JP6709464B2 - 鋼管杭 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1の拡底鋼管杭は、杭本体である鋼管1の先端に、下向き羽根(下向き傾斜面部)と上向き羽根(上向き傾斜面部)とを持つ拡径円板2を固定している(なお、符号は特許文献1中の符号である)。
端面板の中央部に杭頭側にへこんだ凹部を形成するという簡単な手段により、安価に、そして施工性を損なうこともなく杭の支持力を高めることが可能となった。
すなわち、回転貫入の際、土が特に下向き傾斜面部で凹部に囲い込まれ押し込まれるので、凹部につまった土からの下向き傾斜面部の回転に対する抵抗が増し、また、鉛直方向の抵抗も増す。
すなわち、回転貫入の際、特に下向き傾斜面部は掘削する土を凹部に囲い込み押し込むように作用するが、端面板の裏面の凹部に、その中心側から切欠き部の近傍に向かって延びる細長部材が掘削推進補助バーとして存在するので、この細長部材が凹部に囲い込まれ押し込まれる土を切欠き部より排出する作用をする。したがって、掘削推進中に土が凹部につまり過ぎることは抑制され、凹部につまった土からの下向き傾斜面部の回転に対する抵抗は軽減され、また、鉛直方向の抵抗が増すことも軽減される。
この鋼管杭1は、杭本体である鋼管2の先端面に、直径D0が鋼管直径dより大で、かつ中央部に、下面側から見て杭頭側にへこんだ直径D1の円形輪郭の凹部8が形成された円形の端面板3を溶接固定している。図示例の凹部8はすり鉢状をなしている。凹部8の円形輪郭を図4にSで示す。凹部8の外側部分(上面部分)を8’で示す。凹部8の外側部分8’の上から見た円形輪郭をS’で示す。
前記端面板3における前記凹部8より外側に張り出した鍔部4に、前記端面板3の周縁から中央に向かう切欠き部5を有し、前記切欠き部5の端面板周方向両側に、互いに上下逆向きに傾斜した傾斜面部6、7(上向き傾斜面部6及び下向き傾斜面部7)が形成されている。
そして、前記凹部8に、その中心側から前記切欠き部5の近傍に向かって延びる掘削推進補助バーとして機能する細長部材10が溶接固定されている。実施例の細長部材10は、縦横18mmの正方形断面で長さが130mmの角棒(角形部材)である。
図示例の傾斜面部補強部材21は、縦横18mmの正方形断面で長さが40mmの角棒であり、その下端を端面板3に、下向き傾斜面部7における端面板中心側の側端面に接するように位置させて溶接固定し、上部の側面を下向き傾斜面部7の端面板中心側の側端面に溶接固定している。図5(ロ)の砂地ハッチングで示した部分が傾斜面部補強部材21と下向き傾斜面部7の端面板中心側の側端面とが接合される領域である。溶接はその領域の周囲において行う。図2において溶接部をQで示す。
図示例の傾斜面部補強部材21が端面板3に固定される位置は、凹部8の円形輪郭Sと円弧状切りこみmとの間の平坦な部分である。
なお、端面板3の直径が小径の場合は、傾斜面部補強部材21の位置が凹部8の傾斜面になる場合もあるが、その場合は傾斜面部補強部材21の下端面を傾斜面にする。
端面板3は通常、板厚T=9mm、12mm等であり、直径D0=300mm、400mm、580mm等である。材質はSS400又はSS490である。凹部8の高さは通常、H=45mm、60mm、75mm等であり、凹部8の円形輪郭Sの直径D1は通常、175mm、220mm、280mm、360mm等である。
実施例で説明する鋼管杭の各サイズ等については、鋼管2は板厚t=4.5mm、直径d=114.3mm、材質STK400である。端面板3は板厚T=9mm、直径D0=400mm、凹部8の高さH=45mmである。凹部8の円形輪郭Sの直径D1は220mm、材質はSS400又はSS490である。
図4に対応する底面図として示した図6では、円板9に凹部8を形成した後に傾斜面部を形成する場合として示している。同図において、傾斜面部が形成される前の段階の端面板を3’で示し、傾斜面部6、7となる部分を6’、7’で示す。
図示例では、凹部8の円形輪郭Sより若干半径方向外側の位置に円弧状の切込みmを入れ、その円弧状の切り込みmの中央位置から半径方向外側に延びる切込みnを入れた後、前記切込みnの円周方向両側をそれぞれ上下逆向きに傾斜させて、図1、図3、図5のような互いに上下逆向きの傾斜面部6、7を形成する。底面図である図6において、傾斜面部6、7を形成する際の谷折り部を1点鎖線、山折り部を2点鎖線で示す。
なお、端面板3の直径D0と凹部8の円形輪郭Sの直径D1との寸法差にも関係するが、前記円弧状の切り込みmと円形輪郭Sとの間に、前記傾斜面部補強部材21の下端を端面板3に溶接固定する平坦なスペースが確保されるようにするのが望ましい。
この場合、先端の端面板3が、その傾斜面部6、7が土に食い込む態様で推進力を発揮する。そして、端面板3が支持層に到達した状態では、下面の凹部8に土がつまっていることで地盤との接触面が有効に働き、支持力の高いものとなる。
しかし、上述した鋼管杭1では、端面板3の裏面の凹部8に、その中心側から切欠き部5の近傍に向かって延びる細長部材10が存在するので、掘削推進中にこの細長部材10が凹部8に囲い込まれ押し込まれる土を排出する作用をする。したがって、土が凹部8につまり過ぎることは抑制され、凹部8につまった土からの下向き傾斜面部7の回転に対する抵抗は軽減され、また、鉛直方向の抵抗が増すことも軽減される。このように、細長部材10は掘削推進補助部材として機能する。
また、鋼管杭1を地盤に貫入する際には、上述の通り、端面板3の下面に固定した細長部材10により、鋼管杭1の掘削推進に対する抵抗が軽減される。
また、凹部8における細長部材10の配置(位置)は、凹部の中心側から切欠き部5の近傍に向かって延びる態様で配置固定されるが、端面板3が回転して掘削推進してく際の土の挙動は複雑なので、厳格に位置が定められるものではない。したがって、種々の配置に対して実験を行って適切な細長部材の形状及び配置が得られるものである。
実施例の凹部8はすり鉢状をなしているが、椀状であってもよい。この場合、細長部材10の全長が凹部8の面に接触しないが、若干の隙間があることは、細長部材の機能として特に問題ではない。
また、図示は省略するが、鋼管杭1における端面板3の位置より適宜上方位置(例えば端面板直径の50〜60%程度上方位置)に、補助ウイングを取り付けることができる。 この場合の補助ウイングは、先端の端面板3における細長部材10及び傾斜面部補強部材21を除いた形状で、サイズは例えば20%程度大きくする。
2 鋼管(杭本体)
3 端面板
3’ 傾斜面部が形成される前の段階の端面板
4 鍔部
5 切欠き部
6 上向き傾斜面部
6’ 上向きの傾斜面部となる部分
7 下向き傾斜面部
7’ 下向きの傾斜面部となる部分
8 凹部
8’凹部の外側部分
10 細長部材(掘削推進補助バー)
21 傾斜面部補強部材
S 凹部の円形輪郭
S’ 凹部の外側部分を上から見た円形輪郭
T (端面板の)板厚
t (鋼管の)板厚
d 鋼管の直径
D0 端面板の直径
D1 凹部の円形輪郭の直径
H 凹部の高さ
Claims (2)
- 杭本体である鋼管の先端面に、直径D0が鋼管直径dより大で、かつ中央部に、下面側から見て杭頭側にへこんだ直径D1の円形輪郭の凹部が形成された円形の端面板が溶接固定され、前記端面板における前記凹部より外側に張り出した鍔部に、前記端面板周縁から中央に向かう切欠き部を有し、前記切欠き部の端面板周方向両側に、互いに上下逆向きに傾斜した傾斜面部が形成された鋼管杭において、前記凹部に、その中心側から前記切欠き部の近傍に向かって延びる棒状の細長部材を溶接固定したことを特徴とする鋼管杭。
- 前記端面板の下面に溶接固定され、かつ、下向きに傾斜した傾斜面部における端面板中心側の側端面に溶接固定された傾斜面部補強部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の鋼管杭。
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JP2016181400A JP6709464B2 (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 鋼管杭 |
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