JPWO2002079667A1 - 3次元偏位かみ合い歯形を有する波動歯車装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、波動歯車装置の剛性内歯車および可撓性外歯車の歯の形状に関するものである。さらに詳しくは、長軸近傍における可撓性外歯車のリムの楕円変形による曲げ応力と歯面荷重によるリムの引張り応力との重畳を回避すると共に、可撓性外歯車の歯底リムの応力と波動発生器の玉荷重の分布を平均化して、その低減を図るのに適した両歯車の歯の形状に関するものである。
背景技術
典型的な波動歯車装置は、円環状の剛性内歯車と、この内側に配置されたコップ状の可撓性外歯車と、この可撓性外歯車を楕円形に撓めて楕円形長軸方向の両端で両歯車を噛み合わせると共にこれらの噛み合わせ位置を円周方向に回転させる波動発生器とを備えている。コップ状の可撓性外歯車は、外歯が形成された可撓性の円筒状胴部と、この一端に連続して半径方向の内方に延びている円環状のダイヤフラムと、このダイヤフラムの中心に一体に形成された厚い円盤状ボスと、円筒状胴部の他端外周面に形成された外歯から形成されている。
外歯が形成されている円筒状胴部の内側に楕円形輪郭の波動発生器がはめ込まれて、当該外歯の形成部分が楕円形に撓まされた状態となっている。従って、円筒状胴部は、ダイヤフラムの側から外歯が形成されている開口端部にかけて、ダイヤフラムからの距離にほぼ比例した撓み量を生ずるように楕円状に撓まされている。この場合における両歯車の歯数差は2n(n:正の整数)枚とされ、一般には2枚とされている。
波動発生器をモータなどによって高速回転すると、両歯車の噛み合い位置が円周方向に移動して、両歯車の歯数差に応じて大幅に減速された回転が、可撓性外歯車あるいは剛性内歯車を介して取り出される。
ここで、可撓性外歯車としてはシルクハット状のものが知られており、この形状の可撓性外歯車は、円筒状胴部の一端から半径方向の外側に円環状のダイヤフラムが広がり、当該ダイヤフラムの外周縁に厚い円環状ボスが一体形成された構成となっている。この場合に、円筒状胴部は、ダイヤフラムの側から外歯が形成されている開口端部にかけて、ダイヤフラムからの距離にほぼ比例した撓み量が生ずるように楕円形に撓まされる。
ここで、波動歯車装置は創始者C.W.Musser氏の発明(米国特許第2,906,143号)以来、今日まで同氏を始め、本発明者を含め多くの研究者によって各種の発明がなされている。その歯形に関する発明に限っても、各種のものがある。その中で本発明者は、剛性内歯車と可撓性外歯車の歯の噛み合いをラックで近似する手法で、双方の広域接触を行う歯末歯形を導く歯形設計法を考案した。これ以後も本発明者及び他の研究者により、多くの歯形関連の発明がなされている。
現在、波動歯車装置の性能向上を望む市場の強い要求がある。特に負荷能力の向上が望まれている。波動歯車装置の負荷能力を支配する主な要素は、可撓性外歯車の歯底のリムと波動発生器の内輪転動面、特にその長軸付近の個所の疲労強度である。本発明はこの2個所に生ずる応力を軽減して、所期の目的を果たそうとするものである。
発明の開示
上記の目的を達成するため、本発明は次の二つの手法を用いる。即ち一つは、これまでコップ状あるいはシルクハット状の可撓性外歯車では、平歯車のままでは歯筋方向の連続的な噛み合いは実現できないとされてきたものを、可撓性外歯車の主噛み合い位置と撓み量とに応じて、歯形の圧力角を設定することにより、歯当たりを歯筋方向にも伸ばして、歯底リムの応力を低減する。
二つには、可撓性外歯車の歯筋方向における任意の個所に選んだ軸直角断面(主断面)における両歯車の歯の噛み合いに、可撓性外歯車の撓みを正規より減らした負偏位として歯の噛み合い領域の主部を楕円の長軸近傍から離すと共に、歯形の設計に変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式を適用することにより、主断面内の歯形の連続接触を実現する。
本発明では、上記の両手法を併用することにより、長軸近傍における可撓性外歯車のリムの楕円変形による曲げ応力と歯面荷重によるリムの引張り応力との重畳を防ぐとともに、可撓性外歯車の歯底リムの応力と波動発生器の球荷重の分布を平均化して、その低減を図っているのである。
すなわち、本発明は、剛性内歯車と、その内側のコップ状あるいはシルクハット状の可撓性外歯車と、この可撓性外歯車の軸直角断面を、ダイヤフラム側から開口部にかけてダイヤフラムからの距離にほぼ比例した撓み量を生ずるように楕円状に撓ませて、その形状を回転させる波動発生器とを有し、この波動発生器の回転により両歯車に相対回転を生じさせる波動歯車装置において、次のようにして、両歯車の歯形の主部を規定している。
まず、剛性内歯車及び可撓性外歯車の基本を共に平歯車として、可撓性外歯車の歯数を剛性内歯車の歯数より2n(nは正の整数)枚少なくする。
また、可撓性外歯車の歯筋方向における任意の個所に選んだ軸直角断面を主断面とし、この主断面において、可撓性外歯車の楕円状リム中立線の長軸より離れた位置を歯の噛み合いの中心位置とし、その位置をリム中立線上の点での接線の傾斜角θで与え、可撓性外歯車と剛性内歯車の歯数をそれぞれzC、zF、可撓性外歯車のピッチ円直径と変形前のリム中立円の半径をそれぞれro、rnとし、主断面の撓み量wを式(4)
で与えることによって、主断面内の噛み合いの主領域の中心に位置する両歯車の歯形の接触点における歯形の共通接線方向を、リム中立円筒面の直線母線を軸方向に主断面に投影した曲線の該接触点における接線方向に一致させて、歯筋方向に連続接触を行なわせる。
さらに、主断面における噛み合いの該接触点における両歯形の曲率円のそれぞれの中心位置を、変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式に基づいて設定する。
これにより、可撓性外歯車の主断面で、長軸を離れた噛み合い領域で歯形の連続的な噛み合い状態を形成するようにしている。
ここで、両歯車の軸直角断面上の歯形に関し、剛性内歯車の歯形主部の凹歯形をインボリュート曲線とし、可撓性外歯車の歯形主部の凸歯形を円弧とした場合には、その円弧半径を、前記主断面で変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式によって定まる、曲率円半径以下となるように設定すればよい。
または、両歯車の軸直角断面上の歯形に関し、剛性内歯車の歯形主部の凹歯形と可撓性外歯車の歯形主部の凸歯形を共に円弧とした場合には、それらの円弧半径を、前記主断面で変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式によって定まるそれぞれの曲率円半径に対し、剛性内歯車の凹円弧歯形の半径はそれ以上の値、可撓性外歯車の凸円弧歯形の半径はそれ以下の値となるように設定すればよい。
発明を実施するための最良の形態
以下に、図面を参照して、本発明による波動歯車装置の両歯車の歯形の設定方法を説明する。
まず、第1図は、典型的な波動歯車装置を示す正面図であり、この波動歯車装置1は、その可撓性外歯車3と剛性内歯車2の歯数差が2枚(n=1)である。可撓性外歯車3の内側には楕円形輪郭の波動発生器4が嵌め込まれており、この波動発生器4は、楕円形輪郭の剛性カム板41と、その外周面に嵌めたウエーブベアリング42から構成されている。
第2図は、その可撓性外歯車3の開口部を楕円状に撓ませた状況を含軸断面で示したものであり、その(a)は変形前の姿、(b)は楕円の長軸を含む断面、(c)は楕円の短軸を含む断面である。可撓性外歯車3は、円筒状胴部31と、この一端に連続している円環状ダイヤフラム32と、胴部他端の開口部33側の外周面部分に形成されている外歯34から形成されている。コップ状の可撓性外歯車では、そのダイヤフラム32が実線で示すように胴部31から半径方向の内方に延びており、シルクハット状の可撓性外歯車では、そのダイヤフラム32Aが破線で示すように胴部31から半径方向の外方に延びている。
次に、この波動歯車装置1において、剛性内歯車と可撓性外歯車の歯数差zC−zFが2n(nは正の整数)で、可撓性外歯車のリム中立線の形状を、半径がrnの真円に全振幅2κm(κは撓み係数、mはモジュール)のn波長の波を重畳した接線極座標による次式(1)で与えられる近似の楕円形状であるとする。この場合における両歯車の歯形の設定方法を、第3図ないし5を参照しながら説明する。
p=rn+wcos(2θ) (0≦θ≦2π) …(1)
ここにp :座標原点Oからリム中立線の接線に下ろした垂線の長さ
rn:リム中立線の変形前の真円の半径
w :リム中立線の長軸及び短軸上の撓み量(w=κm)
θ :リム中立線の接線(法線)の短軸(長軸)に対する傾き角
また、撓み係数κは次の意味を有している。可撓性外歯車のピッチ円直径mzFを、減速比R(=zF/(zC−zF))で除した値do=mzF/R=m(zC−zF)を正規の撓み量と呼び、この正規の撓み量より大きい撓み量の状態を正偏位、小さい撓み量の状態を負偏位、正規の撓み量の状態を無偏位と呼び、それぞれの撓み量dを正規の撓み量doで除した値が撓み係数κである。すなわち、κ>1の場合が正偏位、κ=1の場合が無偏位、κ<1の場合が負偏位である。
第3図は、可撓性外歯車の胴部の中立曲面の開口部よりダイヤフラム部に至る、主断面(例えば、第2図の線分5で示す位置の軸直角断面)を含む複数の軸直角断面上の中立曲線を、主断面上に軸方向に投影した図である。同図で真円はダイヤフラム部、曲線cは主断面、曲線eは開口部のそれぞれの断面のリム中立曲線の投影を示し、wは両歯車zC、zFに応じて定める主断面の撓み量を示す。図中の複数の曲線fは、変形前の円筒を呈したリム中立曲面(リム中立円筒面)の円筒母線の数箇所の投影を示したものである。
先ず、主断面で主噛み合い領域の代表点Pを主断面のリム中立線c上に長軸を離れて定める。点Pで中立線の接線の傾斜角θを求める。θは0°から45°の範囲に取る。点Pを通る投影中立母線gを引き、点Pにおける該投影中立母線gの接線tを引く。接線tの長軸に対する傾き角λは、リム中立線上の定点の軌跡を使ってθの関数として次式(2)で求められる。
本発明の主眼の一つは、この投影中立母線gの接線tが両歯形の接触点における歯形の共通接線と一致するように、両歯形の圧力角を定めることにある。これは主断面の前後における歯筋に沿った可撓性外歯車の歯形が接線tに沿って位置するようにすると、歯筋方向の噛み合いがほぼ実現できるということに基づくものである。即ち歯筋に沿っての可撓性外歯車の歯形の移動を想念するとき、この条件があれば、歯筋方向の噛み合いが実現できることになる。この条件が満たされなければ、両歯形は主断面から軸方向に離れるに従って、歯形が食い込むか、離れるかして、歯筋方向の歯当たりは得られなくなる。
第4図は、主断面の主噛み合い領域における両歯車の歯の接触点Eにおける相対運動の関係を示す説明図である。
ここで、点Eにおける剛性内歯車の歯形法線が、可撓性外歯車の一歯と剛性内歯車の歯とが噛み合うときの相対運動の瞬間中心Qを通ることが、点Eがこの位置で噛み合うための必要条件である。この条件を導入すると、θを与えるとき、自ずと撓み量wが定まることになる。即ち主噛み合い領域を決める主断面のリム中立線上で、リム中立線の接線の傾斜角θと可撓性外歯車の撓み量wとは関連した変数で、両者の関係は以下の考察から導かれる。
θの位置に該当する可撓性外歯車の一歯Tに、リム中立線と歯山中心線(これはリム中立線への法線lRと一致する)の交点pを原点とする座標軸xF、yFを設ける。波動発生器を固定し、可撓性外歯車で剛性内歯車を駆動する場合を考える。点Pでのリム中立線の法線lR上にある中立線の曲率中心Cは、この瞬間における可撓性外歯車の一歯Tの動きの瞬間中心である。このときの歯Tの瞬間回転速度は、可撓性外歯車の定常回転速度から定まるリム中立線の周速から求められる。一方剛性内歯車の回転は定常的で、その中心は原点Oであり、その瞬間回転速度は、通常の歯車と同様、可撓性外歯車の定常回転速度との比が歯数比の逆数に等しいという関係にある。
従って、可撓性外歯車の一歯Tと剛性内歯車の相対運動の瞬間中心QはOCの延長線上、OCを両者の瞬間回転速度の逆比に外分する位置にある。可撓性外歯車の歯の接触点Eと点Qを結ぶと、QEは歯形の接触法線となる。以上のことから、点Eにおける接触法線の横軸となす角ξは、可撓性外歯車の歯元のたけをhとして次式(3)で求められる。
ここに
ここで、ξ=λという条件をつけると、上述のwとθの関係が次式(4)のように求められる。
次に、Qで互いに接する、両者の運動を表す両者それぞれに固定したピッチ曲線(通常の歯車のピッチ円に当たる)を考え、点Qでの両ピッチ曲線に共通の接線lとOQとのなす角をψとし、QEと角ψをなす直線sを引く。このs上に点Rを取り、RをそれぞれC、Oと結び、その延長線とQEとの交点をそれぞれA、Bとする。このとき点A、Bが可撓性外歯車と剛性内歯車の歯形のE点における曲率中心となることが、変速比歯車で成立するオイラー・サバリの定理であり、本発明もこの事実に着眼する。本図は点A、Bがともに点Eの片側にあるように点Rを選んだ場合である。
この場合は可撓性外歯車の歯形が凸歯形で、剛性内歯車の歯形が凹歯形となる。
上記のことから、可撓性外歯車と剛性内歯車の歯形として、それぞれEA、EBを半径とし、A、Bを中心とする曲率円を有する歯形を採用すれば、変速比歯車で成立するオイラー・サバリの定理によって、E点近傍の噛み合いの条件が満たされることになる。E点を離れた個所に関しては、干渉を避けるため、必要に応じ、凸円弧半径は小さく、凹円弧半径は大きく修正する。なお歯先同士の干渉を避けるため、適宜片方乃至双方の歯先に修整を施すことにより円滑な噛み合いを実現する。
上記の主断面における歯形の設定法は本発明者の既発明にも見られるものであるが、本発明はさらに前述の歯筋方向にも歯当たりを保証する新たな考案を付加したものである。
第5図は本発明による歯形の噛み合いの一例を示したものである。図は歯数がzF=60、zC=62で、主断面の撓み係数がκ=0.666、主噛み合い領域を示す角がθ=25°の場合である。
以上により、主断面を含む各断面の噛み合いは、長軸を離れた個所(予め与えた傾斜角θを有する主断面のリム中立線の接線の個所)を中心として行われる。従って可撓性外歯車のリムの楕円変形による曲げ応力が最大となる長軸の個所に歯の噛み合いによる応力が重畳されることはなく、主断面における歯の噛み合いによる応力は楕円変形による曲げ応力が減少する個所に現われ、歯筋方向にも歯当たりが広がる効果と相俟って、それだけ可撓性外歯車の負荷能力を高めることとなる。
更に本発明は、歯にかかる荷重の半径方向の成分がその歯の下部にある波動発生器の球にかかるので、波動発生器の球荷重の分布にも好影響を与える。即ち楕円変形による長軸近傍の最大曲げ応力の生起は波動発生器の内輪についても同様であり、その個所への球荷重の重畳を回避できるからである。
産業上の利用の可能性
上述のとおり、本発明によれば、歯筋に沿った歯当たりを実現することができ、かつ主断面で、両歯車の歯の噛み合いの主領域を楕円状可撓性外歯車の長軸を離れた位置に設定し、変速比歯車で成立するオイラー・サバリの定理を用いる歯形設計により、主断面内の歯形の連続接触を可能としている。従って、これらの効果により、可撓性外歯車のリムに生ずる歯の噛み合いによる応力を低減し、かつ楕円変形による長軸近傍の曲げ応力と歯の噛み合いによる引張り応力との重畳を避け、かつ波動発生器の球荷重分布の極大値も長軸近傍を避けた分布となるので、波動歯車装置の負荷能力を大きく高めることができる。
また、変速比歯車で成立するオイラー・サバリの定理を用い、歯面圧を低減する凸歯形と凹歯形の噛み合いを可能とすることによって、歯面の潤滑機能を高め、同装置の耐久性を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、典型的な波動歯車装置の一例を示す概略正面図である。
第2図は、コップ状あるいはシルクハット状可撓性外歯車の撓み状況を含軸断面で示す説明図であり、(a)は変形前の状態、(b)は該歯車の長軸を含む断面であり、(c)は該歯車の短軸を含む断面である。
第3図は、歯筋方向の歯当たりを実現する手法の説明図である。
第4図は、歯形形成のもととなる可撓性外歯車と剛性内歯車の噛み合いの機構学的関係を示す説明図である。
第5図は、本発明による歯形の噛み合いの一例を示すものである。
Claims (3)
- 剛性内歯車と、
その内側のコップ状あるいはシルクハット状の可撓性外歯車と、
この可撓性外歯車の軸直角断面を、ダイヤフラム側から開口部にかけてダイヤフラムからの距離にほぼ比例した撓み量を生ずるように楕円状に撓ませ、楕円状に撓んだ当該可撓性外歯車の長軸方向の両端に位置する部分を前記剛性内歯車に噛み合わせると共に、これら両歯車の噛み合い位置を円周方向に移動させる波動発生器とを有し、
この波動発生器の回転により両歯車に相対回転を生じさせる波動歯車装置において、
剛性内歯車及び可撓性外歯車の基本を共に平歯車とし、
可撓性外歯車の歯数を、剛性内歯車の歯数より2n(nは正の整数)枚だけ少なくし、
可撓性外歯車の歯筋方向における任意の個所に選んだ軸直角断面を主断面とし、
この主断面において、可撓性外歯車の楕円状リム中立線における長軸より離れた位置を、両歯車の歯の噛み合いの中心位置とし、
この噛み合いの中心位置をリム中立線上の点に引いた接線の傾斜角θで与え、
可撓性外歯車と剛性内歯車の歯数をそれぞれzC、zF、可撓性外歯車のピッチ円直径とその変形前のリム中立円の半径をそれぞれro、rnとし、
主断面の撓み量wを式(4)
で与えることによって、主断面内の噛み合いの主領域の中心に位置する両歯車の歯形の接触点における歯形の共通接線方向を、リム中立円筒面の直線母線を軸方向に主断面に投影した曲線の該接触点における接線方向に一致させて、歯筋方向に連続接触を行なわせ、
主断面における噛み合いの該接触点における両歯形の曲率円のそれぞれの中心位置を、変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式に基づいて設定することによって、
可撓性外歯車の主断面で、長軸を離れた噛み合い領域で歯形の連続的な噛み合い状態を形成するようになっていることを特徴とする波動歯車装置。 - 請求の範囲第1項において、
両歯車の軸直角断面上の歯形に関し、剛性内歯車の歯形主部の凹歯形をインボリュート曲線とし、可撓性外歯車の歯形主部の凸歯形を円弧とし、その円弧半径を前記主断面で変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式によって定まる、曲率円半径以下となるように設定することを特徴とする波動歯車装置。 - 請求の範囲第1項において、
両歯車の軸直角断面上の歯形に関し、剛性内歯車の歯形主部の凹歯形と可撓性外歯車の歯形主部の凸歯形を共に円弧とし、それらの円弧半径を前記主断面で変速比歯車において成立するオイラー・サバリ式によって定まるそれぞれの曲率円半径に対し、剛性内歯車の凹円弧歯形の半径はそれ以上の値、可撓性外歯車の凸円弧歯形の半径はそれ以下の値となるように設定することを特徴とする波動歯車装置。
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