JP4064376B2 - ワイパー装置 - Google Patents

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この発明は、ワイパー装置に関する。
例えば、自動車等の車両に設けられたワイパー装置には、ピボット軸を中心にしてワイパーアームが回動可能に支持され、このワイパーアームにワイパーブレードが取り付けられている。ワーパーアームは弾性的に起立可能なシャンクを備えていて、このシャンクの先端に取り付けられたアームピースにワイパーブレードが着脱可能に取り付けられている(特許文献1参照)。
特開2003−300454号公報
上記従来のワイパー装置にあっては、ワイパーブレードの一部を収容して外観品質を向上するため、前記シャンクを断面コの字状に形成する場合が多いが、このようにシャンクを断面コの字状に形成した場合に、前方からの走行風を直接受けるワイパー装置の性質上シャンクの外表面に形成された角部により風切り音が大きくなるという問題がある。
また、この角部、とりわけ上部に位置する角部が上方に突出する分だけ運転者の目に付きやすく煩わしいという問題がある。一方、シャンクにはワイパーブレードを取り付けるためにアームピースを取り付ける構造のものがあるが、このよな構造では、更にシャンクとアームピースとの一体感を損ねないようにすることが要望されている。
そこで、この発明は、風切り音を小さくできると共に外観品質を向上することができるワイパー装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、シャンク(例えば、実施形態におけるシャンク9)の先端にアームピース(例えば、実施形態におけるアームピース12)が取り付けられ、このアームピースにワイパーブレード(例えば、実施形態におけるワイパーブレード10)が支持されているワイパー装置において、前記シャンクは断面コの字状に形成されると共に、その外表面の角部(例えば、実施形態における角部26)に長手方向に沿って面取り部(例えば、実施形態における面取り部27)が形成され、前記シャンクの先端部にアームピースを受け入れる連結部(例えば、実施形態における連結部30)が形成され、該連結部は側壁(例えば、実施形態における側壁9A,9A)が回り込んだ部分と、該側壁が更に回り込んだ回り込み部(例えば、実施形態における回り込み部31)が形成された部分とで構成され、前記面取り部は前記連結部のうち前記側壁が回り込んだ部分に重なるように形成され、この連結部の前記面取り部が形成された部分では、前記アームピースは所定の角度(例えば、実施形態における角度θ)で前記シャンクの上壁(例えば、実施形態における上壁9B)下面(下面9C)から離反した状態で該シャンクに取り付けられ、前記面取り部は、シャンクの先端部に行くほど徐々に幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、アームピースを受け入れるための連結部に渡る部位に、シャンクの角部に形成された面取り部を延長しても、アームピースがシャンクの上壁下面から離反しているため、面取り部とアームピースとが緩衝するのを防止できる。
また、面取り部が突然消失して面取り部の端部が目立つようなことがなくなる。
請求項に記載した発明によれば、前記シャンクは一対の面取り部の間に意匠面(例えば、実施形態における意匠面36)を有し、該意匠面は前記アームピースとほぼ同様の幅寸法に設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、シャンクの意匠面からアームピースへ連なる連続的な外観を構成することができる。
請求項1に記載した発明によれば、アームピースを受け入れるための連結部に渡る部位に、シャンクの角部に形成された面取り部を延長しても、アームピースがシャンクの上壁下面から離反しているため、面取り部とアームピースとが緩衝するのを防止でき、面取り部を連結部を意識しないで延長し、更に徐々に小さくする等の設定が可能となる。よって、面取り部のデザイン状の連続性を維持して外観品質を高めることができる効果がある。
また、このように面取り部を延長することができるため、その分だけエッジ部分を少なくして風切り音を防止できると共に、エッジ部分が車室内から見た場合に運転者に与える煩わしさを軽減することができる。
また、面取り部が突然消失して面取り部の端部が目立つようなことがなくなり、デザイン的に連続感を持たせて品質外観を高めることができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、シャンクの意匠面からアームピースへ連なる連続的な外観を構成することができるため、アームピースとシャンクとの一体感が生み出され外観品質を向上することができる効果がある。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両1にはフロントウインドウガラス2を払拭するワイパー装置3,4が一対設けられている。各ワイパー装置3,4は、図示しない駆動装置により回動するピボット軸5に連係されたものである。車体の左側の第1のワイパー装置3はピボット軸5をフロントウインドウガラス2の下部に車幅方向に配置されたカウルトップガーニッシュ6から突出させている。
そして、このピボット軸5にアーム基部7が取り付けられ、アーム基部7にヒンジ部8を介してシャンク9が弾性的に起立可能に支持されており、このシャンク9の先端部にワイパーブレード10が揺動可能に支持されている。前記アーム基部7とシャンク9とで第1のワイパー装置3のワイパーアーム11を構成している。
また、第2のワイパー装置4も第1のワイパー装置3と同様にカウルトップガーニッシュ6から突出するピボット軸5にアーム基部17が取り付けられ、アーム基部17にヒンジ部18を介してシャンク19が弾性的に起立可能に支持され、このシャンク19の先端部にワイパーブレード20が揺動可能に支持され、前記アーム基部17とシャンク19とで第2のワイパー装置4のワイパーアーム21を構成するものである。したがって、第1のワイパー装置3と第2のワイパー装置4とはワイパーアーム21の形状が異なる点を除いてはシャンク9,19やワイパーブレード10,20の構造は同様であるので、第1のワイパー装置3を例にして説明する。
図2に示すように第1のワイパー装置3のシャンク9の先端には後述するアームピース12がかしめにより取り付けられ、このアームピース12の先端にはトーナメント形式のワイパーブレード10が着脱可能に取り付けられている。ワイパーブレード10は具体的にはアームピース12の先端のU字部13に係止する係止部14を揺動可能に備えたプライマリーアーム22と、このプライマリーアーム22の両端部に揺動可能にピン支持された2つのセカンダリーアーム23と、これらセカンダリーアーム23に揺動可能にピン支持されたヨーク24とを備えている。そして、各ヨーク24の両端にブレード本体25が取り付けられている。
図3〜図6に示すように、第1のワイパー装置3のシャンク9は断面コの字状に形成された金属製で先細り形状の部材である。シャンク9はその外表面の各角部26に長手方向に沿って面取り部27が形成されている。具体的には面取り部27はアーム基部7との連結部分近傍からシャンク9の先端部分に設けた後述する連結部30に一部重なるように一対形成されるものであり、この面取り部27はシャンク9の先端部に行くほど徐々に幅が狭くなるように形成されている。
シャンク9の先端部にはアームピース12を受け入れる連結部30が形成されている。この連結部30は図6に示すようにアームピース12を上側から下側に包み込むようにして受け入れる部位で、前記シャンク9の両側壁9A,9Aを延長して回り込ませるようにして受容している。
アームピース12は金属製の厚板材で先端に前記ワイパーブレード10の係止部14を内装して係止するU字部13が形成されている。
ここで、前記シャンク9の連結部30のうち前記シャンク9の側壁9Aが回り込んだ回り込み部31には各側壁9A,9Aの合わせ部分に2つの切欠部32,32が形成され、アームピース12の下面に突設されたピン33,33をこれら2つの切欠部32,32に挿入し、ピン33をかしめてアームピース12をシャンク9の連結部30に固定している。
一方、前記シャンク9の上壁9Bの下面9Cであって連結部30の手前側には位置決めピン34が設けられ、この位置決めピン34に対応するアームピース12に位置決め孔35が形成され、アームピース12をかしめる場合にシャンク9の位置決めピン34をアームピース12の位置決め孔35に挿入して位置決めしている。
ここで、前記面取り部27はシャンク9の連結部30に至る部分に形成されているが、この連結部30の外表面の角部26であって前記面取り部27が形成された部分では、アームピース12がシャンク9の上壁9Bの下面9Cから離反した状態でシャンクに取り付けられている。具体的には図4、図5に示すように折れ点Pで角度θ(3度)でシャンク9の上壁9Bの下面9Cから離れた状態で取り付けられ、前記面取り部27はこのアームピース12がシャンク9の上壁9B下面9Cから離反している位置に至る部位まで形成されているのである。
そして、前記シャンク9は一対の面取り部27,27の間に意匠面36を有し、該意匠面36は前記アームピース12とほぼ同様の幅寸法に設定されている。
上記実施形態によれば、シャンク9の連結部30の外表面の角部26であって前記面取り部27が形成された部分では、アームピース12がシャンク9の上壁9Bの下面9Cから離反した状態でシャンク9に取り付けられているので、アームピース12を受け入れるための連結部30に渡る部位に、シャンク9の角部26に形成された面取り部27を延長しても、面取り部27とアームピース12とが緩衝するのを防止でき、面取り部27を連結部30を意識しないで延長し、更に徐々に小さくすることが可能となる。よって、面取り部27のデザイン状の連続性を維持して外観品質を高めることができる。
また、このように面取り部27を延長することができるため、その分だけエッジ部分を少なくして風切り音を防止できると共に、エッジ部分が車室内から見た場合に運転者に与える煩わしさを軽減することができる。
また、前記面取り部27は、シャンク9の先端部に行くほど徐々に幅が狭くなるように形成されているため、面取り部27が突然消失して面取り部27の端部が目立つようなことがなくなり、デザイン的に連続感を持たせて外観品質を高めることができる。
前記シャンク9は一対の面取り部27の間に意匠面36を有し、該意匠面36は前記アームピース12とほぼ同様の幅寸法に設定されているので、シャンク9の意匠面36からアームピース12へ連なる連続的な外観を構成することができ、したがって、アームピース12とシャンク9との一体感が生み出され外観品質を向上することができる。
この発明の実施形態のワイパー装置を備えた車両の全部斜視図である。 この発明の実施形態のワイパー装置の分解図である。 第1のワイパー装置の側面斜視図である。 第1のワイパー装置の上面斜視図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。 図3のB矢視図である。
符号の説明
9 シャンク
9B 上壁
9C 下面
10 ワイパーブレード
12 アームピース
26 角部
27 面取り部
30 連結部
32 意匠面

Claims (2)

  1. シャンクの先端にアームピースが取り付けられ、このアームピースにワイパーブレードが支持されているワイパー装置において、前記シャンクは断面コの字状に形成されると共に、その外表面の角部に長手方向に沿って面取り部が形成され、前記シャンクの先端部にアームピースを受け入れる連結部が形成され、該連結部は側壁が回り込んだ部分と、該側壁が更に回り込んだ回り込み部が形成された部分とで構成され、前記面取り部は前記連結部のうち前記側壁が回り込んだ部分に重なるように形成され、この連結部の前記面取り部が形成された部分では、前記アームピースは所定の角度で前記シャンクの上壁下面から離反した状態で該シャンクに取り付けられ、前記面取り部は、シャンクの先端部に行くほど徐々に幅が狭くなるように形成されていることを特徴とするワイパー装置。
  2. 前記シャンクは一対の面取り部の間に意匠面を有し、該意匠面は前記アームピースとほぼ同様の幅寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
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