JP2675853B2 - 波動歯車の歯形及びその製造方法 - Google Patents

波動歯車の歯形及びその製造方法

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    • F16H49/00Other gearings
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、波動歯車に係り、特に、波動歯車に用いら
れるサーキュラスプライン及びフレクスプラインの歯の
形状の改良に係る。
従来の技術 代表的な波動歯車は、剛性材料で成る円形のサーキュ
ラスプラインと、このスプラインの内側に設けられ、該
スプラインの歯数より2j数(jは正の整数である)少な
い歯数にされた可撓性材料で成るフレクスプラインと、
このフレクスプラインの内側に嵌合してそのフレクスプ
ラインを非円形、例えば楕円形に変形させて2個所で噛
み合うようにするとともに、その楕円形を回転させる波
動発生器とから成り、この波動発生器は、内側の楕円形
のカム板と、このカム板の外周に嵌合して楕円形に撓め
られたボールベアリングから成り、該波動発生器の外輪
がフレクスプラインに嵌合している。
このような構成で成る波動歯車は、波動発生器のカム
板に設けられた入力軸を回転させると、フレクスプライ
ンの楕円形が回転させられ、この楕円形の回転によりサ
ーキュラスプラインとフレクスプラインがその歯数差に
対応して相対的に回転し、両スプラインの一方を固定し
他方に出力軸を設けると該出力軸は入力軸に対して大き
い減速比で回転する。従って、この波動歯車は少ない要
素で大きな減速比を得ることができ、占有空間が小さ
く、またバックラッシも少ないので、精密機械等に多用
されている。
従来の波動歯車に用いられる歯車すなわちスプライン
については、その噛み合いの適性を良好にし、運転性能
や負荷能力を高めるため種々の工夫が提案されている。
基本的な歯形については、米国特許第2,906,143号明細
書に詳しく開示されている。この波動歯車の歯は直線歯
形に形成されており、このため楕円形のフレクスプライ
ンは長軸の一点でのみサーキュラスプラインに噛み合
い、許容伝達トルクが低かった。
これに対処して、特公昭45−41171号には、インボリ
ュート歯形を各スプラインに採用することが提案されて
いる。しかし、前記の公報に記載のスプラインでも両ス
プラインが完全に離れてしまうまでの間において、各歯
を全ての点で連続的に接触させることが困難であった。
更に詳しくは、同公報の第6図の曲線aまたはcに見
られるように、零または負の偏位の場合には、サーキュ
ラスプラインに噛み合うフレクスプラインの歯の代表点
の運動軌跡(cの場合は頂部のごく一部を除き)が、フ
レクスプラインに対して凹形状を成している。従って、
連続接触をさせるためにはサーキュラスプラインの歯形
を凸形状にしなければならない。また、第6図の曲線b
に見られるように、フレクスプラインの歯の代表点の運
動軌跡が凸形である場合(正の偏位の場合)には、フレ
クスプラインの撓みが大きくなり、曲げ応力の増大を招
き、また利用できる運動軌跡の部分が短く、接触する歯
数が少ないので好ましくない。従って、この公報記載の
波動歯車でも許容伝達トルクの点において、改良の余地
がある。
発明が解決しようとする課題 上記公報記載の波動歯車のもつ欠点を解消せんとし
て、本発明者は、サーキュラスプラインとフレクスプラ
インの歯に独特の歯形を与えることを提案した。すなわ
ち、特開昭63−115943号公報に記載されるように、この
波動歯車の両スプラインの波形は、その歯末面の波形
が、波動発生器の形状によって定まる、サーキュラスプ
ラインの歯に対するフレクスプラインの歯の運動軌跡
の、両スプラインの接触の限界位置を原点とする縮比1/
2の相似変換による写像曲線によって形成されている。
この波動歯車によれば、両スプラインの歯の噛み合い
点における連続接触が可能になる。すなわち、この波動
歯車の歯形によれば、両スプラインの歯の噛み合い部分
が離れるまでは完全に噛み合っており、両スプラインの
歯末面が相互に接触しており、連続接触が得られた。そ
して、この連続接触により、歯面荷重やフレクスプライ
ンのリム部の応力や波動発生器の軸受荷重を一層平均化
することができ、波動発生器の負荷容量を増大させるこ
とができる等の利点がある。しかしながら、この波動歯
車では、両スプラインの歯形には、縮比1/2の相似変換
による写像曲線が与えられなければならないという制限
がある。
従って、本発明の目的は、サーキュラスプラインとフ
レクスプラインとが、その噛み合い部分において連続接
触を行うことのできる波動歯車であって、しかもその波
動歯車の設計に当たっては、特定の制限を解除した波動
歯車を提供することにある。
また、本発明のもう1つの目的は、上記の波動歯車の
製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本発明によれば、剛性円
形のサーキュラスプラインと、このスプラインの内側に
配置され、該スプラインの歯数とは異なる歯数で成り、
可撓性の材料で成るフレクスプラインと、該フレクスプ
ラインを撓ませて非円形に変形させその形状を回転させ
る波動発生器とから成り、波動発生器による非円形形状
の回転により両歯車に相対回転を生じさせる波動歯車で
あって、前記サーキュラスプラインと前記フレクスプラ
インのいずれか一方の歯末面の歯形が、波動発生器の形
状によって定まるサーキュラスプラインの歯に対するフ
レクスプラインの歯の運動軌跡の範囲内で任意に選択し
た凸形状の第1曲線によって形成されており、この第1
曲線は、その下限位置での傾きが前記運動軌跡の下限の
位置の傾きに等しく且つ上限位置では前記運動軌跡に沿
っていて接線を共通にしており、他方のスプラインの歯
末面の歯形が第2の曲線によって形成されており、この
第2曲線は、第1曲線で成る歯形との接触点での接線の
傾きが前記運動軌跡上の対応点での傾きに等しく、第1
曲線と第2曲線とはその接触限界位置を基準点として非
対称の関係にあることを特徴とする波動歯車が提供され
る。
この波動歯車の代表的な例としては、前記第1曲線
が、上限位置を原点として縮比1/n(n>2)で運動軌
跡を相似変換した写像曲線によって凸形状に形成されて
いるが挙げられる。
また、本発明によれば、上記の波動歯車を製造するた
めに、波動発生器の形状によって定まる、サーキュラス
プラインの歯に対するフレクスプラインの歯の運動軌跡
を求め、サーキュラスプラインとフレクスプラインのい
ずれか一方の歯末面の歯形を、その運動軌跡の範囲内で
任意に選択し且つ下限位置での傾きが該運動軌跡の下限
の位置の傾きに等しく且つ上限位置では該運動軌跡に沿
っていて接線を共通にする、凸形状の第1曲線によって
形成し、他方のスプラインの歯末面の歯形を、第1曲線
で成る歯形との接触点での接線の傾きが前記運動軌跡上
の対応点での傾きに等しい第2曲線によって形成するこ
とを特徴とする製造方法が提供される。
実施例 以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら
説明する。第1図は、波動歯車1の原理を示している。
この波動歯車1は、剛性材料で成り円筒に形成され内歯
が形成されたサーキュラスプライン2と、このサーキュ
ラスプライン2の内側に設けられ、可撓性の材料で成り
薄肉のリング部分に外歯を有するフレクスプライン3
と、このフレクスプラインの内側に嵌合して非円形(本
例では、便宜上楕円形であるとする)撓ませる波動発生
器位4から成る。波動発生器4は、非円形すなわち楕円
形に形成する部材としての内側の楕円形のカム板5と、
このカム板5の外周に嵌合して楕円形に撓められたボー
ルベアリング6とから成り、波動発生器4のベアリング
の外輪7がフレクスプライン3に嵌合している。
フレクスプライン3は、波動発生器4によって楕円形
に撓められているので、サーキュラスプライン2に対し
て、直径方向に対向する2点を中心としてその両側の一
部で噛み合う。第1図は矢印A及びBの方向の2点が噛
み合い点となる。また、波動発生器4はボールベアリン
グ6を有するので、波動発生器4のカム板5が回転する
と、フレクスプライン3はその楕円形状が回転させられ
るだけで、カム板によって直接回転させられることはな
い。なお、フレクスプライン3は、サーキュラスプライ
ンの歯数より2j(jは正の整数)枚少ない歯数(第1図
ではサーキュラスプラインより4枚少ない)にされてい
る。
この波動歯車1の動作について、第2図(a)〜
(d)を用いて説明する。波動発生器4のカム板5が第
2図(a)の位置にあるとき、フレクスプライン3の楕
円形の長軸において、サーキュラスプライン2の歯溝8
がフレクスプライン3の歯9に噛み合っている。カム板
5を第2図(b)に示すように90度回転させると、フレ
クスプライン3はその楕円形が回転し、フレクスプライ
ン3の噛み合い点が楕円の長軸の移動に従って移動して
歯溝8が歯9から離れる。第2図(c)に図示のよう
に、カム板5が180度回転すると歯溝8と歯9とが再び
噛み合うが、その位置は歯数差(図示の例では4枚すな
わちj=2)の半分だけすなわちj枚分(図示の例では
2枚分)だけずれる。そして第2図(d)に示すよう
に、カム板5が360度回転すると、歯溝8と歯9とは歯
数差2j枚(図示の例では4枚)分だけずれる。このよう
に噛み合い位置が順次ずれる動きを出力として取り出せ
ば大きな減速比を得ることができる。
上記のフレクスプライン3を、第1図の紙面に直角な
方向に且つ一方の側に延長させたカップ形状に形成した
ものがある。これがいわゆるカップ形波動歯車であり、
簡単な構造であるという利点がある。
本発明は、このような波動歯車のサーキュラスプライ
ン及びフレクスプラインの歯の形状を改良するものであ
って、特に、特開昭63−115943号公報に記載される波動
歯車のように、その噛み合い点を中心としてその両側の
噛み合い部分における各歯の殆ど全てを噛み合い接触
(本書では、この噛み合い部分における歯の連続的な噛
み合い接触を連続接触という)させんとする波動歯車に
ついて、その設計における制限を緩くするように改良す
るものである。
すなわち、特開昭63−115943号公報に記載される波動
歯車は、両スプラインの歯末面の歯形が、波動発生器の
形状によって定まる、サーキュラスプラインの歯に対す
るフレクスプラインの歯の、両スプラインをラックで近
似した場合の運動軌跡の、両スプラインの接触の限界位
置を原点とする、1/2の縮比の相似変換による写像曲線
によって、両スプラインの歯面に凸歯形が形成されてい
る。この波動歯車は、両スプラインの歯が連続接触する
ので好ましいものである。
しかしながら、この波動歯車の波形を得るためには、
縮比1/2の相似変換による写像曲線が与えられなければ
ならないという制限がある。換言すれば、1/2の縮比の
相似変換曲線が基準となり、この曲線によって、各スプ
ラインの歯たけのほぼ半分の歯面に凸歯形が形成されね
ばならず、設計の点において、やや自由度を欠くという
面があった。例えば、フレクスプラインの歯面がその歯
元面までサーキュラスプラインの歯面に接触するように
できれば、フレクスプラインの歯の噛み合い剛性を更に
増すことができる。
かかる点に鑑み、本発明によれば、縮比1/2の写像曲
線によらない波動歯車並びにその製法が提供される。こ
の点について第3図を参照しながら説明する。
先ず、本発明においても、特開昭63−115943号公報に
記載された波動歯車と同様に、サーキュラスプラインの
歯に対して接触するフレクスプラインの歯の、両スプラ
インをラックで近似した場合の運動軌跡が求められ、こ
の運動軌跡が各スプラインの歯末面の歯形を形成する際
の基準となる。運動軌跡は、波動発生器の形状によって
定まるもので、第3図において破線で示される曲線11は
その運動軌跡の一部を示したものである。そして、この
運動軌跡11において、サーキュラスプラインとフレクス
プラインの歯の接触の運動軌跡上の限界位置が点12と点
13として示されている。
次に、サーキュラスプラインとフレクスプラインとの
いずれか一方の歯末面の歯形が、運動軌跡11を基準とし
て形成される。この歯形の形成のため、限界位置12と13
の間の運動軌跡11の範囲内で、接触の上限の点12から下
方に延びる第1の曲線14が任意に選択される。曲線14の
下限となる点15も任意に選択される。このように、第1
曲線14は運動軌跡11から任意に選択されるが、連続接触
のためには一定の条件が必要である。
第1の条件は、点15を原点とする座標x−y(ここ
で、x軸はラックのピッチ線方向を、y軸はx軸に垂直
な方向を示す)に関して、曲線14が凸形状(数学的には
上に凸の形状といわれる)に形成されることである。第
2に、第1曲線14は、下限位置15での傾きが運動軌跡11
の下限位置13での傾きに等しく形成されることである。
第3に、この曲線14は、その上限位置12において運動軌
跡11と接線16を共通にする(傾きが等しい)よう形成さ
れることである。更に、前記の特開昭63−115943号公報
に記載された波動歯車の制限を無くするため、下限の点
15は、第2の曲線が第1曲線14に関して非対称になる位
置に選択される。
これらの条件を満たして選択される第1の曲線14の代
表的な例となるのは、運動軌跡11を、縮比1/nで相似変
換した曲線であり、ここで、非対称の条件のため、nは
2に等しくない正の数に選択される。勿論、第1曲線14
は、上記の条件を満足する限り、相似変換曲線でなくと
もよく、他の曲線であってもよい。
次に、他方のスプラインの歯末面の波形が、第2の曲
線17に従って形成される。この第2曲線17を形成するた
めの第1の条件は、歯先点13における歯の傾きが点12に
おける傾きと等しく且つもう1つの限界点15で両スプラ
インの歯末面の歯形が共通の接線を持っていることであ
る。
第2曲線17を形成するための第2の条件は以下の通り
である。先ず、第1歯形曲線14上で、その限界点12及び
15の中間の任意の点を22と定める。そして、運動軌跡11
上において、点22における歯形と同じ傾きを有する点
(すなわち、運動軌跡上の対応する点)20を求める。次
に2つの点から得られる矢線▲ ▼と等しい矢
線を点13から描いてその終点を18として得る。この点18
は、前記の任意の点22を基準として得られるもので、点
22は第1曲線上全体に渡って無数にとれるので、点18も
無数にとれる。この点18の集合体が1つの曲線を描き、
この曲線が求める第2曲線17となる。
上記のように、第2曲線17は点18の集合体であり、矢
線▲ ▼と矢線▲ ▼とは等しいの
で、点13、18、22及び20が平行四辺形を作ることにな
る。従って、点18での接線19の傾きは、運動軌跡11上の
対応点20での接線21の傾きに等しく、また、第1曲線14
上の点22の接線23の傾きとも等しくなる。これにより、
両スプラインの歯は接触の限界点に至るまで連続的に接
触する。
第1曲線14を得る過程から明らかなように、第1曲線
14と第2曲線17で成る歯形の接触点の限界位置15は、非
対称の曲線にする位置に選択されている。これにより、
特開昭63−115943号公報に記載された波動歯車の制限は
無い。すなわち、運動軌跡から、縮比1/2の相似変換に
よる写像曲線を得て、該写像曲線から歯形が形成されね
ばならないという制限がなくなる。第1曲線14及び第2
曲線17の作成が、特開昭63−115943号公報に記載された
波動歯車の歯形を形成する曲線を得る方法とは異なるか
らである。
この歯末面の形状を得るに当たっては、スプラインの
歯末面の歯形だけが重要なものとされ、歯元面の歯形
は、両歯が相互に干渉しない限り、任意の形状ではな
い。
第4図は、本発明の歯形を波動歯車に形成した例を示
している。この例では、図の下側がフレクスプラインで
あり、上側がサーキュラスプラインである。そして、各
サーキュラスプラインの歯末面は、その傾斜部分31に図
示のように、第1の曲線に従って歯形が形成される。ま
た、フレクスプラインの歯末面側には、その斜線部分32
に図示のように、第2の曲線に従って歯形が形成され
る。この図に明らかなように、サーキュラスプラインの
一定形状に形成される歯末面側の歯たけが短く形成され
て、フレクスプラインの一定形状に形成される歯末面側
の歯たけが長く形成される。このように形成することに
よって、フレクスプラインの剛性を増すことができると
もに、サーキュラスプラインの歯溝を深く形成すること
ができる。
従って、サーキュラスプラインとフレクスプラインの
歯面との間に空間33を作ることができ、この空間33をグ
リース溜めにすることができ、両スプラインの歯面の噛
合い部分の潤滑を高い信頼性で維持でき、ひいては、高
い信頼性の波動歯車が提供される。
なお、以上の例では、サーキュラスプラインとフレク
スプラインが2箇所で噛み合う形式の波動歯車について
説明したが、本発明はこのような波動歯車に限定されな
い。例えば、両スプラインの歯数差を3j枚として3箇所
で噛み合う形式の波動歯車にも、本発明を適用すること
ができ、他の類似の歯車装置にもまた適用することがで
きる。
発明の効果 本発明によれば、サーキュラスプラインとフレクスプ
ラインのいずれか一方の歯末面の歯形が、波動発生器の
形状によって定まるサーキュラスプラインの歯に対する
フレクスプラインの歯の運動軌跡の範囲内で任意に選択
した凸形状の第1曲線によって形成されており、この第
1曲線は、その下限位置での傾きが運動軌跡の下限の位
置の傾きに等しく且つ上限位置では運動軌跡に沿ってい
て接線を共通にしており、他方のスプランインの歯末面
の歯形が第2の曲線によって形成されており、この第2
曲線は、第1曲線で成る歯形との接触点での接線の傾き
が運動軌跡上の対応点での傾きに等しく、第1曲線と第
2曲線とはその接触限界位置を基準点として非対称の関
係にあるので、両歯車の噛み合い点における連続接触が
維持されたまま、特開昭63−115943号公報に記載される
波動歯車の両スプラインの歯形の制限が解かれ、これに
より、設計の自由度が増す。しかも、フレクスプライン
の剛性を増して耐久性を維持でき、更に、フレクスプラ
インとサーキュラスプラインの噛合い部分における潤滑
も十分に維持できる。
そして、本発明によれば、かかる波動歯車は、波動発
生器の形状によって定まる、サーキュラスプラインの歯
に対するフレクスプラインの歯の運動軌跡を求めるステ
ップと、サーキュラスプラインと前記フレクスプライン
とのいずれか一方の歯末面の歯形を、運動軌跡の範囲内
で任意に選択し且つ下限位置での傾きが該運動軌跡の下
限の位置の傾きに等しく且つ上限位置では該運動軌跡に
沿っていて接線を共通にする凸形状の第1曲線によって
形成するステップと、他方のスプラインの歯末面の歯形
を、第1曲線で成る歯形との接触点で接線の傾きが運動
軌跡上の対応点での傾きに等しく且つ第1曲線で成る歯
形との接触点の限界位置を基準点として非対称の第2曲
線によって形成するステップとから成る簡単な製造方法
で形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、波動歯車の概略正面図である。 第2図(a)〜(d)は波動歯車の動作説明図である。 第3図は、本発明に係る波動歯車の歯形を得る手法を示
す説明図である。 第4図は、第3図の歯形を各スプラインに適用した説明
図である。 符号の説明 1……波動歯車 2……サーキュラスプライン 3……フレクスプライン 4……波動発生器 11……フレクスプラインの歯の運動軌跡 12……一方の接触の限界位置 13……他方の接触の限界位置(歯先点) 14……第1曲線 15……第1曲線の下限位置 17……第2曲線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛性円形のサーキュラスプラインと、この
    スプラインの内側に配置され、該スプラインの歯数とは
    異なる歯数で成り、可撓性の材料で成るフレクスプライ
    ンと、該フレクスプラインを撓ませて非円形に変形させ
    その形状を回転させる波動発生器とから成り、波動発生
    器による非円形形状の回転により両歯車の相対回転を生
    じさせる波動歯車において、 前記サーキュラスプラインと前記フレクスプラインのい
    ずれか一方の歯末面の歯形が、波動発生器の形状によっ
    て定まるサーキュラスプラインの歯に対するフレクスプ
    ラインの歯の運動軌跡の範囲内で任意に選択した凸形状
    の第1曲線によって形成されており、この第1曲線は、
    その下限位置での傾きが前記運動軌跡の下限の位置の傾
    きに等しく且つ上限位置では前記運動軌跡に沿っていて
    接線を共通にしており、他方のスプラインの歯末面の歯
    形が第2の曲線によって形成されており、この第2曲線
    は、第1曲線で成る歯形との接触点での接線の傾きが前
    記運動軌跡上の対応点での傾きに等しく、第1曲線と第
    2曲線とはその接触限界位置を基準点として非対称の関
    係にあることを特徴とする波動歯車。
  2. 【請求項2】請求項1記載の波動歯車において、前記一
    方のスプラインの歯末面を形成する第1曲線は、前記上
    限位置を原点として縮比1/n(n>2)で前記運動軌跡
    を相似変換した写像曲線によって凸形状に形成されてい
    ることを特徴する波動歯車。
  3. 【請求項3】剛性円形のサーキュラスプラインと、この
    スプラインの内側に配置され、該スプラインの歯数とは
    異なる歯数で成り、可撓性の材料で成るフレクスプライ
    ンと、該フレクスプラインを撓ませて非円形に変形させ
    その形状を回転させる波動発生器とから成り、波動発生
    器による非円形形状の回転により両歯車に相対回転を生
    じさせる波動歯車の製造方法において、 波動発生器の形状によって定まる、サーキュラスプライ
    ンの歯に対するフレクスプラインの歯の運動軌跡を求
    め、 前記サーキュラスプラインと前記フレクスプラインとの
    いずれか一方の歯末面の歯形を、前記運動軌跡の範囲内
    で任意に選択し且つ下限位置での傾きが該運動軌跡の下
    限の位置の傾きに等しく且つ上限位置では該運動軌跡に
    沿っていて接線を共通にする凸形状の第1曲線によって
    形成し、 他方のスプラインの歯末面の歯形を、第1曲線で成る歯
    形との接触点での接線の傾きが前記運動軌跡上の対応点
    での傾きに等しく且つ第1曲線で成る歯形との接触点の
    限界位置を基準点として非対称の第2曲線によって形成
    する ことを特徴とする波動歯車の製造方法。
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