JP4060910B2 - 二重包装用袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重包装用袋に関し、更に詳しくは、少なくとも、内袋を構成する積層材として、印刷模様層、接着剤層等を水性インキ組成物、あるいは、水性接着剤等を使用して形成し、該積層材中の残留有機溶剤等による内容物への影響、更に、包装様袋の開封時における異臭(溶剤臭)等を皆無にした二重包装用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の物品を充填包装するために、紙基材、プラスチック基材、あるいは金属箔等を使用し、これらを任意に積層して、種々の包装材料が開発され、提案されている。
而して、これらの包装材料は、通常、有機溶剤を多用するグラビアインキ、あるいは、フレキソインキ等を使用し、グラビア印刷、あるいは、フレキソ印刷等によって所望の印刷模様等が形成されているものである。
そして、これらの包装材料は、その機能性の向上と共に表面装飾の美麗さ等と相俟って、紙製容器、プラスチック製軟包装用袋、その他等の包装用容器として、種々の物品の充填包装に多用されているものである。
ところで、近年、菓子、煎餅、その他等の食品について、これを個包装し、更に、該個包装体を外袋で充填包装してなる2重包装体が、提案され、実施されているものである。
このものは、包装用袋を開封し、内容物を食し、而して、内容物を残したとしても、個々の内容物が、個包装されていることから、再度、内容物を食する場合にも、常に、新鮮な、未開封の状態で食することができるという利点を有するものであり、現在では、菓子、煎餅等の嗜好品においては、上記のような2重包装用袋が多用されて、充填包装されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような2重包装用袋において、外袋および内袋ともに、それらを構成する包装材料としては、所望の印刷模様等を形成する際に、有機溶剤を多用するグラビアインキ等を使用することから、種々の問題点を有しているものである。
例えば、印刷後、乾燥放出される溶剤による大気汚染等の公害問題、引火性溶剤を扱うための防災上の問題、溶剤を扱う作業環境の問題、省資源化の問題、内容物への影響の問題、特に、食品包装に用いた場合には、袋を構成する積層材中の残留溶剤が食品に移行し易く、これに伴って発生する食品衛生上の問題、コスト高等の経済性の問題、その他等の種々の問題点があるものである。
特に、外袋を構成する積層材として、アルミニウム箔等のバリア−材を使用する場合には、内袋を構成する積層材中に残留する有機溶剤等が発散し、それが包装用袋の外部に散逸することもできず、外袋内に残留有機溶剤が充満し、開封と同時に有機溶剤臭がして、内容物を食するときに、不快感を与えるばかりではなく、食品衛生上好ましくないものである。
このために、種々の技術的対応策が検討され、例えば、溶剤回収、ハイソリッド化、無溶剤化、水性化、その他等の種々の技術的改良、改善が開発され、提案されている。
それらの中で、特に、現状の技術的水準、設備等の観点から、比較的に、現実的な対応として、グラビアインキ、フレキソインキ等の水性化に関する種々の技術的対応策が検討され、実施に移されている。
しかしながら、グラビアインキ、フレキソインキ等を水性化したとしても、内袋を構成する積層材中のプラスチックフィルム等は、非吸収体であることから、例えば、紙基材等と異なり、浸透乾燥が望めず、更には、インキの濡れの問題、その他等の種々の問題点があり、現状では十分に満足し得る状態ではないというのが実態である。
そこで本発明は、水性グラビアインキ等を使用し、その機能性を損なわず、更に、表面装飾の美麗さ等を有し、かつ、積層材中に残留する有機溶剤臭のない2重包装用袋を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点について種々研究の結果、包装用袋を構成する積層材について、印刷模様層、接着剤層等を水性インキ組成物、あるいは、水性接着剤等を使用して形成することに着目し、外袋と内袋とからなる二重袋において、まず、外袋を、少なくとも、基材フィルムと、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、また、内袋を、少なくとも、基材フィルムと、該基材フィルムの表面または裏面またはその両面に設けた水性インキ組成物による印刷模様層と、水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、而して、上記の内袋を使用して個包装し、しかる後、該個包装体を上記の外袋を使用して、該外袋内に個包装体を充填包装して、2重包装用袋からなる包装製品を製造したところ、上記の種々の問題点を改善、改良すると共に、特に、積層材中の有機溶剤等による溶剤臭を皆無にした2重包装用袋を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、外袋と内袋とからなる二重袋であり、更に、該外袋を、少なくとも、基材フィルムと、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、また、該内袋を、少なくとも、基材フィルムと、該基材フィルムの表面または裏面またはその両面に設けた水性インキ組成物による印刷模様層と、水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成することを特徴とする二重包装用袋に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかる二重包装用袋の構成についてその具体例を例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる二重包装用袋を構成する外袋についてその一例を示す概略的斜視図であり、図2は、本発明にかかる二重包装用袋を構成する内袋についてその一例を示す概略的斜視図であり、図3は、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋の構成についてその一例を示す概略的斜視図であり、図4および図5は、本発明にかかる外袋を構成する積層材の層構成についてその二三例を示す概略的断面図であり、図6および図7は、本発明にかかる内袋を構成する積層材の層構成についてその二三例を示す概略的断面図である。
【0007】
まず、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋についてその一例を例示すると、まず、図1に示すように、後述する積層材1を使用し、該積層材1、1のヒ−トシ−ル性樹脂層2、2面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして外周シ−ル部3、3、3を形成して、本発明にかかる二重包装用袋を構成する大形の外袋4を製袋する。
他方、図2に示すように、後述する積層材5を使用し、例えば、ピロ−包装形式で、その上下、あるいは、中心に、シ−ル部6、6、6を形成しながら、内容物7を一個づつを個包装し、個包装体を形成して、本発明にかかる二重包装用袋を構成する内袋8を製造する。
次に、図3に示すように、上記で製造した内容物7を一個づつ個包装した個包装体からなる内袋8を、上記で製造した外袋4の開口部から充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部9を形成して、本発明にかかる外袋4と内袋8からなる二重包装用袋10を製造することができる。
なお、図中、3は、上記の図1に示す内容と同じ内容を表す。
上記の例示は、その一例であり、本発明は、これによって限定されるものではなく、例えば、図示しないが、外袋および内袋を構成する包装用袋の形態としては、種々の形態からなる包装用袋を使用することができ、具体的には、例えば、二方シ−ル形、四方シ−ル形、ガセットシ−ル形、角底シ−ル形、舟底シ−ル形、スタンディングパウチシ−ル形、その他等の種々のシ−ル形からなる包装用袋を使用することができる。
【0008】
次に、本発明において、上記のような外袋を構成する積層材について説明すると、かかる積層材としては、種々の形態からなる積層材を使用することができ、その二三例を例示すると、例えば、図4に示すように、少なくとも、基材フィルム11と、ヒ−トシ−ル性樹脂層12とを順次に積層してなる積層材1を使用を使用することができる。
あるいは、図5に示すように、少なくとも、基材フィルム11と、バリア−性基材層13と、ヒ−トシ−ル性樹脂層12とを順次に積層してなる積層材1を使用することができる。
【0009】
次に、本発明において、上記のような内袋を構成する積層材について説明すると、かかる積層材としては、種々の形態からなる積層材を使用することができ、その二三例を例示すると、例えば、図6に示すように、少なくとも、基材フィルム21と、該基材フィルム21の表面または裏面またはその両面に設けた水性インキ組成物による印刷模様層22(裏面に設けた例を例示してある)と、水性接着剤による水性接着剤層23、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層24または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層25と、ヒ−トシ−ル性樹脂層26を順次に積層してなる積層材5を使用することができる。
あるいは、図7に示すように、少なくとも、基材フィルム21と、該基材フィルム21の表面または裏面またはその両面に設けた水性インキ組成物による印刷模様層22(裏面に設けた例を例示してある)と、水性接着剤による水性接着剤層23、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層24または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層25と、バリア−性基材層27と、水性接着剤による水性接着剤層23、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層24またはまたは無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層25と、ヒ−トシ−ル性樹脂層26を順次に積層してなる積層材5を使用することができる。
【0010】
上記に例示した外袋を構成する積層材、あるいは、内袋を構成する積層材にいては、その二三例を例示したものであり、本発明は、これらによって限定されるものではなく、図示しないが、例えば、内袋を構成する積層材において、基材フィルムの上に、更に、樹脂をビヒクルの主成分とする水性樹脂組成物によるオ−バ−コ−ト層、あるいは、基材フィルムの上に、更に、水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層を介して、樹脂のフィルムを積層した構成からなる積層材等を使用することができる。
また、本発明においては、図示しないが、例えば、外袋を構成する積層材において、基材フィルムの表面、あるいは裏面に、所望の印刷模様層を形成することができ、更には、該基材フィルムの上に、上記と同様に、更に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるオ−バ−コ−ト層、あるいは、基材フィルムの上に、更に、ラミネ−ト用接着剤による接着剤層またはアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層を介して、樹脂のフィルムを積層した構成からなる積層材等を使用することができる。
更には、本発明において、図示しないが、外袋を構成する積層材、あるいは、内袋を構成する積層材においては、その充填包装する内容物、その貯蔵・流通形態等によって、上記のような素材に、更に、他の素材を使用して、種々の積層材を製造することもできる。
【0011】
次に、本発明において、本発明にかかる外袋、あるいは、内袋を構成する積層材、および、その製造法、その製袋法等について説明すると、まず、外袋、あるいは、内袋を構成する積層材において、基材フィルムとしては、これが外袋、あるいは、内袋を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、剛性等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、剛性等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が最も望ましい。
【0012】
次にまた、外袋、あるいは、内袋を構成する積層材において、ヒ−トシ−ル性樹脂層を構成するヒ−トシ−ル性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トには、酸素、水蒸気等に対するバリア−材として、例えば、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属、無機酸化物等の蒸着膜を有することもできる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜300μm位、好ましくは、10μm〜100μm位が望ましい。
【0013】
ところで、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、線状低密度ポリエチレンを使用することが好ましいものである。
すなわち、上記の線状低密度ポリエチレンは、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
【0014】
更に、本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとしての線状低密度ポリエチレンとしては、具体的には、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トを同様に使用することができる。
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トとしては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トを使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムを使用することができる。
そのフィルムないしシ−トとしては、単層ないし多層で使用することができ、その厚さとしては、5μmないし300μm位、好ましくは、10μmないし100μm位が望ましい。
本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムとして、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トを使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0015】
次にまた、外袋、あるいは、内袋を構成する積層材において、バリア−性基材層を構成するバリア−性基材としては、例えば、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水蒸気、水、酸素等のガス等を透過しない性質等を有する材料、その他を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。
具体的には、例えば、遮光性とバリア−性を有するアルミニュウム箔またはその蒸着膜を有する樹脂のフィルム、酸素等のガスバリア−性を有する酸化珪素、酸化アルミニュウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、2μmないし300μm位、更には、5μmないし100μm位が望ましい。
更に、上記において、アルミニュウム箔としては、5μmないし30μm位の厚さのもの、また、アルミニュウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ100Åないし2000Å位のものを使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニ
ルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
【0016】
更に、上記において、上記の無機酸化物の蒸着膜層を構成する無機酸化物としては、例えば、ケイ素酸化物(SiOx )、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等を使用することができる。
更に、本発明においては、無機酸化物としては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、あるいはケイ素酸化物と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。
而して、本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビ−ム法、電子ビ−ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等によって蒸着膜を構成することによって形成することができる。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さとしては、十分なバリア−性を得るために、通常、100Å〜2000Å位であることが好ましく、特に、本発明においては、200Å〜1500Å位が望ましい。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さが、1500Åを超えると、特に、2000Åを超えると、無機酸化物の薄膜層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア−性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくはなく、また、100Å未満、特に、200Å未満では、その効果が認められることが困難であり、好ましくない。
【0017】
ところで、通常、包装用袋においては、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用袋を構成する積層材としては、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するその他の材料を任意に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0018】
次に、本発明において、内袋を構成する印刷模様層を形成する水性インキ組成物について説明すると、かかる水性インキ組成物としては、例えば、水性インキ用樹脂をべヒクルの主成分とし、これに,顔料等の色素を加え、更に、ワックス類、分散剤、消泡剤、レベリング剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、滑剤、その他等の添加剤を任意に添加し、水、あるいは、水とアルコ−ル等からなる溶剤を使用し、ミキサ−等で十分に混練してなる水性インキ組成物を使用することができる。
【0019】
上記において、水性インキ用樹脂としては、溶解型、ハイドロゾル型、エマルジョン型の天然樹脂、あるいは、合成樹脂、更には、それらの変性樹脂等の一種ないしそれ以上の混合物を使用することができる。
具体的には、水性インキ用樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシルエチルアクリレ−ト、ヒドロキシルエチルメタクリレ−ト等の(メタ)アクリル系モノマ−、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のニトリル系モノマ−、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系モノマ−、該アミド系モノマ−のN−アルコキシ置換体、同N−メチロ−ル置換体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマ−、ジアリルフタレ−ト、アリルグリジジルエ−テル、トリアリルイソシアヌレ−ト等のアリル系モノマ−、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等の重合性二重結合を有するモノマ−等の一種ないしそれ以上と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸の一種ないしそれ以上との共重合体からなるアルカリ溶液可溶性(メタ)アクリル系共重合体を使用することができる。
更にまた、本発明において、水性インキ用樹脂としては、例えば、ポリアルリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂)、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノ−ル系樹脂、その他等の水溶性合成樹脂、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、等の水溶性天然高分子、その他等も使用することができる。
また、本発明において、水性インキ用樹脂としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性ないし混合樹脂、その他の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の一種ないしそれ以上を使用し、当該樹脂に適する溶解型、ハイドロゾル型、または、エマルジョン型等の形態で使用することができる。
【0020】
次にまた、上記において、水としては、通常の工業用水等を使用しることができ、また、水とアルコ−ル等からなる溶剤としては、水のほかにエタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、N−プロピルアルコ−ル等の低級アルコ−ル、グリコ−ル類およびそのエステル類等を使用して調整することができ、而して、その低級アルコ−ル、グリコ−ル類およびそのエステル類等は、5〜20重量%位の割合で含有していることが望ましい。
なお、上記のような水性インキにおいて、上記のような低級アルコ−ル、グリコ−ル類およびそのエステル類等の溶剤は、インキの流動性改良、被印刷体への濡れの向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定されるものである。
【0021】
本発明においては、上記のような水性インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、あるいは、フレキソ印刷方式等により、基材フィルムの表面、裏面、あるいは、その両者の面に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等の所望の印刷模様層を形成することができる。
【0022】
次に、本発明において、内袋を構成する水性接着剤層を形成する水性接着剤としては、例えば、水性接着剤用樹脂をべヒクルの主成分とし、これに,ワックス類、分散剤、消泡剤、レベリング剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、滑剤、その他等の添加剤を任意に添加し、水等からなる溶剤を使用してミキサ−等を使用して十分に混練してなる水溶液型、あるいは、エマルジョン型の水性接着剤を使用することができる。
上記において、水性接着剤用樹脂としては、例えば、ポリアルリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂(水溶性2液硬化型ポリウレタン系樹脂)、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノ−ル系樹脂、その他等の水溶性合成樹脂、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、等の水溶性天然高分子、その他等の溶解型の樹脂を使用することができる。
また、本発明において、水性接着剤用樹脂としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂)、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性ないし混合樹脂、その他の樹脂のエマルジョン型の樹脂を使用することができる。
更には、前述のアルカリ溶液可溶性(メタ)アクリル系共重合体を使用することができる。
更にには、水性ドライラミネ−ト用接着剤として、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)等も使用することができる。
上記の水性接着剤の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗布量としては、乾燥状態で、1〜5g/m2 位、好ましくは、2〜3g/m2 位が望ましい。
【0023】
次に、本発明において、内袋を構成する水性アンカ−コ−ト剤層を形成する水性アンカ−コ−ト剤としては、例えば、水系のエチレンイミン系アンカ−コ−ト剤、水系のポリブタジエン系アンカ−コ−ト剤、水分散可能なポリウレタン系アンカ−コ−ト剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、タケラックAW−605/タケネ−トAW−725)等の溶剤を含まないアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗布量としては、乾燥状態で、0.1〜5g/m2 位、好ましくは、0.5〜1g/m2 位が望ましい。
【0024】
次に、本発明において、無溶剤型接着剤層を構成する無溶剤型接着剤としては、例えば、熱硬化型、紫外線硬化型、あるいは、電子線硬化型の接着剤を使用することができ、そのビヒクルの主成分を構成する素材としては、例えば、(メタ)アクリル系、ポリア−ル/ポリアリル化合物系、エボキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、あるいは、それらの混合ないし複合系等を主体とする無溶剤型接着剤を使用することができる。
上記の無溶剤型接着剤の塗布法としては、上記と同様に、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗布量としては、乾燥状態で、1〜5g/m2 位、好ましくは、2〜3g/m2 位が望ましい。
【0025】
次に、本発明において、内袋を構成するオ−バ−コ−ト層としては、基材フィルムの上を全面的に被覆し、例えば、基材フィルムの上に形成した印刷模様層を保護すると共に、更に、該基材フィルムの機能、作用等を補助ないし補強する役目を奏するものであり、例えば、基材フィルムの上に、樹脂をビヒクルの主成分とする水性樹脂組成物を塗布することにより、あるいは、基材フィルムの上に、前述の水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層を介して、樹脂のフィルムを積層することによって、オ−バ−コ−ト層を形成することができるものである。
【0026】
上記において、樹脂をビヒクルの主成分とする水性樹脂組成物としては、前述の溶解型の樹脂、あるいは、エマルジョン型の樹脂、あるいは、ハイドロゾル型の樹脂、その他の樹脂を同様に使用し、その一種ないしそれ以上をベヒクルの主成分とし、これに,ワックス類、分散剤、消泡剤、レベリング剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、滑剤、その他等の添加剤を任意に添加し、水等からなる溶剤を使用してミキサ−等を使用して十分に混練してなる水溶液型、エマルジョン型、あるいは、ハイドロゾル型の水性樹脂組成物を使用することができる。
上記の水性樹脂組成物の塗布法としては、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その膜厚としては、乾燥状態で、1〜100μm位、好ましくは、1〜10μm位が望ましい。
【0027】
次にまた、上記において、水性接着剤、水性アンカ−コ−ト剤、あるいは、無溶剤型接着剤等は、前述のものを同様に使用することができる。
また、水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤層、あるいは、無溶剤型接着剤等を介して積層する樹脂のフィルムとしては、例えば、前述の強度に優れた樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは、ヒ−トシ−ル性樹脂層を構成するヒ−トシ−ル性樹脂のフィルム、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
上記の樹脂のフィルムとしては、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の各種の樹脂のフィルムを使用することができる。
而して、本発明において、上記の樹脂のフィルムとしては、膜厚が厚過ぎると、そのコストを高めることになり、また、膜厚が薄すぎると、オ−バ−コ−ト層としての機能が薄れるという問題点があり、約3〜30μm位、好ましくは、約5〜20μm位が望ましい。
【0028】
次に、本発明において、外袋を構成する基材フィルムの表面、または、裏面に設ける所望の印刷模様層としては、例えば、通常のグラビアインキ、オフセットインキ、スクリ−ンインキ、その他のインキ組成物等を使用を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、スクリ−ン印刷方式、その他等により、基材フィルムの表面、裏面、あるいは、その両者の面に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等の所望の印刷絵柄を印刷して、所望の印刷模様層を形成することができる。
また、本発明において、外袋を構成する基材フィルムの上に設けるオ−バ−コ−ト層としては、基材フィルムの上を全面的に被覆し、例えば、基材フィルムの上に形成した印刷模様層を保護すると共に、更に、該基材フィルムの機能、作用等を補助ないし補強する役目を奏するものであり、例えば、基材フィルムの上に、樹脂をビヒクルの主成分とする通常の樹脂組成物を塗布することにより、あるいは、基材フィルムの上に、通常のラミネ−ト用接着剤による接着剤層またはアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層を介して、樹脂のフィルムを積層することによって、オ−バ−コ−ト層を形成することができるものである。
上記において、樹脂組成物を構成する樹脂、あるいは、樹脂のフィルムとしては、前述のものを同様に使用することができる。
【0029】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して、外袋、あるいは、内袋を構成する積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料を製造するときに使用するラミネ−ト法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤ラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、その他の方法等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、基材フィルムの表面を、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
また、上記において、押し出しラミネ−トするときには、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を押し出しラミネ−ト用樹脂として使用することができる。
なお、本発明において、外袋を構成する積層材を製造するときには、内袋を構成する積層材を製造する際に使用する水性インキ組成物による印刷模様層、水性接着剤による水性接着剤層または水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層等を同様に使用して、外袋を構成する積層材を製造することもできる。
更に、本発明においては、外袋を構成する積層材、例えば、通常の溶剤系のラミネ−ト用接着剤、あるいは、溶剤系のアンカ−コ−ト剤等を常法に従って使用することもできる。
【0030】
次に、本発明において、上記の積層材を使用して、外袋、あるいは、内袋を製造する方法について説明すると、かかる包装用袋は、上記のような積層材を使用し、そのヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して、本発明にかかる外袋、あるいは、内袋等の包装用袋を製造することができる。
なお、本発明においては、包装用袋の内面であり、かつ、該開口部の下部の部分に、繰返嵌合可能なチャックテ−プを設けた構成からなる包装用袋も製造することができるものである。
而して、その製袋方法としては、上記のような積層材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態からなる外袋、あるいは、内袋等の包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0031】
次に、本発明においては、上記で製造した内袋に、一個づつ内容物を個包装して個包装体を製造し、而して、該個包装体を、上記で製造した外袋内に充填包装して、本発明にかかる二重包装用袋からなる包装製品を製造することができる。
上記において、個包装する内容物としては、例えば、スナック菓子、キャンディ−、チョコレ−ト、飴、その他等の菓子類、雑貨品、医薬品、その他の物品等を充填包装することができる。
上記の本発明にかかる二重包装用袋からなる包装製品は、耐衝撃性、耐環境ストレスクラッキング性、シ−ルの安定性、保香性、保存安定性等の諸機能を充足し、流通段階等において包装上のトラブルがなく、特に、本発明にかかる包装製品は、個包装体を構成する内袋から溶剤等が移行することがなく、外袋を開封しても、溶剤臭等を皆無にすることができるという利点を有するものである。
【0032】
【実施例】
次に本発明について実施例を挙げて更に詳しく本発明を説明する。
実施例1
(1).まず、水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とからなるウレタンアクリルエマルジョン15重量%、顔料(酸化チタン)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ25μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを、そのアルミニウムの蒸着膜面を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材を使用し、ピロ−包装方式を使用して、菓子を個包装して個包装体を製造した。
(2).他方、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムの裏面に、所望の印刷絵柄をグラビアインキを使用してグラビア印刷方式で印刷して印刷模様層を形成し、次に、該印刷模様層の面に、押し出し用低密度ポリエチレンを使用して、厚さ15μmに押し出しながら、酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その酸化ケイ素の蒸着膜面を対向させて押し出しラミネ−トし、しかる後、上記で積層した二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に、上記と同様に、押し出し用低密度ポリエチレンを使用して、厚さ15μmに押し出しながら、厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを押し出しラミネ−トして、本発明にかかる外袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した外袋を構成する積層材を使用し、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の外袋としての包装用袋を製造した。
(3).次に上記で製造した外袋に、その開口部から、上記で製造した個包装体の所定量を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ルを形成して、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装体を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
【0033】
実施例2
(1).まず、水溶性アクリル酸共重合体エマルジョン15重量%、顔料(フタロシアニンブル−)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムの裏面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリプロピレンフィルムの裏面に、水性エチレンイミン系アンカ−コ−ト剤を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約1g/m2 (乾燥状態)のアンカ−コ−ト剤層を形成し、しかる後、該アンカ−コ−ト剤層面に、エチレン−メタクリル酸共重合体を押し出しながら、アルミニムの蒸着膜を有する厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを、その蒸着面をアンカ−コ−ト剤層の面に対向させて押し出しラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した内袋を構成する積層材を、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の包装用袋を製造した。
次いで、上記で製造した包装用袋内にクッキィ−菓子を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部を形成して、内袋を構成する個包装製品を製造した。
(2).他方、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムの裏面に、所望の印刷絵柄をグラビアインキを使用してグラビア印刷方式で印刷して印刷模様層を形成し、次に、該印刷模様層の面に、押し出し用低密度ポリエチレンを使用して、厚さ15μmに押し出しながら、厚さ7μmのアルミニウム箔を押し出しラミネ−トし、しかる後、上記で積層したアルミニウム箔の面に、上記と同様に、押し出し用低密度ポリエチレンを使用して、厚さ15μmに押し出しながら、厚さ65μmの低密度ポリエチレンフィルムを押し出しラミネ−トして、本発明にかかる外袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した外袋を構成する積層材を使用し、その低密度ポリエチレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の外袋としての包装用袋を製造した。
(3).次に上記で製造した外袋に、その開口部から、上記で製造した個包装製品の所定量を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ルを形成して、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装製品を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
なお、上記において、水性エチレンイミン系アンカ−コ−ト剤を使用する代わりに、水分散可能なポリウレタン系アンカ−コ−ト剤(武田薬品工業株式会社製、商品名、タケラックAW−605/タケネ−トAW−725)を使用し、それ以外は、上記の実施例と同様して、同様な結果を得た。
【0034】
実施例3
(1).上記の実施例1と同様に、まず、水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とからなるウレタンアクリルエマルジョン15重量%、顔料(酸化チタン)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、酸化ケイ素の蒸着膜を有する厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、AD−W615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ30μm無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した内袋を構成する積層材を、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の内袋を構成する包装用袋を製造した。
次いで、上記で製造した包装用袋内に飴を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部を形成して、個包装製品を製造した。
(2).他方、上記の実施例1で製造した外袋を構成する積層材を使用し、以下、上記の実施例1と同様にして、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装体を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
【0035】
実施例4
(1).水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とからなるウレタンアクリルエマルジョン15重量%、顔料(酸化チタン)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネ−トし、更に、該アルミニウム箔の面に、上記と同様に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、AD−W615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した内袋を構成する積層材を、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の包装用袋を製造した。
次いで、上記で製造した包装用袋内にクッキィ−菓子を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部を形成して個包装製品を製造した。
(2).他方、上記の実施例1で製造した外袋を構成する積層材を使用し、以下、上記の実施例1と同様にして、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装体を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
【0036】
実施例5
(1).水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とからなるウレタンアクリルエマルジョン15重量%、顔料(酸化チタン)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムの裏面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリプロピレンフィルムの裏面に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した内袋を構成する積層材を使用し、ピロ−包装方式を使用して飴玉を個包装して、内袋を構成する個包装製品を製造した。
(2).他方、上記の実施例1で製造した外袋を構成する積層材を使用し、以下、上記の実施例1と同様にして、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装体を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
【0037】
実施例6
(1).まず、水溶性アクリル樹脂と水溶性ポリウレタン樹脂とからなるウレタンアクリルエマルジョン15重量%、顔料(酸化チタン)15重量%、水50重量%、エタノ−ル10重量%、N−プロピルアルコ−ル10重量%、その他、潤滑剤、消泡剤、ポリエチレンワックス、pH調整剤等の添加剤の若干量等をミキサ−で十分に混練して水性インキ組成物を調整し、該水性インキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、所望の印刷模様層を形成した。
次に、該印刷模様層を含む2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの裏面に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムをドライラミネ−トした。
次に、上記の2軸延伸ナイロンフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型水性接着剤(東洋モ−トン株式会社製、商品名、ADW−615/CAT−EP5)を使用し、これをグラビアコ−ト方式で塗布して、約3g/m2 (乾燥状態)の水性接着剤層を形成し、しかる後、該水性接着剤層面に、厚さ30μm未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかる内袋を構成する積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材を、その無延伸ポリプロピレンフィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その三方の周辺端部をヒ−トシ−ルして、三方シ−ル型の包装用袋を製造した。
次いで、上記で製造した包装用袋内にクッキィ−菓子を充填し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部を形成して個包装製品を製造した。
(2).他方、上記の実施例2で製造した外袋を構成する積層材を使用し、以下、上記の実施例2と同様にして、本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋からなる包装製品を製造した。
上記の包装製品について、通常の貯蔵、流通を経て、しかる後、包装製品を構成する外袋を開封し、更に、個包装体を取り出して開封して内容物を食したところ、溶剤臭は、皆無であった。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、包装用袋を構成する積層材について、印刷模様層、接着剤層等を水性インキ組成物、あるいは、水性接着剤等を使用して形成することに着目し、外袋と内袋とからなる二重袋において、まず、外袋を、少なくとも、基材フィルムと、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、また、内袋を、少なくとも、基材フィルムと、該基材フィルムの表面または裏面またはその両面に設けた水性インキ組成物による印刷模様層と、水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、而して、上記の内袋を使用して内容物を一個づつ個包装し、しかる後、該個包装体を上記の外袋を使用して、該外袋内に個包装体の所定量を充填包装して、2重包装用袋からなる包装製品を製造したところ、前述の有機溶剤系インキを使用した場合の問題点を改善、改良すると共に、特に、水性グラビアインキ、水性接着剤等を使用し、その機能性を損なわず、更に、表面装飾の美麗さ等を有し、かつ、積層材中に残留する有機溶剤臭のない2重包装用袋を製造することができるというものである。
特に、本発明においては、内袋を構成する積層材を水性グラビアインキ、水性接着剤、水性アンカ−コ−ト剤、あるいは、無溶剤型接着剤等を使用して製造することから、該内袋を構成する積層材中に有機溶剤等が残留することなく、従って、残留有機溶剤等が、外袋内に籠もり、外袋を開封したときに、残留有機溶剤が、発散し、その溶剤臭等を感じさせないという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる二重包装用袋を構成する外袋についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図2】本発明にかかる二重包装用袋を構成する内袋についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図3】本発明にかかる外袋と内袋とからなる二重包装用袋の構成についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図4】本発明にかかる外袋を構成する積層材の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
【図5】本発明にかかる外袋を構成する積層材の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
【図6】本発明にかかる内袋を構成する積層材の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
【図7】本発明にかかる内袋を構成する積層材の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
1 積層材
2 ヒ−トシ−ル性樹脂層
3 外周シ−ル部
4 外袋
5 積層材
6 シ−ル部
7 内容物
8 内袋
9 上端シ−ル部
10 二重包装用袋
11 基材フィルム
12 ヒ−トシ−ル性樹脂層
13 バリア−性基材層
21 基材フィルム
22 印刷模様層
23 水性接着剤層
24 水性アンカ−コ−ト剤層
25 無溶剤型接着剤層
26 ヒ−トシ−ル性樹脂層
27 バリア−性基材層
Claims (2)
- 外袋と内袋とからなる二重袋であり、更に、該外袋を、少なくとも、基材フィルムと、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成し、また、該内袋を、基材フィルムとバリア−性基材層とヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層し、更に、上記の基材フィルムの表面または裏面またはその両面には水性インキ組成物による印刷模様層を設けられ、また、上記の積層材を構成する各層間は、水性接着剤による水性接着剤層、水性アンカ−コ−ト剤による水性アンカ−コ−ト剤層または無溶剤型接着剤による無溶剤型接着剤層を介して順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成することを特徴とする二重包装用袋。
- 外袋を、少なくとも、基材フィルムと、バリア−性基材層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層とを順次に積層してなる積層材を使用して製袋してなる包装用袋から構成することを特徴とする上記の請求項1に記載する二重包装用袋。
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1134237A JPH1134237A (ja) | 1999-02-09 |
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ID=16460193
Family Applications (1)
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JP20260497A Expired - Lifetime JP4060910B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 二重包装用袋 |
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1997
- 1997-07-14 JP JP20260497A patent/JP4060910B2/ja not_active Expired - Lifetime
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