JP4061078B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電圧を高周波電圧に変換して負荷に供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来の電源装置として、放電灯点灯装置の回路構成を示す。この放電灯点灯装置は、交流電源Vsと、交流電源Vsの出力を整流する全波整流器DBと、平滑用のコンデンサを有して全波整流器DBが出力する脈流電圧を平滑して直流電圧を出力する電源回路1と、電源回路1が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路2と、インバータ回路2から高周波電力を供給される共振負荷回路3と、インバータ回路2の動作を制御する制御回路4とから構成され、全波整流器DBと電源回路1とで直流電源をなしている。
【0003】
インバータ回路2は、電源回路1の出力端子間に接続した高圧側のスイッチング素子Q1と低圧側のスイッチング素子Q2と抵抗R1との直列回路と、スイッチング素子Q2と抵抗R1との直列回路に並列に接続したスナバコンデンサC4とを備えたハーフブリッジ型のインバータ回路で構成され、電源回路1が出力する直流電圧を、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフすることによって高周波電圧に変換している。詳細には、スイッチング素子Q1,Q2は並列に逆接続した寄生ダイオードを有するFET素子であり、高圧側のスイッチング素子Q1のドレインを電源回路1の高圧側出力に接続し、低圧側のスイッチング素子Q2のドレインを高圧側のスイッチング素子Q1のソースに接続して、抵抗R1の一端を低圧側のスイッチング素子Q2のソースに接続し、他端を電源回路1の低圧側出力に接続している。さらに、電源回路1の低圧側出力はグランドに接続されている。また、スナバコンデンサC4は、スイッチング素子Q2のオン・オフ時のスイッチング素子Q1,Q2の接続中点電圧の立ち下り、立ち上がりを鈍らせて、スイッチングロスの低減、及びスイッチングにより発生する雑音の低減を目的としている。
【0004】
共振負荷回路3は、一方のフィラメント電極の電源側端子をスイッチング素子Q1のドレインに各々接続した放電灯La1,La2と、放電灯La1の両フィラメント電極の非電源側端子間に接続した共振用のコンデンサC2aと、放電灯La2の両フィラメント電極の非電源側端子間に接続した共振用のコンデンサC2bと、放電灯La1,La2の他方のフィラメント電極の電源側端子に一端を各々接続した巻線n1,n2を有して放電灯La1,La2の出力を安定化するためのバランサBR1と、巻線n1,n2の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、共振用インダクタL1の他端とスイッチング素子Q1,Q2の接続中点との間に接続した直流カット用のコンデンサC3とから構成される。ここで、インダクタL1とコンデンサC2a,C2b,C3とから共振回路が構成され、コンデンサC2a,C2bは放電灯La1,La2のフィラメント電極の予熱を行う機能を有する。
【0005】
制御回路4は、スイッチング周波数を変化させることでスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフを制御する信号を出力する発振制御回路40と、発振制御回路40の出力信号をスイッチング素子Q1,Q2の駆動信号に変換するドライバー回路41と、放電灯La1,La2の寿命末期状態を検出する異常検出部49と、異常検出部49が放電灯La1,La2の寿命末期状態を検出すると、発振制御回路40に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる発振停止制御回路43とから構成され、放電灯La1,La2の寿命末期状態を検出すると、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させてインバータ回路2の構成素子にストレスがかかることを防止している。
【0006】
異常検出部49は、抵抗R1の両端電圧を基準値と比較することによって、共振負荷回路3の共振回路に流れる電流(共振電流)波形がスイッチング素子Q2のスイッチング周波数に対して進み位相になっていることを検出する進相電流検出回路で構成され、低圧側のスイッチング素子Q2のソースと抵抗R1との接続中点にアノードを接続されたダイオードD4と、ダイオードD4のカソードとグランドとの間に接続された抵抗R2,R3の直列回路と、非反転入力端子に抵抗R2,R3の接続中点を接続し、反転入力端子に所定の基準電圧Vref2を接続したコンパレータCP2とを備える。
【0007】
次に、この異常検出部49の進相電流検出動作について説明する。放電灯La1,La2が寿命末期時に立ち消えして、共振負荷回路3の共振動作が進相側に移行し、共振負荷回路に流れる共振電流がスイッチング素子Q2のスイッチング周波数に対して進み位相(進相)になると、共振負荷回路3に流れる共振電流のピーク値が遅相側に移行する場合と比べて増加する。そして共振動作が進相側に移行したことによる共振電流の増加を、スイッチング素子Q2のソースに直列に接続した抵抗R1の両端電圧によって検出することができる。
【0008】
共振電流検出用の抵抗R1の両端電圧は、ダイオードD4で整流され、抵抗R2,R3で分圧された後、基準電圧Vref2との大小をコンパレータCP2が比較する。放電灯La1,La2が寿命末期時に立消えすると、共振負荷回路3に流れる共振電流が増加するので、抵抗R3の両端電圧が大きくなって基準電圧Vref2より大きくなると、コンパレータCP2の出力がローレベルからハイレベルに反転する。
【0009】
そして、コンパレータCP2からハイレベルの信号を入力された発振停止制御回路43は、発振制御回路40に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0010】
このように、負荷異常による進相動作検出手段として、スイッチング素子Q2の電流をソースに直列接続した抵抗R1によって検出し、検出値を基準電圧と比較する方法が従来用いられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例の動作を説明するタイムチャートを図14(a)〜(d)に示す。図14(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号は、ハイレベルのときにスイッチング素子Q2をオンさせ、ローレベルのときにスイッチング素子Q2をオフさせる。図14(b)は正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流(コンデンサC4の放電電流なし)を示しており、スイッチング素子Q2のスイッチング周波数に対して遅れ位相であり、スイッチング素子Q2がオンした直後は回生電流により負の振幅であるが、徐々に増加して正の振幅になる。図14(d)は、図14(b)の波形にコンデンサC4の放電電流を重畳させた波形であり、この放電電流によってスイッチング素子Q2がオンした直後に正の振幅を持ったヒゲ状の波形が発生している。図14(c)は異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流を示しており、スイッチング素子Q2のスイッチング周波数に対して進み位相であり、スイッチング素子Q2がオンした直後は回生電流による正の振幅に、コンデンサC4の放電電流によるヒゲ状の波形を重畳させた正の振幅であり、そのピーク値は図14(d)に示す正常時の振幅のピーク値よりも大きくなっており、以降は徐々に減少して負の振幅になっている。
【0012】
ここでインバータ回路2が調光用インバータの場合、スイッチング周波数を広範囲に変化させるため、共振状態の変化も大きくなり、図15(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図15(b)に調光時にスイッチング素子Q2を流れる電流(コンデンサC4の放電電流付加時)、図15(c)にフル点灯出力時にスイッチング素子Q2を流れる電流(コンデンサC4の放電電流付加時)を示す。特にスイッチング素子Q2がオンした直後の回生電流の負の振幅が小さくなるフル点灯出力時には図15(c)に示すようにコンデンサC4の放電電流が顕著に現れて、そのピーク値は図15(b)に示す調光時の電流のピーク値よりも大きくなる。したがってフル点灯出力時には、正常状態でありスイッチング素子Q2を流れる電流が遅相であるにも関わらず、進相と認識して異常状態であると誤認識してしまう恐れがあり、このことが誤動作の原因となっていた。
【0013】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、共振回路を負荷とし、負荷異常時に共振電流が進相となった場合に確実に進相動作を検出して保護制御を動作させると共に、正常負荷時のスイッチング時の過渡的なヒゲ状電流による誤動作を防止した電源装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、少なくとも1つのスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子がオン・オフすることにより、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記インバータ回路は、前記共振負荷回路を流れる共振電流を検出する共振電流検出部を有し、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域において前記共振電流検出部が検出した共振電流の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入した少なくとも1つのスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域における前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2記載の電源装置において、前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部に代えて、前記インピーダンス素子の両端電圧が検出しきい値以上の場合に前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記スイッチング素子をオンする駆動信号が出力されて、前記スイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子のオン区間の略半分の時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される前の時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点としたことを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、請求項2または3において、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記低圧側のスイッチング素子をオンする駆動信号が出力され、前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記低圧側のスイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して放電し、放電が終了した時点から前記低圧側のスイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入したスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点における前記インピーダンス素子の両端電圧のピーク値が、前記低圧側のスイッチング素子がオンしたときに前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記スイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して流れる電流により前記インピーダンス素子に発生する電圧ピーク値より大きい場合に、前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1に本実施形態の電源装置の回路構成を示す。この電源装置は、交流電源Vsと、交流電源Vsの出力を整流する全波整流器DBと、平滑用のコンデンサを有して全波整流器DBが出力する脈流電圧を平滑して直流電圧を出力する電源回路1と、電源回路1が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路2と、インバータ回路2から高周波電力を供給される共振負荷回路3と、インバータ回路2の動作を制御する制御回路4とから構成され、全波整流器DBと電源回路1とで直流電源をなしている。
【0024】
インバータ回路2は、電源回路1の出力端子間に接続した高圧側のスイッチング素子Q1と低圧側のスイッチング素子Q2とインピーダンス素子Zとの直列回路と、スイッチング素子Q2とインピーダンス素子Zとの直列回路に並列に接続したスナバコンデンサC4とを備えたハーフブリッジ型のインバータ回路で構成され、電源回路1が出力する直流電圧を、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフすることによって高周波電圧に変換している。詳細には、スイッチング素子Q1,Q2は並列に逆接続した寄生ダイオードを有するFET素子であり、高圧側のスイッチング素子Q1のドレインを電源回路1の高圧側出力に接続し、低圧側のスイッチング素子Q2のドレインを高圧側のスイッチング素子Q1のソースに接続して、インピーダンス素子Zの一端を低圧側のスイッチング素子Q2のソースに接続し、他端を電源回路1の低圧側出力に接続している。さらに、電源回路1の低圧側出力はグランドに接続されている。また、スナバコンデンサC4は、スイッチング素子Q2のオン・オフ時のスイッチング素子Q1,Q2の接続中点電圧の立ち下り、立ち上がりを鈍らせて、スイッチングロスの低減、及びスイッチングにより発生する雑音の低減を目的としている。
【0025】
共振負荷回路3は、一方のフィラメント電極の電源側端子をスイッチング素子Q1のドレインに各々接続した放電灯La1,La2と、放電灯La1の両フィラメント電極の非電源側端子間に接続した共振用のコンデンサC2aと、放電灯La2の両フィラメント電極の非電源側端子間に接続した共振用のコンデンサC2bと、放電灯La1,La2の他方のフィラメント電極の電源側端子に一端を各々接続した巻線n1,n2を有して放電灯La1,La2の出力を安定化するためのバランサBR1と、巻線n1,n2の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、共振用インダクタL1の他端とスイッチング素子Q1,Q2の接続中点との間に接続した直流カット用のコンデンサC3とから構成される。ここで、インダクタL1とコンデンサC2a,C2b,C3とから共振回路が構成され、コンデンサC2a,C2bは放電灯La1,La2のフィラメント電極の予熱を行う機能を有する。
【0026】
そして、この共振負荷回路3の共振回路に流れる共振電流は、スイッチング素子Q2を流れる電流によってインピーダンス素子Zの両端に発生する電圧を取り出すことで検出することができ、インピーダンス素子Zは共振電流を検出する共振電流検出部を成している。
【0027】
制御回路4は、スイッチング素子Q1,Q2を駆動制御する発振駆動部46と、放電灯La1,La2の寿命末期状態、放電灯La1,La2の外れ、放電灯La1,La2の立ち消え等の共振負荷回路3の異常を検出して異常信号を出力する異常検出制御部42と、異常検出制御部42が異常信号を出力すると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる発振停止制御回路43とから構成される。
【0028】
発振駆動部46は、スイッチング周波数を変化させることでスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフを制御する信号を出力する発振制御回路40と、発振制御回路40の出力信号をスイッチング素子Q1,Q2の駆動信号に変換するドライバー回路41とから構成される。
【0029】
異常検出制御部42は、インピーダンス素子Zの両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)を受けて、共振電流の状態を検出するスイッチ電流検出回路42aと、発振制御回路40からスイッチング素子Q2の駆動タイミングに対応した信号を受けて、スイッチング素子Q2の駆動タイミングに対して同期を取った発振同期信号を出力する発振同期回路42cと、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して異常の検出を行う検出領域を発振同期信号に同期して設定する検出タイマー42bと、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して異常の検出を検出タイマー42bで設定した検出領域内で行う異常検出回路42dとから構成される。
【0030】
次に本実施形態の具体的な動作について図2(a)〜(d)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図2(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図2(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流(以下、コンデンサC4の放電電流付加時の電流波形を示す)と、図2(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流とのようになる。
【0031】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aはインピーダンス素子Zの両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)の極性の正負を判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、検出タイマー42bは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの期間に設定し、図2(d)に示すようにその期間にハイレベルの検出領域信号を出力する。
【0032】
次に、異常検出回路42dは、検出領域信号がハイレベルの間(検出領域)のみ異常の検出動作を行い、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に基づいて、スイッチング素子Q2を流れる電流の極性が正のときは正常、負のときは異常であると判断して、異常時には異常信号を出力する。
【0033】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0034】
このように、異常の検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの期間として、スイッチング素子Q2を流れる電流の正・負を判別して異常検出を行うことによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができる。
【0035】
(実施形態2)
図3に示す本実施形態の電源装置の回路構成は、実施形態1の図1と略同様であり、共振負荷回路3の構成が1つの放電灯La1のみに対応しており、バランサBR1を備えていない点が異なる。
【0036】
本実施形態の具体的な動作について図4(a)〜(e)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図4(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図4(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流と、図4(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流とのようになる。
【0037】
また、本実施形態では放電灯La1が外れると、コンデンサC2が共振回路から切り離され、図4(d)に示すようにスイッチング素子Q2にはスナバコンデンサC4の放電電流のみが流れるようになる。
【0038】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aはインピーダンス素子Zの両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)の極性の正と負,0とを判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、検出タイマー42bは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの間の期間に設定し、図4(e)に示すようにその期間にハイレベルの検出領域信号を出力する。
【0039】
次に、異常検出回路42dは、検出領域信号がハイレベルの間(検出領域)のみ異常の検出動作を行い、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に基づいて、スイッチング素子Q2を流れる電流の極性が正のときは正常、ゼロもしくは負のとき(ゼロ以下のとき)は異常であると判断して、異常時には異常信号を出力する。
【0040】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0041】
このように、異常の検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの間の期間として、スイッチング素子Q2を流れる電流の正と負、ゼロとを判別して異常検出を行うことによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができ、さらに負荷外れ状態の検出も行うことができる。
【0042】
(実施形態3)
本実施形態の電源装置の回路構成を図5に示す。実施形態2の図3と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。電源回路1は、全波整流器DBの高圧側出力に接続したインダクタL2とダイオードD1との直列回路と、インダクタL1を介して全波整流器DBの出力端間に接続したFETからなるスイッチング素子Q3と、ダイオードD1を介してスイッチング素子Q3に並列に接続した平滑用のコンデンサC1とからなる昇圧チョッパ回路で構成され、スイッチング素子Q3をオン・オフすることで、全波整流器DBが出力する脈流電圧を昇圧し、コンデンサC1で平滑した直流電圧を出力する。
【0043】
インバータ回路2は、共振電流を検出するインピーダンス素子として抵抗R1をスイッチング素子Q2のソースに直列に接続している。また、スナバコンデンサC4と、カソードをスナバコンデンサC4に接続し、アノードを電源回路1の低圧側出力に接続したダイオードD2との直列回路を、スイッチング素子Q2と抵抗R1との直列回路に並列に接続し、さらにアノードをダイオードD2のカソードに接続し、カソードを制御回路4の制御電圧Vccに接続したダイオードD3を備えている。これは、スイッチング素子Q1がオンしたときに電源回路1より、スイッチング素子Q1、スナバコンデンサC4、ダイオードD3を介して制御回路4に制御電源を供給する役割と、スイッチング素子Q2がオンしたときに、スナバコンデンサC4に蓄積された電荷がスイッチング素子Q2、抵抗R1、ダイオードD2、スナバコンデンサC4の経路で放電することによって、スイッチング素子Q1,Q2の接続中点電圧の立ち下り、立ち上がりを鈍らせて、スイッチングロスの低減、及びスイッチングにより発生する雑音を低減させる役割とを有している。
【0044】
共振負荷回路3は、スイッチング素子Q1,Q2の接続中点に一端を接続した直流カット用のコンデンサC3と、コンデンサC3の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、インダクタL1の他端と抵抗R1,電源回路1の低圧側出力の接続中点との間に接続した放電灯La1と、放電灯La1の非電源側端子に接続した共振用のコンデンサC2とから構成される。ここで、インダクタL1とコンデンサC2とから共振回路が構成される。
【0045】
制御回路4は、電源回路1のスイッチング素子Q3のオン・オフを制御するチョッパ制御回路44と、放電灯La1の調光信号を受けて発振制御回路40にスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数やデューティの可変信号を伝達する調光信号処理回路45を備えている。
【0046】
異常検出制御部42のスイッチ電流検出回路42aは、反転入力端子に抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)を入力し、非反転入力端子に基準電圧Vref1を入力したコンパレータCP1で構成されており、異常検出回路42dは、コンパレータCP1の出力と検出タイマー42bが出力する検出領域信号とを入力したAND素子IC1で構成される。
【0047】
本実施形態の具体的な動作について図4(a)〜(d)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図4(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図4(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流と、図4(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流とのようになる。
【0048】
また、本実施形態では放電灯La1が外れると、コンデンサC2が共振回路から切り離され、図4(d)に示すようにスイッチング素子Q2にはスナバコンデンサC4の放電電流のみが流れるようになる。
【0049】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aは抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)の極性の正と負,ゼロとを判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、検出タイマー42bは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの間の期間内で、スイッチング素子Q2の駆動信号がハイレベルである区間の略半分(50%)以上から90%の領域に設定し、その期間にハイレベルの検出領域信号を出力する。
【0050】
そして、異常検出回路42dは、検出領域信号がハイレベルの間(検出領域)のみスイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号をそのまま出力して、異常の検出動作を行う。このとき、スイッチング素子Q2を流れる電流の極性が正のときは正常、ゼロもしくは負のとき(ゼロ以下のとき)は異常であり、異常時には異常信号を出力する。
【0051】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0052】
次に図6(a)〜(e)に示すタイムチャートを用いて本実施形態の詳細な動作について説明する。図6(a)はスイッチング素子Q2の駆動信号、図6(b)はスイッチ電流検出回路42aのコンパレータCP1に入力される信号、図6(c)はスイッチ電流検出回路42aの出力、図6(d)は検出タイマー42bが出力する検出領域信号、図6(e)は異常検出回路42dが出力する発振停止信号を各々示しており、左から正常時(遅相動作)、異常時(進相動作)、異常時(無負荷)の各タイムチャートを示す。コンパレータCP1の非反転入力端子に入力される基準電圧Vref1は、無負荷異常時に反転入力端子に入力されるスイッチング素子Q2を流れる電流波形のゼロレベルを検出するために、若干、正側へオフセットさせている。
【0053】
まず、正常時には、スイッチング素子Q2の駆動信号(S1)に対して、スイッチング素子Q2の電流の検出波形(S4)はスイッチング素子Q2がオンした直後は回生電流により負の振幅であるが、徐々に増加して正の振幅になる。コンパレータCP1はこの検出波形と基準電圧Vref1とを比較し、検出波形が基準電圧Vrefより大きい期間はローレベルの信号を出力し、検出波形が基準電圧Vrefより小さい期間はハイレベルの信号を出力する(S7)。そして、AND素子IC1は、コンパレータCP1の出力(S7)とスイッチング素子Q2の駆動信号がハイレベルである区間の略半分(50%)以上から90%の領域に設定された検出領域信号(S10)との論理積演算を行い、その結果、AND素子IC1の出力(異常検出回路42dの出力)は全領域においてローレベルになる(S13)。したがって、発振停止制御回路43には異常信号(ハイレベルの信号)は入力されず発振停止制御は動作しない。
【0054】
次に、異常による進相動作時には、スイッチング素子Q2の駆動信号(S2)に対して、スイッチング素子Q2の電流の検出波形(S5)はスイッチング素子Q2がオンした直後は正の振幅であるが、徐々に減少して負の振幅になる。コンパレータCP1はこの検出波形と基準電圧Vref1とを比較し、検出波形が基準電圧Vrefより大きい期間はローレベルの信号を出力し、検出波形が基準電圧Vrefより小さい期間はハイレベルの信号を出力する(S8)。そして、AND素子IC1は、コンパレータCP1の出力(S8)とスイッチング素子Q2の駆動信号がハイレベルである区間の略半分(50%)以上から90%の領域に設定された検出領域信号(S11)との論理積演算を行い、その結果、AND素子IC1の出力(異常検出回路42dの出力)は検出領域においてハイレベルになる。したがって、このハイレベルの異常信号を入力された発振停止制御回路43は、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0055】
そして、無負荷異常時には、スイッチング素子Q2の駆動信号(S3)に対して、スイッチング素子Q2の電流の検出波形(S6)はスイッチング素子Q2がオンした直後のスナバコンデンサC4の放電電流によるヒゲ状の波形のみになる。コンパレータCP1はこの検出波形と基準電圧Vref1とを比較し、検出波形が基準電圧Vrefより大きい期間はローレベルの信号を出力し、検出波形が基準電圧Vrefより小さい期間はハイレベルの信号を出力する(S9)。そして、AND素子IC1は、コンパレータCP1の出力(S9)とスイッチング素子Q2の駆動信号がハイレベルである区間の略半分(50%)以上から90%の領域に設定された検出領域信号(S12)との論理積演算を行い、その結果、AND素子IC1の出力(異常検出回路42dの出力)は検出領域においてハイレベルになる。したがって、このハイレベルの異常信号を入力された発振停止制御回路43は、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0056】
このように、異常の検出領域を、正常時にスイッチング素子Q2がオンした直後に発生する回生電流が終了した時点から、スイッチング素子Q2の駆動がオフとなる時点までの間の期間内で、スイッチング素子Q2の駆動信号がハイレベルである区間の略半分(50%)以上から90%の領域として、スイッチング素子Q2を流れる電流の正と負、ゼロとを判別して異常検出を行うことによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができ、さらに負荷外れ状態の検出も行うことができる。
【0057】
(実施形態4)
本実施形態の電源装置の回路構成を図7に示す。実施形態2の図3と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。インバータ回路2は、共振電流を検出するインピーダンス素子として抵抗R1をスイッチング素子Q2のソースに直列に接続している。
【0058】
共振負荷回路3は、スイッチング素子Q1,Q2の接続中点に一端を接続した直流カット用のコンデンサC3と、コンデンサC3の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、インダクタL1の他端と抵抗R1,電源回路1の低圧側出力の接続中点との間に接続した負荷30と、負荷30の非電源側端子に接続した共振用のコンデンサC2とから構成される。ここで、インダクタL1とコンデンサC2とから共振回路が構成される。
【0059】
制御回路4の異常検出制御部42は、抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)を受けて、共振電流の状態を検出するスイッチ電流検出回路42aと、発振制御回路40からスイッチング素子Q2の駆動タイミングに対応した信号を受けて、スイッチング素子Q2の駆動タイミングに対して同期を取った発振同期信号を出力する発振同期回路42cと、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して異常の検出を発振同期回路42cで設定した検出領域内で行う異常検出回路42dとから構成される。
【0060】
本実施形態の具体的な動作について図8(a)〜(d)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図8(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図8(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流と図8(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流のようになる。
【0061】
また、本実施形態では負荷30が外れると、コンデンサC2が共振回路から切り離され、図8(d)に示すようにスイッチング素子Q2にはスナバコンデンサC4の放電電流のみが流れるようになる。
【0062】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aは抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)の極性の正と負,0とを判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、発振同期回路42cは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、スイッチング素子Q2の駆動がオフになる時点(駆動信号の立下り時)に設定する。
【0063】
次に、異常検出回路42dは、駆動信号の立下り時の検出領域内でのみ異常の検出動作を行い、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に基づいて、スイッチング素子Q2を流れる電流の極性が正のときは正常、ゼロもしくは負のとき(ゼロ以下のとき)は異常であると判断して、異常時には異常信号を出力する。
【0064】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0065】
このように、異常の検出領域を、スイッチング素子Q2の駆動がオフになる時点(駆動信号の立下り時)として、スイッチング素子Q2を流れる電流の正と負、ゼロとを判別して異常検出を行うことによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができ、さらに負荷外れ状態の検出も行うことができる。さらに、本実施形態では実施形態1乃至3では必要であった検出タイマー42bが不要となる。
【0066】
(実施形態5)
本実施形態の電源装置の回路構成を図9に示す。実施形態2の図3と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。インバータ回路2は、共振電流を検出する共振電流検出部を構成する回路Sをスイッチング素子Q2のソースに直列に接続している。
【0067】
共振負荷回路3は、一端ををスイッチング素子Q1のドレインに一端を接続した負荷30と、負荷30の非電源側端子間に接続した共振用のコンデンサC2と、負荷30の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、共振用インダクタL1の他端とスイッチング素子Q1,Q2の接続中点との間に接続した直流カット用のコンデンサC3とから構成される。ここで、インダクタL1とコンデンサC2とから共振回路が構成される。
【0068】
本実施形態の具体的な動作について図10(a)〜(e)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図10(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図10(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流と図10(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流のようになる。
【0069】
また、本実施形態では負荷30が外れると、コンデンサC2が共振回路から切り離され、図10(d)に示すようにスイッチング素子Q2にはスナバコンデンサC4の放電電流のみが流れるようになる。
【0070】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aは回路Sが出力するスイッチング素子Q2を流れる電流波形の極性の正と負,0とを判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、検出タイマー42bは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、スナバコンデンサC4に蓄積された電荷が低圧側のスイッチング素子Q2と回路Sとの直列回路を介して放電し、放電が終了した時点から、正常時にスイッチング素子Q2がオンすることによって発生する回生電流が終了する時点までの間に設定する。
【0071】
次に、異常検出回路42dは、検出領域信号がハイレベルの間(検出領域)のみ異常の検出動作を行い、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に基づいて、スイッチング素子Q2を流れる電流の極性が正のときは正常、ゼロもしくは負のとき(ゼロ以下のとき)は異常であると判断して、異常時には異常信号を出力する。
【0072】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0073】
このように、異常の検出領域を、スナバコンデンサC4に蓄積された電荷が低圧側のスイッチング素子Q2と回路Sとの直列回路を介して放電し、放電が終了した時点から、正常時にスイッチング素子Q2がオンすることによって発生する回生電流が終了する時点までの間として、スイッチング素子Q2を流れる電流の正と負、ゼロとを判別して異常検出を行うことによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができ、さらに負荷外れ状態の検出も行うことができる。
【0074】
(実施形態6)
図11に本実施形態の電源装置の回路構成を示す。この電源装置は、交流電源Vsと、交流電源Vsの出力を整流する全波整流器DBと、昇圧チョッパ回路からなる電源回路1と、電源回路1が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路2と、インバータ回路2から高周波電力を供給される共振負荷回路3と、インバータ回路2の動作を制御する制御回路4とから構成され、全波整流器DBと電源回路1とで直流電源をなしている。
【0075】
電源回路1は、全波整流器DBの高圧側出力に接続したインダクタL2とダイオードD1との直列回路と、インダクタL1を介して全波整流器DBの出力端間に接続したFETからなるスイッチング素子Q3と、ダイオードD1を介してスイッチング素子Q3に並列に接続した平滑用のコンデンサC1とからなる昇圧チョッパ回路で構成され、スイッチング素子Q3をオン・オフすることで、全波整流器DBが出力する脈流電圧を昇圧し、コンデンサC1で平滑した直流電圧を出力する。
【0076】
インバータ回路2は、電源回路1の出力端子間に接続した高圧側のスイッチング素子Q1と低圧側のスイッチング素子Q2と抵抗R1との直列回路と、スイッチング素子Q2と抵抗R1との直列回路に並列に接続したスナバコンデンサC4とカソードをスナバコンデンサC4に接続しアノードを電源回路1の低圧側出力に接続したダイオードD2との直列回路と、アノードをダイオードD2のカソードに接続し、カソードを制御回路4の制御電圧Vccに接続したダイオードD3とを備えたハーフブリッジ型のインバータ回路で構成され、電源回路1が出力する直流電圧を、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフすることによって高周波電圧に変換している。詳細には、スイッチング素子Q1,Q2は並列に逆接続した寄生ダイオードを有するFET素子であり、高圧側のスイッチング素子Q1のドレインを電源回路1の高圧側出力に接続し、低圧側のスイッチング素子Q2のドレインを高圧側のスイッチング素子Q1のソースに接続して、抵抗R1の一端を低圧側のスイッチング素子Q2のソースに接続し、他端を電源回路1の低圧側出力に接続している。さらに、電源回路1の低圧側出力はグランドに接続されている。また、スナバコンデンサC4とダイオードD2,D3とは、スイッチング素子Q1がオンしたときに電源回路1より、スイッチング素子Q1、スナバコンデンサC4、ダイオードD3を介して制御回路4に制御電源を供給する役割と、スイッチング素子Q2がオンしたときに、スナバコンデンサC4に蓄積された電荷がスイッチング素子Q2、抵抗R1、ダイオードD2、スナバコンデンサC4の経路で放電することによって、スイッチング素子Q1,Q2の接続中点電圧の立ち下り、立ち上がりを鈍らせて、スイッチングロスの低減、及びスイッチングにより発生する雑音を低減させる役割とを有している。
【0077】
共振負荷回路3は、スイッチング素子Q1,Q2の接続中点に一端を接続した直流カット用のコンデンサC3と、コンデンサC3の他端に一端を接続した共振用のインダクタL1と、インダクタL1の他端と抵抗R1の他端との間に接続した共振用のコンデンサC2と、一方のフィラメント電極の電源側端子a,eをインダクタL1の他端に各々接続した放電灯La1,La2と、放電灯La1,La2の他方のフィラメント電極の電源側端子d,hに一端を各々接続した巻線n1,n2を有し、巻線n1,n2の他端を抵抗R1の他端に接続して放電灯La1,La2の出力を安定化するためのバランサBR1と、インダクタL1の補助巻線L11〜L14と、補助巻線L11〜L14の各一端に直列に各一端を接続したコンデンサC5〜C8とから構成され、補助巻線L11の他端は放電灯La1の一方のフィラメント電極の電源側端子aに接続し、コンデンサC5の他端は放電灯La1の一方のフィラメント電極の非電源側端子bに接続し、補助巻線L12の他端は放電灯La1の他方のフィラメント電極の非電源側端子cに接続し、コンデンサC6の他端は放電灯La1の他方のフィラメント電極の電源側端子dに接続し、補助巻線L13の他端は放電灯La2の一方のフィラメント電極の電源側端子eに接続し、コンデンサC7の他端は放電灯La2の一方のフィラメント電極の非電源側端子fに接続し、補助巻線L14の他端は放電灯La2の他方のフィラメント電極の非電源側端子gに接続し、コンデンサC8の他端は放電灯La2の他方のフィラメント電極の電源側端子hに接続している。ここで、補助巻線L11〜L14、及びコンデンサC5〜C8は放電灯La1,La2のフィラメント電極の予熱を行う機能を有する。
【0078】
そして、この共振負荷回路3の共振回路に流れる共振電流は、スイッチング素子Q2を流れる電流によって抵抗R1の両端に発生する電圧を取り出すことで検出することができ、抵抗R1は共振電流を検出する共振電流検出部を成している。
【0079】
制御回路4は、スイッチング素子Q1,Q2を駆動制御する発振駆動部46と、放電灯La1,La2の寿命末期状態、放電灯La1,La2の外れ、放電灯La1,La2の立ち消え等の共振負荷回路3の異常を検出して異常信号を出力する異常検出制御部42と、異常検出制御部42が異常信号を出力すると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる発振停止制御回路43と、電源回路1のスイッチング素子Q3のオン・オフを制御するチョッパ制御回路44とから構成される。
【0080】
発振駆動部46は、スイッチング周波数を変化させることでスイッチング素子Q1,Q2のオン・オフを制御する信号を出力する発振制御回路40と、発振制御回路40の出力信号をスイッチング素子Q1,Q2の駆動信号に変換するドライバー回路41とから構成される。
【0081】
異常検出制御部42は、抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)を受けて、共振電流の状態を検出するスイッチ電流検出回路42aと、発振制御回路40からスイッチング素子Q2の駆動タイミングに対応した信号を受けて、スイッチング素子Q2の駆動タイミングに対して同期を取った発振同期信号を出力する発振同期回路42cと、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して異常の検出を発振同期回路42cからの発振同期信号に同期して行う異常検出回路42dとから構成される。
【0082】
本実施形態の具体的な動作について図12(a)〜(d)に示すタイムチャートを用いて説明する。正常時及び異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流波形の関係は、従来例と同様に、図12(a)に示すスイッチング素子Q2の駆動信号に対して、図12(b)の正常時にスイッチング素子Q2を流れる電流と図12(c)の進相動作を行う異常時にスイッチング素子Q2を流れる電流のようになる。
【0083】
また、本実施形態では放電灯La1,La2が外れると、コンデンサC2が共振回路から切り離され、図12(d)に示すようにスイッチング素子Q2にはスナバコンデンサC4の放電電流のみが流れるようになる。
【0084】
そこで、本実施形態では、スイッチ電流検出回路42aは抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流波形)と基準電圧(検出しきい値)との大小を判別して、その判別結果に対応した検出信号を出力し、発振同期回路42cは、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に対して発振同期信号に同期して異常の検出を行う検出領域を、スイッチング素子Q2の駆動開始のタイミング(駆動信号の立上り時)に設定する。
【0085】
このとき、検出しきい値は、スナバコンデンサC4の放電電流のみがスイッチング素子Q2に流れたときに抵抗R1の両端に発生する電圧のピーク値以上としている。
【0086】
次に、異常検出回路42dは、スイッチング素子Q2の駆動開始のタイミングのみ異常の検出動作を行い、スイッチ電流検出回路42aから出力される検出信号に基づいて、スイッチング素子Q2を流れる電流が検出しきい値以下の場合は正常、スイッチング素子Q2を流れる電流が検出しきい値以上の場合は異常であると判断して、異常時には異常信号を出力する。
【0087】
発振停止制御回路43は異常信号を受けると、発振駆動部46に発振停止信号を出力してスイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを停止させる。
【0088】
このように、異常の検出領域を、スイッチング素子Q2の駆動開始のタイミング(駆動信号の立上り時)とし、検出しきい値は、スナバコンデンサC4の放電電流のみがスイッチング素子Q2に流れたときに抵抗R1の両端に発生する電圧のピーク値以上とすることによって、従来例にて課題であった正常時の誤検出を起こすことなく、異常時の進相動作を確実に検出することができ、さらに負荷外れ状態の検出も行うことができる。さらに、本実施形態では実施形態1乃至3では必要であった検出タイマー42bが不要となる。
【0089】
【発明の効果】
請求項1の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、少なくとも1つのスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子がオン・オフすることにより、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記インバータ回路は、前記共振負荷回路を流れる共振電流を検出する共振電流検出部を有し、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域において前記共振電流検出部が検出した共振電流の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有するので、負荷異常時に共振電流が進相となった場合に確実に進相動作を検出して保護制御を動作させると共に、正常負荷時のスイッチング時の過渡的なヒゲ状電流による誤動作を防止することができるという効果がある。
【0090】
請求項2の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入した少なくとも1つのスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域における前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有するので、スナバコンデンサの放電電流が発生する場合でも請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0091】
請求項3の発明は、請求項2記載の電源装置において、前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部に代えて、前記インピーダンス素子の両端電圧が検出しきい値以上の場合に前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部を有するので、請求項2と同様の効果を得ることができる。
【0092】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記スイッチング素子をオンする駆動信号が出力されて、前記スイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点までの間に設定される期間としたので、請求項1乃至3いずれかと同様の効果を得ることができる。
【0093】
請求項5の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子のオン区間の略半分の時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される前の時点までの間に設定される期間としたので、請求項1乃至3いずれかと同様の効果を得ることができる。
【0094】
請求項6の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点としたので、請求項1乃至3いずれかと同様の効果を得ることができる。
【0095】
請求項7の発明は、請求項2または3において、前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記低圧側のスイッチング素子をオンする駆動信号が出力され、前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記低圧側のスイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して放電し、放電が終了した時点から前記低圧側のスイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点までの間に設定される期間としたので、請求項2または3と同様の効果を得ることができる。
【0096】
請求項8の発明は、直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入したスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点における前記インピーダンス素子の両端電圧のピーク値が、前記低圧側のスイッチング素子がオンしたときに前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記スイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して流れる電流により前記インピーダンス素子に発生する電圧ピーク値より大きい場合に、前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有するので、請求項2と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の回路構成を示す図である。
【図2】 (a)〜(d)本発明の実施形態1の動作のタイムチャートを示す図である。
【図3】 本発明の実施形態2の回路構成を示す図である。
【図4】 (a)〜(e)本発明の実施形態2,3の動作のタイムチャートを示す図である。
【図5】 本発明の実施形態3の回路構成を示す図である。
【図6】 (a)〜(e)本発明の実施形態3の動作のタイムチャートを示す図である。
【図7】 本発明の実施形態4の回路構成を示す図である。
【図8】 (a)〜(d)本発明の実施形態4の動作のタイムチャートを示す図である。
【図9】 本発明の実施形態5の回路構成を示す図である。
【図10】 (a)〜(e)本発明の実施形態5の動作のタイムチャートを示す図である。
【図11】 本発明の実施形態6の回路構成を示す図である。
【図12】 (a)〜(d)本発明の実施形態6の動作のタイムチャートを示す図である。
【図13】 従来例の回路構成を示す図である。
【図14】 (a)〜(d)従来例の動作のタイムチャートを示す図である。
【図15】 (a)〜(c)従来例の調光動作時のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 電源回路
2 インバータ回路
3 共振負荷回路
4 制御回路
40 発振制御回路
41 ドライバー回路
42 異常検出制御部

Claims (8)

  1. 直流電圧を出力する直流電源と、少なくとも1つのスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子がオン・オフすることにより、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記インバータ回路は、前記共振負荷回路を流れる共振電流を検出する共振電流検出部を有し、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域において前記共振電流検出部が検出した共振電流の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする電源装置。
  2. 直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入した少なくとも1つのスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、少なくとも前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点から所定の遅れ時間後の所定領域における前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする電源装置。
  3. 請求項2記載の電源装置において、前記インピーダンス素子の両端電圧の極性によって前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部に代えて、前記インピーダンス素子の両端電圧が検出しきい値以上の場合に前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部を有することを特徴とする電源装置。
  4. 前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記スイッチング素子をオンする駆動信号が出力されて、前記スイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の電源装置。
  5. 前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子のオン区間の略半分の時点から前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される前の時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の電源装置。
  6. 前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記スイッチング素子をオフする駆動信号が出力される時点としたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の電源装置。
  7. 前記所定の遅れ時間後の所定領域は、前記発振駆動部から前記低圧側のスイッチング素子をオンする駆動信号が出力され、前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記低圧側のスイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して放電し、放電が終了した時点から前記低圧側のスイッチング素子がオンすることによって発生した回生電流が終了する時点までの間に設定される期間としたことを特徴とする請求項2または3記載の電源装置。
  8. 直流電圧を出力する直流電源と、一端を前記直流電源の高圧側出力に接続した高圧側のスイッチング素子、前記高圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続 した低圧側のスイッチング素子、前記低圧側のスイッチング素子の他端に一端を接続し前記直流電源の低圧側出力に他端を接続したインピーダンス素子、及び前記低圧側のスイッチング素子の一端と前記インピーダンス素子の他端との間に挿入したスナバコンデンサを有し、前記2つのスイッチング素子が交互にオン・オフすることによって、前記直流電源が出力する直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インダクタ、コンデンサ、負荷を含み、前記インバータ回路から高周波電力を供給される共振負荷回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを駆動制御する発振駆動部と、前記発振駆動部が前記インバータ回路のスイッチング素子をオンさせた時点における前記インピーダンス素子の両端電圧のピーク値が、前記低圧側のスイッチング素子がオンしたときに前記スナバコンデンサに蓄積された電荷が前記スイッチング素子と前記インピーダンス素子との直列回路を介して流れる電流により前記インピーダンス素子に発生する電圧ピーク値より大きい場合に、前記共振負荷回路の異常を検出する異常検出制御部とを有することを特徴とする電源装置。
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