JP4057671B2 - フェニレン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬として有用なフェニレン誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロイコトリエン(LT)は、特に喘息、乾せん、リウマチ、炎症性大腸炎などほとんどの炎症性疾患の病因に関与しており、細胞障害による炎症反応において重要な役割を果していると考えられている。ロイコトリエンがアレルギーや炎症の主要なメディエイターであることから、これらの疾患の治療を目的にロイコトリエンの作用や合成を抑制する多くの物質が発見されつつある。
【0003】
ロイコトリエンは5−リポキシゲナーゼ(5−LO)により合成されるアラキドン酸代謝物であり、2種類のグループで構成される。そのひとつのグループはLTB4 であり、白血球に対する強い走化性を有している。他のグループはシステインロイコトリエン(CysLT)の総称で、LTC4、LTD4 及びLTE4 が含まれ、これらは生物学的活性物質として、長い間「slow-reacting substance of anaphylaxis(SRS-A)」と呼ばれていた。ヒトの組織においてCysLTは受容体と結合することによりその作用を発揮する。選択的LTD4 受容体阻害剤がヒト肺組織においてLTC4 及びLTD4 の収縮作用をともに抑制することが見出され、LTC4 はLTD4 受容体の共通部位で結合することが示唆されている(Buckner CK et al:Ann. NY Acad. Sci. 1988, 524;181-6、Aharony D et al.:New Trends in Lipid Mediators Research, Basel:Karger 1989;67-71)。LTE4 もLTD4 と同じ受容体を介して作用すると考えられているが、活性が低く、部分活性物質と言われている。
【0004】
一方、ヒスタミンは細胞膜のH1 受容体と結合することにより気管支平滑筋収縮作用や毛細血管透過性亢進作用を示し、アレルギー疾患における重要なメディエイターである。すなわち、ヒスタミンは、気管支収縮作用により喘息症状の悪化を引き起こしたり、毛細血管透過性亢進により細胞間隙への血液成分の漏出を増大させ、アレルギー性鼻炎や結膜炎等の浮腫形成などに関与するものと考えられている。従って、これらアレルギー性疾患の治療に抗ヒスタミン剤が用いられているが、喘息など重症のアレルギー性疾患に対しては、抗ヒスタミン剤はさほど有効でないと言われている。特に、喘息の遅発相においては、気管粘膜への炎症性細胞の浸潤や粘液の過剰分泌などにより喘息特有の気道狭窄の症状が見られ、この治療には新たな種類の薬剤が望まれている。
【0005】
すなわち、喘息などの重症なアレルギー性疾患においては、主にヒスタミンなどのメディエイターが関与する気管支収縮、浮腫形成などの即時相と、ロイコトリエンなどが関与する細胞浸潤、粘液分泌などによる気道狭窄の遅発相が病態として経過していると思われる。
【0006】
従って、広範なアレルギー性疾患、特に喘息の予防、治療には、LTD4 受容体及びヒスタミンH1 受容体の両者に対して拮抗作用を有する化合物が有効な薬剤となりうるものと考えられる。
【0007】
また、このような顕著な末梢作用に加え、ロイコトリエンは脳虚血や脳卒中などの脳疾患の病因にも関係していることが報告されている(Masamune H and Melvin LS:Ann. Rep. Med. Chem. 1989, 24;71-79)。前脳虚血の際、神経細胞内で作られるLTC4 の濃度は海馬(13.37±0.24pmol/g tissue)や脳皮質(3.29±1.09pmol/g)において上昇することが報告されている(Ohtsuki T. et al:Am. J. Physiol. 1995, 37;H 1249-57)。更に、虚血後にLTD4 拮抗剤であるFPL55712を10mg/kg静脈内投与すると、皮質浮腫の増悪が有意に抑制されたことが報告されている(Watanabe T. et al:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1994, 271;1624-29)。
【0008】
従って、ロイコトリエン受容体拮抗化合物はこのような脳疾患に対しても有効な薬剤となりうるものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LTD4 受容体及びヒスタミンH1 受容体の両者に対して充分満足する拮抗作用を有する化合物は見出されていないのが現状である。また、すでに開発中のすべてのLTD4 拮抗剤は少なくともひとつの酸性基を有するため、LTD4 拮抗剤は極性が高く親水性化合物であることから、吸入投与又は経口投与した際の吸収性及び脳内移行性が充分でないことが避けられず、このことがこれら薬剤の投与量増大、ひいては副作用の発現につながっていると考えられる。
【0010】
従って、本発明は抗ロイコトリエン作用と抗ヒスタミン作用の両者を有する化合物を有効成分とする医薬を提供すること、更に、強力なロイコトリエン受容体拮抗化合物を有効成分とする医薬を提供することを目的とする。
【0011】
【発明が解決するための手段】
かかる実状に鑑み、本発明者らは抗ロイコトリエン作用と抗ヒスタミン作用の両者を有し、強力なロイコトリエン受容体拮抗化合物を得るべく鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表される化合物が有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は次の一般式(1)
【0013】
【化3】
Figure 0004057671
【0014】
【化4】
Figure 0004057671
【0015】
(ここで、R7 及びR8 は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示し、R9 は水素原子、カルボキシル基又はテトラゾリル基を示し、lは0〜2の数を示し、nは1又は2の数を示す。但し、Xが -COO- のとき、B 1 -S-(CH 2 ) n - である場合を除く。)R5 は水素原子又は低級アルキル基を示し、Z1 は酸素原子又はイオウ原子を示し、B2 は-CH2CH2- 又は-CH2CH2CH2- を示し、R6 は水素原子又は低級アルキル基を示し、Z2 は酸素原子又はイオウ原子を示すか、又はZ2 とR6 が隣接する窒素原子と一緒になってテトラゾリル基を形成する。)〕で表されるフェニレン誘導体又はその塩を提供するものである。
【0016】
また、本発明は一般式(1)で表されるフェニレン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬を提供するものである。
【0017】
更に、本発明は一般式(1)で表されるフェニレン誘導体又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
化合物(1)において、R1 及びR9 で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、このうち塩素原子が好ましい。また、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。該アルキル基には直鎖及び分岐鎖のアルキル基が含まれ、より好ましいアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられるが、特にメチル基、n−ヘキシル基が好ましい。
また、R2 で示されるアルコキシアルキル基としては、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、プロポキシメチル基、プロポキシエチル基、プロポキシプロピル基、プロポキシブチル基が挙げられるが、特にエトキシエチル基が好ましい。
【0019】
また、式(a)で示される基としては、例えば次の式(a−1)〜式(a〜7)で表される基が挙げられる。
【0020】
【化5】
Figure 0004057671
【0021】
(式中、R4 、R5 、R7 、R8 、R9 、Z1 及びmは前記と同じ)
また、式(b)で示される基としては、例えば次の式(b−1)、式(b−2)、式(b−3)及び式(b−4)で表される基が挙げられる。
【0022】
【化6】
Figure 0004057671
【0023】
(式中、R6bは水素原子又は低級アルキル基を示し、Z2bは酸素原子又はイオウ原子を示し、R4 は前記と同じ)
【0024】
本発明化合物(1)の塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩のような有機酸の酸付加塩;又はナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、アルミニウム塩のような金属塩を挙げることが出来る。
【0025】
また、本発明化合物(1)は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在し得るが、当該溶媒和物も本発明に包含される。
【0026】
本発明化合物(1)は、例えば次に示す方法によって製造される。
【0027】
【化7】
Figure 0004057671
【0028】
【化8】
Figure 0004057671
【0029】
【化9】
Figure 0004057671
【0030】
【化10】
Figure 0004057671
【0031】
3′は低級アルキル基を示し、Eは酸素原子又はNHを示し、R1 、R4 、R5 、R6 、Z1 、Z2 、A、B1 、B2 及びWは前記と同じものを示す。)
【0032】
すなわち、化合物(2)をクロル体(3)とした後、フェノール体(4)と反応させて化合物(5)が得られる。また化合物(3)とアルデヒド体(6)をウィティッヒ反応させて得られる化合物(7)を還元することにより化合物(5′)が得られる。この化合物(5)又は化合物(5′)をクロル体(8)とした後、化合物(9)と反応させることにより本発明の化合物(1a)が得られ、化合物(1a)をイオウ化することにより、本発明の化合物(1b)が得られる。また、化合物(3)から化合物(8′)を得、これを化合物(9′)と反応させることにより本発明の化合物(1c)が得られる。また、化合物(3)とヒドロキシベンズアルデヒド体(11)を反応させて化合物(8″)を得、これを化合物(9″)と反応させることにより本発明化合物(1d)が得られる。更に化合物(1d)を還元することにより本発明化合物(1e)が得られ、これを更にアルキル化することにより本発明化合物(1f)が得られる。
なお、化合物(2)、化合物(9)及び化合物(9′)としては公知の化合物を用いるか、あるいは公知の方法により製造したものを用いることが出来る。
【0033】
以下、上記反応の各工程について説明する。
【0034】
工程1:
化合物(2)をTHF(テトラヒドロフラン)、CHCl3、CH2Cl2 等の不活性溶媒中で0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温)において過剰量のSOCl2 と1〜24時間反応させることにより化合物(3)が得られる。
【0035】
工程2:
等モルの化合物(3)と化合物(4)とを過剰量のK2CO3、Na2CO3 等の塩基の存在下、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)等の極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1日〜7日間反応させることにより化合物(5)が得られる。
【0036】
工程3:
化合物(3)をベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で当モルのPPh3(Phはフェニル基)と12〜48時間還流させることにより相当するホスホニウム塩を合成した後、このものを窒素あるいはアルゴン気流下、無水THF中で当モルのt−BuOK(カリウムtert−ブトキサイド)と反応させることによって調製したウィティッヒ試薬に当モルの化合物(6)を加え1〜12時間還流させることにより化合物(7)が得られる。
【0037】
工程4:
化合物(7)をメタノール、エタノール等の極性溶媒中、NaBH4 を0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温)で1〜24時間反応させることにより化合物(5′)が得られる。
【0038】
工程5:
化合物(5)あるいは化合物(5′)をTHF、CHCl3、CH2Cl2 等の不活性溶媒中で0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温)において過剰量のSOCl2 と1〜24時間反応させることにより化合物(8)が得られる。
【0039】
工程6:
等モルの化合物(8)と化合物(9)を過剰量のK2CO3、Na2CO3 等の塩基の存在下、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1日〜7日間反応させることにより本発明の化合物(1a)が得られる。
【0040】
工程7:
化合物(1a)をベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性溶媒中、P25 やローソン試薬のようなイオウ化剤と還流温度で1〜6時間反応させることにより化合物(1b)が得られる。
【0041】
工程8:
等モルの化合物(3)と化合物(10)を過剰量のK2CO3、Na2CO3 等の塩基の存在下、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒中で0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1〜7日間反応させることにより得られる(8′)のメチルエステル体を含水MeOH中、2〜4当量のNaOHと1〜12時間反応させることにより化合物(8′)が得られる。
【0042】
工程9:
等モルの化合物(8′)と化合物(9′)をDCC(N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、WSC・HClのようなカップリング剤存在下、DMF、DMSO、HMPA等の非極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1日〜14日間反応させることにより本発明の化合物(1c)が得られる。
【0043】
工程10:
等モルの化合物(3)と化合物(11)をK2CO3、Na2CO3トリエチルアミンのような塩基と臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムのような相間移動触媒との存在下、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1日〜14日間反応させることによりアルデヒド体(8″)が得られる。
【0044】
工程11:
等モルの化合物(8″)と化合物(9″)をエタノール、メタノール、ブタノール、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜100℃)で1日〜14日間反応させることにより、本発明の化合物(1d)が得られる。
【0045】
工程12:
更に化合物(1d)をメタノール、エタノール、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒の単独あるいは混合溶媒中(好ましくはDMFとメタノールとの混合溶媒)において、例えば水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤存在下0℃〜60℃(好ましくは0℃〜室温)にて30分〜24時間反応させることにより、本発明の化合物(1e)が得られる。
【0046】
工程13:
化合物(1e)は更にK2CO3、Na2CO3、トリエチルアミンのような塩基と臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムのような相間移動触媒との存在下、DMF、DMSO、HMPA等の極性溶媒中で、0℃から還流温度の間の温度(好ましくは室温〜60℃)において1日〜14日間ハロゲン化アルキルと反応させることにより、本発明の化合物(1f)が得られる。
【0047】
また、本発明の化合物(1)においてBが−SCH2−又は−SCH2CH2−である化合物(1a)又は(1c′)から、Bが−S(O)m'CH2−又は−S(O)m'CH2CH2−(m’は1又は2)である本発明の化合物(1a)又は(1c)を製造するには、化合物(1a)又は(1c)に当量又は2倍モルのm−CPBA又はH22 をCHCl3、CH2Cl2、AcOH(Acはアセチル基)等の溶媒中で0℃から室温で1〜72時間反応させればよい。
【0048】
上記目的化合物は常法に従って反応混合物を処理することによって得られ、更に必要に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段を用いて精製することが出来る。また必要に応じて、常法によって前記した所望の塩にすることも出来る。
【0049】
かくして得られる本発明化合物(1)又はその塩は、後記実施例に示すように優れた抗ロイコトリエン作用及び抗ヒスタミン作用を有し、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、乾せん、リウマチ、炎症性大腸炎、脳虚血、脳卒中等の予防治療剤などの医薬として有用である。
【0050】
本発明の医薬は、前記化合物(1)、その塩又は溶媒和物を有効成分とするものであり、この投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる経口投与又は静脈内注射剤、筋肉内注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤などによる非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤型の医薬製剤を調製するにあたっては、この有効成分を単独で、又は他の薬学的に許容される担体、例えば賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることが出来る。
【0051】
本発明の医薬の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数などによって異なるが、通常は成人に対して1日約1〜1000mgを1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
【0052】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0053】
製造例1
3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライドの合成:
3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアルコール(3.58g,13.5mmol)のCHCl3(100ml)溶液にSOCl2 2mlを加えて室温で24時間攪拌した。反応液に少量のMeOHを加え減圧にて溶媒留去し、標記化合物を白色粉末として得た。
【0054】
実施例1
3−シアノ−6−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンの合成:
3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライド3.49g(12.3mmol)を3−シアノ−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン(2.45g,12.3mmol)のDMF(100ml)溶液に加え、更にK2CO3(2.04g,14.8mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(396mg,1.23mmol)を加えてAr気流下室温で24時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮し、CHCl3−MeOH、水を加え有機層を抽出した。Na2SO4 で乾燥、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出した後、CHCl3−MeOH混液より再結晶し、標記化合物を黄色粉末として250mg(収率4.7%)得た。
【0055】
mp:145〜147℃(分解)
1H-NMR(CDCl3-MeOH)δ(ppm):5.31(2H,s,-C6H4-CH2-),
5.51(2H,s,C9H6N-CH2-), 6.74(1H,br,Ar-H), 6.83-7.00(3H,m,Ar-H),
7.09-7.31(3H,m,Ar-H), 7.56-7.64(2H,m,Ar-H),
7.79(1H,ddt,J=8.5,7.1,1.5Hz,Ar-H), 7.88(1H,d,J=8.1Hz,Ar-H),
8.03(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 8.18(1H,s,Ar-H), 8.20(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3059, 2225, 1648, 1613, 1569, 1451, 1252, 1070, 774
【0056】
実施例2〜17
実施例1と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0057】
【表1】
Figure 0004057671
【0058】
【表2】
Figure 0004057671
【0059】
製造例2
4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライドの合成:
製造例1と同様の方法で、4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアルコールより、標記化合物を白色粉末として得た。
【0060】
実施例18
3,3−ジメチル−5−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−オンの合成:
4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライド(567mg,2mmol)をDMF(20ml)に溶解し3,3−ジメチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−オン(354mg,2mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(64mg,0.2mmol)、K2CO3(691mg,5mmol)を加え、混合物をアルゴン気流下で50℃、72時間攪拌した。溶媒を留去後、水を加えCHCl3−MeOH(3:1)の混合溶媒で2回抽出しMgSO4 で乾燥、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しCHCl3 で溶出した後、AcOEt−ヘキサンより再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末として199mg(収率23.5%)得た。
【0061】
mp:172〜175℃(分解)
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.37(6H,s,C3-Me×2), 4.94(2H,s,-C6H4-CH2-),
5.40(2H,s,C9H6N-CH2-), 6.78-6.80(2H,m,Ar-H),
6.85(1H,d,J=2.2Hz,Ar-H), 7.02(2H,d,J=8.8Hz,-C6H4-CH2-),
7.36(2H,d,J=8.8Hz,-C6H4-CH2-), 7.55(1H,dt,J=8.1,1.5Hz,Ar-H),
7.67(1H,d,J=8.6Hz,Ar-H), 7.74(1H,dt,J=8.5,1.5Hz,Ar-H),
7.83(1H,d,J=8.1Hz,Ar-H), 8.09(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H),
8.20(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H), 8.29(1H,brs,CONH)
IR(KBr)cm-1:1727, 1613, 1601, 1515, 1493, 1456, 1429, 1382, 1301,
1277, 1251, 1224, 1196, 1174, 1115, 1072, 1062, 1027, 1013, 952,
934, 903, 872, 832, 804, 785, 754, 651, 619, 535, 525, 477, 460
【0062】
実施例19〜30
実施例18と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0063】
【表3】
Figure 0004057671
【0064】
製造例3
3−(7−クロロ−2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライドの合成:
製造例1と同様の方法で、3−(7−クロロ−2−キノリニルメトキシ)ベンジルアルコールより標記化合物を得た。
【0065】
実施例31
7−[3−(7−クロロ−2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オンの合成:
7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オン(0.326g,2mmol)、K2CO3(0.690g,5mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(0.075g,0.25mmol)、DMF(40ml)及び3−(7−クロロ−2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライド(0.636g,2mmol)を取り、室温にて3日間攪拌した。不溶物を除き、溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出した後、アセトンより再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末として0.245g(収率27.6%)得た。
【0066】
mp:150〜151℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.53-2.67(2H,m,CH2 at C3),
2.81-2.94(2H,m,CH2 at C4), 5.00(2H,s,-C6H4-CH2),
5.37(2H,s,C9H5NCl-CH2-), 6.36(1H,d,J=2.4Hz,C8-H),
6.55(1H,dd,J=8.8,2.4Hz,C6-H), 6.91-7.14(4H,m,Ar-H),
7.32(1H,d,J=7.8Hz,Ar-H), 7.50(1H,dd,J=8.8,1.9Hz,Ar-H),
7.67(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 7.76(1H,dd,J=8.8,1.9Hz,Ar-H),
8.04(1H,brs,CONH), 8.07(1H,d,J=1.9Hz,Ar-H),
8.16(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1681, 1628, 1614, 1595, 1521, 1492, 1375, 1274, 1198,
1184, 852
【0067】
実施例32
7−[3−(7−クロロ−2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例31と同様の方法で、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンより標記化合物を黄色粉末として得た(収率42.9%)。
【0068】
mp:163〜165℃
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):3.42(2H,s,CH2at C2), 5.03(2H,s,-C6H4-CH2O),
5.38(2H,s,C9H5NCl-CH2-), 6.73-7.05(5H,m,Ar-H), 7.13(1H,s,Ar-H),
7.31(1H,t,J=7.8Hz,Ar-H), 7.60-7.74(2H,m,Ar-H), 7.98-8.12(2H,m,Ar-H),
8.46(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 10.40(1H,s,CONH)
IR(KBr)cm-1:3190, 3083, 3045, 2963, 2909, 1671(CONH), 1613, 1587,
1498, 1290, 1270, 1238, 1156, 1068, 842, 766
【0069】
製造例4
3−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルアルコールの合成:
2−クロロメチルキナゾリン(5.00g,28mmol)のDMF(50ml)溶液に、K2CO3(4.26g,31mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(903mg,2.8nmol)を加えた。これに3−ヒドロキシベンジルアルコール(3.48g,28mmol)を加え、室温で5日間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮し、CHCl3、水を加え有機層を抽出した。Na2SO4 で乾燥後、減圧濃縮しCHCl3−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末として6.94g(収率93.1%)を得た。
【0070】
mp:92〜96℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):4.65(2H,s,-C6H4-CH2-OH),
5.46(2H,s,C8H5N2-CH2-), 6.96(1H,d,J=7.8Hz,-C6H4-),
6.99(1H,d,J=7.8Hz,-C6H4), 7.11(1H,s,-C6H4-),
7.25(1H,dd,J=7.8,7.8Hz,-C6H4-), 7.67(1H,dd,J=7.5,7.5Hz,C 8H5N2-),
7.93(1H,dd,J=9.0,7.5Hz,C8H5N2), 7.95(1H,d,J=7.5Hz,C8H5N2-),
8.07(1H,d,J=9.0Hz,C8H5N2-), 9.43(1H,s,C8H5N2-)
IR(KBr)cm-1:3328, 1621, 1613, 1582, 1441, 1378, 1292, 1077, 752
【0071】
実施例33
7−[3−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
3−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルアルコール(1.00g,3.76mmol)のCHCl3(10ml)溶液にSOCl2 0.5mlを加えて室温で15時間攪拌した。反応液に少量のMeOHを加え減圧にて溶媒留去すると3−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルクロライド1.08gが白色粉末として得られた。
【0072】
これを7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(567mg,31.3mmol)のDMF(50ml)溶液に加え、更にK2CO3(600mg,47.0mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(99.9mg,3.1mmol)を加えてAr気流下室温で7日間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮し、CHCl3、水を加え有機層を抽出した。Na2SO4 で乾燥、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出した後CHCl3−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を淡褐色針状晶として858mg(収率53.2%)得た。
【0073】
mp:167〜170℃(分解)
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.39(2H,s,CH2 at C2),
4.99(2H,s,-C6H4-CH2-), 5.47(2H,s,C8H5N2-CH2-),
6.67(1H,d,J=8.8Hz,C5-H), 6.74(1H,dd,J=8.8,2.6Hz,C6-H),
6.87(1H,d,J=2.6Hz,C8-H), 6.89-6.99(2H,m,-C6H4-),
7.13(1H,s,-C6H4-), 7.28(1H,dd,J=8.0,8.0Hz,-C6H4-),
7.58-7.66(2H,m,C8H5N2-,CONH), 7.93(1H,dd,J=9.0,7.5Hz,C8H5N2-),
7.95(1H,d,J=7.8Hz,C8H5N2-), 8.07(1H,d,J=9.0Hz,C8H5N2-),
9.44(1H,s,C8H5N2-)
IR(KBr)cm-1:2905, 1670, 1502, 1383, 1267, 1231, 1043, 834, 775,
749
【0074】
実施例34
7−[3−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オンの合成:
実施例33と同様の方法で、7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オンより標記化合物を黄色粉末として得た(収率31.1%)。
【0075】
mp:178〜180℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.53-2.67(2H,m,CH2 at C3),
2.81-2.94(2H,m,CH2 at C4), 5.00(2H,s,-C6H4-CH2-),
5.48(2H,s,C8H5N2-CH2-), 6.34(1H,d,J=2.4Hz,C8-H),
6.55(1H,dd,J=8.3,2.4Hz,C6-H), 6.95-7.05(3H,m,Ar-H),
7.13-7.18(1H,m,Ar-H), 7.23-7.34(1H,m,Ar-H),
7.68(1H,td,J=8.0,1.2Hz,Ar-H), 7.80(1H,brs,CONH),
7.90-8.00(2H,m,Ar-H), 8.08(1H,d,J=9.0Hz,Ar-H), 9.45(1H,s,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1672, 1593, 1520, 1488, 1389, 1370, 1261, 1196, 1169,
1012, 785, 767
【0076】
実施例35
7−[4−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オンの合成:
実施例33と同様の方法で、4−(2−キナゾリルメトキシ)ベンジルクロライドと7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2−オンより標記化合物を黄色プリズム晶として得た(収率38.6%)。
【0077】
mp:178〜180℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.52-2.66(2H,m,CH2 at C3),
2.79-2.95(2H,m,CH2 at C4), 4.93(2H,s,-C6H4-CH2-),
5.48(2H,s,C8H5N2-CH2-), 6.37(1H,d,J=2.4Hz,C8-H),
6.58(1H,dd,J=8.3,2.4Hz,C6-H), 6.94-7.14(3H,m,C6H4-),
7.32(1H,d,J=8.8Hz,C6H4-), 7.60-7.73(1H,m,Ar-H),
7.87-8.00(3H,m,Ar-H,CONH), 8.08(1H,d,J=9.3Hz,Ar-H),
9.45(1H,s,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1670, 1624, 1595, 1515, 1487, 1375, 1244, 1165, 1018
【0078】
製造例5
3−(N−メチルベンズイミダゾル−2−イルメトキシ)ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチル−N−メチルベンズイミダゾールより標記化合物を淡黄色針状晶として得た(収率58.4%)。
【0079】
mp:183〜185℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.81(3H,s,N-CH3), 4.61(2H,s,-C6H4-CH2-OH),
5.29(2H,s,C8H7N2-CH2-), 6.88-6.94(2H,m,-C6H4-),
7.02(1H,s,-C6H4-), 7.16-7.32(4H,m,Ar-H), 7.69(1H,m,C8H7N2-)
IR(KBr)cm-1:2850, 1594, 1482, 1441, 1366, 1259, 1227, 1048, 1029,
750
【0080】
製造例6
4−(2−N−メチルベンズイミダゾル−2−イルメトキシ)ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチル−N−メチルベンズイミダゾールと4−ヒドロキシベンジルアルコールより標記化合物を淡黄色プリズム晶として得た(収率46.7%)。
【0081】
mp:176〜180℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.88(3H,s,N-CH3), 4.62(2H,s,-C6H4-CH2-OH),
5.34(2H,s,C8H7N2-CH2-), 7.04(2H,d,J=8.6Hz,-C6H4-),
7.30(2H,d,J=8.6Hz,-C6H4-), 7.23-7.38(3H,m,C8H7N2-),
7.78(1H,m,C8H7N2-)
IR(KBr)cm-1:3174, 2846, 1607, 1585, 1507, 1484, 1240, 1047, 1030,
743
【0082】
製造例7
3−(2−ベンゾチアゾリルメトキシ)ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチルベンゾチアゾールより標記化合物を淡黄色針状晶として得た(収率88.5%)。
【0083】
mp:106〜108℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.86(1H,brt,OH),
4.69(2H,d,J=5.6Hz,-C6H4-CH2-OH), 5.48(2H,s,C7H4NS-CH2-),
6.93-7.03(2H,m,Ar-H), 7.08(1H,br,Ar-H),
7.29(1H,dd,J=8.1,8.1Hz,Ar-H), 7.40(1H,ddd,J=7.6,7.1,1.2Hz,Ar-H),
7.50(1H,ddd,J=7.6,7.1,1.2Hz,Ar-H), 7.90(1H,d,J=7.6Hz,Ar-H),
8.03(1H,d,J=7.6Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3322, 1596, 1439, 1365, 1264, 1207, 1156, 1062, 752
【0084】
製造例8
4−(2−ベンゾチアゾリルメトキシ)ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチルベンゾチアゾールと4−ヒドロキシベンジルアルコールより標記化合物を無色針状晶として得た(収率89.8%)。
【0085】
mp:137〜139℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.86(1H,overlapped with H2O,OH),
4.63(2H,d,J=5.9Hz,-C6H4-CH2-OH), 5.50(2H,s,C7H4NS-CH2-),
7.03(2H,dd,J=8.5,2.0Hz,Ar-H), 7.32(2H,dd,J=8.5,2.0Hz,Ar-H),
7.40(1H,ddd,J=8.1,8.1,1.2Hz,Ar-H),
7.50(1H,ddd,J=8.1,8.1,1.2Hz,Ar-H), 7.89(1H,dd,J=8.1,1.2Hz,Ar-H),
8.03(1H,dd,J=8.1,1.2Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3364, 1612, 1585, 1522, 1512, 1361, 1252, 1056, 755
【0086】
製造例9
3−[N−(2−エトキシエチル)ベンズイミダゾル−2−イルメトキシ]ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチル−N−(2−エトキシエチル)ベンズイミダゾールより標記化合物を無色針状晶として得た(収率90.3%)。
【0087】
mp:105〜107℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.10(3H,t,J=6.8Hz,CH2CH2OCH2CH 3),
2.24(1H,br,-C6H4-CH2OH), 3.39(2H,q,J=6.8Hz,CH2CH2OCH 2CH3),
3.74(2H,t,J=5.4Hz,-CH2CH 2OCH2CH3),
4.48(2H,t,J=5.4Hz,-CH 2-CH2OCH2CH3),
4.68(2H,d,J=5.6Hz,-C6H4-CH2-OH),
5.43(2H,s,C11H13N2O-CH2O-), 6.96-7.62(2H,m,-C6H4-),
7.11(1H,s,-C6H4-), 7.23-7.34(3H,m,Ar-H), 7.41(1H,m,Ar-H),
7.71(1H,m,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:2875, 1594, 1471, 1445, 1426, 1369, 1258, 1154, 1050,
1035, 761
【0088】
製造例10
4−[N−(2−エトキシエチル)ベンズイミダゾル−2−イルメトキシ]ベンジルアルコールの合成:
製造例4と同様の方法で、2−クロロメチル−N−(エトキシエチル)ベンズイミダゾールと4−ヒドロキシベンジルアルコールより標記化合物を淡黄色プリズム晶として得た(収率83.4%)。
【0089】
mp:90〜92℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.10(3H,t,J=7.1Hz,CH2CH2OCH2CH 3),
1.66(1H,t,J=5.7Hz,-C6H4-CH2OH), 3.39(2H,q,J=7.1Hz,CH2CH2OCH 2CH3),
3.75(2H,t,J=5.6Hz,-CH2CH 2OCH2CH3),
4.49(2H,t,J=5.6Hz,-CH 2-CH2OCH2CH3),
4.62(2H,d,J=5.7Hz,-C6H4-CH 2-OH),
5.44(2H,s,C11H13N2O-CH2O-), 7.08(2H,d,J=8.8Hz,-C6H4-),
7.25-7.34(4H,m,Ar-H), 7.41(1H,m,Ar-H), 7.78(1H,m,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3180, 2858, 1609, 1587, 1509, 1472, 1417, 1237, 1117,
1036, 747
【0090】
実施例36〜46
製造例5〜10で得たアルコール体を用いて実施例33と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0091】
【表4】
Figure 0004057671
【0092】
実施例47
8−メチル−5−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3−(5−テトラゾリル)−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンの合成:
実施例3で得た3−シアノ−8−メチル−5−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン(0.822g,1.84mmol)、NaN3(0.359g,5.52mmol)、NH4Cl(0.295g,5.52mmol)、DMF(20ml)の混液を浴温120℃で8時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を大量のCHCl3−MeOH混液に溶解し、水洗後MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去して標記化合物を淡黄色粉末として0.519g(収率57.5%)得た。
【0093】
mp:247〜248℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.39(3H,s,C8-CH3),
5.27(2H,s,C6H4-CH2-), 5.39(2H,s,C9H6N-CH2O),
6.80(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 7.04-7.16(2H,m,Ar-H), 7.22(1H,brs,Ar-H),
7.31-7.40(2H,m,Ar-H), 7.55-7.78(3H,m,Ar-H), 7.90-8.00(2H,m,Ar-H),
8.36(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 9.05(1H,s,C4-H)
IR(KBr)cm-1:3056, 1655, 1611, 1492, 1444, 1298, 1240, 1103, 815
【0094】
実施例48
8−メチル−5−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3−(5−テトラゾリル)−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンの合成:
実施例19で得た3−シアノ−8−メチル−5−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンを用いて実施例47と同様の方法で標記化合物を淡黄色粉末として得た(収率26.4%)。
【0095】
mp:>300℃
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.25(3H,s,C8-CH3),
5.26(2H,s,C6H4-CH2O), 5.41(2H,s,C9H6N-CH2O),
6.85-6.94(1H,br,Ar-H), 7.14(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H),
7.20-7.35(1H,m,Ar-H), 7.48(2H,m,Ar-H), 7.54-7.65(2H,m,Ar-H),
7.70(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H), 7.73-7.90(1H,m,Ar-H),
8.02(2H,t,J=8.8Hz,Ar-H), 8.42(1H,d,Ar-H), 9.20(1H,br s,C4-H)
IR(KBr)cm-1:3403, 1659(CONH), 1612, 1519, 1240, 1092, 823
【0096】
実施例49
4−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,3,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−チオンの合成:
実施例13で得た4−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,3,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−オン(1.189g,2.71mmol)にLawesson's試薬(1.076g,2.71mmol)、トルエン(10ml)を加え、浴温100℃で3時間攪拌した。不溶物をCHCl3 を加え溶解した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出した後、AcOEtより再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末として0.678g(収率55.0%)得た。
【0097】
mp:174〜176℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):1.51(6H,s,C3-CH3 X2),
2.27(3H,s,C7-CH3), 5.07(2H,s,C6H4-CH2O-),
5.41(2H,s,C9H6N-CH2O), 6.57(1H,d,J=8.3Hz,C5-H),
6.82-7.12(4H,m,Ar-H), 7.22-7.38(1H,m,Ar-H), 7.48-7.90(4H,m,Ar-H),
8.10(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 8.19(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 10.03(1H,s,CSNH)
IR(KBr)cm-1:3122, 3069, 2973, 2906, 1605, 1586, 1509, 1478, 1451,
1441, 1370, 1288, 1267, 1178, 1152, 1083, 1065, 819, 788, 781, 738,
688
【0098】
実施例50
2−オキソ−6−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の合成:
実施例1で得た3−シアノ−6−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン(255mg,0.588mmol)のEtOH(10ml)溶液に、50%NaOH水(10ml)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液に水を加え、濃HClにて酸性にした後、析出物を濾取し、水洗後、風乾し、これをCHCl3−MeOH−エーテル混液より再結晶し、標記化合物を黄色粉末として120mg(収率45.1%)得た。
【0099】
mp:282〜285℃(分解)
1H-NMR(CD3OD)δ(ppm):5.64(2H,s,-C6H4-CH2-),
5.68(2H,s,C9H6N-CH2-), 6.87(1H,s,Ar-H), 7.00-7.45(6H,m,Ar-H),
7.96(1H,t,J=7.8Hz,Ar-H), 8.03(1H,d,J=8.0Hz,Ar-H),
8.10-8.29(3H,m,Ar-H), 8.78(1H,s,Ar-H), 9.01(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3421, 1644, 1584, 1450, 1396, 1244, 1154, 821
【0100】
実施例51
8−メチル−2−オキソ−5−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の合成:
実施例3で得た3−シアノ−8−メチル−5−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンを用いて実施例50と同様の方法で標記化合物を淡黄色粉末として得た(収率78.3%)。
【0101】
mp:237〜239℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.39(3H,s,C8-CH3),
5.26(2H,s,-C6H4-CH2O), 5.39(2H,s,C9H6N-CH2O),
6.87(1H,d,J=8.8Hz,C7-H), 7.03-7.16(2H,m,Ar-H), 7.19(1H,s,C6H4),
7.36(1H,t,J=8.0Hz,C6H4), 7.47(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.57-7.67(2H,m,Ar-H), 7.70-7.80(1H,m,Ar-H),
7.97(2H,d,J=8.0Hz,C6H4), 8.36(1H,d,J=8.8Hz,C6-H),
8.98(1H,s,C4-H), 12.25(1H,brs,CONH), 14.71(1H,brs,COOH)
IR(KBr)cm-1:2800-2300(COOH), 1742(COOH), 1621(CONH), 1497, 1438,
1276, 1261, 1087
【0102】
実施例52
8−メチル−2−オキソ−5−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の合成:
実施例19で得た3−シアノ−8−メチル−5−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンを用いて実施例50と同様の方法で標記化合物を淡黄色粉末として得た(収率62.9%)。
【0103】
mp:260〜261℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.41(3H,s,C8-CH3),
5.20(2H,s,C6H4-CH2O), 5.40(2H,s,C9H6N-CH2O),
6.97(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 7.13(2H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.42-7.84(6H,m,Ar-H), 7.95-8.08(2H,m,Ar-H),
8.43(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 8.96(1H,s,C4-H), 12.30(1H,brs,CONH),
14.70(1H,brs,COOH)
IR(KBr)cm-1:2800-2300(COOH), 1753(COOH), 1624(CONH), 1495, 1433,
1252, 1240, 1082, 870, 830, 805
【0104】
実施例53
3−シアノ−8−メチル−5−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンゾイルオキシ]−1,2−ジヒドロキノリン−2−オンの合成:
3−(2−キノリニルメトキシ)ベンゾイックアシッド(0.838g,3mmol)、3−シアノ−5−ヒドロキシ−8−メチルカルボスチリル(0.601g,3mmol)、DMF(50ml)、WSC・HCl(0.931g,6mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.073g,0.6mmol)の混液を、Ar気流下、浴温50℃で2日間攪拌した。反応液を減圧にて溶媒を留去し、残渣に水を加え、CHCl3:MeOH=2:1混液で抽出した。抽出液を水洗後、MgSO4 で乾燥、濃縮した後、一夜放置して標記化合物を黄色粉末として0.495g(収率35.8%)得た。
【0105】
mp:257〜260℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):2.46(3H,s,CH3), 5.51(2H,s,CH2O-C6H4),
7.14(1H,d,J=7.8Hz,Ar-H), 7.42-7.91(8H,m,Ar-H),
8.01(2H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 8.44(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H),
8.83(1H,s,C4-H), 11.80(1H,brs,CONH)
IR(KBr)cm-1:3174, 3047, 2230(CN), 1754(COO), 1660(CONH), 1618, 1585,
1491, 1278, 1238, 1200, 1074, 1043, 740
【0106】
実施例54〜69
実施例53と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0107】
【表5】
Figure 0004057671
【0108】
【表6】
Figure 0004057671
【0109】
実施例70〜73
8−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンあるいは7−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンを用いて実施例53と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0110】
【表7】
Figure 0004057671
【0111】
実施例74
7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン1,1−ジオキシドの合成:
実施例10で得た7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(0.639g,1.49mmol)をCHCl3(90ml)に溶解し、室温でm−CPBA(メタクロロ過安息香酸)(1.04g,3mmol)のCHCl3(30ml)溶液を加え、そのまま72時間攪拌した。反応液を飽和NaHCO3水、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を濃縮し、標記化合物を淡黄色粉末として0.219g(収率31.9%)得た。
【0112】
mp:233〜234℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):4.68(2H,s,CH2 at C2),
5.19(2H,s,C6H4-CH2O-), 5.49(2H,s,C9H6N-CH2-),
7.00-7.42(6H,m,Ar-H), 7.58-7.92(4H,m,Ar-H),
8.02(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 8.13(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
8.61(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 11.08(1H,s,CONH)
IR(KBr)cm-1:1702(CONH), 1494, 1326, 1309(SO2), 1253, 1237, 1223,
1138(SO2)
【0113】
実施例75〜80
実施例11、32、33、36、40、72で得た化合物を用いて実施例74と同様の方法で下記の化合物を得た。
【0114】
【表8】
Figure 0004057671
【0115】
実施例81
トランス−7−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンジルオキシ]−2H−3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
1)7−クロロ−2−キノリルメチル(トリフェニル)ホスフィリッククロライドの合成:
7−クロロ−2−クロロメチルキノリン(4.81g,22.7mM)をトルエン(100ml)に溶かし、トリフェニルホスフィン(7.74g,22.7mM)を加えて24時間加熱還流した。反応液を濃縮後不溶物を濾取しエーテルで洗浄し、標記化合物を灰色粉末として8.54g(収率79.3%)得た。
【0116】
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):6.09(2H,d,J=14.4Hz,-CH2P-),
7.43(1H,dd,J=8.6,2.0Hz,Ar-H), 7.49(1H,d,J=2.0Hz,Ar-H),
7.54-7.79(10H,m,Ar-H), 7.86-7.98(6H,m,Ar-H),
8.05(1H,d,J=8.6Hz,Ar-H), 8.25(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H)
【0117】
2)3−[2−(7−クロロ−2−キノリル)エテニル]ベンズアルデヒドの合成:
7−クロロ−2−キノリルメチル(トリフェニル)ホスフィリッククロライド(4.60g,9.70mM)を無水THF(100ml)に溶かしN2 気流下tBuOK(1.09g,9.70mM)の無水THF(50ml)溶液を滴下し、室温で10分攪拌した。この溶液にイソフタルアルデヒド(1.30g,9.70mM)の無水THF(30ml)を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液に水(300ml)を加えて、CHCl3 で有機層を抽出した。無水Na2SO4 で乾燥し溶媒を留去した後、残渣をCHCl3−MeOH−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末(cis/trans=6:94の混合物)として4.46g(収率91.9%)を得た。
【0118】
mp:105〜107℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):7.40-7.92(9H,m,Ar-H), 8.07-8.18(2H,m,Ar-H),
10.08(1H(94%),s,CHO(trans)), 10.13(1H,(6%),s,CHO(cis))
IR(KBr)cm-1:1688, 1591, 1439, 1190, 1122, 973, 721, 542
【0119】
3)トランス−3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンジルアルコールの合成:
3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンズアルデヒド(cis/trans=6:94)(2.53g,7.28mM)をMeOH(160ml)に懸濁させ、NaBH4(182mg,10.4mM)を加え室温で24時間攪拌した。反応液から不溶物を濾去し、不溶物を更にCHCl3 で洗浄した。濾液と洗液を合わせて減圧にて溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しCHCl3 で溶出した後CHCl3−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を淡黄色葉状晶として1.25g(収率58.1%)得た。
【0120】
mp:138〜140℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.95(1H,brt,J=4.9Hz,OH),
4.76(2H,d,J=4.9Hz,CH2OH), 7.31-7.48(4H,m,Ar-H and vinyl-H),
7.56(1H,d,J=7.6Hz,Ar-H), 7.63(1H,d,J=8.5Hz,Ar-H),
7.65(1H,s,Ar-H), 7.71(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.71(1H,d,J=13.7Hz,vinyl-H), 8.05-8.13(2H,m,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1607, 1591, 1497, 1409, 1040, 974, 840, 697
【0121】
4)トランス−3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンジルオキシ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
トランス−3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンジルアルコール(813mg,2.75mM)のCHCl3 40ml溶液にSOCl2 1.0mlを加えて室温で24時間攪拌した。反応液に少量のMeOHを加え減圧にて溶媒留去しトランス−3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)エテニル]ベンジルクロライドを淡黄色粉末として得た。
これを7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−(1,4)−ベンゾチアジン−3−オン(415mg,2.29mmol)のDMF(70ml)溶液に加え、更にK2CO3(475mg,3.44mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(31.8mg,0.23mmol)を加えてAr気流下100℃で16時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮しCHCl3、水を加え有機層を抽出した。Na2SO4 で乾燥、減圧濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しCHCl3 で溶出した後CHCl3−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を淡黄色粉末として193mg(収率18.4%)得た。
【0122】
mp:205〜208℃(分解)
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.42(2H,s,CH2 at C2),
5.07(2H,s,-C6H4-CH2-), 6.78(1H,d,J=8.8Hz,C5-H),
6.83(1H,dd,J=8.8,2.7Hz,C6-H), 6.97(1H,d,J=2.7Hz,C8-H),
7.35-7.48(4H,m,Ar-H and vinyl-H), 7.59-7.78(5H,m,Ar-H and vinyl-H),
8.02(1H,br,NH), 8.02-8.13(2H,m,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1668, 1608, 1592, 1497, 1377, 1223, 1068, 834, 692
【0123】
実施例82
7−[3−(2−キナゾリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズ[b]アゼピン−2−オンの合成:
実施例33と同様の方法で標記化合物を得た(収率15.3%)。
mp:128〜131℃(分解)
【0124】
実施例83
7−[3−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イル)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズ[b]アゼピン−2−オンの合成:
製造例5で得られたアルコール体を用い、実施例33と同様の方法で標記化合物を得た(収率23.3%)。
mp:159〜162℃
【0125】
実施例84
7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズ[c]アゼピン−1−オンの合成:
実施例1と同様の方法で標記化合物を得た(収率79.3%)。
mp:172〜173℃
【0126】
実施例85
7−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズ[c]アゼピン−1−オンの合成:
実施例18と同様の方法で標記化合物を得た(収率63.7%)。
mp:181〜183℃
【0127】
実施例86
7−[3−(2−キナゾリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンズ[c]アゼピン−1−オンの合成:
実施例33と同様の方法で標記化合物を得た(収率28.4%)。
mp:172〜173℃
【0128】
実施例87
7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−テトラゾロ[5,1−a][2]ベンズアゼピンの合成:
実施例1と同様の方法で標記化合物を得た(収率54.8%)。
mp:136〜138℃
【0129】
実施例88
7−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−テトラゾロ[5,1−a][2]ベンズアゼピンの合成:
実施例18と同様の方法で標記化合物を得た(収率17.9%)。
mp:217〜219℃
【0130】
実施例89
6−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1−テトラロンの合成:
実施例1と同様の方法で標記化合物を得た(収率36.5%)。
mp:93℃
【0131】
実施例90
6−[3−(2−キナゾリニルメトキシ)ベンジルオキシ]−1−テトラロンの合成:
実施例33と同様の方法で標記化合物を得た(収率7.4%)。
mp:97〜98℃
【0132】
実施例91
7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジリデンアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
3−(2−キノリニルメトキシ)ベンズアルデヒド(1.316g,5mmol)、7−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(0.901g,5mmol)、EtOH(70ml)の混液を24時間加熱還流攪拌した後、放冷し、析出した沈殿を濾取し、標記化合物を淡黄色粉末として1.969g(収率92.3%)得た。
【0133】
mp:209〜210℃(分解)
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):3.50(2H,s,CH2 at C2),
5.45(2H,s,C9H6NCH2O), 7.01(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.08-7.87(9H,m,Ar-H), 8.02(2H,t,J=8.3Hz,Ar-H),
8.43(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 8.63(1H,s,-CH=N-),
10.65(1H,s,CONH)
IR(KBr)cm-1:3183, 1679, 1624, 1598, 1584, 1492, 1371, 1267, 1255,
1202, 826, 816, 783
【0134】
実施例92
7−[4−(2−キノリニルメトキシ)ベンジリデンアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例91と同様の方法で標記化合物を得た(収率96.1%)。
mp:277〜279℃(dec.)
【0135】
実施例93
8−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジリデンアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例91と同様の方法で標記化合物を得た(収率93.3%)。
mp:170〜173℃(dec.)
【0136】
実施例94
7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例91で得た7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジリデンアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(6.383g,15mmol)をDMF(200ml)、MeOH(50ml)の溶液に溶解し、NaBH4(2.26g,60mmol)を小量ずつ加え、30分室温で攪拌した後、減圧にて溶媒留去。残渣に水を加え、CHCl3 で抽出し、水洗後、MgSO4 で乾燥。MeOH−AcOEtより再結晶し、標記化合物を白色粉末として5.117g(収率79.8%)得た。
【0137】
mp:147〜149℃
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):3.34(2H,s,CH2 at C2) 、
4.20(2H,d,J=5.9Hz,-CH2NH-),
5.34(2H,s,C9H6NCH2O), 6.18(1H,t,J=5.9Hz,NH),
6.32-6.50(2H,m,Ar-H), 6.68(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
6.82-7.00(2H,m,Ar-H), 7.07(1H,s,Ar-H), 7.24(1H,t,J=7.8Hz,Ar-H),
7.55-8.07(5H,m,Ar-H), 8.40(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H), 10.13(1H,s,CONH)
IR(KBr)cm-1:3430, 1663, 1613, 1600, 1505, 1263, 1251, 1157, 823, 792
780
【0138】
実施例95
8−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例94と同様の方法で標記化合物を得た(収率81.3%)。
mp:179〜181℃
【0139】
実施例96
7−[N−メチル−N−{3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル}アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(a)及び4−メチル−7−[N−メチル−N−{3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル}アミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(b)の合成:
実施例94で得た7−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(2.147g,5.02mmol)、CH3I(0.852g,6mmol)、K2CO3(1.658g,12mmol)、(n−Bu)4NBr(0.161g,0.5mmol)、DMF(60ml)の混合物を室温にて3日間攪拌した後、減圧にて溶媒留去。残渣に水を加え、CHCl3 で抽出し、水洗後、MgSO4 で乾燥。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出し第1溶出液をAcOEtより再結晶し、標記化合物(b)を0.091g(収率4.0%)得た。続いて第2溶出液をCHCl3−MeOHより再結晶し、標記化合物(a)を無色葉状晶として0.500g(収率22.6%)得た。
【0140】
標記化合物(a)
mp:196〜198℃(dec.)
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.96(3H,s,CH3-N-C7),
3.39(2H,s,CH2 at C2), 4.44(2H,s,-CH2N(Me)-),
5.35(2H,s,C9H6NCH2O), 6.47(1H,dd,J=2.8,8.8Hz,C6-H),
6.60(1H,d,J=2.8Hz,C8-H), 6.61(1H,d,J=8.8Hz,C5-H),
6.77-6.97(3H,m,Ar-H), 7.24(1H,t,J=7.8Hz,Ar-H),
7.56(1H,t,J=6.8Hz,Ar-H), 7.64(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.70-7.78(1H,m,Ar-H), 7.83(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H),
7.93(1H,br.s,CONH), 8.07(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H),
8.18(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1666, 1610, 1510, 1373, 1286, 1069, 783
【0141】
標記化合物(b)
mp:108〜110℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.97(3H,s,CH3-N-C7),
3.37(3H,s,N4-CH3), 3.38(2H,s,CH2 at C2),
4.46(2H,s,-CH2N(Me)-), 5.35(2H,s,C9H6NCH2O),
6.55(1H,dd,J=2.9,8.8Hz,C6-H), 6.66(1H,d,J=2.9Hz,C8-H),
6.78-6.95(4H,m,Ar-H), 7.25(1H,t,J=7.8Hz,Ar-H),
7.52-7.60(1H,m,Ar-H), 7.65(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H),
7.69-7.86(2H,m,Ar-H), 8.06(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H),
8.18(1H,d,J=8.8Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:1652, 1608, 1582, 1509, 1373, 1286, 1253, 1141, 1060,
827, 782, 748
【0142】
実施例97
4−メチル−8−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成:
実施例95で得た8−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルアミノ]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(1.690g,3.95mmol)、CH3I(0.673g,4.74mmol)、K2CO3(1.311g,9.5mmol)、(n−Bu)4NBr(0.129g,0.4mmol)、DMF(50ml)の混合物を室温にて3日間攪拌した後、減圧にて溶媒留去。残渣に水を加え、CHCl3 で抽出し、水洗後、MgSO4 で乾燥。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、CHCl3 で溶出した後アセトン−n−ヘキサン混液より再結晶し、標記化合物を1.000g(収率57.3%)得た。
【0143】
mp:102〜104℃
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.32(2H,s,CH2 at C2), 3.41(3H,s,N-CH3),
4.37(2H,d,J=5.4Hz,C8NHCH2), 4.55(1H,t,J=5.4Hz,C8-NH),
5.38(2H,s,C9H6NCH2O), 6.34(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H),
6.47(1H,d,J=7.8Hz,Ar-H), 6.91-7.08(4H,m,Ar-H),
7.24-7.32(1H,m,Ar-H),7.51-7.59(1H,m,Ar-H),
7.64(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H), 7.70-7.77(1H,m,Ar-H),
7.82(1H,d,J=7.8Hz,Ar-H), 8.06(1H,d,J=9.3Hz,Ar-H),
8.17(1H,d,J=8.3Hz,Ar-H)
IR(KBr)cm-1:3371, 2965, 1659, 1589, 1470, 1359, 1285, 1252, 1076,
819, 768, 742
【0144】
試験例1
抗ヒスタミン作用及び抗LTD4 作用(In vitro試験):
モルモットの摘出回腸を約2cmに切り取り、クレブス緩衝液を満たした20mlの容器内に懸垂し、ヒスタミン又はロイコトリエンD4 による等張性の収縮反応を記録計に記録した。クレブス緩衝液は37℃に保温し、混合ガス(95%O2−5%CO2)を通気した。まず、ヒスタミン又はロイコトリエンD4 を器官浴槽内に添加しそれぞれの用量反応を測定した。緩衝液で数回洗浄後、一定濃度の試験化合物(実施例番号で示す。以下同じ)を添加し30分間インキュベートした後、ヒスタミン又はロイコトリエンD4 の用量反応を再び測定した。
なお、表9において、数値(%)は10-5Mでの収縮抑制率、( )内の数値は抗ヒスタミン作用についてはpD′2値、抗LTD4 作用についてはIC50値を示す。
【0145】
【表9】
Figure 0004057671
【0146】
試験例2
抗ヒスタミン作用及び抗LTD4 作用(In vivo 試験):
雄性Hartley系モルモットの背部の毛を刈った後、試験化合物を10mg/kg経口投与した。1時間後、5%Evans Blue溶液を1ml/kg静脈内投与し、直後にヒスタミン0.3μg/ml溶液及びロイコトリエンD4 0.5μg/ml溶液をそれぞれ0.1ml背部に皮内投与した。30分後、モルモットを放血致死せしめ、皮膚を切り取り漏出色素量を抽出定量した。対照群には0.5%CMC(カルボキシメチルセルロース)を経口投与し同様に行い、対照群と試験化合物投与群の色素量の差より抑制率を算出した。
【0147】
【表10】
Figure 0004057671
【0148】
試験例3
1)H1 受容体結合阻害試験:
0.5nM[3H]メピラミン(活性22Ci/mmol)、モルモット脳膜タンパク質及び試験化合物を含む50mM燐酸緩衝液(pH7.5)1mlを37℃で30分間インキュベートした。氷冷した燐酸緩衝液を添加し反応を停止し、ただちにワットマン CF/C フィルターにて濾過した。フィルターを氷冷した緩衝液20mlで2回洗浄し、残渣の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。試験化合物を加えないときの測定値と各種濃度の試験化合物を加えたときの測定値より、試験化合物の抑制作用の用量反応を測定し、50%抑制濃度(IC50)を求め、IC50からチェン−ブルゾフ(Cheng-Prusoff)式を用いて解離定数(KD)を計算した。飽和実験では10-4MのR(−)ジメチンデンを非特異的結合量の測定に用いた。飽和実験から、受容体は一種類で、飽和結合量(Bmax)が278±24fmol/mg proteinであることが判明した。また、[3H]メピラミンの解離定数(KD)は3.30±0.26×10-9Mであり、ヒルプロットで解析したときのその傾きは1.005であった。
【0149】
2)LTD4 受容体結合阻害試験:
0.2nM[3H]ロイコトリエンD4、モルモット肺の膜タンパク質及び試験化合物を含む10mMピペラジンN,N′−ビス(2−エタンスルホン酸)緩衝液(pH7.5)0.3mlを22℃で30分間インキュベートした。氷冷したトリス塩酸/塩化ナトリウム緩衝液(10mM/100mM、pH7.5)を添加し反応を停止し、ただちにワットマンCF/Cフィルターにて濾過した。フィルターを氷冷した緩衝液20mlで2回洗浄し、残渣の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。H1 受容体試験と同様の方法で試験化合物のIC50を求め、解離定数を算出した。飽和実験では2μMのロイコトリエンD4 を非特異的結合量の測定に用いた。飽和実験から、受容体は一種類で、飽和結合量(Bmax)が988fmol/mg proteinであることが判明した。また、[3H]ロイコトリエンD4 の解離定数(KD)は2.16×10-10Mであり、ヒルプロットで解析したときのその傾きは0.99であった。なお、表11〜表15において数値は解離定数KD(mol)あるいは高濃度(a:100μM,b:10μM)での抑制率(%)
を示す。
【0150】
【表11】
Figure 0004057671
【0151】
【表12】
Figure 0004057671
【0152】
【表13】
Figure 0004057671
【0153】
【表14】
Figure 0004057671
【0154】
【表15】
Figure 0004057671
【0155】
【発明の効果】
本発明のフェニレン誘導体又はその塩は、抗ロイコトリエン作用と抗ヒスタミン作用を有し、喘息予防治療剤などの医薬として有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004057671
    Figure 0004057671
    (ここで、R7 及びR8 は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示し、R9 は水素原子、カルボキシル基又はテトラゾリル基を示し、lは0〜2の数を示し、nは1又は2の数を示す。但し、Xが -COO- のとき、B 1 -S-(CH 2 ) n - である場合を除く。)R5 は水素原子又は低級アルキル基を示し、Z1 は酸素原子又はイオウ原子を示し、B2 は-CH2CH2- 又は-CH2CH2CH2- を示し、R6 は水素原子又は低級アルキル基を示し、Z2 は酸素原子又はイオウ原子を示すか、又はZ2 とR6 が隣接する窒素原子と一緒になってテトラゾリル基を形成する。)〕
    で表されるフェニレン誘導体又はその塩。
  2. 式(1)中、R2 がC1-6アルキル基又はC1-6アルコキシC1-6アルキル基であり、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 が水素原子又はC1-6アルキル基である請求項1記載のフェニレン誘導体又はその塩。
  3. 請求項1又は2記載のフェニレン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  4. アレルギー疾患の予防又は治療薬である請求項3記載の医薬。
  5. 喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、乾せん、リウマチ、炎症性大腸炎、脳虚血及び脳卒中から選ばれる疾患の予防又は治療薬である請求項3記載の医薬。
  6. 請求項1又は2記載のフェニレン誘導体又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
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