JP3230595B2 - 撓み噛み合い式歯車装置の3次元無転位歯形の形成方法 - Google Patents

撓み噛み合い式歯車装置の3次元無転位歯形の形成方法

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JP3230595B2 JP35703691A JP35703691A JP3230595B2 JP 3230595 B2 JP3230595 B2 JP 3230595B2 JP 35703691 A JP35703691 A JP 35703691A JP 35703691 A JP35703691 A JP 35703691A JP 3230595 B2 JP3230595 B2 JP 3230595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撓み噛み合い式歯車装
置に関し、特に当該装置に用いられるコップ状可撓性外
歯車および剛性内歯車の歯形に関するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な撓み噛み合い式歯車装置は、円
形の剛性内歯車と、この内歯車の内側に配置された可撓
性外歯車と、この内側に装着された楕円形の波動発生器
から基本的に構成されている。楕円形の波動発生器によ
って可撓性外歯車は楕円形状に撓まされて、楕円形の長
軸方向の両端位置で剛性内歯車に噛み合っている。可撓
性外歯車は剛性内歯車よりも2n枚(nは正の整数)だ
け少ない歯数を有している。波動発生器を回転させる
と、これに伴って両歯車の2カ所の噛み合い位置も周方
向に移動し、この結果、両歯車には歯数差に応じた相対
回転が生ずる。この撓み噛み合い式歯車装置は、可撓性
外歯車が偏平な円筒形状をした所謂フラット形あるいは
パンケーキ形撓み噛み合い式歯車装置と、可撓性外歯車
がコップ状をしたコップ状撓み噛み合い式歯車装置とに
大別される。
【0003】撓み噛み合い式歯車装置における両歯車に
採用されている基本的な歯形は直線である。このような
歯形は、例えば米国特許第2,906143号に開示さ
れている。また、両歯車の歯形としてインボリュート歯
形を採用することは、本発明者によって、特公昭45−
41171号公報において提案されている。
【0004】さらには、本発明者等は、特開昭63−1
15943号公報において、撓み噛み合い式歯車装置の
負荷能力を高めることを主目的として、両歯車の歯末面
の歯形を、波動発生器の形状によって定まる内歯車に対
する外歯車の歯のラック近似による運動軌跡上の噛み合
いの限界点から、該軌跡の所要の範囲を縮比1/2で相
似変換して得られる曲線とする方式を提案している。こ
の方式によれば、両歯車が歯末の歯形を噛み合いの全過
程で連続的に噛み合わせ得るようにすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
115943号公報に開示されている方式は、円筒状可
撓性外歯車を備えたフラット形あるいはパンケーキ形と
呼ばれる撓み噛み合い式歯車装置を前提としたものであ
る。このため、この形式をそのまま可撓性外歯車がコッ
プ状をしているコップ状撓み噛み合い式歯車装置に採用
した場合には連続的な噛み合いを保証できない。
【0006】すなわち、コップ状可撓性外歯車はコーニ
ングにより軸方向に撓み量が変化する。しかし、上記の
方式では、コーニングが発生しない円筒状可撓性外歯車
を対象としている。したがって、この方式によりコップ
状撓み噛み合い式歯車装置における両歯車の歯形を形成
したとしても、両歯車の歯筋方向の或る特定の断面では
連続的な噛み合い状態が形成されるものの、他の断面で
は干渉などの不具合が生じてしまう。このように、上記
の方式は円筒状可撓性外歯車には有効であるが、コップ
状可撓性外歯車にはこのままでは不適当である。
【0007】なお、特開昭62−75153号公報、特
開平2−62461号公報は、このようなコップ状可撓
性外歯車のコーニングを考慮して歯形を形成することを
内容とするものではあるが、いずれも歯のクラウニング
やレリービング等の特別の追加工を必要としている。
【0008】本発明の課題は、クラウニングやレリービ
ング等の特別の追加工なしに、コップ状可撓性外歯車の
全歯筋に渡って、干渉が無く、より広範囲の噛み合いを
可能とする撓み噛み合い式歯車装置を提案することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、コップ状撓
み噛み合い式歯車装置のコップ状可撓性外歯車の歯筋方
向の各断面における歯の運動軌跡が、歯筋に沿って撓み
量の漸減とともに次第に変化し、それらの運動軌跡を一
つの平面上に重ね合わせた場合にそれらが一つの包絡線
を形成することを見出した。本発明は、新たに見出した
この包絡線に着目することによって、歯筋方向の全ての
断面において両歯車の連続的な噛み合いを可能とする歯
形を形成している。
【0010】本発明においては、解析を簡単にするため
にラック近似の手法を導入して、この包絡線を表す式を
見出し、更に、コップ状可撓性外歯車のコップ形状の底
面を形成しているダイヤフラムの側の歯筋端部外側近傍
に歯が存在するものと想定して、この仮想歯の歯直角断
面における当該仮想歯の運動軌跡を同様に求め、この運
動軌跡を上記の包絡線の高さ方向の下側端に接続して、
複合曲線を創る。この複合曲線の上に選定した噛み合い
の限界点から、縮比1/2で複合曲線の所要の部分を相
似変換して得られる相似曲線を、コップ状可撓性外歯車
および剛性内歯車の歯末の凸歯形としている。さらに、
両歯車の歯元を、それぞれのピッチ点に関する歯末歯形
の点対称曲線に沿った形状の凹歯形としている。
【0011】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0012】図1および図2は、公知のコップ状撓み噛
み合い式歯車装置の斜視図および正面図である。撓み噛
み合い式歯車装置1は、環状の剛性内歯車2と、この内
側に配置されたコップ状可撓性外歯車3と、この内側に
装着された楕円形の波動発生器4から構成されている。
コップ状の可撓性外歯車3は、楕円形の波動発生器4に
よって楕円形状に撓められた状態にある。
【0013】図3、図4および図5は、コーニングによ
るコップ状可撓性外歯車3の撓み状況を含軸断面で示す
ものである。図3は波動発生器4によって撓められる前
の状態である。図4は、波動発生器4によって楕円形に
撓められた状態における長軸を含む含軸断面である。図
5は、楕円形に撓められた状態における短軸を含む含軸
断面である。これらの図から分かるように、コップ状可
撓性外歯車3は、コーニングにより、その開口部3aに
おいて撓み量が最大であり、そのダイヤフラム3bの側
に向けて撓み量が漸減している。ここに、撓み量とは中
立線の真円時の直径からの楕円状中立線の長径の長さの
増加量を意味する。
【0014】図6、図7および図8は、撓み噛み合い式
歯車装置1において、コップ状可撓性外歯車3の一歯が
剛性内歯車2の歯溝に対して運動する軌跡を、両歯車
2、3の歯数が無限大になった場合のラック近似として
示すものである。ここに、図6に示す運動軌跡は、コッ
プ状可撓性外歯車3の歯30における開口部3aの位置
31での歯直角断面(正規撓み量を有する無偏位断面)
において得られるものであり、図7に示す運動軌跡は歯
筋中央の位置32での歯直角断面において得られるもの
であり、図8に示す運動軌跡は歯筋のダイヤフラム3b
側端部の位置33での歯直角断面において得られるもの
である。ここに正規撓み量とは、撓み量が可撓性外歯車
の基準ピッチ円直径を減速比R(可撓性外歯車の歯数を
剛性内歯車と可撓性外歯車の歯数差で除した値)で除し
た値に等しい場合であり、この状態を無偏位と呼ぶ。ま
た負偏位とは撓み量が正規撓み量より小さい状態を指
す。図7及び図8がこの負偏位の場合である。図に示す
歯形は、前述した特開昭63−115943号公報に開
示されている方式によって決定された凹凸の曲線歯形で
ある。これらの図から分かるように、図6に示す開口部
3aの歯直角断面(無偏位断面)において連続的な噛み
合い状態が形成されているが、図7および図8に示す歯
筋方向の他の位置においては歯の干渉が生じている。
【0015】この運動軌跡を任意の歯直角断面について
数式で表すと、次式(1)のようになる。
【0016】
【数1】
【0017】 ここに x:ラックのピッチ線方向の座標 y:ラックの歯たけ方向の座標 m:モジュール n:剛性内歯車と可撓性外歯車の歯数差の1/2 η:角度媒介変数 κ:撓み係数 (可撓性外歯車の歯筋の任意の軸直角断面の撓み量を正
規の撓み量で除した値)
【0018】ここで、(1)式の導き方について説明す
る。
【0019】まず、外歯車3のリム中立線の変形前の真
円の半径をrn、変形後の近似楕円の長軸及び短軸上の
半径の変形量(撓み量)をwとし、変形後の曲線を接線
極座標を使って次式で与える(図15参照)。
【0020】 p=rn+w cos(2θ) (5) ここに p:座標原点から曲線の接線へ下した垂線の長
さ θ:曲線の接線と近似楕円の短軸とのなす角
【0021】近似楕円の長軸からの偏角をζとする極座
標(r,ζ)を用いれば、この曲線は次式で表される。
【0022】 r={rn+w cos(2θ)}/cosμ ζ=θ−μ (0≦θ<2π) (6) ここに μ=tan-1[2wsin(2θ)/{rn+w cos(2θ)}]
【0023】μは中立線の法線が半径線とのなす角であ
る。
【0024】波動発生器を固定して、剛性内歯車から可
撓性外歯車を駆動するとして、剛性内歯車の歯に相対的
な可撓性外歯車の歯の運動式が、図16を参照して以下
のように導かれる。
【0025】静止座標系O−x0,y0において、剛性内
歯車の回転角をφ、可撓性外歯車の着目している歯の傾
斜角をθ、剛性内歯車と可撓性外歯車の歯数をそれぞれ
C,zFとし、可撓性外歯車の歯に座標系OF−xF,y
Fを、原点OFがリム中心線上にあり、yF軸が歯の中心
線に一致するように固定したとき、剛性内歯車に固定し
た座標系O−xC,yCから見た可撓性外歯車座標系の原
点OFの座標は次式で与えられる。
【0026】 xc=rn sin(θ−φ)−0.5w{sin(3θ−φ)+3sin(θ+φ)} yc=rn cos(θ−φ)−0.5w{cos(3θ−φ)−3cos(θ+φ)} (7)
【0027】剛性内歯車、可撓性外歯車の角速度をそれ
ぞれωC,ωF、可撓性外歯車の歯のリム中立線に沿った
周速をv、時刻t=0でθ=0、即ち点OFが近似楕円
長軸上の点に一致するものとし、時刻tにおける可撓性
外歯車の歯の傾きをθ、その間のリム中立線に沿った移
動距離をsとする。
【0028】 sはrnθ−(3/2)wsin(2θ)で与えられ、φ=ωC、t=ωC、s/v =ωC、s/(ωFn)の関係から、j=ωF/ωC=zC/zFとして、θとφの 関係を示す次式が成立する。
【0029】 φ={θ−1.5w sin(2θ)/rn}/j (8)
【0030】(7)式に(8)式を使えば、角θを媒介
変数とした、可撓性外歯車の歯の座標原点OFの剛性内
歯車に相対的な運動軌跡が得られる。
【0031】撓み噛み合い式歯車装置の可撓性外歯車、
剛性内歯車は共に160を超える大きな歯数を持つもの
が多く、ラックの形状に近く、従って歯のかみ合いもラ
ック同士のかみ合いに近い。そこで上の諸式で歯数を無
限大とする極限移行を考える。
【0032】剛性内歯車の基準ピッチ円半径をrC
し、座標系O−xC,yCから、その原点Oをピッチ点O
Cに移し、さらにyC座標の向きを反転した座標系OC
x,yに移る(図16参照)。
【0033】両歯車のモジュールをmとし、歯数差係数
n=(zC−zF)/2 及び可撓性外歯車の撓みを規定
する撓み係数κを導入し、変形量wをw=κmn のよ
うに表す。ここで、rC−rnを一定にしたまま、rn
∞、j→lとすると、(7)、(8)式から、ラックで
近似した歯の相対運動を表す前述の(1)式が得られ
る。
【0034】式(1)からηを消去すると、次式(2)
が得られる。
【0035】
【数2】
【0036】ここで、κを変数と見て、式(2)をκで
偏微分し、それをκについて解くと、次式(3)が得ら
れる。
【0037】
【数3】
【0038】式(2)と式(3)からκを消去すれば、
求める運動軌跡の包絡線が得られる。これを、式(4)
として次に掲載してある。
【0039】
【数4】
【0040】包絡線の定義から次のことが分かる。一つ
の撓み係数κの値を決めると、これはコップ状可撓性外
歯車の歯筋方向における、決定した当該係数κの値に対
応する撓み量を持つ歯直角断面を選ぶことに相当する。
この歯直角断面では、この係数κの値を式(3)に代入
して得られるyの値の所で包絡線と歯の運動軌跡とが接
していることになる。言い換えると、包絡線はこのyの
値に相当する近辺では歯の運動軌跡の役目を果たしてい
るということである。
【0041】しかし、この包絡線だけでは有効な歯の歯
たけを形成するだけの高さが不足している。そこで、本
発明ではダイヤフラム側歯筋端部33の外側近傍に仮想
歯を想定し、この仮想歯の歯直角断面における、この仮
想歯の運動軌跡を上記の方法と同様にラック近似により
求め、この運動軌跡を、上記の包絡線に接続することに
よって、複合曲線を創り、この複合曲線を歯形創成の母
体としている。
【0042】図9には、このようにして創った複合曲線
を示してある。この図に示すように、複合曲線Cは、包
絡線Eの部分と、上記の仮想歯の運動軌跡Lの部分から
構成されている。図10には、包絡線Eを求めるために
用いた可撓性外歯車の歯筋方向の各歯直角断面における
歯の運動軌跡を、参考として5本だけ示してある。
【0043】図11は、この複合曲線Cから本発明の歯
形を導くための説明図である。今、複合曲線Cの所要部
分として、その頂点AからB点までの曲線部分C(A,
B)を取る(一般には、所要部分として頂点Aを含む必
要はなく、頂点Aよりも僅かに下側の点を基準としてそ
の下側に位置する所要部分を取る。)。この場合、曲線
部分C(A,B)の高さ方向の間隔を剛性内歯車と可撓
性外歯車の歯末のたけの2倍にとる。一方の端点Bから
曲線部分C(A,B)を縮比1/2で相似変換した相似
曲線C1(M,B)を、剛性内歯車の歯末の凸歯形とす
る。図に示す例では、この曲線部分C1(M,B)の点
M(この点がピッチ点となる)に関する点対称の曲線C
2(M,A)をコップ状可撓性外歯車の歯末の凸歯形と
する。同様に、これらの曲線部分C2(M,A)、C1
(M,B)を用いてそれぞれ剛性内歯車の歯元の凹歯形
およびコップ状可撓性外歯車の歯元の凹歯形とする。
【0044】このように形成した歯末の歯形同志は、外
歯車の歯が内歯車の歯溝内で運動するとき、経過するy
の値ごとに対応するκに相当する断面でほぼ正しく接触
することが保証される。これは、ラック近似で見ると
き、例えば図11の点Qで互いに接触する歯末の歯形が
Q点に関して対称であり、剛性内歯車の歯に対し、上記
の歯末歯形形成の経緯から、この図に示すように可撓性
外歯車の歯先点Pが、直線BQをQ点を越えて2倍に延
長した点と一致し、かつ、Q点で両歯形の接線の傾きが
等しくなることに基づくものである。
【0045】ここに、本発明の歯の噛み合いを歯筋に沿
って見ると、複合曲線の頂点から包絡線の区間は、可撓
性外歯車の開口部からダイヤフラム側歯筋端部外側近傍
に至るまでの噛み合いに相当し、複合曲線のそれ以降の
部分は、ダイヤフラム側歯筋端部外側近傍の仮想歯の連
続接触となる。しかし、実際にはこの部分には歯は存在
せず、この面内の噛み合いは架空のものである。
【0046】図12、図13および図14には、このよ
うに形成された歯形の噛み合いの例を示してある。図1
2は開口部の位置31での歯直角断面(無偏位断面)、
図13は歯筋中央の位置32での歯直角断面、図14は
歯筋のダイヤフラム側端部の位置33での歯直角断面に
おける噛み合いである(各位置については図3を参照の
こと。)。これらの図から分かるように、本発明の歯
は、歯筋方向の各歯直角断面内で、包絡線と、この断面
の運動軌跡の接触の程度に応じて連続接触の一部を実現
している。
【0047】これらの図を、従来の歯における歯筋方向
の同一の位置における運動軌跡を示す図6、図7および
図8と比較すると分かるように、本発明の歯形を採用す
れば、歯筋方向の全ての歯直角断面に渡って連続的な噛
み合い状態が形成されており、干渉などの不具合は発生
していないことが見て取れる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コップ状可撓性外歯車を有する撓み噛み合い式歯車装置
において、そのコップ状可撓性外歯車にクラウニング、
レリービング等の追加工を施すことなく、したがって歯
底厚を一定の保ちつつ、その開口部からダイヤフラム側
歯筋端部に至るまでの歯筋全般に渡る内歯車との間の円
滑な連続的噛み合いを実現できる。したがって、本発明
によれば、高強度、高剛性および高精度の3次元噛み合
いを実現できるコップ状撓み噛み合い式歯車装置を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コップ状撓み噛み合い式歯車装置の斜視図であ
る。
【図2】図1のコップ状撓み噛み合い式歯車装置の概略
正面図である。
【図3】図1の撓み噛み合い式歯車装置においてのコー
ニングによるコップ状可撓性外歯車の撓み状況を説明す
るための当該コップ状可撓性外歯車の変形前の断面図で
ある。
【図4】図1の撓み噛み合い式歯車装置においてのコー
ニングによるコップ状可撓性外歯車の撓み状況を説明す
るための当該コップ状可撓性外歯車の楕円形に変形した
後における長軸を含む含軸断面図である。
【図5】図1の撓み噛み合い式歯車装置においてのコー
ニングによるコップ状可撓性外歯車の撓み状況を説明す
るための当該コップ状可撓性外歯車の楕円形に変形した
後における短軸を含む含軸断面図である。
【図6】コップ状可撓性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯
溝に対して運動する軌跡を説明するための図であり、当
該コップ状可撓性外歯車の開口部位置の歯直角断面(無
偏位断面)における歯の運動軌跡を示す図である。
【図7】コップ状可撓性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯
溝に対して運動する軌跡を説明するための図であり、当
該コップ状可撓性外歯車の歯筋方向の中央位置における
歯直角断面の歯の運動軌跡を示す図である。
【図8】コップ状可撓性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯
溝に対して運動する軌跡を説明するための図であり、当
該コップ状可撓性外歯車の歯筋のダイヤフラム側端部位
置の歯直角断面の歯の運動軌跡を示す図である。
【図9】本発明の歯形を導くための母体となる複合曲線
を示す図である。
【図10】図9の複合曲線における包絡線を導くための
コップ状可撓性外歯車の一歯の剛性内歯車の歯溝に対す
る運動軌跡を示す図である。
【図11】図9の複合曲線に基づき本発明の歯形を導く
説明図である。
【図12】本発明により歯形が決定されたコップ状可撓
性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯溝に対して運動する軌
跡を説明するための図であり、当該コップ状可撓性外歯
車の開口部位置の歯直角断面(無偏位断面)の歯の運動
軌跡を示す図である。
【図13】本発明により歯形が決定されたコップ状可撓
性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯溝に対して運動する軌
跡を説明するための図であり、当該コップ状可撓性外歯
車の歯筋方向の中央位置における歯直角断面の歯の運動
軌跡を示す図である。
【図14】本発明により歯形が決定されたコップ状可撓
性外歯車の一歯が剛性内歯車の歯溝に対して運動する軌
跡を説明するための図であり、当該コップ状可撓性外歯
車の歯筋のダイヤフラム側端部位置の歯直角断面の歯の
運動軌跡を示す図である。
【図15】可撓性外歯車の変形後の曲線を接線極座標を
使って求めるための説明図である。
【図16】剛性内歯車に対する可撓性外歯車の歯の運動
式を導くための説明図である。
【符号の説明】
1・・・コップ状撓み噛み合い式歯車装置 2・・・剛性内歯車 3・・・コップ状可撓性外歯車 3a・・・コップ状可撓性外歯車の開口部 3b・・・コップ状可撓性外歯車のダイヤフラム 30・・・コップ状可撓性外歯車の歯 31・・・コップ状可撓性外歯車の歯の歯筋方向におけ
る開口部位置 32・・・コップ状可撓性外歯車の歯の歯筋方向におけ
る中央位置 33・・・コップ状可撓性外歯車の歯の歯筋方向におけ
るダイヤフラム側端位置 4・・・波動発生器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性内歯車と、その内側に配置された
    ップ状の可撓性外歯車と、この可撓性外歯車を半径方向
    に撓めて剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共
    に、これらの噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動
    発生器とを有し、可撓性外歯車のコップ状の底面を形成
    しているダイヤフラム側からその開口部にかけてのコー
    ニングに起因して、当該可撓性外歯車の半径方向への撓
    み量が、当該ダイヤフラムからの距離に比例して漸増し
    ている撓み噛み合い式歯車装置における前記可撓性外歯
    歯車および前記剛性内歯歯車の歯形の形成方法であっ
    て、 前記可撓性外歯車の歯筋方向における複数の歯直角断面
    の位置において、前記剛性内歯車に対する当該可撓性外
    歯車の歯のラック近似による運動軌跡を求め、 これらの
    運動軌跡を一つの歯直角平面上に重畳することにより、
    これらの運動軌跡の包絡線を求め、 可撓性外歯車の歯におけるダイヤフラム側の歯筋端部の
    近傍に想定した仮想歯のラック近似による仮想運動軌跡
    を求め、 前記包絡線と前記仮想運動軌跡から複合曲線を形成し、 この複合曲線から、高さ方向の両端の間隔が剛性内歯歯
    車と可撓性外歯車の歯末のたけの2倍の寸法となる曲線
    部分を切り出し、切り出した曲線部分の両端の点のう
    ち、前記複合曲線の頂点から遠い側の点を原点として、
    当該曲線部分を縮比1/2で相似変換することにより相
    似曲線を形成し、 この相似曲線を剛性内歯車および可撓性外歯車の歯末の
    凸歯形として採用し、両歯車の歯元を、それぞれのピッ
    チ点に関する歯末歯形の点対称曲線に沿った形状の凹歯
    形とすることによって、3次元無転位歯形を形成するこ
    とを特徴とする撓み噛み合い式歯車装置の3次元無転位
    歯形の形成方法。
  2. 【請求項2】 剛性内歯車と、その内側に配置された
    ップ状の可撓性外歯車と、この可撓性外歯車を半径方向
    に撓めて剛性内歯車に対して部分的に噛み合わせると共
    に、これらの噛み合わせ位置を周方向に移動させる波動
    発生器とを有する撓み噛み合い式歯車装置において、前
    記剛性内歯車と前記可撓性外歯車の歯形は、それぞれ、
    請求項1に記載の歯形形成方法によって形成された3次
    元無転位歯形であることを特徴とする撓み噛み合い式歯
    車装置。
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