JP4059493B2 - カバー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧カバー体の取付作業を容易にできるカバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば建物付設物(例えば屋外鉄骨階段廊下ユニット)の一部を構成する構成部材(例えば桁材)をアルミ化粧カバー等の化粧カバー体で覆う場合は、例えば建物付設物の構成部材に対して化粧カバー体をこの化粧カバー体の前方からねじで直接固着している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
「住宅建材製品カタログ1999-2000」、文化シャッタ株式会社、1999年10月、p.191
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の場合、化粧カバー体の前方にスペースがないときには、化粧カバー体の取付作業が煩雑となるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、化粧カバー体の前方にスペースがなくても、化粧カバー体の取付作業を容易にできるカバー装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のカバー装置は、カバー取付体と、このカバー取付体にて支持され、建物および建物付設物の少なくとも一方の構成部材を覆う化粧カバー体と、前記カバー取付体に対して前記化粧カバー体を固定する固定体とを備え、前記カバー取付体は、垂直状の取付板部と、この取付板部の上端から前方に向って突出する上板部と、前記取付板部の下端から前方に向って突出する下板部と、前記取付板部の上下方向中間から前方に向って突出する補強用の中間板部と、前記上板部、前記中間板部および前記下板部の各前端同士を連結する垂直状の前板部と、この前板部の上端に設けられ、前記化粧カバー体を下方から支持する支持部と、前記前板部の下端に設けられ、前記化粧カバー体との係合によりこの化粧カバー体が前記カバー取付体から離反するのを規制する離反規制部とを有し、前記化粧カバー体は、前記構成部材を覆う垂直状の本体板部と、この本体板部の上端に設けられ、前記支持部と係合してこの支持部によって下方から支持され、この支持部に対して前記固定体にて固定された第1係合部と、前記本体板部の下端近傍に設けられ、前記離反規制部と係合してこの離反規制部によって前記カバー取付体から離反しないように保持された第2係合部と、前記本体板部の下端から後方に向って突出し、前記下板部の下面を覆う下面覆い部と、前記本体板部の下端から下方に向って突出する水切部と、前記本体板部の後面から後方に向って突出し、前記前板部の前面に当接する複数の突出部とを有するものである。
【0007】
請求項2記載のカバー装置は、請求項1記載のカバー装置において、化粧カバー体は、水平板状の3つの突出部を有し、上側の2つの突出部は互いに接近した状態で本体板部の上下方向略中央位置に配設され、その本体板部の前面にはこれら両突出部間の位置にねじ位置決め用の溝部が形成され、下側の1つの突出部は第2係合部に接近した状態に配設され、前記本体板部の前面にはこれら突出部および第2係合部間の位置にねじ位置決め用の溝部が形成されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1および図2において、1は建物付設物で、この建物付設物1は、例えば建物である集合住宅2の外部に設置された屋外鉄骨階段廊下ユニットで、階段部3、踊場部4および廊下部5を備えている。
【0010】
そして、廊下部5は、図3等に示されるように、互いに離間対向した左右方向に長手状で断面略コ字状の桁材(建物付設物の構成部材)6および打付材(図示せず)を有している。これら桁材6および打付材には根太材7が長手方向に間隔をおいて架設され、この根太材7上には床材8が載置されている。これら桁材6および打付材の端部同士は、梁材9にて連結されている。なお、桁材6は、例えば複数の桁形成材6aにて形成されている(図3参照)。
【0011】
また、廊下部5は、1階の基礎部11から上方に立ち上がった複数の柱材である手摺中間柱12を有しているとともに、2階の桁材6から上方に立ち上がった複数の柱材である手摺間柱13を有している。これら手摺中間柱12および手摺間柱13の各上端部にわたって手摺14が配設されている。
【0012】
そして、建物付設物1の廊下部5の桁材6にはカバー装置16が設けられ、このカバー装置16にて桁材6が覆われている。
【0013】
このカバー装置16は、図3から明らかなように、建物付設物1の桁材6の前面を覆う複数の化粧カバー体(桁カバー)21と、隣り合う化粧カバー体21間に配設されたジョイントカバー体22と、出隅位置に配設された出隅用ジョイントカバー体23とを備えている。これら化粧カバー体21、ジョイントカバー体22および出隅用ジョイントカバー体23は、同一構造の複数のカバー取付体25を介して廊下部5の桁材6に取り付けられている。
【0014】
ここで、カバー取付体25は、図4および図5に示すように、廊下部5の桁材6にこの桁材6の前面に沿って取付具(ボルトおよびナット等)30により取り付けられた上下方向に細長い矩形状で垂直状の取付板部31を有している。
【0015】
取付板部31の上端および下端からは上板部32および下板部33がそれぞれ前方に向って突出し、取付板部31の上下方向中間からは補強用の中間板部34が前斜め上方に向って突出している。これら上板部32、中間板部33および下板部34の各前端同士は、上下方向に細長い矩形状で垂直状の前板部35にて一体に連結されている。
【0016】
前板部35の上端側は上板部32より上方に延在しており、この前板部35の上端には、化粧カバー体21を下方から支持する支持部37が一体に設けられている。
【0017】
この支持部37は、係合段部分38と、この係合段部分38から前方に向って突出した水平状の支持板部分39とにて構成されている。なお、係合段部分38は、水平片41と垂直片42とを有する断面略L字状をなすものである。
【0018】
また、前板部35の下端には、化粧カバー体21との係合によりこの化粧カバー体21がカバー取付体25から離反するのを規制する離反規制部44が一体に設けられている。
【0019】
この離反規制部44は、前板部35の下端から前方に向って突出した水平板部分45と、この水平板部分45の前端から上方に向って突出した垂直板部分46とにて構成されている。
【0020】
化粧カバー体21は、桁材6と離間対向してこの桁材6の前面を覆う左右方向に細長い略矩形状で垂直状の本体板部51を有している。
【0021】
本体板部51の上端には、カバー取付体25の支持部37に上方から係合してこの支持部37によって下方から支持された第1係合部52が本体板部51の略全長にわたって一体に設けられている。
【0022】
この第1係合部52は、本体板部51の上端から後方に向って突出し支持板部分39と面接触してこの支持板部分39によって下方から支持された水平状の被支持板部分53と、この被支持板部分53の後端から下方に向って突出し係合段部分38と係合した垂直状の係合突板部分54とにて構成されている。
【0023】
そして、カバー取付体25の支持部37の水平状の支持板部分39に対して化粧カバー体21の第1係合部52の水平状の被支持板部分53が上方から螺合した固定体であるドリルねじ55にて固定されている。
【0024】
また、本体板部51の下端近傍には、カバー取付体25の離反規制部44に上方から係合してこの離反規制部44によってカバー取付体25から離反しないように保持された第2係合部57が本体板部51の略全長にわたって一体に設けられている。
【0025】
この第2係合部57は、本体板部51の下端近傍から後方に向って突出した水平板部分58と、この水平板部分58の後端から下方に向って突出した垂直板部分59とにて構成されている。この垂直板部分59の下端側は、この垂直板部分59と本体板部51との間の下方開口状の空間60に離反規制部44の垂直板部分46が入りやすいように、下端ほど本体板部51から大きく離反する湾曲板状に形成されている。
【0026】
さらに、本体板部51の下端には、カバー取付体25の下面を覆う下面覆い部61が本体板部51の略全長にわたって一体に設けられている。この下面覆う部61は、本体板部51の下端から後方に向って突出し下板部33と離間対向してこの下板部33の下面を覆う水平状の突出板部分62にて構成されている。この突出板部分62の先端は、取付板部31の下方近傍に位置する。
【0027】
また、本体板部51の下端からは、本体板部51の略全長にわたって位置する垂直板状の水切部63が下方に向って突出しており、この水切部63の下端部が後方に向って折り曲がっている。
【0028】
なお、本体板部51の後面からは、本体板部51の略全長にわたって位置する水平板状の複数、例えば3つの突出部65が後方に向って突出しており、この突出部65の後端が前板部35の前面に当接している。上側の2つの突出部65は互いに接近した状態で本体板部51の上下方向略中央位置に配設され、本体板部51の前面にはこれら2つの突出部65間の中央位置に対応した位置にねじ位置決め用のV溝等の溝部(図示せず)が形成されている。
【0029】
また、下側の1つの突出部65は第2係合部57に接近した状態に配設され、本体板部51の前面にはこれら2つの突出部65および第2係合部57間の中央位置に対応した位置にねじ位置決め用のV溝等の溝部(図示せず)が形成されている。
【0030】
一方、ジョイントカバー体22は、化粧カバー体21の左右方向の長さ寸法を短くしかつ手摺中間柱12と干渉しないように下面覆い部61を除去した構造のものである。また、出隅用ジョイントカバー体23は、2つのジョイントカバー体22を直交状に連結した構造のものである。
【0031】
そして、ジョイントカバー体22は、化粧カバー体21と同様に、手摺中間柱12の左右両側近傍位置で桁材6に取り付けられたカバー取付体25の支持部37にドリルねじ55にて固定されている(図6参照)。
【0032】
また、出隅用ジョイントカバー体23は、出隅位置の手摺中間柱12の近傍位置で桁材6および梁材9にそれぞれ取り付けられたカバー取付体25の支持部37にドリルねじ55にて固定されている。
【0033】
次に、カバー装置16の化粧カバー体21をカバー取付体25を介して建物付設物1の廊下部5の桁材6に取り付ける場合について説明する。
【0034】
まず、カバー取付体25を廊下部5の桁材6に取付具30により取り付ける。
【0035】
その後、図4に示すように、化粧カバー体21を1階側からカバー取付体25より高い位置まで持ち上げてから少し下げることにより、化粧カバー体21をカバー取付体25に引掛け仮止めする。
【0036】
すなわち、カバー取付体25の支持部37の支持板部分39に化粧カバー体21の第1係合部52の被支持板部分53を下方から支持させるとともに、カバー取付体25の支持部37の係合段部分38と化粧カバー体21の係合部である第1係合部52の係合突板部分54とを互いに係合させ、かつ、カバー取付体25の離反規制部44と化粧カバー体21の係合部である第2係合部57とを空間60への垂直板部分46の嵌入により互いに係合させて、化粧カバー体21をカバー取付体25から離反しない状態に引掛け仮止めする。なお、この仮止め状態では、化粧カバー体21はカバー取付体25に対して左右方向にスライド可能である。
【0037】
そして、化粧カバー体21を適宜スライドさせてジョイントカバー体22および出隅用ジョイントカバー体23との位置調節を行ってから、図5に示すように、化粧カバー体21の第1係合部52の被支持板部分53をカバー取付体25の支持部37の支持板部分39に対して化粧カバー体21の上方からドリルねじ55をねじ込んで固定する。
【0038】
なお、ジョイントカバー体22および出隅用ジョイントカバー体23についても化粧カバー体21の同様の方法で取り付けることができる。また、化粧カバー体21の前方にスペースがある場合には、必要に応じてねじ位置決め用の溝部を利用してねじで化粧カバー体21を桁材6に固定する。
【0039】
そして、このようなカバー装置16によれば、化粧カバー体21の上方のスペースを利用してカバー取付体25の上端側に形成された支持部37に対して化粧カバー体21をこの化粧カバー体21の上方からドリルねじ55で固定できるため、化粧カバー体21の前方近傍位置に階段部3が位置して化粧カバー体21の前方に作業用のスペースがなくても、化粧カバー体21の取付作業を容易にでき、作業者一人での施工が可能となる。
【0040】
また、カバー取付体25の離反規制部44および支持部37の係合段部分38にて化粧カバー体21のカバー取付体25に対する離反を規制できるため、化粧カバー体21の仮止めが不用意に解除されることがなく、化粧カバー体21の取付作業がより一層容易になり、施工性の向上を図ることができる。
【0041】
また、化粧カバー体21の水切部63によって雨水等が水滴となって落下するので、建物付設物1や集合住宅2自体(建物自体)が雨水等にて汚れるようなことを適切に防止できる。
【0042】
さらに、化粧カバー体21の下面覆い部61にてカバー取付体25の下面を覆うことで、建物付設物1の廊下部5の外観性の向上を図ることができる。
【0043】
なお、上記一実施の形態のカバー装置16は、建物付設物1の階段部3および踊場部4にも適用できるばかりでなく、建物付設物であるバルコニ等にも適用でき、化粧カバー体21で建物付設物の構成部材としてのささら桁、桁材、梁材等を覆うようにしてもよい。
【0044】
また、カバー装置16の化粧カバー体21は、建物および建物付設物の少なくとも一方の構成部材を覆うものであればよく、例えば化粧カバー体21で建物自体の躯体の構成部材である桁材、梁材等を覆うようにしてもよい。
【0045】
さらに、ジョイントカバー体22および出隅用ジョイントカバー体23を用いることなく、建物付設物の構成部材を化粧カバー体21のみで覆うようにしてもよい。
【0046】
さらに、カバー取付体25の支持部37は、水平状の支持面である支持板部分39を有するものには限定されず、例えば仮止めの容易化のために、傾斜状の支持面、例えば建物付設物の構成部材側に向って下り傾斜状の支持面を有するようなもの等でもよい。また、化粧カバー体21の第1係合部52の上面を水勾配の傾斜状に形成してもよい。
【0047】
また、カバー取付体25の支持部37に対して化粧カバー体21を固定する固定体は、ドリルねじ55以外の螺合部材でもよく、或いは、リベット、ピン、両面粘着テープ等でもよい。
【0048】
【発明の効果】
発明によれば、カバー取付体の支持部に対して化粧カバー体をこの化粧カバー体の上方から固定体で固定できるため、化粧カバー体の前方にスペースがなくても、化粧カバー体の取付作業を容易にでき、またカバー取付体の離反規制部にて化粧カバー体の離反を規制できるため、化粧カバー体の取付作業をより一層容易にでき、さらに化粧カバー体の水切部によって雨水等が水滴となって落下するので、雨水による汚れ等を防止でき、また化粧カバー体の下面覆い部にてカバー取付体の下板部の下面を覆うことで、外観性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態のカバー装置が使用された建物付設物を示す正面図である。
【図2】 同上建物付設物を示す平面図である。
【図3】 同上カバー装置の斜視図である。
【図4】 同上カバー装置の化粧カバー体の取付前の図である。
【図5】 同上カバー装置の化粧カバー体の取付後の図である。
【図6】 同上カバー装置の化粧カバー体とジョイントカバー体との連結部分を示す平面図である。
【符号の説明】
1 建物付設物
6 建物付設物の構成部材である桁材
16 カバー装置
21 化粧カバー体
25 カバー取付体
31 取付板部
32 上板部
33 下板部
34 中間板部
35 前板部
37 支持部
44 離反規制部
51 本体板部
52 第1係合部
55 固定体であるドリルねじ
57 第2係合部
61 下面覆い部
63 水切部
65 突出部

Claims (2)

  1. バー取付体と、
    このカバー取付体にて支持され、建物および建物付設物の少なくとも一方の構成部材を覆う化粧カバー体と、
    前記カバー取付体に対して前記化粧カバー体を固定する固定体とを備え
    前記カバー取付体は、
    垂直状の取付板部と、
    この取付板部の上端から前方に向って突出する上板部と、
    前記取付板部の下端から前方に向って突出する下板部と、
    前記取付板部の上下方向中間から前方に向って突出する補強用の中間板部と、
    前記上板部、前記中間板部および前記下板部の各前端同士を連結する垂直状の前板部と、
    この前板部の上端に設けられ、前記化粧カバー体を下方から支持する支持部と、
    前記前板部の下端に設けられ、前記化粧カバー体との係合によりこの化粧カバー体が前記カバー取付体から離反するのを規制する離反規制部とを有し、
    前記化粧カバー体は、
    前記構成部材を覆う垂直状の本体板部と、
    この本体板部の上端に設けられ、前記支持部と係合してこの支持部によって下方から支持され、この支持部に対して前記固定体にて固定された第1係合部と、
    前記本体板部の下端近傍に設けられ、前記離反規制部と係合してこの離反規制部によって前記カバー取付体から離反しないように保持された第2係合部と、
    前記本体板部の下端から後方に向って突出し、前記下板部の下面を覆う下面覆い部と、
    前記本体板部の下端から下方に向って突出する水切部と、
    前記本体板部の後面から後方に向って突出し、前記前板部の前面に当接する複数の突出部とを有する
    ことを特徴とするカバー装置。
  2. 化粧カバー体は、水平板状の3つの突出部を有し、
    上側の2つの突出部は互いに接近した状態で本体板部の上下方向略中央位置に配設され、その本体板部の前面にはこれら両突出部間の位置にねじ位置決め用の溝部が形成され、
    下側の1つの突出部は第2係合部に接近した状態に配設され、前記本体板部の前面にはこれら突出部および第2係合部間の位置にねじ位置決め用の溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のカバー装置。
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