JP4067037B2 - 波動歯車装置の波動発生器プラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波動歯車装置の波動発生器を構成している波動発生器プラグの輪郭形状に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、波動発生器転がり軸受けにおけるボール荷重ピーク値の低減および全体的なボール荷重分布状態の改善、並びに、歯車の噛み合い歯面荷重分布の改善およびフレクスプラインの歯元応力の低減を達成するために適した波動発生器プラグのプラグ形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17、18には、一般的に知られているカップ型の波動歯車装置を示してある。これらの図に示すように、波動歯車装置1は、楕円状の波動発生器2と、外歯31が形成された可撓性の外歯歯車(以下、フレクスプラインと称する。)3と、内歯41が形成された剛性内歯歯車(以下、サーキュラスプラインと称する。)4の3部品から構成されている。フレクスプライン3は、楕円状の波動発生器2により楕円状に撓められて、その楕円の長軸5方向の両端に位置している外歯がサーキュラスプライン4の内歯に噛み合っている。波動発生器2が回転すると、これらの2箇所の噛み合い位置が円周方向に移動する。この結果、フレクスプライン3とサーキュラスプライン4の歯数差に応じた相対回転がこれらの間に発生する。
【0003】
ここで、波動発生器2は、一般に、剛体の波動発生器プラグ21と、この外周面に嵌められた波動発生器転がり軸受け22とから構成されている。波動発生器プラグ21の形状は波動歯車装置1の伝達性能に及ぼす影響が非常に大きく、特に波動発生器転がり軸受け22のボール荷重分布、歯車の噛み合い状態および歯面荷重分布に直接影響を及ぼす。
【0004】
波動発生器プラグをどのような形状とすべきかについては、次のような提案がなされている。
【0005】
(1)余弦成分からなる卵形曲線(杉本信行、「波動歯車装置のねじり剛性に関する研究」山口大学大学院工学研究科博士学位論文、1994.3)
(2)2個の円弧(皆波歯輪伝動的理論和設計、機械工業出版社、中華人民共和国、1985.9)
(3)混合円弧(米国特許第3、667、320号)
(4)4力シェープ( M.H.ИBAHOB『BOЛHOBЫE 3УБЧATЫE ПEPEДAЧИ』1981)
(5)インボリュート曲線
(6)サイクロイド曲線
上記の(1)の卵形曲線の波動発生器プラグは表現式が簡単で、製造が比較的に簡単であるため、最も多く使用されている。(3)の混合円弧より形成されている波動発生器プラグは、フレクスプライン曲げ応力の低減や最良な軸受ボール荷重分布などを目的としたものである。この米国特許では、波動発生器プラグ形状またはフレクスプラインの曲率変化に基づき、フレクスプラインの曲げ応力を推測し、ボール荷重分布を予測している。しかし、実際の波動歯車装置では、特に負荷トルクがかかるとき、フレクスプラインが3次元的に変形する。従って、実際上においては、フレクスプラインの歯元応力の解析はかなり複雑であり、また、正確なボール荷重分布の推測も非常に困難である。この軸受ボール荷重分布については、いまだにはっきり分かっていないのが実情である。
【0006】
一方、M.H.ИBAHOBは、『BOЛHOBЫE 3УБЧATЫE ПEPEДAЧИ』という著書で4力シェープについて、それの表現式とパラメータの選択及び特徴などを詳しく報告しているが、波動発生器プラグの形状に対する評価手法もフレクスプラインの理論計算曲げ応力のみで、最も優れた波動発生器プラグの形状は見出されていない。
【0007】
また、本願人に譲渡された特開平4−277354号公報(発明者:石川昌一)においては、接線極座標表示式より表現する、4項以上のフーリエ展開項からなる波動歯車装置の波動発生器外形形状が提案されており、理論計算上では外歯車フレクスプラインの曲げ応力の振幅を低減でき、かつ、歯の干渉を防止できるとされている。しかしながら、この公開特許公報においても、具体的な波動発生器の外形形状を提案するにはいたっていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、波動歯車装置の波動発生器プラグ形状に関する発明と研究は幾つか見られるが、いずれも最適な波動発生器プラグ形状とは言えず、また具体化されていないのが実情である。この理由は、波動歯車装置の波動発生器転がり軸受け等に作用する応力等を直接かつ妥当に評価できる具体的な方法がないためであると考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、波動歯車装置の楕円状の波動発生器転がり軸受におけるボール荷重分布の測定を高精度で行う高精度測定方法を見出し、この測定方法によって得られた測定結果に基づき、最適な波動発生器プラグの形状を初めて具体的に提案するに至った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、良好なサーキュラスプラインとフレクスプラインとの噛み合いを維持しつつも、軸受ボール荷重ピーク値の低減及び全体ボール荷重分布の改善を達成でき、これと同時に、歯車の噛み合い歯面荷重分布の改善及びフレクスプライン歯元応力の低減も実現可能な波動発生器プラグの形状を提案することができる。
【0011】
本発明による波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定するプラグ形状曲線は(1)式により表されることを特徴としている。
【0012】
r=rHD+r* ・・・・・・ (1)
但し、r:前記プラグ形状曲線の動径
rHD:(2)式により与えられる楕円状曲線
r* :(3)式により与えられる動径修正項
rHD=r0 +d/2cos(2θ) ・・・・・・ (2)
但し、r0 :波動発生器プラグの真円半径[(長径+短径)/4]
d:撓み量[(長径ー短径)/2]
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角度
r* =d0 rt r** ・・・・・・ (3)
但し、d0 :定数
rt :波動発生器プラグの真円状態での半径
[プラグの周長/(2π)]
r**:動径の修正係数であり、(4)式で規定される4次以上の多項式または(5)式で規定される4項以上のフーリエ級数からなる極座標表示式で表される曲線
【0013】
【数1】
【0014】
但し、ai :定数
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角
n:整数
【0015】
【数2】
【0016】
但し、Ai :定数
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角
ωi :定数
n:整数
ここで、動径の修正係数r**を、4項以上の前記の(4)式により規定される多項式からなる極座標表示式で表わす場合には、当該多項式に含まれる各定数n、ai の値を表1に示すものとすることが望ましい。
【0017】
【表1】
【0018】
同様に、前記動径の修正係数r**を、4項以上の前記の(5)式により規定されるフーリエ級数からなる極座標表示式で表わす場合には、当該フーリエ級数に含まれる各定数n、Ai 、ωi の値を表2に示すものとすることが望ましい。
【0019】
【表2】
【0020】
さらに、動径修正項r* を規定している前記(3)式における定数d0 は、0.01以上および0.1以下の範囲内の値であることが望ましい。
【0021】
一方、波動発生器プラグの外周面輪郭形状を次のように決めることも可能である。すなわち、上記の定数d0 を0.01とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第1のプラグ形状曲線を求める。次に、前記の定数d0 を0.1とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第2のプラグ形状曲線を求める。そして、これら第1および第2のプラグ形状曲線の間に含まれる任意の曲線を用いて前記波動発生器のプラグの外周面輪郭形状を規定する。
【0022】
次に、波動歯車装置において、その減速比が低く、その撓み量が大きい場合には、中減速比あるいは高減速比の波動歯車装置の場合と比較して、歯の移動軌跡や両歯車の噛み合い状態が異なる。このために、波動発生器プラグの外周面輪郭形状も、それに応じて変更することが望ましい。
【0023】
本発明者は、前記プラグ形状曲線の動径変位量の最大値が1.7m(m:歯車のモジュール)以下となる低減速比の波動歯車装置においては、次のようにしてプラグ形状曲線を規定することが望ましいことを見出した。
【0024】
すなわち、動径の修正係数r**を、4項以上の前記の(4)式により規定される多項式からなる極座標表示式で表わす場合には、当該多項式に含まれる各定数n、ai の値を表3に示すものとする。
【0025】
【表3】
【0026】
同様に、前記動径の修正係数r**を、4項以上の前記の(5)式により規定されるフーリエ級数からなる極座標表示式で表わす場合には、当該フーリエ級数に含まれる各定数n、Ai 、ωi の値を表4に示すものとする。
【0027】
【表4】
【0028】
このように波動発生器プラグの輪郭形状を規定する場合においても、動径修正項r* を規定している前記(3)式における定数d0 は、0.01以上および0.1以下の範囲内の値であることが望ましい。
【0029】
また、波動発生器プラグの外周面輪郭形状を次のように決めることも可能である。すなわち、上記の定数d0 を0.01とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第1のプラグ形状曲線を求める。次に、前記の定数d0 を0.1とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第2のプラグ形状曲線を求める。そして、これら第1および第2のプラグ形状曲線の間に含まれる任意の曲線を用いて前記波動発生器のプラグの外周面輪郭形状を規定する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による波動発生器のプラグ形状について詳細に説明する。
【0031】
(波動発生器軸受ボール荷重分布の測定方法)
本発明者は、波動発生器の転がり軸受けにおける内輪軌道とボールの接触部分の局部変形に着目し、軸受内輪の内周面に約3×4mm、深さ0.4mmの窪みを数カ所研削でつくり、そこに、長さ0.2mm、幅1.4mmの歪みゲージを貼付し、ボールの通過による歪みを測定することにより、ボール荷重を求める方法を案出した。
【0032】
この測定方法において、歪みゲージ貼りつけ用の小さな窪みを形成してもボール荷重分布に与える影響がほとんどないことが確認された。また、同じ状態での繰り返し測定結果の再現性が非常に良いことも確認された。従って、本発明者の提案する測定方法は今までない高精度測定方法である。
【0033】
この測定方法によって、プラグ形状が微妙に異なる波動発生器を用いた場合におけるボール荷重分布を正確に比較することが可能となった。この測定方法による測定結果に基づき、本発明者は、波動発生器の最適なプラグ形状を提案するに至ったのである。
【0034】
(波動発生器のプラグ形状)
本発明では、従来の波動発生器プラグの形状として採用されている楕円形状を、4次以上の多項式または4項以上のフーリエ級数などからなる修正項によって修正し、修正により得られる曲線形状を、波動発生器プラグの長軸から短軸までの曲線形状として採用するようにしている。
【0035】
また、本発明では、特定ピッチ円直径と特定の減速比の波動歯車装置の場合において、これらピッチ円直径および減速比を考慮した最適な波動発生器プラグの長軸から短軸までの形状も、4次以上の多項式または4項以上のフーリエ級数などの極座標表示式で表れされる曲線よりそれぞれ直接表現可能としている。
【0036】
例えば、本願人の製造に係る各ピッチ円直径(各型番)と各減速比の波動歯車装置(カップ型ハーモニックドライブ・コンポーネント)に組み込まれている波動発生器プラグのプラグ形状を、前述の(1)式ないし(3)式と、(4)式あるいは(5)式とにより求めるようにしている。
【0037】
[中高減速比用の波動発生器プラグの形状]
図1には、この場合において、多項式(4)および表1に示すパラメータを用いて求めた修正係数r**の形状曲線(θ=0度〜90度)を示す。図2には、フーリエ級数式(5)および表2に示すパラメータを用いて求めた修正係数r**の形状曲線(θ=0度〜90度)を示す。
【0038】
このように求めた修正係数により従来の波動発生器プラグの輪郭形状を修正することにより得られる形状曲線を波動発生器プラグ形状曲線として採用すればよい。
【0039】
一例として、ピッチ円直径が4インチ(型番40)、減速比1/100の波動歯車装置(本願人製造に係るカップ型ハーモニックドライブ・コンポーネントの定格表参照)について、(1)式から波動発生器プラグ形状を規定する曲線を求めた。
【0040】
図3には、求めた3本の曲線と、従来の波動発生器プラグ形状の曲線[θ=0度〜90度、rHD=r0 +d/2cos(2θ) ]を示してある。図において、曲線New W/G plug shape No.1〜No.3は、それぞれ(3)式の定数d0 を、それぞれ、0.01、0.025、0.1とした場合に得られる波動発生器プラグ形状である。なお、この図において、横軸は角度θ、縦軸は同曲線の動径(r,rHD)である。
【0041】
図4は、図3に示した波動発生器プラグ形状の動径rと従来の波動発生器プラグ形状の動径rHDとの差(r−rHD)を表し、横軸は前記の角度θ、縦軸はこの差(r−rHD)である。
【0042】
図5および図6は、型番40、減速比1/160の波動歯車装置の波動発生器プラグについて、上記と同様にして求めた曲線群および動径の差を示すグラフである。
【0043】
[波動発生器プラグ形状による効果]
(波動発生器軸受ボール荷重分布の測定結果)
図7には、減速比1/100の波動発生器プラグ(図3における曲線NewW/G plug shape1/100 No.2によって輪郭形状を規定したもの)と従来の波動発生器プラグの軸受ボール荷重分布測定結果を示してある。
【0044】
この図から、本例の波動発生器プラグを用いれば、定格負荷トルク30kgf−mの時、従来の波動発生器プラグの場合よりも、長軸付近でのボール荷重ピーク値が20kgf(22%)以上小さく、また、全体のボール荷重分布も滑らかになったことが分かる。
【0045】
図8には、減速比1/160の波動発生器プラグ(図5に示す曲線New W/G plug shape1/160 No.2によって規定される輪郭形状をもつもの)の場合について、図7の場合と同様に従来の波動発生器プラグと比較した結果を示してある。この場合においても、定格負荷トルク30kgf−mの時、従来の波動発生器プラグ形状の場合よりも、長軸付近でのボール荷重のピーク値が約27kgf(24%)減少し、また、全体のボール荷重分布も滑らかになっていることが分かる。
【0046】
(波動発生器軸受内輪外周フープ応力への影響)
図9には、本例の波動発生器プラグと従来の波動発生器プラグとの軸受内輪外周フープ応力測定結果の比較を示す。この図に示すように、ボール荷重ピーク値の長軸付近での軸受内輪外周フープ応力が減速比1/100の場合は約5kgf/mm2 (15%)小さく、減速比1/160の場合には約14kgf/mm2 (45%)も減少したことが分かる。
【0047】
(波動発生器軸受疲労寿命の向上)
前述のように、軸受のボール荷重と内輪外周フープ応力を大幅に低減することができるので、軸受疲労寿命がかなり向上することが分かる。実施例の場合の概略計算結果は次の通りである。
【0048】
(1)減速比1/100:従来波動発生器プラグ形状の場合の約2倍
(2)減速比1/160:従来波動発生器プラグ形状の場合の約3倍
(ねじり剛性への影響)
図10には、本例の減速比1/100の場合の波動発生器プラグを用いた場合におけるねじり剛性実測結果を示し、横軸は負荷トルク、縦軸はねじれ角度である。この図において、実線は波動発生器プラグ(図3の曲線New W/G plug shape1/100 No.2によって規定されるもの)についての結果であり、破線は従来の波動発生器プラグについての結果である。本例による新たな波動発生器プラグの場合には、ねじり剛性が従来の波動発生器プラグの場合と同一あるいは大きくなっているいることが分かる。
【0049】
(歯面荷重分布とフレクスプライン歯底強度への影響)
軸受ボール荷重分布の改良によって、サーキュラスプラインとフレクスプラインとの噛み合い状態はより円滑になり、同時に噛み合っている歯の荷重分布が改善され、負荷トルクによるフレクスプラインの歯底最大応力が低減する。また、波動発生器長軸付近における曲率変化は本例による波動発生器プラグのほうが従来の波動発生器プラグより小さく、波動発生器の挿入により変形したフレクスプラインの同場所での曲率変化も小さくなり、フレクスプラインの曲げ応力が低減する。このため、本例の波動発生器プラグを用いればフレクスプラインの歯底強度が向上する。上記の減速比1/100の場合、約10%強度がアップしたことが実験で確認された。
【0050】
[低減速比用波動発生器プラグの形状]
本発明者は、プラグ形状曲線の動径変位量の最大値が1.7m(m:歯車のモジュール)以下となる低減速比の波動歯車装置においては、次のようにしてプラグ形状曲線を規定することが望ましいことを見出した。
【0051】
すなわち、図11には、多項式(4)および表3に示すパラメータを用いて求めた修正係数r**の形状曲線(θ=0度〜90度)を示す。図12には、フーリエ級数式(5)および表4に示すパラメータを用いて求めた修正係数r**の形状曲線(θ=0度〜90度)を示す。
【0052】
このように求めた修正係数により従来の波動発生器プラグの輪郭形状を修正することにより得られる形状曲線を波動発生器プラグ形状曲線として採用する。
【0053】
一例として、ピッチ円直径が4インチ(型番40)、減速比1/50の波動歯車装置(本願人製造に係るカップ型ハーモニックドライブ・コンポーネントの定格表参照)について、(1)式から波動発生器プラグ形状を規定する曲線を求めた。
【0054】
図13には、求めた3本の曲線と、従来の波動発生器プラグ形状の曲線[θ=0度〜90度、rHD=r0 +d/2cos(2θ) ]を示してある。図において、曲線New W/G plug shape1/50 No.1〜No.3は、それぞれ(3)式の定数d0 を、それぞれ、0.01、0.063、0.1とした場合に得られる波動発生器プラグ形状である。なお、この図において、横軸は角度θ、縦軸は同曲線の動径(r,rHD)である。
【0055】
図14は、図13に示した波動発生器プラグ形状の動径rと従来の波動発生器プラグ形状の動径rHDとの差(r−rHD)を表し、横軸は前記の角度θ、縦軸はこの差(r−rHD)である。
【0056】
[低減速比用の波動発生器プラグ形状による効果]
(波動発生器軸受ボール荷重分布の測定結果)
図15には、減速比1/50の波動発生器プラグ(図13における曲線NewW/G plug shape1/50 No.2によって輪郭形状を規定したもの)と従来の波動発生器プラグの軸受ボール荷重分布測定結果を示してある。
【0057】
この図から、本例の波動発生器プラグを用いれば、定格負荷トルク15kgf−mの時、従来の波動発生器プラグの場合よりも、長軸付近でのボール荷重ピーク値が20kgf(23%)以上小さく、また、全体のボール荷重分布も滑らかになったことが分かる。
【0058】
(波動発生器軸受内輪外周フープ応力への影響)
図16には、本例の波動発生器プラグと従来の波動発生器プラグとの軸受内輪外周フープ応力測定結果の比較を示す。この図に示すように、ボール荷重ピーク値(θが約13度)での軸受内輪外周フープ応力が僅かに減少し、また、長軸付近での軸受内輪外周フープ応力が約8kgf/mm2 (17%)減少したことが分かる。
【0059】
(波動発生器軸受疲労寿命の向上)
前述のように、軸受のボール荷重と内輪外周フープ応力を大幅に低減することができるので、軸受疲労寿命がかなり向上することが分かる。実施例の場合では、従来の波動発生器プラグ形状の場合の約2倍になる。
【0060】
(ねじれ剛性)
ねじれ剛性は、従来の波動発生器プラグ形状を用いた場合と同程度であることが確認された。
【0061】
(歯面荷重分布とフレクスプライン歯底強度への影響)
軸受ボール荷重分布の改良によって、サーキュラスプラインとフレクスプラインとの噛み合い状態はより円滑になり、同時に噛み合っている歯の荷重分布が改善され、負荷トルクによるフレクスプラインの歯底最大応力が低減する。また、波動発生器長軸付近における曲率変化は本例による波動発生器プラグのほうが従来の波動発生器プラグより小さく、波動発生器の挿入により変形したフレクスプラインの同場所での曲率変化も小さくなり、フレクスプラインの曲げ応力が低減する。このため、本例の波動発生器プラグを用いればフレクスプラインの歯底強度が向上する。
【0062】
(その他の実施の形態)
なお、上記の実施例は、カップ形状のフレクスプラインを備えたカップ型の波動歯車装置についてのものである。しかしながら、本発明は、シルクハット形状のフレクスプラインを備えたシルクハット型の波動歯車装置に対しても同様に適用できる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、一般的に採用されている楕円曲線を、4次以上の多項式または4項以上のフーリエ級数等の極座標表示式で表される曲線により修正し、修正後に得られた形状曲線を、波動発生器プラグのプラグ形状曲線として採用するようにしている。また、波動歯車装置のピッチ円直径(型番)および減速比を考慮して、最適な波動発生器プラグのプラグ形状曲線を得ることができるようにしている。
【0064】
従って、本発明によれば、サーキュラスプラインとフレクスプラインとの良好な噛み合いを維持しつつも、軸受ボール荷重ピーク値の低減及び全体ボール荷重分布の改善を達成できる具体的な波動発生器プラグの曲線形状を規定することができる。また、これと同時に、歯車の噛み合い歯面荷重分布の改善及びフレクスプライン歯元応力の低減も実現可能な具体的な波動派生器プラグの曲線形状を規することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多項式および表1のパラメータを用いて求めた本発明による波動発生器プラグの形状を規定するための修正係数を示すグラフである。
【図2】フーリエ級数および表2のパラメータを用いて求めた本発明による波動発生器プラグの形状を規定するための修正係数を示すグラフである。
【図3】減速比1/100の波動歯車装置における波動発生器プラグの形状を多項式を用いて求めた場合における、当該形状の長軸からの角度に対する動径の変化を示す曲線群を、従来の波動発生器プラグの形状における動径の変化を示す曲線と共に示すグラフである。
【図4】図3に示す本発明による波動発生器プラグの形状曲線を規定する動径と従来の形状曲線の動径との差を表す曲線群を示すグラフである。
【図5】減速比1/160の波動歯車装置における波動発生器プラグの形状を多項式を用いて求めた場合における、当該形状の長軸からの角度に対する動径の変化を示す曲線群を、従来の波動発生器プラグの形状における動径の変化を示す曲線と共に示すグラフである。
【図6】図5に示す本発明による波動発生器プラグの形状曲線を規定する動径と従来の形状曲線の動径との差を表す曲線群を示すグラフである。
【図7】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用い減速比1/100の波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた減速比1/100の波動歯車装置の場合における波動発生器の軸受けボール荷重分布を表す曲線群を示すグラフである。
【図8】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用い減速比1/160の波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた減速比1/160の波動歯車装置の場合における波動発生器の軸受けボール荷重分布を表す曲線群を示すグラフである。
【図9】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用い波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた波動歯車装置の場合における波動発生器の軸受け内輪の外周フープ応力を表す曲線群を示すグラフである。
【図10】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用い波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた波動歯車装置の場合における波動発生器のねじれ剛性を表す曲線群を示すグラフである。
【図11】多項式および表3のパラメータを用いて求めた本発明による低減速比用の波動発生器プラグの形状を規定するための修正係数を示すグラフである。
【図12】フーリエ級数および表4のパラメータを用いて求めた本発明による低減速比用の波動発生器プラグの形状を規定するための修正係数を示すグラフである。
【図13】減速比1/50の波動歯車装置における波動発生器プラグの形状を多項式を用いて求めた場合における、当該形状の長軸からの角度に対する動径の変化を示す曲線群を、従来の波動発生器プラグの形状における動径の変化を示す曲線と共に示すグラフである。
【図14】図3に示す本発明による波動発生器プラグの形状曲線を規定する動径と従来の形状曲線の動径との差を表す曲線群を示すグラフである。
【図15】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用いた減速比1/50の波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた減速比1/50の波動歯車装置の場合における波動発生器の軸受けボール荷重分布を表す曲線群を示すグラフである。
【図16】本発明により輪郭形状が規定された波動発生器プラグを用いた減速比1/50の波動歯車装置の場合と、従来の波動発生器プラグを用いた減速比1/50の波動歯車装置の場合における波動発生器の軸受け内輪の外周フープ応力を表す曲線群を示すグラフである。
【図17】カップ型の波動歯車装置の斜視図、およびその主要部品の組み付け状態を示す概略構成図である。
【図18】図17の波動歯車装置を含軸断面図である。
【符号の説明】
1 波動歯車装置
2 波動発生器
21 波動発生器プラグ
22 軸受け
3 可撓性外歯歯車(フレクスプライン)
31 外歯
4 剛性内歯歯車(サーキュラスプライン)
41 内歯
5 長軸
Claims (11)
- 剛性内歯歯車と、可撓性外歯歯車と、この可撓性外歯歯車を半径方向に撓めて当該可撓性外歯歯車の外歯を部分的に前記剛性内歯歯車の内歯に噛み合わせると共にこれらの両歯車の噛み合い位置を円周方向に移動させる波動発生器とを有し、この波動発生器は、剛性の波動発生器プラグと、このプラグの外周面と前記可撓性外歯歯車の内周面の間に嵌め込まれた波動発生器転がり軸受けとを備えている波動歯車装置において、
前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定するプラグ形状曲線は(1)式により規定されることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。
r=rHD+r* ・・・・・・ (1)
但し、r:前記プラグ形状曲線の動径
rHD:(2)式により与えられる楕円状曲線
r* :(3)式により与えられる動径修正項
rHD=r0 +d/2cos(2θ) ・・・・・・ (2)
但し、r0 :波動発生器プラグの真円半径[(長径+短径)/4]
d:撓み量[(長径ー短径)/2]
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角度
r* =d0 rt r** ・・・・・・ (3)
但し、d0 :定数
rt :波動発生器プラグの真円状態での半径
[プラグの周長/(2π)]
r**:動径の修正係数であり、(4)式で規定される4次以上の多項式または(5)式で規定される4項以上のフーリエ級数からなる極座標表示式で表される曲線
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角
n:整数
θ:波動発生器プラグの長軸と動径rのなす角
ωi :定数
n:整数 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、動径修正項r* を規定している前記(3)式における定数d0 は、0.01以上および0.1以下の範囲内の値であることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。
- 請求項4において、
前記の定数d0 を0.01とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第1のプラグ形状曲線を求め、
前記の定数d0 を0.1とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第2のプラグ形状曲線を求め、
これら第1および第2のプラグ形状曲線の間に含まれる任意の曲線を用いて前記波動発生器のプラグの外周面輪郭形状を規定していることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。 - 請求項1において、前記プラグ形状曲線の動径変位量の最大値は、前記歯車のモジュールをmとすると、1.7m以下であることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。
- 請求項6ないし8のうちのいずれかの項において、動径修正項r* を規定している前記(3)式における定数d0 は、0.01以上および0.1以下の範囲内の値であることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。
- 請求項9において、
前記の定数d0 を0.01とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第1のプラグ形状曲線を求め、
前記の定数d0 を0.1とした場合に得られる前記波動発生器のプラグの外周面輪郭を規定する第2のプラグ形状曲線を求め、
これら第1および第2のプラグ形状曲線の間に含まれる任意の曲線を用いて前記波動発生器のプラグの外周面輪郭形状を規定していることを特徴とする波動歯車装置の波動発生器プラグ。 - 請求項1ないし10のうちのいずれかの項に記載された波動発生器プラグを備えた波動発生器を有することを特徴とする波動歯車装置。
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