JP3908318B2 - 積層材およびそれを使用した包装用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層材およびそれを使用した包装用容器に関し、更に詳しくは、層間にポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物による塗布層を設け、それらの樹脂が有する酸素バリア−性等の効果を安定的に奏することができる積層材およびそれを使用した包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリビニルアルコ−ル系樹脂(以下PVAという。)またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(以下EVOHという。)が有する酸素バリア−性等の効果を発揮させるために、種々の形態の包装用積層材およびそれを使用した包装用容器が開発され、提案されている。
通常、上記のPVAまたはEVOHは、基材となる樹脂のフィルムの片面に、PVAまたはEVOHを含む樹脂組成物をコ−タ−等により塗布し、PVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムとして製造され、使用されている。
而して、上記のようなPVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムは、これらを包装用材料として使用する場合、該PVAまたはEVOHが、吸水し易く、吸水したPVAまたはEVOHは、酸素バリア−性が極端に低下し、このため、上記のPVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムにおいては、通常、該PVAまたはEVOHのコ−ト面に、他の樹脂のフィルムを貼り合わせ、その吸水性を防止し、積層材として使用するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムについて、上記のように積層材の形態で使用するとしても、表面からの吸水性は防止することができるとしても、積層材の周辺端部の端面には、PVAコ−トまたはEVOHコ−トの端面が露出し、この部分からの吸水性を防止することは、極めて困難であり、不可能に近いものである。
このために、上記のPVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムにおいては、高度の酸素バリア−性等が要求される用途には不適であり、高湿度下での使用には耐えないものであるというのが実状である。
そこで本発明は、PVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムが有する酸素バリア−性等の効果を損なうことがなく、高度の酸素バリア−性等が要求される用途に使用可能であり、特に、高湿度下での使用に耐え得る積層材およびそれを使用した包装用容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、基材となる樹脂のフィルムの片面に、PVAまたはEVOHを含む樹脂組成物をコ−タ−等により塗布する際に、PVAコ−トまたはEVOHコ−トの端面が露出しないように、該PVAまたはEVOHを含む樹脂組成物をコ−タ−等によりパタ−ン状に塗布することに着目したものである。
【0005】
而して、本発明者は、上記のパタ−ン状に塗布する技術手段を利用して、少なくとも表基材とヒ−トシ−ル性フィルムとの二枚を積層した積層材であり、更に、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面が露出しないように、該ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を設けて積層材を製造し、該積層材を使用して、これを製袋して包装用容器を製造し、更に、該包装用容器に内容物を充填包装して包装製品を製造したところ、積層材または包装用容器の周辺端部の端面にPVAコ−トまたはEVOHコ−トの端面が露出することなく、これにより、PVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムが有する酸素バリア−性等の効果を何ら阻害することなく、高度の酸素バリア−性等が要求される用途に十分に使用可能であり、特に、高湿度下での使用に耐え得る積層材およびそれを使用した包装用容器を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、少なくとも表基材とヒ−トシ−ル性フィルムとの二枚を積層した積層材であり、更に、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面が露出しないように、該ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を設けたことを特徴とする積層材およびそれを使用した包装用容器に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、上記の本発明にかかる積層材およびそれを使用した包装用容器の構成についてその具体例を例示して図面を用いて説明すると、図1および図2は、本発明にかかる積層材の層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3は、図1に示す本発明にかかる積層材を使用して製袋してなる本発明にかかる包装用容器の構成の一例を示す概略的斜視図であり、図4は、図3に示す本発明にかかる包装用容器のX−X′における概略的切断断面図であり、図5は、図3に示す包装用容器内に内容物を充填包装した包装製品の構成を示す概略的斜視図であり、図6は、本発明にかかる積層材を使用して製袋してなる本発明にかかる包装用容器を使用して内容物を充填包装した別の形態にかかる包装製品の構成を示す概略的斜視図であり、図7、図8および図9は、本発明にかかる積層材を製造する際に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する構成の二三例を示す概略的平面図である。
【0008】
まず、本発明にかかる積層材について、その一例を例示すると、図1に示すように、本発明にかかる積層材Aは、少なくとも表基材1とヒ−トシ−ル性フィルム2との二枚を積層した積層材3からなり、更に、該積層材3の層間に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を設けた層構成からなるものである。
而して、上記の積層材Aにおいて、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4の端面Pは、積層材3の端面Qに露出していない層構成からなるものであり、更に、後述するように、そのヒ−トシ−ル性フィルム2、2面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材であって(後述する図3を参照)、かつ、包装用容器を製造したときに、積層材Aの周辺端部の端面Qにおいて、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4の端面Pが露出しないような層構成からなる積層材である(後述する図4を参照)。
【0009】
次に、本発明にかかる積層材について、別の形態のものを例示すると、図2に示すように、本発明にかかる積層材Bは、上記の図1に示す積層材Aにおいて、少なくとも表基材1とヒ−トシ−ル性フィルム2との二枚を積層した積層材3に、更に、その層間に、他の中間基材5の一層ないしそれ以上を積層した積層材3aからなり、更に、該積層材3aの層間に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を設けた層構成からなるものである。
勿論、上記の積層材Bにおいて、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4の端面Pは、積層材3aの端面Qに露出していない層構成からなるものであり、更に、前述と同様に、そのヒ−トシ−ル性フィルム2、2面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材であって(後述する図3を参照)、かつ、包装用容器を製造したときに、積層材Bの周辺端部の端面Qにおいて、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4の端面Pが露出しないような層構成からなる積層材であることは言うまでもないことである(後述する図4を参照)。
【0010】
上記の例示は、本発明にかかる積層材について、その一二例を例示したものであり、本発明はこれによって限定されるものではないことは言うまでもないことである。
例えば、図示しないが、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層の積層位置としては、積層材の層間であれば、いずれの位置でもよく、例えば、表基材と他の中間基材との層間、他の中間基材とヒ−トシ−ル性フィルムとの層間等のいずれの位置に設けてもよい。
また、本発明においては、その使用目的、用途、充填包装する内容物、その流通形態、販売形態、その他等によって積層材としての層構成を任意に設計し、表基材、他の中間基材、ヒ−トシ−ル性フィルム、その他の素材等を任意に選択して使用し、それらを組み合わせて積層して、本発明にかかる所望の積層材を製造することができるものである。
【0011】
次に、本発明において、上記のような層構成からなる本発明にかかる積層材を使用して製袋してなる本発明にかかる包装用容器について例示すると、本発明にかかる包装用容器としては、上記の図1に示す積層材を使用して製袋してなる包装用容器の例を示すと、図3に示すように、まず、積層材A、Aの2枚を用意し、その最内層を構成するヒ−トシ−ル性フィルム2、2の面を対向させて重ね合わせ、しかる後その積層材A、Aとの周辺端部の3方をヒ−トシ−ルしてヒ−トシ−ル部6、6、6を形成して、本発明にかかる包装用容器Cを製造することができる。
上記の本発明にかかる包装用容器Cにおいて、積層材A中のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4は、高度の酸素バリア−性の効果を発揮するために、ヒ−トシ−ル部6、6、6の点線h、h、hで示される範囲までにパタ−ン状に塗布層4が形成されていることが望ましいものである。
これについて、更に詳しく説明すると、図4に示すように、ヒ−トシ−ル部6において、ヒ−トシ−ル部の幅M内に、積層材A中のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4、4の幅Nが存在していることが望ましいものである。
勿論、包装用容器Cにおいて、積層材Aの周辺端部の端面Qにおいて、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4の端面Pが露出しないような層構成からなることは説明するまでもないことである。
【0012】
本発明において、上記に例示した包装用容器は、その一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではなく、勿論、本発明においては、上記の図2等に示す積層材を使用し、同様にして、本発明にかかる包装用容器を製造することができる。
また、例えば、本発明においては、図示しないが、包装用容器の形態としては、種々の形態のものを製造することができ、後述するように、例えば、自立性袋(スタンディングパウチ)、カゼット型袋、舟底型袋、その他等、種々の形態のものを製造することができるものである。
また、本発明においては、開封のために、周辺端部のヒ−トシ−ル部であって、その開封部に相当する箇所に、例えば、開封用ノッチ、切り欠き部等を刻設することができるものである。
【0013】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる包装用容器内に内容物を充填包装した包装製品について説明すると、図5に示すように、上記の図3に示す包装用容器Cの上方の開口部から内容物7を充填し、しかる後その上方の開口部をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部8を形成して、本発明にかかる包装用容器Cを使用した包装製品Dを製造することができる。
上記の上端シ−ル部8においても、上記と同様に、点線hの範囲までに、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4が設けられていることは説明するまでもないことである。
なお、図5中、6、h等は、前述と同じ意味である。
而して、本発明においては、上記のような包装製品Dは、同じく、図5に示すように、開封用ノッチ9、9等の部分を手に持って、袋体を引き裂いて開封し、これによって内容物7を取り出して、その内容物7に合った用途に供することができるものである。
【0014】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる包装用容器内に内容物を充填包装した包装製品について、別の形態にかかる包装用容器を使用して内容物を充填包装した包装製品を例示すると、図6に示すように、例えば、横ピロ−包装製品Eを例示することができる。
上記の図6において、10、10、は左右のヒ−トシ−ル部を表し、11は、背シ−ル部を表し、点線h、h、hは、前述と同様に、その範囲までに、前述のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4が設けられていることを表すものであり、7は、内容物を表すものである。
【0015】
次に、本発明において、本発明にかかる積層材および包装用容器等を構成する材料、製造法等について説明すると、まず、本発明において、表基材としては、これが、通常、包装用容器を構成する基本素材となるものであることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、アセタ−ル系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
上記において、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トは、これが吸湿性を有することから、ポリ塩化ビニリデン系樹脂をコ−ティングしたコ−トフィルムを使用することが望ましい。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、縦方向または横方向のいずれかの一軸方向、またはその両者の二軸方向に延伸した延伸フィルム等を使用することができる。
また、そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの片面、または両面に、前述のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成するものである。
なお、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0016】
次に、本発明において、ヒ−トシ−ル性フィルムとしては、熱によって溶融して相互に融着し得る樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ−ル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、その他等の樹脂を使用することができる。
本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは上記のような樹脂を主成分とする樹脂組成物によるコ−ティング膜等によって、ヒ−トシ−ル性樹脂層を構成することができる。
その厚さとしては、1〜200μm位、好ましくは、5〜100μm位が望ましい。
【0017】
更に、本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性フィルムとして、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トも同様に使用することができる。
具体的には、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−トを使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
例えば、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
本発明において、上記のようなヒ−トシ−ル性フィルムとして、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
【0018】
次にまた、本発明において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を構成するポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体について説明すると、まず、ポリビニルアルコ−ル系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をアルカリけん化法あるいは酸けん化法等でけん化して製造されるポリビニルアルコ−ル系樹脂を使用することができ、また、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体としては、例えば、酢酸ビニルがおよそ79〜92モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を完全けん化したエチレン含有率25〜50モル%のエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を使用することができる。
【0019】
而して、本発明において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物としては、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を主成分とし、これに、必要ならば、所望の添加剤等を任意に添加し、水、溶剤、希釈剤等を使用して、十分に混練してなる樹脂組成物を使用することができる。
上記において、組成物中に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体の含有率は、5〜30重量%位が望ましい。
次に、本発明において、上記のような樹脂組成物を使用して、前述のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する方法としては、例えば、前述の表基材の片面に、上記の樹脂組成物を使用し、グラビアロ−ルコ−ト、ロ−ルコ−ト、キスロ−ルコ−ト、ナイフコ−ト、スクイズロ−ルコ−ト、リバ−スロ−ルコ−ト、スプレイコ−ト、ディップコ−ト、その他等の通常の塗布方式を使用して形成することができる。
勿論、本発明においては、上記の表基材の代わりに、例えば、中間基材、あるいはヒ−トシ−ル性フィルムの上にも上記のパタ−ン状の塗布層を形成することができるものである。
而して、上記で形成したパタ−ン状の塗布層の面に、表基材、中間基材、ヒ−トシ−ル性フィルム等を積層して、本発明にかかる積層材を製造することができるものである。
なお、本発明において、上記の樹脂組成物の塗布量としては、約0.5g/m2 ないし20g/m2 位、好ましくは、1.0g/m2 ないし5g/m2 位が望ましい。
ところで、本発明においては、パタ−ン状に塗布する方法としては、積層材を製袋する際に、必要な光電管マ−クや、意匠の印刷模様と正確に見当合わせ印刷がなされなければならないことから、グラビア印刷機による塗布方式が最も好ましいものである。
【0020】
本発明において、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する方法について更に詳しく説明すると、上記のパタ−ン状の塗布層を形成する構成としては、図7に示すように、表基材1の上に、該表基材1より内側でこれよりやや狭い範囲内である斜線で示した領域内に、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を形成するものである。
而して、上記のパタ−ン状の塗布層4は、図7に示すように、一点鎖線rで表す外側にあるヒ−トシ−ル部に相当する領域の幅T、Tの範囲内までに及んで形成されていることが望ましい。
本発明において、パタ−ン状の塗布層が、上記のようにヒ−トシ−ル部に相当する領域の幅の範囲内までに及んで形成されていない場合には、製袋して包装用容器を製造しても、該包装用容器の一部において、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層が欠けて、高度な酸素バリア−性を保持することが困難になり望ましくないものである。
【0021】
本発明において、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成するには、例えば、図8および図9に示すように、表基材1の上に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物による複数個のパタ−ン状の塗布層4を形成して、連続的に、多数個取りをすることもできるように形成することもできるものである。
なお、図8および図9中、S、Sで表される二点鎖線は、ヒ−トシ−ル性フィルムあるいは他の中間基材等を積層するとき、あるいは製袋するときのカット線を表す。
【0022】
次に、本発明において、他の中間基材としては、通常、包装用容器は、種々の物品を充填包装する場合、化学的にも、物理的にも過酷な条件に置かれることが多く、そのために、上記のような表基材、ヒ−トシ−ル性フィルム等の他に、通常の軟包装用袋を構成する樹脂のフィルムないしシ−トを同様に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、樹脂のフィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0023】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して、本発明にかかる積層材を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料を製造するときに使用するラミネ−ト方法、例えば、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記のラミネ−トを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0024】
ところで、上記のような積層材の製造法において、押し出しラミネ−トする際の接着性樹脂層を構成する押し出し樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポエイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、あるいはエチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、あるいはそれらを変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、その他等を使用することができる。
また、本発明において、ドライラミネ−トする際の接着剤層を構成する接着剤としては、具体的には、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、その他等を使用することができる。
【0025】
次に、本発明において、本発明にかかる積層材を使用して包装用容器を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、種々の方法があるが、前述の積層材を使用し、そのヒ−トシ−ル性フィルム面を対向して重ね合わせ、更に、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けて、本発明にかかる包装用容器を製造することができる。
上記において、周辺端部をヒ−トシ−ルする形態としては、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、舟底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態をあげることができ、これに合った種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能である。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0026】
本発明において、上記のようにして製造した本発明にかかる包装用容器は、種々の物品の充填包装に使用することができ、例えば、飲食品、洗剤等の工業製品、医薬品、その他等の物品を充填包装するに適するものである。
【0027】
【実施例】
上記の本発明について次に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
(1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの片面に、光電管マ−クの印刷を施し、更に、ポリビニルアルコ−ル樹脂を20重量%含む樹脂組成物を使用してグラビア印刷機で塗布、乾燥して、ポリビニルアルコ−ル樹脂からなるパタ−ン状の塗布層を形成した。
上記において、塗布量は、2g/m2 とした(パタ−ン部の単独の塗布量であって、非塗布部を含むフィルム全面の平均値ではない。)。
また、上記において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの幅は、740mmであり、最終的に、外寸140mm×180mm、シ−ル幅10mmの三方製袋品を二列取りするために、上記のパタ−ン状の塗布層は、130mm×170mmの寸法とし、隣り合ったパタ−ンとの間隔も全て10mmとした。すなわち、シ−ル幅10mmの内側5mmの部分にパタ−ン状の塗布層の端部がくるよにうした。
次に、上記の塗布面に、ポリウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネ−ション法により、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムおよび厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを順次に貼り合わせて、下記の層構成からなる本発明にかかる積層材を製造した。
(1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/パタ−ン状の塗布層/接着剤層/厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
(2).上記の実施例の(1)において、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの片面に、光電管マ−クの印刷を施し、更に、ポリビニルアルコ−ル樹脂を20重量%含む樹脂組成物を使用してグラビア印刷機で塗布、乾燥して、ポリビニルアルコ−ル樹脂からなる塗布層をそのフィルムの全面に形成した以外は、上記の実施例の(1)と同様にして、下記の層構成からなる積層材を製造した。
(2).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/フィルム全面の塗布層/接着剤層/厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
(3).上記の実施例の(1)において、ポリビニルアルコ−ル樹脂を20重量%含む樹脂組成物を一切使用しないで、その他は、上記の実施例の(1)と同様にして、下記の層構成からなる積層材を製造した。
(3).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
【0028】
実験例1
上記の実施例1の(1)、(2)および(3)で製造した積層材について、酸素透過度を測定した。
上記において、(1)の積層材は、そのパタ−ン状の塗布層の部分において測定した。
なお、上記の酸素透過度の測定は、JIS K−7126記載の方法で測定した。
その測定結果を下記の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
上記の表1の結果より明らかなように、実施例1の(1)および(2)のものは、優れているが、実施例1の(3)のものは、劣っていた。
【0031】
実験例2
次に、 上記の実施例1の(1)、(2)および(3)で製造した積層材を使用して製袋し、包装用袋を製造し、該包装用袋の1袋あたり100gのバタ−ピ−ナッツを充填し、しかる後開口部をヒ−トシ−ルして包装製品を製造した。
次に上記の包装製品を40℃×90%R.H.で2ヵ月間保存した後、ピ−ナッツを食して味覚の評価を行った。
なお、上記の評価は、食して、味覚に殆ど変化なしを○とし、味覚が変化し不味く感じたものを×とした。
その結果を下記の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
上記の表2の結果より明らかなように、実施例1の(1)のものは、味覚に優れいた。
これは、実施例1の(1)のものは、酸素透過度をパタ−ン状の塗布層部分で測定したため、酸素透過度測定器の性質上、実施例1の(2)のものと数値的には差がないが、包装用袋を製造し、内容物を充填包装した場合、パタ−ン状の塗布層の端面が露出しているか否かにより、その差が大きく影響し、実施例1の(1)のものの有用性が確認されたことを意味しているものである。
【0034】
実施例2
(1).厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、光電管マ−クの印刷を施し、更に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を18重量%含む樹脂組成物を使用してグラビア印刷機で塗布、乾燥して、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなるパタ−ン状の塗布層を形成した。
上記において、塗布量は、2g/m2 とした(パタ−ン部の単独の塗布量であって、非塗布部を含むフィルム全面の平均値ではない。)。
また、上記において、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、スリットして、280mm幅とし、最終的に、幅130mm×長さ180mm、背シ−ル幅10mm、底シ−ル幅10mmのピロ−製袋品を製造するために、上記のパタ−ン状の塗布層は、120mm×170mmの寸法とした。
すなわち、シ−ル幅10mmの内側5mmの部分にパタ−ン状の塗布層の端部がくるよにうした。
次に、上記の塗布面に、ポリウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネ−ション法により、厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせて、下記の層構成からなる本発明にかかる積層材を製造した。
(1).厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム/パタ−ン状の塗布層/接着剤層/厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム
(2).上記の実施例の(1)において、厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、光電管マ−クの印刷を施し、更に、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を18重量%含む樹脂組成物を使用してグラビア印刷機で塗布、乾燥して、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる塗布層をそのフィルムの全面に形成した以外は、上記の実施例の(1)と同様にして、下記の層構成からなる積層材を製造した。
(2).厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム/フィルム全面の塗布層/接着剤層/厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム
(3).上記の実施例の(1)において、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を18重量%含む樹脂組成物を一切使用しないで、その他は、上記の実施例の(1)と同様にして、下記の層構成からなる積層材を製造した。
(3).厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム/接着剤層/厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム
【0035】
実験例3
上記の実施例2の(1)、(2)および(3)で製造した積層材について、酸素透過度を測定した。
上記において、(1)の積層材は、そのパタ−ン状の塗布層の部分において測定した。
なお、上記の酸素透過度の測定は、JIS K−7126記載の方法で測定した。
その測定結果を下記の表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
上記の表3の結果より明らかなように、実施例2の(1)および(2)のものは、優れているが、実施例2の(3)のものは、劣っていた。
【0038】
実験例4
次に、 上記の実施例2の(1)、(2)および(3)で製造した積層材を使用して製袋し、包装用袋を製造し、該包装用袋の1袋あたり100gのバタ−ピ−ナッツを充填し、しかる後開口部をヒ−トシ−ルして包装製品を製造した。
次に上記の包装製品を40℃×90%R.H.で2ヵ月間保存した後、ピ−ナッツを食して味覚の評価を行った。
なお、上記の評価は、食して、味覚に殆ど変化なしを○とし、味覚が変化し不味く感じたものを×とした。
その結果を下記の表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
上記の表4の結果より明らかなように、実施例2の(1)のものは、味覚に優れいた。
これは、実施例2の(1)のものは、酸素透過度をパタ−ン状の塗布層部分で測定したため、酸素透過度測定器の性質上、実施例2の(2)のものと数値的には差がないが、包装用袋を製造し、内容物を充填包装した場合、パタ−ン状の塗布層の端面が露出しているか否かにより、その差が大きく影響し、実施例2の(1)のものの有用性が確認されたことを意味しているものである。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、基材となる樹脂のフィルムの片面に、PVAまたはEVOHを含む樹脂組成物をコ−タ−等により塗布する際に、PVAコ−トまたはEVOHコ−トの端面が露出しないように、該PVAまたはEVOHを含む樹脂組成物をコ−タ−等によりパタ−ン状に塗布することに着目し、上記のパタ−ン状に塗布する技術手段を利用して、少なくとも表基材とヒ−トシ−ル性フィルムとの二枚を積層した積層材であり、更に、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面が露出しないように、該ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を設けて積層材を製造し、該積層材を使用して、これを製袋して包装用容器を製造し、更に、該包装用容器に内容物を充填包装して包装製品を製造し手、積層材または包装用容器の周辺端部の端面にPVAコ−トまたはEVOHコ−トの端面が露出することなく、これにより、PVAコ−トフィルムまたはEVOHコ−トフィルムが有する酸素バリア−性等の効果を何ら阻害することなく、高度の酸素バリア−性等が要求される用途に十分に使用可能であり、特に、高湿度下での使用に耐え得る積層材およびそれを使用した包装用容器を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層材の層構成の一二例を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる積層材の層構成の一二例を示す概略的断面図である。
【図3】図1に示す本発明にかかる積層材を使用して製袋してなる本発明にかかる包装用容器の構成の一例を示す概略的斜視図である。
【図4】図3に示す本発明にかかる包装用容器のX−X′における概略的切断断面図である。
【図5】図3に示す包装用容器内に内容物を充填包装した包装製品の構成を示す概略的斜視図である。
【図6】本発明にかかる積層材を使用して製袋してなる本発明にかかる包装用容器を使用して内容物を充填包装した別の形態にかかる包装製品の構成を示す概略的斜視図である。
【図7】本発明にかかる積層材を製造する際に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する構成を示す概略的平面図である。
【図8】本発明にかかる積層材を製造する際に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する構成を示す概略的平面図である。
【図9】本発明にかかる積層材を製造する際に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層を形成する構成を示す概略的平面図である。
【符号の説明】
1 表基材
2 ヒ−トシ−ル性フィルム
3 積層材
3a 積層材
4 パタ−ン状の塗布層
5 他の中間基材
6 ヒ−トシ−ル部
7 内容物
8 上端シ−ル部
9 開封用ノッチ
10 左右のヒ−トシ−ル部
11 背シ−ル部
A 積層材
B 積層材
C 包装用容器
D 包装製品
E 横ピロ−包装製品
M ヒ−トシ−ル部の幅
N パタ−ン状の塗布層4、4の幅
P パタ−ン状の塗布層4の端面
Q 積層材3の端面
Q1 積層材Aの周辺端部の端面
T ヒ−トシ−ル部に相当する領域の幅
S カット線
h 点線
r 一点鎖線
Claims (3)
- 少なくとも表基材1とヒ−トシ−ル性フィルム2との二枚を積層した積層材であり、更に、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム2面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面Qに、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面Pが露出しないように、表基材1より内側でこれよりやや狭い範囲内である領域内で、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域内rを含み、更に、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域の外側にある上記のヒ−トシ−ル部に相当する領域の巾Mの範囲内Nまでに及んで、該ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を設けたことを特徴とする積層材。
- 少なくとも表基材1とヒ−トシ−ル性フィルム2との二枚を積層した積層材であり、更に、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム2面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面Qに、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面Pが露出しないが、表基材1より内側でこれよりやや狭い範囲内である領域内で、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域内rを含み、更に、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域の外側にある上記のヒ−トシ−ルする部分Mを含む範囲N内までに、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を設けたことを特徴とする上記の請求項1に記載する積層材。
- 少なくとも表基材1とヒ−トシ−ル性フィルム2との二枚を積層した積層材であり、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム2面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして包装用容器を製造することができる積層材において、上記の積層材の層間に、包装用容器を製造したときに該積層材の周辺端部の端面Qに、ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体からなる層の端面Pが露出しないように、表基材1より内側でこれよりやや狭い範囲内である領域内で、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域内rを含み、更に、ヒ−トシ−ル部に相当しない領域の外側にある上記のヒ−トシ−ル部に相当する領域の巾Mの範囲N内までに及んで、該ポリビニルアルコ−ル系樹脂またはエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を含む樹脂組成物によるパタ−ン状の塗布層4を設けてなる積層材を使用し、該積層材のヒ−トシ−ル性フィルム面を対向させて重ね合わせ、しかる後その周辺端部をヒ−トシ−ルしてヒ−トシ−ル部10、11を形成した構成からなることを特徴とする包装用容器。
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