JP4067477B2 - 樹脂成分の分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成分の分解方法に関し、特に、産業廃棄物中に混入する廃プラスチック類を廃棄物から溶解することにより、プラスチック含有廃棄物を分解する方法に関する。
産業廃棄物は、樹脂、金属、ガラス、土砂、木片及び油分などの多種類のものが混入した状態であり、費用と手間の観点から、分別処理を行うことなく埋立処分に依存する簡易な処理方法が主流であった。しかしながら、近年の埋立規制の強化に伴い、産業廃棄物を処理する際に無条件に埋立処分法に頼ることが難しくなってきている。さらに、最近はリサイクル意識の高まりも加わり、難分解性の有機物を主原料とする樹脂成分を未分解のまま地中に埋蔵する埋立処分が問題視されており、これに替る新しい処理方法が要望されている。このため、現在の主流は、複数の処理段階を経た後に焼却処分する方法に移行しつつある。
この状況は、廃車体中の樹脂成分の処理に関しても全く同様である。このため、樹脂成分の処理に際しては、廃車中の樹脂集中部分を粉砕した後に、廃車起源の廃棄物を水蒸気分解して得られる廃油成分や、固形物を触媒作用により分解した際の分解残渣などを焼却することで処理の完結とするのが一般的な処理方法となっている。
ところが、上記のような過程で焼却を行うと、残渣物中の塩ビ樹脂を起源とする有害な塩素ガスを生じるおそれがあり、対策を取らぬまま放置しておくとダイオキシン問題などに発展する可能性もある。そこで、残渣物生成の過程で、樹脂成分を選別分離することができれば理想的であるが、樹脂集中部分を多く含む粉砕ダストは、通常、断熱材や木屑、ガラス片やハーネス、塩ビ被覆線、土砂等の多種類のものが複雑に混入した状態で得られ、混入物の種類ごとにそれぞれ適切に対応した除去作業を行わない限り、樹脂成分のみを分離することはできない。また、耐熱性や耐油性などの機能性付加のため、樹脂成分に添加剤を使用したり、表面処理を行ったりして成分組成が複雑であることが多い。このため、樹脂だけを分離するには、数多くの手順を経ねばならず、現実には樹脂成分の完全分離に至らぬまま上記のような焼却処分を行っている。この結果、発生する塩素ガスへの対策が不十分なままであることは否めない。
従来、この種の塩素ガス対策を講じたものとして特許文献1に示すものが知られている。このものは、前段の溶解分別工程において炭化水素系プラスチックを選択的に溶解した後に、塩ビなどの異炭化水素系プラスチックに対する熱分解工程を行って塩化水素系ガスの除去を行う。
特開平11-310659号公報(第4頁、図1及び図2)
ところで、上記の熱分解工程は溶融脱塩素化処理によるもので、発生する塩化水素ガスや熱分解時の気相反応など気体物質を対象とする局面が多くなり、その局面ごとに圧力や気密への管理が必要となる。一般的に、気相反応を伴う工程があると管理や装置の負担が大きくなるのは避けられない。
本発明は、上記問題点に鑑み、より簡易な工程で、産業廃棄物、特に、廃車起源の廃棄物中の樹脂成分を確実に分離し得る方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、弱極性または非極性溶媒として廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、ヘキサン及びアセトンから選択される少なくとも1種の溶媒と、強極性溶媒としてN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2−ピロリドンから選択される1種の溶媒とから成る混合溶液にプラスチック含有廃棄物を浸漬させた後に、この混合溶液を加熱するか、あるいは、上記弱極性または非極性溶媒と、上記強極性溶媒とから成る混合溶液を加熱した後に、この混合溶液中にプラスチック含有廃棄物を投入し、さらに、加熱したプラスチック含有廃棄物の浸漬混合溶液に対して、水蒸気と接触分解反応させることを特徴としている。

これらによれば、プラスチック含有廃棄物中の炭化水素系プラスチックと、塩ビに代表される異炭化水素系プラスチックとは、それぞれ弱極性/非極性溶媒及び強極性溶媒に溶解する。この際、強極性溶媒に溶解する塩ビ起源の塩素分により溶媒全体が酸性度を増大させ、未溶解の他樹脂成分の溶解を促進することになる。また、加熱処理を行うことにより溶媒の蒸発が進行し、溶媒の酸性度の増大がさらに進むので、未溶解樹脂成分のさらなる溶解促進が得られる。そして、この結果、最大の捕捉対象である塩ビ樹脂も溶媒に溶解した状態、即ち、比較的操作が簡易な液相工程で分解した状態で回収でき、その後の処理への移行が容易となる。
この際の加熱温度範囲は80〜250℃であることが望ましい。この温度範囲は、使用樹脂の成形温度付近であり、樹脂成分が溶融状態に変化し易いため、溶解促進に有利である。これに対し、80℃未満では、樹脂成分の構成分子に対する分子裁断エネルギーを得るのに長時間要して効率が悪いこと、また、250℃以上の場合に、混合溶液全体の沸騰を招き、反応が激しくなることが懸念される。さらに、250℃以下とすることで、ダイオキシン発生温度(400〜650℃)への接近を十分な余裕を以って回避できるという効果もある。
さらに、非極性溶媒として、廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、へキサンなど、弱極性溶媒としてアセトンなど、そして、強極性溶媒として、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2-ピロリドンなどを用いることができる。なお、弱極性または非極性溶媒としては、上記した溶媒物質を複数用いた混合物を用いても良い。
このように溶解した樹脂成分は、これが溶出した溶液ごと回収して分別処理に進むものとしても良いが、上記の加熱したプラスチック含有廃棄物の浸漬混合溶液の状態で、水蒸気と接触分解反応させる後工程を行うものとしても良い。加熱した浸漬溶液の状態では、既に、樹脂成分の相当部分が溶液中に溶出しており、水蒸気による接触分解反応が効率的に進むと考えられるからである。この際、水蒸気と接触した樹脂成分は、これを構成する炭化水素化合物中の炭素原子間の結合が切断され、分解されてしまう。
なお、この水蒸気との接触分解反応は、水蒸気分圧として、全圧1.01〜1.3気圧に対して0.01〜0.3気圧、及び、水蒸気温度として300℃以下の反応条件下で行うことができる。
これにより、ほぼ常圧条件下で、しかも、水蒸気温度を300℃以下としても、樹脂成分を構成する炭化水素化合物に対する水蒸気の水和反応が生じ、これにより必要な接触分解反応を行うことができる。このため、耐圧度などの点で装置構成の軽減化が可能になる。そして、この温度範囲は、ダイオキシン発生温度(約400〜650℃)を確実に下回っているため、安全な条件下で樹脂成分分解を進めることができる。
本発明方法によれば、プラスチック含有廃棄物中の炭化水素系プラスチック及び塩ビなどの異炭化水素系プラスチックが、混合溶媒中に溶解し、固形残渣としてでなく、混合溶媒中の溶解物として得られるので溶液状態で扱うことができる。即ち、溶解操作により簡易かつ確実に樹脂成分を分離分解することが可能となる。これにより、操作時の装置構成や管理を簡素化できるとともに、塩素ガス回収などその後の工程への移行が容易になる。
また、浸漬溶液に対して水蒸気を吹き込むことにより、接触分解反応を生じさせて、樹脂成分のさらなる分解を行うことも可能である。この際の反応条件下は温和なもので足り、装置構成の特段の複雑化は必要ない。
図1は、本発明の溶解方法を用いる際の樹脂成分の溶解及び分解装置の概略図である。本装置の容器1は、中央底部に溶液2を貯留できる形状であり、その最深部に設けたドレンバルブ3により溶液2を抜き出すことができる。また、容器1の上部には開口4、5、6、7が設けられ、それぞれ投入口4、中央蒸留口5、送出口6、反応物取出口7として機能する。さらに、容器1の底部1aを、外部から回転軸芯8が貫通しており、溶液2の貯留部分に浸る位置に、この回転軸8に軸支された複数の裁断刃9を設けている。なお、回転軸8は、容器1の外部でベルト10により駆動モータ11と連結され、この駆動により回転軸8が回転すると、裁断刃9が溶液2内で回転する構造となっている。
そして、この裁断刃9が設けられた容器1の最深低部1aを挟んだ底壁面に沿って、投入口4側に搬入用コンベア12を、送出口6側に搬出用コンベア13を設けた。なお、図1中の4a、5a、6aは、投入口4、中央蒸留口5、送出口6に搭載した蒸留器を示し、さらに、反応物取出口7にはシャッタ7aが設けられている。
図1の装置を用いてプラスチック含有廃棄物たるASR中の樹脂成分を溶解するに際しては、あらかじめ、容器1中に弱極性または非極性溶媒と、強極性溶媒とから成る混合溶液2を注入する。そして、投入口4から処理に適した適当な大きさに粉砕したASR(プラスチック含有廃棄物)を溶液2に連続的に投入して浸漬させる。その後、容器1に付属の加熱手段(図示せず)により加熱を行う。
そして、廃棄物を投入口4から投入する際、蒸留器4aを作動させ、混合溶液21からの蒸気をプラスチック廃棄物に曝すことにより、プラスチック成分が軟化し、その後の溶解や回転裁断刃9による裁断・細小化が容易になる。また、この投入時に搬入用コンベア12を用いることにより、溶液2への浸漬がスムーズに行われる。
なお、混合溶液2に用いることができるのは、非極性溶媒として、廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、へキサンなど、弱極性溶媒としてアセトンなど、そして、強極性溶媒として、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2-ピロリドンなどである。弱極性または非極性溶媒としては、上記した溶媒物質を複数用いた混合物を用いても良い。
上記のようにして小片化されたプラスチック廃棄物を浸漬した混合溶液2に対して加熱を行う際の加熱条件は、80〜250℃であることが望ましい。この加熱により、プラスチック含有廃棄物中の炭化水素系プラスチックと、塩ビに代表される異炭化水素系プラスチックとは、それぞれ弱極性/非極性溶媒及び強極性溶媒に溶解する。このようなプラスチック材質としては、BR、SBR、天然ゴム、PVC、アクリル樹脂を例示することができる。
そして、この温度範囲での加熱を行いながら、図外の水蒸気導入管により溶液2に対して水蒸気を吹き込む。このときの水蒸気の温度及び分圧は、それぞれ110℃及び0.15気圧(全圧1.15気圧)である。すると、溶液2内に溶出した樹脂成分が水蒸気と接触し、これとの水和反応により分解される。さらに、蒸留器5a、6aによる蒸留で、分解された樹脂成分起源の炭化水素成分を除去し、新たに廃棄物片として供給される樹脂成分の溶解量を確保できる。また、この際、樹脂中の塩ビ起源の塩素分は、強極性溶媒中に塩素イオンとして溶出し、蒸留されることなく溶液2中に留まる。したがって、蒸留された溶媒が体積減少するに伴い、溶液中の塩素イオン濃度が増大し、酸性度が増加する。そして、このことが廃棄物片に対する溶解力増大の一因ともなるのである。
さらに、この加熱時に、駆動モータ11の駆動により、ベルト10を介して回転軸8を回転させ、裁断刃9を回転させる。これにより、廃棄物片の粉砕がさらに進むとともに、混合溶液2が撹拌されて、廃棄物片の溶解、分解、蒸留が促進されるのである。
このような工程を経ることにより、溶液2に投入されたプラスチック含有廃棄物は、炭化水素系プラスチック樹脂成分が弱極性/非極性溶媒に溶解し、塩ビに代表される異炭化水素系プラスチック樹脂成分が強極性溶媒に溶解し、この状態で水蒸気による接触分解反応が行われる。そして、この結果、分解及び蒸留されて外部に除去されるものと、溶液2中に溶存したままのものと、スラッジ状残渣物となるものとに分かれる。塩素イオンは溶液2への溶存物であり、溶存状態のままドレンバルブ3の開閉により回収分離して次の処理工程に移送すれば良い。また、スラッジ状残渣物を搬出用コンベア13により溶液2から抜き出すことにより、次の処理工程に移送する。この残渣物は、塩素成分が除去されているので、燃焼しても有害な塩素ガスやこれに起因するダイオキシンガス発生のおそれが最小化されている。
なお、本形態においては、強極性溶媒とから成る混合溶液にプラスチック含有廃棄物を浸漬させた後に、この混合溶液を加熱したが、弱極性または非極性溶媒と、強極性溶媒とから成る混合溶液を加熱した後に、この混合溶液中にプラスチック含有廃棄物を投入する方法としても良い。
非極性溶媒として廃ガソリンを用い、この廃ガソリンと、これに対して1/3重量比の極性溶媒とにより混合溶媒を構成し、さらに、この混合溶液に対して1/4重量比のシュレッダーダスト(樹脂成分65%含有)を図1の装置に投入した。このときの加熱温度を変化させたところ、処理温度と樹脂成分の溶解量とが図2中の実線のような相関を示すことが分かった。
[比較例1]
混合溶液の替りに、非極性溶媒の灯油を用いた以外は、[実施例1]と同様にしてシュレッダーダスト中の樹脂成分の溶解を行ったところ、図2の点線に示すように溶解量が低位のまま推移した。
これらの結果の比較により、樹脂成分の溶解量向上に、極性溶媒の混入が有効であることが分かる。
また、混合溶媒とシュレッダーダストとの比も、シュレッダーダスト中の溶解量に影響を与える。図3は、加熱温度を160℃の一定に保ち1時間加熱を行ったときの溶解量につき、混合溶媒とシュレッダーダストとの重量比(図3中では溶媒比に相当)を種々変更したときの溶解量との相関を示すものである。
弱極性溶媒としてアセトンを用い、このアセトンと、これに所定重量比の極性溶媒とにより混合溶媒を構成し、さらに、この混合溶液に対してPVC樹脂を図1の装置に投入し90℃にて加熱した。
このとき、アセトン/極性溶媒比を以下のように変更したときの溶解量相関を以下のように示す。
アセトン/極性溶媒比=70:30・・・・図4
アセトン/極性溶媒比=80:20・・・・図5
アセトン/極性溶媒比=90:10・・・・図6
図4乃至図6より、PVC樹脂の溶解量は、極性溶媒の比率への依存は顕著でなく、むしろ極性溶媒が存在するだけで確実に溶解されることが分る。
また、種々の極性溶媒(N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクトン、安息香酸ブチル、エチルベンゼン、2-ピロリドン)のなかでは、N-メチル-2-ピロリドンがPVC樹脂の溶解に効果的であることが分かる。
非極性溶媒としてシンナーを、極性溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを用い、シンナーとN-メチル-2-ピロリドンとの重量比を80:20とした混合溶液を作成する。この混合溶液30kgを貯留した図1の装置に樹脂成分12kgを投入し、150℃で2時間加熱したところ、スラッジ状残渣物14kg及び溶液28kgが得られ、樹脂成分の溶解が行われたことが分かる。
非極性溶媒として灯油を、極性溶媒としてジメチルホルムアミドを用い、灯油とジメチルホルムアミドとの重量比を80:20とした混合溶液を作成する。この混合溶液40kgを貯留した図1の装置に樹脂成分20kgを投入し、170℃で90分間加熱したところ、スラッジ状残渣物22kg及び溶液38kgが得られ、樹脂成分の溶解が行われたことが分かる。
加熱時間を当初の90分より長くすることにより、残渣物重量の減少と溶液量の増加が見られ、樹脂成分の溶解量が増大することが分かる。
なお、スラッジ状残渣物に対して、160℃、0.15L/min.条件で水蒸気を導入したところ、約6kgの残分が得られた。この残分に対し、加温した後、揮発分除去を行うと、5.5kgの弾性物質が得られた。この弾性体の弾性強度は、図7及び図8に示すように、蒸留に用いる水蒸気の吹き込み速度や温度に依存することが分かる。これらの条件を設定し、弾性強度を制御することにより、得られる残渣物を、吸音材や衝撃吸収材に再利用することも可能である。
本発明は、シュレッダーダスト中の樹脂成分に起因する有害な塩素ガスやダイオキシンの発生防止に活用できる。特に、廃プラスチックなどの樹脂成分を含む廃棄物処理法中で、樹脂成分を分離する前処理方法と位置付けることにより、処理効率を向上させる重要工程として活用できる。
樹脂成分の溶解分解装置 加熱温度と溶解量との相関を示すグラフ図 弱極性または非極性溶媒と強極性溶媒との比率と溶解量との相関を示すグラフ図 溶解時間と溶解量との相関を示すグラフ図(弱極性溶媒:強極性溶媒=70:30) 溶解時間と溶解量との相関を示すグラフ図(弱極性溶媒:強極性溶媒=80:20) 溶解時間と溶解量との相関を示すグラフ図(弱極性溶媒:強極性溶媒=90:10) 残渣物を水蒸気蒸留して得られる弾性物質の弾性強度と吹き込み速度との相関を示すグラフ図 残渣物を水蒸気蒸留して得られる弾性物質の弾性強度と蒸留温度との相関を示すグラフ図
符号の説明
1 反応容器
2 混合溶液


Claims (4)

  1. 弱極性または非極性溶媒として、廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、ヘキサン及びアセトンから選択される少なくとも1種の溶媒と、強極性溶媒として、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2−ピロリドンから選択される1種の溶媒とから成る混合溶液にプラスチック含有廃棄物を浸漬させた後に、該混合溶液を加熱し、上記加熱したプラスチック含有廃棄物の浸漬混合溶液に対して、水蒸気と接触分解反応させることを特徴とする樹脂成分の分解方法。
  2. 弱極性または非極性溶媒として、廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、ヘキサン及びアセトンから選択される少なくとも1種の溶媒と、強極性溶媒として、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2−ピロリドンから選択される1種の溶媒とから成る混合溶液を加熱した後に、該混合溶液中にプラスチック含有廃棄物を浸漬し、上記加熱したプラスチック含有廃棄物の浸漬混合溶液に対して、水蒸気と接触分解反応させることを特徴とする樹脂成分の分解方法。
  3. 前記混合溶液の加熱温度範囲を、80〜250℃とすることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成分の分解方法。
  4. 前記水蒸気との接触分解反応は、全圧1.01〜1.3気圧に対する水蒸気分圧0.01〜0.3気圧及び水蒸気温度300℃以下の反応条件下で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成分の分解方法。
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