JP4060439B2 - デジタルスチルカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタルスチルカメラに関し,特に,フォーカルプレーンシャッタを備えながら,液晶ファインダ等の画像表示手段に対して撮影画像を表示できる様にしたことを特徴とするデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の撮像手段に投影された被写体画像を電気的に記録する様にしたデジタルスチルカメラが広く普及している。この種のデジタルスチルカメラでは光学ファインダを通過した被写体像を視認する他にデジタル画像を液晶ファインダ等の画像表示手段に表示できる様にすれば,露出効果等を画像表示手段上で予め確認しての撮影が可能となる。又,スチルカメラ用のシャッタの代表的な物としてはレンズシャッタとフォーカルプレーンシャッタが知られているが,特に,レンズ交換の容易さや高速露出秒時に対する適合性等の点ではフォーカルプレーンシャッタが優れており,電子スチルカメラでもフォーカルプレーンシャッタを使用したいという要望がった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,一般に従来より知られているフォーカルプレーンシャッタは,撮影用光路を遮蔽した状態にある先羽根を撮影用光路を開口する状態に向けて走行させた後に,撮影用光路を開口した状態にある後羽根を撮影用光路を遮蔽する状態に向けて走行させることにより露光動作を行うものであるので,初期状態においては撮影用光路は先羽根によって遮蔽されており,液晶ファインダ等の画像表示装置をファインダとして使用することができず,結局はミラーやペンタプリズム等を使用した光学ファインダを使用せざるを得ないという問題があった。本発明はこの様な問題点に鑑みてなされたものであり,フォーカルプレーンシャッタを使用しながら液晶ファインダ等の画像表示手段に対して撮影画像を表示できる様にしたデジタルスチルカメラを提供することを目的とする。
【0004】
【発明を解決するための手段】
請求項1に係るデジタルスチルカメラは:撮影用レンズと,該撮影用レンズによって形成された光学画像を画像データに変換する撮像手段と,該撮像手段から出力された画像データを視認可能に表示する画像表示手段と,該撮像手段から出力された画像データを記憶する画像データ記憶手段と,前記撮影用レンズから前記撮像手段に至る撮影光路中に配置されていて前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する前記撮影光路を開口した状態と画像データを前記画像データ記憶手段に記憶する前記撮影光路を遮蔽した状態とを切り換えるシャッタ装置と,を備えるデジタルスチルカメラを前提として:前記シャッタ装置が,レリーズ時には前記撮影光路を開口した初期位置から前記撮影光路を開口した前進限まで一方方向へ走行する過程で前記撮影光路を遮蔽した状態を経過する先羽根と,レリーズ時には前記先羽根が走行を開始してから所定時間経過後に前記撮影光路を開口した初期位置から前記撮影光路を遮蔽した前進限まで前記先羽根のあとから同一方向へ走行する後羽根を備えいることを特徴とするものである。請求項1による場合には先羽根は初期位置においては撮影光路を開口した状態に置かれているので,撮像手段は被写界光に露呈されており,撮像手段から出力された画像データを画像表示手段に表示することが可能となる。
【0005】
請求項2に係るデジタルスチルカメラは:上記を前提として:レリーズ時に前記先羽根が前記撮影光路を遮蔽したことを認識する遮蔽認識手段を具備していて,該遮蔽認識手段の出力信号により,前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態から前記画像データ記憶手段に記憶する状態に切り換えるようにしたことを特徴とするものである。又,請求項3に係るデジタルスチルカメラは:請求項2を前提として:前記遮蔽認識手段が,前記先羽根が前記撮影光路を遮蔽する位置に到達したことを検出するセンサであることを特徴とし,請求項4に係るデジタルスチルカメラは請求項2を前提として:前記遮蔽認識手段が,前記先羽根が走行を開始してから前記撮影光路を遮蔽する位置に到達するのに要する時間が経過したことを検出するタイマであることを特徴とするものである。更に,請求項5記載のデジタルスチルカメラは:請求項2,請求項3又は請求項4記載のデジタルスチルカメラを前提として,前記遮蔽認識手段の出力を起算点として前記撮影手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態から前記画像データ記憶手段に対して記憶する動作状態に切り換え,前記撮像手段で得られた画像データを前記画像データ記憶手段に記憶した後は,前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態に切り換えることを特徴とするものである。本発明では,撮像手段は初期状態では被写界光に露呈されており,撮像手段から出力された画像データを画像表示手段に対して表示することが可能となるとともに,先羽根が初期位置から前進限に向けて走行する過程で撮影光路を遮蔽した状態を経過する。従って,遮蔽認識手段が先羽根が前記撮影光路を遮蔽したことを認識したタイミングを起算点として撮像手段から出力された画像データを前記画像データ記憶手段に転送する動作状態に切り換えれば,通常のフォーカルプレンシャッタと同様の露出制御を行うことが可能となる。
【0006】
請求項6に係るデジタルスチルカメラは:請求項1,請求項2,請求項3,請求項4又は請求項5記載のデジタルスチルカメラを前提として:前記撮影用レンズの着脱を検出するレンズ検出手段20を具備し,該レンズ検出手段が前記撮影用レンズの離脱を検出すると前記後羽根を前進限に作動させることを特徴とするものである。即ち,本発明のデジタルスチルカメラは撮像手段は初期状態では被写界光に露呈された状態に置かれているので,レンズ交換等を行う場合には撮像手段を保護することが要望される。そこで,レンズ交換時にはレンズが離脱されるので,レンズの着脱を検出するレンズ検出手段がレンズの離脱を検出したことに基づいて後羽根を前進限に作動させれば撮像手段は後羽根によって遮蔽される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のデジタルスチルカメラに使用されるフォーカルプレーンシャッタの平面図であり,図2は図1から先羽根,後羽根及び羽根の連結機構を除外した平面図である。尚,これらの平面図においては内部機構を視認しやすくする為に地板1は一点鎖線で仮想的に示している。図中において2は先羽根であり,先羽根2は初期位置においては地板1形成された撮影光路APを開口した状態に置かれている。この先羽根2は前進限まで走行すると撮影光路APを再び開口するが,初期位置から前進限まで走行する過程で撮影光路APを遮蔽する状態を通過する。
【0008】
3,4は先羽根2と連結された先羽根連結レバーであり,先羽根連結レバー3は地板1上の軸1aに回動自在に軸支されており,先羽根連結レバー4は地板1上の軸1bに回動自在に軸支されている。先羽根2は先羽根連結レバー3の先端の軸3a及び先羽根連結レバー4の先端の軸4aによって回転可能にカシメられており,先羽根連結レバー3,4は先羽根2を介在して平行リンクを形成している。従って,先羽根連結レバー3を軸1aを中心にして時計方向に回転させると先羽根連結レバー4の回転を伴いながら先羽根2は地板1の上下辺に対して平行状態を維持しながら上から下に向かって走行する。
【0009】
次に,5は後羽根であり,後羽根5は初期位置においては地板1形成された撮影光路APを開口した状態に置かれている。この後羽根5は前進限まで走行すると撮影光路APを遮蔽する。6,7は後羽根5と連結された後羽根連結レバーであり,後羽根連結レバー6は地板1上の軸1cに回動自在に軸支されており,後羽根連結レバー7は地板1上の軸1dに回動自在に軸支されている。後羽根5は後羽根連結レバー6の先端の軸6a及び後羽根連結レバー7の先端の軸7aによって回転可能にカシメられており,後羽根連結レバー6,7は後羽根5を介在して平行リンクを形成している。従って,後羽根連結レバー6を軸1cを中心にして時計方向に回転させると後羽根連結レバー7の回転を伴いながら後羽根5は地板1の上下辺に対して平行状態を維持しながら上から下に向かって走行する。
【0010】
次に,図2を参照して先羽根連結レバー3及び後羽根連結レバー6に駆動力を与える機構に関して説明する。8は先羽根鉄片レバーであり,先羽根連結レバーと同じ軸1aに回動自在に支持されており,スプリング9(図面の煩雑化を避けるため,スプリングは矢印によって付勢方向のみを示す。)によって時計廻りに付勢されている。この先羽根鉄片レバー8の先端には図面上で手前側に向かって係合ピン8aが形成されており,この係合ピン8aは図1に示す先羽根連結レバー3と係合している。従って,先羽根鉄片レバー8がスプリング9によって回転すると先羽根連結レバー3もこれに係合されて時計廻りに回転する。この先羽根鉄片レバー8の時計廻りの回転動作はセットディスク10或いは先羽根マグネット11によって規制されている。
【0011】
先ず,セットディスク10に関して説明する。セットディスク10は地板上の軸1eによって回動自在に支持されるとともにスプリング12によって反時計廻りに付勢されている。このセットディスク10にはセット力を受け入れる為の動力導入アーム10aが形成されており,この動力導入アーム10aはカメラボディー側のセット部材13によって下側に押さえ込まれている。尚,ここでカメラボディ側とはシャッタ地板1上の部材でないという意味であり,セット部材13は例えば図外のモータ等によって上下に駆動され,セット状態では図2に示す位置で図外の係止機構によって係止されて停止しており,係止解除されることにより図面上で上方に退避する様に構成されている。そしてセットディスク10に形成された先羽根セットアーム10bは先羽根鉄片レバー8に形成されたセットカム8bを押して先羽根鉄片レバー8を初期位置でホールドする。次に,先羽根マグネット11に関して説明すると先羽根マグネット11は鉄心及びコイルを有する電磁石で構成される。先羽根鉄片レバー8の裏面には支持プレート8cが形成され,この支持プレート8cの裏側に鉄片8dが若干の遊びを保って保持されている。そして先羽根マグネット11を励磁すると鉄片8dが先羽根マグネット11に磁着され,先羽根鉄片レバー8は初期位置でホールドされる。
【0012】
次に,14は後羽根鉄片レバーであり,後羽根連結レバーと同じ軸1cに回動自在に支持されており,スプリング15によって時計廻りに付勢されている。この後羽根鉄片レバー14の先端には図面上で手前側に向かって係合ピン14aが形成されており,この係合ピン14aは図1に示す後羽根連結レバー6と係合している。従って,後羽根鉄片レバー14がスプリング15によって回転すると後羽根連結レバー6もこれに係合されて時計廻りに回転する。この後羽根鉄片レバー14の時計廻りの回転動作はセットディスク10或いは後羽根マグネット16によって規制されている。
【0013】
そしてセットディスク10に形成された後羽根セットアーム10cは後羽根鉄片レバー14に形成されたセットカム14bを押して後羽根鉄片レバー14を初期位置でホールドする。又,後羽根マグネット16も鉄心及びコイルを有する電磁石で構成される。後羽根鉄片レバー14の裏面には支持プレート14cが形成され,この支持プレート14cの裏側に鉄片14dが若干の遊びを保って保持されている。そして後羽根マグネット16を励磁すると鉄片14dが後羽根マグネット16に磁着され,後羽根鉄片レバー14は初期位置でホールドされる。又,17は羽根位置検出用のフォトインタラプタであり,遮蔽認識手段の一例となるものである。
【0014】
次に,図3は制御系のブロック図であり,11及び16は既述のマグネット,17は既述のフォトインタラプタ,Q1,Q2,Q3はスイッチング用のトランジスタ,R1,R2,R3,R4は抵抗を各々示し,フォトインタラプタ17は発光ダイオード17a及びフォトトランジスタ17bを有している。又,18は撮影用レンズ,19は撮像手段の一例たるCCD,20はレンズ検出手段の一例たるレンズ検出センサを示し,レンズ検出センサ20はレンズ18が周知のレンズマウント部に装着されたことを検出することが可能な限りその構造は問わない。21はCCD19から得られた画像データを蓄積記憶する画像データ記憶手段の一例たる画像メモリであり,画像データを記憶することができる限り例えばメモカードやディスク類等周知の媒体を使用することができる。22はCCD19から得られた画像データを表示する画像表示手段の一例たる液晶表示装置,23はレリーズスイッチ,24は被写界輝度を測定する周知の測光装置を各々示し,測光装置24はCCD19の出力レベルの測定により置き換えることができる。又,26は全体の制御を行う制御装置を各々示す。又,27はフォトインタラプタ17に替えて設けることができる羽根検出タイマであり,先羽根2が走行を開始してから先羽根2が撮影光路APを遮蔽するのに要する時間を設定することによりフォトインタラプタ17を不要とするものである。更に,28は露出秒時をセットする露出制御タイマを示している。
【0015】
次に,上記事項並びに図4乃至図7を参照して上記実施例の動作を説明する。先ず,初期状態において機構は図1に示す状態に置かれている。従って,撮影光路APは開口しており,CCD19はレンズ18を通過した被写界光に露呈されている。この状態で図外の電源スイッチがメークすると制御装置26はCCD19が出力する画像データを液晶表示装置22に表示する。尚,この時の画像データの取り込みは所望によりインタレースとしても良い。さて,この状態でレリーズスイッチ23の第1ストロークで抵抗R1のレベルが上昇すると制御装置26はトランジスタQ1,Q2,Q3を各々オンするとともにセット部材13を上方に退避させる。従って,セットディスク10は図4に示す様にスプリング12の付勢力によって反時計方向に回転し,セットディスク10に形成された先羽根セットアーム10bは先羽根鉄片レバー8に形成されたセットカム8bを解放するとともに,後羽根セットアーム10cは後羽根鉄片レバー14に形成されたセットカム14bを解放する。従って先羽根鉄片レバー8はスプリング9の付勢力によって,後羽根鉄片レバー14はスプリング15の付勢力によって各々僅かに時計廻りに回転するが,この時点ではトランジスタQ1,Q2のオンに伴ってマグネット11,16がともに励磁されているので,先羽根鉄片レバー8は鉄片8dがマグネット11に磁着され,後羽根鉄片レバー14は鉄片14dがマグネット16に磁着されて停止する。図4この様に,セットディスク10が退避した状態を示しており,この時先羽根鉄片レバー8及び後羽根鉄片レバー14の僅かな回転に伴って双方の連結アーム3,4,6,7も各々の軸1a,1b,1c,1dを中心に僅かに時計廻りに回転し,先羽根2及び後羽根5は図面上で僅かに下方に走行する。又,この時点で制御装置26は測光装置24から被写界輝度情報を読み込み,露出制御タイマ28に先羽根2を走行開始させてから後羽根5を走行開始させるまでの遅延時間をセットする。又,トランジスタQ3のオンに伴ってフォトインタラプタ17を構成する発光ダイオード17aが発光してフォトトランジスタ17bが導通し,そのエミッタレベルはLレベルになる。
【0016】
さて,レリーズスイッチ23の第2ストロークで抵抗R2のレベルが上昇すると制御装置26はトランジスタQ1をオフしてマグネット11を消磁し,露出制御タイマ28の設定時間が経過したタイミングでトランジスタQ2をオフしてマグネット16を消磁する。この時点では先羽根鉄片レバー8及び後羽根鉄片レバー14共にセットディスク10から解放されているので,先ず,マグネット11の消磁に伴って先羽根鉄片レバー8はスプリング9の付勢力によって軸1aを中心にして時計廻りに回動し,先羽根鉄片レバー8の時計廻りの回動に伴って先羽根連結レバー3は先羽根連結レバー4を伴って時計廻りに回動して,先羽根2を図面上で下方に走行させる。同様に,マグネット16の消磁に伴って後羽根鉄片レバー14はスプリング15の付勢力によって軸1cを中心にして時計廻りに回動し,後羽根鉄片レバー14の時計廻りの回動に伴って後羽根連結レバー6は後羽根連結レバー7を伴って時計廻りに回動して,後羽根3を図面上で下方に走行させる。そして,先羽根2が図5に示す様に撮影光路APを遮蔽した時点で先羽根2の下端縁がフォトインタラプタ17の光路を遮光し,フォトトランジスタ17bのエミッタレベルがHレベルになって制御装置26に入力される。そして制御装置26は先羽根2よって撮影光路APが遮蔽されたことを認識する。尚,先羽根2が走行を開始してから先羽根2が撮影光路APを遮蔽するのに要する時間を予め測定して羽根検出タイマ27に設定しておき,先羽根用のマグネット11を消磁するのと同時に羽根検出タイマ27を起動すれば,羽根検出タイマ27のタイムアップ出力をフォトインタラプタ17の出力に代用することが可能となり,フォトインタラプタ17やこれに代替される羽根位置検出タイマ27は撮影光路APが先羽根2によって遮蔽されたことを認識する遮蔽認識手段として作用する。又,この時先羽根2の上端縁と後羽根5の下端縁の間には露出秒時に対応したスリットが形成される。
【0017】
さて,この様にして撮影光路APが先羽根2によって遮蔽されたことを認識すると,制御装置26はCCD19の出力である画像データの画像メモリ21に対する転送を開始する。尚,本実施例は画像データの画像メモリ21への転送はノンインタレースモードで行うことを想定している。先羽根2及び後羽根5は各々のスプリング9,15の付勢力によって引き続き下方に向かって走行しており,先羽根2の上端縁が撮影光路APの上端縁を通過した時点からCCD19は先羽根2の上端縁と後羽根5の下端縁で形成されるスリットを通過した被写界光に露呈され,CCD19が出力する画像データはノンインタレースで画像メモリに蓄積される。尚,図6は先羽根2の上端縁と後羽根5の下端縁で形成されるスリットが撮影光路APを横切っている状態を示しており,先羽根2及び後羽根5が図7で示す様にアドバンスエンドまで走行した時点で撮影光路APは後羽根5によって遮蔽される。制御装置26はフォトインタラプタ17の出力によって撮影光路APが遮蔽されたことを認識すると図外の機構によってセット部材13を下方に向けて駆動し,セットディスク10はセット部材13によって動力導入アーム10aが押し下げられ,軸1eを中心にして時計廻りに回転する。従って,セットディスク10に形成された先羽根セットアーム10bはセットカム8bを押しながら先羽根鉄片レバー8を図1に示す初期位置に向けて反時計方向に回転させ,又後羽根セットアーム10cはセットカム14bを押しながら後羽根鉄片レバー14を図1に示す初期位置に向けて反時計方向に回転させる。
【0018】
先羽根鉄片レバーが図7に示す状態から反時計方向に回転すると,先羽根連結レバー3は先羽根連結レバー4を伴いながら反時計方向に回転して先羽根2を図面上で上方に移動させる。同様に,後羽根鉄片レバ−14が図7に示す状態から反時計方向に回転すると,後羽根連結レバー6は後羽根連結レバー7を伴いながら反時計方向に回転して後羽根5を図面上で上方に移動させて,図1に示す初期位置に復帰する。この時に図7を参照すると明らかな様に,先羽根2及び後羽根5がアドバンスエンドに到達した状態においては,セットディスク10に形成された先羽根セットアーム10bと先羽根鉄片レバー8のセットカム8bとの間隔はセットディスク10に形成された後羽根セットアーム10cと後羽根鉄片レバー14のセットカム14との間隔よりも充分に小さいので,図7に示す状態からセットディスク10が時計方向に回転する際には,先羽根鉄片レバー8の復帰動作が後羽根鉄片レバー14の復帰動作よりも先行して行われることになる。従って,撮影光路APが遮蔽された状態が充分に維持されるので,CCD19が出力した画像データを画像メモリ21に取り込むのに要する時間は十分に確保される。
【0019】
次に,図1に示す初期状態からレンズ交換の為にレンズ18が図外のレンズマウントの部分から離脱されるとレンズ検出センサ20がブレークして抵抗R4の端子レベルがLレベルになる。制御装置26は抵抗R4の端子レベルがLレベルになると先羽根マグネット11及び後羽根マグネット16を消磁したままでセット部材13を上方に退避させることによってセットディスク10を時計廻りに回転させる。従って,先羽根側及び後羽根側の各々の鉄片レバー8,14は各々のセットカム8b,14bがセットディスク10の各々のセットアーム10b,10cに追従しながら時計方向に回転する。従って,全ての連結レバー3,4,6,7も時計方向に回転して先羽根2及び後羽根5はアドバンスエンドに至り,撮影光路APは後羽根5によって遮蔽され,CCD19が保護された状態でのレンズ交換が可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した様に,本発明によれば,高速秒時が得やすくレンズ交換の容易なフォーカルプレーンシャッタを使用しながら,初期状態において撮影光路が開放されているので,撮像手段を被写界光に露呈しておくことが出来,撮像手段から得られた画像データを液晶表示装置等の画像表示手段に表示することが可能となる。又,光学ファインダや光学ファインダに光を導く為のミラーやペンタプリズム等が不要となり,小型化軽量化が容易になるとともに,特にミラーの除去に伴いレンズ設計の自由度が高くなる。又,本発明によると,初期状態では撮像手段は被写界光に露呈されているが,シャッタが作動する過程で撮影光路が先羽根によって遮蔽され,その撮影光路が遮蔽されたタイミングを認識することが出来るので,この撮影光路が遮蔽されたタイミングで画像データの転送先を切り換えることにより,通常のフォーカルプレーンシャッタと同様の露出制御を行うことが出来る。又,レンズの離脱検出に基づいて後羽根により撮影光路を遮蔽する様にした場合にはレンズ交換時に撮像手段が不用意に被写界光に露呈されることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用されるフォーカルプレーンシャッタの初期状態における平面図。
【図2】図1に示すフォーカルプレーンシャッタの駆動機構の平面図。
【図3】本発明に係るデジタルスチルカメラの全体構成を示すブロック図。
【図4】図1に示すフォーカルプレーンシャッタのセットディスクを退避させた状態を示す平面図
【図5】図1に示すフォーカルプレーンシャッタで先羽根が撮影光路を遮蔽した状態を示す平面図。
【図6】図1に示すフォーカルプレーンシャッタの露光中の状態を示す平面図。
【図7】図1に示すフォーカルプレーンシャッタをアドバンスエンドまで作動させた状態を示す平面図。
【符号の説明】
AP 撮影光路
2 先羽根
5 後羽根
17 フォトインタラプタ
18 撮影レンズ
19 CCD
20 レンズ検出センサ
21 画像メモリ
22 液晶表示装置
27 羽根検出タイマ

Claims (6)

  1. 撮影用レンズと,該撮影用レンズによって形成された光学画像を画像データに変換する撮像手段と,該撮像手段から出力された画像データを視認可能に表示する画像表示手段と,前記撮像手段から出力された画像データを記憶する画像データ記憶手段と,前記撮影用レンズから前記撮像手段に至る撮影光路中に配置されていて前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する前記撮影光路を開口した状態と画像データを前記画像データ記憶手段に記憶する前記撮影光路を遮蔽した状態とを切り換えるシャッタ装置と,を備えるデジタルスチルカメラであって,前記シャッタ装置が,レリーズ時には前記撮影光路を開口した初期位置から前記撮影光路を開口した前進限まで一方方向へ走行する過程で前記撮影光路を遮蔽した状態を経過する先羽根と,レリーズ時には前記先羽根が走行を開始してから所定時間経過後に前記撮影光路を開口した初期位置から前記撮影光路を遮蔽した前進限まで前記先羽根のあとから同一方向へ走行する後羽根とを備えていることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  2. 請求項1記載のデジタルスチルカメラにおいて,レリーズ時に前記先羽根が前記撮影光路を遮蔽したことを認識する遮蔽認識手段を具備していて,該遮蔽認識手段の出力信号により,前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態から前記画像データ記憶手段に記憶する状態に切り換えるようにしたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  3. 請求項2記載のデジタルスチルカメラにおいて,
    前記遮蔽認識手段が,前記先羽根が前記撮影光路を遮蔽する位置に到達したことを検出するセンサであることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  4. 請求項2記載のデジタルスチルカメラにおいて,
    前記遮蔽認識手段が,前記先羽根が走行を開始してから前記撮影光路を遮蔽する位置に到達するのに要する時間が経過したことを検出するタイマであることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  5. 請求項2,請求項3又は請求項4記載のデジタルスチルカメラにおいて,前記遮蔽認識手段の出力を起算点として前記撮影手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態から前記画像データ記憶手段に対して記憶する動作状態に切り換え,前記撮像手段で得られた画像データを前記画像データ記憶手段に記憶した後は,前記撮像手段から出力された画像データを前記画像表示手段に表示する状態に切り換えることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  6. 請求項1,請求項2,請求項3,請求項4又は請求項5記載のデジタルスチルカメラにおいて,
    前記撮影用レンズの着脱を検出するレンズ検出手段を具備し,該レンズ検出手段が前記撮影用レンズの離脱を検出すると前記後羽根を前進限に作動させることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
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