JP4059713B2 - 油圧緩衝器の車体取付部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器の車体取付部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の懸架装置を構成する油圧緩衝器は、ピストンロッドの上端を車体側に、シリンダの下端を車輪側に連結している。そして、ピストンロッドの上端に設けられる車体取付部構造は、ピストンロッドの上端部に挿通されるジョイントカラーによって位置規制される上下のワッシャの間にマウントラバーを設け、ピストンロッドのねじ部に螺着したナットにより上ワッシャを介してマウントラバーを挟み込んで車体に取付けることとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、実公昭62-46934に記載の如く、油圧緩衝器の組立過程で、ピストンロッドに対するジョイントカラーの抜け止めと回り止めを図るため、ピストンロッドのジョイントカラーがラップする部分に面取部をフライス加工し、ジョイントカラーをピストンロッドの上記面取部に加締め固定している。
【0004】
このため、従来技術では、ピストンロッドに面取部を追加工する必要があり、コスト高になる。
【0005】
本発明の課題は、油圧緩衝器の車体取付部構造において、ピストンロッドに追加工することなしに、ジョイントカラーの抜け止めと回り止めを図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ピストンロッドの上端部に挿通されるジョイントカラーによって位置規制される上下のワッシャの間にマウントラバーを設け、ピストンロッドのねじ部に螺着したナットにより上ワッシャを介してマウントラバーを挟み込んで車体に取付ける油圧緩衝器の車体取付部構造において、ピストンロッドのねじ部の下端部の周方向の一部をジョイントカラーにて加締め、該ジョイントカラーをピストンロッドに取付けたようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ジョイントカラーがピストンロッドより硬い材料からなるようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2のいずれかの発明において更に、前記ピストンロッドがねじ部に続く下端側に小径部を備えてなるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器の組立中間状態を示す断面図、図2は油圧緩衝器の車体取付状態を示す断面図、図3は油圧緩衝器の車体取付部構造を示し、(A)は断面図、(B)は(A)の要部拡大図である。
【0010】
油圧緩衝器10は、図1、図2に示す如く、シリンダ(又はダンパチューブ)11にピストンロッド12を挿入し、シリンダ11に車輪取付部13を備えて車輪側に連結され、ピストンロッド12に車体取付部14を備えて車体側に連結される。
【0011】
油圧緩衝器10は、車両が路面から受ける衝撃力を懸架ばね(本実施形態では別置き)により吸収する。そして、油圧緩衝器10は、懸架ばねの伸縮に伴うピストンロッド12の上下動時に、ピストンロッド12のシリンダ11への挿入端に固定のピストンに設けてあるピストンバルブ装置、シリンダ11に設けてあるベースバルブ装置等の減衰力発生装置が発生する減衰力により、その伸縮振動を制振する。
【0012】
しかるに、油圧緩衝器10は、車体取付部14を以下の如くに構成している。車体取付部14は、ピストンロッド12の段差部12Aにストッパプレート21を係止し、ストッパプレート21の上に下ワッシャ22を載せ、下ワッシャ22の上にジョイントカラー23を配置し、下マウントラバー24の内径がジョイントカラー23に弾発的に抱きつく状態で係合して配置され、図1に示す如くの組立中間状態(部品メーカーから車体メーカーへの納入状態)になる。
【0013】
車体取付部14は、車体取付時に、図1の組立中間状態にあるピストンロッド12の上端部を車体側取付ベース15の取付孔に挿入し、この車体側取付ベース15を下マウントラバー24と上マウントラバー25で挟み、ジョイントカラー23の上に配置される上ワッシャ26を介して、ピストンロッド12のねじ部28に螺着されるナット27でそれらのマウントラバー24、25を挟み込む。ジョイントカラー23は、上下のワッシャ22、26の最小間隔を規制する規制部材であり、上下のマウントラバー24、25に所定の軸力をかける。
【0014】
即ち、車体取付部14は、ピストンロッド12の上端部に挿通されるジョイントカラー23によって位置規制される上下のワッシャ22、26の間に上下のマウントラバー24、25を設けるとともに、それらのマウントラバー24、25の間に車体側取付ベース15を設け、ピストンロッド12のねじ部28に螺着したナット27により上ワッシャ26を介してマウントラバー24、25を挟み込んで車体側取付ベース15に取付ける。
【0015】
車体取付部14のジョイントカラー23は下記(a)〜(c)のとおり、ピストンロッド12に対して抜け止めと回り止めされ、かつ下ワッシャ22の側に移動できることが必要とされる。
【0016】
(a)まず、図1の組立中間状態では、ストッパプレート21、下ワッシャ22、ジョイントカラー23、下マウントラバー24がピストンロッド12の段差部12Aに載っているだけの状態であり、これらの部品が搬送中にピストンロッド12から脱落する可能性があり、ジョイントカラー23をピストンロッド12に対し抜け止めする必要がある。
【0017】
(b)次に、図2の如くに車体に取付ける際に、上マウントラバー25を上ワッシャ26を介してナット27で締め込むとき、空圧又は電動の工具でナット27を螺動すると、ピストンロッド12がナット27に連れ回りしてナット27を締め込みできず、マウントラバー24、25に十分な軸力をかけることができない。そこで、ジョイントカラー23をピストンロッド12に対して回り止めしておき、ピストンロッド12に作用する回転力がジョイントカラー23に伝わるとき、ジョイントカラー23がマウントラバー24、25を介して車体側取付ベース15に摩擦結合していることによってピストンロッド12の回転を阻止する必要がある。
【0018】
(c)また、ジョイントカラー23はピストンロッド12の段差部12Aに係止しているストッパプレート21及び下ワッシャ22とナット27及び上ワッシャ26に挟まれるマウントラバー24、25に所定の軸力をかけるための規制部材であるから、ナット27の螺動とともに移動して下ワッシャ22に当接する必要がある。従って、ジョイントカラー23はピストンロッド12に対し下ワッシャ22の側に移動できる必要がある。
【0019】
本実施形態では、下記(1)、(2)の構造により、上述(a)〜(c)を実現する(図3)。
(1)ピストンロッド12のねじ部28を少し長く設け、ピストンロッド12に組付けられたジョイントカラー23の上端部にねじ部28の下端部がラップするようにする。そして、ピストンロッド12のねじ部28の下端部の周方向の一部を、ジョイントカラー23とともに加締め、ジョイントカラー23をピストンロッド12に取付ける。23A、28Aは加締めによるつぶれ部を示す。
【0020】
ジョイントカラー23のつぶれ部23Aは、ピストンロッド12のつぶれ部28Aに対する上端側のねじ部28と軸方向で係合し、抜け止めされる。これにより、前述(a)のストッパプレート21、下ワッシャ22、ジョイントカラー23、下マウントラバー24の搬送中の脱落を防止できる。
【0021】
ジョイントカラー23のつぶれ部23Aとピストンロッド12のねじ部28のつぶれ部28Aはともにそれらの周方向の一部を平坦部にするものとなり、ジョイントカラー23とピストンロッド12は平坦部同士の嵌合により相対回転できずに、回り止めされる。これにより、ナット27を締め込んだときの前述(b)のピストンロッド12の連れ回りを阻止し、ナット27はマウントラバー24、25に十分な軸力をかけることができる。
【0022】
このとき、ジョイントカラー23でピストンロッド12のねじ部28をつぶす必要があるから、ジョイントカラー23をピストンロッド12より硬い材料にて構成する。例えばピストンロッド12がS20Cのとき、ジョイントカラー23はS45C等とする。ジョイントカラー23とピストンロッド12が同一材料でも、鍛造等の加工効果により、ジョイントカラー23がピストンロッド12より硬くなれば、ジョイントカラー23によってピストンロッド12のねじ部28をつぶすことができるから、それでも良い。
【0023】
ジョイントカラー23とピストンロッド12に設ける加締め部(つぶれ部23A、28A)は、それらの軸方向の複数箇所、周方向の複数箇所に設けることができるが、それらの一箇所だけに設けることで、加締加工装置を簡易化できるし、ジョイントカラー23の抜け止めと回り止めの機能を十分に果せる。
【0024】
(2)ピストンロッド12のねじ部28に続く下端側部分を小径部29とする。ジョイントカラー23のつぶれ部23Aは、ピストンロッド12のつぶれ部28Aに対する下端側の小径部29に軸方向で相接する。小径部29はジョイントカラー23の下方(下ワッシャ22の側)への移動のための逃げ部となり、ジョイントカラー23は小径部29の軸方向長さ範囲内で下ワッシャ22の側に移動できる。これにより、ジョイントカラー23は前述(c)の如くにナット27の螺動とともに移動して下ワッシャ22に当接し、ナット27はジョイントカラー23による規制下でマウントラバー24、25に所定の軸力をかけることができる。
【0025】
尚、ピストンロッド12のねじ部28は転造成形により作成される。ピストンロッド12は、この転造成形時に、ねじ部28の下端側に小径部29(ねじ加工しない部分)を作成しておくことで、ジョイントカラー23がねじ部28の下端部の3〜5山を加締めてつぶしたときに、ジョイントカラー23を下方へ移動可能とする。
【0026】
油圧緩衝器10は、外装部品としては、図1に示す如く、ストッパプレート21の下でピストンロッド12に抱きつくウレタン等からなるバンプラバー16、シリンダ11の上端面に設けたバンプストッパキャップ17を有する。また、バンプラバー16の外周を覆うバンプ規制カップ18が、ストッパプレート21と下ワッシャ22の間に挟まれて固定され、バンプ規制カップ18の外側に樹脂製ダストカバー19が取付けられる。
【0027】
本実施形態によれば以下の作用がある。
(請求項1に対応する作用)
▲1▼ピストンロッド12のねじ部28の下端部の一部をジョイントカラー23にて加締めることにより、ジョイントカラー23の抜け止めと回り止めが同時にできる。ピストンロッド12に対し、加締め加工のための格別な追加工を施す必要がない。
【0028】
(請求項2に対応する作用)
▲2▼ジョイントカラー23がピストンロッド12より硬い材料からなることにより、ジョイントカラー23を加締めたときに、ピストンロッド12のねじ部28がつぶれ、ジョイントカラー23の抜け止めと回り止めが確実にできる。
【0029】
(請求項3に対応する作用)
▲3▼ジョイントカラー23はピストンロッド12のねじ部28の下端部に加締められ、上方には抜け止めされるが、小径部29の存在によって下方には移動できる。このため、ジョイントカラー23はナット27の締め込みとともに下方に移動して下ワッシャ22に当接し、マウントラバー24、25に所定の軸力をかけることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、油圧緩衝器の車体取付部構造において、ピストンロッドに追加工することなしに、ジョイントカラーの抜け止めと回り止めを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器の組立中間状態を示す断面図である。
【図2】図2は油圧緩衝器の車体取付状態を示す断面図である。
【図3】図3は油圧緩衝器の車体取付部構造を示し、(A)は断面図、(B)は(A)の要部拡大図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
12 ピストンロッド
15 車体側取付ベース
22 下ワッシャ
23 ジョイントカラー
23A つぶれ部
24 下マウントラバー
25 上マウントラバー
26 上ワッシャ
27 ナット
28 ねじ部
28A つぶれ部
29 小径部
Claims (3)
- ピストンロッドの上端部に挿通されるジョイントカラーによって位置規制される上下のワッシャの間にマウントラバーを設け、ピストンロッドのねじ部に螺着したナットにより上ワッシャを介してマウントラバーを挟み込んで車体に取付ける油圧緩衝器の車体取付部構造において、ピストンロッドのねじ部の下端部の周方向の一部をジョイントカラーにて加締め、該ジョイントカラーをピストンロッドに取付けたことを特徴とする油圧緩衝器の車体取付部構造。
- 前記ジョイントカラーがピストンロッドより硬い材料からなる請求項1に記載の油圧緩衝器の車体取付部構造。
- 前記ピストンロッドがねじ部に続く下端側に小径部を備えてなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器の車体取付部構造。
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