JP4059987B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱調理器に関し、更に詳しくは、ガステーブルコンロのタイマー機能を有効利用する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の加熱調理器として、天ぷら温度自動調節モード、湯沸しモード及び炊飯モード等の各種調理モード、並びに消火制御を伴うお知らせ機能を備えたタイマモードを備えたガステーブルコンロが知られている。これらの機能は、ガステーブルコンロに設けられた各種操作部を用いて選択され使用される。従来のガステーブルコンロは、燃焼制御中にタイマモードが選択されると、選択されたタイマー時間のカウントが開始された後、タイムアップと同時に消火制御がなされるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ユーザが火加減を調整するタイミングや料理の出来具合を確認するタイミングを知る目的でタイマーをセットすると、ユーザとしてはタイムアップとなっても燃焼制御をそのまま継続させたいのにもかかわらず、タイムアップと同時に消火制御がなされていた。そのため、このような目的でタイマーをセットした場合には、もう一度点火操作をしなおさなければならず不便であった。
【0004】
また、料理によっては、消火制御によって被調理物の温度が急激に低下するとその出来具合に影響を受けるものもある。このような場合には、ユーザはタイムアップと同時に消火がなされると困るため、結局、被調理物の調理状態に逐一注意を払わなければならなかった。そのため、燃焼制御を継続させながら火加減等を確認するタイミングを知りたい場合には、ガステーブルコンロとは別にキッチンタイマーを購入しこれを利用するほかなかった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、燃焼制御とは独立した単なるお知らせタイマーとしての機能を設けることにより、器具使用上の安全性を確保し、且つ省電力を実現しつつ、便利に使用することができる加熱調理器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の請求項1に記載の加熱調理器は、被調理物を加熱するバーナと、複数のタイマー時間のうち所望のタイマー時間を選択しタイマーを起動させるための操作手段と、選択されたタイマー時間及び残り時間を表示する表示手段と、タイムアップを報知する報知手段と、装置各部を制御すると共に、前記タイマーをカウントするための低速又は高速のクロック信号が発信可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操作手段により前記タイマーが起動された場合には、前記表示手段に前記タイマー時間及び残り時間を表示させ、前記タイマー時間が経過した後には前記バーナの燃焼を停止させることなくタイムアップを報知手段に報知させると共に、前記バーナの燃焼が停止している場合には、前記低速のクロック信号によりタイマーを制御する一方、前記バーナが燃焼している場合には、前記高速のクロック信号により前記タイマーを制御することを要旨とするものである。
【0007】
このように構成された加熱調理器によれば、操作手段によりタイマーが起動されると、表示手段にタイマー時間及び残り時間が表示され、タイマー時間が経過した後、タイムアップが報知手段により報知される。一方、タイムアップ時の燃焼制御はそのまま継続されるため、ユーザは、料理の出来具合、火力等を確認して所定のタイミングで味付けや火加減の調整を行うことができる。また、前記制御手段は、タイマー及び燃焼停止中は、クロックを停止し、前記操作手段によりタイマーが起動された場合には、燃焼制御の有無に応じて低速又は高速のクロックで動作するため、加熱調理器は、タイマー及び燃焼停止中は、クロックが停止され、燃焼制御時には、高速のクロックで運転され、燃焼制御時以外にタイマーが起動された場合には、低速のクロックで運転される。これにより、加熱調理器の消費電力が抑えられることになる。
【0008】
この場合に、請求項2に記載の加熱調理器のように、前記複数のタイマー時間は、ユーザの使用目的に応じて定められているとよい。そうすれば、調理方法に応じてタイマー時間が選択されることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるガステーブルコンロの概略的なブロック構成を示したものである。図示されるように、ガステーブルコンロ10は、燃焼ガスを供給する二股に分岐した主ガス管路12に連通して、その一方にガスバーナ14、他方にグリルバーナ16がそれぞれマグネット安全弁18,20、及び図示しないキープソレノイドを介して設けられている。
【0011】
そしてガスバーナ14の中心部には、該ガスバーナ14上に載置される調理鍋の外底温度を検出する温度検出器22が設けられている。ガスバーナ14の近傍には、該ガスバーナ14の炎を検知する炎検知器24が設けられ、これにより、イグナイタ26によって点火された炎が検知される。同様にして、グリルバーナ16にも同様の炎検知器28、イグナイタ30が設けられている。
【0012】
そして、ガステーブルコンロ10の前面パネルには、詳細な図示は省略しているが、ガスバーナ14やグリルバーナ16を点火又は消火するための点火消火スイッチ32が各バーナ毎に設けられ、更に各スイッチの近傍にその火力を調節するための火力調整レバーが、やはり各バーナ毎にそれぞれ設けられている。
【0013】
その前面パネルには、更にユーザが選択したタイマー時間が経過したことをお知らせするブザー34、及び操作表示盤36が設けられている。この操作表示盤36には、タイマー時間の選択に使用するキッチンタイマスイッチ38、並びに調理モードの選択に使用する調理モードスイッチ40が設けられている。符号42a〜42eは、LEDを示しており、LED42a〜42eは、タイマー時間(残り時間を含む)の表示、及び調理モードの表示に兼用される。
【0014】
LED42a〜42eは、それぞれタイマー時間及び残り時間が3分,5分,7分,10分,15分に対応する。キッチンタイマスイッチ38によりタイマー時間の選択がなされると、タイマスイッチLED38a(図2参照)、及び選択されたタイマー時間に対応したLED42a〜42eのうちのいずれかのLEDが点灯する。LED42a〜42eは、タイマー時間のカウント開始と同時に点滅し、刻々と変化する残り時間に対応してその点滅箇所が切り替わる。
【0015】
符号44は、燃焼制御部を示す。燃焼制御部44は、ガスバーナ14が備えられるコンロを制御するコンロ制御部46が備えられ、マグネット安全弁18を駆動制御するマグネット安全弁駆動回路48、ガスバーナ14の炎を検知する炎検知回路50、及びガスバーナ14上に載置される鍋の外底温度を検出する温度検出回路52が設けられている。更に燃焼制御部44は、グリルバーナ16が備えられるグリル庫を制御するグリル制御部54が備えられ、マグネット安全弁駆動回路56、及び炎検知回路58が設けられる。詳細な図示は省略するがマグネット安全弁駆動回路48,56、炎検知回路50,58、及び温度検出回路52は、CPU(中央制御回路)60に接続されている。
【0016】
このCPU60は、点火消火スイッチ32、キッチンタイマスイッチ38等の操作や燃焼制御状態に応じて装置各部に指令信号を送出するものである。CPU60は、キッチンタイマスイッチ38によりタイマー時間が選択されると、燃焼制御とは独立して、選択されたタイマー時間に対応したLED42a〜42eのうちいずれかを点灯させ、そのカウントが開始された後は残り時間に対応したLEDを点滅させ、選択されたタイマー時間が経過した後にブザー34にお知らせ音を発生させるものである。
【0017】
CPU60は、図示されるように各ポートを介して装置各部に接続されている。ポートPδは、これに上述した燃焼制御部44が接続され、その通電制御に用いられる。ポートP1,P2は、ストップモード解除ポートであり、各々にキッチンタイマスイッチ38,点火消火スイッチ32がトランジスタ62,64を介して接続され、CPU60の後述するストップモードを解除するのに用いられる。
【0018】
ポートP3〜P7は、LED制御ポートであり、各々にタイマー時間及び残り時間を表示するLED42a〜42eが接続されている。すなわち、ポートP3〜P7は、それぞれ3分,5分,7分,10分,15分に対応している。
【0019】
更にCPU60は、図示されるように発振周波数4MHzのセラミック発振子からなる高速クロック66a(Icc=6mA)と、発振周波数32.768kHZの水晶振動子からなる低速クロック66b(Icc=30mA)とを備えており、ポートP1,P2における信号値によっていずれのクロックによって動作するのかを決定する。
【0020】
すなわち、CPU60は、ポートP1がイネーブルである場合には、ポートP2における信号値に係わらず高速クロック66aによる高速モードで動作し、ポートP1がディセーブルであってポートP2がイネーブルである場合には、低速クロック66bによる低速モードで動作する。したがって、高速クロック66aは、燃焼制御時、及び燃焼制御時における当該燃焼制御とは独立したタイマー制御時に用いられ、低速クロック66bは、燃焼制御時以外におけるタイマー制御時に用いられることになる。
【0021】
一方、CPU60は、ポートP1,P2のいずれもがディセーブルである場合、すなわち、タイマーが停止し、且つ燃焼も停止している場合にはストップモードになり、消費電流が極端に抑えられる。ちなみに、「通常モード」というときは、CPU60が高速クロック又は低速クロックで動作する動作モードを指し、「ストップモード」というときは、CPU60のクロックが停止した状態、すなわち、タイマーが停止し、且つ燃焼も停止した状態を指すものとする(Icc=1mA)。
【0022】
また、詳細な図示は省略するが、CPU60には、上述したブザーや調理モードスイッチの他、制御プログラムを格納したROM(リードオンリメモリ)やRAM(ランダムアクセスメモリ)等が接続されている。CPU60の電源回路には、3Vの電池が用いられ、各駆動回路の給電用としても用いられる。
【0023】
図2は、上述した操作表示盤の盤面を詳細に示したものである。同図に示した操作表示盤36に設けられたLED42a〜42eの点灯を目印にユーザが選択できるタイマー時間は、使用頻度が高い複数のタイマー時間が予め設定されており、キッチンタイマスイッチ38を用いて、3分,5分,7分,10分,15分の5段階で選択できる。
【0024】
各タイマー時間は、3分がカップラーメンやレトルト食品の温め用として,5分が麺類や半熟卵用として,7分がスパゲティやゆで卵、焼魚用として,10分が、スパゲティやパスタ、堅ゆで卵、肉まん、煮物用として,15分が茶碗蒸しや煮物用として使用できる。したがって、ユーザは調理方法に応じてタイマー時間を選択し利用することができる。
【0025】
実際の加熱時間は、被調理物の量や好みに応じて差はあるが、残り時間を上記した3分,5分,7分,10分,15分として点滅表示すれば、大抵の料理をカバーすることができる。また、このタイマー時間設定は、人間の時間に対する感覚に適したものとなっている。
【0026】
一方、調理モードスイッチ40を用いて選択できる調理モードとしては、天ぷらモード160℃,天ぷらモード180℃,天ぷらモード200℃,湯沸しモード,炊飯モードがある。操作表示盤34は、調理モードスイッチ40により調理モードの選択の操作がなされると、モードスイッチLED40a(図2参照)、及び選択された調理モードに対応したLEDが点灯するように構成されている。
【0027】
次に、このようなハードウエア的構成を備えたガステーブルコンロ10が点火消火スイッチ32や操作表示盤36に設けられた各種スイッチを操作することで、どのように制御されるのかを説明する。
【0028】
ガステーブルコンロ10がストップモード状態にある場合に、ユーザがコンロに鍋を載せて点火消火スイッチ32をONするとポートP1がイネーブルとなりストップモード解除信号がCPU60へ入力される。CPU60は、高速モードで動作を開始し、燃焼制御に入る。そして燃焼制御時において、ユーザが料理の出来具合を確かめるタイミングをお知らせ音により知る目的でキッチンタイマスイッチ38をONし、タイマー時間として15分を選択したとする(その後は、タイマー時間が経過するまでガステーブルコンロの操作をしないものとする)。
【0029】
そうすると、CPU60は高速モードで燃焼制御を継続しながら、当該燃焼制御とは独立して当該タイマー時間のカウント制御を開始し、タイマー時間の残り時間に対応したLED42e〜LED42aを順次点滅させる。15分が経過したところでタイムアップとなり、CPU60はブザー34にお知らせ音を発生させる。その一方で、CPU60は、高速モードのまま当該燃焼制御をそのまま継続する。
【0030】
これにより、ユーザは、タイマー機能を料理の出来具合や火加減の確認のために時間の経過を知らせてくれるものとしてガステーブルコンロを便利に使用できる。その後ユーザが点火操作スイッチ32をOFFすると、CPU60は再びストップモードになり、ガステーブルコンロ10の運転が停止される。
【0031】
次に、ガステーブルコンロ10がストップモード状態にある場合に、ユーザがインスタント食品の時間を図るため、キッチンタイマスイッチ38をONしタイマー時間として5分を選択したとする。そうすると、ポートP2がイネーブルになりストップモード解除信号がCPU60へ入力される。CPU60は、燃焼制御とは独立して低速モードで動作を開始し、当該タイマー時間のカウント制御を開始し、タイマー時間の残り時間に対応したLED42b〜LED42aを順次点滅させる。5分が経過したところでタイムアップとなり、CPU60はブザー34にお知らせ音を発生させた後、ストップモードに入る。
【0032】
これにより、ユーザは、タイマー機能をカップラーメン等の待ち時間を計る目的で、ガステーブルコンロをより便利に使用することができる。更にこの場合には、CPU60は、低速クロックで動作するものであるから、消費電力が抑えられ省電力化が実現されている。
【0033】
また、本実施の形態に係るガステーブルコンロ10によれば、高速モードで動作する燃焼制御中にタイマー制御が開始され、そのまま燃焼制御が停止された場合には、CPU60は、自動的に低速モードへと動作モードを切り替え、同様に、低速モードで動作するタイマー制御中に燃焼制御が開始された場合には、自動的に高速モードへと動作モードを切り替える。更に、燃焼制御中でもタイマー制御中でもない場合には、ストップモードになる。このように、CPU60はガステーブルコンロ10の運転状態に応じて動作モードを切り替え、これにより、消費電力が切り替えられるから消費電力が抑えられ省電力化が実現されることになる。
【0034】
尚、燃焼制御中(加熱中)において、ガステーブルコンロ10に搭載されるタイマを単なるお知らせタイマとして使用する場合には、タイムアップと同時に消火制御がなされないため、消し忘れ等が懸念されるが、その防止策として従来から別個に搭載されている消し忘れタイマ(コンロ:2時間、グリル:26分)による各種安全機能が働くため火災は防止される。したがって、ユーザは安全にガステーブルコンロを使用することができる。
【0035】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、燃焼制御中においては高速モードで運転し、燃焼制御中でない場合におけるタイマー時間のカウント中は低速モードで運転するようにしたが、このようにクロックを二つ設けることなくクロックを一つにして、機能動作上必要な回路ブロックにのみ通電するようにし、不要な回路ブロックへの通電は停止するようにしても省電力化が図られる。また、消火制御を伴うタイマーお知らせ機能を備えたガステーブルコンロに、上記実施の形態に係るタイマー機能を搭載してもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の加熱調理器によれば、操作手段によりタイマーが起動されると、燃焼制御とは独立して、表示手段にタイマー時間及び残り時間が表示され、タイマー時間が経過した後にタイムアップが報知手段により報知されるから、タイムアップ時の燃焼制御はそのまま継続され、ユーザは、料理の出来具合の確認用や火加減の調整用としてタイマー機能を使用することができる。これにより、ユーザは、より便利にガステーブルコンロを使用することができる。係る加熱調理器は、燃焼制御とは独立してタイムアップを報知するものであるから、インスタント食品の待ち時間を計る等にも利用することができ、ユーザは、より便利にガステーブルコンロを使用することができる。また、燃焼制御がなされていない状態において、操作手段によりタイマーが起動されると、制御手段は、低速のクロックで動作し、タイマー及び燃焼停止中においてはクロックを停止するから省電力化が実現されることになる。
【0037】
本発明の請求項2に記載の加熱調理器によれば、複数のタイマー時間は、ユーザの使用目的に応じて定められたものであるから、ユーザは調理方法に応じてタイマー時間を選択することができ、便利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのガステーブルコンロの概略的な制御ブロックを示した図である。
【図2】図1に示したガステーブルコンロの操作表示盤面を示した図である。
【符号の説明】
36 操作表示盤
38 キッチンタイマスイッチ
42a〜42e LED
34 ブザー
60 CPU(中央制御装置)
P1,P2 ストップモード解除ポート
P3,P4,P5,P6,P7 LED制御ポート
66a 高速クロック
66b 低速クロック
Claims (2)
- 被調理物を加熱するバーナと、複数のタイマー時間のうち所望のタイマー時間を選択しタイマーを起動させるための操作手段と、選択されたタイマー時間及び残り時間を表示する表示手段と、タイムアップを報知する報知手段と、装置各部を制御すると共に、前記タイマーをカウントするための低速又は高速のクロック信号が発信可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、前記操作手段により前記タイマーが起動された場合には、前記表示手段に前記タイマー時間及び残り時間を表示させ、前記タイマー時間が経過した後には前記バーナの燃焼を停止させることなくタイムアップを報知手段に報知させると共に、前記バーナの燃焼が停止している場合には、前記低速のクロック信号によりタイマーを制御する一方、前記バーナが燃焼している場合には、前記高速のクロック信号により前記タイマーを制御することを特徴とする加熱調理器。
- 前記複数のタイマー時間は、ユーザの使用目的に応じて定められていることを特徴とする請求項1に記載される加熱調理器。
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