JP7228651B1 - 溶剤回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリマー粒子と、水と、溶剤が含まれた原料液から、効率よく溶剤を回収することが可能で、省エネルギー性に優れた溶剤回収システムを提供する。【解決手段】原料液Fを、第1膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液10Aと、原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液10Bとに分離する第1膜分離機構10と、第1膜分離機構により分離された第1膜分離液の所定量を分離液槽21に保持し、分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第2膜透過液20Aと、ポリマー粒子と、第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液20Bとに分離する第2膜分離機構20と、第1膜透過液および第2膜透過液を合わせた溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収する溶剤回収機構40とを備えた構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマー粒子と、水と、溶剤とを含む原料液から、ポリマー粒子を分離し、溶剤を回収するための溶剤回収システムに関する。
ポリマー粒子と、溶剤と、水とを含む液からポリマー粒子と、水と、溶剤とを分離して回収する方法として、溶剤を加熱蒸発させて分離する装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ポリマー粒子を分散剤で熱水中に分散させて、熱水中に含まれる溶剤をストリッピングにより分離した後、ポリマー粒子と水とを膜で分離する方法が記載されている。
また、特許文献2には、圧接回転する加熱ドラムからなる装置を用いて、ドラム表面に形成された樹脂膜をスクレーパーでかき取り、溶剤を溶剤蒸気として採取する方法が記載されている。
特公昭57-47684号公報 特開平10-251438号公報
しかしながら、ポリマー粒子を分散剤で熱水中に分散させて、熱水中に含まれる溶剤をストリッピングにより分離した後、ポリマー粒子と水とを膜で分離する特許文献1の方法においては、溶剤よりも水の量が多い場合、水を蒸発させるために多大なエネルギーを必要とする上、所望の純度にまで溶剤の純度を高めて回収し、かつ低沸点成分である水(留出液)に含まれる溶剤をできるだけ少なくしようとすると、大がかりな蒸留装置が必要となるという問題点がある。
また、特許文献1には、分散剤を添加してポリマーの塊状化を防止するとの記載があるが、分散剤を添加しても、蒸発が進行してポリマー濃度が高くなると、粘度が上昇したり、伝熱面や機器内壁にポリマー粒子が付着したりして、装置を安定的に稼働させることが困難になるという問題点がある。
さらに、特許文献1の方法の場合、添加された分散剤を分離するための工程が必要になるという問題点がある。
また、圧接回転する加熱ドラムからなる装置を用いて、ドラム表面に形成された樹脂膜をスクレーパーでかき取り、溶剤を溶剤蒸気として採取するようにした特許文献2の方法においては、原料液に含まれるポリマー粒子の濃度が低く、かつ、ドラム表面での蒸発量が多い場合に、加熱ドラム表面のポリマー層の形成と伝熱面積のバランスをとることが困難になり、継続して安定した運転を行うことが困難になるという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ポリマー粒子と、水と、溶剤とが含まれた原料液から、効率よく溶剤を回収することが可能で、省エネルギー性に優れた溶剤回収システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の溶剤回収システムは、
ポリマー粒子と、水と、溶剤とを含む原料液から、ポリマー粒子を分離し、溶剤を回収するための溶剤回収システムであって、
前記原料液を、水で希釈することなく第1膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と、前記原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液とに分離する第1膜分離機構と、
前記第1膜分離機構により分離された前記第1膜分離液の所定量を分離液槽に保持し、前記分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、前記第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第2膜透過液と、ポリマー粒子と、前記第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液とに分離する第2膜分離機構と、
水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない、前記第1膜透過液および前記第2膜透過液を合わせて溶剤回収対象液とし、前記溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収する溶剤回収機構と
を備えていることを特徴している。
また、本発明の他の溶剤回収システムは、
ポリマー粒子と、水と、溶剤とを含む原料液から、ポリマー粒子を分離し、溶剤を回収するための溶剤回収システムであって、
前記原料液を、水で希釈することなく第1膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と、前記原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液とに分離する第1膜分離機構と、
前記第1膜分離機構により分離された前記第1膜分離液の所定量を分離液槽に保持し、前記分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、前記第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第2膜透過液と、ポリマー粒子と、前記第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液とに分離する第2膜分離機構と、
前記第2膜分離液を、第3膜を透過させて、ポリマー粒子を含まない第3膜透過液と、前記第2膜分離液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第3膜分離液とに分離する第3膜分離機構と、
水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない、前記第1膜透過液、前記第2膜透過液および前記第3膜透過液を合わせて溶剤回収対象液とし、前記溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収する溶剤回収機構と
を備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の溶剤回収システムにおいては、前記第3膜分離液を蒸発乾固させて、前記第2膜分離液に含まれるポリマー粒子を固形物として分離する固化装置をさらに備えていることが好ましい。
また、前記溶剤回収機構として、
前記溶剤回収対象液を、膜を透過させて、前記溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の高い膜分離液と、前記溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の低い膜透過液とに分離して溶剤を回収する膜装置、
前記溶剤回収対象液を蒸留して、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する蒸留装置、および、
前記膜装置と前記蒸留装置とを組み合わせて用い、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する複合装置
のいずれかが用いられていることが好ましい。
また、前記溶剤回収機構において溶剤が分離された後の水を、前記第2膜分離機構において前記第1膜分離液に添加される水の一部として使用するように構成されていることが好ましい。
また、前記原料液に含まれる溶剤の濃度が10%以下であることが好ましい。
また、前記第2膜分離機構において前記第1膜分離液に供給される水の量が、前記第1膜分離液に含まれる水の量の1倍以上20倍以下の量であることが好ましい。
本発明の溶剤回収システムは、上述のように構成されており、原料液を、水で希釈することなく第1膜を透過させて、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と、原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液とに分離し、第1膜分離液の所定量を分離液槽に保持し、分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、第2膜透過液と、ポリマー粒子と、第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液とに分離し、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と第2膜透過液とを合わせて溶剤回収対象液とし、溶剤回収機構において、溶剤回収対象液から溶剤を分離して回収するようにしているので、ポリマー粒子と、水と、溶剤とが含まれた原料液から、効率よく溶剤を回収することが可能で、省エネルギー性に優れた溶剤回収システムを実現することができる。
すなわち、本発明の溶剤回収システムでは、第2膜分離機構において、第1膜分離液を水で希釈しながら第2膜を透過させ、第1膜分離液の希釈のために添加される水の量に対応する量の第2膜透過液の量を抜き出す処理(いわゆるダイアフィルトレーション)を行うようにしているので、第1膜分離液に含まれる溶剤の大部分を効率よく第2膜透過液側に移行させることが可能になり、溶剤を効率よく回収することが可能になる。
なお、本発明の溶剤回収システムにおいては、第2膜分離機構で添加(供給)される水の分だけ、溶剤回収機構に供給される溶剤回収対象液の溶剤濃度は原料液よりも低くなるが、ポリマー粒子を含まないことから、蒸留操作や、膜濃縮操作などの方法で、効率よく濃度の高い溶剤を回収することが可能になる。
また、本発明の溶剤回収システムにおいては、第1膜分離液(第1膜を透過しない液)と、第2膜分離液(第2膜を透過しない液)とにおけるポリマー粒子の含有率がほぼ同じになるため、安定した膜分離処理を効率よく行うことが可能になる。
なお、本発明にかかる溶剤回収システムの、第1膜分離機構、第2膜分離機構においては、膜分離の操作をクロスフロー操作で行うことが望ましい。これは、膜分離の操作をクロスフロー操作で行うことにより、膜表面へのポリマー粒子の堆積による閉塞を抑制し、膜透過液の流量を確保することが可能になることによる。
また、本発明の溶剤回収システムにおいては、原料液への分散剤などの添加剤の添加は行わないが、必要に応じて原料液を攪拌することにより、また、さらには、膜分離の操作をクロスフロー操作で行うことにより、分散剤などの添加剤の添加を必要とすることなく、ポリマー粒子を効率よく分離して、溶剤を回収することが可能になる。
また、本発明の他の溶剤回収システムのように、さらに、第2膜分離液を、第3膜を透過させて、ポリマー粒子を含まない第3膜透過液と、第2膜分離液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第3膜分離液とに分離する第3膜分離機構を備えるとともに、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない、第1膜透過液、第2膜透過液および第3膜透過液を合わせて溶剤回収対象液とし、溶剤回収機構において、溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収するようにした場合、ポリマー粒子に同伴して系外に排出される溶剤の量をさらに減らして、効率よく溶剤を回収することが可能になる。
なお、本発明の他の溶剤回収システムの場合も、第1膜分離機構、第2膜分離機構、第3膜分離機構においては、膜分離の操作をクロスフロー操作で行うことが望ましい。
また、本発明の他の溶剤回収システムにおいて、さらに、第3膜分離液を蒸発乾固させて、第2膜分離液に含まれるポリマー粒子を固形物として分離する固化装置を備えた構成とした場合、ポリマー粒子を取り扱い性の良い固形物として系外に排出することが可能になる。
なお、本発明の他の溶剤回収システムにおいては、固化装置への供給液となる第3膜分離液に、溶剤がほとんど含まれていないため、溶剤を考慮した特別な対策(排気、防爆など)を必要とせずに、溝形撹拌式乾燥機、ドラム回転乾燥機などの汎用機器を使用することができる。
また、第3膜分離機構において、上述の第2膜分離液を、第3膜を透過させて、ポリマー粒子を含まない第3膜透過液と、第2膜分離液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第3膜分離液とに分離するようにしているので、蒸発乾固の対象となる第3膜分離液中に含まれる水分の量を減らして、蒸発乾固のために必要な熱エネルギーを低減することができる。
また、第1膜、第2膜、第3膜の少なくとも一つに、精密ろ過膜、限外ろ過膜、および、ナノろ過膜のいずれかを用いることにより、効率よく、ポリマー粒子を分離して、ポリマー粒子を含まない溶剤回収対象液を得ることが可能になる。
さらに説明すると、原料液のポリマー粒子の含有率や、溶剤の種類、溶剤の濃度などを考慮して、精密ろ過膜、限外ろ過膜、および、ナノろ過膜のうちの適切な膜を選択して用いることにより、ポリマー粒子、溶剤、および水を含む原料液から、効率よくポリマー粒子を分離するとともに、溶剤を効率よく分離して回収することが可能な溶剤回収システムを構築することが可能になる。
また、溶剤回収機構として、上述したように、溶剤回収対象液を、膜を透過させて、溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の高い膜分離液と、溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の低い膜透過液とに分離して溶剤を回収する膜装置、溶剤回収対象液を蒸留して、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する蒸留装置、および、膜装置と蒸留装置とを組み合わせて用い、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する複合装置のいずれかを用いることにより、省エネルギーを図りつつ、濃度の高い溶剤を回収することが可能になる。
すなわち、溶剤回収機構においては、ポリマー粒子が分離された水と溶剤とを含む膜透過液が処理対象液となるため、膜分離操作や、蒸留操作などの分離操作を確実に実施して、溶剤を効率よく分離回収することができる。
また、溶剤回収機構において溶剤が分離された後の水を、第2膜分離機構において第1膜分離液に添加される水の一部として使用するようにした場合、別途第1膜分離液に添加(供給)される水を用意することが不要になるとともに、少量ではあっても溶剤が含まれている水の系外への排出量を低減することが可能になり、有意義である。
また、原料液に含まれる溶剤の濃度が10%以下である場合に本発明を適用することにより、省エネルギーを図りつつ、濃度の高い溶剤を回収することが可能になる。すなわち、原料液に含まれる溶剤の濃度が低い場合、第1膜分離機構において、相変化を伴うことなく、低消費エネルギー量で、原料液に含まれる溶剤の膜濃縮を行うことが可能になるため、本発明をより実効あらしめることができる。
また、第2膜分離機構において第1膜分離液の希釈に用いられる水(添加される水)の量を、第1膜分離液に含まれる水の量の1倍以上20倍以下の量とすることにより、例えば蒸留装置などの溶剤回収機構の負荷が大きくなりすぎることを抑制しつつ、溶剤の回収率を確保することが可能になる。
さらに説明すると、第1膜分離液の希釈に用いられる水の量が多くなりすぎると、第2膜分離液中の溶剤濃度が低下して溶剤回収機構の負荷が大きくなり、第1膜分離液の希釈に用いられる水の量が少なくなると、第2膜分離機構において溶剤が第2膜透過液側に移行する割合が低下して、溶剤の回収率が低下することになるが、第1膜分離液の希釈に用いられる水の量を、第1膜分離液に含まれる水の量の1倍以上20倍以下の量とすることにより、効率よく溶剤の回収を行うことが可能になり、好ましい。
ただし、本発明において、第1膜分離液の希釈に用いられる水の量は、上述の1倍以上20倍以下の範囲に限られるものではなく、必要に応じて上述の範囲を超えた量とすることも可能である。
本発明の実施形態にかかる溶剤回収システムの構成を示すフローシートである。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところを詳しく説明する。
なお、本実施形態では、ポリマー粒子であるポリエーテルスルホン粒子(以下、PES粒子と略すことがある)を0.07wt%の濃度で含み、水より沸点の高い溶剤であるN,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMAcと略すことがある)を3.50wt%の濃度で含み、残りを水とする原料液(溶剤水溶液)から、PES粒子(ポリマー粒子)と、DMAc(溶剤)と、水とを分離してDMAc(溶剤)を回収するための溶剤回収システムを例にとって説明する。
本実施形態にかかる溶剤回収システムSは、図1に示すように、原料液Fを、第1膜を透過させて、水と溶剤(DMAc)とを含み、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない第1膜透過液10Aと、原料液Fよりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液10Bとに分離する第1膜分離機構10を備えている。
また、溶剤回収システムSは、第1膜分離機構10で分離した第1膜分離液10Bから溶剤(DMAc)をさらに回収するための第2膜分離機構20を備えている。
この第2膜分離機構20は、第1膜分離機構10により分離された第1膜分離液10Bの所定量を保持することができるように構成された分離液槽21と、分離液槽21に連続的に、所定の割合で希釈用の水を供給するための給水機構22を備えている。本実施形態では、希釈用の水を連続的に供給するように構成しているが、希釈用の水を断続的に供給するようにしてもよい。
そして、所定量の第1膜分離液10Bを保持した分離液槽21に、給水機構22から連続的(または断続的)に水を供給して、分離液槽21内の第1膜分離液10Bを希釈しながら第2膜を透過させることにより、水と溶剤(DMAc)とを含み、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない第2膜透過液20Aと、ポリマー粒子(PES粒子)と、第1膜分離液10Bよりも十分に低い割合で溶剤(DMAc)を含む第2膜分離液20Bとが分離されるように構成されている。
すなわち、この第2膜分離機構20において、第1膜分離液10Bを水で希釈しながら第2膜を透過させる(すなわち、ダイアフィルトレーションを行う)ことにより、少ない水の添加量で、第1膜分離液10Bに含まれる溶剤(DMAc)を効率よく透過液(第2膜透過液20A)側に移行させることができるように構成されている。
さらに、溶剤回収システムSは、第2膜分離機構20で分離した第2膜分離液20Bを、第3膜を透過させて、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない第3膜透過液30Aと、第2膜分離液20Bよりもポリマー粒子(PES粒子)を高い割合で含む第3膜分離液30Bとに分離する第3膜分離機構30を備えている。なお、第1膜分離機構10、第2膜分離機構20および第3膜分離機構30は、いずれも膜分離の操作がクロスフロー操作で行われるように構成されている。
本実施形態においては、第1膜分離機構10、第2膜分離機構20、第3膜分離機構30には、限外ろ過膜が用いられている。ただし、第1膜分離機構10、第2膜分離機構20、第3膜分離機構30には、限外ろ過膜以外にも、例えば精密ろ過膜やナノろ過膜を用いることが可能である。
さらに、第1膜分離機構10、第2膜分離機構20、第3膜分離機構30のそれぞれには、精密ろ過膜、限外ろ過膜およびナノろ過膜から任意に選択した膜を用いることも可能である。すなわち、第1膜分離機構10、第2膜分離機構20、第3膜分離機構30に、精密ろ過膜、限外ろ過膜およびナノろ過膜を組み合わせて用いることも可能である。
また、溶剤回収システムSは、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない、第1膜透過液10A、第2膜透過液20A、第3膜透過液30Aを合わせて溶剤回収対象液とし、溶剤回収対象液から溶剤(DMAc)を分離して回収する溶剤回収機構40を備えている。
本実施形態にかかる溶剤回収システムSでは、溶剤回収機構40として、高い省エネルギー効率を実現することができるように、
(1)逆浸透膜を用いて溶剤(DMAc)を濃縮する逆浸透膜濃縮装置(膜装置)(図示せず)と、
(2)蒸発ベーパーを蒸留塔の塔頂から蒸気圧縮機に送って昇圧し、圧縮蒸気を蒸留塔のリボイラ熱源として再利用することができるように構成されたMVR式蒸留装置(図示せず)と
を備えた複合装置(溶剤回収機構)が用いられている。
さらに、本実施形態にかかる溶剤回収システムSは、第3膜分離液30Bを蒸発乾固させて、第3膜分離液30Bに含まれるポリマー粒子(PES粒子)を固形物として分離する固化装置50を備えている。
なお、本実施形態では、固化装置50としてドラム回転式乾燥機が用いられている。ただし、固化装置50の形式に制約はなく、溝形撹拌式乾燥機、通気バンド乾燥機などを使用することも可能である。
次に、上述の溶剤回収システムSを用いて、ポリマー粒子であるポリエーテルスルホン粒子(PES粒子)を0.07wt%、溶剤であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMAc)を3.50wt%の割合で含み、残りを水とする原料液Fから、PES粒子(ポリマー粒子)と、DMAc(溶剤)と、水とを分離してDMAc(溶剤)を回収する方法について説明する。
本実施形態にかかる溶剤回収システムSにおいては、まず、ポリマー粒子(PES粒子)0.07wt%と、溶剤(DMAc)3.50wt%と、水(残部)とを含有する原料液Fが、4000kg/hrの割合で第1膜分離機構10に供給される。
第1膜分離機構10においては、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない、溶剤(DMAc)水溶液である第1膜透過液10Aが3920kg/hrの割合で抜き出され、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率(スラリー濃度)が3.50wt%になるまで濃縮された第1膜分離液10Bが80kg/hrの割合で分離される。
なお、第1膜透過液10Aは、ポリマー粒子(PES粒子)が除去されていることから、その分だけ溶剤(DMAc)の含有率が高くなり、3.502wt%となる。
また、第1膜分離液10Bは、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が3.50wt%に高まっていることから、第1膜分離液10B中の溶剤(DMAc)の濃度は3.38wt%と、原料液F中の溶剤(DMAc)の濃度3.50wt%よりも少し低くなっている。
そして、上述の第1膜分離機構10において分離された、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が3.50wt%で、溶剤(DMAc)の濃度が3.38wt%の第1膜分離液10Bが、80kg/hrの割合で第2膜分離機構20に供給される。
第2膜分離機構20においては、第1膜分離液10Bの所定量(本実施形態では1時間分に相当する第1膜分離液量80kg)が分離液槽21に保持された状態で、給水機構22から分離液槽21に水(希釈水)60Aを660kg/hrの割合で連続的(または断続的)に供給して、分離液槽21内の第1膜分離液10Bが徐々に希釈しながら第2膜を透過させる(いわゆるダイアフィルトレーション操作を行う)ことにより、水と溶剤(DMAc)とを含み、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない第2膜透過液20A(660kg/hr)と、溶剤(DMAc)の大部分が第2膜透過液20A側に移行した後の、溶剤(DMAc)を少量しか含まない第2膜分離液20B(80kg/hr)とに分離される。
このときに分離される第2膜透過液20A(660kg/hr)は、溶剤(DMAc)濃度が0.41wt%で、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない溶剤(DMAc)水溶液であり、第2膜分離液20B(80kg/hr)は、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が3.50wt%と高く、溶剤の濃度が0.002wt%のスラリー液である。
そして、上述の第2膜分離機構20において分離された、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が3.50wt%で、溶剤(DMAc)の濃度が0.002wt%の第2膜分離液20Bが、80kg/hrの割合で第3膜分離機構30に供給される。
第3膜分離機構30においては、第3膜を透過した第3膜透過液(40kg/hr)30Aと、第3膜と透過せずに残った第3膜分離液(40kg/hr)30Bとに分離される。
このとき、第3膜分離機構30において分離される第3膜透過液30A(40kg/hr)は、溶剤(DMAc)濃度が0.002wt%で、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない溶剤(DMAc)水溶液であり、第3膜分離液30B(40kg/hr)は、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が7.00wt%で、溶剤含有率が0.0019wt%のスラリー液である。
また、本実施形態にかかる溶剤回収システムSでは、上述のように、水と溶剤(DMAc)とを含み、ポリマー粒子(PES粒子)を含まない、第1膜透過液10A、第2膜透過液20A、および第3膜透過液30Aが合わされて、溶剤回収対象液となる。
そして、この溶剤回収対象液が、逆浸透膜濃縮装置と、蒸発ベーパーを蒸留塔の塔頂から蒸気圧縮機に送って昇圧し、圧縮蒸気を蒸留塔のリボイラ熱源として再利用することができるように構成されたMVR式蒸留装置とを備えた溶剤回収機構40に供給され、高濃度の溶剤40Aと、溶剤をほとんど含まない水40Bとに分離される。
具体的には、第1膜透過液10A、第2膜透過液20A、および第3膜透過液30Aを合わせた溶剤回収対象液が、まず、溶剤回収機構40を構成する逆浸透膜濃縮装置(図示せず)に供給され、例えば、溶剤(DMAc)の濃度が10wt%になるまで濃縮される。
そして、逆浸透膜濃縮装置で溶剤(DMAc)の濃度が10wt%になるまで濃縮された濃縮液が、MVR式蒸留装置に供給され、蒸留されることにより、DMAc濃度がほぼ100wt%の缶出液(回収溶剤)40Aと、溶剤(DMAc)をほとんど含まない塔頂ベーパの凝縮水である回収水(DMAc濃度0.0001wt%以下)40Bとに分離される。
なお、溶剤回収機構40全体としては、溶剤(DMAc)濃度がほぼ100wt%の回収溶剤(缶出液)40Aが140kg/hrの割合で回収され、溶剤(DMAc)濃度が0.0001wt%以下の回収水40Bが4480kg/hrの割合で回収されることになる。
また、本実施形態にかかる溶剤回収システムSでは、上述のように、ポリマー粒子(PES粒子)を含む第3膜分離液30Bが40kg/hrの割合で固化装置50に供給され、蒸発乾固されることにより、第3膜分離液30Bに含まれるポリマー粒子(PES粒子)が固形物50Aとして分離される。また、固化装置50において発生した蒸気は凝縮して凝縮水50Bとして回収される。
なお、本実施形態では、第3膜分離機構30において分離された、ポリマー粒子(PES粒子)の濃度が7.00wt%の第3膜分離液30Bが固化装置50に送られ、含水率が10wt%になるまで蒸発乾固されてポリマー粒子(PES粒子)固形物50Aとして3.1kg/hrの割合で回収されるとともに、固化装置50において第3膜分離液30Bから蒸発した蒸気を凝縮させた凝縮水50Bが36.9kg/hrの割合で回収される。
また、本実施形態にかかる溶剤回収システムSにおいては、溶剤回収機構40からの、溶剤(DMAc)をほとんど含まない(DMAc濃度:0.0001wt%以下)の回収水40B(4480kg/hr)と、固化装置50からの凝縮水50B(36.9kg/hr)を合わせた回収水60B(4480+36.9=4516.9kg/hr)のうち660kg/hrの水が希釈水60Aとして、第2膜分離機構20に供給され、残りの3856.9kg/hr(4516.9-660=3856.9kg/hr)が排水70Aとして系外に排出される。
本実施形態にかかる溶剤回収システムSは、上述のように構成されており、第1膜分離機構10でポリマー粒子(PES粒子)を分離し、第2膜分離機構20で、ポリマー粒子(PES粒子)と溶剤(DMAc)とを含む第1膜分離液10Bを、水で希釈しながら膜を透過させるいわゆるダイアフィルトレーションを行って、ポリマー粒子(PES粒子)と共存する溶剤(DMAc)を効率よく第2膜透過液20A側に移行させ、さらに、第2膜分離液20Bを第3膜分離機構30に送ってポリマー粒子(PES粒子)の含有率を上昇させる一方、いずれもポリマー粒子(PES粒子)を含まない第1膜透過液10A、第2膜透過液20Aおよび第3膜透過液30Aを合わせて溶剤回収対象液とし、溶剤回収機構40において、この溶剤回収対象液から溶剤(DMAc)を分離して回収するようにしているので、ポリマー粒子(PES粒子)と、水と、溶剤(DMAc)とが含まれた原料液Fから、効率よく高濃度の溶剤(DMAc)を回収することができる。
なお、本実施形態にかかる溶剤回収システムSにおいては、第2膜分離機構20で添加(供給)される水の分だけ、溶剤回収機構40に供給される溶剤回収対象液中の溶剤濃度が原料液よりも低くなるが、ポリマー粒子(PES粒子)を含まないことから、蒸留操作や、膜濃縮操作などの方法で、効率よく濃度の高い溶剤(DMAc)を回収することができる。
また、本実施形態にかかる溶剤回収システムSにおいては、第3膜分離機構30を経て、ポリマー粒子(PES粒子)の含有率が7.00wt%まで高められた第3膜分離液(スラリー液)30Bを、固化装置50に供給して、蒸発乾固させるようにしているので、固化装置50における消費エネルギーを抑制することができる。
また、本実施形態にかかる溶剤回収システムSにおいては、逆浸透膜濃縮装置と、MVR式蒸留装置とを備えた溶剤回収機構40を用いているので、高濃度の溶剤(DMAc)を効率よく回収することができる。
すなわち、逆浸透膜濃縮装置は溶剤濃度があまり高くない領域での溶剤の濃縮に適しており、また、蒸留装置は溶剤濃度が高い領域における溶剤の濃縮に有利であることから、逆浸透膜濃縮装置と蒸留装置を組み合わせて用いることにより、溶剤回収機構40全体として、効率よく溶剤(DMAc)と水を分離して、高濃度の溶剤(DMAc)を回収することができる。
なお、蒸留装置として、MVR式蒸留装置を用いることにより、特に高いエネルギー効率を得ることが可能になる。
なお、逆浸透膜濃縮装置と、MVR式蒸留装置を備えた溶剤回収機構としては、例えば、特許第6682053号公報に記載されている溶剤回収システムを用いることが可能である。
ただし、本発明の溶剤回収システムにおいて、溶剤回収機構40を構成する蒸留装置は、MVR式蒸留装置に限られるものではなく、例えば、蒸発ベーパーの冷却水からヒートポンプにより熱をくみ上げてリボイラの熱源として用いるようにした蒸留装置など、他の構成のものを用いることも可能である。
なお、本発明の溶剤回収システムにおいては、溶剤回収機構40として、さらに他の構成のものを採用することも可能である。
また、上記実施形態では、第2膜分離機構20として、第1膜分離機構10により分離された第1膜分離液10Bの所定量を保持することができるように構成された分離液槽21と、分離液槽21に連続的(または断続的)に、所定の割合で水を供給するための希釈用の水を供給するための給水機構22を備えた構成のものを用いているが、この構成とする場合、2つの分離液槽21を備えた構成とし、2つの分離液槽21を適宜切り替えて使用できるようにすることにより、第1膜分離機構10と、第3膜分離機構30とが連続的に操作される場合にも対応することが可能である。
また、第2膜分離機構20の構成は上述の構成に限られるものではなく、例えば、第1膜分離機構10における膜分離機構を2つ(2系列)用意し、第1膜分離液の量が所定量に達した時点で、第1膜分離を2系列のうちの他の膜分離機構に切り替えて膜分離を行い、それまで使用していた膜分離機構を第2膜分離機構として用いることにより、この第2膜分離機構に給水機構から連続的に(または断続的に)所定の割合で水を供給して第1膜分離液を水で希釈しながら第2膜分離(ダイアフィルトレーション処理による膜分離)を行うように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、第3膜分離液30Bに含まれるポリマー粒子(PES粒子)を固形物として分離する固化装置50を備えた構成を示しているが、例えば、ポリマー粒子(PES粒子)を乾固させて固形物として取り出す必要がなく、高濃度の溶剤(DMAc)を回収することができれば足りるような場合には、固化装置50を備えていない構成とすることも可能である。
また、第3膜分離機構30は、固化装置50のエネルギー負荷を軽減する意味合いが大きいので、固化装置50を設ける必要がない場合には、第3膜分離機構30を備えていない構成とすることも可能である。
上述のように、固化装置50を備えていない構成や、第3膜分離機構30と固化装置50を備えていない構成の場合にも、本発明の溶剤回収システムは溶剤を高濃度で回収するシステムとして十分に有意義である。
なお、上記実施形態では、ポリマー粒子がポリエーテルスルホン(PES)である場合について説明したが、本発明の溶剤回収システムにおいて、ポリマー粒子の種類は上記実施形態に限定されるものではなく、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、セルロースアセテート、ポリイミドなどであってもよい。
また、上記実施形態では、溶剤がDMAcである場合について説明したが、本発明の溶剤回収システムにおいて、溶剤の種類は上記実施形態に限定されるものではなく、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1-メトキシ-2-プロパノール(PGME)、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、モノエタノールアミン(MEA)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン(GBL)、ジメチルアセトアミド(DMA)などであってもよい。
また、上記実施形態では、溶剤が水より沸点が高い物質(DMAc)である場合を例にとって説明したが、溶剤が水より沸点の低い物質、例えば、アセトン、塩化メチレン、クロロホルムなどであってもなんら問題なく分離回収を行うことが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲において応用、変形を加えることが可能である。
10 第1膜分離機構
10A 第1膜透過液
10B 第1膜分離液
20 第2膜分離機構
20A 第2膜透過液
20B 第2膜分離液
21 分離液槽
22 給水機構
30 第3膜分離機構
30A 第3膜透過液
30B 第3膜分離液
40 溶剤回収機構
50 固化装置
50A 固形物
50B 凝縮水
60A 希釈水
60B 回収水
70A 排水
F 原料液
S 溶剤回収システム

Claims (7)

  1. ポリマー粒子と、水と、溶剤とを含む原料液から、ポリマー粒子を分離し、溶剤を回収するための溶剤回収システムであって、
    前記原料液を、水で希釈することなく第1膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と、前記原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液とに分離する第1膜分離機構と、
    前記第1膜分離機構により分離された前記第1膜分離液の所定量を分離液槽に保持し、前記分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、前記第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第2膜透過液と、ポリマー粒子と、前記第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液とに分離する第2膜分離機構と、
    水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない、前記第1膜透過液および前記第2膜透過液を合わせて溶剤回収対象液とし、前記溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収する溶剤回収機構と
    を備えていることを特徴とする溶剤回収システム。
  2. ポリマー粒子と、水と、溶剤とを含む原料液から、ポリマー粒子を分離し、溶剤を回収するための溶剤回収システムであって、
    前記原料液を、水で希釈することなく第1膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第1膜透過液と、前記原料液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第1膜分離液とに分離する第1膜分離機構と、
    前記第1膜分離機構により分離された前記第1膜分離液の所定量を分離液槽に保持し、前記分離液槽に連続的または断続的に水を供給して、前記第1膜分離液を希釈しながら第2膜を透過させて、水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない第2膜透過液と、ポリマー粒子と、前記第1膜分離液よりも低い割合で溶剤を含む第2膜分離液とに分離する第2膜分離機構と、
    前記第2膜分離液を、第3膜を透過させて、ポリマー粒子を含まない第3膜透過液と、前記第2膜分離液よりもポリマー粒子を高い割合で含む第3膜分離液とに分離する第3膜分離機構と、
    水と溶剤とを含み、ポリマー粒子を含まない、前記第1膜透過液、前記第2膜透過液および前記第3膜透過液を合わせて溶剤回収対象液とし、前記溶剤回収対象液から溶剤と水とを分離して溶剤を回収する溶剤回収機構と
    を備えていることを特徴とする溶剤回収システム。
  3. 前記溶剤回収機構として、
    前記溶剤回収対象液を、膜を透過させて、前記溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の高い膜分離液と、前記溶剤回収対象液よりも溶剤濃度の低い膜透過液とに分離して溶剤を回収する膜装置、
    前記溶剤回収対象液を蒸留して、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する蒸留装置、および、
    前記膜装置と前記蒸留装置とを組み合わせて用い、溶剤と水とを分離することにより溶剤を回収する複合装置
    のいずれかが用いられていることを特徴とする請求項1または2記載の溶剤回収システム。
  4. 前記溶剤回収機構において溶剤が分離された後の水を、前記第2膜分離機構において前記第1膜分離液に添加される水の一部として使用するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の溶剤回収システム。
  5. 前記原料液に含まれる溶剤の濃度が10%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の溶剤回収システム。
  6. 前記第2膜分離機構において前記第1膜分離液に供給される水の量が、前記第1膜分離液に含まれる水の量の1倍以上20倍以下の量であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の溶剤回収システム。
  7. 前記第3膜分離液を蒸発乾固させて、前記第2膜分離液に含まれるポリマー粒子を固形物として分離する固化装置をさらに備えていることを特徴とする請求項2記載の溶剤回収システム。
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