JPH1072587A - 廃プラスチックスの処理方法 - Google Patents

廃プラスチックスの処理方法

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JPH1072587A
JPH1072587A JP9133025A JP13302597A JPH1072587A JP H1072587 A JPH1072587 A JP H1072587A JP 9133025 A JP9133025 A JP 9133025A JP 13302597 A JP13302597 A JP 13302597A JP H1072587 A JPH1072587 A JP H1072587A
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oil
chlorine
waste
waste plastics
fixing agent
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JP9133025A
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English (en)
Inventor
Tadanobu Takada
忠信 高田
Moriya Haneda
守冶 羽田
Mitsuo Kameyama
光男 亀山
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MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Original Assignee
MITSUI SEKITAN EKIKA KK
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Publication date
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理により廃プラスチックスから発生す
る塩素を廃ガス中に放出することなくほぼ完全に固定化
し、かつ該塩素固定化物の回収が容易であり、更には装
置の腐食を防止することができる方法を提供すると共
に、それに加えて、現在その殆どがリサイクル利用され
ずに廃棄されている廃油を安価にかつ簡便に処理して付
加価値の高い分解油を回収することができる方法を提供
する。 【解決手段】 石油系重質油、石炭系重質油、廃油及び
植物性油から選ばれた一種以上の油、廃プラスチックス
及び塩素固定化剤とを混合し、非酸化性雰囲気下、35
0〜460℃の温度で加熱処理することを特徴とする廃
プラスチックスの処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックス
の処理方法に関し、更に詳しくは、廃プラスチックス中
に含まれる塩素の固定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般廃棄物あるいは産業廃棄物を
問わず、埋立地の実質的な容量不足、及び処理施設又は
埋立地から排出される汚染水あるいは汚染ガス等による
環境の悪化という問題が顕在化してきている。
【0003】廃棄物の中でも、廃プラスチックスについ
ては、発熱量が高いことから焼却炉を傷めやすいこと、
及び廃ガス中に含まれる有害物質の処理に付帯設備を必
要とする等の多くの問題点が指摘されていた。廃プラス
チックスは、上記のように発熱量が高く、かつ有機成分
を多く含む。従って、近年、リサイクル資源として活用
することが検討され始めた。例えば、燃焼用燃料として
熱回収するサーマルリサイクル、廃プラスチックスを熱
分解して分解油や原料モノマーを得るケミカルリサイク
ルあるいは回収した廃プラスチックスを洗浄した後再度
射出成形して再賦型化するマテリアルリサイクル等が挙
げられる。しかし、廃プラスチックスは、上記の燃焼又
は熱分解において、処理中に塩素を含むガスを発生させ
るため、その廃ガス処理に苦慮しているのが現状であ
る。
【0004】一般に、廃棄物の焼却設備において発生す
る廃ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物は、煙道に生石灰
や消石灰を吹込み、硫黄化合物や窒素化合物として回収
・除去することが知られている。塩素ガスを含む場合に
は、生石灰や消石灰だけでなく活性炭等も吹込み、塩素
化合物として回収・除去している。この際、硫黄化合
物、窒素化合物及び塩素化合物等は、電気集塵機やバグ
フィルター等で捕捉され、次いで水洗されるが、その廃
水を排出するときにも、塩素等に対する処理を施す必要
が生じていた。
【0005】廃プラスチックスを乾留処理する方法が知
られている。該方法においては、廃プラスチックスに生
石灰や消石灰を添加して同時に乾留処理し、発生する塩
素ガスを塩素化合物として固定し、残渣と一緒に回収除
去する。しかし、該方法では、ガス中に逃げた塩素ガス
を捕捉することは殆ど不可能であるため、塩素回収率が
低下することが予想される。
【0006】ポリ塩化ビニルを水酸化ナトリウム水溶液
中で加圧、加熱処理することにより脱塩素を行う方法も
報告されている。
【0007】上記の各方法では、発生した塩素を一度固
定しても、更に廃水処理をする必要があること、あるい
は乾留時に排ガス中に散逸した未回収の塩素ガスを再度
洗浄処理する必要があること等の欠点がある。更には、
塩化水素の発生により、装置の腐食を促進する等の不具
合が生じることも考えられる。
【0008】一方、廃油、例えば、エンジンオイル、マ
シン油、絶縁油等の廃潤滑油類も多く発生している。こ
れらはガソリン、灯油等の燃料油と異なり消費されるこ
となく回収し得るためリサイクル可能な石油資源の一つ
である。かかる廃油の再生方法として、例えば、廃油
中の不純物を濃硫酸により硫酸ピッチとして除去する硫
酸処理法、液体プロパンや液体ブタンを溶媒として廃
油中の油分を抽出する溶媒抽出法、活性白土により廃
油中の色素、悪臭物、懸濁物質、樹脂等の不純物を吸着
除去する白土処理法、減圧蒸留により油の変質を防止
しつつ油分を回収する減圧蒸留法等が知られている。し
かし、いずれの方法もコスト高となるため、特殊な場合
にのみ使用されており、その大部分は自家燃料処理、自
家焼却処分又は外部への払い出し等により処分されてい
る。現在、これらの廃油のリサイクル量は、全体の2%
以下と言われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱処理に
より廃プラスチックスから発生する塩素を廃ガス中に放
出することなくほぼ完全に固定化し、かつ該塩素固定化
物の回収が容易であり、更には装置の腐食を防止するこ
とができる方法を提供すると共に、それに加えて、現在
その殆どがリサイクル利用されずに廃棄されている廃
油、例えば廃潤滑油等を安価かつ簡便に処理して付加価
値の高い分解油を回収することができる方法を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、廃プラス
チックスを所定の油及び塩素固定化剤と混合して、所定
の条件下で加熱処理すると、予期されざることに上記課
題を効果的に解決し得ることを見出した。
【0011】即ち、本発明は、(1)石油系重質油、石
炭系重質油、廃油及び植物性油から選ばれた一種以上の
油、廃プラスチックス及び塩素固定化剤とを混合し、非
酸化性雰囲気下、350〜460℃の温度で加熱処理す
ることを特徴とする廃プラスチックスの処理方法であ
る。
【0012】本発明によれば、上記の油は廃プラスチッ
クスの一部を溶解し、廃プラスチックスを良好に油中に
分散させる。従って、一般に熱伝導率の悪い廃プラスチ
ックスへの熱伝達がスムーズかつ均質に行われ、迅速か
つ均一な脱塩素を可能とする。更に、該油は加熱処理中
に発生する塩素ガスが排ガス中に放散されることを抑制
する働きをも有する。従って、発生した塩素ガスが塩素
固定化剤と効率的に接触し、固定化されるのである。
【0013】とりわけ、本発明において、廃油、好まし
くは廃潤滑油及び/又は廃植物性油を用いれば、従来、
その殆どが回収されず廃棄されていたこれらの廃油を有
効にリサイクル利用することが可能となる。更に、上記
の廃プラスチックスの処理と一体化させることで、従
来、夫々単独で処理されていた廃プラスチックス及び廃
油を同時に処理することができ、処理設備の共用、設備
費の低減等が図られ、極めて効率的でかつ安価な処理を
達成することができるのである。
【0014】好ましい態様として、(2)塩素固定化剤
が、(a) アルカリ金属化合物及び/又は(b) アルカリ土
類金属化合物である上記(1)記載の方法、(3)塩素
固定化剤が、水酸化カルシウムである上記(1)記載の
方法、(4)加熱処理温度が、380〜450℃である
上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、
(5)加熱処理を大気圧〜50気圧の圧力下で実施する
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(6)加熱処理を大気圧〜30気圧の圧力下で実施する
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(7)加熱処理を大気圧〜10気圧の圧力下で実施する
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(8)加熱処理を10〜40分間実施する上記(1)〜
(7)のいずれか一つに記載の方法、(9)非酸化性雰
囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウム及び炭化水素ガスか
ら成る群から選ばれた少なくとも一つのガスの雰囲気で
ある上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方法、
(10)石油系重質油、石炭系重質油、廃油及び植物性
油から選ばれた一種以上の油、廃プラスチックス及び塩
素固定化剤の混合比が、該油100重量部に対して、廃
プラスチックス10〜100重量部及び塩素固定化剤1
〜20重量部である上記(1)〜(9)のいずれか一つ
に記載の方法、(11)(c) 銅、アルミニウム及び鉄か
ら選ばれる一種以上の金属を、[(a) アルカリ金属化合
物及び/又は(b) アルカリ土類金属化合物]対[(c)
銅、アルミニウム及び鉄から選ばれる一種以上の金属]
の重量比で1対0.1〜1対3で含む上記(10)記載
の方法、(12)廃プラスチックスが、一般廃棄物中に
含まれる廃棄プラスチックスである上記(1)〜(1
1)のいずれか一つに記載の方法、(13)廃プラスチ
ックスが、産業廃棄物中に含まれる廃棄プラスチックス
又はシュレッダーダストである上記(1)〜(11)の
いずれか一つに記載の方法、(14)油として廃油を使
用する上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の方
法、(15)廃油が、廃潤滑油及び/又は廃植物性油で
ある上記(14)記載の方法を挙げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において使用される石油系
重質油について特に制限はなく、例えばA重油、C重油
等の燃料油、石油精製工程で得られる残渣油、あるいは
天然タール、オイルシェール油、タールサンド系油等が
挙げられる。石炭系重質油についても特に制限はなく、
例えばコークス製造の際に副生されるコールタール、ア
ントラセン油、ナフタリン油、クレオソート油等、ある
いは石炭液化油、低温乾留タール等が使用される。ま
た、廃油及び植物性油についても特に制限はない。上記
油のうち、A重油及びC重油が好ましく使用される。特
に好ましくは廃油が使用される。廃油としては、上記石
油系重質油、石炭系重質油、植物性油を含む廃油、例え
ば、使用済み潤滑油、使用済み洗浄油等を使用し得る。
とりわけ、エンジンオイル、洗浄油等の石油系廃潤滑
油、あるいはポリオレフィン類、アルキルベンゼン類、
ポリアルキレングリコール類、脂肪酸エステル類、リン
酸エステル類、ケイ酸エステル類、ポリクロロトリフル
オロエチレン類、芳香族ハロゲン化物等の合成廃潤滑
油、若しくは廃植物性油が上記観点から好ましい。
【0016】本発明において処理される廃プラスチック
スとしては、一般廃棄物中に含まれる廃棄プラスチック
ス、あるいは自動車、家電製品等の産業廃棄物から生ず
る廃棄プラスチックス又はシュレッダーダスト等が挙げ
られる。本発明は、塩素原子を含むポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、クロロプレンゴム等を含む上記廃プ
ラスチックスの処理に使用される。これら廃プラスチッ
クス中には、その他一般に、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(A
BS)樹脂等、更にアクリロニトリル‐ブタジエンゴム
(NBR)、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、イ
ソプレンゴム(IR)、ブチレン・ブタジエンゴム、シ
リコーンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、天然ゴ
ム等のゴムが含まれる。該廃プラスチックス中には、そ
の他の有機物質例えば塗料、接着剤等を含んでいてもよ
い。シュレッダーダスト中には、上記プラスチックスの
他、鉄、アルミニウム、銅等の金属類(例えば配線等)
及びガラス、顔料、砂、土等の無機物質が含まれる。本
発明の方法においては、これらの金属類及び無機物質を
予め除去することなく、そのまま使用することができ
る。
【0017】上記の廃プラスチックスの混合量は、石油
系重質油、石炭系重質油、廃油及び植物性油から選ばれ
た一種以上の油100重量部に対して、上限が好ましく
は100重量部、特に好ましくは50重量部であり、下
限が好ましくは10重量部、特に好ましくは30重量部
である。上記上限を超えては、廃プラスチックスからの
脱塩素が不十分かつ不均一となり、上記下限未満では、
効率が悪く経済性に劣る。
【0018】本発明の処理に使用する塩素固定化剤は、
好ましくは(a) アルカリ金属化合物及び/又は(b) アル
カリ土類金属化合物である。
【0019】ここで、(a) アルカリ金属化合物として
は、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が
挙げられる。(b) アルカリ土類金属化合物としては、好
ましくは水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸
化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、生石
灰、消石灰、タルク等が挙げられる。該アルカリ金属化
合物及びアルカリ土類金属化合物は、加熱処理中に発生
する塩素を捕捉して安定な塩素化合物となり、塩素を固
定する。上記化合物中、カルシウム化合物が好ましく、
水酸化カルシウムが特に好ましく使用される。カルシウ
ム化合物は安価であると共に、塩素と容易に反応して塩
化カルシウムとなり、塩素固定化能が非常に高い。更
に、塩化カルシウムは、沸点が1600℃と非常に高
く、塩化カルシウムを含んだ残渣を燃焼しても、分解に
より塩素が発生しないと考えられる。従って、燃焼炉や
煙道等を傷める等の二次弊害に対する配慮が不要となる
等の利点がある。
【0020】該塩素固定化剤の配合量は、上記の石油系
重質油、石炭系重質油、廃油及び植物性油から選ばれた
一種以上の油100重量部に対して、上限が好ましくは
20重量部、特に好ましくは15重量部であり、下限が
好ましくは1重量部、特に好ましくは2重量部である。
上記下限未満では塩素の固定化が不十分となり、上記上
限を超えても塩素の固定化に対する顕著な効果の向上が
認められない。
【0021】本発明の方法においては、好ましくは更
に、(c) 銅、アルミニウム及び鉄から選ばれる一種以上
の金属を含めることができる。該金属は、塩素原子を含
むポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、クロロプレン
ゴム等が分解する際に、塩素の乖離を促進する作用を有
すると考えられている。これらのうち銅が安価であり、
かつ硬度の面からも反応装置内の磨耗を最小にすること
ができ、特に好ましい。アルミニウムは比較的高価であ
り、鉄は硬度が高く反応装置内の磨耗が比較的高い。こ
れらの金属の形状は特に制限はないが、線状の形が好ま
しく、効果が大であり、かつその回収も容易である。
【0022】該(c) の配合量は、[(a) アルカリ金属化
合物及び/又は(b) アルカリ土類金属化合物]対[(c)
銅、アルミニウム及び鉄から選ばれる一種以上の金属]
の重量比で好ましくは1対0.1〜1対3、特に好まし
くは1対1〜1対2である。上記範囲内とすることによ
り、廃プラスチックスからの塩素の乖離と反応後の固形
物中への塩素の固定化の良好なバランスが得られ、塩素
を廃ガス中に放出することなく、効果的に固形物中に塩
素を固定化し得ると共に、迅速かつ良好な脱塩素処理が
可能となる。
【0023】石油系重質油、石炭系重質油、廃油及び植
物性油から選ばれた一種以上の油、廃プラスチックス及
び塩素固定化剤との混合は、例えば下記のようにして実
施される。まず、予め廃プラスチックスを粉砕して、好
ましくは10mm以下の粒径のものが80重量%以上に
なるようにし、これを上記油と所定の重量比で混合す
る。次いで、該混合物を膨潤することが好ましい。該混
合物の膨潤は好ましくは100〜200℃の温度で好ま
しくは10〜60分間保持することにより行われる。よ
り好ましくは、上記油を予め250℃以上に加熱した
後、廃プラスチックスと混合し、次いで100〜200
℃の温度に10〜60分間保持して廃プラスチックスを
膨潤させることもできる。塩素固定化剤は、上記の膨潤
前に混合してもよいし、又は膨潤後に混合してもよい。
膨潤前の混合が好ましい。成分(c) は、塩素固定化剤と
共に混合することが好ましい。
【0024】次に、上記混合物は非酸化性雰囲気、好ま
しくは窒素、アルゴン、ヘリウム及び炭化水素ガスから
成る群から選ばれた少なくとも一つのガスの雰囲気下で
加熱される。該加熱は、350〜460℃、好ましくは
380〜450℃である。反応時間やコーキングの防止
更には操作上の観点から、特に好ましくは420〜43
0℃の温度で実施される。加熱温度が、上記上限を超え
てはコークス化が生じ易くなり、上記下限未満では廃プ
ラスチックスの分解が不十分となり脱塩素も不十分とな
る。更に、該加熱の際の圧力は、好ましくは大気圧〜自
生圧であり、その上限は好ましくは50気圧、更に好ま
しくは30気圧、特に好ましくは10気圧である。該圧
力が、上記上限を超えては、また上記下限未満では、い
ずれも装置費の増大を招き経済性の面から好ましくな
く、更に操作上の面からも好ましくない。また、該加熱
処理は、好ましくは10〜40分間、特に好ましくは1
5〜20分間実施される。加熱時間が上記下限未満では
廃プラスチックスの分解が不十分であり、上記範囲を超
えても顕著な効果は期待されず、コークス化が生ずるお
それがあるため好ましくない。
【0025】上記本発明の処理は、連続式又は回分式の
いずれの装置を用いても実施することができる。
【0026】本発明の方法においては、本発明の効果を
損なわない範囲で、加熱処理中の分解や反応を促進する
ために、例えば、鉄系の分解触媒を添加したり、回収す
る軽質油又はガスの性状を調節するためにシリカ‐アル
ミナ系触媒、遷移金属系触媒、貴金属触媒、金属化合物
触媒、天然鉱物等を添加することができる。
【0027】上記の加熱処理後、好ましくは混合物から
固形物が分離され軽質油が回収される。特に、廃プラス
チックスとしてシュレッダーダスト等の比較的金属及び
無機物質含有量の多いものを使用した場合には、上記混
合物を固形物分離機例えば濾過機、遠心分離機等で処理
し、混合物中に含まれる金属等の固形物を除去すること
が好ましい。
【0028】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0029】
【実施例】
【0030】
【実施例1】500ミリリットルのステンレス製オート
クレーブに、予め3mm以下が80重量%以上となるよ
うに粉砕した、ポリエチレン10.0g、ポリプロピレ
ン10.0g、ポリスチレン10.0g、ポリ塩化ビニ
ル6.0g、エポキシ樹脂12.0g及びフェノール樹
脂12.0g、更にA重油60.0g、塩素固定化剤と
しての水酸化カルシウム7.5g、及び銅線12.0g
を仕込んだ。
【0031】次に、窒素雰囲気下、430℃で20分
間、300rpmで攪拌しながら加熱処理した。該処理
後の生成物を遠心分離(3000rpm、30分)して
分解油を得た。更に、遠心分離後の固形物からソクスレ
ー抽出によりn‐ヘキサン可溶分を抽出した。該分解油
及びn‐ヘキサン可溶分の合計は101gであった。ま
た、n‐ヘキサン不溶の固形物(銅線12gを除く)2
4.5g及び分解ガス2gが得られた。該加熱処理時の
最大圧力は49kg/cm2 (自生圧)であった。得ら
れた分解油中の塩素含有量は6重量ppmであり、固形
物中の塩素含有量は13重量%であった。また、分解ガ
ス中に塩素は検出されなかった。ここで、塩素含有量
は、分解油については燃焼法による全塩素自動分析計
(TST‐10、三菱化学株式会社製)を用いて、固形
物については試料をアルカリ溶融処理した後、チオシア
ン酸第二水銀法による比色法を用いて測定した。また、
分解ガスはアルカリ吸収後、硝酸銀滴定法を用いて測定
した値である。
【0032】
【実施例2】500ミリリットルのステンレス製オート
クレーブに、予め3mm以下が80重量%以上となるよ
うに粉砕した、ポリエチレン4.5g、ポリプロピレン
4.5g、ポリスチレン4.5g、ポリ塩化ビニル4.
5g、エポキシ樹脂6.0g及びフェノール樹脂6.0
g、更にA重油90.0g、及び塩素固定化剤として炭
酸カルシウム5.5gと銅線10.0gを仕込んだ。
【0033】次に、窒素雰囲気下、430℃で20分
間、300rpmで攪拌しながら加熱処理し、分解油及
びn‐ヘキサン可溶分の合計109g、n‐ヘキサン不
溶の固形物(銅線12gを除く)14g、及び分解ガス
2gを得た。該加熱処理時の最大圧力は36kg/cm
2 (自生圧)であった。得られた分解油中の塩素含有量
は200重量ppmであり、固形物中の塩素含有量は1
4重量%であった。また、分解ガス中に塩素は検出され
なかった。
【0034】
【実施例3】500ミリリットルのステンレス製オート
クレーブに、予め5mm以下が80重量%以上となるよ
うに粉砕したシュレッダーダスト30.0g(塩素含有
量約3重量%)、A重油60.0g、及び塩素固定化剤
として水酸化カルシウム1.5gを仕込んだ。
【0035】次に、窒素雰囲気下、430℃で20分
間、300rpmで攪拌しながら加熱処理し、分解油及
びn‐ヘキサン可溶分の合計73g、n‐ヘキサン不溶
の固形物16g、及び分解ガス2gを得た。該加熱処理
時の最大圧力は47kg/cm2 (自生圧)であった。
得られた分解油中の塩素含有量は18重量ppmであ
り、固形物中の塩素含有量は6重量%であった。また、
分解ガス中に塩素は検出されなかった。
【0036】
【実施例4】A重油に代えて廃潤滑油(廃エンジンオイ
ルの混合物、沸点200℃以上の留分が95体積%以上
のものである。)60.0gを使用した以外は、実施例
1と同一にして実施した。
【0037】分解油及びn‐ヘキサン可溶分の合計は5
8gであった。また、n‐ヘキサン不溶の固形物(銅線
12gを除く)79.5g及び分解ガス2gが得られ
た。該加熱処理時の最大圧力は14kg/cm2 (自生
圧)であった。得られた分解油中の塩素含有量は6重量
ppmであり、固形物中の塩素含有量は13重量%であ
った。また、分解ガス中に塩素は検出されなかった。
【0038】
【実施例5】A重油に代えて廃潤滑油(実施例4で使用
したと同一のものである。)90.0gを使用した以外
は、実施例2と同一にして実施した。
【0039】分解油及びn‐ヘキサン可溶分の合計は8
7gであった。また、n‐ヘキサン不溶の固形物(銅線
12gを除く)46.5g及び分解ガス2gが得られ
た。該加熱処理時の最大圧力は13kg/cm2 (自生
圧)であった。得られた分解油中の塩素含有量は200
重量ppmであり、固形物中の塩素含有量は14重量%
であった。また、分解ガス中に塩素は検出されなかっ
た。
【0040】
【実施例6】A重油に代えて廃潤滑油(実施例4で使用
したと同一のものである。)60.0gを使用した以外
は、実施例2と同一にして実施した。
【0041】分解油及びn‐ヘキサン可溶分の合計は5
4gであった。また、n‐ヘキサン不溶の固形物(銅線
12gを除く)35.5g及び分解ガス2gが得られ
た。該加熱処理時の最大圧力は10kg/cm2 (自生
圧)であった。得られた分解油中の塩素含有量は18重
量ppmであり、固形物中の塩素含有量は6重量%であ
った。また、分解ガス中に塩素は検出されなかった。
【0042】
【比較例1】500ミリリットルのステンレス製オート
クレーブに、予め3mm以下が80重量%以上となるよ
うに粉砕した、ポリエチレン5.0g、ポリプロピレン
5.0g、ポリスチレン5.0g及びポリ塩化ビニル
5.0g、更にA重油60.0gを仕込んだ。
【0043】次に、窒素雰囲気下、430℃で20分
間、300rpmで攪拌しながら加熱処理し、分解油6
4g、分解ガス2g、固形物14gを得た。該加熱処理
時の最大圧力は47kg/cm2 (自生圧)であった。
仕込み塩素量の99.9重量%が分解ガス中から認めら
れた。また、分解油中の塩素含量は100重量ppm以
下であり、固形物中の塩素含量は100重量ppm以下
であった。
【0044】
【比較例2】水酸化カルシウムを用いなかった以外は、
実施例3と同一に実施した。分解油70.5g、分解ガ
ス2g、固形物17.5gを得た。該加熱処理時の最大
圧力は47kg/cm2 (自生圧)であった。得られた
分解油中の塩素含量は0.06重量%であり、固形物中
の塩素含量は3.5重量%であった。また、分解ガス中
に塩素は検出されなかった。
【0045】
【比較例3】A重油に代えて廃潤滑油(実施例4で使用
したと同一のものである。)60.0gを使用した以外
は、比較例1と同一にして実施した。
【0046】分解油及びn‐ヘキサン可溶分の合計は6
4gであった。また、n‐ヘキサン不溶の固形物(銅線
12gを除く)14g及び分解ガス2gが得られた。該
加熱処理時の最大圧力は14kg/cm2 (自生圧)で
あった。仕込み塩素量の99.9重量%が分解ガス中か
ら認められた。また、分解油中の塩素含量は100重量
ppm以下であり、固形物中の塩素含量は100重量p
pm以下であった。
【0047】上記の実施例1〜6の結果から、本発明の
方法によれば、塩素は分解ガス中には含まれず、仕込み
塩素量のほぼ全量が固形物中に固定化されることが認め
られた。
【0048】一方、比較例1又は3のように、塩素固定
化剤を使用しないと、仕込み塩素量のほぼ全量が分解ガ
ス中に放出されることが分かった。比較例2は、実施例
3において塩素固定化剤を使用しなかったものである。
分解ガス中に塩素は認められなかったが、分解油中に多
量の塩素が含まれ、固形物中に塩素を良好に固定化する
ことができなかった。従って、回収した油の使用に際し
ては、更に脱塩素処理等が必要であり好ましくない。
【0049】
【発明の効果】本発明は、加熱処理により廃プラスチッ
クスから発生する塩素を廃ガス中に放出することなくほ
ぼ完全に固定化し、かつ該塩素固定化物の回収が容易で
あり、更には装置の腐食を防止することができる方法を
提供すると共に、それに加えて、現在その殆どがリサイ
クル利用されずに廃棄されている廃油、例えば廃潤滑油
等を安価にかつ簡便に処理して付加価値の高い分解油を
回収することができる方法を提供する。従って、環境汚
染対策若しくは資源リサイクル技術として有用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油系重質油、石炭系重質油、廃油及び
    植物性油から選ばれた一種以上の油、廃プラスチックス
    及び塩素固定化剤とを混合し、非酸化性雰囲気下、35
    0〜460℃の温度で加熱処理することを特徴とする廃
    プラスチックスの処理方法。
  2. 【請求項2】 塩素固定化剤が、(a) アルカリ金属化合
    物及び/又は(b) アルカリ土類金属化合物である請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 塩素固定化剤が、水酸化カルシウムであ
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理温度が、380〜450℃であ
    る請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法、
  5. 【請求項5】 加熱処理を大気圧〜50気圧の圧力下で
    実施する請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 加熱処理を大気圧〜30気圧の圧力下で
    実施する請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 加熱処理を10〜40分間実施する請求
    項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 非酸化性雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘ
    リウム及び炭化水素ガスから成る群から選ばれた少なく
    とも一つのガスの雰囲気である請求項1〜7のいずれか
    一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 石油系重質油、石炭系重質油、廃油及び
    植物性油から選ばれた一種以上の油、廃プラスチックス
    及び塩素固定化剤の混合比が、該油100重量部に対し
    て、廃プラスチックス10〜100重量部及び塩素固定
    化剤1〜20重量部である請求項1〜8のいずれか一つ
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 油として廃油を使用する請求項1〜9
    のいずれか一つに記載の方法。
  11. 【請求項11】 廃油が、廃潤滑油及び/又は廃植物性
    油である請求項10記載の方法。
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