JP4064511B2 - 高圧スイッチ装置用のチューリップ接点 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は請求項１の前提部分に記載の高圧スイッチ装置用のチューリップ接点及び請求項５の前提部分に記載の接点構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
かかるチューリップ接点は，アーススイッチの接点ピンに対する係合接点または静止接点である。従って，デッイスコンの過程で，または係合の過程においても，チューリップ接点と係合接点との間にアークが発生する可能性がある。このために，チューリップ接点と係合接点とには耐蝕材料による被覆が施されねばならない。
【０００３】
かかるスイッチにチューリップ状の接点フィンガが用いられることは公知であり，これら接点フィンガは本質的に所定の電流でのディスコン操作を意図している。他の解決策として，係合接点に接続される，接点フィンガ・トラップを用いており，電流伝達がなされるようにフィンガ・トラップは係合接点の周りに配置されている。かかる接点構造は２つの接触点を有している。即ち，１つは所定の電流を伝達するためであり，他によりアークが阻止される。耐食材料はアークが生ずる所に設けられなければならない。従って、フィンガの前端に耐食材料が設けられている。
【０００４】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の目的は、かかるチュリップ接点を簡単にすることである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この目的は本発明により達成される，即ち，シリンダが環状リングに一体に形成されており、前記シリンダには軸方向のスロットで、それらの間に接点フィンガを形成するものが、設けられており；また、対応してスロットされたリングが、シリンダの前記環状リングと反対側に一体に形成され、前記リングの断面形状は、前記シリンダと共にゴルフクラブ状をなしており；また、前記リングの軸方向自由端は、環状面を有しており、この上に耐食材料からなる部材が取り付けられており；また、係合接点に対応する前記チューリップ接点の内径は、耐食材料からなる部材の内径より小さくなっている。
【０００６】
かくて，本発明によれば，チューリップ接点は所定の電流を伝達する断面を有しており，更に断面は耐食材料を含んでいる。従って，２つの接点を設ける必要が無く、只１つでよい。換言すれば，所定電流伝達及びアーク消去は１つの接点を用いて，異なった点でなされる。
【０００７】
係合接点がピン状の場合には，チューリップ接点の中に入っていく。そして，係合接点は先ず，耐食材料からなる部分に接触し、チューリップ接点を僅かに広げる。更に挿入されると、リングの円筒内面に接触するようになる。このリングの円筒内面には、銅即ち腐食しない材料があるので，接触抵抗は低い。
【０００８】
係合接点がチューリップ接点から出るときは，係合接点は先ずリングの円筒内面から離れ，最終的に耐食材料からなる部分から離脱される。従って、チューリップ接点上のアークは，端部に設けられた耐蝕材料からなる部分の上で消滅する。これに対応して、係合接点にも，チューリップ接点に向く端面に，耐蝕材料からなる部分が設けられている。そして，係合接点のこの耐蝕材料の上で消弧する。
【０００９】
耐蝕材料としては，銅とタングステンからなる焼結合金が望ましく，チューリップ接点上に溶接または鑞付けされる。
【００１０】
耐蝕材料からなる部材が取付けられてから，チューリップ接点の最終的の輪郭が研削されてから，銀鍍金される。
【００１１】
アークが，チューリップ接点及び係合接点の耐蝕材料の位置する場所で消えるようにするために，勿論，リングは特定の寸法になっている。この点は，従属クレームから明らかである。
【００１２】
ピン状の係合接点に組合わされるチューリップ接点構造が，従属クレーム５及び６に規定されている。
【００１３】
本発明並びに本発明の更なる利点及び改善が，図面を参照して，以下に詳細に説明されており，この中で発明の実施例が説明されている。
【００１４】
【発明の実施利の形態】
先ず，６図を参照して、説明する。
【００１５】
隔壁絶縁物１１が高圧スイッチ盤１０の中に配置されている。これの配置方法は，本発明には無関係である。
【００１６】
隔壁絶縁物１１は各相に対して３つの絶縁ブッシング１２を有しており，その内の１つだけが見えている。チューリップ接点１３がブッシング１２の上にねじ接続１４により取付けられている。ブッシング１２は軸方向突起１５を有しており，この突起はチューリップ接点１３の中に後述する方法によって係合している。
【００１７】
ハウジング１７が，高圧装置１０の管状部材１６に着脱可能に取付けられている（取付け方法は重要ではない）。導電材料から作られた取付台１８が，管状部材１６とハウジング１７との間に設けられている。この取付台の上にガイドハウジング１９が取付けられている。このガイドハウジングの中に，相に対して１つの係合接点装置２０，２１が案内される。この可動係合接点装置の駆動装置も同様に重要ではない。
【００１８】
係合接点装置２０，２１は接点取付け台２２から形成され，この上に，図４に拡大して示す，実際の係合接点２３が取り付けられている。
【００１９】
図１に見られるように，チューリップ接点１３は環状リング２４を有している。この環状リング２４は内ねじ２５を有しており，このねじによりチューリップ接点は突起１５の上に固定されている。
【００２０】
環状リング２４に隣接してシリンダ２６があり，このシリンダには半径方向に延びるスロット２７，２８が設けられている。こうして，ばねシリンダ部２９（ばね接点フィンガ）が，それぞれ２つのスロット２７及び２８の間に位置することになる。こうして，全部で８つのばねシリンダ部２９が設けられていてる。個々のシリンダ部２９が，全シリンダ２６を形成する。
【００２１】
シリンダ２６に隣接してリング３０があり，このリングには，シリンダ２６と共にスロットが形成されている。そして，軸方向の断面で，ゴルフクラブの形状をなしている。
【００２２】
シリンダ２６は，比較的薄い肉厚であり，次第にリング３０に変わっている。シリンダ２６の内面は次第に円錐形状３１に変化しており，その円錐角は鈍角になっている。
【００２３】
リング３０は，環状リング２４と反対側の端部に，半径方向に延びる端面３２を有しており，この上に耐食材料からなる部材３３が，好ましくは臘付けまたは溶接により，取付けられている。
【００２４】
図５に，リング３０の部分が拡大して示されている。
【００２５】
円錐内面３１が見られ，これに隣接してる円筒内面３４があり，この内面は，リング３０の自由端に向き，鋭角をなし，チューリップ接点１３の自由端に向き開いている円錐面３５へと移行している。リング３０の外側輪郭３６は円弧となっている。
【００２６】
環状リング２４は，シリンダ１３及びリング３０と共に，銅製であるが，銅及びタングステンの焼結合金の耐蝕金属でもよい。
【００２７】
図１に破線で示される係合接点２３はピン状をなしており，また，ねじ部４０を有しており，このねじ部により，リング３０の内部に係合する接点取付け台２２にねじ込まれる。
【００２８】
係合接点２３は，半径方向端面４２を備えた円筒部４１を有しており，この上耐蝕材料からなる部材４３が臘付けされている。
【００２９】
部材４３は頂部に向き円錐状をなしている。従って、係合接点２３がリング３０に挿入されるとき，耐食材料からなる部材３３と４３が，まず接触し、それから，更に挿入されると，円筒部３４と４１が接触する。
【００３０】
部材４１は銅製であり，部材３４も同様に耐蝕材料からなっている。従って，係合接点２３がチューリップ接点１３から引抜かれるとき，アークは耐蝕部材３３と４３の間で生ずる。
【００３１】
図１に示されるように，部材４３の外径は，部材３４の内径より僅かに大きい。従って，係合接点２３が挿入されると，円筒２９はばね力により開く。
【００３２】
図６に示されるスイッチは，アーススイッチとして使用される。
【図面の簡単な説明】
【図１】図２のＩ−Ｉ線に沿う，チューリップ接点の断面図。
【図２】図１のチューリップ接点の矢印方向に見た平面図。
【図３】図１及び図２のチューリップ接点の側面図。
【図４】図１のスケールより拡大した，ピン状係合接点の側面図。
【図５】図１のＶ部及び図６の拡大詳細図。
【図６】図１及び４の係合接点を備えた，チューリップ接点の装着変形例。
【符号の説明】
２３…ピン状の係合接点，２４…環状リング，２６…シリンダ，２７，２８…スロット，２９…フィンガ接点，３０…リング，３２…環状面，３３…耐食部材。

Claims (3)

1. 周方向に配置されたばねフィンガ接点を有して、ピン状の係合接点を保持するに適したチューリップ接点であって、
   シリンダ（２６）が環状リング（２４）上に一体的に形成されており、このシリンダ（２６）にはスロット（２７，２８）が軸方向に設けられ、それによりこれらのスロット（２７，２８）の間に前記フィンガ接点（２９）が形成され；
   また、対応してスロットが形成されたリング（３０）が、前記シリンダ（２６）の前記環状リングと反対側の端部に一体的に形成され、前記リング（３０）の断面形状は、前記シリンダ（２６）と共にゴルフクラブの形状をなしており；
   また、前記リング（３０）の軸方向の自由端は、環状面（３２）を有しており、その上に耐食材料からなる部分（３３）が取り付けられており；
   また、前記係合接点（２３）に対応する前記チューリップ接点（１３）の内径は、耐食材料からなる前記部分（３３）の内径より小さくなっており；
   また、前記リング（３０）の内面は、前記環状リング（２４）に向かい合い円筒内面（３４）を有する領域、並びに、それに隣接し、前記自由端で開口し、且つ前記リング（３０）の軸方向端部に向かい合うそのサブ領域が、耐食材料からなる部分（３３）により境界が定められる円錐領域（３５）を有し；
   また、前記リング（３０）の前記環状リング（２４）に向かい合う表面領域（３１）が、円錐面を形成する、
   チューリップ接点（１３）において、
   前記表面領域（３１）の円錐角が、鈍角であって、前記環状リング（２４）に向かって開いていること；及び、
   前記シリンダ（２６）の肉厚が、前記シリンダ（２６）の内面から前記リング（３０）の円筒内面まで測った前記リング（３０）半径方向の距離の、１／４から１／６の間であること；
   を特徴とするチューリップ接点。
2. 前記リング（３０）の円筒内面の直径は、ピン状の係合接点（２３）の直径より小さい、従って、前記係合接点が挿入されるとシリンダ（２６）のばねは開くことを特徴とする請求項１に記載のチューリップ接点を有する接点構造。
3. 前記のピン状の係合接点（２３）は、同様に耐食材料からなる部材（４３）を有しており、この部材（４３）は先端に向く円錐外面を有しており、この円錐外面は、チューリップ接点のリング（３０）の内面に対応していることを特徴とする請求項２に記載の接点構造。

Images