JP4062548B1 - 製本機の糊タンク及び糊温度制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製本用の糊であるPUR系ホットメルトは、従来のEVA系ホットメルトに比較して多くの利点を有するが、許容温度幅が狭く、従来の製本機の糊タンク及び温度制御方法で使用するのは困難であった。そこで、このPUR系ホットメルトを支障なく使用できる新たな構成の糊タンク、及び糊温度制御方法を開発する。
【解決手段】底部をローラの形状に沿って湾曲させるとともに底部と一体成形しローラ上端部近傍まで達する糊ガイドを設けた糊タンク、及び糊温度が上限温度に達するまでは複数のヒータをヒータ自身の上限温度と下限温度で制御し、糊温度が上限温度に達すれば主として糊温度の上限温度と下限温度で制御する糊温度制御方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本の脊部分に製本用の糊を付着させるローラが収容され該ローラに製本用の糊を付着させる製本機の糊タンク及び糊温度制御方法に関するものであり、さらに詳しくは次のような構成の製本機の糊タンク及び糊温度制御方法に関するものである。
<構成1>
本の脊部分に製本用の糊を塗布するローラに製本用の糊を付着させる製本機の糊タンクにおいて、
糊タンクの本体内の空間に、該空間に充填される糊の温度を検出するための1基以上の糊温度センサが設けられており、
タンク本体の底部内にカートリッジタイプのヒータが2基以上埋設されており、
該2基以上のヒータの夫々に、夫々のヒータの温度を検出するためのヒータ温度センサが設けられており、
糊温度センサと夫々のヒータ温度センサの温度情報に基づいて上記2基以上のヒータの夫々の作動を制御する制御部が設けられている、
ことを特徴とする製本機の糊タンク。
<構成2>
上記ヒータ温度センサが、夫々のヒータ内部にあるいは夫々のヒータに添設されて設けられ、夫々のヒータの温度を直接計測できるように構成されていることを特徴とする構成1に記載の製本機の糊タンク。
<構成3>
糊タンクの本体のローラ直下の底部の表面がローラの形状に沿って湾曲され、且ローラ周囲の底部の表面がローラの少なくとも片側を囲繞できる糊温度保持機能を備えた糊ガイドとして底部と一体に盛り上げ成形され、該糊ガイドの上端部がローラ上端部近傍にまで達していることを特徴とする構成1あるいは構成2に記載の製本機の糊タンク。
<方法1>
構成1から構成3のいずれか1項に記載の製本機の糊タンクにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達するまで、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度と下限温度に制御されて作動する第1のステップと、
糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達した後に、あらかじめ設定された糊温度センサの上限温度、糊温度センサの下限温度、各々のヒータ温度センサの上限温度の3者に制御されて作動する第2のステップ、
によって制御されて作動することを特徴とする糊温度制御方法。
<方法2>
上記第1のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となる、
ように制御されて作動することを特徴とする方法1に記載の糊温度制御方法。
<方法3>
上記第2のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
糊温度センサがあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となり、
糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達していない状態でも、各々のヒータ温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となる、
ように制御されて作動することを特徴とする方法1あるいは方法2に記載の糊温度制御方法。
丁合本の脊に糊を塗布して表紙を貼着し製本する製本機は、製本作業において広く用いられている。この種の製本機BBは、一般的に図11に模式的に示すような構成をとっているものが多い。すなわち、環状をなして回転(矢印γ)する搬送機構BCに複数のクランパCPと呼ばれる丁合本(図示せず)の保持装置が設けられており、クランパCPに供給(矢印δ)された丁合本は、脊部を下にした状態でクランパCPに保持された状態でまず脊部切断装置BMに入る。ここで、円盤状のカッタ(図示せず)により脊部を切断された丁合本は、次に糊塗布装置BGに運ばれる。
糊塗布装置BGは通常は図12a〜図12cに示すような糊タンクgpの中に高温で溶融された状態の糊gが入れられており、糊g中に半ば浸漬されて回転するローラr、rによって丁合本bの脊部bcに糊が塗布される。ローラr、rは、糊タンクgpの背面に固着された後板rbに回転自在に挿通された軸x、xに固着されており、図示しない動力源から供給される動力によって回転させられる。
また、sc、scはローラr、rに付着した余分な糊gを掻き落としてローラr、rに付着された糊gの量を適量に調整するスクレイパである。スクレイパsc、scは、糊タンクgpの正面に固着された前板fbと背面に固着された後板rbに渡設された軸y、yに固着されているが、スクレイパsc、scの先端部とローラr、rとの間の距離を微調整可能となっている。
ここで脊部bcに糊gが塗布された丁合本bは次に表紙貼着装置BNに運ばれ(図11参照)、ここにて表表紙、裏表紙、脊が一体となった表紙(図示せず)が圧着されるとともに整形が行われて製本工程は完了し、表紙が貼着された丁合本(図示せず)はクランパCPから外される(矢印ε)。なお、この段階では、貼着された表紙は丁合本の外側にはみ出すサイズにて貼着製本されているが、後の工程にて脊部を除く3方の裁断が行われて一冊の本として完成される。むろん、カバーや帯の装着は別工程となる。
上記工程のうち、丁合本bの脊部bcに糊gを塗布する糊塗布装置BGにおいて用いられる糊gは、通称「ホットメルト」と呼ばれるもので、常温では白色の固体状であるが、加熱により流体となり、ローラr、rによる塗布が可能となる。従来は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エチレンビニルアセテート)からなるものが主流で、塗布にあたっての最適温度は180℃程度であった。以下、このエチレン酢酸ビニル共重合樹脂からなるホットメルトのことを、EVA系ホットメルトと呼称する。EVAは、Ethylene Vinyl Acetateの各語の頭文字を並べたものである。
しかしながら、このEVA系ホットメルトには数々の問題点があった。まず第1の問題点は、充分な製本強度を持たせるためには少なくとも1mm以上の厚さ(理想的には1.4mm程度)に塗布する必要があるという点である。しかし、脊部に塗布される糊の層が厚くなると、当然本の開き具合が悪くなる。このため、糸を全く使わずEVA系ホットメルトのみを使用した所謂「無線とじ」と呼ばれる製本方法においては、「ノド」と呼ばれる本の脊方向に余白を広く取り、本の開き具合が悪くなる影響を相殺するなどのレイアウト上の工夫をしなければならなかった。また、紙にコーティングが施されている場合には、コーティング層が邪魔をして紙の繊維の中に糊の分子が進入しにくいので、さらに強度が低下するという問題点もあった。
第2の問題点は、表紙の脊部の変形を生じやすく、また表紙の脊部の整形加工がしづらいという点である。すなわち、EVA系ホットメルトは180℃位の比較的高温域にて使用されるため、塗布部分において紙の水分量の変化を起こし易い。したがって、表紙が貼着された場合、塗布部分の水分量の変化によって固化後、脊部に所謂「波打ち」と呼ばれる現象を引起すことがある。すなわち、表紙の脊部分が均一に貼着されず、波打つように曲折されたり皺が寄ったりするという現象である。また、充分な接着強度を確保するために塗布層が厚くなるので、その分丸背加工のような表紙の貼着後の加工がしづらくなる。
さらに第3の問題点は、従来のEVA系ホットメルトを使用した本は、リサイクルに難点があるという点である。すなわち、本のリサイクルにおいては、表紙を取り去って丁合本の形に戻した本を溶剤の中に浸漬してパルプに戻すわけであるが、この際、EVA系ホットメルトは溶剤によって微細な粒子に分解されてしまうので、EVA系ホットメルトを使用した本のパルプの中には必然的にEVA系ホットメルトの微粒子が含まれることになり、純度の高い再生パルプが得にくいという問題である。このため、EVA系ホットメルトを使用した本をリサイクルする際には脊部分を切断して別に廃棄しなければならず、この点が本のリサイクルの大きなネックの一つになっていた。
上記のEVA系ホットメルトの問題点を解決するために、新たに開発されたのがPUR系ホットメルトである。PUR系ホットメルトのPURとは、Poly Urethane Reactive Resin、すなわち「反応性ポリウレタン樹脂」の最初の3語の頭文字を並べたものである。このPUR系ホットメルトの場合には、現状流通している一般的な製品で、塗布にあたっての最適温度が120℃程度と低く、かつ接着強度はEVA系ホットメルトの約2倍である。また、紙の繊維と反応して繊維中に入り込んで固化するという特質がある。さらに、一旦固化すれば、再加熱してもEVA系ホットメルトのように再流動化しないという特徴も挙げられる。
したがって、EVA系ホットメルトの第1の問題点であった強度不足が解消された結果、塗布層を格段に薄くすることが可能となった。すなわち、EVA系ホットメルトにて1mm以上必要とされた塗布層を、0.3mm〜0.5mm程度に抑えることができるようになった結果、本の開き具合が格段に改善され、無線とじでは従来不可能であった「180°に開く本」が可能となった。また、コーティングされた紙においても接着強度が高い結果、EVA系ホットメルトのような接着強度不足という難点がなく用いることができるようになった。
PUR系ホットメルトは120℃位の低温にて塗布されるため、EVA系ホットメルトの第2の問題点であった表紙の脊部の変形を生じやすいという難点も克服された。すなわち、塗布部分の紙の水分量に殆ど影響を与えず、さらに塗布層が薄いので、表紙の脊部が波打たず、きちんと平滑に仕上がる。また表紙の脊部の整形加工がしづらいという点も克服され、丸背加工など、これまでPUR系ホットメルトでは難しかった加工が容易にできるようになった。
さらに、PUR系ホットメルトはリサイクルの溶剤にも溶解されないため、EVA系ホットメルトの第3の問題点であったリサイクルの不適合性という難点も克服された。すなわち、本を丁合本に戻した状態で溶剤に浸漬すると、紙の部分はすべて溶解されて再生パルプとなるが、PUR系ホットメルトはEVA系ホットメルトのように溶解されず、大きな塊となって残る。したがって、液状の再生パルプの中からこの塊を除去すれば良いので非常に簡単である。この点は、昨今の資源保護の風潮から、PUR系ホットメルトが最も歓迎されている点であるといえる。
このようにEVA系ホットメルトに比較するとPUR系ホットメルトには優秀な点が多いのであるが、製本機にて用いる場合のネックになっている点が1点あり、それゆえに数々の利点があるにもかかわらず余り普及が進んでいないということがいえる。その問題点とは、温度管理の難しさである。すなわち、EVA系ホットメルトでは最適温度が180℃位の比較的高温であったので、その許容温度範囲には10℃前後の許容範囲があった。つまり、最適温度を180℃とすると、170℃〜190℃程度の間に糊の温度が位置していれば、実際の作業上はほぼ問題なく製本機を稼動することができた。
しかるに、PUR系ホットメルトは最適温度が120℃という比較的低温であるので、10℃の温度差は円滑な塗布に大きな影響を持ってくる。すなわち、糊の温度が110℃程度に下がってしまうと糊の粘度が高まって平滑な塗布が不可能となるし、逆に130℃程度にまで上がると糊の粘度が不足状態となり、やはり円滑な塗布ができなくなる。PUR系ホットメルトの場合には、現状流通している一般的な製品で、許容範囲は120℃から±3℃以内あるいはせいぜい±5℃以内と考えられ、EVA系ホットメルトを用いる場合に比較してより厳密な糊タンクの温度管理(制御)が必要となってくる。ところが、従来の糊タンクは、構造上、そのような厳しい温度管理が難しいものであった。
図12a〜図12cに、従来の糊タンクgpの構造の概要を示す。従来の糊タンクgpは、アルミの鋳物製の本体gp1を断熱材(図示せず)で被覆したものが良く使用されていて、図12a〜図12cの糊タンクgpにてはローラはr、rの2基であるが、例えば下記特許文献1の図2や下記特許文献2の図1に示すようにローラが1基のものもある。
ht、ht、……は通電により発熱するカートリッジタイプのヒータで、本体gp1の底面の肉部分に穿設された挿入孔h、h、……内に挿入されており、ヒータht、ht、…が加熱されることによりアルミの鋳物製の本体gp1が加熱され、内部に収容された糊gが加熱され、流動体状となる。この流動体状の糊gが回転するローラr、rの表面に付着され、丁合本bの脊部bcに転写されることによって塗布される。通常、ヒータht、ht、…は5〜6基が本体gp1の底面の肉部分に埋設されるが、カートリッジタイプのヒータに代えて面状のヒータ(図示せず)を埋設使用する場合もある。
stは本体gp1内の空間に配置された温度センサで、糊タンクgp内の糊gの温度計測を行う。すなわち、糊タンクgp内に糊gが充填された状態で、温度センサstは糊g内に挿通された状態となる。このような構成の糊タンクgpにおける温度制御方法は比較的単純で、温度センサstからの温度情報は図示しないサーモスタットに送られ、一定の温度範囲でサーモスタットの入切が自動的に行われることによりヒータht、ht、……の通電状態の入切が行われ、結果として糊タンクgp内の糊の温度が一定温度に保持されるという仕組みである。ヒータht、ht、……の通電状態の入切は夫々のヒータht、ht、……毎ではなく一斉に行われる。
上記の構成からして、糊タンクgp内の糊gの温度は当然均一にはならない。すなわち、ローラr、rにて攪拌されるローラr、r近傍の糊は比較的低温になる傾向があり、逆に攪拌が行き届かない糊タンクgpの隅部分gp2、gp3の糊は比較的高温になる傾向がある。糊は高温になると品質が劣化するので隅部分gp2、gp3の糊の高温化を避けようとするとサーモスタット(図示せず)の切温度を低く設定することになるが、これを余りに低く設定すると、今度はローラr、r近傍の糊において充分な温度が得られず、円滑な塗布作業に影響を生じることとなる。
したがって、実際の作業においては、ローラr、r近傍の糊の温度が許容温度範囲に入るように設定し、隅部分gp2、gp3の糊はある程度高温化する傾向にあっても劣化が顕著になるほど高温にならなければ良いという設定で作業が行われてきた。前述のように従来のEVA系ホットメルトにおいては糊温度の許容範囲が比較的大きいため、このような使用方法で、さほど問題を生じることなく糊の塗布作業が行われてきたのである。
しかるに、上記従来の構造の糊タンクgpにて最適温度の低いPUR系ホットメルトを用いた場合、上記糊温度の不均一状態は顕在的な問題として表面化するに至った。すなわち、PUR系ホットメルトはEVA系ホットメルトに比較してはるかに許容温度範囲が狭いので、ローラr、r近傍の糊の温度を許容温度範囲に入るように設定すると、糊タンクgpの隅部分gp2、gp3においては糊の温度が許容温度範囲から外れて高温となり、糊の劣化が著しい。逆に糊タンクgpの隅部分gp2、gp3においては糊の温度が許容温度範囲に入るように設定するとローラr、r近傍の糊の温度が許容温度範囲から外れて低温となり、糊の粘度が高まって塗布作業が不可能となる。
また、従来の構造の糊タンクgpにおいてPUR系ホットメルトを使用する場合のさらなる問題点は、図12a〜12cに示す糊タンクgpの底面gp4が略平坦である点である。すなわち、従来の糊タンクgpにおいては底面gp4が、前部に糊の排出口gp5が穿設されている以外は平坦面として構成されているため、上記のような隅部分gp2、gp3が生じ易い。EVA系ホットメルトの場合には、前述のように糊タンクgp内の糊温度が多少不均一となってもあまり問題は生じなかったが、PUR系ホットメルトの使用においては、糊タンクgp内の糊温度の不均一は直ちに作業効率に影響する。とくにローラr、r、近傍の糊はローラr、r、に付着して丁合本bの脊bcに塗布されることとなるので、厳密に許容温度範囲に入っていることが求められるが、従来の構造の糊タンクgpにおいては、ローラr、r、の下にも大きな空間が生じるので、その部分の糊温度をPUR系ホットメルトの使用に支障のない程度に均一に保持するのは非常に困難である。
また、この点と関連して、従来の構造の糊タンクgpにおける糊ガイドgg、ggの構成も問題となる。糊ガイドggはローラr、rの前後に立てられる真鍮板で、糊タンクgpの底面gp4に固着突設され、適正量の糊がローラr、rに付着されるようにガイドを行う部材である。従来の糊タンクgpにおいては、図12aに見るように糊ガイドgg、ggは上端がローラr、rの軸のやや下方に位置するくらいの高さで、糊gを通常の量だけ糊タンクgpに入れた場合には、糊ガイドgg、ggの上端部が糊gの上に少し覗く位の状態であった。
従来の構造の糊タンクgpにおける糊ガイドgg、ggは、まず構成として糊タンクgpの底面gp4とは別部材である。したがって、熱伝導率の高い真鍮板を用いても、ヒータht、ht、……によって加熱される底面gp4よりは若干温度が下がることになる。あるいは、自身が発熱していない分、周囲の糊gから温度を奪うという言い方もできる。また、高さが前記のように上端がローラr、rの軸のやや下方に位置するくらいなので、糊のガイド作用も当然この高さに制限を受けることとなる。したがって、ローラr、rの糊ガイドgg、ggの上端部以上に付着する糊gは、直接空気に晒されるので、その温度は低下することになる。
使用する糊がEVA系ホットメルトであれば、許容温度範囲が広いので、上記のような構成の糊ガイドgg、ggでも実作業上の問題は生じなかったが、許容温度範囲が狭いPUR系ホットメルトを用いる場合には大きな問題となる。すなわち、糊ガイドgg、ggに熱を奪われて糊gの温度が低下したり、あるいはローラr、rの糊ガイドgg、gg…の上端部以上において空気に晒された糊gの温度が低下すると、直ちに塗布作業に影響が生ずる。したがって、これらの点も、従来の構成の糊タンクgpにてPUR系ホットメルトを用いる場合の大きな障害となってきた。
このように、従来の構造の糊タンクgpでPUR系ホットメルトを用いるには障害が多々あることが明らかとなってきた。したがって、PUR系ホットメルトの特性に相応しい新たな構造の糊タンク及び糊温度制御方法の開発が望まれる事態となっているのが現状である。
なお、図11に示すような製本機BBにおけるPUR系ホットメルトの塗布作業に支障をきたさない構成の糊タンク及び糊温度制御に関する技術内容を特許文献中に検索したが、適合する文献は得られなかった。ただし、製本機能付のコピー機の分野においては、若干の糊温度管理に関する文献が見られた。これらは、無論図11に示すような製本機BBにおける糊タンクとは構成の異なる糊タンクに関するものであり、また開示されている技術内容もPUR系ホットメルトが使用できる新たな糊タンクに関する示唆を得られるものでもないが、参考文献として掲げておく。(下記特許文献3〜5)
特開平9‐76661号公報 特開2000−168265号公報 特開2005−238526号公報 特開2007−76119号公報 特開2007−216152号公報
叙上より、本発明の解決すべき課題を以下のように設定した。
<課題1>
製本機の糊タンクにおいて、許容温度幅が従来のEVA系ホットメルトより狭いPUR系ホットメルトを支障なく使用できる新たな構成の糊タンク、及び糊温度制御方法を開発する。
<課題2>
まず、糊タンクの構成に関しては、従来の糊タンクにては隅部分で温度が上昇する傾向があったので、できるだけ隅部分が生じにくく、且つ糊タンク内のいかなる部分にても均一な糊温度が得られる構成の糊タンクを開発する。特に、ローラ部分近辺にては糊温度がさらに均一となるような構成の糊タンクを開発する。また、糊ガイドの構成も、PUR系ホットメルトを支障なく使用できるように考える。
<課題3>
上記構成の糊タンクの糊温度をできるだけ均一に保持できるような糊温度の制御方法を開発するが、その際に、複雑なプログラムではなくできるだけ簡単なプログラムで的確な温度制御が可能な制御方法とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、以下の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
本の脊部分に製本用の糊を塗布するローラに製本用の糊を付着させる製本機の糊タンクにおいて、
糊タンクの本体内の空間に、該空間に充填される糊の温度を検出するための1基以上の糊温度センサが設けられており、
タンク本体の底部内にカートリッジタイプのヒータが2基以上埋設されており、
該2基以上のヒータの夫々に、夫々のヒータの温度を検出するためのヒータ温度センサが設けられており、
糊温度センサと夫々のヒータ温度センサの温度情報に基づいて上記2基以上のヒータの夫々の作動を制御する制御部が設けられている、
ことを特徴とする製本機の糊タンク。
<解決手段2>
上記ヒータ温度センサが、夫々のヒータ内部にあるいは夫々のヒータに添設されて設けられ、夫々のヒータの温度を直接計測できるように構成されていることを特徴とする解決手段1に記載の製本機の糊タンク。
<解決手段3>
糊タンクの本体のローラ直下の底部の表面がローラの形状に沿って湾曲され、且ローラ周囲の底部の表面がローラの少なくとも片側を囲繞できる糊温度保持機能を備えた糊ガイドとして底部と一体に盛り上げ成形され、該糊ガイドの上端部がローラ上端部近傍にまで達していることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2に記載の製本機の糊タンク。
<解決手段4>
解決手段1から解決手段3のいずれか1項に記載の製本機の糊タンクにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達するまで、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度と下限温度に制御されて作動する第1のステップと、
糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達した後に、あらかじめ設定された糊温度センサの上限温度、糊温度センサの下限温度、各々のヒータ温度センサの上限温度の3者に制御されて作動する第2のステップ、
によって制御されて作動することを特徴とする糊温度制御方法。
<解決手段5>
上記第1のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となる、
ように制御されて作動することを特徴とする解決手段4に記載の糊温度制御方法。
<解決手段6>
上記第2のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
糊温度センサがあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となり、
糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達していない状態でも、各々のヒータ温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となる、
ように制御されて作動することを特徴とする解決手段4あるいは解決手段5に記載の糊温度制御方法。
本発明の解決手段1の発明によれば、糊タンクの本体内の空間に、該空間に充填される糊の温度を検出するための1基以上の糊温度センサが設けられており、タンク本体の底部内にカートリッジタイプのヒータが2基以上埋設されており、該2基以上のヒータの夫々に、夫々のヒータの温度を検出するためのヒータ温度センサが設けられており、糊温度センサと夫々のヒータ温度センサの温度情報に基づいて上記2基以上のヒータの夫々の作動を制御する制御部が設けられているので、糊温度センサのみでヒータの作動を制御していた従来の糊タンクに比較して、糊タンク内の各部分にて比較的糊温度の差が生じにくい糊タンクを得ることができる。
特に、従来高温になって糊の劣化を招き勝ちであった糊タンクの隅部分においても、ローラ近傍とあまり差がでないような均一な糊温度の管理が可能となり、作業中の糊の均一な品質保持が大幅に改善された。したがって、従来のEVA系ホットメルトに比較して温度管理の難しいPUR系ホットメルトも問題なく使用することができるようになった。
本発明の解決手段2の発明によれば、上記ヒータ温度センサが、夫々のヒータ内部にあるいは夫々のヒータに添設されて設けられ、夫々のヒータの温度を直接計測できるように構成されているので、夫々のヒータ温度センサが夫々のヒータの温度を極めて正確に計測することができる。したがって、上記の均一な糊温度の管理の基礎となる夫々のヒータ温度の情報を正確に得ることができる。
本発明の解決手段3の発明によれば、糊タンクの本体のローラ直下の底部の表面がローラの形状に沿って湾曲されているので、ローラの近傍における糊温度をより均一に調整することが可能である。且ローラ周囲の底部の表面がローラの少なくとも片側を囲繞できる糊温度保持機能を備えた糊ガイドとして底部と一体に盛り上げ成形され、該糊ガイドの上部がローラ上端部近傍にまで達しているので、ヒータが埋設された底部と一体成形された糊ガイドそのものが糊タンクの本体底部に埋設された複数のヒータの熱を直接伝導することとなり、ローラの上部にまで誘導された糊の温度を適正に保持することが可能となった。
すなわち、従来の糊ガイドのように糊タンクの本体とは別体として構成されている場合には糊タンクの本体底部に埋設された複数のヒータの熱を直接伝導することがなく、ローラの上部にまで誘導された糊の温度はタンク内の糊の温度より低くなりがちであった。従来のEVA系ホットメルトを使用する場合には糊の温度が若干下がっても問題はないが、許容温度範囲の狭いPUR系ホットメルトを使用する場合にはローラの上部にまで誘導された糊の温度とタンク内の糊の温度の差が開くと直ちに糊塗布工程に影響が生ずる。しかるに、本発明の解決手段3の発明のように糊ガイド自身が底面の一部として熱を伝導する糊温度保持機能を備えた構成であれば、ローラの上部にまで誘導された糊の温度がタンク内の糊の温度と殆ど変わらずに保たれるので、許容温度範囲の狭いPUR系ホットメルトも問題なく使用できるようになった。
また、PUR系ホットメルトはEVA系ホットメルトに比較して許容温度域が低温であるので、EVA系ホットメルトに比べて比較的粘度が高い状態で塗布することとなる。したがって、従来の糊タンクのように糊ガイドの高さがローラの軸より低い場合には、PUR系ホットメルトを使用すると、充分な量の糊をローラの上部にまで誘導することが困難である。しかるに、本発明の解決手段3の発明においては糊ガイドの上端部がローラ上端部近傍にまで達しているので、糊の粘度が高くても塗布作業に十分な量の糊をローラ上端にまで供給することが可能である。また、この効果には、糊ガイドが糊タンク本体と一体成形でヒータの熱を充分にローラ上端部近傍にまで伝達できる構成である点も大きく寄与している。
本発明の解決手段4の発明によれば、2基以上のヒータの夫々が、糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達するまで、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度と下限温度に制御されて作動する第1のステップを有しているので、糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達するまでは、2基以上のヒータの夫々が、あらかじめ設定された自分自身の上限温度を越えることなく、しかも全体としては滑らかに且つ停滞なく糊温度を上昇させていくことができる。
同じく本発明の解決手段4の発明によれば、糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達した後に、2基以上のヒータの夫々が、あらかじめ設定された糊温度センサの上限温度、糊温度センサの下限温度、各々のヒータ温度センサの上限温度の3者に制御されて作動する第2のステップを有しているので、糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達した後には、糊温度は主として糊温度センサの上限温度と下限温度に制御されることになるから、糊温度が一定の範囲内に保持される。且又、夫々のヒータがあらかじめ設定された自分自身の上限温度を越えることもないので夫々のヒータのオーバーヒートも発生しない。
本発明の解決手段5の発明によれば、上記第1のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となるように制御されて作動する。すなわち制御方法としては自分自身のヒータ温度センサからの温度情報によって夫々のヒータのオン、オフを繰り返すだけの制御なので、極めて単純であり、複雑な制御プログラムを要せず、しかも的確に望む効果を挙げることができる。さらに、夫々のヒータ温度センサの上限温度と下限温度の設定を変化させることにより、糊温度の上昇速度を自在にコントロールすることが可能となる。
本発明の解決手段6の発明によれば、上記第2のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、糊温度センサがあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となり、糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達していない状態でも、各々のヒータ温度センサがあらかじめ設定された夫々の上限温度に達すると非作動状態となる、ように制御されて作動する。
すなわち制御方法としては、糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達したときにオン状態(作動状態)であるヒータをオフ(非作動状態)にし、糊温度センサがあらかじめ設定された下限温度に達したときにオフ状態(非作動状態)であるヒータをオン(作動状態)にするという極めて単純な制御が基本となるので、複雑な制御プログラムを要せず、しかも的確に望む効果を挙げることができる。さらに、夫々のヒータ温度センサがあらかじめ設定された夫々の上限温度に達するとオフ(非作動状態)とする方法であるので、ヒータのオーバーヒートも単純なプログラムで防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1の糊タンクGPの正面図、図2は平面図である。1はアルミの鋳物製の本体で、底部11と前板12、左側板13、右側板14、後板15、が一体の鋳物として形成されており、上部は開放されている。底部11の表面は図3〜図5の断面図に明らかなように複雑な形状をなす。前板12、左側板13、後板15は、上部は板状であるが、下部は底部11と一体となっている。また、右側板14は全体が底部11と略一体となっている。さらに、後板15の上辺には、後述のローラR1の軸X1、ローラR2の軸X2を回避するための半円形状の凹部15a、15bが刻切されている。本体1は、その内部空間S内に、糊Gが充填される。
底部11は、図2、図3に見るように、前方部分にては比較的肉が薄く、前方部分の表面111は中央に向かって低くなるように傾斜され、中央には内部空間S内の糊Gを排出するための排出口16が設けられている。また、底部11は、図2、図4に見るように、中央部分にては表面112の2ヶ所が盛り上がり、整形されて糊ガイド17、18となっている。さらに、底部11は、図2、図5に見るように、後方部分にては全体に肉が厚めに構成されており、緩い波上の表面113を形成している。
糊ガイド17、18は、後述のローラR1、R2において糊Gが掬い上げられる側である下面から左側面にかけてを夫々囲繞するように設けられている。糊ガイド17、18の部分の底部11の表面112は、ローラR1、R2の円筒形状の曲面に略沿って湾曲されており、さらにローラR1、R2の周囲の底部の表面112がローラR1、R2の少なくとも片側(糊が掬い上げられる側)を囲繞できる糊温度保持機能を備えた糊ガイド17、18として盛り上げ成形されている。すなわち、糊ガイド17、18は糊タンクGPの本体1と一体成形されており、糊ガイド17の上端部はローラR1の上端部近傍にまで、糊ガイド18の上端部はローラR2の上端部近傍にまで、夫々達している。
実施例1の糊タンクGPにては、糊ガイド17、18は図2に見るように糊ガイド17がローラR1の下側から左側にかけてを囲繞し、糊ガイド18がローラR2の下側から左側にかけてを囲繞するように構成されており、糊ガイド17の上端部はローラR1のすぐ近傍に、糊ガイド18の上端部はローラR2の上端部のすぐ近傍に位置する。実施例1の糊タンクGPにては、ローラR1の上端部から糊ガイド17の上端部までの距離D1はローラR1の直径の10%程度、ローラR2の上端部から糊ガイド18の上端部までの距離D2はローラR2の直径の10%程度とされている(図1参照)。
先述のように、ローラR1、R2の直下の底部11の表面112は、ローラR1、R2の円筒形状の曲面に略沿った形状に湾曲されているが、実施例1の糊タンクGPにおいては、ローラR1の下端部から直下の底部11の表面112までの距離D3はローラR1の直径の20%程度、ローラR2の下端部から直下の底部11の表面112までの距離D4もローラR2の直径の20%程度とされている(図1参照)。
底部11には、後述のヒータ21〜26を挿通するための円柱状の挿通孔11a〜11fが穿設されている。挿通孔11aは底部11の左端近傍に、挿通孔11bはローラR1の略直下に、挿通孔11cは底部11の中央左寄りに、夫々穿設されていて、これらの挿通孔11a〜11cは、図3に見るように、底部11の肉が最も薄くなっている前方部分にて、底部11の表面111のごく近傍に位置するように設けられている。したがって、この部分での底部11の傾斜に沿って、挿通孔11a、11b、11cの順に高さを減ずるように穿設されている。挿通孔11aにはヒータ21が、挿通孔11bにはヒータ22が、挿通孔11cにはヒータ23が夫々挿通される。
しかしながら、図4に見るように、底部11の糊ガイド17、18が位置する中央部分にては、挿通孔11bが底部11の表面112に最も近く、挿通孔11aが最も遠く、挿通孔11cは両者の中間である。また、図5に見るように、底部11の後方部分にては、挿通孔11a、挿通11bは底部11の表面113から略同様の距離にあり、挿通孔11cが一番遠い位置にある。
また、挿通孔11dは底部11の中央右寄りに、挿通孔11eはローラR2の略直下に、挿通孔11fは底部11の右端近傍に、夫々穿設されていて、これらの挿通孔11d〜11fは、図3に見るように、底部11の肉が最も薄くなっている前方部分にて、底部11の表面111のごく近傍に位置するように設けられている。したがって、この部分での底部11の傾斜に沿って、挿通孔11f、11e、11dの順に高さを減ずるように穿設されている。挿通孔11dにはヒータ24が、挿通孔11eにはヒータ25が、挿通孔11fにはヒータ26が夫々挿通される。
しかしながら、図4に見るように、底部11の糊ガイド17、18が位置する中央部分にては、挿通孔11eが底板11の表面112に最も近く、挿通孔11dが最も遠く、挿通孔11fは両者の中間である。また、図5に見るように、底部11の後方部分にては、挿通孔11fが底部11の表面113に最も近く、挿通孔11dが最も遠く、挿通孔11eは両者の中間の位置にある。
前板12の中央左寄りの位置には後述の糊温度センサ31を挿通固着するための円孔12aが穿設されている(図1参照)。また、前板12の中央右寄りの位置には後述の糊温度センサ32を挿通固着するための円孔12bが穿設されている。円孔12aは図1、図2に見るように糊温度センサ31をローラR1の下方前方に配設できる位置に穿設されており、円孔12bは糊温度センサ32をローラR2の下方前方に配設できる位置に穿設されている。
ローラR1は、図2に見るように、糊タンクGPの本体1の後板15に固着された後板RBに回転自在に挿通された軸X1に固着されている。軸X1には図示しない動力源から駆動力が供給されて正面視にて時計回り(図1の方向α)に回転させられ、軸X1に固着されたローラR1も同じく正面視にて時計回り(方向α)に回転させられる。
また、ローラR2もローラR1同様後板RBに回転自在に挿通された軸X2に固着されており、軸X2にも図示しない動力源から駆動力が供給されて正面視にて時計回り(図1の方向α)に回転させられ、軸X2に固着されたローラR2も同じく正面視にて時計回り(方向α)に回転させられる。ローラR1、ローラR2の回転速度は等しく、図示しないクランパに挟着されて方向βに水平移動する丁合本bの脊bcに糊Gを塗布する。
SC1、SC2はローラR1、R2に付着した余分な糊Gを掻き落すスクレイパで、本体1の後板15に固着された後板RB、前板12に固着された前板FBに渡設された軸Y1にスクレイパSC1が装着され、同じく後板RB、前板FBに渡設された軸Y2にスクレイパSC2が装着されている。スクレイパSC1の先端部分SC1aとローラR1の表面の間の距離、スクレイパSC2の先端部分SC2aとローラR2の表面の間の距離は夫々微調整が可能である。
ヒータ21は、図10に模式的に示すように、発熱体21aとヒータ温度センサ21bが一つのスリーブ21c内に一緒に格納されており、ヒータ温度センサ21bは直接発熱体21aの温度を計測できるようになっている。なお、21dは発熱体21aの電源コードであり、21eは
ヒータ温度センサ21bの温度情報の送信ケーブルである。電源コード21dと送信ケーブル21eは制御部4に連結されている。
ヒータ22〜26もヒータ21と同様の構成である。すなわち、22a〜26aは夫々のヒータ22〜26の発熱体であり、22b〜26bは発熱体22a〜26aの温度を直接計測するためのヒータ温度センサである。夫々の発熱体22a〜26aと温度センサ22b〜26bは、夫々のスリーブ22c〜26cに一緒に格納されている。また、発熱体22a〜26aの電源コード22d〜26d、及びヒータ温度センサ22b〜26bの温度情報の送信ケーブル22e〜26eは、すべて制御部4に連結されている。なお、図1〜図5にては、ヒータ21〜26の電源コード21d〜26d、送信ケーブル21e〜26eはすべて省略して示している。
また、31、32は糊温度センサである。図2に見るように糊温度センサ31は前板12に穿設された円孔12aに挿通固着されてローラR1の手前に突設され、ローラR1近傍の糊温度を計測して、温度情報を送信ケーブル31a(図10参照)を通じて制御部4に送信する。また、糊温度センサ32は前板12に穿設された円孔12bに挿通固着されてローラR2の手前に突設され、ローラR2近傍の糊温度を計測して、温度情報を送信ケーブル32a(図10参照)を通じて制御部4に送信する。なお、図1〜図5にては、糊温度センサ31、32の送信ケーブル31a、32aはすべて省略して示している。
次に、制御部4における糊温度制御方法について詳述する。実施例1における糊温度制御方法は、糊Gの温度が、あらかじめ設定された糊温度センサ31、32の上限温度に達するまで、ヒータ21〜26が各々のヒータ温度センサ21b〜26bのあらかじめ設定された上限温度と下限温度に制御されて作動する第1のステップS1と、糊Gの温度が糊温度センサ31、32のあらかじめ設定された上限温度に達した後に、ヒータ21〜26が糊温度センサ31、32のあらかじめ設定された上限温度、下限温度、及びヒータ温度センサ21b〜26bの上限温度の3者に制御されて作動する第2のステップS2に分かたれる。
実施例1の糊タンクGPにおいては、糊温度センサは31、32の2基、ヒータは21〜26の6基、ヒータ温度センサは21b〜26bの6基であるが、図1に見るように糊温度センサ31はローラR1近傍の糊温度を計測しており、ローラR1近傍の糊温度に影響を持つのは事実上21、22、23の3基のヒータである。また、糊温度センサ32はローラR2近傍の糊温度を計測しており、ローラR2近傍の糊温度に影響を持つのは事実上24、25、26の3基のヒータである。
したがって、ヒータ21は、糊温度センサ31とヒータ温度センサ21bに、ヒータ22は糊温度センサ31とヒータ温度センサ22bに、ヒータ23は糊温度センサ31とヒータ温度センサ23bに夫々制御され、ヒータ24は、糊温度センサ32とヒータ温度センサ24bに、ヒータ25は糊温度センサ32とヒータ温度センサ25bに、ヒータ26は糊温度センサ32とヒータ温度センサ26bに夫々制御される構成になっている。したがって、以下にはヒータ21、22、23の制御方法のみを説明するが、ヒータ24、25、26の制御方法も全く同様である。
まず、図6のフローチャートにて、ヒータ21の制御方法を説明する。ステップS1にて、ヒータ21をオン(作動状態)とする(S11)。この際、当然のことであるが、残りのヒータ22、23、さらにヒータ24、25、26も同時にオンとなる。すると、ヒータ21の温度が上昇する(S21)。このヒータ21の温度上昇は、ヒータ温度センサ21bにて逐次計測され、該温度情報は制御部4に送信される。
この際、糊温度センサ31は常にローラR1近傍の糊温度を監視しており、糊温度センサ31からの温度情報は逐次制御部4に送信される。ステップS13にて糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達すれば、そのままステップS2のステップS21に移行する。糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達する前にヒータ21の温度があらかじめ設定された上限温度に到達すると(S14)、その情報は制御部4に送信され、制御部4にてヒータ21をオフ(非作動状態)にする(S15)。すると、ヒータ21の温度は下降する(S16)。ヒータ温度センサ21bは常にヒータ21の温度を監視しており、ヒータ21の温度があらかじめ設定された下限温度に達すると(S17)その温度情報によって制御部4にてヒータ21をオンにする(S11に戻る)。糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達するまで、上記ステップが繰り返される。
ステップS13にて糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達すると、ステップS2に移行し、ヒータ21はオフとされる(S21)。するとヒータ21の温度は下降する(S22)。ステップS2においては、ヒータ21は糊温度センサ31があらかじめ設定された下限温度に到達するまで、オンにならない。たとえヒータ21の温度があらかじめ設定されたヒータ21自身の下限温度に達しても、糊温度センサ31があらかじめ設定された下限温度に到達していない限りヒータ21はオンにはならず、ヒータ21の温度は下降し続ける(S22)。
ヒータ21の温度が下降途上で糊温度センサ31があらかじめ設定された下限温度に到達すると(S23)、ヒータ21はオンとされる(S24)。すると再びヒータ21の温度は上昇する(S25)。そして、糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達すると(S26)、ヒータ21はオフとなる(S21に戻る)。なお、糊温度センサ31があらかじめ設定された上限温度に到達していない状態でもヒータ21があらかじめ設定されたヒータ21自身上限温度に到達すれば(S27)、ヒータ21はオフとされる(S21に戻る)。ステップS2にては上記の繰り返しとなる。
ヒータ22、23も上記と全く同じプログラムによって制御される。すなわち、図6のフローチャートにおいて、ヒータ21、をヒータ22、あるいはヒータ23に入れ替えることにより、ヒータ22、23の制御方法は説明される。したがって、糊Gの温度は、ステップS1においては最初はゆっくりと、次第に急なカーブを描いて上昇し、糊Gの温度(糊温度センサ31の計測温度)があらかじめ定められた上限温度に到達した時点でステップS2に移行し、その後は糊Gの温度(糊温度センサ31の計測温度)はあらかじめ定められた糊温度センサ31の上限温度と下限温度の間でゆるやかな上下動を繰り返すこととなる。
ヒータ21、22、23の作動状態と糊Gの温度(糊温度センサ31の計測温度)、及びヒータ21、22、23の温度(ヒータ温度センサ21b、22b、23bの計測温度)の変化を模式的に図示すれば図7のとおりである。また、図7のステップS1の要部を拡大図示すれば図8のとおりとなり、図7のステップS2の要部を拡大図示すれば図9のとおりとなる。
図7、図8にて、縦軸に温度(℃)をとり、横軸に時間をとる。時間T0にて、糊温度τ℃(室温)にてスタートする。ヒータ21、22、23の熱は、最初は糊タンクGPのアルミ鋳物製の本体1の底部11を加熱するのに専ら使われるので、ヒータ21、22、23の温度は比較的ゆっくりとしたグラフを描いて上昇する。これに対して糊Gの温度はさらに緩やかな曲線を描いて上昇する。
図7、図8において、ヒータ21、22、23の温度上昇曲線が同一にならないのは、主に糊タンクGPのアルミ鋳物製の底部11に埋設されたヒータ21、22、23の深さの差によるものである。すなわち、底部11の中央部の表面112からヒータ21、22、23までのアルミ層の厚さの違いに主として影響されるところが大きいことがわかっている(図4参照)。この部分でのアルミ層が薄いヒータ22は急速に温度が上昇するが、アルミ層が厚いヒータ21の温度上昇はヒータ22に比べて緩やかとなる。アルミ層がヒータ21に比べてやや薄いヒータ23の温度上昇は、ヒータ21に比べてやや急となる。
したがって、最初に自身の上限温度22α(図7参照)に到達するのはヒータ22となる。ただし、ヒータ21、22、23の夫々の上限温度、下限温度の設定は同一ではない。これは、作業の状況を見ながら最も糊Gの温度が安定するように、現場で調整する設定数値で、現場の職人が経験によって適宜設定するパラメータに属するものであるので、この点についての詳述はしない。
ヒータ22は自身の上限温度22αに到達するとオフとされ(時間t1)、ヒータ22の温度は下降する。そして、自身の下限温度22βに到達すると(時間t2)再びオンとされ、ヒータ22の温度は上昇する。次に自身の上限温度23αに到達するのはヒータ23であり(時間t3)、ヒータ23はここでオフとなり、その温度は下降するが、その温度が自身の下限温度23βに到達すると(時間t6)、再びオンとされてその温度は上昇する。最後にヒータ21が自身の上限温度21αに到達して(時間t4)オフとされ、その温度は下降し、自身の下限温度21βに到達して(時間t7)再びオンとされる。
このようにして、ヒータ21、22、23は、自身の上限温度21α、22α、23α及び自身の加減温度21β、22β、23βに制御されてオンオフを繰り返すが、その間に糊Gの温度は、最初はゆっくりと、時間の経過とともにやや急速に上昇していく。糊Gの温度上昇曲線は、ヒータ21、22、23のオンオフの影響を細かく受けるので、本来はきれいな曲線にはならないが、全体としては図7に模式的に示すような曲線をもって上昇していく。なお、この間に、ヒータ21は時間t4、t10、t16でオフとなり、時間t7、t13にてオンとなる。また、ヒータ22は時間t1、t5、t11でオフとなり、時間t2、t8、t14にてオンとなる。さらにヒータ23は時間t3、t9、t15でオフとなり、時間t6、t12にてオンとなる。
次に、図7、図9に示すように、糊Gの温度が上限温度Gαに到達すると(時間T1)、すなわち糊温度センサ31の温度情報が上限温度Gαに到達すると、ステップS2に移行し、オン状態で温度が上昇中であったヒータ22は、自身の上限温度22αに達していなくても強制的にオフとされる。しかし、オフ状態で温度が下降中のヒータ21、23は何等影響を受けずにその温度はさらに下降していく。ヒータ21、22、23の3本のヒータすべてがオフ状態となり温度が下降していくので、糊Gの温度もゆっくりと下降する。
時間T1以降は、ヒータ21、22、23は糊Gの温度、すなわち糊温度センサ31の上限温度Gαにてオフ状態となり(時間T3、T5、T9)、糊温度センサ31の下限温度Gβにてオン状態となる(時間T2、T4、T6、T8)。たとえ自身の下限温度(21β、22β、23β)を下回っても、糊Gの温度が糊温度センサ31の下限温度Gβに到達しない限りオンにはならない。したがって、ヒータ21、22、23の温度カーブはある程度揃ったものとなり、これにより、糊Gの温度は上限温度Gαと下限温度Gβの間で緩慢な上昇、下降を繰り返すこととなる。
ただし、例えば糊Gの温度がなんらかの原因でやや急に上昇したり下降したりという場合などでは、ヒータ21、22、23自身の上限温度21α、22α、23αを越えてしまうケースも出てくる。図7、図9においては時間T5とT6の間で糊Gの温度がやや急に下降しているケースを示すが、そうすると時間T6でヒータ21、22、23が一斉にオン状態となり、その後の温度上昇にて、糊Gの温度が上限温度Gαに到達する前に時間t17でヒータ22が自身の上限温度22αに到達してしまう。すると、図6のステップS27(S27でヒータ21をヒータ22とした状態)となってヒータ22はオフ状態となり、その温度は下降する。
この際、ヒータ21、23は時間t17においてはまだ自身の上限温度21α、23αに到達していないので、その温度は上昇を続ける。そして、時間T7にて糊Gの温度が上限温度Gαに到達すると、ヒータ21、23はオフとなり、糊Gの温度は下降に転ずる。この際、ヒータ22はオフ状態で温度が下降中であるので、何等影響は受けずにその温度はさらに下降する。そして、糊Gの温度が下限温度Gβに到達すると(時間T8)、ヒータ21、22、23のすべてがオンとなり、糊Gの温度は再び上昇に転ずる。このようにして、ステップS2は糊Gの温度を上限温度Gαと下限温度Gβの間に保持しながら進められていく。
以上には、ヒータ21、22、23とヒータ温度センサ21b、22b、23b、及び糊温度センサ31の制御関係を詳述したが、ヒータ24、25、26とヒータ温度センサ24b、25b、26b、及び糊温度センサ32の制御関係も全く同様に行われる。そして、これにより、実施例1の糊タンクGPにては、収容された糊Gの温度が常に上限温度Gαと下限温度Gβの間に保持される。上限温度Gαと下限温度Gβの設定は制御部4にて自由に行えるので、EVA系ホットメルトに比較して適性温度保持が難しいPUR系ホットメルトも、何等の問題もなく使用することができる。
なお、効果の項にても詳述したように、PUR系ホットメルトの円滑な使用においては、糊タンクGPの本体1の底部11が、特にローラR1、R2の下部の表面112にてローラの形状に沿って湾曲されている点、及び、糊ガイド17、18が本体1と一体の鋳物成形によってローラR1、R2の略半分を囲繞し、且つローラR1、R2の上端部近傍にまで突出されている点も大きな影響力を持っている。すなわち、実施例1の糊タンクGPにおいては、糊タンクGPの物理的な構成と、上記に詳説したヒータ温度センサ21b〜26bを内装したヒータ21〜26及び糊温度センサ31、32による温度管理システム構成及び糊温度制御方法が相まって、顕著な効果を挙げているものである。
実施例1にては6基のヒータと2基の糊温度センサによる温度管理システム構成及び糊温度制御方法を説明したが、たとえばローラが1基の場合にはヒータと糊温度センサの数も減少され得る。この場合には、1例として、夫々にヒータ温度センサを備えた3基のヒータと1基の糊温度センサで構成しても良い。また、ローラが2基の場合でも、夫々にヒータ温度センサを備えたヒータ及び糊温度センサの数は実施例1の数にこだわるものではなく、夫々の増減は自由である。またさらに、糊タンクGPの構成そのものが実施例1の糊タンクから多少変化した場合(例えば底面の形状の変化や糊ガイドの形状の変化など)には、それに応じて夫々にヒータ温度センサを備えたヒータの数や埋設場所、さらに糊温度センサの数や埋設場所を変化させる等の設計変更は自由である。
本発明は、図11に示したような製本機BBにおいて主として用いられることを主眼に開発したものであるが、これを、例えば前記特許文献3〜5に見るようなより簡易な製本装置における糊タンクの糊温度制御に用いることも当然可能である。現在は、前述のような理由(温度管理の困難さ)から、製本用の糊としては、圧倒的にEVA系ホットメルトが用いられているが、PUR系ホットメルトの有する幾多の優越点、すなわち強度があり、仕上げが綺麗で後の加工もし易いという諸点から、今後は、製本機の規模の大小を問わず、PUR系ホットメルトの使用が圧倒的に増加していくものと考えられる。特に、リサイクル面におけるPUR系ホットメルトの優位は決定的で、PUR系ホットメルトが主力となる大きな要因と思われる。
したがって、本発明の糊タンク及び糊温度制御方法は、今後、製本業界においてのみならず、簡易な装置で小部数の製本を行うコピー業界やオフィスや家庭においても、PUR系ホットメルトの円滑な使用を可能にする発明として、多大な貢献をなすものであると信ずる次第である。
本発明の実施例1の糊タンクの正面図である。 本発明の実施例1の糊タンクの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 本発明の実施例1の糊温度制御方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施例1の糊温度制御方法を説明するグラフである。 図7のステップS1の一部を省略した拡大図である。 図7のステップS2の一部を省略した拡大図である。 本発明の実施例1のヒータとヒータ温度センサと糊温度センサと制御部のシステム構成を模式的に説明する説明図である。 従来、一般的に用いられている製本機のシステム構成を模式的に説明する説明図である。 (a)従来の製本機において通常用いられている糊タンクの正面図である。(b)従来の製本機において通常用いられている糊タンクの平面図である。(c)図12bのD−D線断面図である。
符号の説明
1 本体
11 底部
11a 挿通孔
11b 挿通孔
11c 挿通孔
11d 挿通孔
11e 挿通孔
11f 挿通孔
111 表面
112 表面
113 表面
12 前板
12a 円孔
12b 円孔
13 左側板
14 右側板
15 後板
15a 凹部
15b 凹部
16 排出口
17 糊ガイド
18 糊ガイド
21 ヒータ
21a 発熱体
21b ヒータ温度センサ
21c スリーブ
21d 電源コード
21e 送信ケーブル
21α 上限温度
21β 下限温度
22 ヒータ
22a 発熱体
22b ヒータ温度センサ
22c スリーブ
22d 電源コード
22e 送信ケーブル
22α 上限温度
22β 下限温度
23 ヒータ
23a 発熱体
23b ヒータ温度センサ
23c スリーブ
23d 電源コード
23e 送信ケーブル
23α 上限温度
23β 下限温度
24 ヒータ
24a 発熱体
24b ヒータ温度センサ
24c スリーブ
24d 電源コード
24e 送信ケーブル
25 ヒータ
25a 発熱体
25b ヒータ温度センサ
25c スリーブ
25d 電源コード
25e 送信ケーブル
26 ヒータ
26a 発熱体
26b ヒータ温度センサ
26c スリーブ
26d 電源コード
26e 送信ケーブル
31 糊温度センサ
31a 送信ケーブル
32 糊温度センサ
32a 送信ケーブル
4 制御部
BB 製本機
BC 搬送機構
BG 糊塗布装置
BM 脊部切断装置
BN 表紙貼着装置
CP クランパ
D1 距離
D2 距離
D3 距離
D4 距離
FB 前板
G 糊
GP 糊タンク
Gα 上限温度
Gβ 下限温度
R1 ローラ
R2 ローラ
RB 後板
S 内部空間
S1 ステップ
S11 ステップ
S12 ステップ
S13 ステップ
S14 ステップ
S15 ステップ
S16 ステップ
S17 ステップ
S2 ステップ
S21 ステップ
S22 ステップ
S23 ステップ
S24 ステップ
S25 ステップ
S26 ステップ
S27 ステップ
SC1 スクレイパ
SC1a 先端部分
SC2 スクレイパ
SC2a 先端部分
T0 時間
T1 時間
T2 時間
T3 時間
T4 時間
T5 時間
T6 時間
T7 時間
T8 時間
T9 時間
X1 軸
X2 軸
Y1 軸
Y2 軸
b 丁合本
bc 脊部
fb 前板
g 糊
gg 糊ガイド
gp 糊タンク
gp1 本体
gp2 隅部分
gp3 隅部分
gp4 底面
gp5 排出口
h 挿入口
ht ヒータ
r ローラ
rb 後板
sc スクレイパ
st 温度センサ
t1 時間
t2 時間
t3 時間
t4 時間
t5 時間
t6 時間
t7 時間
t8 時間
t9 時間
t10 時間
t11 時間
t12 時間
t13 時間
t14 時間
t15 時間
t16 時間
t17 時間
x 軸
y 軸
α 方向
β 方向
γ 矢印
δ 矢印
ε 矢印
τ 糊温度













Claims (6)

  1. 本の脊部分に製本用の糊を塗布するローラに製本用の糊を付着させる製本機の糊タンクにおいて、
    糊タンクの本体内の空間に、該空間に充填される糊の温度を検出するための1基以上の糊温度センサが設けられており、
    タンク本体の底部内にカートリッジタイプのヒータが2基以上埋設されており、
    該2基以上のヒータの夫々に、夫々のヒータの温度を検出するためのヒータ温度センサが設けられており、
    糊温度センサと夫々のヒータ温度センサの温度情報に基づいて上記2基以上のヒータの夫々の作動を制御する制御部が設けられている、
    ことを特徴とする製本機の糊タンク。
  2. 上記ヒータ温度センサが、夫々のヒータ内部にあるいは夫々のヒータに添設されて設けられ、夫々のヒータの温度を直接計測できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製本機の糊タンク。
  3. 糊タンクの本体のローラ直下の底部の表面がローラの形状に沿って湾曲され、且ローラ周囲の底部の表面がローラの少なくとも片側を囲繞できる糊温度保持機能を備えた糊ガイドとして底部と一体に盛り上げ成形され、該糊ガイドの上端部がローラ上端部近傍にまで達していることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の製本機の糊タンク。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製本機の糊タンクにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
    糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達するまで、各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度と下限温度に制御されて作動する第1のステップと、
    糊温度があらかじめ設定された糊温度センサの上限温度に達した後に、あらかじめ設定された糊温度センサの上限温度、糊温度センサの下限温度、各々のヒータ温度センサの上限温度の3者に制御されて作動する第2のステップ、
    によって制御されて作動することを特徴とする糊温度制御方法。
  5. 上記第1のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
    各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
    各々のヒータ温度センサのあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となる、
    ように制御されて作動することを特徴とする請求項4に記載の糊温度制御方法。
  6. 上記第2のステップにおいて、2基以上のヒータの夫々が、
    糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となり、
    糊温度センサがあらかじめ設定された下限温度に達すると作動状態となり、
    糊温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達していない状態でも、各々のヒータ温度センサがあらかじめ設定された上限温度に達すると非作動状態となる、
    ように制御されて作動することを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の糊温度制御方法。








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