JP2005154525A - ポリスチレン系樹脂組成物の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂溶解性の第一の溶媒に溶解して不溶解物を除去した後、該樹脂溶液に、第一の溶媒に不溶解性で比重が1.15〜1.25の第二の溶媒を加えて重力加速度3000〜20000gで遠心分離を行い、第一の溶媒とポリスチレン系樹脂とを含む軽液相を回収した後、該軽液相に、第一の溶媒と任意の割合で混合し得るポリスチレン系樹脂難溶解性の第三の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて回収することを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法とする。
【選択図】 図1
Description
難燃剤含有ポリスチレン系樹脂をマテリアルリサイクルする方法としては、有機溶媒を用いて難燃剤及びアンチモン化合物を分離して、ポリスチレン系樹脂を回収する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、各種の化合物が混合した状態で回収される難燃剤やアンチモン化合物のリサイクル技術については何ら言及されていない。
有機溶媒を用いて遠心分離機で難燃剤及びアンチモン化合物を分離して、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を回収する方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、各種の化合物が混合した状態で回収される難燃剤やアンチモン化合物のリサイクル技術については何ら言及されていない。
さらに、上記した従来の回収技術では、回収したポリスチレン系樹脂から有機溶媒を除去する際に、減圧蒸留等の分離技術が用いられる。しかしながら、有機溶媒を減圧蒸留するにつれ、粘度が高くなり、有機溶媒を完全に除去することは困難であった。
前記軽液相を回収した後、該軽液相に第一の溶媒と任意の割合で混合し得るポリスチレン系樹脂難溶解性の第三の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて、ポリスチレン系樹脂と、第一の溶媒及び第三の溶媒の混合溶媒とを回収する工程と、
前記第一の溶媒及び第三の溶媒の混合溶媒に、第三の溶媒と共沸混合物を形成し得る第四の溶媒を加えて、第三の溶媒と第四の溶媒からなる共沸混合物を蒸発させて回収する工程と、
前記難燃剤及び難燃助剤を含む固体相に、酸を加えて難燃助剤を溶解させて不溶解物を回収した後、該難燃助剤の酸溶解液に過酸化水素を加えて析出した析出物を回収する工程と、
前記固体相に酸を加えて難燃助剤の酸溶解液を得た際に得られた不溶解物に、難燃剤を溶解し得る溶媒を加えて難燃剤を回収した後に、回収した難燃剤を過熱蒸気と接触させて熱分解し、該熱分解によって発生したガスを金属触媒及び/又はアルカリと接触させる工程と、を含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法に関する。
請求項2に係る発明では、高品質のポリスチレン系樹脂を回収することができる。
請求項3に係る発明では、ポリスチレン系樹脂を溶解する溶解液からポリスチレン系樹脂を析出させた後の溶解液の処理に関して、共沸混合物を形成して溶解液を処理するので、低温で溶解液を分別回収することができ、回収された溶解液は循環再利用することが可能となる。
請求項5に係る発明では、難燃剤及び難燃助剤を含む混合物から、難燃剤を回収し、難燃剤を熱分解することで、難燃剤に含まれるハロゲンを回収することができる。
請求項6に係る発明では、ポリスチレン系樹脂組成物に混合していたポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、或いはABS樹脂等を回収して熱分解することで、燃料としてリサイクルすることができる。
請求項8に係る発明では、難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物に混合していたポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、或いはABS樹脂等を回収して熱分解することで、燃料としてリサイクルすることができる。
請求項10に係る発明では、回収された難燃剤を熱分解することで、難燃剤に含まれていたハロゲンを回収することができる処理装置を提供することができる。
請求項11に係る発明では、ハロゲンによる熱分解槽の腐食を防止することができる。
本発明の第一実施形態について説明する。図1は第一実施形態に係る処理装置の概略構成を示すブロック図である。
第一実施形態では、難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物から、難燃剤及び難燃助剤を分離するとともに、ポリスチレン系樹脂を回収する。
本発明では、使用済み家電製品に代表されるプラスチック系廃棄物、特にポリスチレン系樹脂を主体とする難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物が原料(A)とされる。
また単にアンチモン化合物という場合、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンのことをいう。
難燃剤はハロゲン系難燃剤である。ハロゲン系難燃剤は臭化難燃剤、塩化難燃剤などであり、臭化難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−テトラブロモビスフェノールA・ジクリシジルエーテルコポリマーが挙げられる。
塩化難燃剤の代表例としては、塩化パラフィン、パークロロシクロデカンがある。
原料(A)を溶解液に溶解する際の加熱温度は特に限定されず、使用する溶解液の種類に応じて適宜任意に設定することができるが、大気圧下の場合、30〜85℃であり、50〜60℃に調整することが好ましい。この理由は、30℃未満の加熱温度では、原料(A)を十分に溶解することができず、また85℃を超えて加熱したとしても、それ以上の効果が望めないばかりか、原料(A)に含まれている難燃剤を分解してしまう可能性がある。
エステル系溶媒としては、酢酸プロピル(比重:0.887)、酢酸イソプロピル(比重:0.88)、酢酸エチル(比重:0.9066)、酢酸メチル(比重:0.9280)、酢酸ブチル(比重:0.8826)、酢酸イソブチル(比重:0.8712)などを例示することができる。
エーテル系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(比重:0.92)等を例示することができる。
ラクトン系溶媒としては、γ−ブチロラクトン(比重:1.1254)等を例示することができる。
ヒドロフラン系溶媒としては、テトラヒドロフラン(比重:0.888)等を例示することができる。
ケトン系溶媒としては、エチレンカーボネート(比重:1.3118)等を例示することができる。
ベンゼン系溶媒としては、トルエン(比重:0.882)、キシレン(比重:0.86)、エチルベンゼン(0.8670)などのアルキルベンゼン系溶媒、スチレン(比重:0.9019)などのアルケニルベンゼン系溶媒、O−ジクロロベンゼン(比重:1.3)などのハロゲノベンゼン系溶媒などを例示することができる。
脂肪族ハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン(比重:1.37)、クロロホルム(比重:1.4985)等を例示することができる。
ピロリドン系溶媒としては、2−ピロリドン系溶媒、より好ましくはN−アルキル−2−ピロリドン系溶媒、最も好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという場合がある。)(比重:1.027)が用いられる。ピロリドン系溶媒としてNMPが最も好ましく用いられる理由は、NMPはポリスチレン系樹脂を良く溶かすことができるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂は殆ど溶解することができないという、溶解特性を有するからである。また、NMPは、蒸発熱が105kcal/kg:204℃と低いために、蒸留を低温で行うことができ、しかも沸点(約204℃)が高いために、自治体環境条例のVOC(揮発性炭化水素類)に関する規制値をクリアすることができる(例えば、大阪府環境規制条例では炭化水素類の規制値は「単体では沸点が150℃以下の物質、混合物では5%留出点が150℃以下のもの」と定められている)。また毒性が極めて低いといった特性を有しているからである。
ここで、溶解液に比重が1.15〜1.25の溶媒を混合する理由は、単に溶解液を遠心分離しただけでは、ポリスチレン系樹脂を含む層に難燃剤や難燃助剤が混合してしまい、難燃剤及び難燃助剤を略完全に除去することができない場合があるからである。
軽液相にはポリスチレン系樹脂と原料(A)の溶解液が含まれる。
重液相には比重が1.15〜1.25の溶媒が含まれる。比重が1.15〜1.25の溶媒を含む重液相は溶媒槽(5)に回収されて、循環再利用される。
尚、原料(A)に塩化ビニルが含まれていた場合は、塩化ビニルは重液相に含まれる。即ち、原料(A)の溶解液として好適に用いられるNMPなどのピロリドン系溶媒は、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ABSなどは溶解しないが、ポリ塩化ビニルは溶解してしまう。つまり、NMPはポリスチレン系樹脂を25〜75℃の温度範囲で樹脂量が約40重量%程度の混合比で完全に溶解できるが、ポリ塩化ビニルも25〜80℃の温度範囲で樹脂量が30〜55重量%で完全に溶解する欠点を有する。
従って、原料(A)にポリ塩化ビニルが混合していた場合、ポリスチレン系樹脂とポリ塩化ビニルは共に溶解液に溶解してしまい、ポリ塩化ビニルを分離することは困難であった。本発明ではポリスチレン系樹脂を溶解している溶解液に比重が1.15〜1.25の溶媒を混合して遠心分離することによって、ポリ塩化ビニルは重液相に、ポリスチレン系樹脂は軽液相に、それぞれ分離することができる。
従来は、ポリスチレン系樹脂を溶解する溶解液を減圧下で加熱して溶解液を留去することにより、ポリスチレン系樹脂が回収されていた。しかしながら、樹脂の濃度が上昇するにつれて、溶解液の粘度も上昇し、溶解液を完全に除去することは困難であった。
本発明では、ポリスチレン系樹脂を溶解する溶解液にポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて回収することにより、溶媒を完全に除去することができる。
尚、軽液相が攪拌槽(9)中に供給される供給口付近で、ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒を加圧して軽液相に噴霧することで、ポリスチレン系樹脂を析出させても良い。ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒の加圧の程度は特に限定されないが、例えば3kg/cm2程度に加圧して、2〜3mmφの口径より噴霧すればよい。こうすると、ポリスチレン系樹脂を微細な形状で析出させることができる。
軽液相を吸着剤で処理する方法は特に限定されないが、吸着剤を充填したカラムに軽液相を通液させるカラム法や、30〜40℃に加温した軽液相に吸着剤を加えて約30分程度攪拌するバッチ法などを例示することができる。軽液相に加えた吸着剤は遠心分離で除去することができる。
吸着剤は特に限定されないが、活性炭、シリカゲル、活性白土などを例示することができる。
固液分離手段(11)において、析出したポリスチレン系樹脂を分離回収する方法としては、濾過又は遠心分離を例示することができるが特に限定はされない。
ポリスチレン系樹脂が回収された後の残渣(即ち、原料(A)の溶解液とポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒を含む混合溶媒)は溶媒回収槽(13)に回収される。
本発明の第一実施形態では、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂が含まれていた場合でも、ポリスチレン系樹脂を選択的に回収することが可能である。
第二実施形態では、ポリスチレン系樹脂を溶解する溶解液にポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出回収した後、ポリスチレン系樹脂の溶解液とポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒とを含む混合溶媒を回収して、この混合溶媒に含まれる溶解液とポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒とを分離して、それぞれを回収する。
尚、ポリスチレン系樹脂を溶解している溶解液(B)としては、上述の第一実施形態と同様の方法で得られるものでもよく、また他の方法によって得られるものでも構わない。
ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒が共沸混合物を形成することによって、沸点が低下するために、容易にポリスチレン系樹脂の溶解液と分離することができる。
図2に示される蒸留槽は、ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒が気化し難い溶媒、具体的には水の場合に好適に使用することができる。ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒が水の場合、水と共沸混合物を形成するために加えられる溶媒は、水と共沸混合物を形成し得る溶媒であれば特に限定されないが、水と混合し得ない溶媒であることが好ましい。具体的には、トルエンなどを例示することができる。
第三実施形態では、難燃剤含有ポリスチレン系樹脂から回収された難燃剤及び難燃助剤を含む混合物から、難燃剤及び難燃助剤のそれぞれを分離して回収する。
供給される酸としては、塩酸や硫酸などを例示することができる。
難燃助剤は酸に溶解する。即ち、難燃助剤であるアンチモン化合物に例えば塩酸を加えることにより、塩化アンチモンとなり溶解する。一方、難燃剤は酸に溶解しない。
溶解槽(20)から取り出された画分は、固液分離手段(22)によって、難燃剤と、難燃助剤を溶解する酸とに分離することができる。分離回収された難燃剤は難燃剤回収槽(23)に回収される。固液分離手段(22)において難燃剤と、難燃助剤を溶解する酸とを分離する方法としては、濾過又は遠心分離する方法を例示することができるが特に限定はされない。
酸溶媒と酸化剤とを含有する残渣は溶媒回収槽(27)に回収される。
第四実施形態では、難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物から回収された難燃剤及び難燃助剤を含有する混合物から、分離回収した難燃剤を熱分解して難燃剤中のハロゲンを回収する。
難燃剤溶解性の溶媒は特に限定されず、スチレンモノマーなどを例示することができる。
分離された難燃助剤は難燃助剤回収槽(31)に回収される。
図6に示す熱分解装置は、過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生手段と、被処理物を内部に収容するとともに過熱蒸気発生手段にて発生した過熱蒸気に接触させることにより熱分解する熱分解槽とを備えている。
供給される水蒸気、燃料油、空気の量は、それぞれ独立して制御可能とされており、これらの量を調整することによって、約1200℃、酸素濃度3%以下の不活性高温ガスを得ることができる。
尚、約1200℃の高温になることによるバーナーの損傷を防ぐ為に、バーナー近傍に冷却水を循環させるための冷却水循環機構が備えられている。
このとき、過熱蒸気が酸素濃度3%以下の不活性高温ガスにより得られているので、熱分解槽(34)内の揮発成分による爆発の危険性が大幅に低減される。
脱ハロゲン反応装置(38)内には、酸化鉄などの金属系触媒が内蔵されており、熱分解槽(34)から導入された熱分解ガス中に含まれる塩素や臭素等のハロゲン成分は、塩化鉄や臭化鉄として脱ハロゲン反応装置(38)内に固定されることで除去される。
ダイオキシン解離反応装置(40)は、脱ハロゲン反応装置(38)を通過した熱分解ガスに対して、活性水貯蔵槽(41)から供給される活性水(オゾンガスと過酸化水素を混入してOHラジカルを生成した酸化力の強い液体)を噴霧することによって、熱分解ガス中に含まれるダイオキシン前駆体を分解することができる。
中和・冷却装置(41)は、ダイオキシン解離反応装置(40)を通過した熱分解ガスに対して、アルカリ水貯蔵槽(42)から供給されるNaOH等のアルカリ水を噴霧することによって、熱分解ガスを中和するとともに冷却して液化する。
即ち、これらの樹脂成分を図6に示される熱分解装置の原料供給口(37)から投入して熱分解する。熱分解により発生した熱分解ガスに含まれるハロゲンは脱ハロゲン反応装置(38)により脱ハロゲンされる。
さらに、中和・冷却装置(41)において、アルカリ水貯蔵槽(42)から供給されるNaOH等のアルカリ水が噴霧されることによって、熱分解ガスは中和されるとともに冷却
して液化される。
液化によって得られた油(燃料油)は、ダイオキシン解離反応装置(40)の下方に設置された分解油受槽(43)へと回収される。
尚、中和・冷却装置(41)におけるアルカリ水の噴霧によって、熱分解ガスの温度は120〜130℃に調整される。これによって、軽質油(ガソリン留分)が分離され、回収される燃料油に第一石油類に付加される揮発油税がかかることがなくなる。
これによって、液化回収された油に含まれる水分及び異物を除去することができ、良質な燃料油を回収することが可能となる。
遠心分離機によって分離された油分は再生油貯蔵槽、水分は排水受液槽、異物は汚泥受槽にそれぞれ回収される。
このポリスチレン系樹脂を溶解する溶解液に、NMPに不溶解性の比重が1.15〜1.25の溶媒をNMPの4倍量加えて、良く混合した。
この混合液を遠心沈殿瓶(合計4本)に入れて、島津理化器機社製の遠心分離機LC−120(商品名)を使用して8000rpmで約5分間遠心分離を行った。
固形相と重液相を回収した後、濾過することにより重液相から固形相を分離した。回収した重液相中の臭素成分の含有量は486000ppm以下であった。またポリスチレン系樹脂の含有量は108500ppm以下であった。
軽液相を回収した後、軽液相に3倍量の水を加えて室温で10分間攪拌した。析出したポリスチレン系樹脂を濾別して回収した。回収したポリスチレン系樹脂中の臭素成分の含有量は7600ppm以下であった。
軽液相に水を加えて析出したポリスチレン系樹脂を回収した後、主にNMPと水の混合物とからなる残渣に、溶液の0.1倍量のトルエンを加えて、攪拌しながら約110℃で加熱した。発生した気体を冷却して水とトルエンを回収した。回収したトルエンは還流させた。1時間加熱した後、NMPを回収した。NMP中の水の濃度は5000ppm以下であった。
このポリスチレン系樹脂とポリ塩化ビニルを溶解する溶解液に、NMPに不溶解性の比重が1.15〜1.25の溶媒をNMPの0.2倍量加えて、良く混合した。
この混合液を遠心沈殿瓶(合計4本)に入れて、島津理化器機社製の遠心分離機LC−120(商品名)を使用して8000rpmで約5分間遠心分離を行った。
固形相と重液相を回収した後、濾過することにより重液相から固形相を分離した。回収した重液相中のハロゲン成分の含有量は505000ppm以下であった。またポリスチレン系樹脂の含有量は108500ppm以下であった。
軽液相を回収した後、軽液相に3倍量の水を加えて室温で10分間攪拌した。析出したポリスチレン系樹脂を濾別して回収した。回収したポリスチレン系樹脂中の臭素成分の含有量は7800ppm以下であった。
次いで、溶液の0.3倍量の過酸化水素水を加えて室温で攪拌した。島津理化器機社製の遠心分離機LC−120(商品名)を使用して8000rpmで約5分間遠心分離を行った。沈殿物を回収したところ、五酸化アンチモンが回収された。回収された五酸化アンチモン中の臭素成分の含有量は1ppm以下であった。
ポリスチレン系樹脂組成物として、エー・アンド・エム・スチレン株式会社製の商品名「A&Mポリスチレン」(グレード;VS51)を5倍容量のN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学社製)に溶解した。
このポリスチレン系樹脂組成物の溶解液を遠心沈殿瓶(合計4本)に入れて、島津理化器機社製の遠心分離機LC−120(商品名)を使用して8000rpmで約5分間遠心分離を行った。
上層を回収した後、上層に3倍量の水を加えて室温で10分間攪拌した。析出したポリスチレン系樹脂を濾別して回収した。回収したポリスチレン系樹脂中の臭素成分の含有量は7800ppm以下であった。
ポリスチレン系樹脂組成物であるエー・アンド・エム・スチレン株式会社製の商品名「A&Mポリスチレン」(グレード;VS51)90重量%に、ポリ塩化ビニルを10重量%混合し、これを5倍容量のN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学社製)に溶解した。
このポリスチレン系樹脂とポリ塩化ビニルを溶解する溶解液を遠心沈殿瓶(合計4本)に入れて、島津理化器機社製の遠心分離機LC−120(商品名)を使用して8000rpmで約5分間遠心分離を行った。
上層を回収した後、上層に3倍量の水を加えて室温で10分間攪拌した。析出したポリスチレン系樹脂を濾別して回収した。回収したポリスチレン系樹脂中の臭素成分の含有量は23500ppm以下であった。
6 遠心分離手段
9 析出槽
14 蒸留槽
33 熱分解槽
Claims (11)
- 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂溶解性の第一の溶媒に溶解して不溶解物を除去した後、該樹脂溶液に、第一の溶媒に不溶解性で比重が1.15〜1.25の第二の溶媒を加えて重力加速度3000〜20000gで遠心分離を行い、第一の溶媒とポリスチレン系樹脂とを含む軽液相を回収した後、該軽液相に、第一の溶媒と任意の割合で混合し得るポリスチレン系樹脂難溶解性の第三の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて回収することを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- 前記軽液相を脱色剤に接触させた後、該軽液相に前記第三の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて回収することを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- ポリスチレン系樹脂容溶解性の溶媒のポリスチレン系樹脂溶解液に、該ポリスチレン系樹脂溶解性の溶媒と任意の割合で混合し得るポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させた後に、該ポリスチレン系樹脂難溶解性の溶媒と共沸混合物を形成し得る溶媒を加えて、形成された共沸混合物を蒸発させて回収することを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物から回収された難燃剤及び難燃助剤に、酸を加えて難燃助剤を溶解させ、該難燃助剤の酸溶解液に過酸化水素を加えて析出した析出物を回収することを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物から回収された難燃剤及び難燃助剤に、難燃剤を選択的に溶解し得る溶媒を加えて難燃剤を回収した後に、回収した難燃剤を過熱蒸気と接触させて熱分解し、該熱分解によって発生したガスを金属触媒又はアルカリに接触させることを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- ポリスチレン系樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂溶解性の溶媒に溶解して不溶解物を回収した後、該不溶解物中の樹脂組成物を過熱蒸気と接触させて熱分解し、該熱分解により発生したガスを液化して油を回収することを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂溶解性の第一の溶媒に溶解して不溶解物を除去した後、該樹脂溶液に、第一の溶媒に不溶解性の比重が1.15〜1.25の第二の溶媒を加えて重力加速度3000〜20000gで遠心分離を行い、難燃剤及び難燃助剤を含む固体相と、第二の溶媒を含む重液相と、第一の溶媒とポリスチレン系樹脂を含む軽液相とに分離する工程と、
前記軽液相を回収した後、該軽液相に第一の溶媒と任意の割合で混合し得るポリスチレン系樹脂難溶解性の第三の溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させて、ポリスチレン系樹脂と、第一の溶媒及び第三の溶媒の混合溶媒とを回収する工程と、
前記第一の溶媒及び第三の溶媒の混合溶媒に、第三の溶媒と共沸混合物を形成し得る第四の溶媒を加えて、第三の溶媒と第四の溶媒からなる共沸混合物を蒸発させて回収する工程と、
前記難燃剤及び難燃助剤を含む固体相に、酸を加えて難燃助剤を溶解させて不溶解物を回収した後、該難燃助剤の酸溶解液に過酸化水素を加えて析出した析出物を回収する工程と、
前記固体相に酸を加えて難燃助剤の酸溶解液を得た際に得られた不溶解物に、難燃剤を溶解し得る溶媒を加えて難燃剤を回収した後に、回収した難燃剤を過熱蒸気と接触させて熱分解し、該熱分解によって発生したガスを金属触媒及び/又はアルカリと接触させる工程と、を含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。 - 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物を第一の溶媒に溶解して得られた不溶解物中の樹脂組成物を過熱蒸気と接触させて熱分解し、該熱分解により発生したガスを液化して油を回収することを特徴とする請求項7に記載のポリスチレン系樹脂組成物の処理方法。
- 難燃剤含有ポリスチレン系樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂を溶解し得る溶媒に溶解させるための溶解槽と、該溶解槽から取り出された溶液を遠心分離するための遠心分離手段と、該遠心分離手段により得られたポリスチレン系樹脂を含む画分に、ポリスチレン系樹脂難溶解性溶媒を加えてポリスチレン系樹脂を析出させるための析出槽と、該析出槽から取り出された溶媒を蒸留するための蒸留槽と、該遠心分離手段により得られた難燃剤及び難燃助剤を含む画分に難燃助剤を溶解し得る溶媒を加えて難燃助剤を溶解させるための溶解槽と、該溶解槽から取り出された溶液に過酸化水素を加えて難燃助剤を析出させるための析出槽と、を備えることを特徴とするポリスチレン系樹脂組成物の処理装置。
- 前記難燃助剤を溶解させるための溶解槽から取り出された難燃剤を含む画分を、過熱蒸気発生手段から発生させた過熱蒸気と接触させて熱分解する熱分解槽を備えることを特徴とする請求項9に記載のポリスチレン系樹脂組成物の処理装置。
- 前記熱分解槽の内面はセラミックス又は耐火セメントから形成されていることを特徴とする請求項10に記載のポリスチレン系樹脂組成物の処理装置。
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