JP4056840B2 - 翼付き鋼杭用の翼部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、翼付き鋼杭用の翼部品に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
杭の支持力を大きなものにするため、先端部等に螺旋状の支持翼部を備えさせた回転圧入式の翼付き鋼管杭が提供されている。
【0003】
しかしながら、従来の翼付き鋼管杭は、鋼板から切り出した翼を杭用鋼管の先端外周部に溶接で取り付けた構造であって、翼の地中切り込み側の端縁部は半径線方向を向いて地中切り込み方向と直交しており、また、翼は強度確保上の理由から肉厚寸法の大きい鋼板を用いて製作されていたので、地中切り込み側の端縁部の肉厚寸法が大きく、そのため、翼を地中に入り込ませていくのに大きな力を必要とするという問題があった。
【0004】
また、翼の切り込み側の端縁部と鋼管外周部との境界部分、並びに、翼の反切り込み側の端縁部と鋼管外周部との境界部分はそれぞれ、平面で見て角張った入隅形状をしており、そのため、地中打込み完了後の状態においてこれら境界部分に応力が集中し、また、その境界部が溶接接合部であることも相俟って、その部分で破損が起こり、それが他に広がって杭の支持力を低下させてしまうおそれがあるという問題もあった。
【0005】
更に、鋼板から切り出した翼を、杭用鋼管の先端外周部に溶接で取り付けた構造では、翼の製作と、杭用鋼管への翼の溶接に、多くの手間を必要とし、量産するような場合には特に、コストが高くつくという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、回転圧入で翼をスムーズに地中に入り込ませていくことができ、地中打込み完了後の状態で安定した杭支持力を永く保つことができ、それを低コストで実現することができる翼付き鋼杭用の翼部品を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、鋼杭本体に取り付けられる基部と、基部の外周部から側方に張り出して基部周囲を周方向に延びる支持翼部とが備えられ、
支持翼部の地中切り込み側の端縁部が、内周側から外周側に向けて、内周側が外周側よりも周方向に突出していくように傾斜していることを特徴とする翼付き鋼杭用の翼部品によって解決される。
【0008】
この翼部品を取り付けた翼付き鋼杭では、支持翼部の地中切り込み側の端縁部が、内周側から外周側に向けて、内周側が外周側よりも周方向に突出していくように傾斜しているので、回転圧入によって、この切り込み側の端縁部が地盤にスムーズに切り込んでいき、翼部をスムーズに地中に入り込ませていくことができる。
【0009】
更に、上記の翼部品において、支持翼部の地中切り込み側の端縁部が、刃物状に肉薄化されている場合は、回転圧入によって、切り込み側の端縁部が地中をより一層スムーズに切り込んでいき、翼をスムーズに地中に入り込ませていくことができる。
【0010】
また、上記の翼部品において、支持翼部の地中切り込み側の端縁部と基部外周とが平面で見て弧状に連続していると共に、支持翼部の反地中切り込み側の端縁部と基部外周とが平面で見て同じく弧状に連続している場合は、地中打込み完了後の状態において、それらの部分への応力集中が緩和され、安定した杭支持力を永く保つことができる。
【0011】
特に、これら弧状部を備えさせることは、必ずしも、切込み側の端縁部を上記のように傾斜させたり、刃物状に薄肉化することを前提としなくともよい。要は、鋼杭本体に取り付けられる基部と、基部の外周部から側方に張り出して基部周囲を周方向に延ばされた支持翼部とが備えられ、支持翼部の地中切り込み側の端縁部と基部外周とが平面で見て弧状に連続していると共に、支持翼部の反地中切り込み側の端縁部と基部外周とが平面で見て同じく弧状に連続している翼付き鋼杭用の翼部品によって、地中打込み完了後の状態における応力集中を緩和し、安定した杭支持力を永く保つことができる。
【0012】
そして、上記の翼部品が鋳造による鋼製の一体成形品からなる場合は、鋳造用の型に融けた材料を流し込むだけで上記のような形状、構造を実現することができ、容易に製作できてコストを低く抑えることができる。特に、支持翼部の地中切り込み側の端縁部と基部外周との弧状連続部分と、支持翼部の反地中切り込み側の端縁部と基部外周との弧状連続部分を鋳造成形することで、地中打込み完了後の状態におけるそれらの部分への応力集中を緩和し、安定した杭支持力を永く保つことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図4に示す翼付き鋼杭1において、2は鋼杭本体、3は翼部品であり、鋼杭本体2は鋼管からなっている。翼部品3は、図2及び図3に示すように、鋼杭本体2の先端部に取り付けられる基部4と、支持翼部5とを備え、支持翼部5は、基部4の外周部から側方に張り出して基部4の周囲を周方向に略一周にわたって螺旋状に延ばされている。
【0015】
上記の翼部品3は、鋳造による鋼製の一体成形品からなっていて、底部の外面部7はコーン状に先端側に突出しており、このコーン状外面斜面部7に掘削刃部8が一体に備えられている。また、基部4は、軽量化のため内部が中空で基端側に開口しており、基端開口部には鋼杭本体2との溶接接合のための開先部6が備えられている。
【0016】
そして、支持翼部5の地中切り込み側の端縁部9は、図1(イ−1)に示すように、内周側から外周側に向けて、内周側が外周側よりも周方向に突出していくように傾斜し、また、図1(イ−2)に示すように、同端縁部9は、刃物状に肉薄化13されている。地中切り込み側の端縁部9におけるこれらの傾斜と刃物状薄肉化13についても上記の鋳造によって成形されている。なお、反地中切込み側の端縁部10は、半径線方向を向いている。
【0017】
そして更に、図1(イ−1)に示すように、支持翼部5の地中切り込み側の端縁部9と基部4の外周とは平面で見て弧状11に連続していると共に、図1(ロ)に示すように、支持翼部5の反地中切り込み側の端縁部10と基部4の外周についても平面で見て同じく弧状12に連続している。この弧状部11,12も上記の鋳造によって成形されたものである。
【0018】
翼付き鋼杭1は、図4に示すように、上記の翼部品3の基部4の基端部と鋼杭本体2の先端部とを突き合わせ状態にして溶接Wで接合したものである。この翼部品3を取り付けた翼付き鋼杭1では、これを回転させながら地中に圧入していくと、図5に示すように、支持翼部5の切り込み側の端縁部9が、上記の傾斜によって、更には上記の刃物状薄肉化13によって地盤Gにスムーズに切り込んでいき、支持翼部5をスムーズに地中Gに入り込ませていくことができる。
【0019】
また、地中打込み完了後の状態では、図6に示すように、支持翼部5の地中切り込み側の端縁部9と基部4の外周とが平面で見て弧状11に連続していると共に、支持翼部5の反地中切り込み側の端縁部10と基部4の外周とが平面で見て同じく弧状11に連続しているので、それらの部分への応力集中が緩和され、安定した杭支持力を永く保つことができる。
【0020】
そして、上記の翼部品3は、鋳造による鋼製の一体成形品からなっているので、鋳造用の型に融けた材料を流し込むだけで上記のような形状を実現することができ、容易に製作できてコストを低く抑えることができ、特に、弧状部11,12の成形精度を高くすることができて、地中打込み状態における応力集中を効果的に緩和することができる。
【0021】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、支持翼部が一巻き程度の長さ寸法を備えた螺旋状の翼部からなる場合を示しているが、螺旋状に限らないし、長さ寸法も一巻き程度に限らないし、周方向に複数の支持翼を備えたものであってもよい。また、上記の実施形態では、支持翼部が鋼杭本体の先端部に一つ備えられる翼付き鋼杭用の翼部品として構成した場合を示しているが、支持翼が鋼杭本体の長さ方向に複数間隔的に備えられた多段翼構造の鋼杭に用いられる翼部品として構成されていてもよいし、翼部品を備えさせる位置や個数に制限はない。翼部品を鋼杭本体間に介設して鋼杭となすような場合には、コーン形状7や掘削刃部8等は省略されることになる。要は、翼部品は鋼杭本体に接合される基部と上記のような翼部とを少なくとも備えたものであればよい。また、上記の実施形態では、鋼杭本体2が鋼管からなる場合を示しているが、鋼杭本体は、H形鋼などの各種形鋼などからなっていてもよい。更に、鋼杭本体への翼部品の取付けは、溶接に限らず、ネジ式などによってもよいし、特に制限はない。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、回転圧入で翼をスムーズに地中に入れ込ませていくことができ、地中打込み状態で安定した杭支持力を永く保つことができ、それを低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の翼部品を示すもので、図(イ)は図3(イ)のII−II線から見た翼部の切込み側の断面平面図、図(ロ)は図3(イ)のIII−III線から見た翼部の反切込み側の断面平面図である。
【図2】同翼部品の先端面図である。
【図3】図(イ)は同翼部品の側面図、図(ロ)は図2のI−I線断面矢視図である。
【図4】図(イ)は翼部品と鋼杭本体とを分離状態にして示す側面図、図(ロ)は鋼杭本体に翼部品を取り付けた鋼杭の断面側面図である。
【図5】翼部の地中切込み状態を示す断面平面図である。
【図6】地中打込み完了後の招待を示す側面図である。
【符号の説明】
1…翼付き鋼管杭
2…鋼杭本体
3…翼部品
4…基部
5…支持翼
9…切込み側の端縁部
11…弧状部
12…弧状部
Claims (2)
- 鋼杭本体に取り付けられる基部と、基部の外周部から側方に張り出して基部周囲を周方向に延びる支持翼部とが備えられ、
支持翼部の地中切り込み側の端縁部が、内周側から外周側に向けて、内周側が外周側よりも周方向に突出していくように直線状に傾斜していると共に、該直線状端縁部は刃物状に肉薄化され、かつ、
支持翼部の地中切り込み側の前記直線状端縁部と基部外周とが平面で見て弧状に連続していると共に、支持翼部の反地中切り込み側の端縁部と基部外周とが平面で見て同じく弧状に連続していることを特徴とする翼付き鋼杭用の翼部品。 - 鋳造による鋼製の一体成形品からなる請求項1に記載の翼付き鋼杭用の翼部品。
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JP2002285956A JP4056840B2 (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 翼付き鋼杭用の翼部品 |
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JP2002285956A Expired - Lifetime JP4056840B2 (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 翼付き鋼杭用の翼部品 |
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