耐久性の面(例えば亀裂を防ぐという観点)からは、引張応力もあまり大きすぎない方が良く、振動板に使用する材料やその形成方法、或いは、積層膜の場合はその構成(膜厚、材料、積層順等)によって、異なると推測されるが、上述した評価結果からは1E+11(dyne/cm2)を越えないことが好ましい。
【0104】
次に、振動板42のインク接液性について説明する。各種材料のインク接液性について評価した結果を表3に示している。なお、同表中、○は5年間での膜ベリがデバイス駆動に影響しないレベルであること、△は5年間での膜ベリがデバイス駆動に影響を与えると推測されるレベルであること、×は5年間での膜ベリがデバイス駆動に影響を与えるレベルであることを示している。
【0105】
【表3】
Figure 0004067737
【0106】
ここでは、耐インク性をpHで評価している。この評価結果によると、Si、或いはB拡散層ではインクによる膜ベリが大きく、デバイス駆動に影響を与える。熱酸化膜やSiN膜はpH7程度までのインクであれば影響は少ない。また、TiN膜やZr膜などは広い範囲(少なくともpH11程度まで)で良好な耐インク性を示す。これに対し、Niは逆にpHの高いインクを使用する場合に有利な材料である。
【0107】
したがって、本発明を適用した振動板は、振動板全体の応力が、許容範囲以内で引張応力性を有していることが重要であり、積層膜で振動板を形成する場合には、耐インク性の高い材料を液流路側に設けることが好ましい。
【0108】
なお、上記各実施形態においては本発明をインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、液体レジスト等を吐出する液滴吐出ヘッドにも適用することができる。また、ヘッドとして300dpi以上のものに適用したが、300dpi未満のヘッドにも適用することはでき、同様の作用効果も得られる。さらに、本発明に係るマイクロアクチュエータをインクジェットヘッドのアクチュエータ部に適用した例で説明したが、マイクロポンプなどのアクチュエータ部にも適用することができる。さらにまた、引張り応力性を有する絶縁性膜としてシリコン窒化膜、圧縮応力性を有する絶縁性膜としてシリコン酸化膜或いはボロンガラス、導電性膜としてチタン窒化膜、ポリシリコン膜、高温金属膜を挙げたが、これらに限るものではない。また、前述したようにプリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置及び液滴を吐出する装置にも本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載することができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、液流路の壁面を形成する振動板を有し、この振動板を変形させることで液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり、全体として引張り応力性を有する構成としたので、高い平面精度で厚さバラツキの小さい極薄層の振動板を形成できるため、低電圧駆動可能で、滴吐出特性のバラツキのない高密度ヘッドを得ることができるようになるとともに、振動板全体の適度な引張り応力性を容易に得ることができる。
【0110】
ここで、圧縮応力性を有する膜が絶縁性膜である構成とすることで、積層膜全体の引張り応力を容易に調整することができる。この場合、圧縮応力性を有する膜がシリコン酸化膜である構成とすることで、積層膜全体の引張り応力を容易に調整することができる。また、引張り応力性を有する膜がシリコン窒化膜である構成とすることで引張り応力性を有する振動板を容易に形成できる。また、振動板の表面に電極膜を有することで振動板を電極として使用することができる。また、積層膜の内部に電極膜を有することで振動板を電極として使用することができる。
【0113】
また、電極膜を有する場合、電極膜はビット毎に分離されている構成とすることによって、振動板を静電力で変形変位させる場合の対向電極側を共通電極とすることができて構成が簡単になる。
【0114】
また、引張り応力性を有する膜が導電性膜からなる構成とすることで、高い平面精度で厚さバラツキの小さい極薄層の振動板を形成できるため、低電圧駆動可能で、滴吐出特性のバラツキのない高密度ヘッドを得ることができるようになる。この場合、導電性膜はチタン窒化膜、高温金属膜又はポリシリコン膜とすることにより、引張り応力性を有する膜を容易に得ることができる。
【0120】
さらに、振動板はチタン窒化膜、高温金属膜、ポリシリコン膜又はこれらの2以上の組み合わせの膜とシリコン酸化膜との積層膜であることで、振動板が電極を兼ねるようにすることができる。
【0121】
さらにまた、振動板の流路側表面はシリコンに高濃度ボロンを拡散した層よりも高い接液性を有しているので、長期間にわたって信頼性を確保できる
【0122】
また、上記本発明に係る各液滴吐出ヘッドは、振動板に対向する電極を有し、振動板を静電力で変位させることで液滴を吐出させる構成とすることで、高速高密度記録可能な静電型ヘッドが得られる。或いは、振動板を変形させる電気機械変換素子を有し、この電気機械変換素子の変位で振動板を変位させることで液滴を吐出させる構成とするで、高速高密度記録可能なピエゾ型ヘッドが得られる。
【0123】
本発明に係るインクジェット記録装置、画像形成装置、液滴を吐出する装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えた構成としたので、高速高密度記録行うことができるようになる。
【0124】
本発明に係るマイクロアクチュエータによれば、振動板と、この振動板を変形させる駆動手段とを備え、振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり、全体として引張り応力性を有する構成としたので、高い平面精度で厚さバラツキの小さい極薄層の振動板を形成でき、低電圧駆動及び高密度配置が可能なアクチュエータが得られる。
【0127】
ここで、振動板に対向する電極を有し、振動板を静電力で変位させる構成とすることで、低電圧駆動が可能で高密度配置を行った静電型アクチュエータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図
【図2】同記録装置の側断面説明図
【図3】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図4】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図5】図4の要部拡大図
【図6】同ヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図7】同ヘッドを透過状態で示す要部平面説明図
【図8】従来の振動板を用いたヘッドにおける振動板の定常状態を説明する説明図
【図9】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドの平面説明図
【図10】図9のA−A線に沿う振動板長手方向の断面説明図
【図11】図9のB−B線に沿う振動板短手方向の断面説明図
【図12】本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図13】本発明の第4実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図14】本発明の第5実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図15】本発明の第6実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図16】本発明の第7実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図17】本発明の第8実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図18】本発明の第9実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図19】本発明の第10実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図20】本発明の第11実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図21】本発明の第12実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図22】本発明の第13実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図23】本発明の第14実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図24】本発明の第15実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の要部断面説明図
【図25】本発明の第16実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図26】本発明の第17実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図27】本発明の第18実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図28】本発明の第19実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図29】本発明の第20実施形態に係るインクジェットヘッドの振動板短手方向の断面説明図
【図30】第9実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を説明する説明図
【図31】同じくヘッドの製造工程を説明する説明図
【図32】本発明の第21実施形態に係るインクジェットヘッドの平面説明図
【図33】図32のC−C線に沿う振動板長手方向の断面説明図
【図34】図32のD−D線に沿う振動板短手方向の断面説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…ヘッド、24…搬送ローラ、33…排紙ローラ、40…インクジェットヘッド、41…流路基板、42…振動板、43…電極基板、44…ノズル板、45…ノズル、46…加圧室、47…流体抵抗部、48…共通液室、54…凹部、55…電極、56…ギャップ、81…シリコン窒化膜、83…シリコン酸化膜、85…導電性膜、86、88…導電層、87…絶縁膜、96…圧電素子。

Claims (18)

  1. 液流路の壁面を形成する振動板を有し、この振動板を変形させることで液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり、全体として引張り応力性を有する
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記圧縮応力性を有する膜が絶縁性膜であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記圧縮応力性を有する膜がシリコン酸化膜であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記引張り応力性を有する膜がシリコン窒化膜であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板の表面に電極膜を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記積層膜の内部に電極膜を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項5又は6に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記電極膜がビット毎に分離されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記引張り応力性を有する膜が導電性膜からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 請求項8に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記導電性膜がチタン窒化膜、高温金属膜又はポリシリコン膜であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板はチタン窒化膜、高温金属膜、ポリシリコン膜又はこれらの2以上の組み合わせの膜とシリコン酸化膜との積層膜であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板の流路側表面はシリコンに高濃度ボロンを拡散した層よりも高い接液性を有していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板に対向する電極を有し、前記振動板を静電力で変位させることで液滴を吐出させることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板を変形させる電気機械変換素子を有し、この電気機械変換素子の変位で前記振動板を変位させることで液滴を吐出させることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  14. インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路と、このインク流路内のインクを加圧する圧力発生手段とを有するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが前記請求項1乃至13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドからなることを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 振動板と、この振動板を変形させる駆動手段とを備えたマイクロアクチュエータにおいて、
    前記振動板は引張り応力性を有する膜と圧縮応力性を有する膜とを交互に積層した4層構造の積層膜であり全体として引張り応力性を有する
    ことを特徴とするマイクロアクチュエータ。
  16. 請求項15に記載のマイクロアクチュエータにおいて、前記振動板に対向する電極を有し、前記振動板を静電力で変位させることを特徴とするマイクロアクチュエータ。
  17. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが前記請求項1ないし13のいずれかの液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
  18. 液滴吐出ヘッドを備えて液滴を吐出する液滴を吐出する装置において、前記液滴吐出ヘッドが前記請求項1ないし13のいずれかの液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液滴を吐出する装置。
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