JP3323501B2 - 無転位歯形の3次元負偏位撓み噛み合い式歯車装置 - Google Patents
無転位歯形の3次元負偏位撓み噛み合い式歯車装置Info
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Description
装置に用いられるコップ状可撓性外歯車および剛性内歯
車の歯形に関するものである。
車と、この内歯車の内側に配置された可撓性外歯車と、
この内側に装着されたウエーブ・ジェネレータから基本
的に構成されている。楕円形のウエーブ・ジェネレータ
によって可撓性外歯車は楕円状に撓まされて、楕円形の
長軸方向の両端位置で剛性内歯車に噛み合っている。可
撓性外歯車は剛性内歯車よりも2n枚(nは正の整数)だ
け少ない歯数を有している。ウエーブ・ジェネータを回
転させると、これに伴って両歯車の2カ所の噛み合い位
置も周方向に移動し、この結果、両歯車には歯数差に応
じた相対回転が生ずる。この撓み噛み合い式歯車装置
は、可撓性外歯車が偏平な円筒形状をした所謂フラット
形あるいはパンケーキ形撓み噛み合い式歯車装置と、可
撓性外歯車がコップ状をしたコップ型の撓み噛み合い式
歯車装置とに大別される。
いる基本的な歯形は直線である。このような歯形は、例
えば米国特許第2,906,143号に開示されている。また、
両歯車の歯形としてインボリュート歯形を採用すること
は、本発明者によって、特公昭45−41171号公報におい
て提案されている。
噛み合い式歯車装置の負荷能力を高めることを主目的と
して、両歯車の歯末の歯形を、ウエーブ・ジェネレータ
の形状によって定まる内歯車に対する外歯車の歯のラッ
ク近似による移動軌跡上の噛み合いの限界点から、該軌
跡の所要の範囲を縮比1/2で相似変換して得られる曲線
とする方式を提案している。この公報に開示の歯形を採
用すれば、内歯車および外歯車の歯末の歯形同士を連続
的に接触させることができる。
および外歯車の歯形として上記の特開昭63−115943号公
報に記載の歯形をそのまま採用した場合には、歯筋方向
の全てにおいて両歯車の歯形の連続的な噛み合いを実現
することができない。
おいては、そのコップ状の可撓性外歯車に、そのダイヤ
フラム側から開口部にかけて、ダイヤフラムからの距離
に比例して撓み量(ウエーブ・ジェネレータの挿入によ
り可撓性外歯車のピッチ円から変位した楕円状曲線の長
径と短径との差=d)が漸増する、いわゆるコーニング
という現象が発生する。このコーニングによる軸方向の
撓み量の変化を、特開昭63−115943号公報に記載の歯形
の設定に当たっては考慮していない。
をzC、歯のモジュールをmとするとき、可撓性外歯車の
ピッチ円直径mzFを、減速比R(=zF/(zC−zF))で除
した値dO=mzF/R=m(zC−zF)を正規の撓み量と呼
び、この正規の撓み量より大きい撓み量の状態を正偏
位、小さい撓み量の状態を負偏位、正規の撓み量の状態
を無偏位と呼び、それぞれの撓み量dを正規の撓み量dO
で除した値を撓み係数κで表すこととする。すなわち、
κ>1の場合が正偏位、κ=1の場合が無偏位、κ<1
の場合が負偏位である。
歯車に対して上記の公報に記載の歯形を採用した場合に
は、歯筋のある特定断面(例えば正規の撓み量に対応す
る無偏位の断面)では両歯車の歯形の連続的な噛み合い
を実現できるが、歯筋の他の断面では歯の干渉等の不具
合を生ずる。
開昭62−75153号公報、特開平2−62461号公報に開示さ
れたものがある。これらの方法は、歯に対してクラウニ
ングやレリービング等の特別の追加工を必要とするもの
である。
加工を施すことなく、コップ状の可撓性外歯車の全歯筋
に亘って、当該可撓性外歯車と剛性内歯車との間に干渉
がなく、より広い範囲の噛み合いを実現するために、本
発明者は、特願平3−357036号に開示の歯形を提案して
いる。
のコップ状の可撓性外歯車の歯筋の各断面における歯の
移動軌跡が、その開口部から見て、歯筋に沿った撓み量
が減少すると共に次第に変化し、それらの移動軌跡を一
つの面に重ね合わせた場合に、それらが一つの包絡線を
生ずることに着目している。ここで、解析を簡単にする
ために、ラック近似の手法を導入して、この包絡線の式
を見出している。更に、ダイヤフラム側歯筋端部の外側
近傍に仮想の歯を想定し、この仮想の歯の軸直角断面に
おけるラック近似による移動軌跡を求め、これを、包絡
線に接続させて複合曲線を形成している。そして、この
複合曲線の上に選定した噛み合いの限界点から、縮比1/
2で、この複合曲線の歯たけ方向で両歯車の歯末のたけ
の2倍に相当する所要の部分を相似変換して得られる曲
線を、両歯車の歯末の凸歯形としている。
形誘導の基となる移動軌跡を上記の包絡線のみとするこ
とを提案している。この発明では、上記の包絡線が、無
偏位の状態に相当する軸直角断面上での可撓性外歯車の
歯の移動軌跡の1/2にしたものと相似形であることに着
目している。そして、この包絡線を利用して、剛性内歯
車と可撓性外歯車の歯数差が4であるコップ型の噛み合
い式歯車装置の両歯車の歯形に採用可能な歯形を形成す
るようにしている。
357037号に開示の発明の場合には、コップ状可撓性外歯
車の開口部は全て無偏位の状態としている。また、歯形
の歯末と歯元の境界点(以下、データム点と呼ぶ。)の
圧力角の設定法についても特に言及していない。
化の要求は益々高まっている。この要求に応えるために
は、かかる撓み噛み合い式歯車装置の強度と剛性を更に
高める必要があり、また耐摩耗性をより向上させる必要
がある。この目的のためには、歯筋に沿った負荷の実際
の分布をできるだけ均等にする必要がある。
撓性外歯車における開口部の撓み量を正規の撓み量より
小さな負偏位に設定することを特徴としている。偏位の
正負の概念は先に述べた通りであり、本発明者による特
公昭45−41171号公報においても詳細に述べられてい
る。
跡の包絡線と、そのダイヤフラム側歯筋端部あるいは当
該端部の外側近傍に想定した仮想の歯の軸直角断面にお
ける移動軌跡とから構成される複合曲線を歯形誘導の土
台としている。
方向の各軸直角断面の負偏位量に対応する、明確に限定
された包絡線を用いることを特徴としている。
負偏位量と関連して歯形のデータム点の圧力角が定まる
ことが特徴となっている。
プ状の可撓性外歯車と、該可撓性外歯車をそのダイヤフ
ラム側から開口部にかけてダイヤフラム側からの距離に
比例した撓み量を生ずるように楕円状に撓ませてその形
状を回転させるウエーブ・ジェネレータとを有し、ウエ
ーブ・ジェネレータの回転により両歯車に相対回転を生
じさせる撓み噛み合い式歯車装置において、次のように
して剛性内歯車および可撓性外歯車の歯形を規定してい
る。
平歯車とし、可撓性外歯車の前記開口部を正規の撓み量
よりも少ない負偏位の状態に設定する。
断面の位置において、剛性内歯車に対する当該可撓性外
歯車の歯のラック近似による移動軌跡を求め、これらの
移動軌跡を一つの軸直角断面上に重畳することにより、
これらの移動軌跡の包絡線を求める。さらに、可撓性外
歯車の歯における前記ダイヤフラム側の歯筋端部の軸直
角断面における移動軌跡、あるいは、当該歯筋端部の外
側近傍に想定した仮想歯の軸直角断面におけるラック近
似による仮想の移動軌跡を、前記包絡線に円滑に接続し
て、第1複合曲線を形成する。
ける前記開口部の軸直角断面におけるラック近似による
移動軌跡と前記包絡線との接点を始点とし定めると共
に、正規の撓み量の場合に可撓性外歯車の歯の前記開口
部の軸直角断面の位置において得られるラック近似によ
る移動軌跡の頂点を求め、この頂点から剛性内歯車と可
撓性外歯車の歯末のたけの2倍の寸法に相当する前記第
1複合曲線上の点を終点として定める。そして、前記第
1複合曲線における前記始点から前記終点までの曲線部
分を、前記終点を原点として縮比1/2で相似変換を行う
ことにより相似曲線を求めて、当該相似曲線を、両歯車
の歯末の凸歯形の主要部とする。
の移動軌跡の頂点とを結ぶ直線を引く。そして、この直
線と、この直線を前記凸歯形の主要部を規定している前
記相似曲線へ円滑につなぐ移行曲線とを、歯形の歯末と
歯元の境界点(以下、データム点と呼ぶ。)の近傍に挿
入することにより、第2複合曲線を求める。このように
して求めた第2複合曲線あるいは、当該第2複合曲線の
近似曲線を両歯車の歯末歯形としている。
タム点に関する前記歯末歯形の点対称図形としての直線
および凹曲線からなる複合歯形または該歯形に歯元修整
を施した歯形に形成している。
である。
状況を示す説明図である。
楕円状曲線の長軸上の状況を示す説明図である。
楕円状曲線の短軸上の状況を示す説明図である。
が剛性内歯車の歯溝に対して移動する軌跡を示す説明図
であり、第6図は開口部軸直角断面における移動軌跡を
示す説明図、第7図は歯筋中央軸直角断面における移動
軌跡を示す説明図、第8図は歯筋のダイヤフラム側端部
軸直角断面における移動軌跡を示す説明図である。
示す説明図である。
説明図である。
いの例を示す図であり、第11図は開口部軸直角断面にお
ける噛み合いを示す説明図、第12図は歯筋中央軸直角断
面における噛み合いを示す説明図、第13図は歯筋のダイ
ヤフラム側端部軸直角断面における噛み合いを示す説明
図である。
を使って求めるための説明図である。
動式を導くための説明図である。
する。
式歯車装置の斜視図および正面図である。この撓み噛み
合い式歯車装置1は、円筒状の剛性内歯車2と、この内
側に配置されたコップ状の可撓性外歯車3と、この内側
に装着された楕円状のウエーブ・ジェネレータ4から構
成されている。コップ状の可撓性外歯車3は、楕円状の
ウエーブ・ジェネレータ4によって楕円状に撓められた
状態にある。
撓性外歯車3の撓み状況を含軸断面で示すものである。
第3図はウエーブ・ジェネレータ4によって撓められる
前(変形前)の状態である。第4図は、ウエーブ・ジェ
ネレータ4によって撓められた状態におけるウエーブ・
ジェネレータの長軸を含む含軸断面である。第5図は、
ウエーブ・ジェネレータによって撓められた状態におけ
るウエーブ・ジェネレータの短軸を含む含軸断面であ
る。
車3は、コーニングにより、その開口部3aにおいて撓み
量が最大であり、そのダイヤフラム3bの側に向けて撓み
量が漸減している。ここに、撓み量とは中立線の真円時
の直径からの楕円状中立線の長径の長さの増加量を意味
する。
装置1において、コップ状の可撓性外歯車3の一歯が剛
性内歯車2の歯溝に対して運動する軌跡1を、両歯車
2、3の歯数が両者の差は一定に保ったまま無限大にな
った場合のラック近似として示すものである。この場合
の移動軌跡はいずれも負偏位の状態にある移動軌跡であ
る。ここで、これらの図においては、剛性内歯車および
可撓性外歯車に同形の試行的な歯形を与えてある。
プ状の可撓性外歯車3の歯30における開口部3aの位置31
での軸直角断面において得られるものである。第7図に
示す移動軌跡は歯筋中央の位置32での軸直角断面におい
て得られ、第8図に示す移動軌跡は歯筋のダイヤフラム
3b側端部の位置33での軸直角断面において得られるもの
である。
らダイヤフラム3bの側にかけて次第に干渉が増大してい
る。干渉を回避するには、レリービング等の追加工が必
要である。
ば、(1)式のようになる。
する) ここで、(1)式の導き方について説明する。
rn、変形後の近似楕円の長軸及び短軸上の半径の変形量
(撓み量の1/2)をwとし、変形後の曲線を接線極座標
を使って次式で与える(第14図参照)。
を用いれば、この曲線は次式で表される。
可撓性外歯車を駆動するとして、剛性内歯車の歯に相対
的な可撓性外歯車の歯の運動式が、第15図を参照して以
下のように導かれる。
をφ、可撓性外歯車の着目している歯の傾斜角をθ、剛
性内歯車と可撓性外歯車の歯数をそれぞれzC,zFとし、
可撓性外歯車の歯に座標系OF−xF,yFを、原点OFがリム
中心線上にあり、yF軸が歯の中心線に一致するように固
定したとき、剛性内歯車に固定した座標系O−xC,yCか
ら見た可撓性外歯車座標系の原点OFの座標は次式で与え
られる。
F、可撓性外歯車の歯のリム中立線に沿った周速をv、
時刻t=0でθ=0、即ち点OFが近似楕円長軸上の点に
一致するものとし、時刻tにおける可撓性外歯車の歯の
傾きをθ、その間のリム中立線に沿った移動距離をsと
する。
Ct=ωCs/v=ωCs/(ωFrn)の関係から、j=ωF/ωC
=zc/zFとして、θとφの関係を示す次式が成立する。
た、可撓性外歯車の歯の座標原点OFの剛性内歯車に相対
的な移動軌跡が得られる。
は共に160を超える大きな歯数を持つものが多く、ラッ
クの形状に近く、従って歯のかみ合いもラック同士のか
み合いに近い。そこで上の諸式で歯数を無限大とする極
限移行を考える。
xC,yCから、その原点Oをピッチ点OCに移し、さらにyC
座標の向きを反転した座標系OC−x,yに移る(第15図参
照)。
zF)/2及び可撓性外歯車の撓みを規定する撓み係数κを
導入し、変形量wをw=κmnのように表す。ここで、rC
−rFを一定にしたまま、rn→∞、j→lとすると、
(c)式、(d)式から、ラックで近似した歯の相対運
動を表す前述の(1)式が得られる。
られる。
れをκについて解くと、(3)式が得られる。
値に対する移動軌跡を一平面に重畳したときに現れる包
絡線eの式となる。すなわち次式(4)が得られる。
み係数κの値を決めると、これはコップ状可撓性外歯車
の歯筋の、今のκに対応する撓み量を持つ軸直角断面を
選ぶことに相当する。この軸直角断面では、この係数κ
の値を(3)式に代入して得られるyの値の所で包絡線
と歯の移動軌跡とが接していることになる。言い換える
と、包絡線はこのyの値に相当する近辺では歯の移動軌
跡の役目を果たしているということである。
(無偏位)とした場合に得られる軌跡曲線を1/2に縮小
した相似曲線に他ならないことを見出している。しか
し、この包絡線だけでは有効な歯たけを形成するだけの
高さが不足している。この傾向はn=1、即ち剛性内歯
車と可撓性外歯車の歯数差が2の場合に特に顕著であ
る。
明をふまえ、可撓性外歯車の歯のダイヤフラム側歯筋端
部の軸直角断面あるいは当該ダイヤフラム側歯筋端部の
外側に近接した仮想の歯の軸直角断面(以下、この断面
を限界断面と呼ぶ。)におけるラック近似による移動軌
跡をこの包絡線に円滑に接続させて、複合曲線とし、こ
れを歯形誘導の母体とする。
複合曲線)を示してある。この図には、第6図、第7図
および第8図のそれぞれの移動軌跡la、lb、lcの他に、
参考として無偏位(正規の撓み量の状態)に相当する断
面上の移動軌跡loとダイヤフラム側歯筋端部外側近傍に
想定した仮想の歯の軸直角断面(前述した限界断面)に
おける移動軌跡lgの合計5本の移動軌跡が描かれてい
る。また、第9図のA、B、C、Dの各点は、それぞれ
移動軌跡la、lb、lc、lgが包絡線eと接する点を示して
ある。限界断面をダイヤフラム側歯筋端部にとるときは
lgはlcに一致する。
図である。いま、複合曲線の所要部分として始点をA点
とし終点をE点とする曲線部分AEを取る。始点Aは上述
のように可撓性外歯車3の開口部3aにおける軸直角断面
上の移動軌跡1aと包絡線eとの接点である。終点Eは、
y座標が、剛性内歯車および可撓性外歯車の歯末のたけ
の2倍に等しい値となっている点であり、通常、包絡線
eに接続される前述の限界断面における移動軌跡lg上に
ある。
歯車3の開口部3aの撓み係数をκaとすると、負偏位で
あるからκa<1であり、このとき(3)式から y=mn・(1−κa 2) (5) が成立し、これを(2)式に代入すれば、始点Aのx、
y座標が決まる。なお、後の必要のために、始点Aに対
応するηaの値も(1)式と(5)式から得られる次式
により求めておく。
Oは、正規の撓み量の場合(無偏位)に可撓性外歯車3
の歯の開口部3aの軸直角断面の位置において得られるラ
ック近似による移動軌跡loの頂点に相当する。終点Eを
原点として、直線OAと曲線AEで構成される複合曲線OAE
を縮比1/2で相似変換した複合曲線MFEをとる。この複合
曲線MFEのF点の角を丸めて直線と曲線が円滑に接続す
るように、当該直線と曲線とを移行曲線により滑らかに
結ぶことにより複合曲線(第2複合曲線)を作成して、
これを剛性内歯車2の歯末の凸歯形とする。
の曲線MOを可撓性外歯車3の歯末の凸歯形とする。従っ
て、本発明ではデータム点近傍ではラック近似では直線
歯形となる。
(6)式を使えば次式でαMが得られる。
κa 2)} このように、本発明では、曲線MFEおよびMOを用い
て、それぞれ剛性内歯車2の歯末の凸歯形および可撓性
外歯車の歯末の凸歯形としている。
形の歯元を、それぞれのデータム点に関する歯末歯形の
点対称図形としての直線および凹曲線からなる複合歯形
として規定する。あるいは、当該複合歯形に歯元修整を
施した歯形として規定する。
同士は、外歯車3の歯が内歯車2の歯溝内を移動すると
き、経過するyの値毎に対応するκに相当する断面では
ほぼ正しく接触することが保証される。これはラック近
似で見るとき、例えば図のQ点で互いに接触する歯末の
歯形がQ点に関して対称であり、内歯車2の歯に対し
て、上記の歯末歯形形成の経緯から、図に示すように外
歯車3の歯先Pが直線EQをQ点を越えて2倍に延長した
点と一致し、かつQ点で両歯車の接線の傾きが等しくな
ることに基づくものである。
イヤフラム側歯筋端部にとった場合の歯形の噛み合いの
例を示す図である。これらの図のうち、第11図は開口部
軸直角断面、第12図は歯筋中央軸直角断面、第13図は歯
筋のダイヤフラム側歯筋端部軸直角断面における噛み合
い状態を示している。本発明の歯の噛み合いを歯筋に沿
って見れば、複合曲線の頂点から包絡線の区間は可撓性
外歯車の開口部からダイヤフラム側歯筋端部側の限界断
面に到るまでの噛み合いに相当し、複合曲線のそれ以降
の部分は限界断面内の歯形の連続接触となる。ただし、
限界断面をダイヤフラム側歯筋端部の外側近傍にとると
きは、実際にはこの部分には歯は存在せず、この面内の
連続的な噛み合いは架空のものとなるが、ダイヤフラム
側歯筋端部の歯はこれに近い噛み合いをするものと見て
よい。図に見るように、本発明の撓み噛み合い式歯車装
置は第11図、第12図の断面では、包絡線と当該断面の移
動軌跡の接触の程度に応じて連続接触の一部を実現し、
第13図の断面では、面内での歯形の連続接触を実現して
いる。
性外歯車における開口部の撓み量を正規より小さな負偏
位に設定した場合に得られる当該可撓性外歯車の歯の移
動軌跡の包絡線と、ダイヤフラム側歯筋端部の軸直角断
面あるいは端部外側の近傍に想定した仮想歯の軸直角断
面における移動軌跡とから第1複合曲線を求め、これを
両歯車の歯形創成の基礎として利用している。
量に対応する、明確に限定された包絡線の部分を歯形創
成の基礎として用いることができる。また、可撓性外歯
車の開口部の負偏位量と関連してデータム点の圧力角を
設定することができる。
歯車を有する撓み噛み合い式歯車装置において、この可
撓性外歯車にクラウニング、レリービング等の追加工を
必要とすることなく、従って、歯底厚さを一定に保ちつ
つ、ダイヤフラム側歯筋端部に到るまでの歯筋全般に亘
る円滑な噛み合いをなし、歯筋に沿った自然な歯当たり
が実現される。
その面内における歯形の連続的な噛み合いをも利用する
ことができる。このことは、歯面圧力を低下させる効果
と歯の剛性を高める効果を合わせもっている。
が4のときは、歯たけの増加にあわせて歯形の曲率半径
が増加し、歯面圧力低下の効果は更に顕著である。
領域で機能するので、歯底部の楕円変形に伴う曲げ応力
を大幅に低減できる。例えば、κa=0.8とするとき
は、κa=1.0(無偏位)とした場合と比較して曲げ応
力を20%低減することができる。
性、高精度の3次元噛み合いの撓み噛み合い式歯車装置
を得ることができる。更に本発明の内容は、コーニング
の角度によらずに成立するものであり、コップ状の可撓
性外歯車の胴長の短いタイプのものにも、本発明をその
まま適用できる利点がある。
Claims (2)
- 【請求項1】剛性内歯車と、その内側のコップ状の可撓
性外歯車と、この可撓性外歯車をそのダイヤフラム側か
ら開口部に掛けて当該ダイヤフラム側からの距離に比例
した撓み量を生ずるように楕円状に撓ませてその形状を
回転させるウエーブ・ジェネレータとを有し、このウエ
ーブ・ジェネレータの回転により両歯車に相対回転を生
じさせる撓み噛み合い式歯車装置において、 剛性内歯車と可撓性外歯車とを共に転位無しの平歯車と
し、 可撓性外歯車の前記開口部を正規の撓み量よりも少ない
負偏位の状態に設定し、 可撓性外歯車の歯筋方向における複数の軸直角断面の位
置において、剛性内歯車に対する当該可撓性外歯車の歯
のラック近似による移動軌跡を求め、これらの移動軌跡
を一つの軸直角断面上に重畳することにより、これらの
移動軌跡の包絡線を求め、 可撓性外歯車の歯における前記ダイヤフラム側の歯筋端
部の軸直角断面における移動軌跡、あるいは、当該歯筋
端部の外側近傍に想定した仮想歯の軸直角断面における
ラック近似による仮想の移動軌跡を、前記包絡線に円滑
に接続して、第1複合曲線を形成し、 この第1複合曲線上における、可撓性外歯車の歯におけ
る前記開口部の軸直角断面におけるラック近似による移
動軌跡と前記包絡線との接点を始点として定めると共
に、正規の撓み量の場合に可撓性外歯車の歯の前記開口
部の軸直角断面の位置において得られるラック近似によ
る移動軌跡の頂点を求め、この頂点から剛性内歯車と可
撓性外歯車の歯末のたけの2倍の寸法に相当する前記第
1複合曲線上の点を終点として定め、 前記第1複合曲線における前記始点から前記終点までの
曲線部分を、前記終点を原点として縮比1/2で相似変換
を行うことにより相似曲線を求めて、当該相似曲線を、
両歯車の歯末の凸歯形の主要部とし、 前記第1複合曲線上の前記始点と前記開口部の移動軌跡
の頂点とを結ぶ直線を求め、 この直線と、この直線を前記凸歯形の主要部を規定して
いる前記相似曲線へ円滑につなぐ移行曲線とを、歯形の
歯末と歯元の境界点の近傍に挿入することにより、第2
複合曲線を求め、 この第2複合曲線あるいは、当該第2複合曲線の近似曲
線を両歯車の歯末歯形とすることを特徴とする無転位歯
形の3次元負偏位撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項2】請求の範囲第1項において、前記剛性内歯
車および可撓性外歯車の歯元を、それぞれの歯形の歯末
と歯元の境界点に関する前記歯末歯形の点対称図形とし
ての直線および凹曲線からなる複合歯形、または該複合
歯形に歯元修整を施した歯形とすることを特徴とする無
転位歯形の3次元負偏位撓み噛み合い式歯車装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP1992/001535 WO1994012808A1 (en) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | Tertiary negative-deflection flexing contact gears of non-profile-shifted tooth profile |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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