JP2005087866A - 廃棄物処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡略化した装置構成や工程により、処理物を無害消失化し得る廃棄物の処理方法を提供する。
【解決手段】廃棄物中の樹脂成分を分離・分解する前処理工程と、前処理工程の分解残渣を燃焼する燃焼工程と、燃焼工程の残渣灰分を溶融する溶融工程とを順に行う。この工程を経ることにより、処理効率の阻害要因である、難燃化処理された樹脂成分の大部分をあらかじめ除外することができ、高効率の廃棄物処理が可能となる。樹脂成分の分離・分解の収率が高ければ、中間に位置する燃焼工程を除外し、前処理工程と溶融工程とを直結するものとしても良い。
【選択図】図3

Description

本発明は、都市ごみ、固形化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス廃棄物、自動車廃棄物、廃油等の産業廃棄物の処理方法に関し、特に、自動車廃棄物に特化して得られるASR(Automobile Shredder Residue)の処理方法に関する。
産業廃棄物は、樹脂、金属、ガラス、土砂、木片及び油分などの多種類のものが混入した状態であり、費用と手間の観点から、分別処理を行うことなく埋立処分に依存する簡易な処理方法が主流であった。しかしながら、近年の埋立規制の強化に伴い、産業廃棄物を処理する際に無条件に埋立処分法に頼ることが難しくなっている。さらに、最近はリサイクル意識の高まりも加わり、難分解性の有機物を主原料とする樹脂成分を未分解のまま地中に埋蔵する埋立処分が問題視されており、これに替る新しい処理方法が要望されている。
この種の廃棄物処理方法として、従来、埋立処分に回付される捕集灰の発生量を減少させるため、溶融炉での燃焼工程後に得られるスラグ化率向上を目的として、回収した捕集灰を再び溶融炉に投入するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-4211号公報(図1)
ところが、特許文献1のものは、捕集灰の回収のための工程の多段階化や、これに用いる装置の複雑化が避けられない。また、樹脂成分の含有量が比較的多い廃車体起源の廃棄物を対象にする場合、捕集灰中に未分解の樹脂成分が残留した状態であり、最終的には埋立処分に依存する本従来法は望ましくない。
本発明は、上記問題点に鑑み、簡略化した装置構成や工程により、処理物を無害消失化し得る廃棄物の処理方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、廃棄物中の樹脂成分を分解する前処理工程と、この前処理工程後の残渣を溶融する溶融工程とを行うことによる廃棄物処理方法とした。
これによれば、廃棄物中に混在したままでは無害化が困難な樹脂成分の大部分を、あらかじめ前処理工程で分離して分解処理を行うため、処理後に発生する残渣中の樹脂成分を低減でき、このため、残渣を溶融することにより生じるスラグや金属の比率を向上させることができる。
また、上記の前処理工程と溶融工程との間に、前処理工程で発生する分解残渣を燃焼する燃焼工程を介在させ、燃焼工程で生じる灰分を残渣としてその後の溶融工程で溶融することで、処理効率が向上する。燃焼工程を介することいにより、前処理工程での樹脂成分の分離・分解が完全でない場合も、樹脂成分を燃焼行程でガス化して排出することができ、燃焼工程で得られる灰分内でのスラグ及び金属の含有比率が向上する。このため、この灰分を最終の溶融工程で溶融したときのスラグ化率が改善するのである。なお、燃焼工程の介在を要する目安となるのは、その直前の前処理工程で分離または分解される樹脂成分量が85%以下である場合とされる。
このように簡略化した工程で効率良く処理物の無害消失化を可能にできるというのが本発明の廃棄物処理法の利点である。
本発明の廃棄物処理方法によれば、廃棄物中の樹脂成分量をあらかじめ前処理工程により低減できるので、回収される残渣成分を溶融した後に得られるスラグ及び金属成分の比率向上が可能となる。また、前処理工程と溶融工程との間に燃焼工程を介在させることにより、発生する灰分の量をさらに低減することができ、廃棄処理物の完全無害消失化を実現するうえで重要な進展としての位置付けが可能である。
図1乃至図4に示す装置は、本発明の廃棄物処理方法に用いるものであり、図1及び図2は前処理工程用の樹脂成分分解装置、図3は燃焼工程用の燃焼炉、図4は溶融工程用の溶融炉のそれぞれ概略図を示す。これらの装置を用いて一連の廃棄物処理の対象となるのは、ASR(Automobile Shredder Residue)と称される廃車起源の廃棄物を粉砕したものである。そして、その内容は、ウレタン樹脂、PVC樹脂、PP樹脂、ABS樹脂、PE樹脂などの樹脂成分、BR、SBRなどのゴム成分、ワイヤ、ハーネス、ボルト、ナット、釘、針金などの金属鉄成分、PVC被覆導線、電極端子、真鍮などの金属銅成分や残部土砂分などが混在したものである。
図1は、本発明の廃棄物処理方法の前処理工程に相当する樹脂成分分解工程用装置の第1態様の概略図である。本装置は、中空構造の反応容器1と、その上部に設けた尖塔構造のチムニー2経由で接続される蒸留器3とにより構成される。反応容器1は、その底部に電熱ヒータ4が設けられ、また、内部には、水蒸気導入管5が外部から挿入されている。さらに、この水蒸気導入管5の下端部分は水平方向の分岐管6として形成され、分岐管6には所定間隔で多数の通孔7が穿設される。
導入管5の上端部分から送入された水蒸気は、通孔7からシャワー状に噴出する際に、対向する電熱ヒータ4により加熱された状態で、粉砕充填物8の間隙を通過する。そして、その際に粉砕充填物8と接触し、水和反応によりこれを分解する。分解された粉砕充填物8は、気化した状態でチムニー2内を上昇し、蒸留器3内へ誘導される。そして、内部の邪魔板9への衝突を繰り返しながら、水流パイプ10により冷却されて、蒸留留分として回収口11より液体状態で回収される。
一方、図2に示す装置は、本発明の廃棄物処理方法の前処理工程に相当する樹脂成分分解工程用装置の第2態様の概略図である。図1の分解装置が、主に固体状態の粉砕充填物に対して水蒸気による接触分解反応を行うものであるのに対して、図2の分解装置では、接触反応対象物を容器1内で溶媒に溶解した状態で水蒸気を導入するものである。即ち、水蒸気との接触分解反応対象物は、溶媒中の溶出成分と、溶媒への未溶解物から成る残渣成分とになるが、このように溶出成分として反応対象物を分離しておくと、反応効率が向上するのである。
図2に示す分解装置の概略を説明すると、本装置の容器20は、中央底部に溶液21を貯留できる形状であり、その最深部に設けたドレンバルブ22により溶液21を抜き出すことができる。また、容器20の上部には開口23、24、25、26が設けられ、それぞれ投入口23、中央蒸留口24、送出口25、反応物取出口26として機能する。さらに、容器20の底部20aには、外部から回転軸芯27が貫通しており、溶液21の貯留部分に浸る位置に、この回転軸27に軸支された複数の裁断刃28を設けている。なお、回転軸27は、容器20の外部でベルト29により駆動モータ30と連結され、この駆動により回転軸27が回転すると、裁断刃28が溶液21内で回転する構造となっている。
そして、この裁断刃28が設けられた容器21の最深低部20aを挟んだ底壁面に沿って、投入口23側に搬入用コンベア23bを、送出口25側に搬出用コンベア25bを設けた。なお、図2中の23a、24a、25aは、投入口23、中央蒸留口24、送出口25に搭載した蒸留器を示し、さらに、反応物取出口26にはシャッタ26aが設けられている。
次に、図3は、図1及び図2の装置による前処理工程で回収される残渣物に対して燃焼工程を行うための燃焼炉の概略図である。図3を参照して、燃焼炉31は、外表面32を鉄製とした耐火物33を構成材料として、内部中央の燃焼室34を覆った構造で形成される。また、燃焼室34内に燃焼対象物35を投入するために、燃焼対象物35を収容したホッパ36の底部から延伸する供給路36aが燃焼室34の上部側壁に設けた投入口37に接続される。さらに、燃焼室34の両側壁に外部とそれぞれ連通するエア導入管38及びエア排出管39が設けられている。また、燃焼室34の頂部両隅に設けた開口40a、40bには、送気管41a、41bにそれぞれ連なる開閉バルブ42a、42bが接続される。送気管41a、41bは、燃焼室34内で高温となった排出ガスを誘導するもので、燃焼室34の外側に沿って高温排出ガスを流動しながら滞留することにより燃焼室34の高温保持の熱源として利用される。
また、燃焼対象物35は燃焼室34内での燃焼により灰成分43として、燃焼室34底部に蓄積され、底部に設けたシャッタ44により構成される灰落とし機構を使用して、回収灰成分43aとして回収される。
図4は、図3の装置による燃焼工程で回収される灰成分に対して溶融工程を行うための溶融炉の概略図である。溶融対象物を収容したホッパ51からその適量が投入口52経由で溶融炉53内に充填される。溶融炉53内では、貯留した溶融対象物にそれぞれ接触した状態で対峙する棒電極54、55間に交流高電圧が印加可能であり、これにより溶融対象物が溶融状態に至るように高温加熱する。そして、溶融状態を保った溶融物は、次第にスラグ成分と金属成分とに分離する。このとき、比重の大きい金属成分が下層56に析出し、それよりも小さい比重のスラグ成分が上層57に析出する。最上層58は未溶融の残渣物である。そして、溶融状態のスラグ成分57を溶融炉53の側壁に設けた取り出し口59より流出して回収する。
次に、図1乃至図4に示す装置を用いた本発明の廃棄物処理方法を説明する。
まず、最初の前処理工程において、処理対象のASRを固体状態のままの粉砕充填物として分解する場合は、図1の分解装置を用いる。この図1の反応容器1を用いてプラスチック含有廃棄物中の樹脂成分を分解するに際しては、あらかじめ、1mm〜200mm角程度に粉砕した上記内容物から成る廃棄物片8を容器1内に充填する。このときの充填物の重量は概ね16kg程度である。さらに、電熱ヒータ4により加熱を行いながら、水蒸気導入管5より、110℃の水蒸気を分圧0.15気圧(全圧1.15気圧)、流量20L/秒で連続的に導入する。このとき、電熱ヒータ4による加熱温度を調整して、容器1の内部を300℃以下に抑制する。この条件下で、粉砕充填物8中の樹脂成分に対して水蒸気による水和反応が進行してその炭化水素骨格が分解され、分解された樹脂成分は気体となってチムニー2経由で蒸留器3に到達する。そして、回収蒸留留分として回収口11より回収されるが、このとき蒸留成分内に検出されるのは、アルコール類、カルボン酸等の有機酸類、エステル類、ケトン類であり、ダイオキシンなどの有害物質は認められない。そして、接触分解反応後に容器1内に残留する残渣物を次の燃焼工程に移送する。
一方、処理対象のASR中の樹脂成分量が比較的多い場合は、図1の装置に替り、図2の分解装置を用いると良い。図2の装置を用いてプラスチック含有廃棄物たるASR中の樹脂成分を溶解するに際しては、あらかじめ、容器20中に弱極性または非極性溶媒と、強極性溶媒とから成る混合溶液21を注入する。そして、投入口23から処理に適した適当な大きさに粉砕したASR(プラスチック含有廃棄物)を溶液21に連続的に投入して浸漬させる。その後、容器1に付属の加熱手段(図示せず)により加熱を行う。
そして、廃棄物を投入口23から投入する際、蒸留器23aを作動させ、混合溶液21からの蒸気をプラスチック廃棄物に曝すことにより、プラスチック成分が軟化し、その後の溶解や回転裁断刃28による裁断・細小化が容易になる。また、この投入時に搬入用コンベア23bを用いることにより、溶液21への浸漬がスムーズに行われる。
なお、混合溶液21に用いることができるのは、非極性溶媒として、廃ガソリン、廃軽油、廃灯油、シンナー、ベンゼン、へキサンなど、弱極性溶媒としてアセトンなど、そして、強極性溶媒として、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エチルベンゼン及び2-ピロリドンなどである。弱極性または非極性溶媒としては、上記した溶媒物質を複数用いた混合物を用いても良い。
上記のようにして小片化されたプラスチック廃棄物を浸漬した混合溶液21に対して加熱を行う際の加熱条件は、80〜250℃であることが望ましい。この加熱により、プラスチック含有廃棄物中の炭化水素系プラスチックと、塩ビに代表される異炭化水素系プラスチックとは、それぞれ弱極性/非極性溶媒及び強極性溶媒に溶解する。このようなプラスチック材質としては、BR、SBR、天然ゴム、PVC、アクリル樹脂を例示することができる。
そして、この温度範囲での加熱を行いながら、図外の水蒸気導入管により溶液21に対して水蒸気を吹き込む。このときの水蒸気の温度及び分圧は、それぞれ110℃及び0.15気圧(全圧1.15気圧)であり、図1の装置を用いる場合と同条件で良い。すると、溶液21内に溶出した樹脂成分が水蒸気と接触し、これとの水和反応により分解される。さらに、蒸留器23a、25aによる蒸留で、分解された樹脂成分起源の炭化水素成分を除去し、新たに廃棄物片として供給される樹脂成分の溶解量を確保できる。また、この際、樹脂中の塩ビ起源の塩素分は、強極性溶媒中に塩素イオンとして溶出し、蒸留されることなく、溶液中に留まる。したがって、蒸留された溶媒が体積減少するに伴い、溶液中の塩素イオン濃度が増大し、酸性度が増加する。そして、このことが廃棄物片に対する溶解力増大の一因ともなるのである。
さらに、この加熱時に、駆動モータ30の駆動により、ベルト29を介して回転軸27を回転させ、裁断刃28を回転させる。これにより、廃棄物片の粉砕がさらに進むとともに、混合溶液21が撹拌されて、廃棄物片の溶解、分解、蒸留が促進されるのである。
このような工程を経ることにより、溶液21に投入されたプラスチック含有廃棄物は、炭化水素系プラスチック樹脂成分が弱極性/非極性溶媒に溶解し、塩ビに代表される異炭化水素系プラスチック樹脂成分が強極性溶媒に溶解し、この状態で水蒸気による接触分解反応が行われる。そして、この結果、分解及び蒸留されて外部に除去されるものと、溶液21中に溶存したままのものと、スラッジ状残渣物となるものとに分かれる。塩素イオンは溶液21への溶存物であり、溶存状態のままドレンバルブ22の開閉により回収分離して次の処理工程に移送すれば良い。また、スラッジ状残渣物を搬出用コンベア25bにより溶液21から抜き出すことにより、次の燃焼工程に移送する。この残渣物は、塩素成分が除去されているので、燃焼工程において有害な塩素ガスやこれに起因するダイオキシンガス発生のおそれが最小化されている。
図1及び図2に示すいずれの分解装置を用いる場合も、水蒸気による接触分解反応の際に、FeO粉末触媒を添加するとさらに分解効率が向上する。FeO触媒存在下の水蒸気接触反応は、分解熱や水和熱などの反応熱が反応を促進するものであるが、反応時に撹拌を行うと触媒粉末が凝集して反応の不均一化を招くおそれがある。したがって、廃棄物の表層部分や有機溶媒に触媒を散布した当初の状態のままで良く、撹拌や振盪などの機械的操作は不要である。
次に、樹脂成分を分解する前処理工程で生じた残渣物35に対して、図3の燃焼炉31を用いる燃焼工程により燃焼及び焼却を行う。これに際し、適量の残渣物35をホッパ36から燃焼室34に投入し、最初は、図外のバーナ等を火種としてコークスを燃焼し、燃焼室34内に可燃ガスを充満させる。そして、燃焼室34内に、エア導入管38より加圧大気を継続的に導入し、また、エア排出管39より内部の高温ガスを排気する。この際、コークス表面を煤や一酸化炭素が被覆すると可燃物の継続燃焼が困難になる。このため、本燃焼炉31では、エア導入管38より導入され、エア排出管39より排出されるエアを旋回流や渦流として流動すると共に、開閉バルブ42a、42bを開弁して燃焼室34が外側からも高温保持されるようにした。これにより、投入された残渣物35は燃焼室34内底部に、灰成分43として貯留され、底部に設けたシャッタ44により構成される灰落とし機構を使用して、灰成分43として回収される。
なお、エア排出管39より排出される排出ガスには、ダイオキシンなどの有毒ガスが含まれる可能性が残る。このため、排出ガスをそのまま大気拡散せず、排気ガス浄化触媒への接触やアルカリ洗浄などの後処理工程を経ることが重要である。
さらに、図3の燃焼炉31による燃焼工程で生じた灰成分43に対して、図4に示す溶融炉53を用いて最後の溶融工程を行う。即ち、灰成分を収容したホッパ51からその適量を投入口52経由で溶融炉53内に充填し、溶融炉53内では、貯留した灰成分にそれぞれ接触した状態で対峙する棒電極54、55間に交流高電圧を印加する。そして、灰成分が溶融状態に至るように高温加熱する。灰成分は、溶融状態を保ちながら、次第にスラグ成分と金属成分とに分離し、このとき、比重の大きい金属成分が下層56に析出し、それよりも小さい比重のスラグ成分が上層57に析出する。そして、溶融状態のスラグ成分57を溶融炉53の側壁に設けた取り出し口59より流出して回収する。
このようにして得られる火砕スラグ57は、有害成分を完全除去した無機物から成り、含有成分の調整により人造大理石などへの転用が可能である。また、底部に析出した金属成分56は、純度の高い銅金属(89〜94%純度)及び鉄金属(84〜89%純度)として回収できるが、灰成分中の炭素量や珪素量及び塩基度を調整することにより、銅及び鉄の分離回収が可能である。
なお、図4の溶融炉33は、いわゆる抵抗加熱炉構造で構成されるが、これ以外に高周波連続加熱溶融炉などがある。特に、高周波連続加熱溶融炉は、コンパクトな装置構成ながら効率良くスラグと金属との分離を行うことが可能である。
このようにして、処理対象のASRに対して、その樹脂成分を分離・分解する前処理工程、前処理工程の回収残渣物を燃焼する燃焼工程、燃焼工程での回収灰成分を溶融する溶融工程を順に行うもので廃棄物処理方法を構成したが、樹脂成分の分離・分解の収率が高ければ、中間に位置する燃焼工程を除外し、前処理工程と溶融工程とを直結するものとしても良い。最終的に得られるスラグ及び金属の回収効率の観点から検証すると、燃焼工程を除外する分岐点は、前処理工程での樹脂成分の分離分解率が85%を上回ることが目安となる。
また、本実施の形態では、処理廃棄物をASRとしたが、一般の廃棄物を対象にする場合も同様に高効率の廃棄物処理を行うことができる。
本発明の廃棄物処理方法は、廃車車体起源のASRの処理のみならず、一般の廃棄物に対する高効率の処理方法として活用できる。
樹脂成分分解装置(第1態様)の概略図 樹脂成分分解装置(第2態様)の概略図 燃焼炉の概略図 溶融炉の概略図
符号の説明
1 反応容器
8 ASR(廃棄物)
20 反応容器
21 混合溶液
31 燃焼炉
34 燃焼室
35 残渣物
43 灰成分
53 溶融炉
56 金属成分
57 スラグ成分

Claims (2)

  1. 廃棄物中の樹脂成分を分解する前処理工程と、該前処理工程後の残渣を溶融する溶融工程とを有することを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 前記前処理工程と前記溶融工程との間に、前記前処理工程の分解残渣を燃焼する燃焼工程を介在させ、該燃焼工程で生じる灰分を前記残渣としてその後の溶融工程で溶融することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理方法。
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